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バリエーションに富んだ参加者の gold castle 殺陣&剣術スクール

 本日のgold castle 殺陣&剣術スクールは、夕方の部は生徒さんに加え、体験参加の方4名、インドネシアからのゲストが5名とかなりの大所帯であった。薄桜鬼が大好きなIさんはこれまでに何人か知り合いの方をお誘いいただいているが、今回もお友達とさらに職場の上司の方まで呼んでいただき、こうして来て頂けるのはIさんの人徳がなせる業だろう。

 今日も全体の中でハッキリとした成長が見られた方が何人かいたので、最初の頃を思えばずいぶん変わったなぁと嬉しく重う。動きに力強さが出てきた方、集中力が付いてきた方、力みと焦りが少なくなってきた方、肩の上がりが少なくなってきた方、自分の悪いところを意識して直そうとしている方、などなど全体的に変わってきていることを実感出来た。

 武術稽古の動きというのは、これまで経験してきたスポーツやダンスなどの動きを当てはめる動きではないので、それまでの経歴に自信を持っていた方でも、武術稽古になればかつての染み付いた動きというものが邪魔をしていることに気が付きにくく、なかなか進まないことに苛立ちを覚える方もいるかもしれない。つまり、武術の動きというのは甲野先生の著書などにも記されているように、「質的に転換されたもの」とならなければならない。

 床を蹴る動作、飛んだり跳ねたりする動作、タメをつくる動作、捻ったりウネリをつくる動作、これらは全て現代武道やスポーツなどで教えられている動作である。これらの動作というのは結局のところ筋力のエネルギーを第一に考えておこなっているので、その動作を身に付けようと筋力トレーニングをおこない感覚的に掴み難い身体となってしまう。もちろん筋力は必要であるが、どの筋力をどのバランスで組み合わせ力まずに動けるかとなると、単純な筋力トレーニングで身につけた身体では扱いが困難になってくるだろう。複雑な動作で自然と身につけた繊細な筋肉が感覚として脳に指令を出してくれるようになると、身体の詰まりがあるところや動かしにくいところをどのように変えればいいのか身体がヒントを与えてくれるようになる。ウエイトトレーニングなどによる筋トレでパンプアップした肉体では、詰まりだらけで繊細な感覚を読み取ろうとするのには無理があるだろう。そのため、モアパワーとなり、筋力が主体となる動きの質となる。だが筋力というのは不安定なもので、筋繊維にダメージを与え超回復というサイクルを繰り返すため安定的な肉体とその感覚がなければ、技の進展に対する気づきは得られにくいものと思われる。

 では「質的転換」とはどのような動作なのかと言われれば、甲野先生の著書を読んでいただくのが一番であるが、私なりに思うことは自分の体重をどのようにして使うことが出来るかということにあり、そこには脚部から繋がる体幹の使い方、それらを活かすための、肘、肩、手の内、そして膝を抜いたり、股関節を瞬間的に引き上げたり、深く屈曲させたりなど、身体の重心位置にかかわる姿勢とともに、それら全ての動作や形に意味がある。無駄が無く意味のある動作というのは、引き込まれるものがある。それは職人が作る工芸品などもそうかもしれない。したがって、武術の動きというのは、スポーツやダンスなどの動きをそのまま取り入れる余地はないし混ぜておこなうことなど不可能である。ただ、スポーツ界において全くそのままではないが共通する身体の使い方があることは事実であり、そこは技術と感覚の世界がそのように共通性をもたらせるのだと思う。

 夕方の部に参加された10歳以下の男の子二人には、帯刀しての歩き方走り方回り方を鞘の操作と共に私の合図でおこなった。予想していたように子どもは走ったり止まったりすることに楽しさを覚えるようである。次に向かい合った状態でゆっくりと剣を抜き互いに剣の位置を合わせながらゆっくりと胸元まで剣がブレないように下ろしていく動作をおこない、相手と合わせるということが一人でおこなうときと比べ集中力が切れず、相手の事を考えるという子どもにとって必要な部分を気付かせるために今後もこういった手法でおこなっていきたいと思う。夜の時間帯以外であれば二人が揃うことも多いかと思うので、子供同士で高めあっていければというのが私の願望でもある。

 ご婦人との集中稽古であるが、考えてみればご婦人といっても今となってみれば会場はご婦人だらけになってしまっているように思うが、このブログにおけるOさんの呼び名でもあるのでこの呼び名で通したい。本日は杖の「十一連続動作の型ご婦人バージョン」をおこなっていただき、一通り最後までの流れは掴んでいただいたように思う。先は長いが、まずは「四方突き」を集中的におこないたい。今日はその四方突きにおける打ちながら突きながらという動作に私自身気が付いた部分があった。この打ちの軌道と左肘の軌道について具体的に考える機会となり、なるほどそういう動きをしていたのかと今後における私自身の稽古にもなった。四方突き、横払い、巴に入るための手の内の変化など、次の目標が待っている。この一連の型がしっかりと身に付いたら、是非ともいつか訪れるやも知れぬ来るべき日に披露していただきたい。

 夜の部では、インドネシアのゲストの方々に加えロシアの方も参加された。フィリピンの方も見学され、このgold castle殺陣&剣術スクールも開講してまだ一年四ヶ月足らずであるが下は8歳から上は71歳、体験参加に75歳の方や78歳の方も参加され、一般の方から役者の方、歴女の方も来られるようになり、海外からのゲスト参加もあったりと当初想定していたよりも早い拡がりとなってきた。大城先生が海外との交流があるので、先週に続き今回のゲスト参加された皆さんにとって、非常に印象に残る経験をされていったのではないかと思う。私も昨年の12月にインドネシアでお世話になり、インドネシアの人が好きになったので、今回偶然にも参加されたインドネシアの方々ともお話が出来て嬉しかった。

 講習の最後に、体験参加の方も含め全員で抜刀術の「四肢斬り」をおこなった。私もこの抜刀術をおこなうのは極めて久しぶりであるが、今日おこなってみて、改善の仕様によっては身体の使い方も含めいい技の稽古になるように思う。名称の漢字があっているのかすら忘れかけてきているが、四つ足動物の足を斬るようにおこなうことからこの名称がついたのではないかと思う。今日考えた納刀までの一連の動作が他の抜刀術に比べ異彩を放っているので、膝や股関節の修練のためにもこの抜刀術は育てていこうと思う。
 


2015-02-16(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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