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稽古の焦点を持つということ

 今週もあっという間に金曜日となった。一昨日水曜日は夜から甲野善紀先生のメールマガジンの動画撮影とそのための研究稽古を学びに松聲館へと向かった。私自身稽古や講習で一週間ほぼ毎日稽古という状態も珍しくなくなり、今回二ヶ月振りに伺うことが出来た。気にしないためのフロー状態をいかにして取り込むことが出来るか、そうしたことが人間の持っている不思議さや可能性について一つのラインを超えていける何かに繋がっているように思える。それは人によりさまざまであると思うが、命よりも大事な心境にはなかなか到達出来るものではないが、時を忘れ、痛みを忘れ、不安を忘れ、そうした状態の事をフローと呼べるのか判らないが、集中の結果得られた不思議な感覚の中でおこなえる状態の維持があることは体感している。

 稽古や仕事における身体の運用法は、その特殊性によって独特の感覚やそこから得られる実感など多種多様さまざまであり、それに見合った運用法が技となるのなら、その特殊性は突き詰めていかなければならないだろう。急いで技を求めたいという気持ちもあるが、技となるべく身体とその運用法に、特殊性からなる仕組みが備わっていなければ成し得ないものであることも解っている。

 だからこそ、その先を見せていただける先生にお会いし、自分なりの道程を確認修正していける機会というのはこれ以上無いありがたいものなのである。

 考え方や次なる指針が心身に溶け込んで来るというのは素晴らしい方に直にお会いすることで得難いものを得られることでもあり、少しずつ新たな自分というものが時間に帳尻を合わせるかのように生まれ始めているのかもしれない。素晴らしい時間に参加させて頂けた事に感謝しております。


 そして昨日は、高田馬場でW氏、後藤氏、久しぶりにK氏と稽古をおこなった。このところ毎週のように木曜日午後からの高田馬場の武道場が混雑しており、そうした中でもパーソナルスペースが近くなる好ましい団体の方々と隣同士になれば全く気にならない。

 杖術では「上段扇抜き」における右手首の巻き込みと返し、そして左手第三関節(MP関節)の使い方により、相手の杖を跳ね飛ばす威力を出すものとして稽古した。これには、杖先の位置や当角も関係しており、肘による左右の上げ下げも含めたそれぞれが複雑に絡み合った動きとなっている。先週の木曜日に初めて生まれた「旋打」(せんだ)もおこなった。これは連続的に回転と打ち込み跳ね上げが続くもので手之内の精度と杖の当角を身に付けるには有効な稽古となる。加えて連続した動きであり、夢中になる系統の心地良さがあるので多少は心肺機能も向上するように思う。だがこの稽古は、杖が跳ね飛ばされる可能性が高いため、後方に人がいない事や、ガラス、鏡などの破損するものが無い場所でおこなわなければならない。

 剣術では「正面斬り」と「脇構えからの発剣」などをおこなった。脇構えからの発剣では、この稽古をおこなえば大体の方が直ぐに起こりが捉え辛くなってしまうため、もう少し状況を厳しくする方法にしなければならないので考えておかなければならない。剣術の最後は「裏交差からの斬付」をおこなった。剣を小さくかつ威力を出せるための操作法そこに重心操作や体幹と腕との繋がりが関わってくる。私がおこなう剣術稽古は抜刀術同様、「初動を如何にするか」そこにおける比重が大きい。居着くことからの脱却、そのための心理面と相手との見えない部分における繋がりをどのように実感出来るか…非常に難しく後の先や先の先(フライングとは違った心理面における後の先とも言うべきか)と言ったところに稽古の照準を合わせている。

 そういった意味では剣術稽古に求められるものは、心法に対して技術的にどこまで迫れるか、未だ知らぬ実感を得るための稽古にしなければならないと感じている。もちろん抜刀術や杖術体術においても未だ知らぬ実感を得るための稽古にしなければならないのであるが、剣術稽古における取り組みとしてはそうした部分から得られるものを拾い上げて後に繋げて行かなければならない。

 最後はいつものように抜刀術で締めくくった。今回は私の痛めた右肘の状態から負担の少ないものにさせていただいたが、先日一人稽古で全ての技を確認したところ支障をきたす技は二つだけであった。9/23(土)の抜刀術特別講習会でも問題は無く安堵している。

 「懐月」と「津波返し」をおこなった。私の中でのテーマはこの懐月における第一発目の抜刀では切っ先の位置がぶれ易い。これは身体が記憶した二回目以降は問題ないが、一回目から精確に切っ先を止められるようにしなければならない。津波返しでは、長寸の刀の場合、引いた鞘を少し戻さなければ床に打ち付けてしまうため、これは1月17日に撮影した私の動画の反省から現在鞘を戻すようにおこなっている。膝を強打しないように素早く落ちていくのは、その事についてはほぼ考えずに調整できているが、抜刀術というのは一つ一つのそうした考えてやる必要のあるものが考えずに自然と身体が瞬間の中で最適に調節していくものだと思われる。考えてその通りにおこなわなければならないということは、そこに気が捉われてしまい本来の求めには応じられていないし、そうした考えを無くして身体が最適に調節して動ける心理状態の事をフロー状態と呼べるのかもしれないし、やはりその感覚には日常では味わえない得難き感動があると思われるので、こうした状態を実感するための手段というのは私の場合抜刀術にあるように思える。


 それにしても、日一日というのは濃いものである。

 本日は、10月14日(土)に開催する「杖術 特別講習会」の懇親会会場を変更すべく、再び本郷三丁目へと向かい、駅周辺を歩いて程よい店はないものか探し回ったところ、直ぐにアジアン料理のお店を発見し、ラクロスの学生達で超満員になっている店内に申し訳なく入り、無事予約を取ることが出来た。前回目を付けていた中華料理のお店は日が空いていたため一ヶ月前となる昨日お問い合わせをしてみたところ、貸し切りのため断られ急遽探す必要となったのである。やはりその場で伺ったほうが良いという事だろう。
 その後、九段下に移動し武道具の購入をおこなった。右肘を酷使出来ないため、木刀や真剣を振ることが出来ないもどかしさがあるが、それ以外にもやれることは沢山あるので、そこから得られるものに右肘の故障を感謝するものがあればと思う。


 明日は昼と夕方に品川区総合体育館剣道場で講習をおこないます。続いて同会場での講習ですので、ダブルヘッダーでの受講もしやすいかと思われます。また、あさって日曜日の夜間の部は体験参加のお申し込みが多く、申し訳ありませんが定員とさせて頂きました。夜間の部は戸越体育館ですので、スペース的に広い午前の部へ調整できる方はそちらをお勧めいたします。


2017年9月23日 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2017年9月 稽古日程

2017年10月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-09-15(Fri)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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