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6月は品川区の会場が利用中止となりました

 コロナ関連、これまでの流れはすべて想定内でしたが、5/25の非常事態宣言解除に伴う教室再開の準備に、初めて想定外となる大きな変更が余儀なくされました。

 6/6(土)に開催予定としていた『抜刀術 特別講習会』の中止と、Gold Castle 殺陣&剣術スクールの全開催会場を変更する運びとなっております。

 現在6月の全講習は品川区での開催となっておりますので、品川区総合体育館と戸越体育館の武道場が6月一杯まで利用不可となったため、他地区での開催変更を6/9に纏めて発表させていただく予定です。

 幸いなことに、他地区での会場利用はおおむね第二週から可能となっておりますので、会場の確保が出来ましたら再開のお知らせが可能になると思われます。

 本日はそれらの確認と、ホームページでのお知らせと、生徒の皆様や体験参加のお申し込みを頂いていた皆様へご連絡させて頂きました。私個人といたしましては、仮に6月が完全に中止となったとしても、まだ十分に持ち堪えられる体力はありますので、それよりも、稽古の継続、その灯火が弱まってしまわないことが肝心です。

 このことは、私だけではなく、生徒の皆様や門人の方々にも心配しているところですが、最近は解説動画の配信を始め、現在「繋之型」「三十連円打」二十番までを配信しております。今夜20時に最後の三十番までを配信する予定ですので、この長い期間のお休み中に一つでも多く覚えられるように励んで頂きたいと思っております。

 そして、6/14にBABジャパンから発売される「月刊秘伝7月号」にて、7月中旬に発売予定の第二弾となるDVDの告知が掲載されます。許可をいただきましたので、下記にその一文を掲載させていただきます。


武術・身体操作法DVD
7月中旬発売

集中力を高めて「裏」を働かせる
合理性を追究した身体の芸術

表裏が一体となった技
【古武術は美しい】
指導/監修◎金山孝之(金山剣術稽古会主宰)
60分(予定)価格◎本体5,000円+税

「武術の美しさ」とは、表裏が一体となった「理に適った動き」のこと。そして「表」は目に見えやすく、「裏」は目に見えにくいものです。そこでこのDVDでは古武術の『裏の動き・働き」を中心に抜刀術、杖術などを解説。形だけではない、中身のある古武術の技を習得していきます。

収録内容(予定)
■剣術(計3技法)
○反し突き…刹那に重さを掛ける、他
■杖術(計4技法)
○流転落とし打ち…第三関節の締め込み、他
■抜刀術(計3技法)
○懐月…力点を大きく使う、他
■体術(計5技法)
○引き込み潰し…相手の足腰を崩す、他

関連DVD 好評発売中
剣・杖の実践的な体使い
【古武術は速い】
起こりを消し居着きを無くす
66分 本体5,000円+税

指導/監修◎金山孝之(かなやま たかゆき 金山剣術稽古会主宰)
'75年生。高校時代、アマチュアボクシングをトレーニング。'11年に武術研究家・甲野善紀氏に師事、'14年に「松聲館技法研究員」を拝命、'15年「金山剣術稽古会」を立ち上げる。殺陣教室も主宰し、子役、書籍剣技イラストの指導としても活躍している。



 以上ですが、私がこの中でお伝えしている表裏とは、表裏一体となる動きの中で、目に付きやすい部分と、目に付き難い部分に焦点を当てて、視覚的に把握しやすいものと、把握し難いもの、つまり感覚的に求められるものなどを技の解説に織り交ぜながらお伝えさせて頂きました。端的に言いますと、視覚が表、感覚が裏、というふうに、解りやすいものとして解釈していただければと思っております。しかしながら表裏とは複雑なもので、表の中にも裏の中にも表裏は存在し、それは感覚的な中でも存在しているものと思われます。「目先を変える」という言葉もありますが、「目に頼らない」ことが、感覚の入り口においては重要であると思います。そのためには、手之内の操作や、身体各部の把握が必要になってきますので、具体的な内容として、今度のDVDではその辺りを吸収して頂ける事を望んでおります。

 あらためて、世間がこれまでにない状況に混乱している中で、このような運びとなったことに感謝しております。自らの稽古や活動、情報発信などそうしたものが、私個人だけのものではなく、生徒や門人達、そして会社組織のチームの中で、共に動いていることに責任と感動を覚えます。私は人生最短距離で進んで来れませんでしたが、だからこそ失敗しない己の戒めや、感謝の気持ちというのはその分大きくなっているのだと思います。

 今は、もう少し辛抱が必要な時期です。心の持ちようによって人は苦しくも楽にもなりますので、「想定の目付け」これが重要になってくると思います。武術を通じて学んだ感覚は、身体だけではありませんので、その辺りも、日々稽古として今を精進して行こうと思います。


金山孝之 YouTubeチャンネル

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-29(Fri)
 

六月の再開に向けて

 昨日の非常事態宣言解除から、世間の流れは、元に戻ろうと準備していた人は早急に動き出そうとするだろう。
 私もその一人であるが、自らが主宰する稽古会や講習会が再開となると、それに関わる作業と言うのは意外に多いものである。

 本日、戸越体育館と品川区総合体育館に状況を確認したが、まだ会議を待って判断します。ということなので、今週中にハッキリすることになると思われる。ステップ1にあたる運動施設であると思われるので、6月からの再開を見込んでいるが、おそらくはそれが6月のいつからなのか、それに関わる予約や抽選などの取り決めを一致させる事にもう少し詰めているところがあるのだろう。


 本日は、早速体験参加のお申し込みを数件頂くことになり、私としてもこのいつものやりとりに懐かしさを覚えつつ、「ああ、やっぱり皆さんお待ち頂いていたのだ…」と新鮮な喜びが湧き上がってきました。

 今週中になんらかの情報が確定すると思いますので、確認後、生徒の皆様や体験期間中の皆様、そしてご連絡を頂いている皆様へ私の方から一斉メールにてご連絡をさせていただきます。

 6/6(土)に予定している『抜刀術 特別講習会』に関しましても、会場の確定待ちですが、現在二名の方がお申し込みされておりますので、「復帰は抜刀術から」という、私としては叶えたい講習であります。

 昨日は、BABジャパンへ校正資料と映像の確認をお伝えし、また7/14発売予定の「月刊秘伝8月号」に掲載が予定されておりますので、そのあたりの打ち合わせなども進めているところです。

 夕方からは、今週金曜日20時に配信予定の「解説動画4 杖術 三十連円打(三)」の日本語字幕を作成いたしました。これで、三十連円打の一番から三十番まで全て配信することになります。その他にも、配信予定の解説動画がありますのでお待ちいただければと思います。


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』中止となりました

金山孝之 YouTubeチャンネル

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-26(Tue)
 

2019年4月10日と2020年5月22日

 2019年4月10日という日は、これまで耐震化工事のため、半年振りに利用できることとなった戸越体育館での稽古。
 会場が綺麗になり、柔道場も剣道場も全て張り替えられ眩いばかりであった。

 この日のことがなぜ忘れられないかと言うと、体術稽古を始めて間もなく「蠢動」という術理が生まれたからである。
 それは偶然に近いようなものであり、以前から抱いていた私の背中を始めとした身体各部を細かく動かすにはどうすべきかという考えが、この日の体術稽古の開始とともに、「細かく動かしてみよう。」ということになり、座り技から始めたと思うが、身体が強く纏まったことから、今度は立位となり、相手の両腕を持ち、骨盤角度の調整でそれを横へ振りとばすという検証をこれまで沢山おこなったいたが、これに対し蠢動を使ってどちらが強いかを検証したところ、準備に時間が掛かる骨盤角度の調整による身体の強さよりも、簡単にその状態になれる蠢動の方が強かったことに衝撃を受けたのである。

 月別アーカイブを辿って、このブログの2019年4月11日の稽古記事から一部を抜粋してみると、

 体術稽古では、どうしてそういうことをおこなおうとしたのか不思議であるが、やはり発見があった。ある身体の使い方を聞いたりしても自分であまりやる気にはならないことも多いが、今日は開始早々なぜだかこういう風にすれば出来るんじゃないかという思いが訪れ、試しにおこなったところ効果があった。おそらくこの原理は色々な方がやられていると思うが、自分で思っておこなってみて効果を実感すると、興味の持ち方がまるで違ってくる。身体が違えば感覚もイメージも異なる。だから自分のイメージと感覚から実感したものは自分の中で育て上げることが出来る。細かく身体を使えること、そしてそれを具体的に実感出来るまで育て、実感を忘れて取り扱うことが出来ること。身体からのサインにそういうものだと諦めていたのかもしれない。私にとって馴染みの体術稽古空間でもある戸越体育館が復活したので、これを機に進展させていきたいと思う。(おわり)


 それから、今日まで蠢動の術理を用いた身体の強さを実証する稽古は、いろいろやってきたが、体術というよりは、力の通し方の検証だったため、いつかこれを体術と呼べるものにしたいとあたためていた。

 それが今年2020年5月22日、甲野善紀先生のところで、先生からアドバイスをいただいたところ驚くような展開となってしまった。生まれて初めて言葉を失うという経験をしたが、この瞬間に数年分の価値あるものに気が付き始めたと言っても過言ではない。

 このことは、今も驚いているがこれから先展開によってはどうなっていくのか、「楽しみ」という言葉とは全然違う気持ちであることも初めてである。

 そして、昨日と今日はそれについての稽古をおこなった。道場ではない場所なのであまり時間を掛けて出来ないが、先日先生に受けていただいたものの、八割程はガッカリする結果になると心の準備をして受けていただいた方に試してみると、カクンと簡単に倒れてしまった。これは、引き込み潰しの時と同様に、足で踏ん張ることが出来ず、なぜだか解らないが崩されてしまう不思議な現象である。

 互いに向かい合った状態で、相手の両肩を横から掌で触れた状態で、足も掛けずにそのまま横に倒すのである。
 掴まない、足を掛けない、力まない、速くやらない、それで相手が床に背中を付けて倒れてしまうので、お互いが驚いてしまうのである。私としても、倒したと思う前に、倒れてしまったあと「なんで?」と全く解らなかった。

 これには三つの要素が肝要であり、「滑らせること」「沈むこと」そして「蠢動を掛けること」、その三つが無ければ出来ない。
 そして蠢動がなければ、まずこうしたことをやろうとも思わないし、やっても何もしらない素人がやっているような感じでビクともしない「やっぱりね。」というような当たり前の結果に終ってしまう。

 考えてみても、両肩を掌で触れられた状態から転がされるというのは、俄かに信じ難い現象である。この三日間の検証で、体術として蠢動の術理を展開していく中で、脱力、ぶつからない、急がない、蠢動が止まらない相手との接触が維持できていること、そして、滑らせる事も技によっては欠かせないものであり、沈みのレベルも高めていくことで、さらに利きが向上するだろう。

 これが、今夏発売のDVDに「蠢動」の術理を丁寧に解説したものが収録されている。4/27に撮影がおこなわれ、その後、座りでおこなった「蠢動による横倒し「」という技を立った状態で出来ないかと思うようになり、なんとなく出来そうな気がして、5月に入って試みる機会があり、相手の足を浮かせることが出来て、これは場合によってはそのまま倒せるなという感じはしていた。それが、先日22日の甲野先生のアドバイスでストンと転がせることが解ったのである。今日の稽古でも、蠢動は微妙なものであり、実感なきものであり、しかし操作しなければならないため、非常に繊細な感覚が必要となる。それなりに強力には誰でもなりやすいが、蠢動同士で掛け合った場合、より働きが上回っている方に軍配が上がる。だから、蠢動の精度を高める稽古と言うのは私の稽古の中ではこれからさらに欠かせないものとなってくるだろう。強い状態と弱い状態が紙一重にある。そこに奥深さがあり、禅に近い感覚も、蠢動の状態には含まれているのかもしれない。

 とにかく、6月に施設が使えるようになれば、遣りたい事が沢山あるので、毎回時間を惜しむような稽古になってくるだろう。自然に訪れる流れに身を任せて、そのことに最善を尽くすのが一番である。


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)
※中止になる可能性がありますので御了承下さい

金山孝之 YouTubeチャンネル

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-25(Mon)
 

紙一重の深さ

 昨夜は、松聲館で甲野善紀先生と稽古。先生は4/23から武術と食事に共通する組立ちのようなものを実感され、以降食事量が激減されている。お痩せになられていたので、訊いたところ53kg台と仰られ驚愕した。

 私の場合、武術を始めた頃は55kg台で、夏場の稽古後は52kg台に落ちたこともあったが、現在は61kg前後で、しばらく60kgを切っていない。かつてボクシングをやっていた頃は、高校二年の時に試合前の軽量時に44.7kgに落としたことがあったが、約10kgの減量は、舌がザラつき、頬骨が飛び出し、頭が小さくなり、指の間に隙間が広がり、お尻の肉さえ無くなった。一ヶ月間一度も笑わず、毎日立ち上がるたびに貧血で、声も高くなった。そうした影響があったのか、18歳で大腸ポリープを摘出したが、短期間であったとはいえ、人生で最もキツイ日々だったと思う。

 体力は無いに等しかったが、腿の軽さ、腕の軽さには驚いた。今は、そうした生活とは無縁となったが、それでも体重をどの辺りにするかということは常に考えている。私が体重を増やし始めたのは、武術の道に入ってからであり、それでも最初の三年程は今までの状況から自分を変えることがなかなか出来ずにいた。しかし、居合刀を二尺四寸五分から二尺七寸に替えた際に、この身体では壊してしまうと直感し、自分の中で体重制限していた値のリミットを解除した。

 それでもなかなか体重は増えなかったが、一年毎に徐々に平均値が増え始め、感覚的に重たくならずに得物に合わせた身体に近付いた。だが、先日正面斬りを二千回やった影響なのか、先日おこなった正面斬り数十回が、感覚的に鈍くなっており、力はついているものの、それが仇となり瞬間に感じられていた心地よさのようなものが失われていた。ああ、やっぱりそうなったかと思ったが、鈍くなる稽古は本当に鈍くなるということが実証できた。あらためて、稽古は感覚の追求に沿っていかなければならず、それが鈍くなるようなものを優先してはならない。

 昨夜の稽古では、先生の突きに機先を制されるような、分っていても驚いてしまう働きがあり、それがどうしてなのか、太刀奪りという先生の稽古法に、身体と意識の使い方、また、それが備わっていることで、あらゆる心理的働きが自らにも相手にも利いてくるということが納得できた。つまり心理的なものを技として運用して行くには、身体が無意識に近いところで、感覚的には無意識で、そのことを行えることが基盤になっていなければならない。

 それは、強さと弱さが紙一重となる身体の使い方にも言えることであり、その基盤にあるものがあるかないかで、紙一重の差と言うのは天と地ほどの差になっているのだと思われる。それは紙一重だからこそ気が付き難いものであり、信じ難いものでもある。だから、稽古と言うのはその段階に応じた稽古があり、その道を辿ってようやくその事に気が付けると思えるし、そのためには、稽古を重ねて行くしかない。つまり願いを通すための念が日々の中で稽古に宿ってなければならない。それは、次なる稽古までの間にも活き続けているものであり、願いと言う関所を通過するための手形を探していることに等しい。

 少し語りすぎたが、あらためて人間は自らの身体を把握することに務めなければ、誤った方向に流れてしまう。尤も人間の資質とはもっと違うところで作られているのかもしれないが、学ぶことの概念が根幹から崩れてしまっている現代では、少数派の人々が、誤りから離れ、距離をおき、軌道修正した学びを実践していくことが重要だと思える。その人の力量の中で。

 とにかく、昨夜の稽古も記憶に残るものであり、石臼で挽いた玄米の溢れ方や、ゴロゴロとした心地よい音、それだけでも当時は良い時代だったような気がして、貧しくても、平均寿命が短くても、生きている瞬間の感動は大きかった筈である。今を感動して生きて行くためには、情報発信とは無縁な所にある人からの情報が必要なのかもしれないし、情報を浄化する謙虚な志も求められる筈である。そこがまだ未熟な現代なのだろう。


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)
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甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-23(Sat)
 

無理なく巡って来たものに最善を尽くす

 来週月曜日が一つの大きな動きを見せることになってきたが、26日以降活動再開に向けての情報にはハッキリしたものが出てくるだろう。

 本日は、編集映像の確認と、字幕原稿の確認作業をおこなう。今回はシンプルで判りやすいものとなっているので、校正といっても目を通す程度に近い。しかし、映像に関しては、細かな部分で気が付くところがあり、その辺は何とかなるだろう。

 あらためて、映像の確認作業と言うのは、自分の動きの粗を探す作業でもあり、それは細かい部分ではあるが、感覚的な部分を視覚的に伝えることの難しさ。また感覚的実感と視覚的実感の差異。そんな所にも気づきと言えば気づきであるが、感覚的にそうやっているものの、時間的削除はやっていないように見え易い、得てしてそういう動きは速さゆえ残像が残って解り難い。

 遠心力、慣性、そういった働きも、速くおこなうものとゆっくりおこなうものとでは、条件が異なってくる。しかし、私が私に指導しなければ成長は無いので、そこは厳しく記憶に残さなければならない。しかし、今回のDVDは、的を絞った解説のため観ている人にとって、混乱し難いものであると思っている。繰り返し丁寧に説明しているため、敬遠しがちな初心者の方や、他流武道武術を学んでいる方々にとっても共有出来る部分が多いと思う。

 
 そういう意味では、私のような個人で活動している者が昨年に続き二本目のDVDを刊行させて頂ける事は驚きである。

 私のこうした活動というのは、野心めいたものではなく、自然とそのような流れになったとしか言いようがない。
 それは、金山剣術稽古会やGold Castle 殺陣&剣術スクールを主宰していることも同じ。
 つまり、自らが武術の技を進展させるには、日々このことに向き合っていなければならず、アルバイトをしながら稽古をしていたのでは、常に仕事中に稽古することは不可能であり、そのため稽古を仕事とする必要性があった。もっとも、稽古を仕事と考えておこなっているつもりは無く、結果として仕事になっている、飯を食べられる最低限のものをいただいているという事である。だから、仕事として割り切ることなどなく、自分が納得出来るものを共有して頂くようにお伝えしているに過ぎない。それに共感して頂ける方が長く付いて来て下さっている。

 金山剣術稽古会は、私が稽古をする会としてそのままの名前にしたものであり、流派を名乗るつもりは毛頭無い。Gold Castle 殺陣&剣術スクールは、とある名前を取って名付けたものであり、ただ私の中では金山剣術稽古会とGold Castleには違った色でやったほうが良いだろうという考えのもと、敢えて横文字とし、ホームページも初心者が安心しやすいものとした。
 お陰で、毎週のように体験参加者が来られる教室となり、こうした出会いの窓口としてGold Castleは大きな意味を持った。

 とうぜん、生徒が増えても支部を作ったり人に指導を任せるようなことは毛頭ない。それは先ほども書いたとおり、自らが武術の技を進展させるには私が直接全てに携わらなければ意味が無い。そうなると、規模は限られてくるが、生徒の質、教室の質は安定したものとなる。今回のような長期に渡る休講となっても大したダメージは受けていない。

 これからも、野心のようなものとは無縁の思考の中で、自分に巡って来たものに最善を尽くすことが失敗しないことであり、次なる道を見極めることになるだろう。それが、わたしのような平凡な人間には一番向いていると思っている。


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)
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甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-22(Fri)
 

自分で考えられる脳力を養う必要性

 雨が続き肌寒い日が続いている。昨夜はひさしぶりに「杖整体操」を1時間程おこない、その殆どが「杖乗解し」であったが、意識が薄れるような気持ち良さとともに、疲労困憊で風呂に浸かる際に似た声が漏れてしまう。

 今は疲労困憊という身体の使い方はしないようにしているが、ボクシングをやっていた高校と社会人の頃は、中でも高校時代は激しい稽古の毎日だったので、帰宅してからの自主練習後、風呂に浸かるときのあの感じは何とも言えないものだ。今でも年に何度かはあるが、杖整体操でも身体に悪い部分が蓄積されていれば、同様の気持ち良さが得られる。

 昨日一昨日は七時に起床。今日は六時過ぎに起床。とくに出かける用事が無くても、早朝に起きるのは気持ちがいい。今日も、パソコン作業に読書など少しずつであるが、時間内に進める事は出来た。明日は、また集中しておこなう作業があるので、気持ちのいい朝を迎えられるようにしたい。

 講習や稽古会の復帰は、会場の状況により発表したいところですが、おそらく25日以降、緊急事態宣言の動向が決まってから情報が発信されるものと思われます。Gold Castle 殺陣&剣術スクールの生徒達も待ちかねていることだと思いますし、体験参加を終えて正規受講生になられる予定の方や、生徒になると決めて体験連絡をお申し込みされている熱心な方もいらっしゃいます。その他、この自粛期間中に当スクールへ興味を持っていただいている方々もいらっしゃることでしょう。しかしながら、仕事や生活環境が激変し、通えなくなってしまう生徒達もいらっしゃると思いますので、皆と今までのように再会したいと思うのですが、きっと、難しいだろうと感じております。

 私自身としましては、ご心配して下さる方もいらっしゃるかと思いますが、幸いなことにいつでも安定開催できる状態です。八月一杯までは会場の確保は出来ておりますのでご安心ください。殺陣クラスに関しましては、四月一杯で、これまでの「立廻りタイプM」を一区切りと考えておりました。まだ再開がいつになるのか分りませんが、次の立廻りに移って行きたいと考えております。内容といたしましては、これまでのように、剣でおこなうものと、次回から杖を使っておこなうものの二種類を考えております。日曜日の講習は、隔週で剣術と杖術をおこなっておりますので、それに合わせて、殺陣クラスの内容も、隔週で剣と杖の内容にいたします。ですので、剣の場合は「立廻りタイプK」、杖の場合は「立廻りタイプJ」とし、「一対四瞬殺」はこれまで通り継続しておこないます。

 タイプK、タイプJ、ともに絡み二人に芯を合わせた三人一組ですので、今までの五人一組の内容に比べて進めやすいものとなっております。その分、身体の使い方を、より武術的なものとしております。杖を使うのは芯のみです。絡みは木刀です。今までに無い、杖を使った立廻りを楽しみに(とくに杖術が好きな方)されている生徒もいらっしゃると思いますので、隔週でおこなう剣の方も合わせて楽しみにして頂ければと思います。

 私個人としましては、おそらく、道場で自分の稽古を始めて怒涛のように気づきが押し寄せてくるような気がいたします。抜刀術に関しては、構えの無い状態からの抜刀をまだ数えるほどしかやっておりませんので、その中で気がつかなければならないことが山ほどある筈です。身体のほうも、無意識の合間に、そこに向かっていろいろ整えていることでしょう。

 BABジャパンからの編集映像を観て、気持ちがさらに盛り上がってきましたので、剣術、杖術、抜刀術、そして体術、それらを、寝かせに寝かしてますので、自分の身体が何をやるのか、とても楽しみにしているところです。

 これから復帰に向けて、世の中が進んで行くと思いますが、この自粛期間を無駄にしないように、ただ元の活動に戻るのではなく、直ぐには難しいかもしれませんが、このような事態が再び訪れたときに、狼狽えず、驚かない生き方になっていけるように、それは天災や事故にも当て嵌まりますが、誤った対策ではなく、先を見越した総合的な対応として、価値観の幅を広げ、選択を見直して行くことが、今回の学習の一つにあると思います。


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)
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甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-22(Fri)
 

切なる念のベクトル

 五月らしい天気が続いている。なんだかハッキリしないというか、暑かったり冷かったり、晴れそうな降りそうな、これはこれで、白い空もなかなか良い。

 最近は夜中すぐに寝られるようにと、早起きを心掛けている。今朝はパソコンでの作業が進んだ。昨日今日とそのような作業に務めたので、少しデトックスが必要である。杖整体操もしばらくご無沙汰だったので、今日はさぞ気持ち良く出来ると思う。

 目を休ませたいが、長く読めていない本も読みたい。身体は不思議なもので、少し剣を振っただけで、身体が変化する。これは最近おこなっている下段からの正面斬りの影響なのだろうか。まだハッキリ分からないが、感覚的な精度や身体の変わり方など、このまま継続していいものなのか、それともあまり良くないことなのか、その辺を鈍くしないように稽古しなければならない。

 それにしても、身体は不思議だと思う。願いは、切なる念において多少なりとも近付くベクトルを示している。その願いがどこにあり、具体的にベクトルを合わせられるか、願いと念が、日々の中で常に照準を求めている。

 さあ、今日はまだまだこれからだ!


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)
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金山剣術稽古会

甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-20(Wed)
 

常に一定ではないことが前提

 今日は、久しぶりに色々とメールの連絡をおこなった。まずは、先月撮影したBABジャパン制作のDVDの映像を確認。今夏発売予定となっており、昨年五月に発売された映像と比べると、大きく進展した内容だと感じた。

 昨年の映像は、どちらかというと、私の自由にいつものようにやらせていただけたので、講習の雰囲気に近いものがあったが、今回の映像では、無駄の無い要点を押さえた仕上がりとなっている。講習などでは、雰囲気を和ませたりしたり、緊張感を薄める言動や周囲の状況に対処するアンテナを働かせなくてはならないが、解説映像では、和みや緊張の緩和、周囲への目配せなどが、当て嵌まらないため、求められる能力が異なってくるのである。

 今回の映像を確認して、私としても新鮮なものであり、これまで見たことのない私の姿であった。だがこれは、私がこれから身につけなければならない能力でもあり、求めているものである。そのため、今は解説動画をYouTubeで配信し、武術の進展と同様、言葉を選び、言葉を伝えることの稽古をしている。

 このことに気が付けた四月というのは、これからの私にとって重要な経験であった。武術もそうであるが、伝えるということも、稽古をしなければ感覚も得られないし進展などしない。講習はお陰様で毎回勉強させていただいているが、無駄を省き、尚且つ伝わる解説表現というのは相当難しい。ただ、棒読みに間違いなく話しても伝わらないし、生の言葉で話しても、気持ちは伝わりやすいが、やはり違和感が大きい。

 そのことに関連して、今日はMさんにお願いして、とある場所のご相談をさせていただきました。Mさんも、きっと私にとって前世からのご縁がある方だと思います。突然のお願いですので、逆にご迷惑になってしまったのではないかと思いますが、縁と言うのは不思議なもので、そのとき何もなくても、数ヵ月後、数年後に確信をもつことがありますので。

 流れゆく雲のように、どんな時も止まることはなく動き続けている。常に早くも、常に遅くもなく、だが確実に早いときもあれば遅いときもある。それに対しどう合わせていくか。それも一つの武術としての対応なのかもしれない。


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)
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2020-05-19(Tue)
 

思いのやりとり

 本日は、今週の金曜日に配信予定の解説動画3 杖術「三十連円打(二)」の日本語字幕に時間を割いた。前回の「三十連円打(一)」は、私の動画で最長の9分となったが、今回の(二)では、13分35秒と、4分35秒も時間が延びている。十一番から二十番までおこなっているもので、数としては前回と同じであるが、説明が増えたことで、これまでで最長の動画となった。三十番までの(三)はすでに収録し終わっているが、時間としては11分ほどである。そのほかにも幾つか撮ってあるが、13分を超えるものは無い。長いととにかく、字幕表記に時間が掛かってしまう。さらに、英語表記となると、幾つかの翻訳機能を慎重に照らし合わせながらおこなっているため、とんでもなく時間が食われてしまう。そうやってもおそらく、間違った伝え方になっている箇所が散見しているだろう。こんなことは、稽古会や講習会が始まれば時間が足りなくなってしまうので、何とかこの非常事態宣言の間に終わらせたいものである。しかし、5月中は無理だろう…

 そういえば先月、ブルガリアからのご招待を頂いていたのであったが、12月に二週間程度の滞在となり、私の状況や諸々の想定を判断した結果、今回は残念ながら辞退させて頂くことにした。今回は4月、5月と長期間の休講ということもあり、私のホームグランドにおける活動を最優先にしたいと思っている。とくに、お子さんに関しては、一週間で体の成長を感じるものなので、この長期間、みな大きく成長しているに違いない。もっと大事なことは、体の成長よりも、子供たちの時間と言うのは非常に濃密なもので、その一回の価値と言うのは大人に比べて数倍は違ってくる。中学は三年しかないが、その三年の出来事を大人になっても覚えているものである。大人になっての三年は、どれも似たようなものになってしまうが、子供のころ過ごした日々の一つ一つの重みは消えないものである。だから、そんな貴重な時期に子供たちを指導させて頂けることは、大きな責任でもあり、やりがいのある出来事なのである。

 雇われて指導している訳でもなく、大きなグループや組織の中の教室として行っている訳でもない。だから、全てが直接なのである。その事はお子さんに限らず、大人の生徒達とも、やりとりを通じて非常にやりがいのあるものである。全てを一人で受け持ち実践すること。今のその状況が最も望んでいるものだから、それを蔑ろにする訳には行かない。簡単なようで簡単ではないのかもしれないが、不器用な私でも何とかやれている。「思いのやりとり」それが出来る環境が私は好きなのだ。


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)
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2020-05-18(Mon)
 

今の世から何を求め生きて行くべきか

 今にして思えば、いや、ここ数年前から、どうして子供のころ勉強が嫌になったのかが腑に落ちてきた。

 ひとえにそれは、「こんな気持ちで学んだものが役に立つはずが無い。」と、子供心にどうしようもなく受け付けなかったからである。

 それは殆どの人が勉強嫌いであったと思うが、私は放棄した。学校で強制され、塾で強制され、家で強制され、それが一体「何のために?」という、自分の心や思いと、それを耐え忍んだあかつきに得たものに対する成立が一致していなかったからだと思う。

 あれから数十年。今の世の中を見てみると、あらためて間違っていなかったと確信する。何のために生きて行くのか。お金を沢山得たいから?立派な家を建てたいから?安心して長生きしたいから?それで…成功なのか…?成功すれば正しいのか…?

 定員や、数が決まったものに対し、誰かが奪い、だれかが失うことは決まっている。だが、納得しようとする生き方に対しては数で制限されるものではない。それは自分自身の心の問題である。

 競争すれば発展し、争いを無くせば停滞、あるいは衰退していくだろう。そのなかで競争したい人はすればいい、停滞や衰退があろうとも争うことを好まない人はそれでいい。しかし、いつの世も不満はつきもの、私にとっては、ご縁のある方や大切な人が無事で幸せであればそれでいい。そのために私も元気でいられるから。無理なもの、成立しないものを追い求めてしまうと、身近な人も大切に思えなくなってしまうかもしれない。そんな教育を受け付けなかった子供の頃にいま会えるとしたら、おそらくこう言うだろう、「君は元々賢くも無いし、平凡なんだから、無理なことはせずに、いま思っていることを大事にし続けていけば、それが証明される日が来るよ。」と、偉そうにではあるが、何事にも意味があるということを最近は実感できるようになった。

 最近は、深く考えずに発した予測でも、そのようになってしまう事にあまり驚かなくなってきた。おそらくそれは、武術稽古における身体を通じた思考の中で、原因を抽象的な精神論でなく具体的な運用法として探ることを訓練しているものでもあり、それに対する対応も身体で実証して行かなければならないため、嫌でも観察眼というものに関係してくる。そして、身体というものを相手にしているため、口でごまかすことが出来ず、出来たか出来ないかによって、その問題に対する対応が如何なものかを判定されるのである。

 だから、武道や武術では、口でごまかしてしまう稽古法がどこかにあるとするならば、物事の原因や対策対応についても的を得たものにはならないだろう。現代における武道武術の意味には、それは現代でなくともいつの時代でもそうであるが、その時代毎における物事の真理や日頃の訓練から身についた思考法で導かれる方向に、人が生きて行くことへの納得に近づこうとするものがあると私は信じている。だから、純粋なるものが失われてしまえば、物事は濁って見えにくくなるし、分り易い快楽のほうへ人は舵を切って行こうとするのだろう。もちろん、世の中はそんな単純なもので無い事は百も承知であるが…
 
 そんな私も、生きて行くことに対して、なんら深い追求も感じていないし、人に言えるほど何も遣り遂げていない。感覚とはセンスとも言うし、感覚を失うということはセンスを失うということでもあるだろう。現代はセンスの無い時代であることは間違いないから、感覚を養う、身体を感覚的に使える体育、そこに科学的な筋力のはたらきとは違った、身体全身のセンサーを育て、一部分にだけ苦労させてしまわぬよう、全身の中で助け合う働きを探る感覚の追求が人の教育となっている。私は、そうした武術の師に出会えた事は本当に運の良い事で、同じ武術の世界であっても師が違えば全く違う人間になっていた可能性もある。

 なにを目指し、どう生きて行くのか、今の世の中からそのことを自ら感じ取り勇気をもって決断しても後悔はないだろう。


2020年6月6日(土)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)
※中止になる可能性がありますので御了承下さい

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『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


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甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-18(Mon)
 

親しみのある時代を懐かしむ

 最近は体内時計が乱れてきているので、なるべく早く起きるようにしなければならないと思っている。そう思えば、十八歳から二十四歳までまで六年間務めた鉄鋼会社での会社員時代は、三年間は常昼勤務として現場の点検パトロールや補修、施工業者との連係作業など、毎日のように作業着を真っ黒にして、職場で先輩方から「金山はどうしたらそんなになるんだ。」とからかわれていたが、それでも嬉しそうに言われていた思い出がある。もっとも先輩方と言っても、四十代、五十代が殆どで、自分の親ぐらい歳の離れた男職場であった。

 男子校でボクシングをやり、就職しても実業団でボクシングをやっていたため、試合を控えた減量時のパトロールなどは息の切れた犬のように、立ち止まってばかりでなかなか付いていけなかった。まだ私も若く、初めて接する親ぐらいの大人に色々な疑問が生まれ、徐々に態度が悪くなっていった。それは仕事を覚えるにつれ尚更目立ち始め、三年後に運転監視業務へ移動となった。

 ここでは、二十四時間巨大な敷地内にある限られた範囲内を常に安定的に操業するため、モニターを監視しながら、警報が出たら速やかに対処し、時には緊急事態になるようなこともあり、平時の平和でゆったりした雰囲気と異常があった際の危機感の差は大きなものであった。

 ここでは、私が三年間常昼勤務として、現場を点検パトロール、補修作業などおこなっていた時から、やりとりをおこなっていたため、職場移動しても直ぐに可愛がっていただけた。ここでは一グループ五名で四グループが、交代しながら監視業務をおこなうのである。一グループが八時間受け持ち、三グループで二十四時間。残りの一グループは休みとなる。

 早朝に出勤し午後に帰宅したり、午後に出勤し夜遅くに帰宅、そして夜遅くに出勤し早朝に帰宅、三交代勤務を三年間務めた。五日間勤務で二日休みだったが、体内時計が狂っているので、休日初日はなかなか寝付けないものである。だから三交代勤務は早死にすると当時の親ほど歳の離れた先輩方は口にしていたが、収入は多めでも社員は常昼勤務を望んでいた。

 私の場合は、三交代勤務が肌に合っていたらしく、最後まで皆さんに可愛がって頂き、退職の際には座敷でお別れ会を開いて下さり、胴上げと色紙に寄せ書きを頂くことになり、広島県福山市という場所は私にとって生涯忘れることの無い想い出の地として記憶に残っている。

 あれから二十年と少し経ったが、実感としてはまだ二十年かと、あの頃のあまりにも世間知らずで無茶だった自分を懐かしむが、たまに今でも三交代勤務の夢を見ることがある。夢の中では、あれ、しばらく仕事に行ってなかったけど、今日は○○時に行かなくてはと、どんな申し送り(グループ間の業務の伝達)があっただろうか…と焦る夢。目が覚めてホッとするのだが、あれから二十年が経ち、もう殆どの人が定年で居なくなったのだろう。人の温かさ、人の少ない場所が多いと自然に人は人に親しみをもちやすい。ネットも無く、スマホも無い、もっとゆっくりとした、人が人と会ってコミュニケーションが成り立つ時代の親しみというのも、まだ忘れたくはない。


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2020-05-16(Sat)
 

事態の流れに導かれ

 先日、私の動画にコメントを下さった漫画家T先生と四十五分ほど電話でお話をさせて頂きました。剣術の研究稽古も二十年以上前からされており、私としては、お礼を述べさせて頂くだけのつもりでしたが、来月あたりにお会いする事になりました。

 インターネットでの連絡が上手く行かずに、緊張してお電話を差し上げたのですが、第一声で親しみを感じてしまい、一瞬で緊張が解け、つい長く時間を取ってしまいました。考えて見ますと、そうした方とのご縁と言うのは随分遠ざかっていたように思います。特に、自分自身で主宰するようになってからは、自分の中での世界の確立といいますか、上手く纏めて行くことに頭を使っていたのかもしれません。

 新型コロナウイルスの影響で、多くの方の生活スタイルが変わってしまったと思いますが、私もこの期間に、急遽訪れた第二弾となるDVDの撮影や、そこで求められる必要なスキル、そして長く中止している講習会や稽古会の生徒や門人達にとって必要と思われる解説付きの動画の撮影、それらに関する出来事がこの期間一気に訪れております。そして六年前にコメントを下さったT先生に、六年越のお返事を書かせて頂いたことから、思いもしなかった展開に何やら必然的なものを感じます。それがどういうものなのか分りませんが、有難いものであることは確かです。

 明るさと暗さは対なるものでありますから、そろそろ世の中の対にあるものも裏返っていただきたいと思います。


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2020-05-16(Sat)
 

六月はどうだろうか

 新型コロナウイルスの流行の収束は、まだ言葉にするのは早いかもしれないが、ピークを過ぎ次の段階に進んで来ている。今月21日に東京都の緊急事態宣言の動向が注視されるが、ここで、6月に向けての活動再開準備が動き始めるか、はたまた延期となるのか、この一週間の他県の動向もふまえ、数字における責任の落としどころを見守って行くしかない。

 区の施設関連は依然として、新たな情報は出ておりませんので、21日以降何らかの情報が告知されることと思われます。Gold Castle 殺陣&剣術スクールの活動につきましては、8月一杯まで会場は確保出来ておりますので、直ぐに再開できる状態です。金山剣術稽古会につきましては、今のところ押さえている会場がありませんので、施設の利用再開とともに、日程をお知らせいたします。

 6/6(土)の『抜刀術 特別講習会』は、品川区総合体育館柔道場で12時から予定しておりますが、中止の可能性もありますので、ご了承いただいた上でお申し込みを受け付けております。本日一件お申し込みを頂きました。

 クラーチ剣術教室では、OさんとMさんが自主練習を続けておられるようで、ご連絡いただいた文面からは全く稽古の熱が落ちていない様子を感じました。

 期間限定配信の動画は、残り五本程度ありますが、申し上げてある通り、状況が戻りましたら削除いたします。しかし、折角配信したものでもありますので、その中から抜粋し最近動画を繋げることが出来るようになりましたので、再編集したものを一本に纏めて配信しようと思っております。

 解説動画は、削除いたしませんのでご安心ください。こちらは、日本語字幕と、英語字幕に時間を割かれておりますので、頻繁に配信できるものではありませんが、私にとりましても勉強になっておりますので、今後も続けて行こうと考えております。

このまま、収束に向って行けばいいのですが、また忙しい日々に戻るのかと思うと、春休み夏休み冬休みが一気に来たような感じでしたので、今溜まっている作業を今月のうちに終らせなければと、若干焦り始めております(笑)。

 コロナの情報も色々なところでやってますが、地球がどれだけ健康になったのかも、それも人類に関わってくることなので、そういう喜ばしいニュースをもっとして欲しいものです。


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2020-05-16(Sat)
 

無いもので理解しようとしないこと

 体術の「蠢動からの横倒し」は、これまで正座になっておこなっていたが、どうやらこのエネルギーの伝達は立っておこなってもある程度の力を発揮することが分かった。これには、蠢動が出来ていなければ何にも起きないのであるが、蠢動を働かせれば「弱所散助」の効果により、今まで出来なかったことが出来るようになる。しかし課題は山積であり、これを武術としての技にするにはまだまだ工夫が必要であるが、今はそこを焦らずに検証し、実感を得た流れから次第に実用的となる技に育てて行きたいと思っている。
 体術稽古の難しさであり興味を惹かれるところには、ふつうに考えた力や速さ、崩す展開などとは違うところにある。それが原理や術理と言われるものになってくると思うが、それはおそらく、登山で言うところのそれぞれのルートから登っているものであり、頂にあるものはどこから登っても共通したものがあるのだろう。私など、まだ、教えてもらったルートを安全に登っているだけなので、かなり楽な傾斜を登っているだけなのかもしれない。だが、いずれ必ず断崖絶壁の急斜面しかなくなる道に入っていかざるを得ないため、その時に必要な装備は、今のルートからでも備えておかなくてはならない。
 今までに出来なかったことが僅かながらも出来るようになってきている。少しずつであるが崖を登る準備は整えて行かなければならない。しかし、私の性格はあまり冒険をしたがらないので、急がずに穏やかに確実に登って行きたいと思う。

 今日は朝6時にとある場所で稽古をしようと思い、昨夜は0時前に床に入った。しかし全く寝付けず、呼吸が変わって惜しい瞬間も何回かあったが、結局一睡も出来ず、あきらめて4時過ぎに起きた。

 稽古があるからなのか、四時間の間に一分でも意識が落ちなかったことに、「よしわかった。今日は二千回正面斬りしてやる。」と、朝稽古のあとに、やると決めたのであった。

 5時に屋外で稽古着に朴歯を履いて人が多くなってきた6時過ぎまで杖術や剣術をおこなった。やはり声を掛けられたり、目立ってしまうため、早朝でも難しいものである。初めて下駄を履いて摺り足など幾つかの技をおこなったが、意外に動けるものである。それにしても、早朝の空気は良いものだ。
 
 部屋に戻って昼まで就寝。今度は眠れた。

 食事をした後、14時から正面斬りを始めた。この正面斬りとは、下段の構えから剣を振り上げて真っ向に斬り下ろすというもの。右から見ると、楕円軌道に切っ先が回転している。正目から見ると、左手は、ほぼ身体の中心から外れずに下段の構えから上に上がって下りている。

 先日の日曜日に千回やった後、もうこれをやる必要は無いと思っていたが、眠れぬ四時間の合間に考えが変わった。今日は、倍の二千だ。この程度は示現流の立木打ちに比べたら大したことは無いので、まあ取りあえずやってみるかと、身体を痛めても今なら大丈夫なので、前回、前々回のように速度を保ったまま最後までおこなわず、今回は刃筋を精確に通すことを心掛けて開始した。

 前回は、三百回で一呼吸、以降百回毎に一呼吸おいて、最後の二百は続けておこなったが、シャツを絞れば滴り落ちそうなほど汗が吹き出た。今回は、刃筋を優先し、それでもそこそこの速度で振ったが、千回までブッ通しておこない、二分ほど呼吸を整えたのち、千五百回で同じく二分ほど一呼吸挟み、あとは最後の二千回までひたすら機械のように動いた。

 15時45分に終えたので、1時間45分で二千回を終えたことになる。前回、前々回の、速さを維持した千回より身体の負担は少なく、今回は床を汚したくなかったのでエアコンを使い汗も大したことはなかった。この正面斬りは、刃筋を意識することで確実に精度が上がり、今までなかなか解らなかった感覚が、二千という長い時間を繰り返していくことで、身体の方から教えてくれることがあった。真っ直ぐに振り下ろすことの難しさは、剣を振っている方には分かると思われるが、正中線や、両足の歩幅、正面に対する目付け、両手首の角度、手之内の締め具合、真後ろから頭上に通る切っ先の把握、など様々に探って行くがどれも安定的なものにはならず、唯一安定的に振れるようになったのは、下段の構えからの円軌道の把握と予測であり、これは確認するものではなく、やっていく中で手に無いものを手に入れていかなければならないものだと気がついた。つまりこれは、こうすれば誰でも出来るという技法的なものよりも、身体の規矩をつくり、その規矩に沿って感覚的に「こういう感じだろう。」というものを掴むより他に無いのではないかと思える。したがって、数の稽古は下手になると思っていたが、それは無闇にサッサと数の達成を目標に早く辛い時間を終らせたいという本音を隠して行う稽古ではマイナスになってしまうが、自ら未知なる感覚を望むために未知なる回数をおこなうことは稽古の方法としてアリだと思える。おそらく、三千回、四千回までは可能かもしれないが、二千近くなってきたところで、両足が痺れ始め、少し動いて見たところ両膝も痛みに襲われていることに気がついたのである。

 上半身ばかり、故障しないように意識していたが、まさか膝にきていたとは想定外だった。

 幸いなことに、程なくして痛みは消えたが、正面斬りの衝撃が膝に掛かっていたことは直ぐに解った。刃筋については、目を瞑って精度を高めるようにおこなうと、目を開けた状態でおこなった際の精度が格段に向上することも解った。だが目を瞑って精度を上げるのはなかなか難しい。確認は最中なので猶予が無い。円軌道で把握していくことが、今日の気づきであり成果であった。

 そして、振り終えたあとに驚いたのは、背筋の纏まりと安定さ、胡坐をかいて座った際の背中の真っ直ぐさと、まるでコルセットか何かを付けているかのようなピタッとした安定感があり、その状態が一時間程続いた。

 これは思っていたより身体を変えるかもしれないと感じた瞬間であったが、刃筋を意識するということは、当然自らの姿勢や正中線、即ち背骨の意識も相当集中が高まっていると思われるので、この振り終えた後の実感は、身体からの声であろう。今後も、回数は減らしながら速度をやや抑えることで、より精度に向き合う事が出来ることも解ったので、そのなかで、円軌道と、姿勢と、手之内や、関わる全ての働きをまだまだ身体が求めているので、それに応じてあげたいと思っている。ただ、感じたことは、頭で決めつける事が向いていない稽古のため、決め付けず、安易にこれだと探さずに、無いもので理解しようとせずに、何かを得るための稽古として、身体からの声に耳を傾けていきたい。


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2020-05-15(Fri)
 

第二弾の解説動画を配信いたしました

 昨日は、生徒のYちゃんのお母様からご連絡を頂き、自主練習の映像も送って下さいました。私も、オンラインではお伝え出来ませんので、夜の公園で稽古し撮影したものを配信するようになりましたが、逆に自主稽古されている映像を送っていただくのも嬉しいものです。お子さんにしてみれば、一ヶ月、二ヶ月というのはとても長く感じるはずです。気がつけば私も、生徒達から毎週エネルギーを頂いていたのだと、記事に対する熱や、床に入れば直ぐに寝れていた状態から少し間が空いてしまい、あらためて有り難い日々の継続であったと感じます。

 こうして、記事を読んで下さっている方や、映像を観て下さっている方とのつながりも、私の想像の中で感じておりますので、そうした我慢をともに過ごした時期を乗り越えて、いずれまた、この思いを稽古や講習に捧げて行きたいと思ってます。

 今日もそれなりに身体を動かしました。そして第二弾となる解説動画を配信いたしました。
https://www.youtube.com/watch?v=U_HKZ3PB1k0
(解説動画は、期間限定ではありません)

 今回の映像では、杖術「三十連円打」の一番から十番までを解説いたしました。ビデオカメラで撮影いたしましたが、夜間という事で前回同様画像が粗く、この日は強風だったので、風の音で声が聞こえ難い箇所が幾つかあります。そのため、日本語字幕で確認できますので、日本語自動生成でない方の日本語字幕設定にして頂きますと、確認しやすいものと思われます。

 この字幕表記にかなり時間が掛かり、まあ、これも私の仕事と言えば仕事なので、時間を掛けるのは当然のことでもあります。ただ、身体には良くないので、稽古モードの身体を忘れず、傍に剣や杖をおいてともに作業にあたりたいところです。

 稽古がしたい生徒達も多いことでしょう。ご質問など承っておりますので、もうしばらく今の生活で我慢いたしましょう。


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2020-05-13(Wed)
 

足場の悪さが良い稽古となる

 最近は、外国語でもある程度翻訳機能を使えば、言葉のやり取りが出来るので大変便利な時代となった。

 動画に対する日本語や外国語でのコメントにお返事を出していたら、結局殆どの方にお返事しなければ失礼となるため、六年程前まで溯ってお返事を書かせて頂いた。その中で漫画家T先生から過分な御言葉を頂き、独自に剣術を実戦的に研究されているT先生のお陰で、間接的にではありますが昨年五月にDVDを刊行させていただく事が出来ました。その感謝のお礼と共に、一度ご挨拶に伺いたいと思っているところであります。

 昨夜は、朴歯を履いて公園で稽古。芝生の上は凸凹しており、かなり磨り減ったとはいえ高下駄での動きは不安定である。しかし、私も含め、剣道場や柔道場の上で当たり前のように稽古していた者にとって、傾斜があったり、凸凹のある屋外の地面でおこなう稽古は、こうした施設が使えない状況でなければあまりおこなう機会が少ないだろう。今は、稽古がし難い環境であるが、逆に言えば慣れ親しんだものが、何かを見落とす要因になっていたということでもある。技における地の利というものもあるだろう。そういう意味では忍者と比べて遅れをとっている部分は否めない。

 現代における剣術の意味を考えた時に、実際に刀で斬り合うことも無く、銃弾には勝てない。しかしながら、剣には剣の身体の使い方があり、そこで養われた身体や感覚と言うのは、斬り合いでなくとも現代に通じる教えがある。強さにも上があり、銃やライフル、戦車に戦闘機、ミサイルに核、国家権力、病、天災、などなど上には上がいるものである。もちろん次元の違うものであるが、身体から教えられる感覚については全く持って無駄なものではない。それは迷うことなく感じるものであり、頭で考えて解らないものを、動きの中で、身体が感覚という筋道を意識に浮上させるのだ。それが教えであり、そこからさらなる研鑽を重ね知らないものを知る事になる。そこに現代でも必要な学びがある。

 今日は、中学三年生のI君のお母様からご連絡をいただき、部活の試合が中止のまま引退を迎えてしまうことになり、I君の情熱と期待があっただけに可哀想な思いがいたします。しかし、明るいI君ですから、仲間を盛り上げる役に徹して、次に向って前向きに進んで行くことでしょう。

 さて、本日も正面斬りを千回おこなった。50分程時間が掛かるが、疲労度や、その際の身体の使い方など一応は確認できた。今後はもうやらないが、シャツは絞ると汗が染み出そうなほど吹き出した。右手人差し指側面の皮は向けるが、それ以外に別段身体の変化は感じられない。今後は正面斬りの精確さをもっと高める工夫をしなければならない。

 今夜も4時に迫ろうとしている。明日は、もう今日であるが、30度になるらしいので、日中は屋内での作業に集中したい。明日も良い一日になりますように。


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2020-05-11(Mon)
 

剣と手之内が育てるもの

 今夜はフラワームーンというらしい。満月の呼び方も昔に比べていろいろと増えてきたように感じる。夜空を見上げる気持ちと、綺麗に感じる心はいつまでも失いたくないものである。

 GWが空けて、会社に行く人と、これまで通り在宅勤務の方など、今年のGWはむしろ終ってホッとした方も少なくないのではないだろうか。私はといえば、先月27日にDVDの撮影が終わり、自分の稽古に集中できる状態となり、夜の公園でひっそりと稽古したり動画の撮影をおこなっている。動画の編集と言うのがただ繋げるだけでも意外と時間が掛かるもので、あまりそういう事に時間を掛けてしまうようになると、私がやるべきことの本分を見失うことになるので、そこには重々気をつけなければならない。

 本日は午後から走ったり、剣を集中的に振った。正面斬りを千回おこなったが、三百回位までは上腕や肩回りがパンパンに張ってしまい、「やっぱり、こういう稽古は身体が駄目になってしまうなぁ…」と思っていたが、五百回位から何故だか解らないが張りが無くなり、普段の状態に戻った。「これなら、あと五百回は行けそうだ。」と、百回毎に一分程間を取りながら、最後の二百回は続けておこなった。

 この稽古の目的は、筋肉を付けたり鍛えるということよりも、疲れることで初めて解る感覚や、身体の使い方、無駄な負荷を掛けない手続きなど、追い込むことで身体が先に知ることもある。

 今日の素振りでは、どういう訳か筋肉の張りが落ち着き、決して緩めた訳ではないのが不思議であるが、おそらく身体が未経験の中で何かを学習し、使うべきところとあまり使わない所を無意識的に取捨選択したのではないかと思われる。剣を振るということは、両手全ての指が、その一振りごとに最適を求めている。その指の感覚、節々の感覚、皮膚の感覚、手之内だけをとってみてもかなりの学習機能が脳に指令を飛ばしている。これが、バーベルを上げる筋トレとの大きな違いであり、如何に負担が掛からず、かつ速やかに振れるか、そこに身体がどう介入していくか、指から伝わる筋の働きは前腕、上腕、肩甲骨、さらに背中の広範囲に渡って細かく繊細な緊張が届いていると思われる。だから、剣を振るには手之内が鈍くなっていてはならない。今日の素振りで収穫があったことは、三百回位から筋肉の張りが収まってきたことと、終った直後には前腕部の筋が細かく動いたこと、そうしたことからも、指をどのように使うかが、身体の作り方としてとても重要であると思われる。もちろん、指だけでなく、その他の負担を補う部位の働きもいずれ気が付けるようになると思っている。剣を振るという事も筋肉に働き掛けているので、筋トレと言えなくもないが、大きな違いは、この指の細やかな働きにある。

 千回終えた直後は、想像していたような疲労感や身体の抜け具合というものが無く、「こんなものなのか。」と拍子抜けしたが、今こうして記事を書いていると、腕はなんとも無いが、左右の肩甲骨の下辺りが今まで余り感じたことの無い気持ちの良い疲労感を覚えている。振っている最中は左手首に止まる衝撃が重なり痛くなってきたが、今はもうなんとも無い。数の稽古でも、やり方によっては進展のバロメーターになるかもしれない。剣でつくられる身体には、手之内の働きが非常に重要だということが実感出来たので、今後も身体からの求めに応じてこういった稽古を課して行きたい。


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2020-05-07(Thu)
 

『抜刀術 特別講習会』のお知らせ

2020年6月6日(土) 品川区総合体育館 剣道場にて抜刀術の特別講習会をおこないます。
※(非常事態宣言の延期により中止となる可能性も御座いますので御了承下さい)

居合刀で抜刀術の稽古を集中的におこないたい方や、抜刀術独特の身体感を得るために、二時間抜刀術と納刀法をおこないます。(鞘付木刀も可)

この特別講習会では、現在私の稽古としている抜刀術や納刀法をお伝えして参ります。その中から参加者の方々に合った稽古法をお伝えしていきたいと思います。(初心者の方でもおこなえる内容があります)


2019.04.06 抜刀術 特別講習会
(写真はBABジャパン制作によるDVD撮影の一コマ)


【開催時間】
12時00分~14時00分 『抜刀術/納刀法』
(懇親会はありません)

【会場】
品川区総合体育館 剣道場


【参加費】
講習会 3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「帯・居合刀の有無」(鞘付木刀でも構いません) 
上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
2019年 抜刀術

かざあな。抜刀術編

2020-05-07(Thu)
 

剣でつくられる身体

 昨夜は公園での稽古と動画の撮影をおこなった。

 前回は「繋之型」をおこなったが、今回は「三十連円打」と「十一之型」を撮影した。「三十連円打」では、三十ある動きを三つに分けて解説し、正面と斜め後ろからの動きをお伝えする予定。「十一之型」では、全体の動きをゆっくりと解説しながらおこなう。前回もそうであるが、道場と違い、屋外で雑草が生えた芝の上を雪駄でおこなうのは、具合が大きく異なる。しかし、摺り足や足裏の重心配分の操作は、浮き身が体に入っていると対応し易い。逆に、地面を蹴ったり擦り付けるような摺り足では大変になるだろう。

 屋外での稽古は以前、示現流の研究で河原に立木を設置し、地下足袋を履いて一声一打×十回、次に一声二打×十回、そのようにして一声十三打×十回までおこなったことがあった。合計すると九百十打になると思うが、石などが埋まっている凸凹の地面上を一打ずつ全て二歩半で詰めて行きながら打ち込んで行く。普通に歩いては届かない距離のため、地面上を滑らなければ立木に届かない。そのため、自ずと前に倒れるようにして歩を踏み出して行かなければならず、最後は両足が滑らなければ、届かせることも強く打ち込むことも出来ない。それから暫くして気が付いたが、これは素晴らしく浮き身の稽古になり、かつ体幹は鍛え上げられる。この稽古を厳しく続けていれば、この流儀に適った体になったであろうし、今とは全然違う身体になっていただろう。だが、当時は、手之内は頑丈に肉厚が増し、打ち込みの強さは当時の師範も驚かれていたが、抜刀術が流儀の違いからか全く精度が狂ってしまった。しかし、立木打ちの稽古は、短期間に心身ともに鍛えるには相当な効果が期待できる。だがそれだけに続けられる人も限られてくる。もっとも都内ではこれが出来る環境が無く、屋内では個人で立木を固定するのも難しく、屋外では人目について場所探しが難しい。立木への打ち込みが身体に跳ね返り、関節の節々に響き身体の芯にまで届いてくる。

 今はこういった稽古はしていないが、これからの事を思うとき、調和や浮き身、脱力、その他にも感覚的なものは度々発見するとは思うが、示現流における立木打ちのような、身体そのものがその流儀における機械のような、強靭さと精確さをもつ、それがどういった稽古になるのかは私自身いまおこなっている稽古の中から整理して行かなければならないが、自らの身体を機械化するような部分も育てなければならないと感じている。それには、慎重に身体に適った動きの中で逆効果にならないものを探し出さなければならない。それはやはり剣なのであろう。


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2020-05-07(Thu)
 

解説動画を配信いたしました

 本日第一回目となる解説動画の配信をおこないました。
https://www.youtube.com/watch?v=oN4Uvz0fZ4c

 夜の公園ですので、得物で打ち合うことを禁止し、動きの解説としては、私がYouTubeチャンネルで公開している動画では初めておこないました。

 解説はDVDなどの映像作品だけでおこなうつもりでしたが、現在の自粛における稽古不足の生徒達や、解説の中で色々なものが伝わることもあるかと思い、私の勉強も兼ねて今後も継続的に行うものといたしました。

 その第一弾は、これまでに動画に配信していなかった杖術「繋之型」です。これは、解説でも言っておりますが、動きの合間と合間を繋ぐ体捌きを養うものとして六年ほど前に考案したものです。力み癖や拍子癖のある方には、それを炙り出させる稽古として、ゆっくり一定の速度でおこなう「繋之型」はお勧めです。

 映像はスマートフォンで撮影したものですので画像が粗く見え難いものですが、全体の動きや足元の動き、良くない動きなどをお見せしておりますので解り易いかと思います。また、日本語字幕の設定にしていただきますと、字幕表記となりより伝わりやすいかと思います。(日本語自動生成を選択すると、自動的に音声を拾った文字ですので正しく表記されておりません)

 期間限定配信していた動画は、私の動きの確認を見ていただいているものですので、どうやっているのかは解りにくいものと思われます。この動画は、ある時期がきましたら、一つの映像に全て纏めて配信し直し、これまでに配信した個別の映像は整理のため削除いたします。


 話は変わりますが、Gold Castle 殺陣&剣術スクールの生徒であり、WEB動画「かざあな。」でお世話になったMariさんが主宰するグループの活動が今夜から4日間BS朝日で放送されます。

2020年5月4日(月)~5月7日(木)夜7:54~8:00放送!
「手作りエコ楽器グループJUMBE の皆さん」
5月5日(火曜)のみ、夜7:26~>
番組のホームページには、予告動画や詳細も載ってます。
https://www.bs-asahi.co.jp/kotonoha/

こちらが、Mariさんの活動されるサイトです
https://heywao.com/


 自宅に居る時間が長いと、マンネリになってきますし、ストレスも溜まってくるかと思いますので、近しい人の活動をテレビで観て、元気をいただくのも良いことだと思います!BSですので観られない方もいらっしゃると思いますが、知人に録画していただくと宜しいかもしれません。いろいろとお世話になっている私としては、こうしてテレビで拝見出来ることは嬉しい限りです。生徒達の出演情報これからも楽しみにお待ちしております!


金山孝之 YouTubeチャンネル

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-04(Mon)
 

心に感じる稽古

 五月も私が主催する稽古会や講習会は全て中止となった。もちろんこれは私以外の殆どの方が同じだと思われるが、外に出向かないことで交通費や食事などの出費は抑えられている。今はなるべく外食を避けたりしているが私の場合、食事に関してはあまりあれが食べたい、これが食べたいというところがなく、大体いつも同じようなもので十分である。頂いたものは何でも食べるが、最近は甘過ぎるものは感覚的に疲れるように感じてきた。玄米は欲求で麻痺した感覚を調整する働きがあるのかもしれない。

 徹底した食事の管理はボクシング時代の減量の時であったが、高校時代は54.5kgから45.0kg未満まで9.5kgを落としていた。食べ物の欲求は我慢出来るようになってくるが、本当に大変で辛かったのは水分の我慢である。水も体に吸収されてしまうので、一日に摂取する水分は減量の終盤は極僅かしかなく、うがいで気を紛らわすしかない。

 しかし、試合が終れば三日で体重が元に戻り、食事のバランスが乱れ、あれだけ念入りに節制していたのが嘘のように暴飲暴食となってしまうのである。食事のコントロールは無理が無いことが一番で、我慢をすればその反動は大きい。ここ数年、私も40代半ばとなったことで、以前のように勢い良く食べ続けることが出来なくなってきた。もう少しこの体を大きくしたいと言う思いがあったが、果たして、それは自然に任せて、身体が辛くないように、味覚よりも感覚を優先するような、欲求よりもその後の成果を優先できるような、そこに満足感の優先順位の入れ替えが出来れば、身体への罪悪感から解放されるのではないかと思う。だが、これはなかなか難しく、無理してやるのではなく、そうしたいと自然に思えるようになって初めて実現できることだと思う。今、甲野善紀先生が、食事に対して武術的観点から新たな世界を見出されていますが、私もいつかは「食事」というものについて、身体の真の欲求に気付いてあげられるようになりたい。

 今夜は、松聲館で甲野先生と稽古。先生のTwitterを読んでいたので、どのようになられているのか想像しながら伺いましたが、本当にスッキリされ、お顔の肌の色からも健康的に感じ取ることが出来ました。体術に剣術、無想の動きがさまざまに展開されるようになり、その働きのキッカケなど、私など出来るものではありませんが、どうしてそれが出来るのかということがおぼろげながらも理解は出来ます。そこに至るまでの稽古が私などには重要であり、それが何年掛かるのか分りませんが、そこにある、今は足りていない部分をどのようにして取り入れていかなくてはならないのかが稽古における工夫であり、身体が経験したものの中からそれを探っていかなくてはなりません。昔は、そのようなことに全く気が付かず、今出来るようになろうと考えたりしていたものですが、これまでの経験の中で、数年後にようやく気が付く、実感出来るものがようやく訪れる、ということの経験から、焦らずに、しかし、今夢中になれる事に全力で向き合って行くことが、いずれ全てに繋がってくるものであると信じております。それがどこまでなのか解りませんが、自分自身夢中になれるものを見つけるという事が最優先ですので、その見つけ方というものを感じるように学ばせて頂いております。

 日々生活しておりますと、些細なことやチョッとした一言などが頭に残り、それが今後の大きな問題の一つになりうることも考えられますが、こうした心に感じる稽古というのは、それまでの全てを吹き飛ばすほどの強さがあります。根本にあるものが、どうであるかにより、人は動じずに生きていけるのだと思います。それは自分ひとりの力でやって行くのは難しいものですが、心に感じる方々と稽古したり、会話が出来ることは、とても重要で大切な存在であります。ですから、人との縁は大事にしていかなければなりませんし、その縁を失わずにいられるのは普段の自分がどうであるかということに通じてくるものだと思います。

 ご縁が長い方とは、お会いしていなくても、電話やメールなどで心に感じるやりとりが生まれます。そうした方々と支え合って生きて行くことが、幸せであり、価値のあることだと私は思っております。

 今日も学びのある一日となりました。今は自分の身体に対し夢中になれるものを実践出来る時期でもあります。心が先か身体が先か、今までに無いものを掴んで行くには、心、或いは身体、そのどちらかにジックリと向き合っていくことで、そのどちらも変化を感じることが出来るかもしれません。人間は如何なる状況でも進んでいこうといたしますので、今の状況に合った進み方で、必然的なるものを手に入れたいと思います。


金山孝之 YouTubeチャンネル

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

甲野善紀先生からの紹介文

2020-05-02(Sat)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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