記憶の眼差しに感謝を知る

 本日日曜日は、昨日に続いて深川スポーツセンターで講習をおこないました。昨夜は睡眠の質が良かったのか疲労が完全に回復しており、二コマ共に充実した講習となりました。

 殺陣クラスでは、日曜日は若い十代の生徒達が増えてきたこともあり、一年前と比べてもすいぶん様変わりしたのではないかと思います。男性女性共に十代の生徒が増えてきたことは喜ばしいことです。私は別段教育として意図的に何かを伝えようとしているつもりは無く、ただ正直に向き合い、大人と同じように接しております。高校生ぐらいまでは下の名前で呼ぶことはありますが、K君のように大学生となりましたが、今更苗字では呼べなくなった生徒もいらっしゃいます。それはきっと、数年経っても、その呼び名である限り関係性は変わらずに続いていくのだと思います。進学し就職していく中でも、この教室では時を巻き戻したような安心感のある場所でありたいと私は思っております。

 大人組も負けてはおりません。立廻りタイプKでは役者組の方々が迫力のある動きを見せておりました。あれだけ続けて動いているとかなり大変だったかもしれませんが、それぞれに自分達で考えながら修正し意図したものを汲み取って行っていただいております。三年四年と経ちますとやはり上達するものです。最近立廻りを始めた生徒達も数年後にはかなり上達されるでしょう。皆さんがそうだったように、色々な内容を稽古しながら身につけて行きました。勿論、まだまだ客観的に見て粗い部分が多いですが、それは余り気にしておりません。作品作りのために役を決めておこなうのではなく、役を変えながら様々な役割りをおこなっていただいておりますので、立廻りにおける動きの経験値という点では大きいかと思います。

 しかしながら、剣や剣に関する身体の使い方に興味はあるものの、立廻りのように斬られたり、複数の人数でおこなうことに苦手意識を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。そうした方は、剣術の方へ集中的に取り組まれるとよろしいかと思います。杖術が好きな方、剣術が好きな方、殺陣が好きな方、全て好きな方、色々なタイプがいらっしゃることと思いますが、その中で自分が無理なく楽しむことができ、動きの獲得に喜びを感じられるものが心身の発展に繋がって行きます。

 剣術クラスでは、今回は小太刀を稽古いたしました。手之内の操作、入り身の足捌き、中心の取り方、圧の掛け方と抜き方、逸れに伴う技など、さまざまにおこないました。

 特に最後におこなった「引き込み潰し」は、私の体術に繋がった技であり、体術でも技の名前をそのまま「引き込み潰し」と称しております。これは非常に簡単なものだと思っておりましたが、どうやら皆さん苦労されているようで、これはここ最近の私の中に芽生えた身体の感覚なのかもしれませんが、「これは技と言っていいのか、直ぐに出来るものはつまらないだろうな…」と思うのですが、これが結構難しいようで、そうした反応を見て安心している部分もあります。その安心とは、つまらないものをお伝えしているのではないかという不安の払拭と、簡単には出来ないことで、少しは技として成立しているのだろうという思いであります。

 小太刀による引き込み潰しでは、入り身から中心を取り、相手の柄を引き下げながら前に進み、同時に小太刀を切っ先側へ滑らせながら相手の重心が定まらず不安定になるように、引き込みと切っ先の潰しを微妙にずらしながらおこないます。この辺りがおそらく皆さんが苦労されているところだと思うのですが、私としては稽古中にたまたま出来たものですから、苦労する前に出来たことを技としておりますので、逆に何故出来ないのかを考えて、お伝えしなければなりません。これは杖を掴まれた際の対応法として前回お伝えした「差し換え奪り」と同様に、その動きの中で間を開けずに次々と最適な速さで行う必要があり、それは身体がそのように反応してしまうものなのです。ですから、「出来るか出来ないか」ということになってしまいますが、出来るように身体の反応を手に入れるには、精妙で確実な動きの稽古の中で、考えずにある程度のレベルまで出来るようになる事が大事になるかと思います。考えずに出来るようになるためには、最初はその事に付いて深く考えなければなりません。考えて色々と試した中で現在最も信頼出来るものを採用し、その精度が上がれば自ずとそのレベルの中で考えなくても動けるようになる筈です。勿論私の言う考えなくてもというのは、気にはしているレベルですので、全く無意識という訳ではありません。全く無意識の世界が実感できれば、その事に付いてお伝えできますが、それは大きな命題としてそこに向けて一歩ずつ進んで行くしかありません。

 その「引き込み潰し」は特に盛り上がっておりました。大刀で斬り込む打太刀の潰され方が動きの特性上滑稽に見える崩され方ですので、こうした講習では興味を持っていただけます。技の説明であったり、動きの特性であったり、相手がワザと崩されない限り、今すぐには出来なくとも納得して頂ける実演と解説は必要です。一番良いのはそれぞれが技を受けていただく事で、一気に興味が湧き起こり、その興味が吸収のための能力を引き上げます。必ずどこかに原因があるものですので、出来なくともその原因が解れば納得出来るものです。その原因に向って前に進むことが出来ますので、それが目下の必要な稽古ということになるでしょう。

 今日も有り難い一日となりました。子供達の笑顔も日に日に自然に出てくるようになってきました。私は厳しい事は殆ど言いませんが、おそらく動きの中で何かを感じ取って頂いているのかも知れません。そうした子供達や大人達の思いを受けて私も成長をさせて頂いております。そうした場が与えられていることに感謝いたします。これからも、私自身の技量やさまざまな面においての人間的な成長を目指し続けて行かなくてはなりません。その記憶の眼差しの数々が私にエネルギーを与えて下さっております。今日も一日ありがとうございました。


2020年9月21日(月/敬老の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

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2020年8月 武術稽古日程

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甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-31(Mon)
 

子供はみな宝、宝のままに大人になれ

 本日日曜日は久しぶりに深川スポーツセンターで講習をおこないました。殺陣基礎クラスでは、いつもは立廻りに入っている生徒もお越しになり、今更そんなことを?と言うところを疎かにせずお伝えいたしました。

 袈裟斬りに関しましては前足が内側に入ってしまう生徒が多く、急遽摺り足の稽古をいたしました。内側から寄せ、つま先を開いて足を入れ替えます。この足運びは滅多に行わないのですが、杖を使っておこなう「クロール」が全く同じ足運びとなります。この足運びが身に付く事で、左右からの袈裟斬りにもつま先や膝が内側に入ることなく自然に斬り下ろすことが出来るようになります。

 今月はすでに十回受講中のTさんは、六月から生徒になられましたが、講習中視野に入った瞬間に、「ああ、良くなったなぁ」と感じ入るものがありました。この二ヶ月余りで三十回近く受講されており、その熱意は相当なものがあります。毎月追加受講で人の倍は稽古しておりますので、ちょっと前まで気になっていた姿勢の事を忘れてしまうほど見違えるようになりました。寧ろ「良い」と思える形に感じ入ったのです。

 今回はその他にもSさんの動きも全体的に良くなっておりました。何といいますか、私も講師をやっておりますと、動きから色々なものが見えてくることがあります。心の部分も動きには大きく関係しておりますので、Sさんの動きを観て「よしよし」と思えるものがありました。そうしたものは、本人の自覚がなくても何処かで変化が起きている場合があります。他の生徒達も含め、最後まで集中して得られるものを感じた講習だったのではないかと思います。

 続く剣術クラスでは、ひさしぶりに納刀法と抜刀術をおこないました。体捌きのための各種納刀法や、ゆっくりと身体の使い方を学ぶ抜刀、そして最後に浮き身を使った「抜付」を全員おこなっていただきました。浮き身を掛ける事が分っていても身体はなかなかそのように動こうとしてくれませんし難しいものです。しかし、私が実演する中で剣の奔りが明らかに違うため、その実感を求め生徒達は試行錯誤いたします。一瞬でも「エッ!」っと感じるものがあれば、それは気のせいではなく、それが身体からの応えですので、その未知なる体感を取り込むことが稽古では重要になります。全て出来なくても、一部分でも自ら作り出した状況で得られることが出来れば進展です。

 生徒達の抜き方を見ていて鞘の操作に抵抗が多く見受けられました。抵抗が掛かるという事は真っ直ぐに引けない手の動きが行われているという事ですので、そこを集中しておこなうことです。これまで何気なく行っていた方も今一度左手の最後の形を確認してみてください。

 数年前は、講習で抜刀と納刀をよくおこなっておりましたが、現在は特別講習会などがあるため、頻度的に少なくなっているかもしれません。特別講習会は今私自身がおこなっている稽古内容をお伝えする場として開催しておりますが、基礎的な納刀法や抜刀術の稽古をもう少し普段の講習でお伝えしなければと思っております。

 そして本日は約半年振りに統眞君が参加されました。今年から高校生になり、いろいろと環境も変わったことだと思っておりましたが、なんと明日から約一年間交換留学生としてアメリカに留学されるとのこと!その前日の貴重な日にお越しいただきました。そのことを講習後にお母様から初めてお伺いし、これは記念写真を撮らなくてはと、Wさんにお願いして撮影していただきました。

 2020.08.29 Gold Castle①

 この年頃で一年間アメリカで過ごすことはその後の人生にとってとても大きな価値ある一年となるでしょう。いろいろな不安もある中で親御様の決断も簡単ではなかったかも知れません。言葉も違えば文化も違う生活スタイルも一から作り直さなければならない。云わば逆境の中で過ごしていかなければなりませんが、武術稽古に通じるものがそこにはありますので、その追い込まれた条件でしか得られないものがある筈です。彼が行く地域には、輝く大地と自然の中で育まれるものがあるでしょう。キラキラとした希望、キラキラと輝く星空、広い大地に広い心、子供はみな宝です。大人になってもその宝を失わぬよう輝き続けて欲しいものです。資質を知識で武装したつまらぬ大人になってしまわぬよう、大きな心と輝きを持ち続け、一年後に再びお会い出来る日を楽しみに私も生きて参ります。

2020.08.29 Gold Castle②

 統眞君、行ってらっしゃい!!


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甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-30(Sun)
 

突きが進展

 昨日の金山剣術稽古会は戸越体育館で渡部氏とおこなった。一昨日の稽古で脚部鍛練稽古のフルコース(大したことない数であったが)もあるが、最近感じているのは、互いに蠢動を掛け合った体術稽古は、身体に対するエネルギーの掛かり方が、生の力でおこなっているものより、身体に掛かっている負荷が大きいため翌日の疲労感はこれまでにない程である。例えるなら、普通の筋トレと加圧トレのような違いなのだろうか。蠢動を掛けると、自らの質量が高まったかのように、足が浮きにくくなり重たくなる。その状態で普通に頑張っている相手には簡単に崩したり投げたり出来るが、相手も蠢動を掛けると、互いの質量が高まっており、弱所散所の働きにより、簡単には止まらないため、身体に掛かる負荷は大きいのである。

 だから、この身体の気だるさや疲労感は、私に無かったものを今身体に取り込んでいる最中なので、非常に喜ばしいことである。昨日の渡部氏との稽古でさらに今現在前腕部、肩廻り、腰の辺りに筋肉の張りがある。これは体術稽古で得られた筋肉疲労、筋繊維の破壊であり、感覚を伴った記憶の中での身体が必要と判断したものである。杖術や剣術、抜刀術には無い部分であり、それでいて決して身体使いの邪魔にならない、寧ろより感覚的なものとして備わるものになると思っている。身体はそれに見合った動きの中で過不足なく必要なものが動きを導くものであると確信しているので、私にとって蠢動を得たということはとても大きな意味があったと言える。

 さて、この日の稽古では、抜刀も出来ないほどの身体の状態になっていたが、渡部氏と共に「抜付」をおこなった。これは一般的な抜刀術として基本であり極意でもあるとされている「抜付」であるが、私の中で浮きとの関連に気づくところがあり、今まで試したこともあったが、僅かなところで二尺七寸の居合刀が軽く速く奔ることが解った。渡部氏もこれまで見たことの無い切っ先の奔りであった。これを体術などでも検証したが、恐らく腰が浮いているということがこの力の源にあるような気がする。

 この日も体術稽古で進展があった。まずは「案山子落とし」で、色々と身体の使い方や軌道などを試みてきたが、出来たり出来なかったりで信頼に掛けてしまうものばかりであった。この日得たものは、というより最初に戻ったような気がするが、それを具体的に解って出来るようになったという事では、前に進んだということであろう。振り飛ばしや、独楽落としでは足との関連が重要であり、同様に案山子落としも足との関連を試みていたが、多少利いたりするものだから尚更迷うのであった。しかし、昨日解った事は案山子落としでは足を使うべからずであり、それが円や軸の軌道から外れてしまう要因になっていたのである。だが蠢動系の技は、何かとの関連が肝でもあるため、この案山子落としでは、頭との関連が技の利きに関係していることが解った。この日はこれで納得できたが、また日をあらためてこれが利くかどうかを検証したいところである。

 そして最後に「突き」の威力を検証した。これは甲野先生がおこなっている突きを参考に力の通し方、発力の手順などを模索しているのであるが、当然のように甲野先生のようには全く出来ない。それ故に、私としてはしばらくこの稽古は止めていたが、渡部氏が興味を持っていたので、リクエストに応え私が受ける形で渡部氏に突いていただいた。三発受けたところで興味が沸き起こり、たった三発で交代させられた渡部氏が不満気に笑いながら交代してくれたがお陰でまた得られるものがあった。

 突きが下手な私は中丹田を司令塔に前足との移動により、中心が取れた場合には相手が後ろに走るように飛ばされるのであるが、これが安定せず、また突く側の腕にも生の力感が残るため、それなりに普通とは違う飛ばし方が出来たとしても興味を持てないものになっていた。しかし、昨日は座り一点接触からの崩しと同様の手続きでおこなってみようと思い立ったのである。これは以前にも試みたが全く駄目で、研究する間もなく諦めたほどであった。だがこれに、もしやと思える部分に気がつき、背中の発力が上手く相手の接触部から奥に入って行く事ができ、その後に足を使うことが解り、これまでとは比べ物にならないほど渡部氏が後ろへ駆けて飛ばされた。生の力感も少なくなり、座り一点接触からの崩しの術理も応用できたことで疲れも吹き飛ぶほどであった。その操作法と手順を渡部氏にお伝えし、私が受けてみたところ、私もこれまでにない飛ばされ方をした。あらためて解った事は背中の発力における抜けと、それを働かすための身体各部との連係が重要であるという事。発力を信じられるようになったことで、研究する際の手順に整理がつきやすくなってくる。まさにジグソーパズルのように、似て非なるものに拘ればなかなかピースは埋まらないが、思い駆けない所に何かが嵌った時に、連鎖的に周囲の情景が見えてくる。そうして、ドンドン大きな情景が広がってくるようになれば、これまでに気が付かなかったものや、あきらめていたような事も見えてくるようになると思われる。

 この日は最後に杖整体操をおこなったが、杖整体操も効かない程疲れが溜まっていた。気持ちいいと感じる余力も残ってなかったのだろう。

 しかし一回の稽古というのは何やら筋書きが書かれているようなドラマチックなものである。その流れに居させて頂けるということにただただ感謝したい。


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甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-28(Fri)
 

独楽落としの進展

 WEB配信中の「かざあな。抜刀術編」が飛躍的に視聴されるようになり約一ヶ月が過ぎた。映像自体の配信は2019年の2月であるが、2020年7月の終わりごろから突如として世界に広がリ出した。この作品で音楽を作って下さったMariさんへ報告した時に8万だった再生回数が現在50万となった。チャンネル登録者数は、7年以上経って2.000人だったのが、この一ヶ月間で8.000人となった。コロナの自粛期間に、解説動画など配信していたことも関係しているのかもしれないが、まだまだ微々たる物であるが、世界に広がっていくというのは、いただくコメントなどを見ても大きな影響力を感じる。だが、私がこれにのめり込む様な事はなく、それに振り回されることもなく、これまでの生活基盤を崩すことなく進めたい。

 昨日、一昨日と金山剣術稽古会の稽古で進展があった。この記事では一昨日の記事を記したい。

 一昨日の夜は、その前日の睡眠時間が三時間を切っていたため記事を翌日にしようと思っていたが、昨夜も連日の稽古により身体が睡眠を優先したため、本日の午後に書くこととなった。

 その一昨日の稽古では、「独楽落とし」に進展があった。その前日、つまり今から三日前の夜に甲野先生に初めて受けていただいた「独楽落とし」にこれまでにない評価をいただきましたが、脇を空けると利かなくなるという弱点があった。これは関西から帰省で稽古に参加された川原田氏に受けていただいた時も、独特な形で受けられたときに感じたものであった。

 これには、どうしようかと考えていたのであるが、甲野先生に受けていただいた後、再びこの問題に思考が奪われるようになり、一昨日の稽古に向う電車の中で、空いた脇に腕を差し入れて倒すか、全く別の形にしなければならないと、今日の稽古で試みてみようと考えていた。

 そしてさっそく、通常の稽古前におこなう私のための研究稽古で、渡部氏を相手に脇を少し開いて「独楽落とし」を掛けるも僅かしか動かせない。そこで脇に腕を入れて強引に倒すことは出来たが、これは生の力で崩しいているので私が取り組んでいる流儀での体術とは言えない。それを二、三回ほどおこなったのち、渡部氏が「前に引っ張ってみるといいんじゃないですか?」と言ったので、こんなの動く訳がないと思いながらも試して見た。すると驚くほど相手が前に崩れる。次に、独楽落としを受けていただく時のように、自然に脇を空けず自然に立ってもらった状態から引いてみると、これがあまり崩せない。そこで再び脇を空けてシッカリ纏まった状態の渡部氏を呼雀で引き寄せ、その刹那に独楽落としを掛けると、通常の独楽落とし以上の威力で相手が地に落ちるのである。危ないため最後は支えているが、これには自分でも驚いた。

 姿勢と言うのはどこかに穴があり、穴がなければ崩すのであるが、その崩しにもどこかに穴があり、そのことが一昨日の稽古で実際に理解できたのであった。この日稽古を始めて十五分で一気にここまで進んだ。整理すると、相手を回転させて倒す「独楽落とし」では、脇を空けてドッシリ構えられると全く利かなくなってしまうのであるが、手前に相手を引き込む呼雀を掛ける事で、どれだけ対抗しようと踏ん張ったり雀返しを掛けられても脇が空いていれば、人は引かれやすくなってしまうため楽に崩すことが出来る。回転系の崩しには強いが、引かれたりする場合には脆さがある。技として危惧していたものが解消されたのは、相手が脇を閉じようとも空けようとも、こちら側の接触部にはなんら変更する必要が無いという事である。これが最も大きなことだった。

 では、横に倒す「案山子落とし」ではどうだろうかと考えてみた。「脇を空けた状態で身体を纏めた相手を横に倒すのは無理だろうなぁ、この案山子落としはこれまでにして独楽落としに専念するか…」と、一瞬頭をよぎったが。ものは試しに渡部氏に脇を空け身体を纏めてもらった状態に案山子落としを掛けたところ、思案が無駄に終わり、簡単に崩れたのである。つまり、前方に引き込むのと同様に、横への崩しも脆さがあるということが解った。(もちろん蠢動を掛けていなければならないが)

 この稽古で得られた情報量はとても大きなものである。それは意識的に気づいたものもあるが、動きの流れの中で体感的に身に宿したであろう無意識の経験値も大きい筈である。それは頭で解っていても出来ないものと、感覚的に統御され出来てしまうものとの違いから感じる。だから記事を隠さずに書くことが出来るが、渡部氏の一言によってまた私の体術が進んだことにはいつもながら感謝してもしきれない程である。

 時間になり通常稽古が始まる。柳澤氏と和泉澤氏が参加。柳澤氏は先月七月から定期的にお越し頂いており、杖術、剣術、抜刀術においても全体的に動きが馴染んできた。和泉澤氏とは昨年一月から三月までの間に江東区スポーツ会館で稽古をおこなって以来であるが、海外に語学留学されたり、独自の道を歩もうとされている青年である。平日の午後から稽古が出来る人は少ないが、こうした時間帯に稽古が出来るのもご縁ですので、本当に有り難いと思います。

 稽古を進める道として、私自身の実感から、出来ないものはまだ出来る身体の状態になっていないので、出来ること、出来そうな事を、感覚的に把握出来るように、興味のある動きの中で一つ一つ手に入れていくことが確実だと思われます。今は意識的な手順や操作法など考えておこなっておりますが、次第に考えなくても出来るものが簡単なことから出来るようになってきます。そこで初めて同時に行うべきことに意識を向けていけるのですが、その繰り返しにより考えなくて済むことを増やして行きながら技の精度を高め、自己を掘り下げていく眼が養われていくのだと思います。ですから、それらが備わっていない内に先にあるものをやっても、まだそこに対する身体が無い訳ですから長くは続きません。見た目の形に捉われず、内なる実感で感じられるように稽古に取り組んでいただける事が望ましいと思われます。


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甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-28(Fri)
 

生きて行く上での指針を得られる学び

 もう風呂に入って寝なければならないが、深夜二時半、これから記事を書きます。

 今夜は松聲館へ伺い甲野善紀先生と研究稽古をいたしました。願立剣術物語の一部を読み聞かせて頂いたりその中で、先生の体感と通じ合う言葉が何度も記述されており、この伝書が先生の中でとても大きなものであると改めて感じ入るものがありました。古の日本人が後世のために遺された体感からなる言葉の貴重さに、身体という学問や宗教がそこには含まれて入るような気がいたします。つまり、今を生きる術がいつの世も身体無しでは学べなかったのだということだと思うのです。かつてはものを書くにも身体の使い方は精妙を極めるものだったに違いないと思います。現代の我々が身体から学べるものはかなり見落とされてしまっております。そのことに気が付くには、現代を生きている我々には身体使いの基盤に相当なハンデがあるため、見落としているものばかりだと思われます。ですが、希望を失わずに、全てをそこに合わせて生きて行く生き方が選べれば、多少なりとも見落としていたものに気が付けるのかもしれません。

 慣れ親しむことが許されない時代を生きる我々は、常に周期的に新しくなる機器を手に入れ、それが無くては仕事もコミュニケーションもままならない、半ば強制的な変化を強いられております。それが世界共通の世の流れとしてITが君臨し続けておりますが、ITに抗うことが出来ないということは、管理された中で、さまざまな数字の評価に一喜一憂して生きて行くという事になります。今の時代を本当の意味で幸せに生きて行くには、IT管理から置き去りにされても生きてゆける生活スタイルを築くことではないかと考えます。全くITを使わないという事ではなく、最小限の必要性に応じて使いますが、この辺りの加減は明確な生活スタイルが確立されていなければ難しいでしょうから、おそらくこれからも益々慣れ親しみ生きて行くことが困難になって行く時代を生きて行く我々は、利用されない表裏の知恵を身につけなければならないでしょう。こういったところにも弱肉強食の厳しさが訪れております。

 生きて行く上での指針を得るには、今の時代宗教とも言い難いところがありますし、本来ならばそこに試験とは異なる教えがあると思うのですが、さまざまな事件がその辺りの学びに踏み入ることを躊躇をさせてしまいました。私も宗教には無縁の生活を送っておりますが、武術稽古に関してはそれに近い学びがあるのではないかと感じます。ですからこれからも、宗教ではなく自らが信じる武術稽古を通じて生きて行くための学びを得て行きたいと考えております。そのことに体感を通じて得られた甲野先生には大変感謝しております。

 体術稽古では先生に気づきがあり、突きなどの威力がこれまでの中でも何気なく、そして強いものでした。そのキーワードはここでは書けませんが、なるほど身体の事はそうした実感からなる言葉が伝書たる所以なのだと、感覚的な部分から感じ取ることが出来ました。伝書と繋がる事が出来るなら、それは人として通じ合うという事なのかもしれません。それは一体どのような心境なのだろうかと想像いたしますが、まだまだ私には想像が出来ません。

 今夜は先生と剣術について研究をおこないました。私が剣術について武術を始めた当初から自分でも分らないのですが想いの強さがありました。当時といっても十一年ほど前ですが、剣術という言葉を知らない方が今よりも多く、剣道しか知らない人の多さに驚いたものです。現在はアニメやゲームの影響で、剣術や抜刀術という言葉自体は世界的にもかなり広まったように思いますが、それでもまだ一部の方々による趣味の範囲だと感じております。

 これから剣術について、先生とさまざまな展開を迎えるような気がしておりますが、微力ながらも精一杯先生の剣術の技にお役に立てればと思っております。

 最後に蠢動を使った体術「独楽落とし」を先生に受けていただく事ができました。これまでにも何度か先生に工夫した技を受けて頂きましたが、今回はこれまでの中でも一番の評価を頂くことができました。まだまだ利きを高めて行かなければなりませんので、精度や相手の工夫に対する対応策も研究しなければなりません。

 本日も濃密な稽古でした。今から六時間半後に戸越体育館で研究稽古、八時間半後に三名の方と稽古の予定です。これから風呂に入り寝なければなりませんが、身体は十分持ちそうな気配です。


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2020-08-26(Wed)
 

当たり前だったものを失わないために

 日差しの色が午後からではなく日中から秋めいてきたのを感じる。コロナで騒ぎ続けている間、せめて台風や気温は控え目でいてもらいたいところであるが、逆にコロナどころではない事態に遭遇すればこんな日常も「もうやめようよ。」という多くの声に繋がって行くかもしれないのに…という思いもある。

 甲野善紀先生のTwitterの記事に掲載されていた、世界で起きているコロナ関連の情報を集めたものを取上げている方がいましたので、先生から許可を頂きましたので、私もその記事をこちらのブログでリンクさせていただきます。
(青文字をクリックもしくは指でタップして下さい)
家族や友達を守りたい人に贈る記事 コロナの本当の危険に備えるための世界のニュース

 私は直感的にこの記事に書かれてあることを感じておりましたが、この記事では海外のニュースや資料などよくデータが集められていると思います。無知な私はこれ以上言葉を慎みますが、その慎んでいる部分を多くの皆さんで感じ取っていただければと思います。


 さて、本日は「クラーチ剣術教室」の講習でした。会場最寄り駅の小学校では体育の授業で、生徒達が元気にグラウンドを駆け巡っておりました。全員ノーマスクで、数ヶ月前まで当たり前だった光景が目に留まるようになりました。学校によってさまざまだと思いますが、犠牲になっていると分かっていて犠牲になることの馬鹿馬鹿しさを実地で体感させられている子供達は可哀想です。ここで見かけた今までと変わらぬ体育の授業風景につきましては安堵いたしました。

 講習では、ひさしぶりに「三進五退」をおこないました。呼んで字の如し三歩進んで五歩で退くというものです。歩幅を大きく取るための摺り足や、それに合わせる杖の操作などをお伝えいたしました。

 続いて先日の講習でもおこなった「差し換え奪り」をおこないましたが、ここでは呼雀は危ないので、差し換えではなく、一歩前に進んでの操作手順に変更いたしました。相手に杖を掴まれた場合、もしくは相手の杖を奪う場合において、幅広く掴まれた場合の対応法です。初めてでしたが、それぞれに手順を考えながら熱中して取り組んでくださいました。

 剣では差し換えによる発剣をおこないました。気配を消すように動くことの難しさを八十歳前後の皆様へお伝えしておりますが、諦めるということは無く、どのように相手に抜かれずに相手の差し出す木刀を打ち込むことが出来るか、それを考えながら感じながら気がつけば他の内容に移らず三十分間集中的にこれをおこないました。

 今日も全員参加で集中して取り組むことができました。コロナで元の状況に戻るまでには何かの思惑がどの程度働いているかによって戻れるのか戻れないのかが決められてしまいますが、このままではマズイ方向に世の中が切り替わっていくことは私にでも分かります。デモや暴動が過激になる前に、自分自身がよく考えて、表と裏の情報を読み解くことが大事であります。仮に推測が外れたとしても、事実は事実の部分がありますので、情報を分析する個人の思考が世の中の流れを決めていくという事になるでしょう。


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2020-08-25(Tue)
 

感を得て勘を磨く

 この時期、夜空に輝く一番明るい星は木星。その左となりに土星が見える。さらに22時を過ぎると東の空に赤い火星が見えてくる。今の時期は木星と火星がとても明るい。

 本日日曜日も所々で大雨が降り注ぎましたが、運良くその時間帯には当たりませんでした。今日は夏休みの影響か半数ぐらいの参加人数でしたが、その分広く動き回って講習をおこないました。殺陣クラスでは乱取り的な「囲み稽古」をおこない、その中で最低限の決め事を守り、あとは自由に全体を見ながらおこなっていただきました。これは先週の剣術クラスでおこなった鬼ごっこに通じるもので、様々な眼を持ちながら動いて行く必要があります。声、足音、剣の動き、倒れている絡みの利用、いろいろと工夫できるものが見つかる筈です。かなりの運動量になったようでしたが、今後は状況を見て、予定に無くともメンバーを見てまたおこないたいと考えております。

 小学五年生のM君が「万乃型」を後半途中まで覚える事が出来ました。確実な成長を感じておりますので、これからも楽しみです。お父様とご一緒に励まれる姿は他の生徒達にとっても優しい気持ちになれるものです。これからの成長を皆で感じながら場を育んでいきたいと思います。

 杖術クラスでは、身体各部の操作とその手順などをジックリと取り組んでいただきました。こうした(身体の)中を観ておこなう稽古というのは、育てていかなければならないものですから、最初はよく解らないものです。出した足裏に圧が掛かる前に下げる。杖の軌道に下手が引かれ、それに導かれるように左足が出て行く。これは、私の実感が言葉になっているのですが、その実感と言うのは人によって言葉のニュアンスが違ったりするものですから、あまり言葉を信じないという事ですね。もちろん信じることも必要ですが、同じぐらい信じないことも必要なのです。大事な事は見たものをどう感じるか。武術とは感じる能力を引き上げるものとも言えますので、感じないままに稽古をおこなうのは逆効果になってしまいます。その感は勘となり適確な見通しの鋭さが養われるものだと言えます。勉強全般について、この感覚が養われながらおこなうものであれば、それは日常に役立つものかもしれません。

 講習の最後に少しだけ「蠢動」をお伝えいたしました。女性のWさんが男性のSさんの両肩に触れ、そのまま「独楽落とし」で転倒させることが出来ました。あらためて蠢動の働きには見ていて不思議に感じます。

 次回は土曜日日曜日共に深川スポーツセンターでの開催です。W受講も歓迎しております。心の状態を取り戻すには、天井が高く、自然光がよく入る広い空間で、人を信じて笑顔を見せて活動することです。この深川スポーツセンターはこれまで開催した全ての会場の中でベストです。(利用料金もダントツですが…) 全体のレベルを引き上げながら、新しい方を育て、私も成長して行きたいと思っております。

 本日もお越しいただいたみなさま、ありがとうございました!


2020年9月21日(月/敬老の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

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『古武術は美しい』~合理性を追求した身体の芸術を身につける~


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2020年8月 武術稽古日程

2020年9月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-24(Mon)
 

人生波とともに

 いつも土曜日が終って思うことは、「ああ、明日もこのありがたい一日がもう一度味わえるのか!」という喜びです。不器用で頑固で人見知りだったため、これまでの人生はストレスと怒りが常に私の中のエネルギー源として充満しておりました。今では全く考えられないことです。しかし数年前までは、いつか再びあの頃の人生に戻ってしまうのではないかという、信じ切れないものがあったのです。

 それを変えることが出来たのは、全てを一人で取り仕切るということでした。その中で出会った人達、その人達に対する責任。全ては自分の考えでおこなっておりますので、やるべき事が明確に納得して進める事が出来ます。そこから年月を重ね、今出会っている方々との時間は、私にとって宝物のような時間であります。

 今までのストレスや怒りがあったから、宝物に気が付けるように、また宝物となる場を築くことになれたのかもしれません。ですから、苦しむことはなるべく避けたいものですが、それがあって初めて得られるものがあるのかもしれません。今後は、これまでとは逆に、今のありがたさの物差しから不満が生まれて来ないように、私自身常に自分を点検し、その問題が立ち上がる前に、武術としての対応で進めて行かなければならないように感じております。

 
 さて、本日はGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習でした。今日は午前中からの講習という事で、9時頃に山手線に乗りましたが、ここ数ヶ月間無かった程の混雑振りでした。夜も山手線が混雑しておりましたので、感覚的には元に戻ったような気がしております。昨日辺り、ネットで感染のピークは過ぎている、免疫の獲得数についてもこれまでに無い専門家からのコメントが記事になっておりましたので、(詳細を記録しておりませんでしたので、大よそのことしか書けませんが)その影響もあったのかもしれません。日本人の十八番(オハコ)は変わり身の早さでもありますので、その潮目がどこで切り替わるか見守って行きたいところです。

 今週は殺陣基礎クラスと杖術クラスの二部構成でした。殺陣基礎クラスでは、これまでのように基礎的な名称や、帯刀脱刀などを丁寧にお伝えいたしました。胴斬りに時間を掛けておこないましたが、全体的に剣の軌道や姿勢が良くなってきました。体験参加二回目のMさんも始めての殺陣基礎クラスでしたが、後半動きが慣れてきたようで楽しんでいただきました。若い生徒達も元気に飽きることなく取り組んでいただきました。次回の殺陣基礎クラスは、来週8/29(土)13.時20分~14時50分深川スポーツセンターでおこないます。

 続く杖術クラスでは、三名の方がW受講され、久しぶりに「四天誕杖」をおこないました。それぞれに合わせて、Sさんには、打ち込みや単体技、そして杖を使いながら足運びの稽古、他の方は掴まれた際の対応法「差し換え雀」、「三十連円打」と分かれておこなっていただきました。「差し換え雀」に関しては、私自身気が付いたことがあり、これは同系統の「捧げ首潰し」にも通じることですが、一つの動作の間に次々に次への動きが連動しておこなわれることが重要であり、特に体術など相手が付いた場合の対応では、相手と合ってしまってはならないため、流れるように繋がって行かなければなりません。このことは、武術を始めた当初、全てを一つ一つのパートに分けて考えていたため、それを実行すればするほど出来ないものであることに気がついておりませんでした。それに気がつき始めたのは数年前からですが、今回のような一つの技法を自分がどう動いているのかを自分で動いて確認するという、人にお伝えする際に近年はそういう事が多くなりましたが、そこで自らも知ることが出来ます。それが今日の「差し換え雀」だったということです。

 つまり、考えずに動き続ける稽古の重要性、それに、一つ一つの動きの確認をおこなうのではなく、全体を一纏めにして、匂いや味覚のように感じて動くこと、それに気がつける事が重要です。これは直ぐにどうこうという訳には参りませんが、杖の稽古で自由に止まらず重心を感じながら一定に姿勢を乱さず調和を持って動く稽古が、その感覚を養うものだと思います。

そして先週のK君に続き、今回Yさんが二百回生となられました。もしかするとご本人もこれだけ続くとは思ってもみなかったかもしれませんし、それは他の生徒達も同様に感じていらっしゃるかもしれません。今日は昔よく使っていた呼び名でご婦人Oさんに、「Oさん、私ともうあまり武術歴が変わらなくなりましたね!」とお話したところ、「そうなのよ!それがさいきん気になっちゃって、プレッシャーなのよ!」と思わず大声になってしまうほどでしたが、私も全然大したこと無いという事ですので、自信を持ってこれからもやっていただければと思います。

 二百回生のYさんは、私がニックネームを付けさせていただいた生徒さんでもありますが、品川区総合体育館の柔道場で初めてそのニックネームを試しながら呼んでいたのですが、その反応を伺う私の表情が可笑しかったらしく、文京区で開催した特別講習会の本郷三丁目での懇親会の席で、その話題になりYさんから正式に許可を頂いたという、あの時は涙が出るほど笑ってしまいました。その他にも、食事会のお店を探して頂いたり、何かと頼りにしております。これからも剣を楽しみながら、好きなこととの両立を図っていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします!

 明日は12時から品川区総合体育館柔道場で講習をおこないます。雨になりそうですが気温は下がる見込みです。熱中症には気をつけてお越し下さい。私も過信をしないようにしたいと思っております。


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甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-22(Sat)
 

『杖術 特別講習会』のお知らせ

2020年9月21日(月/敬老の日) 品川区総合体育館 剣道場にて、杖術特別講習会を開催いたします。

2020年7/20発売のDVD【古武術は美しい】に収録された内容や、その他幾つかの技をご紹介させていただく予定です。
初めての方や他流の方も歓迎いたします。
(貸し出し用の軽い杖を数本ご用意しております)


2020.07.14 発売 月刊秘伝より


【開催時間】
12時00分~14時00分

【会場】
品川区総合体育館 剣道場


【参加費】
3.000円


【お申し込み方法】
ホームページまたは「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「杖の有無」 

上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
杖術 「流転落とし打ち」

杖術 「三十連円打」

杖術 「十一之型」

「かざあな。杖術編」

2020-08-21(Fri)
 

案山子落としの進展

 本日木曜日は戸越体育館にて渡部氏と稽古。

 今日は抜刀術と体術を中心におこなったが、あっという間に時間が過ぎてしまった。抜刀術に関しては、これは最近の体術もそうであるが、ある程度の手順が整うと、それらを一纏めにして抽象的な感覚に変わっていくというもの。

 だから言葉で説明すると、とてもいい加減な風に聴こえてしまう。もっとも渡部氏だからそのまま丁寧に変換せずに伝えることが出来るのであるが、この全てを一纏めに抽象的な感覚でおこなった場合の動きの差異を言葉で説明するのは難しい。おそらくそれは全てのバランスの上で成り立つものであるから、全体としての味や匂いで感じて行かなければならないように思う。だから、考え過ぎて、手順を精確にやろうと意識し過ぎてしまう程感じられないものなのかもしれない。

 だが、そのためには、手順を精確におこなうべく身体の把握が出来ていなければならず、私自身未熟ながらも身体に任せることでその部分から離れることが出来るのだと感じている。そうした部分を増やすことで、より抽象的に無意識に近い感覚となるのであろう。

 体術では、「案山子落とし」に進展があった。案山子落としとは、蠢動を使い、立っている相手の両肩に触れた状態で、そのまま横に倒すというもの。

 普通に立っている状態の人であれば大抵は倒すことが出来るようになったが、ある程度受けの免疫が出来て慣れてきた人には、掛かりにくくなってきた。そこで、最近は蠢動と身体の向き、下体との連動が技の利きに大きく作用していることが解ったので、この案山子落としでも、下体の使い方を工夫して円の動きに合わせて崩せなくなった渡部氏を崩せるようになった。動き出しの瞬間に驚いて声が出てしまうような反応だったので、まずまずの成果であった。

 今日得たこととして、それぞれの技における手順や精度もあるが、それよりも、一纏めにした抽象的な言葉にしづらい感覚をこれからは求めて行く必要があると思っている。これまではそうした言葉は、古流における伝書等敢えて具体的に説明をしないようにしていたのかと思ったりもしたが、実は間逆であり、そんなものの遥か先にある実感をそのままに伝えた言葉なのだろう。如何に身体が使え、如何に感覚が研ぎ澄まされていたかと思うと、古の日本人が持っていた能力の凄まじさ、そして身体と同時に育まれた心というものに、現代とは想像も出来ない世界がそこにあったと思わざるを得ない。まだまだ解らないことだらけであるが、せめて同じ地に生きている者として、その凄さに心身を通じ気が付ける程のレベルにはなりたいと思っている。


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甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-21(Fri)
 

強さの根源

 昨夜は外が明るくなり始めた5時過ぎに寝て、9時30分頃に起床。外の天気と同様、心が晴れ晴れとした爽やかな朝だ。

 さて、昨日は夕方から甲野善紀先生とSさんとともに、とある場所で撮影のために受けを務めさせていただきました。情報公開の事が分からずとある場所と書いて申し訳ないのですが、私としては初めて伺った都心の会場で、先生の体術、剣術、杖術、抜刀術、薙刀術などを拝見いたしました。共に伺ったSさんにもお話したのですが、先生と待ち合わせして、電車に乗って、こうして会場について突然カメラの前でお話されることの凄さに驚かされます。それはもう日常のありのままがそれなのだと、近年は松聲館での甲野先生とお会いする事が私の記憶の中での先生なのですが、それは当然ですが一部分にしか過ぎず、全国で講習会や講座をおこなわれたり、さまざまな撮影などでのお姿も先生の中では日常の出来事なのだと、その一部の時間を共に過ごさせていただける有り難さに感謝しております。

 会場の皆様とも初めてお会いいたしましたが、都会のアットホームさといいますか、広告代理店の方とのお仕事を思い出すようなエネルギッシュさを感じました。アンテナとレスポンス、都心のハイセンスな場所で武術という異色な空間。そうしたあまり観る機会のない空間を体験させていただけたことはまた大きな経験となりました。

 帰りはまるで秋のような心地よい風と涼しさが肌を撫でて行きましたが、人生や世界というのはひとそれぞれに沢山あるのだと実感いたしました。情報が発達いたしますと、なにやら身近に感じることも多いのですが、その人生や世界観の広さ奥行き、現時点で果てしない想像に及ばないものがあるのだと思うと、年齢を重ねること、生きて行くこと、まだまだまだまだ…感動出来るのだと、ただ長く欲を叶えるための人生にならぬよう、感動の世界観人生観、学び、身体の可能性、人との出会いによるこれまでにない出来事の日常化、そうしたことが順を追って行くことで訪れるのかもしれません。仮に訪れなかったとしても、そこに向かって行くという純粋なる心に迷いが無いという事が何より大事なのだと思っております。

 言葉と言うのは、お金と同じように自分の持ち物ではなく、流れの中で通り抜けていくものなのかもしれません。その感じた瞬間が、言語を通じて言葉が定まり、放たれて行くのかもしれません。学びも然りですね。抜けて行ってしまうから留まる事は出来ません。勿論いい事ばかりではありませんが、良い流れを乱さない心身と環境の整え方は作って行かなければなりません。欲望や嘘というのは、場が乱れ、真摯なる発想から得られる心身の状態ではありません。そのような状況にならないための日々の在り方が、強さの根源だと思う今日この頃です。


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2020-08-19(Wed)
 

蠢動から可能性を

 すでに深夜2時を回っている。火曜日は盛り沢山な一日であったが、今夜は午前中の記事を書いて、明日夜からの記事を書く予定。

 今夜はテレビ制作会社から連絡が入っており、そのお返事など諸々時間が掛かってしまい、まだ風呂にも入っていない。

 全ての事は段階を踏んで行くのだと、自身の身体の使い方も含めその辺りが繋がっていることが不思議であり、だがそれしかないのだと、人生も手続き手順があって初めて感じられるものがあるのだろう。

 さて、本日火曜日は「クラーチ剣術教室」での講習でした。世間はソーシャルディスタンス、マスクで表情を隠すのが当たり前になってくると、当然これまで当たり前のようにおこなっていたことに余計な考えが生じてしまう。それはおそらく世界中であろう。

 おそらく数年後、どうして今このような事になっているのかさまざまに取り上げられる事になるのだろう。そのことも踏まえてアタマのいい人たちは抜かりの無い筋道を整えているに違いない。こうしたことは、内容は違えど昔から起こりうることであろうと学歴の乏しい私でも解る。人は歴史から学ばなければならないが、実際に同じような出来事に遭遇すると、やはり同じように繰り返してしまう。人間とはそんなものだと、それは以前から解っていた事であるが、勿論私自身もいろんな意味でそんなものの内の一人である。

 今日は「蠢動」を高齢者の皆さんに体感していただくことは出来ないものかと、咄嗟に思いついたのが、杖を横に持ち、その端の方を肩幅に持って、残りの長く余った部分を、相手に押してもらうというものです。つまり、横から肩を押してもらう代わりに杖を使っておこなうというものです。これは殆どの方が「蠢動」を掛けた場合と、普通に耐えた場合の違いを実感していただきました。特に世話人でもあるOさんは、六年前に「先生を転がすことが夢なのよ!」と仰っていたので、(よく、覚えているでしょう?笑)関節リウマチ症で指が何本か曲がらなくても前腕部の筋は動かせますし、接触部は握らずに、指先も触れないようにし、相手との接触感覚をなじませるようにすることがOさんでも出来ると思いますので、もしかすると普通に立っている私を転がす事が出来るかも…しれません。今日は一瞬だけ両肩を持ってもらい、私がおこなっている「独楽落とし」を試みて頂きましたが、蠢動の働きは利いておりましたので、横に回す感じの違いはOさんも実感出来たと思います。熱心な方だけにその時の嬉しそうな表情は印象に残っております。体重も32kg程なので、大変だとは思いますが、Oさんがどこまで出来るようになるのか私としても楽しみなところです。何度でも受けますので、研究なさって下さい。

 あらためて思うことは、歳を重ねてから武術稽古の人生に足を踏み入れたとしても、その人の中で見えてくるものがあり、それは身体の使い方や体力筋力に限らず、全身の感覚、統御における微妙な違和感、などいつの間にか解らなくても感じられるものが芽生えていると思われます。

 それは同時に心身にも影響を与えることになっておりますので、年下の未熟講師風情が偉そうなことを言っておりますが、雰囲気も以前と比べてお変わりになられたように感じます。それは眼の見え方かもしれませんし、先に進んだ方が見えるそれまでの通り道からなる把握なのかもしれません。先週は六年を迎えての御礼のお言葉を頂戴いたしましたが、それは私からも同じく感謝の気持ちが強いものです。いつも「お返事はご無用に。」と真に受けて本当にお返事をしない無礼な私ですが、あらためてこれまでの六年間のお礼をここで申し上げたいと思っております。

 デッサン教室のモデルとして、こちらの高齢者住宅へ伺ったことから、Oさんとのご縁が生まれ、間もなく開講するGold Castle 殺陣&剣術教室のチラシをお渡ししたところ、「こんな体だけど見学でもいいかしら?」ということで、2013年11月10日に初めてお越しいただきました。教室が開講したのが、三週前の10月20日ですから、この時から続いている生徒のOさんには驚きです。一番古い生徒であり、前述したようにハンデを抱えながら、当初は椅子に座りながらの稽古でした。徐々に筋力が付き始め、個別メニューで出来ないと諦めずに悔しがる方でしたので、私も遠慮なくふつうに指導させていただきました。時には結構厳しい事も言ったかと思いますが、「ハイ!ハイ!」と聴き取ると決めたことは、貪欲に知ることの楽しさ、まさかと諦めていた事に微かながらも近付けて行く事の充実感、その身体の変貌振りには私も驚きましたし、住まわれる周囲の方々からも見違えるようになったと噂されるほどになりました。(近年は他の生徒達と全て同じ内容をおこないながら、三十連円打などの型稽古は、教えられるまでになっております。)そうしたことから、翌年の8月にOさんの住宅施設で剣術教室を開講することになりました。私の世話人を務めて下さり、効果が出た一番の証人として、お陰様で人気の教室として皆様から温かい目で見ていただいてもらっております。Oさんは、多いときは土曜日、日曜日、火曜日と週に三回稽古されております。10月で七年を迎えますので、余り無理はして欲しくありませんが、長期間のお休みも無く続けられたのは、無理をしない、身体の異変を察知してお休みが取れる、無理に頑張らないという所だと思います。月曜日にはパーソナルトレーナーのMさんに身体を見てもらっているようですが、トレーナーのMさんもOさんのご紹介で私の稽古会の門人となって下さいました。「人生が変わった。」とOさんは何度か仰られますが、私もこうして毎週のようにこちらの住宅へお伺いし、皆さんと楽しく自然にお話が出来る生活になったことも人生が変った一つになっております。これからも、心身ともに前を目指して、自分自身でも驚くような出来事に遭遇することを思い描きながら、これからも稽古に励んで頂きたいと思っております。

 人生は本当にどのようになるのか分からないものですね。これからも未熟な講師ですがどうかよろしくお願い申し上げます。


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2020-08-19(Wed)
 

心のつながりを大切に

 大型連休だった方は今日から仕事再開、世の中はコロナでいつまでも騒いでおりますが、それなりに良い休日を過ごされた方は多いかと思います。

 昨日は品川区総合体育館で講習をおこないました。夏休みということで学生達は少なめでしたが、それでも体験参加にお越し頂いた方々や古参メンバーや新しい生徒達がお越しになり、いつものように賑わいました。

 子供達がシッカリしていることが、このGold Castleの生徒達の特徴でありますし、子供達に限らず、大人の生徒達も彼ら彼女らから学んでいるものがあると思います。さいきんは体験参加の希望に親御様からご連絡を頂く機会が増えましたが、年齢が若すぎるため何件かのご連絡をお断りさせて頂いております。これは私としてもそのお返事を書くのが心苦しいのですが、クラス分けをしておりませんので、これまでの経験から小学校五年生からとさせて頂いております。しかし、子役などでお仕事をされている方や舞台に出ている方は、特別に一度体験にお越しいただいてから決めさせて頂いております。本来であれば、若い内から経験させてあげたいのですが、その場合、私とマンツーマンかもしくは少人数で武術の稽古を始められた方がよろしいと考えております。しかし、そのご縁は限りなく無きに等しいものかもしれません。小学校五年生から私の金山剣術稽古会に毎週参加された郁己君は、丸二年間ほぼマンツーマンで稽古をいたしました。中学三年生になった今でも、学校が長期お休みになったときには必ず稽古に参加されます。

 そして学業や進学等で参加出来なくなった生徒達の中でも、親御様との繋がりが今でも活きている場合が御座います。そうしたやりとりの中で感じるものは、稽古に来られ直接感じる部分もありますが、例え稽古に来られなくても、心の繋がり、言動の繋がり、岐路の繋がり、どこかでその繋がりが成長に関わっているような気がいたします。それは私の経験からなのかもしれませんが、自分が本気でおこなう場面において、何処かで自分が信じたものの力を借りているような気がいたします。それはもしかすると、会っていたり連絡を交わすような近い距離感よりも、離れた距離感だからこそ心に想うものが通じているのではないかと、つい先日気がつきました。距離感や寂しさというのは、人の心に届きやすいものですし、またその逆の場合は届き難いものです。おそらく、これからも時が流れることで、今お会いしている方々と会えなくなってしまう事になるでしょう。ですが、あの時の想い出をいつまでも心に甦らせることが出来れば、心の繋がりはいつまでも続くのだと思います。その感情が美しいものであるように、人と人とが支えあって生きていける時間を創り出したいものです。


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2020-08-17(Mon)
 

剣術特別講習会 お越しいただきありがとうございました

 本日は品川区総合体育館にて『剣術 特別講習会』を開催いたしました。

 重心を動かさないように剣を振る稽古と、重心を移動させながら剣を振る稽古。いずれも重心を意識して身体を使うものですが、どこにぎこちなさの原因があるのかを確認しながらおこなっていただきました。

 今回は中国の方もお二人参加され、全く初めての剣術でしたが興味をもって取り組んでいただきました。

 常連の方、遠方から参加された方、それぞれに集中して稽古されました。感覚に耳を傾けることはなかなか難しいものですが、まずはそこからが稽古と言っても過言ではありませんので、その状態になれる準備が大切です。

 合間に体術を何人かの方に受けて頂きましたが、「独楽落とし」「案山子落とし」それぞれに驚いていただきました。あらためて思うことは、頭の使い方が身体的であるのか机上的であるのか、そこに費やした時間が感覚というセンスに影響し言動に反映されます。そうしたことが最近は具体的に解るようになりました。勉強するほど馬鹿になるという言葉を聴いたことがありますが、当然勉強しなければ馬鹿のままですが、どう勉強するか、何を勉強と感じているかがその言葉の意味に含まれているのだと思います。

 暑い中お越しいただいた皆様、ありがとうございました。次回は9/21(月)に『杖術 特別講習会』を予定しております。まだ告知はしておりませんが、多くの方のご参加をお待ちしております。


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2020-08-15(Sat)
 

本日、体術映像配信

 本日金曜日は休みの日であるが、稽古着の洗濯に袴のアイロン掛け、袋竹刀の補修、動画配信など諸々の作業をおこなった。

 連日の稽古と連日の猛暑のため、たまの休日には体力の回復とともに自宅での作業を優先している。金山剣術稽古会では、門人達との稽古前に私自身の一人稽古が欠かせないため、それなりに身体は連日働いている。昨日は身体が重く、こういう時は柔らかな動きや手足の調和を学ぶ稽古にしようと、訪れた渡部氏と柳澤氏と共に稽古をおこなう。

 最後に「杖整体操」を三十分ほどおこなったが、久しぶりに一人でおこなう姿勢による調整がかなり効いた。その前日におこなった体術稽古では、柳澤氏に受けをお願いし初めて公開する体術映像を撮影した。これは本日20時に配信する予定であるが、華やかな動きではなく、力の始まり、つまり発力やそのエネルギーの通し方など、私が学んでいる体術稽古の原理や術理の発掘を根幹とした研究・検証稽古である。

 体術は受けがワザと受けを取らないことを前提に工夫して行かなければならない。その中で分かっちゃいるけど防げないという技の工夫は至難である。受けも崩されないための工夫を考えてくるからである。これは甲野先生の受けを長年務めさせていただいた経験から、私のなかでは当然の在り方であるが、あらためて自分がおこなうとその難しさを痛感する。私としてもこうした映像を客観的に観た事が無いので、今後の体術稽古に何らかの発見があると思われる。

 その他には、Gold Castle 殺陣&剣術スクールのホームページに生徒限定公開の映像を配信いたしました。日曜日の講習でおこなっている「立廻りタイプJ」と「タイプK」です。芯の動きのみですが、ゆっくりと解説しながらおこなってますので、先を急がず精確に覚えて頂きたいと思います。こちらはもうホームページから視聴できますので、IDとパスワードが分からない方はご連絡下さい。


2020年8月15日(土)『剣術 特別講習会』(お申し込み受付中)

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2020-08-14(Fri)
 

センスを磨くには

 本日は戸越体育館にて渡部氏と柳澤氏と稽古をおこなった。杖術、剣術、抜刀術、体術、これだけやるとあっという間に時間が過ぎてしまう。身体を育てるということは、調和感覚や、重心の把握、実感から得た予測、その予測に合わせる無意識の働き、それらを脳が統御して動けるように導いていく。

 稽古では、そうした統御に重きを置くため、さまざまな動きをおこないながら、一貫性のある伝達を身体に経験させている。だから同じ事をずっと何も考える事なくおこなうのは、統御どころか鈍くなってしまうマイナス面が強い。同じ事をとり憑かれたかのようにおこなうこともたまにあるが、その時は必ず上記に記した感覚や把握や予測を統御させるべく微妙な調整をおこなっているのである。センスがいい人というのは、そういうことが意図せず自然に感じられるのだろう。

 センスの良し悪しは稽古の在り方にあると言っても間違いはないだろう。senseは感覚と訳すので、感覚を優先しない稽古はsenseが鈍くなる、つまりセンスの無い人間になってしまう恐れがある。パワハラや暴力行為、イジメ、感覚を無視したストレスの代償は何処かで何かに繋がってしまう。人は人により良くも悪くも影響を受けてしまうので、感覚を磨き、その良し悪しに気が付けることが、社会に出てからも必要な学習であると思う。感覚は身体が教材であり、ネットの情報だけでは全く身につかないものである。現代における武道武術の最たる必要性を感じるのは、この身体という教材を用いて、感覚を養う稽古から人材を育てる事ではなかろうか。当然であるが剣術をおこなうのは、人を斬る為ではなく、パフォーマンスの為でもない。身体の使い方を学び、無いものから何かを得ていくことに深い学習がある。その無いものを与えてくれるのが身体であり、感覚という実感である。それらは当然の如く、ものの考え方や感じ方、行動における手順、そうしたことが日常における仮想敵を想定したお題の中で訓練されているものであり、その敵は、社会における問題であったり、組織の纏め方や問題点に対する解決策の具体的な方法の見通しの鋭さにも表れる。それを直感的に感じられる人は、その道を習う習わせるということになっているのではないかと思う。しかし、全てがsenseを育むものではなく、その間逆のほうが多いため、よくよく見極めた方が良いだろう。

 この日の稽古では最後に体術の技を幾つか撮影した。これまでに杖術、剣術、抜刀術は撮影してきたが、公開するための体術の撮影は初めてである。そのため私としても観ていて珍しく感じるが、客観的に観る事が出来るので今後の稽古にさまざまな観点からプラスになると思っている。

 期日が迫って参りましたが、15日土曜日は『剣術特別講習会』を開催いたします。お申し込みにはまだ余裕がありますので、ご連絡お待ちしております。


2020年8月15日(土)『剣術 特別講習会』(お申し込み受付中)

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2020-08-13(Thu)
 

女性は元気で強い

 本日は「クラーチ剣術教室」に行ってきました。今日は今年一番の暑さでしたが、湿度がそれほどでも無かったせいなのか心配するほどではありませんでした。全員参加のなか皆さんいつものように元気に取り組んでいただきました。

 いかに身体を動かせるか、夢中になれる動きをお伝えすることができるか、それには難しすぎてもいけませんし、簡単すぎてもいけません。その辺りが普段の稽古の感覚ですと、つい難しい方向に行きがちになるのですが、それをどのように調整していくかが私にとって求められる部分であります。

 世間はお盆のため大型連休の方もいらっしゃると思いますが、今年は何かと大変だと思います。Gold Castle でも幾人か心配な生徒さんがいらっしゃいますし、こういう時こそ、ひとを元気にさせる力をもった職業の人はそのパワーを遺憾なく発揮して頂きたいところです。

 役者というのも大変なもので、売れるという保障は無く、どういう道筋で行けば良いという信じられる案内も無く、保険を掛けながら二足のわらじを履く時間的余裕など無い。当ての無い将来に向け情熱を頼りに、食費を削り、勉強やレッスンをしながら、一日をなんとか乗り切っていく。チャンスのためには全てを犠牲にする覚悟を持ち、その儚い瞬間にかける犠牲は決して小さくは無い。そこで腐るか、人としての成長のために乗り越えていくか、家賃の高い東京で生きて行くためにその日を凌ぐ強さは、場合によっては今のウイルス騒ぎどころではない追い込まれた状況なのである。今は役者さんにとって本当に厳しい状況となっているが、この状況をどう凌ぎ次への人生に繋げていけるか、特にご縁のある方々の事は気になるし、どのような形になっても応援したいと思う。

 講習後は先週に続いてお食事をいただきました。ここで講習が六年続いているという事は、こちらでお食事をいただくのも六年になります。もちろん毎回いただく訳には参りませんが、短かい縁もあればこうして長く続くご縁もあり、人の出会いと言うのは本当にふしぎなものです。

 こちらで学ばせて頂く事はとても大きなものであり、それは私にとってピッタリな何かであると思われます。そのピッタリな何かが自分でも言葉に出来ませんが、そうしたことが、講師としての重要なピースの一つになっていることは間違いないでしょう。私なりの方向性、突き進み探究するものとしてこれまでの人生と今の生き方、そこには自分にしか無いものがありますので、これは皆そうですが、上手く行かなかったことも時間が経てば糧になりますので、人の意見や周囲の情報ばかりにアンテナを立てず進んでいくことが(一人残らず)非常に難しい現代となってしまいましたが、そこへの精神のコントロールはとても重要であると思います。
 
 もっと穏やかに、ゆとりのある精神状態で、弱い立場の人(年齢に限らず)が安心して過ごせるように考えていきたいものです。


2020年8月15日(土)『剣術 特別講習会』(お申し込み受付中)

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2020年8月 武術稽古日程

2020年9月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-11(Tue)
 

暑い武道場が戻って来た

 9月の稽古日程を一部変更いたしました。9/6(日)に予定していた「杖整体操」を変更して、この日はGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習を一コマ追加いたします。このところ日曜日の人数が増えてきたこともあり、二コマに分けて集中的に観て行きたいと思います。やる気のある方はダブル受講も歓迎しております。もちろんその間の空き時間も稽古やご質問にお答えいたします。


 さて、本日は高田馬場にて渡部氏と川原田氏と稽古。杖術、剣術、抜刀術をそれぞれおこなう。杖術では「繋之型」「流転落とし打ち」「玉簾」「渦潮」をおこない、剣術では「正面斬り」「払い上腕斬り」そして抜刀術では「峰返し納刀」「懐月」「稲妻抜き」「飛燕」をおこなった。抜刀術では全て構えを無くしたため、初めておこなう川原田氏も面食らったかもしれない。私自身最初の頃は、自分が何をやっているのか把握しきれない状態であった。今は何度も稽古している内に把握出来るようにはなって来たが、それでは駄目なので、再度把握出来ない「何か」を探していかなければならない。

 この道場は昨年エアコンが入ったが、現在窓を全開にして換気が優先されておりエアコンは停止、二年前の暑い武道場が戻ってきた。この熱中症に対するスリリングさは嫌いではない。シャワーが使えないため恐らく剣道の団体は防具を付けて利用できないだろう。制限人数が一昨日の土曜日から二十名だったのが三十名に増え、予想した通りとなったが、時間帯によっては貸切に近いため、私にとっては武道場に入ってしまえば心地良い環境である。

 さいきんは、割合の中から人は棲み分けられていることに感じるものがあり、伝わらないのではなく、見透かされていることにも感じる部分がある。そうしたエネルギーの中で、恐怖や不安や嫉妬、それらのエネルギーがどう循環されていくのか、そうした割合を俯瞰的に見つめながら、不変とされる世の流れに巻かれること無く、生きて行こうと思う。


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2020-08-11(Tue)
 

生徒のK君が二百回生となられました

 昨日日曜日のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習は、約五ヶ月振りとなる品川区総合体育館での開催となりました。

 そして、数ヶ月ぶりに稽古再会となられた生徒達もお越しになりました。心配していた役者のMさんや同じく役者のRさんも元気に復帰となりました。体験参加にお越しいただいたFさんも二コマ集中して取り組んでいただきました。色々な方が色々な思いで参加されているのを感じながら、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人、その全ての層の生徒達を見ながらおこなっておりますので、私の脳内も目まぐるしく運動しております。

 会場での受付も一人でおこなっておりますので、諸々時間が掛かってしまうこともありますが、今は体験参加者の方が来られたら、自発的に帯を巻いて下さる生徒や、道場の鏡を開閉して下さる方がいらっしゃいますので、その辺りは私は他の事に時間を使えますので、私は一切指示いたしませんが、そうした自発的な行動がすでに武術稽古の始まりと言えるでしょう。以前は、開始前に早くお越しになり一人で掃除をされていた方や、私の受付の机を設置して下さっていた保護者のお父様がいらしたときには大変驚きましたが、同時に「やられた…」と、人としての器の違いに僅かながらもショックを受けたものです。

 講習では、斬り止めてからの胴斬りをおこないました。この場合通常の払いからの胴斬りと異なり、位置関係が変わります。場面的には流れの中で斬っていくものと違い、場面の変化など意味をもたせる場合に有効となります。

 杖を使った立廻りでは、新しい生徒達にはまだ難しいようで、今後は別の内容をお伝えしたいと思います。杖が大好きな役者のMさんは流石に動線を覚えるのが早く、杖術クラスでも励まれており、帰り際に「メチャクチャ楽しかったです!」と言って退出されたのが印象に残りました。

 その杖術クラスでは、単体技を丁寧にお伝えしながら、最後は三十連円打をおこないました。この日は「合心之型」も予定しておりましたが行わずに、最後はそれぞれのペアに任せるような形で良い雰囲気のなか講習を終える事が出来ました。

 さて、この日は生徒のK君が二百回生となられました。現在大学一年生のK君が中学一年生の頃に参加され、ホームページの「生徒さんの声」にも投稿して頂きました。気がつけばK君が生徒になって七月で丸六年を迎え七年目に入っております。教室そのものも十月で丸七年ですから、初期の頃からの生徒さんです。

 段位も肩書きも無い教室ですが、毎週一回の参加でも月に四,五回、年に五十回位となりますから、四年は掛かる計算です。K君は受験勉強のために丸一年お休みされましたが、進学を果たし今年の三月に約束どおり一年振りに再会し、その成長と落ち着きには大変驚いたものです。うちの生徒達にも、まだ中学生だった頃のK君を知っている生徒が何人もいらっしゃいますので、そうした大人達が一緒になって観てきた当時は珍しい若いお子さんの生徒でした。

 生徒達には、節目の受講回数を迎えた方々に私からお手紙とお礼の粗品をお渡ししております。K君にお礼の言葉をお伝えしたところ、「技術だけでなく、その他にもいろいろと勉強させていただきたいと思ってます。」と答えていただけたことに感動を覚えました。こうした彼の成長した姿は、これから接する若い生徒達の未来の姿としても、私の中でとても大きな経験となりました。指導者によっては、あっとう間に去ってしまうご縁だったかもしれませんし、K君でなければ私の元から離れていったかもしれませんが、そうしたご縁の中で、これからも、例え物理的な繋がりが無くなったとしても、精神的な繋がりが保てるものと私は確信しております。これからもK君の成長を楽しみにしております。未熟な講師ですが、付いて来てくださり誠にありがとうございます。


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2020-08-10(Mon)
 

必要不可欠な身体の調整

 四月五月と二ヶ月間の自粛期間を経たおかげで、日々の稽古が充実している。
 
 基礎鍛練稽古、剣術、杖術、抜刀術、体術、それぞれにやりたい事が山積しているが、この暑さのなか平日の稽古会、土日の講習会、連日の稽古で疲労が溜まることは否めない。昔であれば、自宅での稽古や道場で無茶に近い鍛錬系の稽古を課してきたが、それをおこなう必要が感じられない日々の稽古である。このペースを淡々とおこないながら、一回毎の稽古を充実させることが大切であり当然の事であると思っている。

 この連日の稽古を存分におこなうには、自らの身体に逆の事をおこなわなければならない。その答えが二年前に考案した杖整体で操である。これがなくては、恐らく定期的に整骨院か整体院に行っていたと思われるし、どこかで怪我をしていたと思う。杖整体操は自己調整法の一つであり、自らが調整する観察力をもっておこなう必要があり、そこに私自身進んで入ったものがある。進んだ事で感じるのは「杖整体操は実は難しい」ということ。それは身体と心が精神というバランスのなかで調和され意識と無意識に表されることも関係している。つまり、自己観察が習慣にあるか、本質的に自己を観ることができるか、ということが求められる。

 私がこのところ体術稽古において、なぜだか分からないが私なりに進展できているのは、杖整体操における自己観察と、心身を弛めることで感じられる世界に気がつき始めたことが大きな要因となっている。さまざまな要因が杖整体操を見つけたことに関係しているが、なかでも井上欣也さんとともに共同しておこなった講習会で私もヨガを何度か経験させていただいたことが大きい。講習後の心の中のざわめきが下のほうへ沈殿し、なんとも言えない感情的になれない静けさを実感したのは初めてのことであった。

 その実感を、杖整体操の中で見つけ、さらには両手を重ねた「重ね誘対法」としておこなうことも出来るようになった。私がどうしてこのような方向に気がつき始めたのかは不明であるが、おそらくは自身の稽古が停滞することなく、怪我に悩まされること無く進んでいくための何らかの教えがあったのかもしれない。

 昨日は午後から杖整体操の講習をおこなったが、最初におこなった「重ね誘対法」の影響で私自身、かなり効いてしまい参加人数がいつものように少なく常連の方ばかりだったため、私の世界に入り、それぞれに委ねて私も一人の参加者としておこなった。

 関西から帰省されお越しいただいた川原田氏とともに、講習後駅まで歩く際にも腰が軽く、なんとも心地よいものであった。今後は、参加人数から講習をおこなうかどうか検討するが、私個人としては日々の稽古の継続のためには外せないものなので、そこまで必要とされる方との出会いと伝達が、この杖整体操の本来の目的に適ったものであると思われる。


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2020-08-10(Mon)
 

目は誘われずに目の姿勢を保つ

 本日は戸越体育館で杖術の講習をおこないました。熱中症患者が多く出そうな一日でしたが、このような日には講習内容も少し気をつけなければと感じます。とはいうものの、今日は皆さん汗をかきながら「差し換え突き」をおこなっていただきました。体験参加の方がいらっしゃいましたので、段階的に理解しやすいように進めました。

 腿の引き上げ、大腰筋の働き、浮き身、そうした普段と異なるチカラの使い方に初めて経験される方は驚かれます。

 合間にHさんに、呼雀を用いた体術「雀落とし」を試したところ有効であることが再確認できました。なによりも、呼雀の威力が強く、力を抑えても飛び出すように相手が突進してきます。その崩しを利用し後方へ倒すことが「雀落とし」です。もう一つ「雀投げ」も確認したいのですが、これは畳の道場で検証したいところです。体術では、得物と同じように動きの間の「感じ」が何となく掴めるようになった気がいたします。把握といいますか、観えるといいますか、出来そうな気配と出来ない予測、そうしたものから出来ることを身体に任せながら掴んでいくようになりました。未熟な私でも少しずつ進展はありますので、急がず焦らず感覚を求め、目を使わずに、その分の集中を身体各部に振り分け、感覚を観る眼を育てることです。目は見るために誘われず、姿勢の一部として整えておくことです。目から、頚椎、胸椎、腰椎、骨盤へと、関連してきますので。

 明日は久しぶりに品川区総合体育館 柔道場でおこないます。3/22(日)以来となります。会場をお間違えにならないようにお気をつけ下さい。最寄り駅は五反田駅です。12時00分から始まります。その後、15時から「杖整体操」をおこないますので、身体と心のメンテナンスを行いたい方はご参加お待ちしております。


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2020-08-08(Sat)
 

呼雀の威力

 本日木曜日は、戸越体育館にて渡部氏と柳澤氏と稽古。

 今日は抜刀術の浮き身の掛け方から「抜付」を久し振りにおこなってみたところ、驚くほど軽く鋒が奔った。浮き身は以前から当然の如く使っているが、問題はその手順であり、趺踞からの抜刀を稽古した際に、浮き身の手順に身体が従ってくれたのであった。なぜ今まで出来なかったのかと思うが、それには誘いであったり、無意識的におこなわれる身体各部の調和操作が関係しているのかもしれないが、出来るようになると、全く今までが馬鹿馬鹿しく思えてしまう。きっとそのうち今やっていることもそのように感じてしまうのかもしれないが、それは先に進んだ証でも有り喜ばしい事である。今後は、この動きを小さくおこないながら急がずに自分なりの「抜付」を探して行こうと思っている。

 この日は体術に進展があった。杖術でおこなっている「呼雀」という相手の崩し方があるが、これを体術においても技に用いることが出来るのではないかと考えていた。先日の月曜日に柔術やレスリングを長くやって来られた村田氏との稽古で、呼雀による体の引き込みが、「こんなにも強いのか」と自分でも驚いたので、今日の戸越体育館の柔道場で、合気道で受け身が出来る柳澤氏に試すことが出来ると心待ちにしていたのであった。

 まずは、どの位の力で引けるのか、柳澤氏の襟と袖を持った状態で呼雀を掛けたところグンとこちらに突進するような形で、自然と首の辺りを守ったようであるが、次にこれを下に引き込みながらおこなってみたところ、受け身をしなければ危ない程頭から下に沈むため、柳澤氏もなんとか受け身で対応したがこれにはかなり緊張されていた。危ないので引き込む力は抑えているが、数回おこなっている内に自然と投げに繋がる動きが出てきたことに自分でも驚いた。

 もう一つの動きは、呼雀を掛けながら、相手が寄ってきたところで自然と左手が交差することでそのまま相手を後方へ倒すことが出来た。考える前に身体がそのような動きをやってくれたような、今までは考えられないような事が体術でも少しずつ訪れ始めている。今後この動きを整理し、さらなる検討と工夫をしなければならないだろう。来週は関西から川原田氏が来られるので、どのような反応になるのか楽しみにしている。


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2020-08-07(Fri)
 

六周年となったクラーチ剣術教室

 お陰様で先月発売されたDVD「古武術は美しい」のAmazonでのランキングがスポーツ・フィットネス部門で六位と健闘しております。さらに同部門による新着ランキングでは一位となりました。一時間毎に順位は変動いたしますが、原稿を作って撮影をして編集され、宣伝、販売、流通され購入者の手元に届いてようやく完成となりますので、少しでも多くの方に観て参考にして頂ければ思います。現在も定価5.500円よりお安く4.345円(16時現在)となっておりますので、購入されるにはおすすめのタイミングだと思われます。

DVD「古武術は美しい」Amazonランキング


 ついでにですが、私のYoutubeのサイトが先月の四連休から大きな変化が訪れ、現在チャンネル視聴回数が1.074%の増加となっております。これがどうなっていくのか分かりませんが、海外からの反応が高く、これまで翻訳機で頂いたコメントをお返事しておりましたが、全てに対応するには不可能となり、ご質問や気持ちの伝わるコメントに対してお返事させて頂くという形にさせて頂いてます。本人が自ら配信しているサイトですので、直接コメントにお返事することが、サイトの雰囲気を保つことになっていくものと考えております。

 
 さて、本日の「クラーチ剣術教室」では、以前一度おこなった杖の両端を互いに持ち、それを中丹田が乱れないように押し込んで行く動きをおこなっていただきました。これには、左右への重心の乱れ、上下への方向の乱れ、摺り足と目線による修正など、お互いに杖という真っ直ぐな棒を介して感じ取りやすいものです。これをおこなっておりますと、傍から見ていて擦り足の姿勢がとても綺麗になっていることに驚きます。そこで、「では、杖を置いて先ほどと同じように進んでみてください。」となると、途端に乱れてしまうから面白い。短い時間しかおこなっていないため、直ぐに出来るものではないのですが、中丹田を意識して姿勢を整える(中丹田を司令塔とする)稽古法としては、杖があることで意識しやすくなります。

 最後は抜刀術「隅返し」を稽古いたしました。ここでも構えの無い状態から抜刀いたします。その分手続きが増えて難しいのですが、それでも皆さんの抜刀に対する興味は、動きが止まらず繰り返されることからも証明されております。そのむかし「こんな重たいものはチョット無理よ…」と皆さん余り乗り気ではなかった木刀での稽古が何だったのか(笑)と思うほどに、激しく抜刀されております。そして、細やかな手之内の使い方を知り、「出来なくても理屈が解ったわ!」と納得されております。出来ること、出来ないこと、なぜそうなのか、そこに納得出来ることが大切です。

 そういえば、明日でクラーチ剣術教室も丸六年を迎えます。お昼の食事で皆さんとお話いたしましたが、「僕もそうですが、みなさんも六年歳をとったという事なんですねぇ。」と(これが言える関係性が嬉しいのです)小学校一年生なら中学生になってますから、我々の(外見的な)変化の無さに、月日を知ってあらためて驚くばかりです。七年目に向いますが、これからも元気に動きが良くなるように励んでいただきたいと思っております。来週はゲストをお一人お連れする予定ですので、また講習&食事会を楽しみにしたいと思っております。


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2020-08-04(Tue)
 

自分らしくあるがままに身を委ね

 今日月曜日は、諸々の支払い作業をおこなった。
(飲み屋のツケではありません)

 しかしバーコードが擦れていてコンビニ決済が出来ないものがあったため、明日郵便局で支払う予定。

 作務衣や、書籍、角帯、DVD、各ホームページの更新等、手元にあるお金と言うのはいつもあっという間に流れて行くものです。最近は諦めというか、それでバランスが取れているのだと納得している自分もいて、頭の中と言うのは、余計なことを考える隙を作らせないように、余計なお金を持たせないようにしているのかもしれません。

 今日は三月以来となる新宿スポーツセンターでの稽古。
 とにかく、コロナの影響で使いにくい。二名以上での利用禁止と書かれてあるが、それが無理なことは利用側も施設側も分かっているだろうに…

 二十名以上は中に入れないため、(途中で人数が減っても駄目とのこと)とにかく利用し難い。今日の夕方の時間帯は私一人であった。お陰で集中して抜刀稽古をおこなうことが出来たが、一度退出して再度チケットを購入して入らなければならず、ここでの一人稽古は不効率不経済なものとなってしまった。

 しかし夜からは気分一新。今日は初めてお越しになられる村田氏と稽古をおこなった。村田氏は大学でレスリング、現在柔術を七、八年程やっている方で、「猛者が来たな」と心待ちにご挨拶。柔らかい印象の方で、初めてとは思えない話しやすい方で、お話をしていて偶然な事も幾つか有り、「これはご縁を感じるなぁ…」とこれからが楽しみとなった。

 稽古では早速体術を幾つかおこない、想像以上に驚いていただいた。蠢動による「独楽落とし」にも驚いていただき、浮き身であったり、背中の発力であったり、こんなにも喜んでいただけるとは思いもしなかった。思わずおこなった道衣の襟と袖を持ち、「呼雀」で引っ張ったところ、相当な力が掛かったようで、これには私も「なんで今まで試さなかったのか…」と思えるものだった。今度、研究稽古で斜め下方向に呼雀を掛けて崩せるか検証したいところであるが、頚椎を壊してしまう恐れがあるので、半分以下の加減で行わなければならない。相手の後ろから呼雀を掛けると、やらなくても危険であることが十分考えられる。

 体術の他に、杖術、剣術、抜刀術を稽古した。これからの身体の使い方に対して悩んでおられたので、今日の稽古は村田氏にとって感じるものがあった時間だったと思う。先月に入会された柳澤氏も合気道を五年程続けておられるので、このところはそうした経験者の次なる何かとして訪れる方が現れ始めたように感じている。

 武術稽古はやはり直に人と会い、身体を通じて学びあうものである。最近はオンラインによる講習ビジネスのようなものが増えているが、直に会いに来てくれる人がいるのなら、稽古と言うのは直接合っておこなうことに時間を割くべきである。来て下さる方のお陰で私も進展があり、それをさまざまな方法でお伝えすることが出来る。それに関わる時間の全てが優先されるものであり、それが私の仕事である。

 なにかしらの大きな流れを感じつつあるが、私は私のままに、しかし変化しながら身を委ねて行こうと思う。


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2020-08-04(Tue)
 

体術の不思議さ

 昨夜は二、三ヶ月ぶりに関西での講習会の世話人を務めて下さる川原田喬生氏と電話で話をした。川原田氏は、元々関東の生まれであるが、大学院を卒業される前に金山剣術稽古会に参加され、就職のために関西へ引っ越すまでは週に何度か熱心に稽古に来られておりました。関西に引っ越されてからは、世話人をやらせて下さいと申し出てくださり、私の講習会を関西で開催することに尽力を注いで下さいました。これまでに数回関西で講習会をおこなわせて頂きましたが、今年は世情により開催の目処は立っておりません。私が東京を離れる機会は滅多に無いことですので、大変感謝しております。

 門人でもある川原田氏が来週帰省のため、私の講習や稽古会に参加されます。合気道の稽古も今はお休み中だと伺っておりますのでさぞ、稽古に飢えていることでしょう。蠢動による技「案山子落とし」や「独楽落とし」を受けて頂き感想を聞いてみたいものです。

 さて、本日は深川スポーツセンターで講習をおこないました。
 いつものように賑わう講習となり、殺陣クラスでは今日は全員「立廻りタイプK」をおこないました。今日の稽古で重要なことは幾つか解っていただけたと思います。足運びと間合い、共通した拍子のなかで動くこと、どの位置に足を置くか、それには凡そというものはありませんので、相手との間合い、空間を作るのか、または縮めるのか、説得力を持たせる距離感と角度と言うものが重要になります。今日はメトロノームのような手拍子と声を出しながら、余計な間が空かないように、動きのタイミングが掴みやすいように音を出しましたが、殺陣と剣術の絶対的に違う部分がこういったリズムを合わせるということになります。

 しかし、皆さん基礎稽古ばかりでは、実際の動きが解り難いものと思われますので、初心者の方にはゆっくりと動線確認しながら、距離感と拍子を合わせて動くことを始めにおこなっていただいております。

 考えなくても動けるものを一つずつ身につける事ができれば、応用でもある立廻りも動けるようになってきます。そのためには、殺陣基礎クラスなどで、ジックリと一つ一つの動きを身体に覚えさせることが大切です。もちろん剣術クラスや杖術クラスでも、自在に動ける身体作りの一環として重要な意味を持っておりますので、いずれ全ては繋がっている事を実感して頂ける日が訪れるでしょう。

 剣術クラスでは、小太刀を使って大刀と切り結んだ状態から崩す稽古をおこないました。ここでは、力のぶつからない方向と手首の重要性、そして浮き身の掛け方と、腰と重心が活きる姿勢。そうした動きの基盤にあるのは、毎回講習の最初におこなっている「蟹の前歩き」と「雀」です。

 続いて、小太刀で身に付けた方向と浮き身の掛け方を体術に応用して腕と腕を切り結ぶように合わせて崩すようにおこなっていただきました。これも、始めに小太刀を使って確認いたしましたので、全体的に吸収が早かったと思います。

 その後は正座となり、中心を探る稽古。これは腕でおこないますと中心がずれてしまいますので、身体で中心を取って行くことが重要です。相手と触れている部分と言うのは誘われ易いものですから、そこを頼りにしてはなりません。互いの情報を感じ取るための接触部であり、その情報を奪われるのか、それとも悟られずにおこなえるか、接触部の攻防は繊細でありまだまだ解らない事が沢山あります。正座からの横倒しも円軌道の使い方を左右の手で精確におこなうように稽古いたしました。

 最後は、「蠢動による振り飛ばし」をおこないました。この蠢動(しゅんどう)の操作法は、先日発売されたDVDにも解説してありますが、今日の講習では皆さんに不思議な力の伝わり方に驚いていただくことが出来ました。力が通らなくなる理由の一つには、自分の身体の構造が、相手との力の方向のぶつかり合いの中で、弱い部分が崩され、それで止まってしまうものですが、蠢動を掛け続けることで、相手との力のぶつかりの中で、その方向に関して散らすことが出来ているのだと思います。そうすることで、弱いはずの動きに、相手も抵抗しようとする反射が生じにくくなり、気がついた時には加速度的に崩される状態になってしまうのです。

 今日は「案山子落とし」と「独楽落し」をを私より体格のいい大学生のK君と、日本拳法の有段者であるHさんに受けていただき、崩せることが確認できました。しかし「案山子落とし」にはまだ足りない部分が感じられるので、今後の課題といたします。「独楽落とし」については、お二人ともクルンと勢いよく回りながら落ちていき、研究時と同じような感触だったので、一つ前に進んだ確認が出来たと思います。

 Gold Castleの生徒のみなさんは、ここで体術に触れる機会が初めての方がほとんどだと思いますので、皆さん驚いてくださいます。剣を求めてお越しになられた方も、不思議な力の通し方には大変興味を持っていただけます。その基盤にあるのは、剣術を始めとした身体の運用法があり、その事をお伝えしながら、益々皆さんの意欲が高まっていくのを感じておりました。

 上手く行かないことが多いのは私も通ってきた道ですし、もちろん今でも上手く行かないことが沢山あります。しかし、ある時に突然苦手なことや上手く行かなかったことが、本当に突然出来るようになる瞬間が訪れます。それはもう何度も何度も経験しておりますので、確信を持って言えることですが、未熟で人よりも決して進んでいなかった私が経験してきたことですから、皆さんにとっても自分を疑わなければ無意識にでも何かを得ているものです。それが意識下に現れるまで時間が必要なのです。

 自分の身体に関しては、受験勉強や社会の不条理に合わせる為の無駄な仕事をする必要がありませんから、無駄なことは即撤廃し、効果的なことを感じられる感覚を信じておこなうことです。自分の身体にまで、嫌々ながら押し付けられたこと、自分で押し付けたことをやっても、身体の学習力は優秀ですので、嫌々なものとして心理的にも肉体的にもインプットされてしまいます。身体に関しては、割り切って身につけた世の立ち回り方とは無縁な、本当はそうして生きていたいと思えるような心身との遣り取りを交わしていくことが、稽古の核になっていなければならないと私は思います。

 今の世の中について、もっともリアルな勉強が出来ると思います。情報の在り方、本音と建前、ビジネスとの見極め、いざとなったときの人の言動、それについて自分はどうあるべきか、学校は、先生は、会社は、病院は、政治家は、さて、何を信じどう生きていたいのか、いつまでどのように生きていたいのか、それについて自分はどうであるのか、自分さえ良ければいいのか、道徳は、宗教は、誰もが直ぐには答えが出せない問題を投げかれられておりますが、ここの問題というのは、どんな試験勉強よりも大事な大事な問題であります。

 テレビとインターネットが、人々に与えている影響は計り知れないものがありますね。


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2020年9月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-03(Mon)
 

さあ夏が来る

 葉月となり、東京では長かった梅雨が明けた。これから夏本番を迎えるが、なにか世間が目を覚ますような夏になって欲しいと願う。

 さて、本日の講習は久し振りの戸越体育館でした。
 今回は、居合刀を使っての刃筋の確認。いわゆる刃鳴りを確認いたしました。居合刀をお持ちで無い方は、私の二尺七寸の居合刀を一人ひとり振っていただいて確認していただきました。尤も重くて振れない方が多く刃筋以前の問題だったかもしれませんが、居合刀を手に入れた時に、木刀では気づかなかった刃筋と手之内を学ぶ必要があります。定寸二尺三寸五分前後ですと、今日のような重さではありませんので、女性でも鋭く振り下ろすことが可能です。

 続いて納刀稽古を、体捌きと共にお伝えいたしました。これは昔から講習でおこなっているものですが、最近の土曜日の内容は技が多かったものですから、今日のようにジックリと納刀を稽古することも必要です。右手の押さえや左半身の開き方など忘れないことです。

 最後は後方突きをお伝えいたしました。これは前回2019年5月に発売されたDVD「古武術は速い」の中でもお伝えしておりますが、右手の押さえの掛け方と左半身の体捌きなど特に重要な部分を解説しております。

 今日は珍しく基礎的な内容で講習を終えましたが、進んでいる生徒達は、その中で自らに必要な部分を探せるかが鍵になります。どんな内容でもどんな状況でも、稽古から発見出来るものは沢山隠されておりますので、私の言動から何かを嗅ぎ取って探っていただくことが出来る方は、ドンドン先に行かれると思います。
 
 明日は深川スポーツセンターで講習をおこないます。剣術クラスでは小太刀を使いますので、お持ちの方は持ってきて下さい。大刀相手におこないますので、お持ちでない人は大丈夫です。それでは明日もみなさまお待ちしております。


2020年8月09日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

2020年8月15日(土)『剣術 特別講習会』(お申し込み受付中)

金山孝之 YouTubeチャンネル

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は美しい』~合理性を追求した身体の芸術を身につける~


金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い』~型の手続きを追求した剣・杖の実践的な体使い~


金山剣術稽古会

2020年8月 武術稽古日程

2020年9月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-08-02(Sun)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1990年
高校から実業団まで5年間ボクシングに専念する

1999年
中田秀夫監督との出会いにより映画に出演。上京後モデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2010年
甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務める

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンDVD
『古武術は速い』指導・監修

2020年
BABジャパンDVD
『古武術は美しい』指導・監修

2021年
「日本公認会計士協会(JICPA)」プロモーションビデオ出演

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