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操法による構造の変化

 今日は何かに憑かれたかのように、3時間『杖術』の稽古に没頭した。今まででもっとも集中力が高い状態を維持し続けた稽古だったと思う。

 私自身の研究稽古は、毎回テーマをもっておこなっているが、状況によって発見があればその部分を集中的に研究していくし、気持ちが入らなかったら、別のメニューにとりかかる。今回は、一通りやって最後に体を作るキツイ稽古を予定していたが、最初におこなった杖術の稽古で、いろいろと発見があったことと、高まっている集中力が、まだこの稽古をやりたがっていることを察知し、けっきょく、この気持ちを失わないうちに稽古をきりあげるという今回の心境からすれば、「贅沢」な稽古であった。

 まず、今回なぜこのように稽古に集中できたのかを考えなければならない。

 10日振りの研究稽古だったのでかなり体自身が稽古を求めていたのだと思う。それに毎日杖や木刀を扱うたびに、部屋のなかでも発見することが増えてきたので、その発見のストックと、手の内をはじめ身体が覚える日々の感覚が、潜在意識の中にさまざまに蓄積されていたのかもしれない。稽古場においても、おそらく意識の問題だが、今までとあきらかに変わっていた。このような研究稽古と、演武や試合などとは、意識の使い方が違う。これは日々の得物から教えられる感覚に対する意識の使い方が、道場においてその効果が実感出来たということだろう。

 杖術である。『水車』についていままでと腕の使い方が変わってきた。かつては肩甲骨を可動させることを重視していたが、さいきんは肩が上がらず杖の軌道に抵抗しないことを重要にしている。そして左右の持ち替えについて、脇の辺りに反対の手を差し伸べていたが、今日からは、体の正面にておこなうように変わった。肩の詰まりが解消されるのと(変わるまでは詰まっていることに気がついていなかった・・・)片方の腕に任せていた負担を軽減することにもなる。いわゆる抜刀においても、鍔を体の正中線上におき、左右の腕の働きで抜いていることと同じである。このように、杖では身体のどこかが遊んでいないか(居ついていないか)支点が滞っていないかということに注目しながらおこなうと、結果としてよい連動が生まれてくる。

 つぎに、今回もっとも嬉しい発見だったのは、私自身が悩んでいた、「自分自身の形」と「稽古として伝える形」である。もちろんこれは、研究稽古をすすめていくなかで、変わっていくことだが、まず、いままでやってきたことの意味とそれらをやらないことがいいのかどうなのかという問題がずっとあった。しかし今回の発見で、「構造はさまざまな用途に応じて使い分けるほうが良い」という結論に達した。それは、稽古のなかで身体に対し跳ね返ってくる実感から判ったことである。
可動域を重要とする場合の構造と、アソビをとり身体の芯を効かせる構造により、杖でも剣でもそのどちらも有効であるということが判った。私の場合、動きのなかでそれらを組み替え連動していける操法を身につける必要がある。

 やはり得物(木刀、杖、袋竹刀、居合刀、薙刀、槍、小太刀)などから教えられることが私にとっては理解しやすいようだ。特に見直すべきは『杖』である。手の内や、居つきを消す脚部の操法、身体の構造を確認するための杖の動き、支点を滞らせないように技と技の繋ぎにおける抵抗の少ない杖と身体の連動した動き。杖について重要にしているところである。ただ速く動きを決めて繋げたのでは、そこに関しては器用になるかもしれないが、現在の私では、まだそこは求めないほうがいいだろう。結果として自然に速く動けるようになれればいいと思うし、出来ることへの憧れはある。

 今日の研究稽古では、笑いながら鳥肌がたっている瞬間が何度かあった。杖は安価で(2500円~3000円位)武術としての身体を練るのに大きな役割があるので、どのような方にもおすすめできる得物のひとつである。
 

2013-01-22(Tue)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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