FC2ブログ

冬晴れのgold castle 殺陣&剣術スクール

 本日は快晴のなか、五反田にある品川区の総合体育館にてgold castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこなった。まず、12時00分~14時00分の昼の部では、平均よりやや下回る参加人数であったためそれぞれに細かく稽古内容を定め取り組んでいただいた。その中で抜刀して斬り上げから手首を巻き込んで後方への斬り下げに苦労されていたIさんが今日は突然出来るようになっていた。本人も苦しんでいただけに嬉しそうにおこなっていたのが印象に残った。それとともに、斬り下げた際に上体が前かがみになっていたのを上体を起こすように説明すると、今度は重心が後ろに傾いてしまうため、足の開き方と前後の重心位置の把握を意識する事で、その日のうちにずいぶん姿勢が良くなってきた。Iさんの場合はこれからの体の使い方を考えたときに、腰に負担の掛かりやすい姿勢となっているので、稽古の中で上体を前に倒さずに出来るだけ股関節を可動させていくことが重要である。

 同時期に入られたSさんは今日はIさんの隣で稽古されていたが、物静かな方であるが確実に成長してきている。袴に道衣姿となり、以前にもまして稽古意欲を感じる。この調子でどんどん進展していくことを楽しみにしている。剣術クラス限定のMさんとKさんは、黙々と進みながらの袈裟斬りをおこなっていただいた。腕だけで剣を振らないこと。そのためには構えというものが大事であり、その位置から腕の位置が上がらないように気をつけ、足運びと連動して振るのであるが、踵を上げないように、膝が伸びないように、足幅が狭くなりすぎないように、色々と注意点があるのでしばらくは大変かもしれなおが、体が纏まり、体幹を意識して剣を振れるようになると大きな前進となるだろう。今日の最後に私が木刀を持って打太刀を務めたが、対象物があることでまた様子が変わってくる。斬るべき箇所、斬り終えた位置、身体にどの位の衝撃がかかるのかなどなど、おそらくこれからやっていく内容は人生初めての経験となっていくだろう。もちろん初心者向けの打太刀として優しくおこなっているので不安に思うことはない。

 子どもたちへのメニューは、帯刀しての歩き方と走り方、方向転換などをおこない次にゆっくりと刀を抜いて構えるようにおこなった。子どもは身体を動かしたいものであるので、歩くこと、走ることは、体力向上の目的も含め今後も取り入れていきたい。なにより大人っぽい8歳のK君がニコニコと楽しそうであった。そして子どもには集中力を養うために、ゆっくりと同速度で刀を抜き構えに入ることを今後のテーマとした。納刀や抜刀は、今の段階では習得するものが限りなく少ないので、歩くこと、走ること、構えること、姿勢を維持することを重視しておこないたい。

 驚くべきはM兄弟の成長の早さである。現在小学校6年生の弟J君と高校1年生の兄R君が毎回会うごとに成長していることに感心している。親御さんの方針もあるのだろう。家でも熱心に映画の納刀シーンを何度も見てそれが出来るようになったりと、今はやればやるほど伸びるという状況であろう。彼らには大きな期待があるので、これからの人生にプラスとなるように稽古に励んでいただきたい。M兄弟には質の良い学びに出会える縁を願う。またそれを見極める目を養っていただきたい。

 ご婦人Oさんとの集中稽古では、鞘の操作を取り入れた歩き方と方向転換をおこない、これには稽古内容として予想以上の手応えがあったので、あさって火曜日におこなわれる「高齢者のための剣術教室」でもおこないたいと思う。
 今日は「後方突き」から「巴抜き」をおこない、どうにもOさんのせっかち病が治まらない様子なので新たに「雁金抜き」をおこなった。これは甲野先生の抜刀術の中でも歴史のある技の一つである。私などがおこなっているのは果たして「雁金抜き」と言えるものかどうか分からないが、かつてS師範に学んでいた頃かなり厳しい条件の打太刀で稽古していたのを思い出す。今日はご婦人Oさんの左膝の調子が悪いため、あまり左足に重心の掛からないこの技をゆっくりとおこなっていただくことにした。

 最近の私の講習は、以前に比べ求めるものが高くなってきたかもしれない。それはどうしてかと言うと、生徒の皆さんの反応を見ていると、それなりにおこなえる動作で楽しんでもらうということでは私にとって罪悪感が残り、これまでいろいろとおこなってきた経験から、理に適った動作というものを理解してもらうことが学びであり、学びがあるから月謝を払い、時間を費やして参加している意義があるのだということである。一つの動作というのはその動きにとどまらず、他の動作においても通じるものがある。肘、肩の位置、身体の重心、股関節の使い方、そろそろ生徒さんの中にも、自分自身で身体の構造における動作というものに気が付いていけるようになればと思う。今日はM兄弟への抜刀術の指導で、私も思わず高田馬場モードで言葉を伝える部分もあったが、自分の身体の様々な部分を感じ、その中でどの部分が不安に思うか、そこが居着き(居付き)となり、その部分をどう無くしていくか、それを構えの中で一つひとつ探り取り除く工夫をすること。もちろん簡単ではないが、そこにはさまざまな要素が含まれているので、ちょっとした気の持ち方で大きく変わることもあり、心の状況が居着きを生み出している場合もあり、ほんの僅かな身体の使い方で、心の状態に大きな変化が起きることもある。そういった自分自身とのいろいろな対話が重要でありこれは重要な学びでもある。と、ここまでは言わなかったが、若い人の意欲に満ちた目というものは、こうして今思い出しても心にグッとくるほどいいものである。

 時間を置いて18時30分~20時30分の夜の部では、昨日土曜日の講習がお休みだったせいもあり、久しぶりに窮屈なほどの参加人数に見舞われ、この時間帯に初めて参加された剣術クラス限定のUさんも驚いていた。夜の部では、人数が多かったため、Uさんに考えていたメニューをおこなうことが出来なかったのが私としては心残りである。皆さんへの講習内容も、昼の部と同じように進めることが出来ず、久しぶりに納刀と抜刀術を皆でおこなうことにした。

 まず、納刀であるが、横納刀をこれまで五回に分けておこなっていたのを、三回にまとめておこなうことにした。いわゆるこれも繋ぎの動作である。抜刀では、体験の方やあまりおこなってない方には「後方突き」をおこない、その他の生徒の皆さんには「巴抜き」と「趺踞(ふきょ)からの抜刀」をおこなった。ずいぶん前に戸越体育館の夜の講習で一度やって以来の趺踞からの抜刀であるが、まずこの座り方に苦労されている方が多く、一人ひとりをチェックして回った。だが、これだけでも身体の稽古になっているので、明日には筋肉痛になっている方もいるだろう。しかしながら、線の細いSさんは、これまでの動作を見ていても身体の軸がしっかりしており、この辺はダンスをされていたHさんも同様に、軸がシッカリしている人はこの趺踞の座りが安定している。腸骨筋と大腰筋を兼ねた腸腰筋の働きも関係しているだろう。

 今夜の講習は特に難しかったように思う。だが、それぞれの求めるものに違いがあるように、その人がどこを求めているのかということである。私は一つの形を示し、それについてどこまでおこなえるか、その人に合わせて進めていけるようにしているが、安易な楽しさはいつまでも続くものではない。どこかで前に進みたい欲求が生まれ、そのための証が欲しくなる。そのためには、その動作に対し身体の構造と、全身を効率よく使う方法を知っていかなければならない。上手い人は、「才能があって私とは違う」のではなく、何を考えておこなっているか、心と身体は脳でリンクしているので、自分の身体を自分で考え、気が付いていかなければならない。もちろんこのgold castle 殺陣&剣術スクールでは、どのような方にも愉しく取り組んでいただけるように、取り残される人を出さないように取り組んでいるので、木刀を持って参加する事で満足している人にはそれでいいと思う。しかし、人の意欲とは強いもので、毎週火曜日におこなっている「高齢者のための剣術教室」では70歳~80歳代の方と杖と鞘付き木刀を使って講習をおこなっているが、若い人も負けるほどの貪欲さで取り組まれている。やはり、ただ道具を持って振っても、学びがなければ意欲は失われていくのだろう。

 道衣の生徒も増え、それぞれ動作に慣れてきた生徒も出てきたので、今後さらに集中的に刀の使い方、身体の使い方を学びたい方は、先日高田馬場での個人稽古依頼があったように、真剣に取り組まれたい方は連絡いただければと思う。一回の稽古でこれまでの一ヶ月分以上の中身のある稽古にはなるだろう。ただしこちらはご縁のある方限定になると思われる。

 二月に入り、昨年の記録的な大雪を思い出し、夜の部では昨年おこなった雪かきの経験から講習の始めに雪かきのレクチャーをおこなった。ふつうの雪かきとは全く違うので、その動きに会場から笑いが溢れたが、あさってのクラーチ剣術教室でも覚えていればやってみようと思う。

 気が付けばAM4時になってしまった。明日は一稽古人となって、久しぶりに取り憑かれたような稽古が出来ればと願う。このような未熟な私が講師としていろいろなところで指導させていただいているのにはありがたいかぎりである。少しでも伝えられるものが向上していけるように、変えていくもの、変えてはいけないものを考えながら、時の流れとともに、今のままではいかなくなることも想定し、学びを必要とし前に進んで行かなければならない。


2015-02-02(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

お問い合わせ

名前:
メール:
件名:
本文:

管理画面
金山孝之のブログQRコード
QR
月別アーカイブ