全力で休むことの大切さ

 2月最後の日となる本日は、諸々の事務作業と連絡など滞りなく段取りを手配。併せて休養を全力で取る必要があり普段優先順位の低い食事と睡眠を優先した。和ろうそくはなかなか消えないもので、普段の私も疲れていても身体の芯まで堪えていない感じであるが、さすがに一昨日の撮影やその他全ての事が昨日今日と、身体の芯まで炎が消えそうなほど「今の内に疲れていいよ。だから全力で休んでね。」と身体に言われているようで、普段より寒さも芯まで通り、これは身体に隙がある状態だと実感。

 決して疲れることが嫌いなわけでなく、むしろ有り難い事だと思っている。「好きな事をやっていて疲れたなんて言えないよね。」とは、数年前に一昨日撮影でお世話になった尾崎さんから言われた言葉であったが、その言葉はずっと頭に残っている。私の場合、年間を通じて身体一つで活動しているので、休養の仕方も上手にならなければ好きな事が続けられない状態になってしまう。だから休みの日は休む(療養する)。という言葉通りの生活をしている。

 さて、昨日はいつものように午前中に「高齢者のための剣術教室」に行って来ました。運動の休憩中に87歳のKさんとお話をした際に、「これまで右手が少ししか握れませんでしたけど、お医者さんにも通ってたんですけど、最近ここまで握れるようになりました。」と右手を見せていただき、「杖の稽古だとおもいます。」と喜んだ笑顔が印象に残りました。知人女性から「もう辞める歳なのに、これから始めるのはおよしなさい。」と言われた事もあったそうですが、毎週元気に楽しく、ほどほどに身体を動かす事は何歳になってからでも、その方の気持ち次第ですので、「いつから始められてもいいんですよ!」とお伝えしております。私も、ここでは四年目となりますが、身体を良くするというのは結果であり(もちろんそこをテーマに内容を考えておりますが)目的は、楽しくワイワイと皆さん同士が集まって前に進む事を実感出来るかということです。私もまだまだ未熟講師ですが、そこには伝える人の考え方というのはとても重要です。よくいろんな教室などでも仲間同士で教えあったりするのは、フランクに色々な事が聞けたり失敗を互いに認め合ったりしていいのですが、指導的立場に勘違いしてなってしまうと、ただ出来るか出来ないかの批判で、その奥にあるものが重要であるのに台無しになってしまうこともあります。つまり指導する側というのは技術の提供だけではなく、その他諸々全てを統括して場を支配していかなければなりません。そうしたことも含めて人というのは判断されますので、稽古で身につけたものというのは、自分自身にとって一体何なのか、そこと向き合って自らを戒めていくことを永遠に忘れてはならないでしょう。

 少し内容が重たくなってしまいましたが、講習では、ここでも蟹の前歩きという大腿部の引き上げによる前進運動をおこなっておりますが、開講当初からの生徒であるSさんが、以前から太ももを太くしたい、筋力を付けたいと仰っていましたので、太ももの筋肉は、いざ躓いた際、片足に掛かった体重を受け止められる反射と筋力が必要だと思われますので、これは講習内容の必須項目として、短時間で怪我のリスクが無くおこなえるものとしてお伝えしております。そうした効果が、そのSさんの歩幅や、摺り足から止まった際の身体の安定に見受けられ、「Sさん、効果が出てきましたね。今までとちがうでしょ?」と聞いてみたところ、「そう!太ももに筋肉がついたのよ!」と喜んでいらっしゃいました。なんといいますか、筋トレ的な運動ですと、優秀なトレーナーが付いていればちがうかも知れませんが、一般の高齢者の方にとって何年も毎週継続しておこなえないですし、ただ筋肉を鍛えるだけの時間になってしまうと思うのです。これからますます進んでゆく高齢化社会の問題として、自ら自衛していくことが必須となってくることは避けられないでしょう。そうなったときに、どのような運動プログラムが推奨されていくのかと想像しますと、まだまだ整っていないのではないかと思われます。私の場合、武術的な身体の使い方を、楽しく高齢者の方でも前に進めることが出来る内容でおこなっている訳ですが、その他の運動教室においても言えることは、結果を目的にしないということです。目的は「楽しく前に進めることの信頼」であり、それが人と人とのやり取りの中で欠かしてはならないものであり、これからの時代において保たれて欲しいものでもあります。自衛というのはあらゆる意味においても感覚を育てることと言えますから、特に武術においては向いているものと私はこれまでの経験から感じております。

 夜からは住吉にてI氏と稽古。

 昨日の稽古で得たものは、得物に身体が引っ張られる感覚というのは体術においても同様にあるという気付きであった。I氏の動きを観ていて、その場で袈裟斬りをおこなった際の沈み込みというのは共に別々に一緒に合わせておこないましょうという身体の各部分の手続きでなく、これも得物に引っ張られて沈む感覚だろうなと、ちょっと試したところこの感覚は体術でも活かせるように感じた。これはまた日をあらためて検証していきたい。

 それにしても明日は3月だというのが信じられない。だが早く3月になって木々に彩が見られると同時に暖かくなった日々を過ごしたいと楽しみにしている。そのときには私もまた一つ歳を重ねることになるだろう。


2018年3月10日(土) 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-02-28(Wed)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


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1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなう。

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

2018年
『 関西特別講習会 』として人との繋がりを大事に遠方での講習会もおこなっている。

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