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「抜き付け」の変化

 今日は抜刀術の稽古を重点的におこなった。なかでも、「抜き付け」に大きな進展があった。

 今までの抜き付けでは、鞘引きと左半身の開きが抜刀のエネルギーの要であったのだが、今回フト甲野先生のように、左足を前方へ出しながら抜いてみた。今までは、まともに抜刀できる気がしなかったため、何度か抜いただけで終わっていたのだが、今回は、切っ先の走りと身体のまとまりを感じ「アレっ?」と手掛かりが見えたのである。

 まず、私の最近の抜刀時における脚足の使い方が変わったことが大きな要因であると思う。そのキッカケが映像リンクにある抜刀術5本目の「逆手前方抜き」での初動にある。その使い方は他の抜刀においても、速さとまとまりに実感が得られ、抜刀のエネルギーが、体の開きによるものより、脚足による重心移動と体幹の働きに変わってきたようだ。

 今回の「抜き付け」の変化に極めて近い脚足の使い方が、最近腕に頼らない抜きを実感できた「一之祓い」という抜刀術である。とくに私自身、その場で抜くことが生理的に抵抗を感じるようになってきたので、重心移動とともに抜刀をおこなうにはどうすればいいのかを考えて取り組んでいる。

 この「抜き付け」は、左足が前に出ることにより、間合いがとれる(間を詰められる)ことと、離陸による体幹のエネルギーを切っ先の走りと斬撃力に使えることが、今までと違う点である。つまり、「一之祓い」もそうであるが、体幹移動が斬撃力の最大の要因であるため、ブレーキとなる鞘引きはおこなっていない。そのためにあまり鞘を前に出さない構えであるのも特徴と言えるだろう。現時点では鞘引きをおこなっている抜刀術もあるが、今後身体の使い方の変化に応じて変わってくるかもしれない。手之内のみの鞘引きであれば、移動エネルギーに抵抗しないだろう。

 集中力が高まり、一時間ほど、さまざまに点検をしながら抜いてみた。やはり、以前の抜き方と比べて圧倒的に速さと威力を感じる。(私自身の未熟さもあるとは思うが・・・)しかし、始めは違和感のあった斬り終わりの形(残心)も、細かな修正やまとまりを意識することで、違和感がまったく無くなった。

 一つだけ気を付けなければならないのは、体が出来てないうちはあまり抜かないことだ。瞬間的に凝縮させるエネルギーが発生するため、身体への負担が大きい。今日は嬉しさと確認のため、一時間ほど(おそらく2、30本ぐらい)続けてしまったが、ほかの稽古内容と合わせ、現時点では一日5本ぐらいにしておいたほうがいいだろう。

 今日はそのような実感ある進展があったため、ここで稽古を終了した。この感覚を今夜一晩寝ることで、どのように身体に記憶されるか、次回の稽古にて確認したいと思う。


2013-04-19(Fri)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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