さまざまに撮影をおこなった深川での講習

 昨日のGold Castleの講習では、深川スポーツセンターということで殺陣クラス、剣術クラスともに各一時間半ずつ講習がおこなえることもあり、殺陣クラスでは立廻りを重点的におこないました。

2019.09.01 Gold Castle①

 立廻りに関しましては、剣術とは異なり一人ひとりの段取りが流れを作って行きますので、ある段階にまで進んでいませんとなりません。剣に慣れ、体捌きに慣れ、基本的な約束事が身につき、危険度が無いと判断したところで立廻りに入っていただきます。

2019.09.01 Gold Castle②

 難しいところは、五人でおこなうものであれば全てを交代しながらおこなっていただきますので、その一人ひとりの段取りを覚えていただくには集中しておこなわなければなりません。

2019.09.01 Gold Castle③

 これまで、動きの中で上手く行かない部分など動きやすいように変更してきました。私が自分の動きの中からで作っているものですので、たまに見栄えと出来る動きとの兼ね合いで悩むところでもあります。私といたしましては、いまおこなっている立廻りが生徒達にとって初めて観るであろう自身の立廻り姿として記録に残してあげたいと思っております。

2019.09.01 Gold Castle④

 この教室では、発表会やイベントなどは設けておりませんが、その分、固定メンバーに限定せず、全員の技量を観ながらなるべく同じように接していきたいと考えているからでもあります。

 しかし、剣術や杖術とは違い、立廻りは主観ではなく俯瞰で観てみたいものでもあります。剣術と殺陣の違いは、そうした主観と俯瞰の違いともいえます。

 昨日は生徒のNさんにご協力いただき、講習風景の写真撮影と集合写真を撮ることが出来ました。十代の生徒達も多く参加され、初顔合わせの生徒達もいらっしゃいました。最近お越しになられている生徒達ですと、中学二年生のR君や小学校三年生のYちゃん、土曜日が多い高校三年生のA君が都合により参加できませんでしたが、また別の機会にでも一緒に撮れればと思っております。

 親御様も二階の観覧席から立廻りの様子をご覧になられておりましたので、お子様達の楽しそうにまた真剣に取り組まれている様子を俯瞰的に見守ることができたことと存じます。

2019.09.01 Gold Castle⑤

 基礎稽古組も、「万乃型」や「払い」「払いからの真っ向斬り」など、間合い、姿勢、リアクション、そういったものをジックリとおこないました。また、立廻り組を傍で観ながら気持ちも高まる部分があったかもしれません。皆が通ってきた道ですので、焦らずに身に付けていただければと思っております。

2019.09.01 Gold Castle⑥

 今回、2グループ撮影させていただきましたが、第一回目は、どういうふうに観えているかを知ることが目的ですので、上手下手は関係なく、「カメラの眼」を意識してこれからの稽古に励んで頂きたいと思っております。私の中では、以前おこなった立廻りタイプⅠの経験で、生徒達がどこまで進められるかが解りました。これは指導者としては大きな経験でもあり、のちほど映像を限定公開でパスワードを設けて掲載いたしますが、今の映像は評価の対象にないものですので、「俯瞰的な眼を持つ」ことが今回の映像を撮った一番の目的でもあります。次の深川スポーツセンターでの講習は11/10(日)とかなり間が空いてしまいますが、再び撮影をおこないますので、そこを目標に生徒のみなさまには励んでいただきたいと思います。

 
 剣術クラスでは、斬るための剣の操法をお伝えするために「正面斬り」「斬割り」などを幾つかおこないました。剣の振り方によって身体の作られ方も変わってきます。そうした筋肉の働きは剣に関わらず体術にも関わってくるものと思っておりますので、そうした筋肉の動きの違いをG君に触ってもらいながら剣を振り、背中を使う動きと使われていない動きの違いを確認していただきました。

 後半は体術をおこない、柔道場でしたので座りでの形をいくつかお伝えいたしました。中学三年生で身長180㎝、体格もシッカリしたR君がいわゆる力技でなく崩されることに、幾度と無く声を上げて驚いておりました。私も動きの中で得るものがあり、止められない動きは始めの崩しの中で有効であり、それは強すぎても弱すぎても動きが悪く、その加減を掴み軌道を精確におこなえば崩せる原理の一つとして有効であることが解りました。しかしながら、私自身、甲野先生の技を受けておりますので、「この程度じゃなぁ…」という思いが常に頭の中にあり、体術に関しては感動的な気付きというのはまだまだ訪れる気配がなさそうです。ですが、数年前の私を思えば体術に関するさまざまな感覚は身に宿ってきておりますので、今後はそうした感覚の中から色々なものを掘り起こしていきたいと思っております。「蠢動」はその中でも大きな発見でした。

 ひさしぶりにおこなう体術は毎回盛り上がるものです。おそらく剣や杖の接触より、直に肌と肌が触れる感触の方が心に何らかの働きがあるのでしょう。そうした感触から力がどのように通ってくるのか、そうした肌からの情報は現実の情報であり、言葉よりも伝わる密度や説得力があります。より繊細な肌と肌、皮膚と皮膚との実感が人と人との本来のつながりを生み出しているのかもしれません。しかしそれは、触れ方、通し方によるもので、力みや力技では逆効果となる恐れがあるでしょう。身体と心、技と理解、相手に心地良く伝わる技というのが、人を知るには自らを知るということに繋がりますので、結果として世の中の僅かな部分でプラスに働いているものと思うのです。脳を育てる「脳育」という意味でも、勉強や学びそれ以前の機能そのものを育てる働きが、感覚を重要に観る武術稽古にはある筈です。
 
 
 九月に突入いたしましたが、今月も皆様よろしくお願いいたします。

2019.09.01 Gold Castle⑦


 金山孝之 指導・監修 DVD
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2019年09月28日(土) 『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ(お問い合わせ受付中)

2019年9月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-09-02(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
北九州市門司区出身
世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者住宅 クラーチ溝の口
クラーチ剣術教室講師

パークシティ溝の口
杖術 巴の会主宰

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