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これからの時代に求められる武術稽古の意味とは

 本日の「高齢者のための剣術教室」では、新しく横に歩く歩法をおこなった。前後左右とペアを組んでの歩法稽古はまるでダンス教室のようで、まあ私も良くいろいろ考えるものだと、先日のGM happyコラボレーションの懇親会の席で、隠れ人気急上昇中のSさんに言われてしまった。だが私がおこなっている講習内容は、これまでに私が学んだものや、稽古に取り組んだものをお伝えしているので、私の身体を通じてお勧めしているものである。

 先週に続きおこなった杖の反転による打ちと突きは、やはり先週と比べて失敗が少なくなってきた。不安に思われていた方も、徐々に慣れてきた様子で、雰囲気にも慣れてきたことから私としても少し安心した。

 しかし、このクラーチ剣術教室でも皆さん真剣に取り組まれている。このことは以前まではあまり意識していなかったが、井上さんと特別講習会をおこなった後、井上さんから頂いた言葉から、私は自然とそういう雰囲気を作っているのかと気付かされたのであった。

 抜刀から納刀まで五歩でおこなう稽古も、綺麗に出来るようになりたいという思いで取り組まれる方が多くなり、初めの頃に比べれば大きな進展であると思うのである。楽しさというのは、真剣であるから継続されるのであり、緊張感があるからその一瞬の間が外れたときに笑いが生じるものであると思っている。そういう意味からも、真剣に取り組むことは大事なことであるが、それを継続させていくには、伝える側と伝えられる側の意思が信頼と共に繋がっていることが大事なのではないだろうか。全体の稽古環境を通じて伝えられる側との意思が繋がらない場合は、受講が本人の意思でなく義務的に参加している場合や、やっているという証のみを手に入れたいという方への場合、そういう心持は一瞬で分かるものなので、伝える側としても均等に時間配分を考慮するわけにはいかなくなってくる。熱意のある方へ指導時間を割いていくのは当然であろう。

 話が逸れてしまったが、このクラーチ剣術教室では、全員熱意を持って受講されているので私としては本当に気持ちが入るし何よりありがたいと心から思う。唯一の男性参加者であるOさんご夫妻のご主人に対しては、私は人として見習うところが多くユーモアのセンスが抜群な方であり、そこのところは本当に笑わされてしまうが、かつて剣道をおこなってきた方に見られる心身の練磨をどこか感じるもので、そういう部分に私としても悪い意味で自分の若さを感じてしまう。

 今日はご婦人Oさんが手作りの稽古着を着て来られ、そのセンスの良さに驚かされた。私は年中剣道着で稽古をおこなうことがこれからも変わら無いが、自分に合った稽古着というのは感覚的にも変わってくるものがあると思うので、体調が悪くても稽古着に着替え、稽古を始めた途端に、いつもの感覚に入ることが出来るものと私は感じている。

 今日も合間をみて読書を続けたが、どうやら私の感じたことは考え直さなければならないという結論に至りそうである。そのことをここでは詳しく記さないが、宗教以外にも信仰しすぎて、周りが全て間違っているという見方をしてしまうことにより、判断に誤りが生じてくるのではないだろうか。このことは読了した際に時間を掛けて考えてみたいと思う。

 講習を終え、次に高田馬場でM氏との個人稽古をおこなった。武道場内の暑さは今年一番のもので、今日はさすがに途中で武道場を退出し20分程外で休憩した。珍しく冷房の風を感じたのであったが(6年3ヶ月経って初めて冷房があったことを知った)まったく役にたっていなかった。

 高田馬場の稽古を終え、池袋にて約1年振りに青木さんとお会いした。私が早く到着したので、待ち合わせ場所を探していたがなかなか空いている所が見つからず何を間違ったのか、ホテルオークラ系のレストランをチョイスしてしまい、そこでアイスコーヒーを飲みながら青木さんと2時間半ほど尽きない会話をした。青木さんは2015年土方歳三コンテストで優勝した方で、以前私と共に激しい稽古をおこなった仲間でもある。激しい稽古の一部を紹介すると、木刀を使っての型稽古では防具無しで、思いっきり振った木刀を少し胸や腕に当てて止めるという、一歩間違えば大怪我をするギリギリのところで数多くおこなってきた。また、素手での格闘術稽古(システマ)では、K師範と青木さんとの三人で、素手で顔面を殴り合う稽古をおこない、さすがに顔が腫れ変形するほどのものだったので、互いにあまりいい気持ちはしなかったと思うが、今にしてみれば二度と出来ないいい思い出である。

 レストランに青木さんが現れ、気が付いたら生き方の話に熱が入っている自分が居て、そこから話がドンドン進みなかなか本題に入らず、むしろ本題に入らなくてもいい位の熱の入りようだったのではないだろうか。武術稽古の意味や、その空間がどうして必要なのか?これからの時代に対する考え方が果たしてこのままでいいのか?など、どうして湧き起こってしまったのだろうと思えるほど言葉が止まらなかった。これは井上さんともそうであったように、武術を通じ、己の身体を見つめ実践していく時間の中で、共通した疑問に対する回答が、日々の稽古の中から養われていくのではないかと想像するのである。

 得てして正当というのは少数派であるものなので、大きな組織で正当を通そうとすると色々な苦労とストレスに苛まれてしまうことが多いのではないだろうか。だからこそ、武術稽古の環境は正当でなければならず、そのためには純粋でいられる日々の暮らしの積み重ねが大切であり、そこが日常で狂わされた自分を取り戻す場所になるのではないだろうか。私は別に、宗教や何か人に指導する立場というものに興味は全く無く、自分がこれまでおこなってきた武術稽古から気が付き出した物事の違和感に対し、これからの時代における価値観とはいったいどういうものになっていくのだろうかと不安を覚えるのである。

 これからもそういった意味で、武術稽古を通じ、武術以外の話が通る方との出会いを求め、私自身も学ばせていただきながら、自らの考えを持ち責任をもって生きていける仲間と共に人生を歩んでいきたい。

 私にとって武術稽古は、欠かすことの出来ない学問でもあり、人と人とを繋いでくれるものでもあり、そこから発生する絆がこれからの人生をよりよいものにしてくれていると感じている。これからも、道を誤らぬよう、信頼出来る仲間と共にこの人生を進んでいきたい。


 イオンカルチャークラブ剣術教室(受講生募集中)
 第2回 GM happyコラボレーション(参加者受付中)
 金山孝之 7月稽古日程
 金山孝之 8月稽古日程
 SAMURAI BRAKE
2015-07-29(Wed)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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