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心の積み重ねが場を生み出す

 本日は月四回毎週火曜日に伺っている高齢者住宅で「クラーチ剣術教室」の日。この四年間の中で一度だけ風邪で日程を変更させていただいたことがありましたが、これまで安定的に月に四回こちらでの教室を開催させていただいております。

 以前にも書きましたが、知らない人も増えたように思いますのでこの教室がどうやって誕生したのかをあらためて記述いたします。
 ご縁の繋がりを遡って行きますと私がまだ二十代の頃大阪に一年八ヶ月間住んでいた時期がありまして、その期間は役者の勉強もしながら自主制作映画などの現場のお手伝いや出演、インディーズ映画のイベントなどに顔を出しておりました。そうしたインディーズ映画界を組織運営する自主映画監督&プロデューサーの方と親しくさせていただき、私が大阪から埼玉に引っ越した後も、ご縁の深まった大阪でイベントに参加させていただいたり、大衆演劇の座長さんを紹介して下さり、毎週大阪で舞台稽古そして公演まで経験させていただいたこともありました。そうした埼玉から大阪の自主映画際のイベントに参加していた時期に、打ち上げの居酒屋さんで東京の自主映画監督とご紹介されたOさんと出会い、主催者であるT監督のすすめというか勢いで、明日早朝に二人共関東に戻らなければならないため、私とOさんが居酒屋から近所の銭湯に行く事になりました。初対面でご挨拶も早々に共に銭湯に行くというのは、後々になっても深く良い思い出として記憶に残っております。

 そうしたOさんとの愉快な出会いから始まり、私もいろいろな人の自主制作映画に参加させてもらう時期があり、そうした集いでお会いすることもありました。それから暫く経った後、もう私が武術と出会って間もない頃ですから2009年の夏頃だったと思いますが、Oさんの監督される作品に呼んで下さり、その現場でアシスタントとしてお手伝いをされている奥様とお会いいたしました。Oさんは柔らかい感じのおっとりした監督で、奥様は明るい方でお人柄も素晴らしい方でした。

 やがて映画は完成し、DVDとしてTSUTAYAにもレンタルされました。そうしたことからご縁が深まり、あるときに画家でもある奥様から絵のモデルをやっていただけませんか?というお話を頂く事になり、謝礼をいただけるため、当時アルバイトに明け暮れていた私にとってはありがたいお話と快諾させていただいたのでした。そこで初めてとなる絵の教室でモデルを務めさせていただくのが、「クラーチ溝の口」という高齢者住宅でした。そう、ここで繋がりましたね。

 一回の作品が二週に分けておこなわれるため、二回通うことになり初めは高齢者の方々とどう話していいものか分らず緊張していたと思います。ですが二回目となりますと少しずつ緊張も解れ、こうした空間があることを肌で感じ感動していたと記憶しております。緊張というのは、建物に入ってからの全てで、フロントスタッフの方へのご挨拶や、擦れ違う方とのご挨拶、絵画教室の皆さんとの会話や、講習後のレストランでの周囲の目線と皆さんとのお食事、今思えばその全てが緊張の連続であったと思い出しました。ですので、小学校六年生から中学一年生になった今も、学校の春夏秋冬休みに毎回必ず参加される郁己君が経験してきたものは、当時の私が経験したもの以上にその感受性の高い年頃から学んだものは大変貴重なものであったと思われます。

 そうした絵画モデルを四作品×二回ほど務めさせていただき、初めの頃は洋服でモデルをおこなっておりましたが、私も武術への道に移行し始めていた頃ですので、道衣姿に刀という形に変わっていきました。記憶がおぼろげですが、五分間完全静止状態から五分間の休憩を何度か繰り返し、最後は十五分間位完全静止だったような記憶がありますが、合計で一時間位だったでしょうか、姿勢によっては身体に負荷が掛かりますが、私は稽古の一環とも思っておりましたので少しキツメの姿勢を選んでいた思い出が残っております。そうしたモデルとして絵画教室の生徒の皆さんと顔馴染みにもなり始めて参加させていただいたのが2009年だったと思いますが、年に一度位は伺っていたような記憶が残っております。そんな2013年の9月頃にモデルとして参加させていただいた折に、私の方から皆さんへ「今度10月20日に、殺陣と剣術の教室を始めることになりました。よろしければチラシを作りましたのでどうぞ!」とお渡しし、講習後に剣豪小説が昔から大好きだったというOさんが興味を持って、「私でも大丈夫かしら?」と仰っていたのを聞いておりましたが、当時69歳で体重31kg~33kg、そして15年間関節リウマチ症にかかっているOさんが品川区まで来られるだけでも大変だと思っておりましたので「見学だけでも構いませんから、椅子に座ってでも出来ますので大丈夫ですよ。」とお伝えしたような気がいたします。

 2013年10月20日(日)戸越体育館剣道場で大雨の中18時30分~20時30分「gold castle 殺陣&剣術スクール」が開講いたしました。開講初日の体験参加者は三名。当然知り合いからのスタートでしたが講習後に大雨の降りしきる戸越体育館を出た屋根の下、皆で参加者の方が作ってきてくださったケーキをご馳走になったのを覚えております。

 そうしてスタートを切った教室の三週目にあたる2013年11月3日(日)に絵画教室の生徒さんであるOさんがお越しになられました。

 教室も手作りで誰の宣伝も借りずにおこなったものですから、当初は一人~三人という参加人数でしたが、幸いなことに0人だけはありませんでした。そして年が明けた2014年1月に入った途端に一気に生徒数が増え、さらに4月に受講者数が加速しコマ数を増やすこととなっていきました。教室を開講してこれまでの間に危機的な状況になっていないのは、何かの力が働いているような気がしておりますが、そうしたものを裏切らないように向き合っていくことが結果として安定なる教室運営となっているように思えます。

 軌道に乗り出すまでは意外と早く、Oさんも座っておこなっていた内容から立っておこなう内容にまで身体が慣れてきたこともあり、次第に出来る内容も増えていきました。当初は、膝や肘などに痛みが生ずることも多く、そこに負担が掛からない内容をその場で考えておこなうことに私も鍛えられました。

 Oさんはほとんど休まずに毎週参加され、そのお身体から私が想像している以上の自信が得られたのではないかと思います。そんなOさんの姿勢や、歩き方、内面的な明るさの変化が住まわれている周囲の方々の中で次第に噂になり、その後絵画教室のモデルを務めさせていただいた時に、八十代半ばのDさんが「ここでやってくれるなら、私もやりたいわ。」と仰っていたので、「出来るのであれば良いですよ。」とお答えしたところ、すぐに行動に移っていただき、私もその時の皆さんの行動力と実現に向けての団結力は凄かったと驚いたものです。

 そして「クラーチ剣術教室」と銘打ってクラーチ溝の口さんから正式に教室運営を任せていただくことが出来ました。記念となる第一回目の開催は2014年8月5日(火)でした。当初は五名からのスタートでしたが、現在は十名となり四年が経過いたしましたので八十歳代に到達された方も増えてきました。あれほど緊張していた私が、今では癒されに館内に入らせていただいております。フロントスタッフの皆様、清掃スタッフの皆様、レストランのスタッフの皆様、居住者の皆様、お会いする方々の多くの方と自然な会話が出来ている自分に驚きますし、そういう自らも癒されている気持ちですので、気持ちがあれば言葉は自然と紡ぎ出されていくもので心地良いものです。こうした日常を四年間毎週経験させていただけることは本当にありがたい、有り難い事だと感じます。すべての事に言えますことは、信頼と信用からなる人間関係は良縁と良い結果を生み出すためには不可欠なものであります。信用と信頼には場が大切です。人間誰しも全てに対して万能ではありません。そうした信頼の場に生きる人との良縁が繋がる事で、生きていく中での時間は掛け替えの無いものへと昇華される気がいたします。安易にそのような場を手に入れることは難しいかもしれませんが、苦労を苦労と感じない生き方考え方の中で自らを鍛練していきながら、いつしか自らに合った場のなかで信頼信用を得て生き方を感じていくものではないかと思うのです。ですので、辛い時期というのは、その後の生き方には必ず反映されるものがあると思いますので、辛い時期は精神的にギリギリのところまで追い込まれますが、経験は心の鍛練としていずれ役に立ちます。人間関係にしましても、自らが生きていく場が明確になれば、人との縁も次に移り変わっていくこともあります。縁も繋いで今になるのです。志が変わらなければ、苦楽の中でいずれそうした場に辿り着くものと思います。今を大事に生きるというのはそうしたことの結果であり過程でもあります。歳を重ねることの楽しみは、自らの場を知りその場で人と出会うことです。そのなかで、人の役に立てることを納得出来るように生きていくことが先日も申し上げましたが学ぶことの意味であると私は思っております。


 今夜は語り過ぎてしまいましたが、記憶というのは不思議なもので遠く昔の様々なことでも頭の中に残っているものです。試験などの勉強に関しての記憶は全く頭に入るスペースが無かったのですが、こうした思い出の記憶は記憶の収容場所に差があるのか、たくさん入っております。人との繋がりは思いもよらぬ人生の時間を生み出してくれますし、そのためには自分が求める「場」が大切であるこは言うまでもありません。場は心の積み重ねとも言えるかもしれません。心無くして場は存在いたしませんので、心ある生き方を得ていけるそんな人生のあり方をこれからも進んで参りたいと思います。


2018年10月7日(日) 「杖整体操」のお知らせ(お申し込み受付中)

2018年10月13日(土) 「剣術 特別講習会」(お申し込み受付中)

2018年11月22日(木)23日(金) 「関西特別講習会」(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会HP

2018年9月 稽古日程 加筆修正いたしました

2018年10月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-09-26(Wed)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなう。

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

2018年
『 関西特別講習会 』として人との繋がりを大事に遠方での講習会もおこなっている。

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