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フト見上げれば中秋の名月だった

 先日自宅で肩甲骨の運動をやり過ぎてしまい腰周りに張りと鈍痛が生じ、「これは、連休が終わった明日にでも久しぶりに整骨院に行くか…」と思いながら夜から新宿スポーツセンターでの稽古に向かった。

 17時40分頃家を出てしばらく歩いたのち空を見上げると、黒っぽい雲がモクモクと行く先の上空で今にも降り出しそうな気配を充満させている。一旦家に引き返して雨具を用意しようかと思ったが、時間が迫っていたので覚悟を決めて駅に到着。

 三連休の最後ということで、それらしい人が車内には多く、人数がいても平日のような負のオーラは受けにくい。高田馬場駅に着き改札を出て坂道を登るその先に見事な黄色い月が昇り始めている最中であった。昇り始めの月というのはなんとも存在感が強く、時には怖ささえ感じる時もある。建物の僅かな隙間に収まっていたので思わず写真を撮ろうかと考えたが、私のガラケーでは点にしか写らないので止めた。

 しばらく歩くと周囲から「中秋の名月」という言葉が耳に入ったので、そこでようやく今日がその日であることを悟る。家を出たばかりのときにあれほど曇っていた空が、ものの二十分後には綺麗な十五夜を映しているので不思議な感じがした。都会に住んで一番残念なのは、星であったり月であったり本来の美しさの欠片しか観ることが出来ないことにある。同じ国内でも、見事な空の青さ、青のコントラストの違いまでクッキリと見えるほどの場所で生活をしている人の日々の暮らしの中には当たり前のように美しい空が存在している。海が近くにある人は、当たり前のように波音が聴こえ、船の汽笛やカモメの鳴き声、日の出日の入りのオレンジに染まる空の美しさが日常にはある。山であるなら、野鳥の声、風にそよぐ木々のざわめき、緑の香り自然に育った花や葉の姿がいつもそこには存在している。ちなみに私が生まれ育った家では、裏山の竹林から聴こえる葉っぱのざわめきであったり、風向きによっては山を越えて聴こえる関門海峡を航行する船の汽笛、田舎であり山を上がったところにあるため星もたくさん見えた。田園風景や広がる畑の景観とは無縁の坂の多い地域であったが、そうした身体が心地良く感じる、五感に安らぎを覚えさせる音や景色は遠い過去の空想の物語のように現実感も薄れてしまった。

 東京では、見事なビルが所狭しと建設され、一軒家は解体され賃貸物件と生まれ変わる。そうした工事がひっきりなしに続いており静かな日常はなかなか得られない。空は建物が邪魔をし、大空を見渡せる場所が簡単には見つからない。空気も悪く夜も明るいため、星がこんなに観えるのだと知らない子供は多いのではないだろうか。都会は確かに素晴らしいが、失われたものも素晴らしかった。


 さて、本日の稽古では、後藤氏と共に、杖術、剣術、杖整体操、抜刀術をおこなった。

 一つ進んだのは、剣術における「峰返し潰し」である。後藤氏からのアドバイスに峰の角度を変更したところ、力の通りが良くなった。そして進んだというより思い出したといったほうが正解であるが、浮いてある状態、あとは落ちるだけという体内感覚がこの技の瞬間的伝達が如何に相手に通せるかというシビアな操作法を強いられていることも解った。

 あらためて「あとは落ちるだけ」の状態を身体感覚として備えておくことの大切さ。それを浮きというのかはまだ疑問であるが、居着かずに、頼らずに、落とせる状態にしておくということは、逆算的に言い換えれば浮いていると言うことなのかもしれない。このことを身体の大きい後藤氏で検証できたことはとても大きい。そうした検証稽古が出来たことを進んで協力して下さる後藤健太氏には感謝の気持しかない。

 杖術、抜刀術とも稽古をおこなったが、今日はなんといっても「杖整体操」、これに尽きる。

 私も後藤氏も月曜日というのは、一週間の闘いを終え、心身ともに使い果たしたような状態で迎えているので、自然と月曜日には杖整体操をおこなうことが定例となってきた。今日は私自身身体に染みた。染みたというのは、心地良さが体内に染み込むように感じられたということ。先日自宅でおこなった肩甲骨の運動が、長くやり過ぎたせいもあり腰に張りが生じてしまい、どうしたものかと嫌な感じがしていたが、今日の杖整体操で完全に消えてしまった。これには私自身驚いてしまったが、後藤氏も右肩の可動域が良くなり、ゴリゴリ鳴らずに肩がスムースに大きく回せるようになったと驚いていた。後藤氏も色々と動きを工夫されており、その動きを私も取り入れ、腰が伸びる方法も教えてもらう事が出来た。杖整体操の興味深いところは、それぞれが独自に動きを開発し、それをみんなで共有しあえる所にある。それを言うとヒモトレに似ている所もあるが、まさに誰かが得を得るためのものではなく、皆が得ていける良い方法を見つけ合い、心地良さの中で安心しながら状態が改善されるものである。

 
 これからまた私にとっての一週間が始まり出した。「かざあな。杖術編」もついに映像が仕上がった。あとは音の細かい作業をお願いしているところであり、配信までもう一息というところまで来た。プロの方々にお願いし、それぞれの方の考え方や仕事の段取りなど、そういうやりとりが出来たことが大きな経験となっている。何も無いところから何かを生み出すことのありがたさに感動と感謝、そして面白さ素晴らしさがあるのだと経験させて頂く事ができました。まだまだ剣術編、抜刀術編と残っておりますが、まずは一本完成に近付きましたのでホッとしております。

 このところあらためて感じますのは、人の出会いは本当に不思議なものです。

 そうしたことを強く実感し始めたのは、ここ一年以内ではないかと思います。なにかまた、自分が漂っていた川の流れが、もう一つ違う流れの中に入って行ったような、それを実感する日常の変化を感じております。

 共にその流れに入り溺れずに進める人、そうした流れの中で出会う人、まだまだその先の流れと大きさは果てしないものが待ち受けていそうですが、今はただ、シッカリと溺れないように、行き先を見失わないように、その流れの中で出会った人、共に入っていける人と一緒に進んで行こうと思います。都会で暮らす「闘う戦士たちへ愛を込めて」でしょうか。


2018年10月7日(日) 「杖整体操」のお知らせ(お申し込み受付中)

2018年10月13日(土) 「剣術 特別講習会」(お申し込み受付中)

2018年11月22日(木)23日(金) 「関西特別講習会」(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会HP

2018年9月 稽古日程 加筆修正いたしました

2018年10月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-09-25(Tue)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなう。

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

2018年
『 関西特別講習会 』として人との繋がりを大事に遠方での講習会もおこなっている。

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