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帽子をつくる

 本日の「高齢者のための剣術教室」では、先日の日曜日にご婦人Oさんにおこなった、歩行から振り向く際の足運びと鞘の取り扱いの繋がりを今日の講習でもやろうと考えていたので、いつものように杖の体操をおこなったのち、直ぐに「水車」をおこない、今日はほぼ全員左右持ち替えながらの水車をおこなっていただいた。この左右の持ち替えは私のこだわりもあり、少々ややこしくなっている。
 持ち替えのない水車であれば、持ったその手で回転させていくのであるが、持ち替えの場合は受け渡す側の手で回転させ、受け取る側の手はそのために掌を上に向けておかなければならない。つまり、ある仕事において、前任者が分かり易くこれまでの仕事の流れを後任者へ伝え、後任者はその流れを受け取って前任者がやり易いように段取りしてくれた流れに沿って進めていき、今度は逆に次の後任者のために同じように伝えてあげること。
 これが、前任者の段取りを無視して、自分のやりたいようにおこなったり、前任者が無責任にさっさと後任者に仕事を投げるような受け渡しになると、仕事としてムダが多くなり効率が悪い。それぞれが仕事の流れを理解し、役割分担が明確になれば、ストレス無く気持ちよく仕事がおこなわれ、よりよい方法を模索する余裕も生まれてくるだろう。

 水車でつい語ってしまったが、武術稽古をおこなっていくことで身体を通じいろいろな事が理解出来てくる。職場では分かっていても上手くいかないと思うが、自身の身体であれば失敗を恐れずに取り組むことは出来る。

 休憩後に、歩行から振り向く際の足運びと鞘の取り扱いの連動をおこない、この動作の目的は夢中になっている内に結構歩いてしまっているということにある。本来は抜刀と兼ねておこなうことでもっと歩く距離は伸びるのであるが、普段あまり歩けない方にはこの位でも十分かと思う。生徒さんにもいろいろな方がいて、座りながらおこなう方もいれば、ゴルフや、マラソンをおこなっている方もいる。そのO御夫妻のご主人は健康体そのもので、体力もありどちらかと言えば奥様のサポート的な優しい方であるが、最近はその状況が逆転しはじめている・・・・・・熱心な奥様の方が出来るようになってきており、時折ご主人に教えている様子もしばしば見受けられるようになってきた。その奥様が今日もお話の中で「以前は片足立ちが2秒しか持ちませんでしたが今はだいぶ立てるようになりました。」と仰られ、そのバランスが取れるようになったことについて、御夫婦共に喜んでおられた姿を見て、この教室を始めてよかったとあらためて思うのであった。ご婦人Oさんの身体の変化と元気になられた姿から皆の声でこの教室が始まったのであるが、こういった後に続く方が出てくるのは、ご婦人Oさんが頑張って結果を出したからであり、今後もいろいろな方に変化が訪れるのを期待したい。早く実感できるのは、やはり元気な方よりも、あまり身体を動かせない方のほうが早そうである。元気な方は、より難しい技の習得と共に、同年代の方より動ける身体を手に入れられるように励んでいただければさらに自信がついてくるのではないかと思う。

 ここではそれぞれが注意しあっているのも凄くいい事で、人の動作を見て間違っている箇所を指摘する事で理解が深まるため、Sさんの「肘が張ってるわよ!」Dさんの「足が遅れた!」などのダメ出しが、笑いと共に講習の密度を上げていただいている。

 最後は「後方突きからの逆手納刀」をおこなった。皆さんの予想以上の進み具合に驚かされてしまう。家で練習されている方もいるようなので、この調子でいけば前例の無い大きな変化が起こりうるかもしれない。とまあこれは私の期待であるが、こう書くとOさんが焦りを感じてしまうかもしれないが、Oさんはその体で出来ていることが驚くべきことであり、不安に思うことは全くないのであるが、その強い気持ちがあるからここまで成長出来たのだと思う。まだまだ稽古期間も短いので、私もまだ5年9ヶ月しかやっていないので、意欲の灯火が小さくなってしまわないように、上手く気持ちをコントロールできればと思う。

 さて、今夜は子供用の木刀を制作するため、現在貸し出し用に使っている木刀の中から、以前私が使っていた赤樫(イチイ樫)の木刀が物打ち辺りにササクレがあったので、この木刀を切っ先から21㎝カットし、切っ先部分の「帽子」(切っ先部分の形状を帽子と言う)を作るためヤスリをかけカットした方の帽子の形を見ながら作業をおこなった。削った部分の質感を統一させるため結局刀身部は全てヤスリをかけてしまったので3時間近くかかってしまった。全体にヤスリをかけるのには骨を折ったが、帽子を作るのはこんなに楽しいかと思えるほど熱中してしまった。フクラのRとヤスリによって出来た横手筋がだんだんらしくなってきたので、時の流れと屋内に飛び散る削った木材の粉溜まりも忘れ携帯電話の着信も気付かないほど熱中してしまった。

 愛着が湧いてくると、その道具で激しく打ち合うことをためらってしまうのでそれはそれで困ってしまう。だが、この木刀は子ども達に存分に使って欲しい。下は8歳のお子さんが参加されているため、この木刀は一般的な子供用の木刀よりも10㎝ほど短くしている。


2015.2.3 木刀(加工前)
 カットする前の木刀 全長101㎝


2015.2.3 木刀(加工後)
 カット後の木刀 全長81㎝
 やはりこうして比べるとカット前の木刀は綺麗である。反りを出しながら先端部までヤスリをかければもっと良くなったとは思うが・・・・・・


2015.2.3 木刀(帽子)
 帽子の部分
 やはり刃の部分をあと1㎜か2㎜ほど削って反りを出したかったが、次回の教訓にしておこう。


2015-02-04(Wed)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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