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まさに感謝といえる稽古であった

 Gold Castleの記事の後になるが、今日は金山剣術稽古会土曜日稽古会を開催した。月に1~2回、土曜日に品川区の会場で開催している。今回は渡部氏が参加して下さったが、私もほとんど目立ったところで告知していないので、知らない方も多いだろう。この土曜日稽古会は単発参加型の講習会形式でおこなう予定ですので、今後金山剣術稽古会のサイトに早めに掲載しておりますので、平日の参加が難しく、また入会するのも覚悟が入りそうだと思われている方も少なくないかもしれませんので、そうした方は月に1~2回開催している土曜日の稽古会がおすすめです。


 さて稽古記事に入る。

 昨日の四時間稽古のうち二時間半は一人稽古に没頭していた。寝たのが6時過ぎで起きたのが8時過ぎ。余りに目がさえていたので、外の明かりが差し込む部屋で、前腕を三十分程ひたすら動かしていた。おそらく蠢動の興味からであるが、私の前腕は剣術をおこなっている人の中でもかなり細い方だと思われるので、見た目と中の具合がどうなっているのかさまざまに検討しながら、以前痛めた右手手首や右肘などの「働きの良い状態」を妨げない腕でなければならず、その腕がどうなのかの判断はやはり動きの中で判断していかなければならないだろう。今興味あるのは腕の中の、いや身体の中の筋の働きである。関節ではなく筋肉ではなく筋。そこにまだまだ働きの可能性が隠されているように思う。

 今日の稽古ではまずそうした筋の使い方を蠢動ベースに検証。さっそく得るものがあった。それは背中の蠢動をさらに広範囲におこなうことでより自重の重さというか硬さが現れた。そしてもう一つ解ったことは、浮きとの併用でおこなっていた力の耐性検証を試みたところ、いわゆる腿の引き上げだけでは、鼠径部回りが硬くなり、そこの部位だけは強力に繋がっているが、身体全体の中では弱点となってしまい足元が浮かび上がってしまうのを防ぐには及ばない。そのため、これまで信じていた腿の引き上げを無くし、蠢動と背中の蠢動を広範囲におこなった状態が最も強く、足元が浮かび上がりにくくなりかつ、体に接する部分が硬く感じられ、本人の実感としては全く固めている感じではないのに、触れる相手はその固さに驚いてしまう。

 しかし、腿の引き上げも有効であり、それは歩いている最中に蠢動を試みる場合は、相手が居る方向の左右の脚いずれかの腿の付け根を僅か引き上げるだけで驚くほど強力に飛ばされにくくなる。この歩いている最中におこなう腿の付け根の僅かな引き上げとの併用は、まだ講習会ではおこなっていない。押し飛ばす方が痛がるぐらいだから人混みや、歩きスマホ対策で自衛手段として密かに試みておくのも転倒が怖い方にはお勧めである。決して自らぶつかってはなりませんが。

 そして昨日パーソナルトレーナのM氏と稽古をおこなったときに言葉に出た、高齢者の方の転倒防止対策として私なりの考えは「第一歩が出るかどうか」ということである。つまり、転倒は突如として起こりうるものであり、その突如としてものに対する時間的判断猶予は無きに等しいであろう。もちろん、体を支える最低限の筋力は養っていなければならない、しかし、どうしていいか解らない間に転倒するのが年齢に限らず誰にでも当てはまることなので、私の経験から言えば、武術稽古を始めて膝の抜きなど多用するようになり、道を歩いて何かに躓いた時と言うのはまさに膝を抜いた状態と酷似しており、無意識的にトンと足が出るのである。

 このことは、「躓いて驚かなくなった」という身体の変化であり、それは意識的にどうこうできるものではなく、咄嗟に第一歩目が出るかどうかということが重要なのであろう。そうしたことを昨夜の稽古でM氏とお話させていただいたが、今日の渡部氏との稽古で、より整理され、二人一組で後ろに立った人が肩をタッチし、右肩であれば右足の付根を引き上げ、左肩であれば左足の付根を引き上げる。そして両肩だったら両足の付根を引き上げる。

 足の付け根を伸ばさずに引き上げることで瞬間的に膝が抜けトンと足が素早く反応いたします。普通に踏み出すだけでは時間が掛かりますし、引っ掛かった際の足では対応できません。重心が掛かっている側の足が躓くことで転倒いたしますので、足の付け根を引き上げるという事は、その瞬間の状態を擬似的に作り出し速さと衝撃を身体に覚えさせることが、「転ばぬ先の第一歩」に必要なのではないかと考えます。

 ですので、今日考案した「転ばぬ先の第一歩」を養う稽古を毎週クラーチ剣術教室の講習内容に取り入れたいと思います。これは今日渡部氏とともにおこないましたが、私がやってもなかなか難しいもので、楽しいものです。身体に負担の少ない動きですし、難易度を相手によって調整できますので、これはかなり楽しみにしております。

 そして次に小太刀の稽古。

 今日は左からの袈裟斬りに対する対応を検討した。上段からの真っ向斬りはこれまでに何度も「入身上段受け」にて稽古してきたが、八相からの袈裟斬りでも受け方は異なるが崩し方は同じである。しかし左からの袈裟斬りに対しては、これまでおこなってきた崩しと背後からの斬り付けに耐え難い違和感が生じ、先の二つと同じように出来なくも無いのであるが、そこに冴えというものが感じられず、暫く動きの中で考えた。

 そうした中でフト、片手で両手持ちの大刀を押さえられる事に気が付き、「こんな事があるのか!片手の小太刀は不利だとばかり思い込んでいたが、小太刀の長さは片手で活かせるものだったのか!」ということに気がついたのであった。試しに、離れた遠間から斬り込まれた大刀の剣圧を片手で受けることはさすがに難しく、これには入身上段受けのような形が求められるが、相手と鍔競り合いのような形になったときには、小太刀の片手持ちというのは圧倒的に有利なのである。大刀は両手で持つが故の手が離せない弱点が露呈され(大刀で片手になると尚更弱くなる)そうして小太刀側としては自由になっている片手で相手の大刀をコントロールすることが出来る。これは、私としては珍しく速く動く要素の無い技である。間合いが詰まった際の小太刀の働きの強さを知ったことに感動があった。今日はそうした発見続きの稽古となり、何処かに対して感謝の言葉を口にするほどであったが、来週の特別講習会では今日の発見をお伝えしたいと思う。

 そして最後におこなったのは、剣術の「連続切り返し」である。今日はとにかく発見があり驚きの連続であったが、最後の最後に自分が一番驚いた。渡部氏も驚かれていたが、あらためて武術の動きというのは練習の積み重ねではないという事が分かった。感覚の統御と、複雑な組み合わせを、別のパッケージとして何とも言いようの無い「あの感じ」として身体に記憶させること。その「あの感じ」は独立した別物であるが、確証のない「あの感じ」が身に宿ることで、これからの展開で何か拓けてくるものがあるのかもしれない。

連続切り返し

連続切り返し(追加版)

 今夜は早めに記事を書き終えることが出来ました。今朝方、BABジャパンから5/20刊行のDVD「古武術は速い」をご恵贈頂きました。完成品がどのようなものになるのか私も初めての経験ですので、心して拝見したいと思っております。今後ともお世話になるかと思いますが、この度の全ての流れに関しまして幸甚の至りであります。

 明日の日曜日は、12時から品川区総合体育館剣道場でおこないます。体験参加の方が定員とり賑わう講習となるでしょう。新しく生徒になられた方も増えてきております。明日も良い一日となりますように皆様楽しみにお待ちしております!


2019年5月20日発売 DVD 【古武術は速い】~“型の手続き"を追求した剣・杖の実践的な体使い~(ご予約受付中)

2019年5月25日(土) 「剣術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

2019年6月15日(土)「杖術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ

2019年5月 武術稽古日程

2019年6月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-05-18(Sat)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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