フトしたところに発見がある

 本日は高田馬場での研究稽古であった。昨日の稽古で剣の振り方に大きな違いを確認(確信)したため、今日は、剣の振りというものに特化した稽古にしたいため、浮気しないようにあえて杖と居合い刀は持って行かず、真剣とユス(イス)の木刀と赤樫の木刀のみ持参。

 それともうひとつ検証したいのは、重心移動の際の脚足の使い方で、以前取り組んでいたが、時間ががかり過ぎるため、止めていたのだが、爪先の使い方と、なるべくアソビをつくらないようにおこなうことで、去年の5月に木刀の持ち方から、起こりの無い振り方を研究しはじめたのと同時に、この重心移動をいろいろ試してみたが、ずっとハッキリしないものであった。足が先に前に進むのか、体幹部が先に動き出すのか、足が早く前に出ても、体幹部のある身体が残った後ろ足とともに前に行こうとする時間がもどかしい。体幹部のある身体が先に動き始めることで、重心移動は速やかにおこなわれる。その部分がようやく自分の中でハッキリと自覚出来た。信号待ちなどでも、青になった瞬間に、さりげなくこの移動のしかたをおこなうと、やはり周囲と比べ力感がない分妙な反応の良さで飛び出してしまう。

 二時間の稽古で、さまざまに間合いを変えながら剣を振ってみた。振り方の力関係が変わったためか、左手小指の付け根に久しぶりにマメが出来た。

 今日の稽古を終えて、実感した事は、剣の振り方にもまだまだアソビが多いこと。脚足の使い方にも、まだまだアソビが多いことが分かった。しかし今のところ、この二つの研究テーマに迷いがないので、稽古の中で精度を上げていきたいと思う。

 それにしても、一年前のやり方で今日のような感じで二時間剣を振っていたら、腕がパンパンになって筋肉が痛んでいただろう。今現在そのような痛みは全く無いので、なおさら、今日の稽古は意味のあったものではないかと思う。

 しかし、人間の身体はフトしたところに秘密が隠されていて実に不思議なものだと思う。思い込みは、可能性に蓋をしてしまう場合もあり、その辺の常識といったものや、刷り込まれているものを、どう立て直していけるか。世の社会の中では、気づきかけても実践出来ない事が多いが、自分の身体なら、自分次第でどうにでもなる。こういった己の身体を通じて学ぶ道理と言えば大袈裟かもしれないが、実感をともない生きていく中での教えは武術稽古のなかに多分に含まれていると私は思う。


2014-02-07(Fri)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
北九州市門司区出身
世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者住宅 クラーチ溝の口
クラーチ剣術教室講師

パークシティ溝の口
杖術 巴の会主宰

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