師走に入って

 師走に入り今年も残すところ一月を切った。振り返るにはまだ早いが2013年は私にとって大きな年であった。過去の経験にもあったが、運命というか、何かの流れに身を任せたときというのは、それまで考えられなかったことが、自然にドンドン進んでいく。そうなったときは何も遮るものがなく、一気に進んでいく。今年の一月、二月頃というのは自身の感覚では、もう三年ぐらい前のような記憶である。

 武術稽古にしても今年の春ごろと現在では操法が大きく変わった。抜刀術では脚足の使い方が大きく変わり、ソ之字立ちを止めた。動きの中で爪先が開くことはあるが、構えの状態から爪先が開く事はほとんど無くなった。その結果、「バラバラに動かす身体を最終的に纏める」というそれまでの感覚から、「纏まっているものを纏まったまま扱う」意識に変わった。歩幅も狭まり、体の開きは必要最小限とし、大きく動けるために全体を小さく纏まり(丹田の感覚というものかも知れないが)を感じながら調和をとること。その結果、抜刀術全般が以前よりも速く、起こりも減少し、それらの動きが以前に比べ扱い易くなった。次に杖術では、圧倒的に個人の稽古時間が増えたことで、杖と身体の感覚が格段に向上した。手之内と脚足が良い関係性となり、常に調和をとり続けながら自由に動きを導いてくれる感覚となった。抜刀術と同様にソ之字を止めたことで、それまでおこなっていた、体の開きで杖を大きく伸ばして突いたり打ったりしていたものを、開きでなく、自身の体重を微妙に掛けながら、上体は開かず、傾かず、真っ直ぐなままおこなう操法となった。この扱い方により、起こりを減らし、重さを増し、次々に連動した技が出るようになった。(2012.12.28に収録した動画ではまだその操法では無い。)

 脚足の操法が大きく変わったことで、上体も影響を受け始めた。より筋力に負担の掛からない操法を意識するようになり、その感覚を養成するために、主に真剣や、重い木刀の振り方でその感覚を研究している。

 このように今年一年で大きく変わったのであるが、それは自分自身に対しての変化であって、武術をおこなうものとしての実力が上がったとは到底感じられないものである。それは自分自身が常に痛感しているものであり、色んな意味で広げていかなければならないものがある。

 さて、本日のgold castle 殺陣&剣術スクールであるが、殺陣クラスでおこなっているさまざまな歩法を見ていると、稽古されている参加者の成長が見られた。やはり週一回ではあるが、継続することで身についてくるものである。月謝4.000円で始めの3回は無料であるのは、「こうした継続した稽古による技術習得を早く実感していただきたい」ということからでもあり、そこには私の歩んできた思いも少なからず入っている。

 そして、杖の稽古に励んでおられるご婦人との講習では、手先の器用さから、あるパターン化した動きとなり、力みが見られ出したことから、足を使って90度体の向きを変えながら同時に杖を左右に持ち替える動きをおこなっていただく。この時にも感じたことは、爪先の向きというのは、身体(とくに上体)を動かす際に重要であるということ。杖により、手足の関係性から発見したことであるが、左右どちらかに素早く向き変わる際に、例えば左に向き変わる場合、ふつうは左足が開いて、右足をポンと平行な位置に運んでくるが、この動きでは左足が開いてる時には、右足は待たざるを得ない。(いち、に、で向き変わる。)それに比べ、右足を先に左足の前へと回り込ませることで左へ開いたと同時に左足も開く。(いち、で向き変われる。)似ているようで違うのは、左足を支点にクルッと回ることが思い浮かぶが、足に掛かる重心が違うため似て非なる動作である。これは、ご夫人が杖を扱いながら同時に、真っ直ぐに立てる姿勢を身につけていただきたいことから、気がついたことである。

 そんななか、今日は女性の見学者が参られた。これからもいろんな方々とのご縁が生まれることになるだろう。殺陣と剣術を通じて、ひとつの空間で広い意味での武術を私も学ばなければならない。深夜も2時をまわったが、まずは明日、朝起きてからどのように感じ、行動していけるか。武術稽古で感じたものを実践していかなければならない。


2013-12-02(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


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1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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