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精妙さ

 本日は4時間稽古指導にあたった。指導していると時間があっという間に過ぎてゆく。まずは、その指導前に30分ほど自分の抜刀術稽古をおこなった。

 今日は、身体の感覚が鈍重で、構えの時点で抜ける気がしなかったのだ。その原因は直ぐに判った。

 連日、短い時間ではあるが、重い木刀を振って身体のまとまりを研究していたのだが、どうやら筋肉に負担がかかり、筋肉の増加と引き換えに抜刀時における感覚が手の内をはじめ、全身が鈍重極まりなかった。振り返ってみれば、ここ最近まで抜刀が詰まり無く、切っ先が走る感じがあった。しかし、以前までは(3ヶ月以上前)バラつきがあったように思う。その頃は、「とくに今日はたまたま良い(悪い)のだろう」とカラダ任せにしていたが、今にして思えば、詰まらず力まず、スッと抜けるには、そのような肉体になっていなければならないのではないかと思う。つまり、同じ剣であっても、その目的操法によって、そのカラダの精妙なつくりが変わってくるのではないかということ。だとすれば、稽古の目的を今一度改め直さなければならない。すでにその問いに対する答えは見つかっているが、今までやってきたこと、もっともっとやりこみたかったものを変えなければならないということに、今日の抜刀での違和感から即決できた。

 さらに、本日は袈裟斬りでの斬りの感覚を検証することができた。主に小袈裟での検証だったが、手の内、肘のずらし、切っ先の軌道、などから、結果としての引き斬りとなる円の軌道による、威力の違いを確認することができた。実感なく、剣が割ってはいってゆく感じ。これは体術でも重要な、力と力ががぶつからない、接触点のズレの連鎖だろう。反りのある木刀が円に斬り込むことで、接触点が移り続けていく。刀の形状を効果的に使うには、切っ先が弧を描きながらも、手の内が小指から締まっていき、親指と人差し指を除き締まりきった自然な位置が、支点となる手の内の、最終位置であると思う。詰まらず、円に斬るためにはある程度支点がズレなければならず、その位置を知るには、連動し続けたものがまとまる位置である。この連動を探るのが稽古での悩みどころであり、腕だけが大きく直線的に振り込んでも駄目である。

 杖の稽古においては、組杖をおこなった。現在いくつか考えているが、やはり「打太刀」「仕太刀」がつくと、相手に引っ張られて、速度や強さが上がってくる。やはり組稽古は重要である。

 抜刀においては、本日Iさんに最後「趺踞」(フキョ)からの抜刀を一本抜けるまで20分間見ていた。この抜刀は、初動へのキッカケが極めて不安定であるためつかみ難く、そのため安定させて始める癖のあるIさんにとって、この「趺踞」からの抜刀は、彼のひとつ殻を破るキッカケになるのではないかと思っている。

 今回は、久しぶりにさまざまな角度から、武術稽古を検証することができ、得るものが多い充実した稽古であった。まだまだやりたいことは沢山あったが、4時間経ってしまったのでまた次回にしよう。


2013-01-26(Sat)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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