流れの速さで感じるもの

 今日はgold castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこなった。早いもので今年の講習はあと二回となってしまった。10月20日に開講し、まだ二ヶ月足らずであるが、受講生は増えてきている。手作りで進めてきたこのスクールであるが、私が思っていた以上に出会いが繋がってきている。私としても情熱をもって取り組んでいるので、日々スクールを良いものにしたいと考え取り組んでいる。

 今日は、女性の方が多い講習であったが、剣術クラスでは初めての方にいきなり「納刀」をやっていただいた。杖についても初めてであり、指先や、手首の使い方など、技術的な部分を重点的におこなおうと考えていたのだが、まず、体が真っ直ぐであることが何より重要であり、日常の歩き方や姿勢などの影響で、後ろ重心になりやすい方が多く、まず、この部分から直していかなければならないと感じたのである。この「真っ直ぐに立つ」ということが簡単なようで実際に動きの中で、どれほど難しいかということを今日参加された方は実感されたのではないだろうか。後ろ重心になり易い要因として、まず骨盤角度が考えられる。普通に真っ直ぐ立っているつもりでも、骨盤が「後傾」してると、上体を伸ばした際に頭の位置が後ろになり、後ろ重心となってしまう。この「骨盤後傾」は武術稽古の中で改善されてくるが、大腿部の付け根に手のひらの小指側を付けた状態でスクワットのように沈んだ際に、腿とお腹でこの手を挟む事が出来ない場合、かなり骨盤が後傾していると考えられる。

 日常的に後ろ重心である身体の構造を変えるには、前重心で骨盤を立てる必要があり、その動作を武術の動きの中で整えていくことで、少しずつ股関節の可動がスムーズとなり、真っ直ぐ立った際の骨盤の角度も起きてくる。これは、日常的に言えば、しゃがんだ姿勢や、物を拾う動作で腰に掛かる負担が減り、低い姿勢で仕事をおこなう方には重要な部分である。また、骨盤が立つことででん部が引き上げられ、太ももの表側にある大腿四頭筋と、裏側にある筋肉ハムストリングスの、バランスが変わり私の体の実感としては、ハムストリングスが発達し、でん部が引き上げられ、表側の大腿四等筋が細くなり、太ももが細くなったように感じる。解りにくい方には、後ろ重心でスクワットのようにしゃがむのと、前傾し前重心で、顔を下げずに背中を丸めないようにしゃがんでいただくと、太ももに掛かる疲労の違いを実感できると思う。つまり、そういった日常的な姿勢からなる筋肉の付き方のバランスが姿勢を作るのである。そこで、前重心の際に気を付ける事は、顔を下げない、背中を丸めない、この二つだけでも意識していただくと、大腿部に使われる筋肉バランスは変わってくるだろう。

 この難しい「真っ直ぐに立つ」ということであるが、リハビリも兼ねて参加されているご婦人は出来ているのである。これは、武術稽古を進めていく中で重要な部分であり、進展の早さにも影響してくる。そんななか、本日はご婦人に木刀による左右の袈裟斬りをおこなっていただいた。

 これは実はご婦人の身体を通じて、私の稽古の検証にもなっている。身体の筋肉に負担を掛けず、真っ直ぐな姿勢からなる体幹の働きを、落ちた肩、適度に閉じた肘、親指と人差指を緩めた握りで構えた剣の軌道に沿って切っ先を落としていく。その際に、肩が引っ張られて上体が折れてしまわないことが大切である。これは、膝を抜いて自身の体重を乗せた際に、真っ直ぐでなければ体幹の威力が出ないため、剣の振りに体が引っ張られないための構造を整えておかなければならないからである。今日はご婦人を見ていて、上体が前に折れず、切っ先がピタリと止まることが出来るようになった。毎回ではないが、試しに私が杖を持って腰の高さに水平に出し、これを寸止めで振っていただくようにおこなった。すると、5㎝、3㎝、ときには杖を打ったりすることもあったが、1㎝でピタリと止まった時には、私自身驚いたというより感動してしまった!!

 身体構造への信頼と、真っ直ぐに立つことの重要性をあらためて認識したのであった。武術稽古を通じて、筋肉の付き方のバランスを整え、それと共に構造が変わり、姿勢の変化と共に動きが変わる。不器用だから出来ないのではなく、身体の構造がまだ整っていないため、身体的に動かせないのである。だが、その方にあった動きを見つけ導いていくことで、少しずつではあるが確実にカラダは変わってくる。

 講習に参加される方々の動きの癖や、直す箇所の方法など、どのような稽古方法で進めていくかいくつかチェックしているが、そうしたことが頭に浮かんでくる状況になってきたのだと感慨深い気持ちとともに、参加されている方々との縁を感じながら、まだスクールを立ち上げる前のさまざまな準備段階の事を思い出し、あらためていろんな方に感謝したいと純粋に感じたのであった。


 これからもgold castle 殺陣&剣術スクールとして、どのような方にでも愉しんでいただき、技術を伝えることができるスクールを目指しております。これからもよりよい空間となっていけるように私自身精進していきたいと思っております。今後とも宜しくお願いいたします。


2013-12-09(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


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1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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