先入観が進展を妨げる

 今日の研究稽古では、背中と大腿部との関係性から姿勢が決まる重要な感覚を知る事ができた。

 これは、今年の5月から柄の握り方について、アソビをとり肩が引っ張られないように手之内が決まったことで、現在おこなっている私の剣の振り方のベースが生まれたのである。そこからいかに体幹を使えるかということに試行錯誤していったのであるが、その過程において、僧帽筋が張り過ぎてしまったり、やはりどこか筋肉に負担が掛かってしまっていた。

 10月8日に体術稽古にて左大胸筋肉離れとなり、そのおかげで筋肉に負担のかからない腕の位置が決まった。脇を少し開く事で肩がより下がることが分かった。このことにより、重い木刀や真剣を振っても僧帽筋が張ることは無くなった。そしてこの位置は今日体感した「背中で斬る感覚」に結びついた。

 それは、抜刀術稽古の際に、さまざまな抜刀をおこなっていた時、私は最後に大袈裟(※左から右下へ斬り下ろすのが大袈裟、右から左下へ斬り下ろすのは小袈裟)に斬り下ろして納刀する形をとっているが、その大袈裟に斬り下ろした際に、今までにない刀の軽さを感じ、アレっ?と思い、繰り返し振ってみたが再現出来なかった。今までにも、抜刀の後の二之太刀で大袈裟に斬り下ろした際に感じることはあったが、再現出来なかったためそのままになっていたのだが、なぜかと言うと、関心事は抜刀の瞬間の身体の使い方などであり、そのあとの二之太刀はほとんど気にしていなかったからである。実は、その気にしていなかったことが、今日、そうか!無意識でおこなっているため、余計な先入観で姿勢を作らずにおこなったことが、何気ない二之太刀でのアレっ?と感じる要因となったのだ。

 その姿勢とは、私にとっては他言したくない重要な発見であるが、自分の成長のためには記さねばならない。今までは腹(丹田)を意識する余り身体の表面ばかりに意識が集中していた。そのため、剣の振り終わりには、微妙ではあるが背中が抜けていたのである。それは、前重心の意識でも同じであり、前脚の大腿部の付け根の屈曲を意識し過ぎる余り、体軸が前傾し、同様に背中が抜けていた。試しに背中を丸め気味に使うと、それなりの体幹部の働きは得られるが、大腿部の付け根の屈曲が抜けてしまうため下体の働きが弱まってしまう。エネルギーを垂直に使うには、大腿部の付け根をやや屈曲させ、かつ背中が抜けない真っ直ぐな位置が、実感として収縮させてない上腕を伝って剣に通るのである。この背中が使えている感覚というのは今日初めての感覚であり、その実感は再現性も含め剣の振りで確認出来た。この感覚を今後どのように進展させ、他の稽古にも活かせるかが今後のテーマの一つでもある。

 このようなことから、さまざまなことにおいて先入観というのは、大きな障害ともいえるだろう。しかし、信用している部分を改め見直すことは、なかなか気がつきにくいものでもある。あらゆる状況を、良くも悪くも無く、その状況から見えるものこそ、次に進めるための何かが隠されているのではないだろうか。


2013-12-14(Sat)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


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1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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