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猫か忍者かゾロ目の日

 東京マラソンが開催された昨日2月22日のgold castle 殺陣&剣術スクールでは、昨日に続いて朝からの講習であったが、昨日に比べ会場のスペースに余裕があったので杖の型稽古をおこなうことが出来た。どうしても四方突きでなかなか進めなくなってしまうが、この四方突きをクリアーすることで武術稽古の理解に繋がればと思う。例えば足の移動に関して、どうして直線的な移動をせずいったん内側を通って移動しなければならないのかという部分についてほとんどの方から質問がなかったが、これは左右の足幅が開いているほど軸足がその場で片側の足が移動し終えるまで待っていなければならず時間が掛かってしまうのである。そのため一度身体の内側を通ることで、両足を滑らせて動かせる瞬間は身体の中心に足が揃ったときに可能となるため、足運びの移り変わりが滞ることなくおこなえるのである。

 意味が分かり想像がイメージ出来ると動作の習得はかなり早くなる。最近思うことは、やはり視覚に頼りすぎてしまうことで、目に見えていない身体がどうなっているのか把握出来ていない方が多いことに気が付いた。当然私も初めはそうであった。鏡の前でシャドーボクシングをする生活を五年間おこなっていたので、鏡に頼りきっていた部分は実感として強く残っている。だが実際に相手と戦う際には当然鏡など無く、相手を見て自分の身体を確認しながらおこなっていかなければならない。鏡を見なければ身体がどうなっているのか隅から隅までチェックしなければならないというのは間違いであることに気が付いていた。視覚に頼らないことで感覚が芽生えてくることもあるだろう。そして指導者の動作を見てそのまま真似するのではなく、自分の身体に置き換えてイメージし見ていながらも感覚を掴んでいけるようになれれば成長は格段に早くなるだろう。そのためには、音楽の世界でもそうだと思うが、まずは聴き込むことが大事であるように見るべき時は見ることに集中する。動きながら見て真似をするのは、理解という意味において浸透し辛い部分がある。

 今日は試験勉強のため久しぶりの参加となった中学1年生のK君が、杖の型稽古のなかで以前と比べ見違えるような動きとなっていたことに驚いた。「家でやっていたの?」と聞いたところ、勉強の合間に部屋の中や駐車場で練習していたという。彼の今までの動きを知っていたからこそ今日の進展ぶりには私にとっては感動であり、今日一日の中でもっとも嬉しい出来事であった。

 彼にとってここまで出来るようになるにはかなり時間を費やしたであろうと思われる。それはもしかすると、試験勉強などのストレスに打ちひしがれてしまわないように、心の健康状態を保てるように自然と杖の稽古に没頭していったのではないだろうか。このことは大人にも言える事で、仕事のストレスに心の健康が奪われてしまわないためにも、武術稽古をおこない上手く心のバランスを取っている方もいる。切実で逃げ場の無い追い込まれを感じる方ほど、一人武術稽古に取り組んだときの集中力というのはやらされ感とは全く違ったものなので、自分のための空間というものを作り出していけるのだと思う。

 試験勉強や就職活動など、そういった活動を控えている方は大変だと思う。私の場合、机の上での納得できない勉強が嫌いであったので、その腹立たしさから机の上での勉強は私の性格上続けることは無理だったので半ば放棄して、高校時代は私立の工業高校に入りボクシングに集中出来る生活を選んだのであった。もしかするとこれも私自身心の健康状態を保つために必死に取り組んでいたことなのかもしれない。

 高校卒業後は推薦でボクシング部のある大学に入るか、ボクシング部のある会社に就職するかの選択となり、私は早く一人で生活をしたかったので迷うことなく就職を選んだ。そのため就職活動も経験が無い。広島にある大手の鉄鋼会社であり、週に2日~3日は休日がありボーナスは年に2回、寮生活のため光熱費を含めた寮費は1万円弱であり生活していくには現在の私の状況より遥かに安定し経済的にも余裕があった。

 だが私にとって人生の価値観との食い違いは、そのような生活するには困らない環境であっても耐え難いものであり、六年間務めたのちに大阪へ引越し役者の道に入っていったのである。

 このような過去をほじくり返せば本が一冊出来てしまうほどいろいろな展開があったが、何が言いたいかというと、思うようにいかない結果となってしまっても全く自分を責める必要は無く、どう生きたいか、どうありたいかを重要に考えた方が、これから時代が変わり、予期せぬ天災や予期せぬ社会環境の変化、身内の事情、病気や怪我などさまざまな要因が、その時にさあどうする?という質問を投げかけてくるだろう。もちろん勉強や就職活動を否定している訳ではなく、その人にそれぞれに合った生き方が重要であり、皆通り一遍な生き方を強制し、それに外れた人に不安を持たせるのは、大人の事情も絡んでいるので、心が不健康になってしまわぬように、逃げではなく攻めの気持ちで責任を持ちその人の選んだ生き方を歩むことが、どんな時でも心が折れない強さになるのではないだろうか・・・・・・

 何の日記を書いていたのか分からなくなってしまったが、今日の講習の中で見たこと感じたことが少なからず影響しているのだと思う。超高齢社会、情報の発達と拡散、さまざまな環境問題なども含め、どう生きていくことが必要であるのか私自身も10年後20年後先の世界を考えたときに、今思っている夢や目標というものがひどくチッポケなものに思えてしまう。

 だが、次の一歩がなければ果てしない道程には到達出来ないので、地道に一歩を積み重ねながら軌道修正し時には路線変更して自分の生き方を選んでいくのであろう。家庭に落ち着くことが出来ない不幸な人生観であるが、そういった面における心の健康状態を保つために私は活動し結果を出していかなければならない。

 毎日のニュースを見ても分かるように、私自身も含めやはり人間は愚かであるということを大前提として持っていなければならないと感じる。そこを助け合い、動物として未熟な部分を法律の範囲から外れないようにコントロールして生きていかなくてはならない。そこにはさまざまな矛盾もあるだろうが、人間が作り上げたシステムに人間という生き物の自然な部分が適合しにくいことも理解できる。

 ・・・・・・講習の日記を書いていたのだが、どうやら軌道修正が出来ないところまで進んでしまった。とにかく私の場合、武術稽古を通じ今出会っている全ての方と向かい合ってコミュニケーションを取りながら、互いの人生のなかの僅かな期間の接点かもしれないが、いつまでも純粋に身体のことや動作のことに真剣に取り組んでいられる自分でありたいと願う。人の人生はどうなるものか本当に分からないと思うのは私自身自分を振り返ってみてもっとも強く感じることである。


2015-02-23(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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