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蠢動が剣術にもつかえた

 連日稽古三昧の日々を送っている。しかし、この三日間はいずれも五時間足らずの睡眠時間だったので、意識的には元気なのであるが、肉体がそろそろ危ないというサインを出してきた。これまでの経験から身体が硬くなり体脂肪が普段より落ちたときは故障といえる怪我が訪れる前兆である。

 幸いにも明日は出掛ける予定が無い。明日一日、進展的休息をとると決めた。


 さて稽古記事に入る。

 昨日水曜日は戸越体育館にて渡部氏と稽古。昨日は今週日曜日におこなうGold Castleでの殺陣クラスでおこなう血振りから納刀までのさまざまな動きを確認。これが意外にもいろいろな動きが新たに生まれ、これまで行ってきたものを含めると八種類ほどとなった。講習内容にはその他に「タイプMの七歩」や「一対四瞬殺」などを予定しているが、一時間のなかでこれらを全てお伝えするのは無理であろう。場の雰囲気を見ながらなるべく多くの血振りからの納刀をおこないたいところである。

 その後は体術稽古をおこない、前日甲野先生のところで稽古した「蠢動」の背中の使い方を筋の意識から骨の意識に変えておこなってみた。

 その結果、背中の場合、筋を意識するよりは骨を意識した方が結果として筋が働きやすいため有効である。さまざまに検証した結果、これまでよりも蠢動による身体の纏まりの強さが向上した。だが、これの目指すところは傍から見て解らない状況で蠢動が掛かっていなければ実用的ではないので、今後はさらに実感を高められる背中の細やかな蠢きを得て行かなければならない。

 あっという間に三時間が過ぎ、この日の稽古を終えた。


 そして本日木曜日は10時30分から12時まで高田馬場でI氏と稽古。

 二ヶ月ぶりとなるI氏との稽古であるが、今日は八割方対話(体話)稽古となった。これはI氏との稽古の特徴であるが、感性が非常に鋭い方なので、稽古で得るものが何であるか、そこに身体を通じての感覚と同時に育まれる心の働きがあるのであるが、I氏との場合は、対話を通じて同様の働きが感じられる。

 早朝から電車に乗り、稽古着に着替え、殆んど対話だけで稽古を終える。普通であればあり得ない状況であるが、精神に関わる嘘偽りの無い考えのやりとりなので、そうした対話はI氏の受け方も絶妙なので、とても貴重な時間といえる。I氏もかなりお忙しい方なので、特別に稽古は月に一回となっているが、こうした対話を大事に受けてくださることは私にとっても得難い門人の一人であり感謝している。

 12時に一旦道場を出て、13時から15時半まで渡部氏と稽古。

 今日はひさしぶりに鹿島神流の木刀、袋竹刀、ソフト竹刀を使った稽古をおこなった。その他にも普段使用している白樫の木刀や、小太刀も使用した。

 まず袋竹刀では、瞬時に相手の籠手に擦り上げる感じで付ける感覚が懐かしく、ひさしぶりであったものの、肩が詰まるというような身体の使い方はあり得ないものとして、竹刀を持ちながらも身体を観る感覚は以前袋竹刀を使っていた頃に比べ大きく変わっていたことを実感。

 さらに「転ばぬ先の一歩」が大いに有効であり、それを働かせるための構えというものがもしかすると今後の剣術全般において変わってくるかもしれない。これはまだ何ともいえないが、働きも無く安易に脚を曲げてはならないということ。

 そして鹿島神流の木刀を使って六割位の力で袈裟掛けに打ち込んだ。この時に「蠢動」による威力の違いがあるのか試みてみたところ明らかな違いが確認できた。これまで何度か一般的な白樫の木刀で試みてみたが、鹿島神流の木刀では木刀の心配をせずに打ち合えるため(それでも何本か折ってきたが)威力というものを確認し、同時に手之内の肉や指関節の節々を鍛練する目的でもおこなっている。「蠢動」は体術などのように身体の纏まりの違いを誰でも実感することが出来る。だから技とも術理とも言うほどのものでもないと思っていたが、今日おこなった剣術での剣圧の威力を上げるためには少し難易度が上がってくる。これを実感出来たことは大いなる進展だ。今後は稽古を通じてより精度と威力を高められるように研究したい。

 ソフト竹刀を使っての小太刀稽古では、新しい動きが突然出来た。渡部氏に打ち込んでもらうソフト竹刀に対し右側から斬り付ける体捌きを稽古していた際に、相手が遠慮して少し中心をずらしていないか気になったので、フイに反対側の左側へ斬り込むように抜けたところ、渡部氏が「今のなんですか?」とこの動きを興味深そうに質問されたので、「たまたま左側に行っただけです。」とお答えしたが、「右側より、左側に抜ける今の動きの方が良いです!」とその表情から、再度行ってみたところ、「ああ、これは確かに今までの動きより楽に確実に動けますし、技という感じがしますね。」と、何度でもやりたくなってしまう動きであることが何よりの証明でもあった。この時の動き出しは「転ばぬ先の一歩」が有効であり、同じ脚足の上げ方でも、これまでおこなったものが、クラーチ剣術教室でお伝えしている「転ばぬ先の一歩」でより動きを点検しそれを精確に行えるようになったことで、さまざまに剣術で応用することが出来ている。

 小太刀については、頭上で受けてはならず、額前で受けるように入身で入ることが重要である。もちろんそのようにおこなってはいたが、その辺の解釈が明確になったことで動きの理解が動作に表れ余裕に繋がる。余裕が無ければ横隔膜が上がりやすくなり、緊張し力み、呼吸が浅くなってしまう。身体の状態と精神的な繋がりはどちらが優位かというところではあるが、どちらも状態としては繋がっているので、技に対して精神性というものはレベルが上がるほどに大きく関わってくるものであると私はそのように思っている。

 
 稽古後は江東区の団体登録手続きを完了させ以後三年間利用出来ることとなった。昨日今日と大いに得るものはあった。そうして身体を働かせ続けてきているので、明日は大事にしてあげなければならない。さまざまな得物で稽古が出来たのは渡部氏の成長があってのもの。より精度を求め難易度を上げていくには打太刀の技量も求められるので、そうした意味では渡部氏には本当に助けられている。

 さあ、今日も一日が終った。今は寝るのが一番の仕事である。


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2019年6月 武術稽古日程

2019年7月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-06-21(Fri)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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