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実り多い十月最後の稽古

 台風一過の秋晴れとなったが、木枯らし一号による強風が吹き荒れた一日であった。日中は家の事などいろいろと雑務に追われた。

 17時から高田馬場でI君、後藤健太氏と稽古をおこない19時からはT氏が参加。今日は久しぶりに小太刀を使って稽古をおこなった。スポンジ素材の竹刀を打太刀に使い、幾つか体捌きの稽古をおこなった。久しぶりにおこなったが得たものは大きかった。左手の送り方が、身体全体の調和には欠かせないものであることが分かった。そして逆手で斬り上げる際の右手首、右肘の巻き込みは、右足の踵の操作に関連し、それは体幹部を速やかに移動させる手順となっている事に納得がいった。さらにはこの右腕が巻き返しながら立ち上がっていく事で、肩の動きをスムーズにしていることも確認できた。

 久しぶりにこういった足下が居着かないための稽古として、数年前に甲野先生から教えていただいた小太刀の稽古をおこなったが、太刀奪りに繋がる稽古であるため、その後の剣術稽古では身体の感覚が、というより性能がアップしたような感じが得られた。

 その次に私が稽古法として考えた、正眼に対する巻き落としからの斬り付けでは、支点が固定しない操作が大事であり、重さを乗せる感覚というのは、木刀よりも感覚的に得られるものである。これは時間にすればほんの一瞬の動きであるが、その操作における微細な修正が実感に大きな違いとなって伝わってくるため、小太刀稽古の価値というものをあらためて見直すこととなった。小太刀稽古で得られる感覚には精妙なものがあるため剣術稽古の向上にも繋がってくると確信している。実際に今日おこなった「峰渡」では操作の連動性にはさほど変化は見られないが、動きそのものの性能が上がったように感じられた。軽く片手で扱うものにより、その動きに即した脚足の使い方や、浮きを掛けて飛び込む速さと重さに後藤氏も驚かれていたが私も驚いた。右肘の負担を考慮して小太刀を取り入れたが実際、小太刀の方が負担が大きい…。だが、身体運用の性能アップには魅力的な稽古法なので、今後も小太刀における稽古法のバリエーションを考えておきたいと思う。

 I君も日に日に大きくなってきているが、あと一年もすれば追い抜かれそうな気がしている。背骨の曲がりが稽古を始めて随分良くなってきたそうである。筋力的な事もあったが、一年前のフラツキや不安定感はおそらくその影響があったのだろう。これは他の講習会における生徒の方にも言えるが、ふだんバッグなどを同じ側の肩に掛けて生活をしていると、身体に歪みが生じ運動において著しく身体が使えなくなってしまいます。ふだん姿勢を細かく観る機会が無い人にとってそうした歪みというものはなかなか気が付きにくいため、気づいた時にはかなり進行してしまっている事も考えられます。何事もバランスが大事であるというのは、判っているけどなかなか実践しにくいもの。人生にとってバランス感覚というのは深いものがありますので、目を養い感覚を養い事前察知能力を養い対応策を養いたいものである。

 19時にI君が帰られ、T氏が訪れそのまま後藤氏とともに再び脚鍛稽古からおこなっていく。移動式の「旋打」をおこない足運びなど意外に受け側のほうがやりにくい事が分かった。その場でおこなう旋打のほうがスピードが速く息が切れやすいため、「旋打千回」ならぬ、「旋打百回」をT氏におこなっていただいた。時間にして2分弱であった。1秒で二打打つ事が出来れば1分以内で終わる事が出来る。千回であれば10分以内となるが、受けと交代して一組で20分。まず私が最初に「旋打千回」をおこなってみて特別講習会でおこなえるかどうか検証してみたい。これでは右肘を休ませる暇が無い…というか私もどうかしている。

 後藤氏とI君との稽古では、息が合って私もニコニコしながら観ていて非常に楽しかった。2歳のお嬢様がいらっしゃる後藤氏の温かさを感じる瞬間でもあった。相手によって稽古を変えられるというのは柔軟性を養い、経験値に伴う予測力を高めるには必要でもある。I君にとっても私以外の相手と稽古をしていく機会も必要になるだろう。そろそろ木刀が折れそうになっているので、身体の成長に合わせて白樫の大刀でも問題なく振れるだろう。

 T氏も苦手な「お辞儀潰し」に一つ得るものがあったが、力の伝え方を少しずつ実感と共に変えていけるようになれば、自然と身体が選ぶ方法が変わってくると思う。身体全体を使うには特に背中を意識し、その背中を使える腕や足の形、姿勢というものが重要になってくる。動かす部分じゃないところ、まだまだ使えるところ、使っていないところ、意識するだけで変わるところ、そういったものがあるので、一つ一つ、私もそうであるが実感することで確信となり、次なる実感を求め工夫研究していく面白さを知る事になる。

 今日も実りある稽古であった。10月最後の稽古であったが、特に今日のような自由さと集中のバランスが自然におこなえる環境は、心理的に滞りが無く心地良く流れていけるのである。今日も稽古前に更衣室で剛柔流空手の師範の先生とお話をさせていただき、あらためて「ああ、私は毎週月曜日にこの方から学ばせていただいているんだ。」という認識を強く実感した。私はここで学ばせていただいている瞬間をこれからも忘れてはならないし、自らも実践出来るように自らを変えていく意識を持ち続けていたい。


2017年11月25日(土) 「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2017年11月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-10-31(Tue)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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