FC2ブログ

『抜刀術 特別講習会』のお知らせ

2020年4月25日(土) 品川区総合体育館 剣道場にて抜刀術の特別講習会をおこないます。

居合刀で抜刀術の稽古を集中的におこないたい方や、抜刀術独特の身体感を得るために、二時間抜刀術と納刀法をおこないます。(鞘付木刀も可)

この特別講習会では、現在私の稽古としている抜刀術や納刀法をお伝えして参ります。その中から参加者の方々に合った稽古法をお伝えしていきたいと思います。(初心者の方でもおこなえる内容があります)


2019.04.06 抜刀術 特別講習会
(写真はBABジャパン制作によるDVD撮影の一コマ)


【開催時間】
15時00分~17時00分 『抜刀術/納刀法』
(懇親会はございません)


【会場】
品川区総合体育館 剣道場


【参加費】
講習会 3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「帯・居合刀の有無」(鞘付木刀でも構いません) 
上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。

(新型コロナウイルスの状況によっては中止となる場合があります)


≪プロフィール≫
松聲館技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
2019年 抜刀術

かざあな。抜刀術編

2020-03-27(Fri)
 

こんな時期でも技は大きく進展

 昨日は深川スポーツセンターから連絡が入り、3/29(日)に予定していた講習を中止せざるを得ない運びとなりました。そして本日再び連絡が入り、4/12(日)の開催も中止となりました。

 品川区での開催につきましては、現状これまで通りとなっております。
 明日3/28(土)の戸越体育館での開催はおこないますが、状況によりましては4月からの開催を見直さなくてはならない状況に迫られております。

 皆様におかれましても、「それどころではない」状況に置かれている方もいらっしゃるかと思いますし、しかしながら極僅かながらでも武術稽古を支えとされている方もいらっしゃるでしょう。もちろん、道場で稽古をすることだけが武術とも言えないでしょうから、この機会に、世相をさまざまな角度、現代という時代そのものを俯瞰的に観ることで「ひと」という生き物についても、極僅かな人は冷静に独自の観点から学ぶことが出来るのだと思います。滅多にない機会だからこそ、慌てず、騒がず、流されず、覚悟をもって決めて行けるかが今そこにある学びの問いかけとなっております。


 さて、昨日の稽古では渡部氏と共に座りによる一点接触での崩しがさらに進展した。

 背面の意識が先週ロードバイクのKさんを崩した要因であったが、昨日は渡部氏も背面を意識して対応。これにより、体格では私より小さい渡部氏が崩せなくなり、「こんなはずでは無かったのに…」とさまざまに検討をおこなった。幾つか有効なものも見つかったが、納得出来るものではなく、「まあ少し前に進んだから、次にまた研究するか…」という思いが浮びながら、突然強力になった渡部氏の受け方にヒントをもらった。
 それを聞いた瞬間に「そうか!」と、「これは行くだろうなぁ」と技の利きが実感的に予測でき、腕を合わせた時点で心理的にも大きく変わった。これはまだまだ私には備わっていないが(感じられるものはあるが)、触れた相手も取り込んで手続きの優位性から技が組み立てられるものだと思われる。案の定労することなく後方へ倒すことが出来た。

 これまでに、中心を取りながらおこなうものが全く駄目で、尤もこれは勝ち負けというよりは、方向性を会得するために取り入れたのであるが、全力で防ごうとする相手には、浮き身を掛けたり、蠢動を使ったりしてきたが、これも体格や身体が纏まっている人には防がれてしまう。そこで落下による反動を使った方法をおこなってみたが、初回は有効であるが、二回目からはその動き出しの気配に先回りされ防がれてしまう。
 そこで気がついたのが背面の意識による手続きの変更であるが、これは上背のある相手に対し有効であり、全く崩せない相手も倒すまでになった。これで暫くは稽古として落ち着くかと思っていたが、相手が小さくても背面を同じように使われてしまうと崩せなくなり、そこで左右の働きも使うことで、背面が使えていなかったことに気がつかされた。その左右の働きと背面からの意識が初動に大きな発力を生み出し、それに連動して前足も自然と出るようになった。これらが作用して、いなされようが方向が合わなかろうが問題せずに、「ドーン」と崩すことが出来るようになった。勿論、身体の使い方が私よりも遥かに精密で把握され練り上げられている方には防がれると思うが、これは勝ち負けでもなく実戦としての対応というよりは、全てに通じる身体の新たな発見のための稽古としては進展を積み重ねて行けるものであり、結果としてその応用が実戦に通じる働きとなってくるものである。それが無意識レベルで状況に応じた手続きが通せるのかは、こうした稽古では欠かせないものであり要となるものだと思う。さらには、そこに「信ずる」という自らの身体と、稽古における恩恵の感謝が、無意識と意識との境を往来しやすくしているのだろう。だから自然と礼を覚える。
 

 時代はいつも大きな事態を投げかけてくる。人々が明るく前進して行くには、何事も起きないかのような不安を感じない暮らしが平和と安全をもたらしている。しかしいつの時代も人々は不安に陥れられる。一定数以上確実に起きている集団心理はこれも自然の摂理によるものだと思えるが、醜態をさらさずに生きていくには、一所懸命に生きながらも執着から離れられる今は無き武士道の教えが、いつの世にも求められるということなのだろう。


金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-27(Fri)
 

六日連続稽古を終えて

 私はSNSとは距離をおきたいタイプであるが、仕事の窓口看板として必要なホームページと、私の日々の情報をお知らせするこちらのブログとYoutubeで必要最低限な動きを紹介している。その他は無料のイベント情報掲載サイトも利用しているが、基本的に今の時代、武術と言っても仕事を承るにはインターネットでのやり取りが大半を占めている。

 武術稽古は日々の気付きの積み重ねでもあり、身体を練っていくには修錬は欠かせない。だから、SNSを利用させようとする時代の思惑にある程度の抵抗感を持っていなければ、日々の妥協に己のやるべきことを阻害させられてしまう。時間は誰にも平等にあるものであり、SNSに蝕まれないようにしなければならない。

 
 三連休が終わりました。私にとっては三日連続での講習会であり、この三日間全てにお越しいただいた方々や二日間お越しいただいた方々もいらっしゃいました。個人的には六日間連続の稽古会や講習会でしたので、このような時期に稽古が出来ましたこと大いに感謝しております。

 一年中作務衣に高下駄(たまに雪駄を履きますが)で過ごして七年は過ぎたでしょうか、毎年一年で高下駄は履き潰しておりましたが、昨年の元旦に履き下ろした朴歯が例年になく頑丈で、大体元旦から十月一杯、或いは十二月一杯で台の底面まで磨り減ってしまうため完全に履けなくなってしまうのですが、今回は年を跨いで未だ履き続けております。歩く距離がそれほど変化しているとは思えませんので、硬い朴の木だったのでしょう。鼻緒も全く痛んでおらず、このままだと八月位までは履けるような感じがしております。

 そんな格好で過ごしておりますと、稽古着の補修で何度かお世話になったリフォームのお店の方が、私の格好に興味を持って挨拶して下さいますし、数年前に一度だけお祝いのために日本酒を買いに行った酒屋の店主さんが、駅までの道すがらよくお会いするのですが、行きしなには「いってらっしゃい。」帰りしなには「おかえりなさい。」と偶然擦れ違うたびに必ずご挨拶して下さいます。数年前に一度しか行っていない酒屋さんですが、またいつか何かの時にはここで買わせていただこうと思います。

 今日の講習では、先週の日曜日におこなった体術の座りからの一点接触による崩しで、全く崩すことが出来なかったロードバイクのKさんと講習前に何度か手合わせをお願いいたしました。先日研究した落下による反動を試みたところ、一回目は崩せたのですが、二回目は対応されビクともせず。両手を使って崩すことは出来たのですが、やはりそんなに甘くないことを痛感。すぐに講習に入りました。

 講習では今回も「囲まれ稽古」をおこない、周囲から斬りかかられる際の体捌きを身のこなし方がそれらしく見えるようにおこなっていただきました。そうしている最中に、遅れてきた方がいらっしゃったので、確認に行ったところどうやら別の殺陣教室の生徒さんが時間を間違って訪れて来られたようでしたので、もうその教室は終っており、可哀想でしたので「よかったら、やっていきませんか。」と、周囲の生徒達の雰囲気の良さに引き込まれるように、一緒に稽古に参加されました。

 私もこの教室をおこなって七年目に入っておりますので、訪れる方を見て大体の予測が付いて来るようになりました。ただ、生徒になって間もない方や体験参加に来られる方は、指導者がどのような人なのか解らないと思いますので、その辺りで同情してしまうこともあります。そこはご縁もあれば、運もあるかと思いますので、見抜く力を養いながら時間と労力を無駄にしないようにしていただきたいものです。

 講習では、ひさしぶりに始めから通しで立廻りタイプMをおこないました。まだ生徒になって二年足らずの中学三年生になるK君と中学一年生になるK君も以前に比べて良くなってきております。イラストレーターのYさんが正面から見て拍手しておりました。

 私も立廻りに関して「どこで嘘をつくか」が、上手く見せるポイントになると解りました。これは、どちらを選ぶかということでもあり、状況に応じて、リアルな体捌きも必要であれば、嘘をつくことで下手な人でも上手に見える体捌きもあります。もちろん上手な人でも嘘が必要となり、その嘘によって成立させるものがあるのです。逆に言えば、嘘をついても成立しないものは、嘘をついてはならないのです。

 これまでに、リズムやアングルといった、剣の扱い方や体捌き以外にも必要な要素はありましたが、「嘘の使い方」が今後は、より見栄え良く楽しめる立廻りの演出として欠かせないものになってくるような気がしております。そのためには、嘘を嘘と思わせない、身体の使い方と剣捌きが基盤になくてはなりません。そうしたものは殺陣クラスだけでなく、剣術クラスや杖術クラスで、より説得力のある身体の使い方を身につけておく必要があります。

 若いお子さん達は飽きずに成長しております。近くにおりますと目を合わせられないお子様でも、離れたところにいますとしきりにこちらを伺うように気にしております。そこに子供の可愛さがあり、見てあげなくてはならないものがあるのです。今日は、杖術クラスで「慣性」の話になったときに、ちょっとした笑いが全体を包み込みましたが、あの皆が一緒に感じられるもの、真剣であるからこそのちょっとした笑いが、大人と子供が混じってそれぞれが自然な環境として稽古されております。「上手になりたい」というそれだけの純粋さは、ライバルを蹴落としたり、自分を良く見せる必要が全くありません。「それだけじゃ、何かの証が残らない。」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなものは、見た目の形に残ったものよりも、そうしたものが無くても続けられ、なぜ続けられて来れたかの方に、大きな何かが残されております。

 講習後は、ふたたびロードバイクのKさんに相手をお願いして、座りでの一点接触からの崩しによる体術稽古をおこないました。ここで、再度落下と反動を試みたのですが、強引に崩すか止められるかといった具合は変わらず、落下は相手に先回りさせる時間が十分にあるため、「ああ、これはまた研究し直さなければならないか…」と思った瞬間、何となく雰囲気から背面が使えるのではないかという気がして、早速試みたところ、Kさんがワザと力を抜いて倒れたような感じになり、「ああ、なんかタイミングが悪かったのかな…」と信じきれずもう一回おこなったところ、ときにビクともしない頑丈なKさんが後ろに飛ばされて倒れたので、二人して驚きました。Kさんが「なんだか、もうこの時点で(腕を交差した形)防げる気がしません」と、今までの形勢が一気に逆転した感想に信じられない思いがいたしました。最後にKさんが「いなす感じでやってもいいですか?」と構わずにやってもらいましたが、手を使っていないのでいなされてもほとんど影響を受けず、そのまま後方へ突き飛ばすように崩すことが出来ました。 その後、Kさんが帰られたのち、杖整体操に参加される私よりも体格のいいK君やWさんにも試みたましたが同様に勢い良く崩すことが出来ました。

 背面への気付きでしたが、この三連休でもっとも興奮した瞬間でありました。この発力が他にも応用できないか、(尤も他から応用したのであるが)実感を得られましたので、今後の稽古でさらに研究してみたいと思います。

 
 講習後は、『杖整体操』をおこないました。今回大学一年生になるK君が初参加。身体が硬いほうで、相手を付けておこなう「寝返し」や「両手持ち上げ」など、あまり効かないかもしれないと思いましたが、様子を見ていて「おっ!これは効いてるな。」と感じられましたので、四回ほど寝返しを続けておこないました。女性陣にはYさんとSさんがうつ伏せからの両手持ち上げをおこない、これが一番気持ちよかったと、そのままうつ伏せで暫くまどろんでいただきました。(分る人には分るあの感じです)常連のOさんも、うつ伏せでおこないましたが、身体の可動域の関係上難しく、椅子に座っていただき後ろへ軽く釣り合いをとるような形で引っ張り、ゆっくりと戻しました。これには、戻しの気持ちよさが感じられましたので、私としましても安堵いたしました。

 今回も、私自身身体の状態が抜けて気持ちよく帰路に着きました。講習をしながら、自分の身体も気持ちよくなるというのは申し訳ないような気もいたしますが、私の経験上、これは剣をやっている人には特に効き目が強く表れますので、この感じを知っている人と共にこれからも身体を労ってあげる講習をおこないたいと思います。

 本日もお越しいただいた皆様ありがとうございました。そして連日お越しいただいた皆様にも重ねてお礼申し上げます。


金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

2020年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-23(Mon)
 

今日は9歳の生徒から教えていただく

 このところは、深夜2時前には寝るように心掛けているが今夜は少し遅刻してしまうだろう。

 本日土曜日のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習では、昨日の特別講習会や懇親会から連日の参加となられた方が何人かいらっしゃいました。昨日は両手寄せの操法をメインにお伝えいたしましたが本日は、ひさしぶりに「繋之型」をおこないました。

 この「繋之型」は六年程前に考案したものでありますが、名前の通り、動きの繋がりを重視したものであり、ゆっくりと一定の速度で踵を上げずに、足を止めずにおこなうものであります。

 力み癖、重心の偏り癖、踵が上がる癖、足運び癖、おもにそのようなものを炙り出す稽古法であり、杖術が大好きな役者のMさんは、普段から一人稽古をされているだけに、この繋之型を通して自覚されるものから、稽古として必要であると仰っていただいております。

 次に、「払い突き」の上段を、これまでのように手前側の手首を三回巻き返しせず、二回とすることで、一回分の工程が無くなりその分払いからの突きが速くなります。しかし、巻いて突くのではなく返しで突く場合は、力が出にくいものであり、そのために後ろ足の踵を上げて爪先を真後ろへ向けるような形でおこないますと、下体から上体へ返しの手首と体側部が繋がり、鋭く突きが出るようになります。

 最後におこなった「捧げ首潰し」では、雀の掛け方と右手の持ち替えと沈ませ方で九割方決まってきます。そんな中今日は9歳のYちゃんが、雀に雀を合わせ、首を差し出されずにすぐに次の沈み込みに備える位置に両手を備え、その先回りにより、相手が被せようとした杖に合わせて手を離しては持ち替えるという見事な対応をいたしました。

 私は嬉しくなってYちゃんに「どうやったの?先生に教えて。」と、自ら考えた先の対応を動きで見せてくれました。あらためてこの技は雀で首を差し出させる崩しが無ければこのように対応されてしまうものであることが解り、それを9歳の女の子が雀合わせに対応して来た事に驚きました。もちろん、力を使えませんので抑えておこなっておりますが、それでも一つ課題をいただけたことは、今日の私にとってのプレゼントになりました。この夢中に対応しているときの真剣な表情はこれまでに見たことのない瞬間がありましたので、なかなか感じ入るものがありました。

 講習後、正座で道場に礼をして退出されるYちゃんへ、「今日の対応は素晴らしかったです。また今度先生にも教えてください!」と話しかけると、「家でいつも(杖のことを)かんがえています。今日はやっててかんがえつきました。」と、これまた見事な対応!嫉妬される大人たちもいらっしゃるかもしれませんが、好きなことは誰から言われなくても家で練習し、練習できなくとも考える事ができ、そういう準備があって(本人はただ好きでやっているだけかもしれませんが)講習の場で前にすすめるのでしょう。ただ、気をつけなければならないのは、勝ち負けだけの畜生心を芽生えさせてしまってはなりませんので、私としては納得される崩し方を考えておかなければなりません。

 明日も12時から講習です。さらに15時からは『杖整体操』をおこないます。丁度明日は杖の講習もありますので、そのまま続けて参加される方は、自らの体を労うつもりで参加されてみてはいかがでしょうか。明日も暖かい一日になりそうです。身も心も穏やかに調整したいと思います。


2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

2020年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-22(Sun)
 

時の流れに応じて

 本日の『杖術 特別講習会』では、両手寄せの操法、掴まれた際の対応、自由に動く稽古、それぞれに密度の濃い内容になりました。

 遠方からお越しの方、初めて参加された方、そして常連の皆様、お越しいただきありがとうございました。

 次回は4/25(土)15時00分~17時00分 『抜刀術 特別講習会』を予定しております。告知は後日掲載いたします。

 明日は、戸越体育館にて12時30分~Gold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないます。

 それでは明日もみなさま、お待ちしております!


2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

2020年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-20(Fri)
 

身体は目まぐるしく展開を導いてくれている

 今週は火曜日から日曜日まで稽古会や講習会が続く予定。火曜日は「クラーチ剣術教室」にて講習をおこない昨日水曜日は戸越体育館にて金山剣術稽古会をおこなった。

 その稽古の中で、成果があったのは正座でおこなう一点接触からの崩しである。これは、松聲館甲野善紀先生がおこなわれていた「正面の斬り」であるが、数年前からは「正面の対応」として、より厳しい条件の中で工夫され続けておられる稽古法の一つです。

 その正面の斬りでもある一点接触からの崩しにおいて、この場合もはや斬りではなく、崩すための接点の使い方に特化したものとなっている。渡部氏は私よりも体重も筋力も少ないため、条件を厳しくし、斜め立ち膝の状態で私に重心を寄せるように腕を交差させ、その状態から正座で後ろへ倒すことが、最低限の課題として取り組んだ。

 とうぜん、今までのようにおこなうとビクともしないが、落下の反動を使うことで、大きく動かすことが出来る。しかしまだ何かバラツキがあり、さまざまに1時間程検討しただろうか、お陰で落下の反動を多用したことで膝が痛くなってきたが、それでもなかなか止められず、「これで最後にします。」と何度言ったことだろうか、気になることが浮ぶたびに、「すいませんがもう一度やっていただけますか。」と、何度もさまざまに、腕の使い方、落下の工夫、膝の引き込み、腕の軌道、そうしたところから、一つずつ塗りつぶしていくように消していき、「結局、元のやり方が一番いいのではないか…」というチョットがっかりな、しかし、これが検討した中で現時点でベストと解ったのならば、次の進み方に迷いはないだろうと、気持ちを整理しようとした最後のときに、あることに気がつき、それを試みた際に倒れた渡部氏の反応と、私に残った実感が、今まで検討したさまざまな方法のどれよりも超えていたものだったので、「そうか、この場合はこれか!」という発見に至ったのであった。それに付随して、不利な筈の手の位置が、実は有利に働いていることも解り、原理と言うのは状況に応じて異なるものであり、それらを理解するのはまだまだ時間が掛かりそうであるが、そのさまざまな原理を実感していくということは、身体に取り込む大きな財産でもあり、これはやはり、自ら探して自得していくしか無い。その自得と感じるものも、実はとうの昔に学んでいたことの一つであり、今になってそのことがようやく理解できたということである。まだその理解が何処までのものなのかは、さらに進んで行かなければ解らないが、「出来ない時間の葛藤」というのは、「考えることを課される時間」でもあり、それは、稽古により積み重ねてきたものにもよるだろうが、逆境をどう乗り越えていくかの方法を、学ぶ事にも繋がっている。

 膝立ちの渡部氏を後ろに倒すことが出来るようになったので、今度は立った状態から腰を落として私の方に重心を掛けて腕を交差した状態にしてもらい、私はこれを正座からおこなうと僅かでも押し返すことが出来るだろうか確かめてみたくなった。

 とうぜん相手は立っているので倒れることは無いが、この圧倒的に不利な状態から、私の右腕は額に触れそうな程押し込められた状態から相手を後ろへ何歩か後退させることが出来た。

 これには、信じられない思いで興奮したが、念を入れて渡部氏にもこの方法をお伝えし、私も立った状態から受けてみると、「おお!」後ろに後退させられた。これが出来たのは、接点の大事であるが、当然落下の反動も要であり、さらに不利な筈の手元の押し込められた位置がさらに強力な働きに加担していることが解り、興味深いこの日の稽古となった。立って重心を掛けられた状態から押し返すことは、最近感じている全ての動きもそうであるが、「ああ、これは伝えてしまえばみんな直ぐにできるだろう。」と思うのであるが、それだけではない何かが身体と感覚の間にはあるのかもしれない。この日は、集中してやり過ぎたため少し膝に負担があったが、こういう座りの稽古は、身体をつくる稽古として重要な部分が含めれていると感じるので、今後も座りでの体術稽古は技の進展もそうであるが、重要な部分を練っていくためのものとして今一度重ねて行きたいものである。

 
 そして本日木曜日は、同じく戸越体育館にて渡部氏と稽古。昨日の座り稽古での時を忘れた検討が膝に負担を掛けてしまっていたかもしれないため、本日は体術を避け杖術をおこなった。

 明日の『杖術 特別講習会』でおこなう両手寄せの技法を幾つか確認。あらためて両手寄せに遣うことで、攻防が一体となり、速く連続的に強く遣うことが出来る。そして同じくひさしぶりに「燕打ち」と「大燕打ち」をおこなった。

 この二つは実戦的なものであり、どこが実戦的なのかというと、相手がどうしても払わなければならない軌道に対し、有効にこれを抜きそのまま顔面に強く打ち入れる事が可能であり、これを防ぐことは始めから「そう行きますよ」と解っていても、相手の払う軌道を変えなければ、おそらく無理だと思う。しかし、払いの軌道を変えることはこの場合、誘いとなる下方向に対する突きをどう払うかを見直さなければならず、結局顔面が空いてしまう軌道に頼らざるを得ないと思われる。それ故に、この燕打ちと大燕打ちは実戦的であるといえるだろう。
 
 そして、稽古には気分が高揚する動きと言うものがあるが、それは数少ないものである。この「燕打ち」と「大燕打ち」には、何故だか解らないが、気分が高揚し「これはエナジードリンク系の技ですね!」と半分冗談めかして渡部氏に受けていただいた。

 どうして交感神経が優位になる作用が感じられるのかは解らないが、身体の実感予測よりも少し先に行った速さであったり、杖の奔りであったり、強さであったり、そうしたものが何度やっても無意識の計算よりも先に行っているのかもしれない。もちろん推測であるが、同じような乗り物でも気分が高揚する乗り物があるように、動きにおいても気分が高揚するものが、全くそのようなつもりが無くても、身体がそれを感じ、なんらかのサインを送っているのかもしれない。そのサインの意図しているものは解らないが、「杖整体操」は副交感神経が優位に働くのに対し、「燕打ち」「大燕打ち」では交感神経が優位になるような、叫びたくなるような衝動を覚える何かが感じられる。尤もそれは私個人の感覚なのかもしれないし、それはまだデータが不足しているが、明日の特別講習会でそのあたりを観察して見ようと思う。

 そして最後に、数ヶ月ぶりに両手を重ねた誘導と対応の稽古をおこなった。この稽古は、相手の誘導に対して目を瞑った対応側の人間は、自然に動く手足の動きを観察することを目的におこなったものであるが、これに瞑想の働きがあるように感じ、数年前に武術稽古でお世話になり、甲野先生のDVDで2013年から毎年一緒に受けを務めさせていただいている、松聲館技法研究員であり、武術指導やヨガを御指導されている井上欣也さんにこれをおこなったことがあり、そのときに井上さんから驚いていただいたこともあり、瞑想効果があることも確認できました。

 数ヶ月ぶりにおこなったが、これは呼吸と互いの掌の接触圧を保つことに集中し、五分位でおこなうものである。今日はそれぞれ10分弱行ったが、終った際にしばらく目が開けられずにそのまま立ちすくんだ状態となり、腕はだらんと真っ直ぐに下に伸び何にも動けない、動きたくない状態となる。これは今までにも大なり小なり体感してきたが、今日ほど深く効いたことはなかった。渡部氏も私と同様に深く効いていたが、これは時間の長さではなく、久し振りに行ったということで、深層部に響いた(深層部に解決されない何かが溜まっていた?)のだと思われるし、杖整体操でもここまで深く効くことは無かった。しかもそれがたったの10分弱でこのような状態になるので、ちょっとした催眠作用も含まれているのかもしれないが、体操や柔軟をしたわけでもないのに、真っ直ぐ立てている実感が足の裏にあり、全身の力が抜け、表層のバリアが取れ、深層部の詰まりやストレスが開放されたような感じがしている。おそらく、深層部の解決が実感として効きに影響しているのかもしれないが、心身の状態に合わせてこうした稽古も長く身体を維持していくには必要であると思っている。

 本当に身体の事はまだまだ知らない、実感していないことがあり、そのことと、いろいろな導きであったり流れが同調していることに感謝しなければならない。現世で預かっている心身をどのように観ていけるか、主観と客観の中で共に生きて行かねばならないということだろう。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

2020年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-20(Fri)
 

自らを掘り下げて新たな習慣を生きていく

 本日は、午後から免許証の更新手続きのため都庁第二本庁舎へ行ってきた。優良運転者講習だったため(ただ運転していなかっただけであるが)30分程であっという間に終了。あの30分というのは、免許証の写真をカードに貼り付けるための時間であり、ほとんど端折った講義やビデオの視聴は全く意味を成していないと感じるものだった。まあ、優良運転者といっても運転をしていないだけの人も多い筈であり、そういう人が何年ぶりかに運転する方が一番怖い。私も二年ほど前に運転したっきり全くしていない。以前は仕事で毎日のようにいろいろな車でいろいろな所を運転していたが、今では運転席に座ることが考えられない。習慣で当たり前のようにおこなっていたことが、数年経てばその感覚が感じられなくなってしまう。もちろん、運転をしてしまえばまだ勘は直ぐに戻ってくると思う。普通に過ごしていた日常でも習慣があればこそのものであり、武術を始めて来月でまだ十一年にしかならないが、当時は最低でも週二日の稽古、直ぐに週三日となり、2014年頃からは、最低週五日の稽古や講習となっている。こうした習慣が今の私には当たり前の日常であり、そう感じていられるから、その日のことは自然に任せられ、その先の事を同時に考え計画を立てることが出来ている。殺陣や剣術、杖術、抜刀術、体術、それらを稽古し進展させながら、講習会ではその趣にあった内容をおこない、ときにはアドリブ的にそこでおこなうものもある。稽古以外にも、運営に関わる手配や足を運んでやらなければならないことも多い。その他にも学ばなければならないものや本を読んだりなかなか時間を捻出するのが難しいが、そのように時間に追われながらやりくりして生きていることが、理想的な習慣と言えるのかもしれない。

 もっと楽をして、時間に余裕を持ちながら今よりも生活を全般的に上げていこうなどと、どう考えてみても、そのような時間が見当たらない。全てに自分の納得出来る向き合い方をしたいので、どうしても一つ一つに時間が掛かってしまう。だから、私の場合の習慣と言うのは、「納得出来る不器用さの中で、確実性を持って生きていく。」ということなのかもしれない。その時間の中には大笑いする時間も含まれているが、それも私という人間のバランスを保っていく上で欠かせない時間である。

 
 さて、昨日のGold Castle 殺陣&剣術スクールでは、昼の部と夕方の部と二コマ開催いたしました。
 昼の部では、小学校4年生のM君がお父様とともに体験三回目にお越し頂き、予てよりご注文いただいておりました武道具一式をお二人にお渡しいたしました。殺陣クラスでは、払いからの胴斬りを行っていただいたところ、M君が斬られる動きが上手く出来ていたようで、お父様もお母様も喜んでいらした姿が印象に残りました。M君も「ぼくは、斬られるほうが上手にできた!」と、いつも緊張気味の彼が自ら答えてくださいました。

 来週舞台本番を迎える中学一年生のRちゃんもお忙しい中お越しいただきました。舞台のチラシをいただき、ご本人に確認をいただきましたので、のちほどGold Castle のホームページにある「こくっち!」に舞台に関する詳細を掲載させていただきます。

 それにしましても、この時期に舞台公演やイベントの中止が相次ぎ、劇団など舞台活動を主軸に活動されている役者の皆様は本当に不安な日々を過ごされているものと存じます。人に生きるためのエネルギーを与え、感動を、その人の魅力を通して伝えていく芸術活動…それはいままでに数知れず多くの人々を勇気づけ感動を与えてきたものであり、そこに危機が訪れた場合、誰が勇気と感動とエネルギーを与えて行けるのか…今はスポーツも力無く同じように不安な日々の中で時が過ぎるのを待っているような状態といえるでしょう。

 こうした時期に元々採算の厳しい演劇の世界では、元に戻れるのならいいですが、このまま長く続きますと、多くの芸術の芽が犠牲にあってしまうものと思われます。これが時代の変化を生み出すキッカケとなるのか、それはまだ分りませんが、今はまだ多くの方がこれに対する問題から何かを見落としてしまっているのかもしれません。それは地球環境の破壊とも通じているものであり、いずれそこに世界中が足並みを揃えて携わっていかなくてはならない誤魔化せなくなってきたものに対し、自然の成り行きがあくまでもただ自然に導いているように思えます。

 講習にもどしましょう。

 昼の部の剣術では、納刀法を幾つかおこない、後方突きを稽古いたしました。鞘引きは、単に鞘を引くことを学ぶのではなく、鞘を引ききる最後の処理を覚える事が重要です。刀と鞘は、互いに真っ直ぐに入っているものですので、どのように抵抗無く抜ききるかは、現実逃避せず、シッカリ向き合って、自己解決せずに学んで行かなければなりません。

 後半は体術をおこない、前日土曜日におこなった正座からの片腕一点接触からの崩しを再び、私よりも体格のいい一年振りに復帰されたK君と手合わせいたしました。やはり前日のような中心に向う方法ではビクともせず、そんなことは以前からよくよく解っていたのですが、先日中心を探る稽古をおこなったため、そこで得たものが、今回の内容に入ってきてしまい妨げになっておりました。この日は落下とバウンドを使い、それを一点接触の右腕前腕部に働かせ相手を跳ばすように後ろへ崩したことで、まあ何とか形にはなったかなと、皆さんも興味津々で取り組んでいただきました。私自身驚いたのは、それを正座で両手を腿の上に置いた状態で相手に押さえ込んでもらう所謂「合気上げ」をおこなう前のような形から、落下のバウンドと背中の操作をおこなったところ、全員声を出して吹っ飛んでしまったのには驚きました。私もどのような違いがあるのか受けてみようと、四月からH大学の学生となるK君にその方法でおこなっていただいたところ、思いのほか後方へ飛ばされましたので、前日の上手くいかない出来事が幸いし、受けていただいた女性の生徒さんから「なんだか、アトラクションみたいです!」と、後方へ一回転するほどのエネルギーの伝え方には私も興奮を覚えました。この身体の使い方は元々やっていたものでもありますので、今後は、より利きが高まるための検証を探り、いずれロードバイクのKさんにどこまで利くかを試みてみたいと思います。

 夕方の部では、四月から中学一年生になるK君がお越しになり、高齢者のHさんと後期高齢者のOさんもお越しになられました。他にもいつものメンバーがお越しになられ、とくに高齢の方にとっては命の心配もある中で、Oさんなどは昨日今日と二日続けてお越しになられ、私も当然開催を私の判断で中止にすることはありませんが、「命を懸けて来て下さっているなぁ」と、体重30㎏前半のOさんにとっては、この日一日の稽古を、しかも殺陣はやりませんので、後半の一時間だけのために電車を乗り継いで来て下さっていると思うと、感じるものはあります。

 前日はそのOさんより先輩のSさんもいつものようにお越しになられ、なんというか、親御さんや子供たちもいつものように参加されておりますので、世間での外出自粛報道と、私の目の前の風景とのギャップにかなりの温度差を感じます。

 講習中は換気を良くするため、高いところにある窓を開けたまま行いましたので、風が武道場内の国旗を揺らすほど入ってきておりました。殺陣クラスでは「囲まれ稽古」をおこない、フリーにおこなっていただく中で、それぞれの間、緊張感、見せ方、そうした雰囲気の纏い方を身につけて普段の立廻りに芝居勘として取り入れていただく内容です。

 子役のお子さんや大人でも役者の方が(ある程度仕事を重ねた経験のある)上手なのは、それまでにそうした訓練をしてきたこともありますが、それだけでなく、「駄目なら仕事が取れないから。」という厳しさが根底にあります。頑張るのは当たり前の世界で、その皆が当然のように頑張っている中でどうやって己の個性を引き出して行くか、その状況で人と同じにならず、かつ意図するものを汲み取っておこなうにはどうするのかを、多くの失敗の中から、盗み、活かし、経験値を積み、場に適する術を身につけられているのだと思います。

 殺陣と剣術の違いについてこれまでに何度も訊かれてきましたが、特に大きな違いは、芝居が関わっており、その芝居とは、嘘を嘘と思わせないように嘘の上塗りを逆算的に積み重ねていることにあります。それが成立ということです。

 大袈裟に言えば、芯は全く何もしなくても、絡みがそれに応じたリアクションを取れば、芯は超能力的な何かを使っているようにも見せることができるのです。そのため絡み役の人達は、嘘の上塗りを成立させるために日々稽古に励んでいるのです。

 剣術では、ひさしぶりに講習で「連続切り返し」をおこないました。これは動画でも配信しておりますが、この動きの意図するものが解る人は少ないでしょう。BABジャパンのYさんに最初映像をお見せしましたときに、当時は六回までだったと思いますが、「マニアックですね、私は好きですよこういうのは!」と仰っていただいた記憶があります。その後、DVD「古武術は速い」の中身に基礎稽古法として、身体を練るための稽古としてやり方を解説しております。最初は三回の切り返しを、切っ先が正中線を三回渡り、その際に身体の幅よりも外に切っ先が出てしまわないように高速でおこなうことがなかなか上手く行かないでしょう。そこに、剣術稽古での基盤となる、身体の使い方や、体を作っていく、ということが関わっていきます。

 連続切り返しの後は、幾つかの技や、最近発見した鍔競り合いからの刀奪りをおこないました。とにかく全てに通じることは、逆境から学ぶということでありますので、武術稽古も然り、社会の出来事でも然り、逆境から自分が何を自得できるのかが、生きていく中で前に進んだといえることになって行くのだと思います。いつまでも、前に進まず、逃げて誤魔化してばかりでは、余計なものばかりを身につけてしまいます。その余計なものから解放される新たな我が身の在り方に身を置き、そこに預けることが出来た人は、ようやく習慣を変えることができますので、かつての習慣に足を引っ張られないように、新しいものを取り入れ、入れ替えていかなくてはなりません。そしてようやく、環境を整えたことで見えてくる世界、生まれてくる言葉が誕生するのでしょう。それが掘り下げてから成る行為なのです。

 話が逸れておりますが、生きていくことと自らが時間を費やしている活動或いは仕事、そうしたものが通じておりませんと、生きながらにして死んでいる時間を消化しなければなりませんので、それは私も二十代前半の頃に長く過ごしただけに、よく分っております。もちろんそうした逆境があったからこそ、今の私が存在している訳であり、逆境は逃げなければ必ずその後に活路を見出してくれます。「逆境無き活路は無い。」「活路は逆境から学べ。」まるで本のタイトルのようですが、それが生きて行く術に関わっているのだと思いますが、武術稽古そのものが逆境を想定した身体を通じての学びでありますので「生きて行く」という事に対して自然と考えるようになっているのだと思います。

 昔は、いつ死ぬかが分らない時代でもあり、死が身近にあった時代であります。何十年後どころか、数年後も分らない命に対して、武士であるなら死に場所を考えて生きていたのです。長生きして老後は年金で長寿を全うするなんて、「それで、どう生きたのか?」と、恥ずかしくてそんな事は言えないだろう。かつての武士は命よりも名誉を重んじていたため、それが生き方として当然の習慣となっており、切腹という「死」への意識が、次第に死に対する重さをも軽減していいたのではないだろうか。当然、いつの時代も色々な人がいた訳であるが、それでも時代が作り出した習慣というものが人々に与える影響は計り知れないものであり、何が良いのか悪いのかは、時代によりまったく反転するものでもあり、陰と陽がある限り、必ず恩恵の裏に報いが待っている。

 だから、いつの時代においても恩恵に甘んじながらも、その報いが生じたときに、逆境をどう乗り越えていくかの備えを心得ておかなければならない。それはテレビやインターネットという、広告がらみの商売を通過した情報からではなく、日頃の工夫、知恵、そういったものを働かせる己の身体と心に委ねられるのだと思う。それは師からでもあり、信頼出来る知人からでもいい。だからこそ、恩恵を受けている間に、自らの習慣をどのように預けているかが問われてくる。

 生きていくというのは、そのようなことなのかもしれないし、現代の経済利益と効率優先社会の向う先に、歯止めと言うものが仕組み的に当て嵌まらないのであれば、これは自然に破綻してしまうか、感情の乏しいロボットに近い人間達とそこそこ人間に近付いたAI達が、共になって何のためにか分らない利益と効率化を押し進めていくのであろう。だから私は、そうではない習慣に身を預け今を生きていたい。その日々が妨げられないことを切に願っている。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

2020年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-16(Mon)
 

本日は役者のKさんが正規受講生になられました

 東京では桜の開花宣言がされた本日、まさかのみぞれとなり寒い一日であった。もはや寒暖差の乱高下は珍しいことではなく、驚くことも飽きた。飽きるという事も、場合によっては負の感情を立て直すキッカケになっていく。


 さて本日の講習では、先週に続き役者のKさんが正規受講生となられました。今日は会場を間違えてしまわれたようで、急いで駆けつけて下さいました。そのKさんと手合わせした体術では身体の強さに驚かされました。体格も大きく、座りでの互いに腕を交差させた状態で中心を取っていくことが難しく、「これはちょっと無理ですね。」と、両手でなんとか崩すことは出来ましたが、片手一点接触での崩しに関しては、中心に捉われすぎていた部分もあり、それは技の特性において中心を取り続けていくことは当然重要なのですが、力が強い方から弱い方に流れるという私が感じている原則に則りますと、この場合、体格差に対し、中心を取っても逆流してしまうものであり、今後座り技に対して見直し検討していくことが必要であると痛感いたしました。突きのように中心の働きが活かせるのか、あるいは以前稽古でおこなっていた円の方向と共に浮きを掛けて膝下から浮かせるか、しばらく生徒達を待たせてKさんと手合わせしておりましたが、今後に活きる時間でした。座りでは触れた感触に規矩が感じられ、訊くと「雨の日以外は毎日20㎞~30㎞ロードバイクで走っています。」という事に納得。その姿勢は正座(跪座)になり肘を曲げて腕を合わせる形に近いものがあり、規矩になっていたのだと知ることになりました。今回私も勉強になりました。雨の中他会場から駆けつけて下さりありがとうございました。

 体術「引込潰し」では、先ほどのKさんも驚きながら崩れ落ち、もう一人体重が100㎏ぐらいありそうな初参加のKさんにも何度か崩れ落とすことができました。この方の場合、むかし剣道と柔道を習っていたため、間単には崩せませんでしたが、「そう甘いものではないな…」と感じながら、抵抗する巨漢のKさんとも良い稽古になりました。この場合体格差はさほど影響ありませんので、技として成立しているものと思われます。しかし、見た目には解りにくい精確な部分が関わってきますので、同じようにやっても力技で潰そうとしてしまう場合が多く見受けられます。これは力技でなく、相手の膝を始めとした下半身が抜けるような状態を利用しての崩しですので、出来るようになるのは、「出来たときを待つ」しかないと思います。この言葉の意味は、駄目なものは何度試みても出来るようにはならず、出来るときは、自動的に何かが備わったときであり、そのためには、出来るものと出来ないものを確認し、基礎的な稽古の中で、精度を高め条件を厳しくし、そこで気付いた身体の使い方などを参考に、ふたたび出来るか出来ないかを試みてみることが解決法の糸口になっているかと思います。

 剣術では、相手の剣を奪う技を二つほどおこないました。9歳のYちゃんは相手を倒しながら奪うもう一つの技が好きなようなのでそちらもおこなっていただきました。最初に「正面斬り」や「胴斬り」、「斬突き」に「払いからの斬突き」などもおこないましたが、全般的に体術的な内容になったと思います。

 明日は品川区総合体育館にて12時00分~14時00分は柔道場、15時00分~17時00分は剣道場にて開催いたします。明日も剣術クラスは、昼の部と夕方の部では内容が異なりますので盛り沢山になるかと思います。(講習内容はホームページの各ページに毎度掲載しております)

 本日もみなさま、寒い雨の中お越しいただきありがとうございました。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

2020年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-15(Sun)
 

当たり前のことが有り難い

 来週の金曜日は『杖術 特別講習会』を予定通り開催いたします。内容は両手寄せの操法と、それに伴い両側で素早く対応する構え「二杖之位」中段と、下段をお伝えいたします。二杖之位中段からは、「攻防一体」「二杖転換」下段からは、「払い打ち」「払い突き」などをお伝えいたします。その他「燕打ち」「大燕打ち」もお伝えいたします。
 
 
 さて、今週の金山剣術稽古会の稽古は水曜日から記したい。

 水曜日は渡部氏と稽古。30分ほど講習でおこなう新しい立廻りの動きを確認。思いのほか直ぐに完成した。これまでに行っている動きを取り入れながら、カメラアングルも問題なく出来た。あとは、初めての試みである杖を使った立廻りであるが、これは次回の楽しみとしたい。

 体術では、以前からテーマに上げていた中心を見つける稽古をおこなった。物体としての初動は中丹田辺りにあると感じているので、そこが滞ることなくすぐに動ける姿勢や、水平方向で中心圧力を探るには、顎の角度や、肘の位置、そして摺り足ということが関係していることが解った。中心を探るのに目で捉えた方向だけでなく、身体内部の偏りを極力押さえるために摺り足の方が働きが良いという事が確認できた。

 さいきんはこの中丹田辺りに辿り付くことが多い。太陽神経叢(たいようしんけいそう)であったり、そこに心地よさの火種を残し、集中のなかで風(呼吸)を送ってジンワリと気持ちよく動ける感覚や、姿勢を考えるとやはりここに乱れが無い状態になる。そのジンワリした感じは絶えず残っているのでそれが何なのかは不明であるが、自律神経のコントロールセンターともいわれる場所なので、何かしらの感じがそこに残っているのも不思議ではない。

 中心から動くということ。エネルギーは強い所から弱い方へと流れていくと思うので、中心から働かせる。そのため、中丹田の姿勢が肘によって決まってくるし、その決まった位置で中心から動けば流れとしては逆流しにくい。姿勢が奥まったり、出っ張ったり、上を向いたり下を向いたりしてしまうと、中心からの動きにズレというか外れが生じてしまう。この日は微妙な違いをさまざまに確認したが、相手の両腕を持って振り回す動きにこれまでにない力が生まれたことは収穫であった。勿論身体を強く働かせる技法を掛けながらであるが、肘の位置と中心の働きの関係は、剣でも同じであり、肘が身体から離れ過ぎると力が弱くなることはこれまでにも解っていたが、中心からの働きに関係し、それは腕が強くなるのではなく、身体そのものの強さが出せているのだと、そういう中心が使える姿勢を肘が作っているのではないかと考えられるようになった。この日おこなった中心圧力の確認では背中を張って行うと、真っ直ぐに顎を下げずにおこなう場合に比べて弱いものであることが確認できた。勿論胸を張って腰を反るような姿勢でも試みたが、これは足の力となってしまいやはり駄目であった。何もしなければ感じられないものであるだけに、今後もこの中心を探り、これまでの中心や姿勢を疑う稽古を重ねていきたい。

 次に「引込潰し」をおこなった。これは、右手か左手、或いは両手で胸元を掴まれても同じ側で全て対応出来るものである。この日は、引き込み以外にも前に進みながら潰すこともおこなった。どちらにせよ、相手の膝が抜けるような脆さがこの技の特徴であり、痛むことなく平和的に崩されてしまう。だから何度でも技を繰り返せる。

 最後は抜刀術をおこなった。先日から抜刀術は構えを廃し、控え切りで鍔を押さえた直立姿勢からの発剣となる。これまでの構えは瞬間的に辿っていくが、そこには以前のように構えた時点で静止状態から始まるものと、構える前には重心移動が始まっているものとでは手順を新たに作り直さなくてはならない。そうしたことから、4月25日(土)に開催予定の『抜刀術 特別講習会』では、以前、構えた状態からの技をお伝えしますと記事に書いていたが、その手続きは今後変えなくてはならないため、現在私が取り組んでいる構えを廃した抜刀術をお伝えする予定である。それまでには私自身がある程度形になっていなければならないが、この日おこなった稽古では、「懐月」、「稲妻抜き」、「飛燕」に若干馴染んできた部分があった。撮影していただき客観的にも確認しているが、以前と比べて、どのように動いているのか静から動へのコントラストがハッキリしていないため、捉え難いものであることは間違いない。そのため、やっている実感としてももう以前の構えからの抜刀には戻りたくないので、次なる抜刀へと舵を切った最中である。

 表裏の思考から現在は中心に対する思考が私を突き動かしている。抜刀も難しいものとなり、そこに納得して向かえるようになったことが嬉しい。意識的にも無意識的にもさまざまな影響を受けながら委ねるように稽古に向き合っている。今は当たり前に感じられているが、何より日々こうした精神状態で入られることが重要なことであり、そうはならない状況に身を持っていかれないように、当たり前の状況をいつまでも大事にしていられるように心の備えは今まで以上に具体的に感じておかなければならない。付いて回るものはこの世の定めであるが、感じ方でそのことは楽しめるようにもなっておきたい。過去にそういう人生経験も無くはなかったので、ある意味それは避けられないものであると思っている。


 そして本日は九ヶ月ぶりにI氏と稽古をおこなった。

 I氏は俳優さんであり、NHK総合の生放送番組ではMCを務められており、もう一年半ぐらいになっている。今日はひさしぶりに蟹の前歩きと雀をおこない、杖では単体技を幾つかおこなったのち「二十連円打」を稽古した。

 続いて、I氏に初めて立廻りをつけ幾つか手を覚えていただいた。本来立廻りは私の管轄外なのであったが、今となっては役者の経験がモロに活きており、剣術など武術で得てきた感覚は、表現と言う俯瞰性にも通じており、その判定基準も身体の中にあり、主観と俯瞰が同時に流れの中で感じられるということが、私が立廻りをおこなっていく上で大きく幸いしている。とくに立廻り(殺陣)はお芝居であり、見ている人がどう感じるかを考えて作って行かなければならない。それはまさに現代劇とも一緒であり、私がかつて、人生の全てを捧げようとしていた時代に経験して来た事は今に大きく活きている。

 人からすれば、殺陣と剣術を一緒に考え「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」という横文字の名前に嫌悪感を持っている人もいるだろうと知った上でそれを通した。

 もっとも殺陣は、私がおこなうつもりではなかったが、これは運命的なものでもあり、その窮地の中で、しかし私なりの考えは当初からあった。私ぐらいの世代の人はブルース・リーやジャッキー・チェンなどのカンフー映画は観たことがある人は多いと思うが、本当にカンフーを使える人がやっているから熱狂的に人気があり、憧れて真似をしようとする若者が次の時代を支え継承して行った。

 日本のチャンバラ映画も、昔は剣術を学びに行っていた俳優が多く、それがいつしか軽い竹光に慣れた殺陣を習うだけのものとなってしまい、本格的な刀の扱い方を学ぶ前に殺陣をやってしまっているのが現状の多くであるといえるだろう。

 しかし、古流剣術の型が殺陣にどう使えるのかというと、構え方とか稽古風景とか、実戦的な動きの中で表現していくにはなかなか難しく、そこに殺陣が殺陣として独自に考えて行かなければならない方向になった要因の一つともいえるだろう。

 すなわち、剣術を殺陣に応用するには、型をそのまま流用してしまうと成立しなくなるので、「この状況ではどうするか?」を身体に問い、これまでに剣術などで培われた身体の使い方がどのようにして組み込まれていくかが「剣術というものが殺陣になっていく過程」として重要な部分といえるだろう。だからこの場合、臨機応変に身体の使い方を己の身を通して確認出来る感覚を持っていなければならない。私の教室で、生徒達が納得して取り組んでいただけるのは、身体にある心地よさと心地悪さの判定基準が、身体そのものが宿している感覚にあり、見た目だけのパフォーマンスの派手さでは成立し得ない、身体で納得出来る調和感覚があるものだと感じている。

 「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」という横文字の教室名にしたのは、刀に興味はあってもちょっと専門的な人ばかりだと躊躇してしまうという人も多いのではないだろうかという考えがあり、教室名とホームページのデザインは、初めての人にでも覚えてもらいやすいものにしたいという思いから敢えて横文字にし、途中から猫のイラストをプロのイラストレーターでありその業界じゃ売れっ子の山本祥子さんにお願いした。

 話が脱線してきたので稽古に戻そう。

 立廻りはI氏も最後まで出来たので楽しんでいただけたと思う。杖を使って身体の中心を探る稽古をおこなったのち、身体と心について最近の考えをI氏にお伝えする。I氏はこいういった話を引き出すのが自然と上手であり、私も人と話すのは苦手な方であるが、こういうときは、口が勝手に喋っているような感じがしている。最後は「杖整体操」をおこなって稽古を終えた。

 今はウイルス事情で世間は大変であるが、このように稽古が出来ていること、さらに前に進める稽古になっていることは大変有り難い事であり、一日一日の感謝は忘れてはならない。

 明日は、品川区総合体育館 柔道場で12時30分から講習をおこないます。体調の優れない方は無理をせずに自宅などで療養下さい。それでは明日も皆様よろしくお願いいたします!


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

2020年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-13(Fri)
 

2020年4月 武術稽古日程


4月01日 水曜日  金山剣術稽古会
         12時00分~14時00分
         戸越体育館 柔道場

         

4月04日 土曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         12時30分~14時00分
         15時30分~17時00分         
         戸越体育館 剣道場



4月05日 日曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         15時00分~17時00分
         品川区総合体育館 柔道場



4月07日 火曜日  クラーチ剣術教室
         10時00分~11時30分
         クラーチ溝の口
         


4月08日 水曜日  金山剣術稽古会
         12時00分~14時00分
         戸越体育館 柔道場

         

4月11日 土曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         12時30分~14時00分
         15時30分~17時00分         
         戸越体育館 剣道場



4月12日 日曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         13時20分~14時50分
         15時10分~16時40分
         深川スポーツセンター 剣道場
新型コロナウイルスの影響に伴い中止となりました



4月14日 火曜日  クラーチ剣術教室
         10時00分~11時30分
         クラーチ溝の口



4月15日 水曜日  金山剣術稽古会
         12時00分~14時00分
         戸越体育館 柔道場
                 


4月16日 木曜日  金山剣術稽古会
         12時00分~14時00分
         戸越体育館 柔道場



4月18日 土曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         12時30分~14時00分
         15時30分~17時00分         
         戸越体育館 剣道場



4月19日 日曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         12時00分~14時00分
         15時00分~17時00分
         品川区総合体育館 柔道場



4月22日 水曜日  金山剣術稽古会
         12時00分~14時00分
         戸越体育館 柔道場



4月25日 土曜日  抜刀術 特別講習会
         15時00分~17時00分
         品川区総合体育館 柔道場
         18時00分~懇親会



4月26日 日曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         15時00分~17時00分
         品川区総合体育館 柔道場



4月29日 水曜日  立廻り 特別講習会(予定)
         12時30分~14時30分(1時間程延長予定)
         品川区総合体育館 剣道場
         五名以上の参加にて開催決定     



4月30日 木曜日  金山剣術稽古会
         12時00分~14時00分
         戸越体育館 柔道場






 金山剣術稽古会 入会希望の方へ


【 新宿スポーツセンターでの稽古時間 】
◇(月曜日)17時00分~21時00分
毎月第四月曜日は休館日のためお休みとなります。
(第四月曜日が祝日の場合は翌火曜日がお休みです)

◇(木曜日/毎週)14時00分~16時00分 


【 戸越体育館での稽古時間 】
◇(水曜日/隔週)12時00分~14時00分 


完全予約制ですのでお早めに御連絡下さい。
前月までに御予約の入っていない日はお休みとなる場合が御座います。
お申し込みは金山剣術稽古会のホームページ
https://www.kanayama-kenjutsu.com より御連絡下さい。

都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。

2020-03-13(Fri)
 

出会いのおもしろさ

 昨日今日と生徒達にお渡しする武道具を手配した。子供や高齢者のものは特別に加工しなければならないため、角を削って全体にヤスリをかけたりしてお渡しできる状態となった。

 今日は「クラーチ剣術教室」から帰宅後、Gold Castle 殺陣&剣術スクールのお問い合わせから、「既に学ぶと決めていますので体験参加は必要としません」という心意気のあるご連絡を頂戴いたしました。

 一昨年から昨年に掛けてWEB動画「かざあな。」を三本公開し、昨年五月にはBABジャパンから初めてとなるDVD「古武術は速い」を刊行し、同年6月と9月には同社の専門誌「月刊秘伝」でも特集記事を出していただいた。そういう流れが続いた事で、Gold Castle 殺陣&剣術スクールへの体験参加にお越しいただく方が、事前に吟味され入会を前提にお越しいただいている割合が増えてきたように思う。とくにGold Castleは三回無料体験があるので、殺陣、剣術、杖術、それぞれのクラスを体験できるため、興味のあるものを選びやすい。

 これまでに体験参加に来られた方の中で、印象に残った方々の事を少しだけ書いてみたい。

 開講間もない頃、品川区総合体育館剣道場での講習中に、気が付くといつの間にか椅子を中央脇に運んで座ってらした女性がいたのには驚きました。体験三回で終えられましたが、その間にツイッター用の写真を一緒に撮って行かれました。

 三年程前ですが、私の実家の近所にある高校の卒業生で、面識はなく二十代前半の女性でしたが、この方は体験参加というよりも地元が同じ私に会いに来て下さったようでした。深川スポーツセンターで二コマ続けて参加されました。「会えた!」と仰っていたのが印象に残っております。

 二年ほど前には、山口県から、東北に旅行に行く途中で東京に立ち寄るため、「その間だけですが体験させていただいてもよろしいでしょうか?」という女性にも深川スポーツセンターで受講していただきました。

 二年前には、有名な芸人さんが土曜日の戸越体育館に来られました。その後平日の稽古会でも日程を調整したのですがお忙しい方ですのでそれっきりとなっております。

 二年前には、生徒のウインターの紹介でニューヨーク州ブルックリンから現職の警察官の方が杖術クラスを体験されました。その後お礼のメールを頂きました。

 体験参加にはいろいろな方がお越し頂いておりますが、タレントの方や元アイドルの方、宝塚歌劇団を卒業された方や劇団四季の方、テレビや映画に出演されている俳優さんやお笑い芸人さん、やはり東京はそうした方々と身近に接する機会が訪れる場所であると感じております。そうした方々との対応につきましても、むかし微々たる物ですが私自身映画やテレビに舞台などの世界に身を置いていた時代があったものですから、その世界での距離感やルールを知っておりますので、安心感があるのかもしれません。これからも色々な方が体験参加にお越しいただけると思いますので、そこからのご縁を楽しみにしております!


 話が変わりますが、さいきん驚いたことがあったので記事にいたします。
 私が高校を卒業して実業団でボクシングをしていた当時の同期であり同じボクシング部だったA君(調べればすぐに名前が分るかもしれませんが)とは寮の部屋が隣同士で、同期数十名の中で私だけ一人部屋だったので、毎日のように私の部屋に遊びに来ておりました。地元の風土からなのか陽気な性格で、怒ったり悩んだりしたところを見た記憶がなく、いつもお洒落で笑っている印象の強いA君でした。私は六年で役者の勉強のために会社を辞めて大阪に行きましたが、それよりも1年ほど早く退社していたA君は大阪でプロボクサーになっていました。

 私が会社を辞めるときに、A君から「辞めといたほうがいいよ。今の会社だったら生活で困ることはないから。」と言ってくれましたが、その後大阪へ引越し、彼の家から自転車で会いに来て二人乗りして飛田新地を見学したり、西成区の危ないところを見学したり、一年早く来て色々な事を自分の足で見知ったんだなあと思いながら、底抜けに明るいA君の変わらぬ姿に安心していました。

 後楽園ホールでのデビュー戦を観に行き、客席から声を出して応援し判定で勝利したのも記憶に残っております。なんだかこういう風に書いていると、なにか不幸なことが起きてしまったような前触れに感じられるかも知れませんがそうではなく、ネットで知ったのですが、現在は九州の地元でボクシングジムを経営されており、また現場でも監督として指揮にあたっているようです。そのA君の息子さんが凄くて、高校二年生で五冠を達成され、無敗で四冠達成されてますので、無敗で五冠達成されたのかもしれません。あの井上直哉選手(高校七冠)ともスパーリングしたり、これから何冠まで積み上げていくのか、井上選手の次の世代として期待されるボクサーになって行く可能性があります。(見た目にも華がありますので)そうなりますと、父親であるA君がセコンドになってテレビで観られる機会も増えるでしょうし、数年後現実にそうなるような気がして楽しみであります。プロレスラーみたいに貫禄がついてしまったA君ですが、いつか会える機会があれば彼の人生についてもいろいろ伺ってみたいところです。あれから二十年、もう気軽には会えないかもしれませんが…


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-10(Tue)
 

笑い溢れる殺陣クラス

 一晩経っての講習記事。窓際で午後の日差しをカーテンで遮りながら書くのは新鮮に感じられるほどこれまでにも少ない。

 就寝前と就寝後では一日の出来事を振り返る感じが異なるが、幸い午後でも窓の外は静かな環境なので、今日おこなうさまざまな作業の前に記すとしたい。

 
 昨日は深川スポーツセンターでの講習。予約の関係上ずっと柔道場が続いていたが、ひさしぶりに剣道場を利用できました。
 剣道場のほうが鏡の前に奥行きがあり、とくに最初に行う脚部鍛練稽古では、生徒達との距離感が遠いと感じます。

 雨か曇りの印象がつよい深川での開催ですが、最寄り駅は東西線門前仲町駅、また京葉線越中島駅があり、いつか行ってみようと思うのですが、目の前の国道463号線清澄通りを門前仲町方面と反対側に向いますと、割りと近くに相生橋という橋が見えます。それを渡れば石川島、そのむかし人足寄場があった場所です。人足寄場といえば、鬼平犯科帳で有名な長谷川平蔵宣以がその構想と実現に大きく関係しておりますが、その後ペリーの来航をキッカケに軍艦の製造拠点となり石川島播磨重工業が誕生し、現在のIHIに続いております。

 その昔、六年ほど製鉄所で働いておりましたので巨大なブロワーやタービンを監視室から運転したり現場で点検作業などおこなっていた経験からIHIや石川島播磨重工業という名前にはピクンと反応してしまうものです。

 話が逸れてしまいました。

 殺陣クラスの講習では、簡単なセリフをつけておこないました。このセリフというのは効果的な働きがあり、その言葉に見合った動きやリアクションが導かれ易くなります。そして、上手く行っても行かなくても楽しいものです。ですがこれが、舞台などで発表しなければならない金銭を頂く価値に値するまでにしなければならなくなりますと楽しめるものではなくなります。誰でも楽しめる場として在り続け、かつそれぞれのレベルに応じた技量の提供をおこない続けて行くことは、一回毎の講習に神経を注いでいかなければなりません。セリフはあくまでその雰囲気に望まれる感情移入の導入やタイミングの向上を図ったものであり、皆さんがここで身につけて頂くことは、剣を通じたその場の雰囲気の纏(まと)い方です。純粋に楽しめる、笑える内容も必要ですので、今後もバランスを見ながら講習をおこなって参ります。

 杖術クラスでは、多くの方がダブル受講で残ってくださり、基礎的な杖の操作をお伝えしながら思わず私の口がいろいろと話しておりました。聴き上手な方というのは特別な才能なのかもしれませんが、そういう方が一人でもいらっしゃれば、脳の回路が何かに繋がったかのように言葉を発していくことがあります。場の雰囲気というのは不思議なものです。音が無くても、その空間のなかに響くものは感じられますし、それは周波数なのか、人間も微かにイルカのようなパルス音を発しているのかも(そんな訳はないですが…)と思ったりしてしまうほどです。

 基礎的な動きをジックリおこないましたので、最後は「両手で幅広く掴まれた際の対応」をおこないました。これの特徴は、差し換えながら後方へ雀を掛けることと、円に入りながら途中で一手間寄り道をおこなうことで相手がシッカリと粘り強くおこなおうとしていても持ってられなくなってしまうものです。こうした互いの情報を身体と意識で感じ取りながらおこなう稽古は一人で自らを観察しながらおこなう稽古とはまた違った楽しみも感じられます。根底には同じ観察が通じておりますが、相手が付きますとより誘われて、観察力が低下してしまいますので、一人稽古での眼、対人稽古での眼、周囲を把握する目、色々な眼を養いながら、気がつけるための段階を皆と共に登って行きたいと思います。

 さて、今日はこれからやらなければならない事がありますので、記事はこの辺にいたします。
 
 次の土曜日の講習は、いつもの戸越体育館ではなく、品川区総合体育館柔道場で12時半からおこないますのでお間違えの無いようにお気をつけ下さい。昨日もお越しいただいた皆様ありがとうございました。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-09(Mon)
 

本日は役者のKさんが正規受講生になられました

 本日はひさしぶりに朝からの講習。ふだん深夜の2時か3時頃に寝ている私が6時10分に起床。昔から寝起きの覚醒は早く、バババババっと準備が整う。同じ生活パターンを何年も繰り返しているので、あまり考えなくても動けるようになったことは楽である。今日は時折雨が降っていたが幸いなことに殆ど外を歩いているときは降られなかった。荷物の多い日はこんなことでも嬉しいものだ。

 
 講習では、いつもの常連メンバー達と体験参加にお越しになられた方が三名いらっしゃりいつものように賑わうものとなりました。体験参加にお越しいただいたY君は、お母様と一緒に体験受講されました。お二人のとても雰囲気が良く、素晴らしい親子関係にあると感じ入りました。先週も体験参加二回目となるM君がお父様と一緒に参加され、後日ご入会の連絡を頂いております。

 杖術では、足の差し換えを使った操法を幾つかおこないました。足の差し換えについては、基礎鍛練稽古に「差し換え突き」がありますが、極力軸足に体重を預けないように動かなければなりません。つまり浮き身の稽古にも適っておりますが、これには、今までおこなっていた動きを選ばず、新たに身に付けた操法を身体が選べるかということが大事になりますので、「自分が本当はどっちを信じているのか?」ということが、技としておこなう場合には露(あらわ)になってきます。

 身体と心は通じておりますので、露になった状態から、どう自らを掘り下げて考えられるかが大事になります。どうして選んでしまうのか?どうしてそうなってしまうのか?必ず全ての事象には原因となる理由がありますので、身体と心の露から、何かを導き出し、そのことについて誤魔化さず前向きに向き合っていくことが、今その人にとって最も必要な稽古と言えるかと思います。

 子供のすばらしさには、自己完結を知らないことと、他の経験を当て嵌めないこと、余計な心理的癖がまだ染み付いていないということです。ですから純粋に吸収が早く、人間としての自然な成長と相まって驚くような成長を見せてもらう瞬間があります。

 大人の場合は、いろいろな人生経験が良くも悪くも働いてしまいますので、そのことを踏まえた上で自らを深く掘り下げ、「自らに対してどう対応していくか」を見つけなくてはなりません。ですから自らを省みる(自省する)時間が稽古の中で自然に出来るようになって行くことが、ただ動きを覚えたり、速くなったり、威力が上がったり、することよりも当然重要な訳であります。 

 杖術の最後は、相手に広い間隔で杖を掴まれた際の対応をお伝えいたしました。これも、上手く行っても行かなくても、相手の状況をつぶさに観察し続けながら、その原因を探っていきます。…とは言うものの、私も昔はそれが出来ませんでしたので、これも身体の使い方と同様に、「さあ、どっちを選ぶか」と選択を求められた際に、ついこれまでの人生でおこなってきた経験の多い動き方をやってしまうものです。

 覚えたことが仇となることは多いものです。それは、身体の使い方としても、更なる進展のためには捨てなければならないこれまで頼りにしていた身体の使い方などもあります。ですので、身体の使い方の基本的な部分が、現代人と昔の時代を生きていた人とは比べ物にならない程レベルが違うと思いますので、元の基準(規矩)が違うこともありますが、日常での癖を捨てられるかということも、武術稽古を通じて日常に還元できる身体の使い方の見直しに通じているものと思われます。それは同時に心とも関わってくるものでしょう。

 最近生徒になられたSさんから、美容院でマッサージを受けていたときに、担当の方から「肩が今までに無いぐらい柔らかくなってますよ!」と驚かれたそうで、後期高齢者でもあるSさんは書道の先生でもあり、やはりお仕事柄肩が凝っていたそうですが、杖術や剣術の稽古を始められて、気がついたらそのようになっていたそうです。Sさんを見ておりますと、同じ年代のOさんもそうですが、適当な運動のためにやっているというよりは、シッカリ見て、盗んで出来るようになろうとされておりますので、運動不測解消や適度な筋肉を付けたいという目的があって始められたと思いますが、次第に、「あの動きがどうやればできるようになるかしら」と言う風に興味の対象が具体的な形となって見えてくるのです。そうしますと、ただ身体のために動く、鍛えるというよりも、脳や感覚に細かな指示を与え続けなくてはなりませんので、上手くいかないことをどうすれば克服できるかという刺激が、高齢者の方にとってじつは大いに稽古としての重要な部分を占めているのです。

 ビジネスとして高齢者を対象にした運動などさまざまに今後も目にする機会が増えてくると思いますが、ビジネスという、最低限必要な収益を上げなければならないという根幹部分がある場合、それは異なるものとして認識しておかなければなりません。しかし、それで、その人が明るく元気に人と接する場を手に入れることができるのなら、それはそれで良いのでしょう。

 続く殺陣基礎クラスでは、役者のKさんが今回で正規受講生となられました。殺陣がよく似合う方ですので、これからもさまざまに丁寧に動きを身に付けて頂ければと思います。周囲の方も良い意味で引き込まれて行きますので、私としましても場の空間を整えてくださる方として感謝しております。

 今回もこのクラスは人数が少なかったのですが、全員役者さん、もしくは役者志望の方でしたので、最後に今日おこなった構えを実際に取り囲まれた状況設定で、目線や首の動き、構えの変化、それらに緩急を付けながら、一人でおこなう場合になかなか思い描けないイメージを持っていただくようにおこないました。これはある意味、基礎の確認をしながらそれに気持ちを込めて動いた場合の心理と動き方を訓練するものとして効果的であったと思います。殺陣の稽古では身体の捌き方に重点を置きますが、成立させるためには、感情や緊張感を演出する仕草も技術として身につけておかなくてはなりません。今日おこなった稽古は、基礎クラスということで、誰でも出来るものとして考案いたしましたが、これは、足運びや構え、距離感による緊張感の調整、効果的に表現力を身につける事が出来るものでもありますので、今後日曜日の講習でもどこかで取り入れていこうかと思っております。


 明日は、13時20分から深川スポーツセンター剣道場で開催いたします。こちらは広い会場で、天井も高く外が見える一階にありますので、まだお越しになったことが無い方は、一度お越しになられてみては如何でしょうか。最寄り駅の門前仲町辺りは色々なお店もあり、講習と合わせて予定を考えてもいい場所です。明日も天候は雨か曇りとなりそうですが、体験参加の方も少ないので集中して観ることが出来るかと思います。「一対四瞬殺」では、簡単なセリフを付けておこないますので、その意図が分りますと笑い溢れるものと予想しております。

 本日もお越しいただいた皆様、ありがとうございました。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-08(Sun)
 

時間内にどれだけのものを引き出せるか

 本日は戸越体育館 柔道場にて三年ぶりにI氏からのご要望で、プロモーション用の撮影をおこなうため、その場で動きを決めて1時間半のタイトな時間内に幾つかの動きを撮影した。

 稽古の合間に軽く撮影するものだと思っていたが、会社を通じてプロのフォトグラファーの方を手配されていましたので、I氏をメインに即興で動きを付け、フランス人のA氏と打ち合わせながら、フォトグラファーの方との連係でおこなった。

 I氏は、日本、フランス、ドバイなどに事務所があるらしく、具体的な事は分からないが、いろいろなプロジェクトを海外でおこなっている日本人の女性である。フランス人のA氏からカタコトの日本語でコンセプトを伺ったが、その熱量は大きく、日本人が今感じているようなことも、海外では同じように感じられているため、その精神性について訴えかける必要があると言っていたように思う。
 
 I氏は普段から剣を殆どやっていないため、この短時間の間に動きをお伝えするのは難しいものであったが、Gold Castleでの講習の経験がこのような場では大いに役立ち、今この瞬間に必要な条件に合うものが、その先を見た経験から予測できる。時間と、求められるレベルと、出来るものを数秒で判断し、それを仕上げていく。

 当然であるが、レベルの高いものを求めるなら、そのような動きの付け方になり、それが出来るスキルが求められる。役者であれば、動ける人が優先的に必要な役どころに回され、そうでない人はなるべくリスクの少ない役へと配置される。だから、役者を目指す方で普段から稽古に参加される方は、どのような現場に行っても、「出来ます!」と即座に答えられるために準備をされているのである。

 撮影を終え、とても喜んで帰って行かれましたので、普段の稽古とは掛け離れた状況でしたが、私にとっても必要最低限な結果を出さなければならない状況判断など得られるものはありました。

 今後もコンセプトが、社会的にどのような考えでおこなっているのかを踏まえた上で、このような撮影などもお受けするつもりであります。


 明日は9時30分から戸越体育館剣道場で(杖術クラス)の講習をおこないます。
 ひさしぶりに午前の部からの開催ですので、お間違えにならないようにお気をつけ下さい。続いて12時30分~14時00分(殺陣基礎クラス)も開催いたします。体験参加のお申し込みは定員となってしまいましたが、楽しみにお待ちしております。ウイルスが気になる方は、マスク着用で受講されても大丈夫です。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-06(Fri)
 

身体が出来て感覚が生まれ無意識が統御する

 先日新宿スポーツセンターが3月一杯利用できないということから、戸越体育館を代替稽古会場として急遽数日分予約をした。本日品川区のサイトを見ると、3月中の新規予約が取れなくなっていたため、早急に手を打っておいて助かった。

 Gold Castle 殺陣&剣術スクールの講習日程は今のところ変更等はございません。
 確認のお問い合わせや、親子で体験参加にお越しいただくご連絡も承っております。世間的にも全てを中止にしたり先の見えない対応となりますと、おそらく今度はもっと大騒ぎになることと思われます。倒産廃業職を失い活動が出来なくなってしまう人が大勢いらっしゃることでしょう。それに関連し強盗や犯罪も増え、全てが後手に振り回されることが考えられます。そうならない世の中であってほしいと願っております。

 講習や稽古につきまして不安のある方はマスクを着用しておこなっていただいて構いません。会場の換気にも気を付けたいと思っております。


 さて、水曜日の稽古では五月からおこなう新たな立廻りの研究に入る。思っていたよりも一回で形が決まってきたが、杖についても今度は取り入れようと思っているので2パターン作っておかなければならない。ジックリ検討する時間があるので、あまり長くなり過ぎない動きを考え、生徒達に興味を持ってもらえるものにしたいと思っている。

 体術稽古では、「触れ手落し」を今一度確認。ここで解った事は身体の中心を合わせることが大事であるという事。その中心を私の場合中丹田の辺りで合わせ、その合わせの元となっているのが後ろ足であることも解った。後ろ足というのは目立たないが大事なものであり、踵を上げてしまうと全く働きが死んでしまう。下まで潰せる場合と、途中で止まってしまう場合の違いはこの中心のとり方における身体の向きが働きに大きく関係している。だが、首の痛みが少ないとはいえ、杖の「お辞儀潰し」や、木刀での「峰返し潰し」、そして素手による「触れ手落し」など相当おこなってきた。いずれも首に触れておこなっているため、大丈夫であると思うが、今後少し控えようかと思っている。それは、もう少し威力の出そうな方法を思いつたからであるが、恐らく頚椎を傷めかねないものだと予測できるため、試したくなる危険性を無くすためにもしばらく「触れ手落し」は寝かせておこうと思う。

 続いて「引込潰し」をおこなった。これは昨日の甲野先生との稽古で、先生に驚かれたものであるが、左右反対になると技が掛からなくなってしまうため、あらためて検討してみた。

 やはり反対側の手でおこなうと、それなりにはなるが別物であり、これは何回かやっていると出来るようになるという気がしないので、左右逆でも出来るようになろうとこの技に関しては思わないことにした。おそらく身体の規矩(かね)に関係していると思われるが、規矩が技を成すのであれば、左右の違いがあることは大いに納得出来る。その規矩とは稽古で身につけるものなのか、もっと根源的な身体そのものが関係しているのか今はまだ解らない。

 出来なかった側を掴まれた際に、反対の手に持ち替えなくとも、規矩のある側で同じく引き込んで潰すことが出来た。これは両手で掴まれても同様に引き込んで潰せる為、この「引き込潰し」の有効さには今でも信じられない感じがしている。

 この日の稽古で、身体のさまざまな箇所を探りながらその手続きを感じ修正しながらおこなっているときに、フト「考えを当て嵌め過ぎず行けそうなところに行く」と、そこが技の待っている部分ではないだろうかと感じられるようになり、まだまだそうした実感は得られないのが殆どであるが、その感じが僅かでも得られたことは大きい。つまり、規矩による利きが生まれるには、「身体が出来て感覚が生まれ無意識が統御する」ということであろう。そうした稽古中に口を衝いて出てくる言葉から自分で気付かされることは多い。

 杖術でも同様に試して見たいと思ったことがまた新たな技の考案に至った。
 今回は稽古前から試してみたいと考えていた、相手が杖を掴んできた際に、これまでのように、両手の幅が狭い場合には「捧げ首潰し」が有効であるが、掴まれた両手の幅が広く、杖の中央辺りにまで広く持たれた場合の対応として、何となく何か出来そうな気配があった。そこでこの日の稽古で渡部氏にシッカリと持ってもらい、数回試みたところ「ああ、ここで崩してこの方向に入れば弱いな」というのが解り、さらに円に行うよりも、部分的に直線的な操作を入れたほうが利きが良く、互いに交代しながら検証することが出来た。これはまだ名前が思いつかないが、今週土曜日の講習でおこないたいと思う。

 火曜日、水曜日と二日間で得たものは大きかった。今日はもう既に深夜1時半を回る頃であるが、一日の間に記事を三つも書いてしまった。明日は三年前に何度か稽古した方から個人稽古の依頼が入っており、写真や映像を撮るためのアシスタントも来られるらしい。今は会場が使えることが貴重になってきたので、明日は時間を大事に味わいながら色々な対応に備えたい。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-06(Fri)
 

生きていくための状況とは

 火曜日は「クラーチ剣術教室」から帰宅後、自宅から公園までの往復と公園を一周し合計7㎞を走る。昨年2月に休憩を挟みながら28㎞を走ったものの、その後オーバーペースで脹脛を傷めたため、今年は身体の声を聴きながら鳩尾辺りの心地良さを外さないようにおこなっている。数年に渡って原因を探っていた脹脛の問題は、過度な自重の衝撃を多く行っていたことが原因であると突き止めたので、おそらく今年はこれまで数年間上がっていけなかった走れる身体に戻れると期待している。

 帰宅後、急遽夜から松聲館へ伺い甲野善紀先生と研究稽古。

 私の場合幸い電車ですぐに通えるところに住んでいるので、先生の新しい気付きや剣術などで遅い時間からでも伺えることは現在の家に住んで十六年目を迎えますが、七件目の不動産屋で決めた甲斐があったというものです。

 この日は、今までになく具体的な技を先生にお伝えしようと三つほど先生に体術と剣術を受けていただきました。

 それは、この2020年3月3日が私にとって忘れられない日となる、今までにないものとなりました。

 この時に気が付きましたことは、出来るものと出来ないものには、明確な身体の規矩(かね)が関係しており、その規矩に従って身体と言うのは自然に動いていくものであるということに考えが及びました。

 ですので出来ないものは、直ぐには出来ないものであり、その働きに至る身体全体の規矩をどういった稽古で育てるかにあると思います。

 もう少し具体的に稽古記事を書きますと、先生に受けて頂きたかった三つの技のうち、「触れ手落し」については、まだまだ課題が残りました。これにつきましては翌日の稽古で、威力に差がある原因が身体の向きの僅かな違いにあることが解りましたが、初期の頃よりも威力が上がったとはいえ、少し力で行っている感じがありますので、首から崩すという事もあり、技としての好みというか、その一貫性においては、初期の触れ手落しが目指していたものから威力を求めたことで少し外れてしまったような気がいたします。

 続いて、体術の胸元を掴んだ状態からの崩しにおいては、小太刀の「引込潰し」の応用で考えたものですが、これには先生も驚かれ、何度もその働きを検討し、先生の中でも新たな動きが生まれました。これは、力でなく、相手の足元の踏ん張りが利かなくなるような働きがあり、手首の方向やそれに連動する身体各部の働きが、なぜだか解らないほど腰下を弱くする働きがあるようです。

 未熟ながら私としても、右と左では全く働きが異なり、左で受けて右で潰す分には、何も考えずに何度やっても手続きが整うのですが、右で受けて左で潰すには、全く出来る気がせず、その通り出来ないのです。この時に先生から身の規矩の言葉を聴くことになりましたが、この左右の違いと言うのは「規矩の違い」が大きく関わっているように思います。

 剣術では、先生の技である「鴫返し」を参考に研究した鍔競り合いからの技を受けていただきました。これも先生から何度もその技の検討をおこない、仔細に点検し有効であることが確認できました。さまざまに「こうなった場合は?」「では、この場合では?」という中での検討作業は、私にとっても今までに無い先生との稽古であり、いつも先生の技を見て受けていただくばかりだった、役に立たない自分に、微々たるものですが、こういう時間が訪れたことに、素直に嬉しく、そして感動いたしました。
 
 その後先生の剣術では、体術からの発展で今までに無いほど誘われてしまう独特の拍子に何度も籠手を打たれ、ユッタリとしているのですが、 無意識的な反応が誘いを選んでしまうもので、どうしても反対側への反射が発動されぬまま、誘いに掛かってしまうのです。おそらく、無意識のタイミングをズラしたものであると思いますが、そこを誘われてしまうと成す術が無いままに打たれてしまいます。今まで経験したことの無い誘いの間であり、間は魔であるとも言いますから、術というものの奥深さを痛感し、あらためて古の人たちは、こうした人間の持つ働きを深く考えて働かせていたのだと思いますと、現代人は途方も無く人間を知ろうとする能力が欠如してしまっているのだと痛感いたします。それを現代でも全国で多くの方に直に手を合わせてお伝えされている甲野先生はその現代人の欠如を気付かせてくれる、人が人として生きるためのヒントを与えて下さっている方であります。

 人との出会いで人生は大きく変わるものです。出会えるための状況と、出会ってからの状況が、生きている中で整えておかなくてはならない状況と言えるでしょう。生きていくための状況とは一体なんなのかを、我々はあらためて検討しなおさなければならない時期に来ていると思います。

 この日の素晴らしい一日に感謝しております。ありがとうございました。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-05(Thu)
 

踵が上がらず膝が開かない角度が後ろ足の角度

この二日間もまた色々と展開がありました。世間の騒ぎとは別にいつもと変わらない日々を送らせていただいております。

まずは火曜日から。

この日はいつものように「クラーチ剣術教室」へ。更衣室代わりに使わせて頂いている入浴場ではタイミングよくお風呂から上がられた85歳のTさんとお話しするのがいつものパターン。この時間帯はT他に利用されている方が殆どいないため、僅か数分の時間ですが、数年間続いておりますので、楽しみな時間となっております。

 入浴場を出て、右に歩いて十数メートル程の所に講習会場があり、開始時刻の7、8分程前ですので既に殆どの方が自主稽古されております。

 「おはようございます!」と入室し、皆さんの笑顔とワイワイ談笑されているのがいつもの風景です。このワイワイ談笑されている雰囲気というのは、その空間の特色にもよりますが、こうした高齢者の方々が集まって何かをされる場としては自然であり、良いものであると感じております。ですので、私の稽古会や講習会はそれぞれ全く雰囲気が異なるものであり、私自身も自然に、そこにある最も重要な役割に沿って切り替わっているのだと思います。

 杖ではこのところずっと「轟之型」を続けておりますが、興味をもって取り組んで取り組んで頂いているのを嬉しく思います。最後に回転する箇所がありますが、他の講習でも殆どの人は回転する際に下を向いてしまうため、「遠くの人を探すように回って下さい」とお伝えいたしました。こうした言葉によるイメージというのは、自らの経験で覚えている感覚を瞬時に引き出しやすくするものですので、最初はそのようなイメージからおこない、徐々にそのイメージが無くとも身体が遠くの人を探すための感覚から、型の中で回る感覚を掴むようになり、意識のコントロールで掴んでいく部分もあります。

 私も最近になってですが、これまで意識でどうにか考えながら判定していたものを良く解らぬままに行けるという感覚が先に行動を促すようになってきた部分もあり、出来るというのは、意識よりも先にある身体の何かしらの経験値があっての事であると思うようになりました。そのことについては翌日の稽古中に言葉に変換され気が付きました。

 剣の講習では、これも何週かに渡って興味を持っていただいている「柄奪り反し斬り」をおこないました。
 解らないと思いますが動きを全て書き綴りますと、これは相手が刀を抜こうと柄に手を掛けるタイミングに、右手と右足が前方に伸びながら、相手の柄頭、もしくは柄の上部に右手を掛け、流れに沿って左足が回り込むように入り身に入り左手で右手の左側の柄を持ちながら右手の持ち手を柄の下側へと回りこませます。その流れに沿って右足が開きながら背中を相手に押し当てるように両手で右斜め上に引き上げ、刀が抜けましたら、右手を左手の下に位置し直し、右手手の甲側を当てながら杖術の廻し打ちのように押し込んでいきます。同時に左足を右回りに回りこませ、その最中に抜き取った柄が手之内に収まりますので、両足で相手側に回りこんだのち、距離を取るため右足を引きながら物打ち所を相手の後方の首へ付けます。

 これは、最初に柄を右手で押さえた瞬間、相手が無理に抜こうとすれば抜きやすいものですが、抜かれることを察知して柄に手にかけた右手を鞘の鯉口側へ押さえた場合は、相手の右前足を踏んで鞘を上方へ持ち上げれば相手は倒れやすくなります。尤も実戦的には当身や足を掛けたりということになるかと思いますが、それらを無しに、身体に経験させておく無意識へのヒントは重要であると感じます。

 講習後は、ここのレストランで皆さんとお食事。
 先月に続き今月もDさんとお会いいたしましたので、Dさんのテーブルに皆さんと座って一時間を超えて楽しいひと時を味わいました。7月で91歳になられるDさんもクラーチ剣術教室開講当時の生徒さんでいらっしゃいましたので、体調の事もあって今は辞められましたが、当時のようにみんなと一緒に食事が出来るのは楽しみであります。

 記事のタイトルは、このことを本文中に書きそびれたので、強引にタイトルといたしました。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-05(Thu)
 

信じて長く見守ることができるか

 3月から不定期ではありますが、土曜日の講習に加えて日曜日の講習でも二部制でおこなう事になりました。

 二部制でおこなったため、いつもよりは少なくなると思っておりましたが、ウイルス事情により想定の半分以下の参加人数の中で、マンツーマンに近い(マンツーマンとなった時間帯もありましたが)状態での講習となりました。

 そんななか、今日は約一年振りに高校三年生のK君が大学受験を終え復帰されました。中学一年生からずっと毎月通って来られた生徒で、今回初めて受験勉強のために一年間長期休講されましたが、「勉強は大変だった?」と訊いてみたところ、「いえ、自分でテーマを決めてやっていたので、あんまり勉強をやっていたというような気がしていませんでした。」と驚きの回答!素直な彼の言葉でしたので、ああ、ほんとうに一年かけて自分で考えながら勉強していたのだと感じ入るものがありました。
 どこの大学?と訊くと「H大学です。」と、市ヶ谷にある大学に無事合格されたそうです。
 
 第一部の講習ではそんなK君と、中学三年生のK君の二人とおこないました。中学生のK君は午後から塾のため殺陣クラスのみで帰られましたが、その後の剣術クラスでは復帰されたK君とマンツーマンで自由におこないながら、最後の10分間ぐらいは講座のような会話中心の講習となりました。それは、私がそうしようと思ったのではなく、K君の興味と集中が私の何処かに刺さるものがあったので、この稀な状況は何かの流れの中にあるものだと感じ、K君の素直な心に引き出されるまま、私が最近感じていることや、考えが纏まってきた事を彼にお伝えいたしました。その聴いている間の反応というのも今までに感じられなかったものであり、やはり一年間の成長というものを今回は、内面的な部分で強く感じ取ることが出来ました。何にせよ、昔から真面目で真っ直ぐな生徒なので、それが不器用に働く面もありますが、そのぶん信頼は揺ぎ無いものです。約束どおり、一年で(正確には11ヶ月間ですが)一年前と同じように訪れて下さったことに、今日は条件が重なってマンツーマンで講習が出来る環境にあって良かったと思います。実は彼とは5~6年前にも戸越体育館の柔道場でマンツーマンで講習をおこなったことがあります。あの日は会場が取れたため、一日に三コマ開催し、その朝からの講習に彼だけが来てくださったものでしたので、当時は中学の体操着で、まさかマンツーマンになるとは思ってもいなかったようで、緊張しながら私の話を聴いていたのを思い出します、当時も、最後に予定を変更して話が多くなったように記憶しております。

 先に帰られたK君も、いつも会場一番乗りで訪れ、たった一時間の講習のために電車を乗り継いで他地区からお越しいただいていることに頭が下がる思いがいたします。とくに世情が外出を禁じている中で、親御様のご理解とご本人の気持ちがあってのことですので、感じるものはあります。

 第二部では、二ヶ月ぶりに俳優のSさんがお越しになられました。前回12/28(土)の金山剣術稽古会に参加されて以来の稽古となりますが、あのとき身長差のため上手くいかなかった「触れ手落し」を試す機会だと、三倍以上は威力が上がった触れ手落しを受けて頂きました。

 身長180㎝はあるSさんの首に手をそっと当てると、「これはさすがに、威力が上がっても厳しいのではないだろうか…」と占ってしまう誘いが出てしまうが、いざ試みてみたところ、手が地面に付くまで崩すことができ、Sさんも首を捻って不思議に思われておりましたので、再度試みたところ膝が床に付くまで落すことが出来ました。この時は私の整い方も良かったので、Sさんも納得の崩され方だったのではないかと思われます。

 それにしても、12/28の稽古納めで、前に動いただけで出来なかったものが、膝が床に付くまで落せるようになったのには自分でも驚いた。今後もっと何かに気が付けば、さらに強力に落せるかもしれない。まだ時間を掛けておこなっているため実戦的ではないが、精度を上げたのち、実戦的状況設定を考えてこの触れ手落しを考えて見たいと思う。

 剣術では、両足の寄せに、昨日土曜日の講習でもお伝えした、後ろ足が開いてしまうと前方への推進力が外側へ逃げてしまい、重心移動が上手くいかなくなることをお話いたしましたが、今日はそれに関連して、寄せ足の後ろ足が股関節のロックというか、外側へ逃がさないことで、一度止まった前足が後ろ足のスライドを受けて再びスライドすることをお伝えいたしました。これは新宿スポーツセンターなどで昔から「アメンボ」といって、壁まで三歩で手が付くように、段々と距離を伸ばしていく稽古です。スケードボードに乗ったような感じで楽しみながら重心操作の感覚を養っていくものです。尤も地下足袋のような裏がゴムのような履物では行えませんが、裸足の場合は足裏の内側や外側のエッジを立てておこなうことで地面との接地面積が少なくなることで摩擦係数が少なくなり滑りやすくなります。新宿スポーツセンターでよく拝見する新陰流兵法の剣術では爪先を上げて踵で床を滑っていくような操法も見受けられました。脚足の運用と剣や腕などとの調和の一致感が、目で確認するものではなく、自分の体感で感じられる瞬間がありますので、そこを審判にして稽古に取り組みますと、夢中に成らざるを得ない瞬間がたまに訪れるものです。それは回数をやるためにではなく、気のせいなのか本当なのかを確認せずにはいられない、今までと異なった現実に立ち会った瞬間であり、それはやめられない瞬間でもありますので、身体の求めに応じて身を任せることです。

 今日の講習で、毎週二コマおこなうものではありませんが、時折少人数で集中的に取り組むことで、アドリブ的な進行や発見があったり、濃い密度の中で互いに伝え合うことが出来るものです。人数が多いときと少ないときのバランスを作りながら、よりよい講習になるよう導いて行きたいと思っております。

 本日もお越しいただいた皆様ありがとうございました。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-02(Mon)
 

いろいろな事が自然の一部

 閏日となった土曜日は、戸越体育館にてGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。

 昼からの剣術クラスでは、最後におこなった「鍔競り合いからの刀奪り」をお伝えいたしました。これは先日の木曜日の稽古で、生まれたものであり、「鍔競り合いからの潰し」に変わるものが何か出来そうな予感があったので、渡部氏を相手におこなったところ、数回試みてこの刀奪りという動きが見つかりました。記事にしようと思っておりましたが、抜刀術の新たな展開の事で書くタイミングを逃しておりました。

 講習では9歳のYちゃんが上手で、ニコニコといつもの笑顔の中でよく見て習得しております。上達の早い人は年齢に関係なく、近くからでも遠くからでも良く見ているものです。そこで何を見ているのか、見たものをどう変換させているのか、という部分が大事になってきます。興味を持って取り組むと、集中と脳の回路が上手く働き易いのではないかと思われます。そして上手く行くことでそのサイクルが続いていくのだと思います。

 しかし、興味が落ちたり、上手くいかないことのサイクルが続いてしまうと、停滞し諦めてしまうこと場合も考えられます。興味を持っておこなうためには自分勝手になり過ぎないこと、または、言われたとおりにしかやらないこと、伝えていることや動きを見ている中で見逃してはならない部分があることを知っておくこと。これは、私が講習などで多くの方を見てきた中で感じたことです。感受性の部分もそうですが、言葉の雰囲気から「盗むポイント」が必ずそれぞれのどこかにある筈です。目は視野の中だけでしか把握できませんが、耳は常に把握出来るものですので、傍にいない間も常に全員に関係のある事をお伝えしておりますので、上達を望む人は自然と集中力が高まってくるものです。

 Yちゃんも少し身体が大きくなったのか、現在使っている木刀は私が加工したもので、ジュニアサイズの木刀よりもかなり短いため、そろそろYちゃんも使いにくくなってきたのを感じておりました。一般的なサイズの大刀を持たせてみてもやはりまだ重たいようで困っておりました。そうしたところ、小学六年生のK君が自身の判断で「僕の木刀を使っていいよ!」とジュニアサイズの木刀をYちゃんに貸してあげてくれました。K君は私が用意していた一般的なサイズの大刀を使うことで対応して下さいました。

 私はまったく考えていなかったことでしたので、K君のその場での対応は素晴らしかったと思います。彼にもまだ少し重たい一般的なサイズの木刀ですが、自分よりも年下の生徒が困っているのを見てすぐにその判断が出来たことに、他の大人の生徒達も感心したものだったと思います。さいきん、帰りの時には皆さんと一緒になって帰っているそうですので、そうした時間も彼にとって良い時間になっているものと思われます。

 大人の生徒の皆さんも、少年少女達の熱心さに目を奪われながら負けじと励んでおられました。70歳代のお二人もこのご時勢に流されず、熱心に取り組まれておりました。今を生きる、なんのために生きているのか、これまでの取り組み方、これからの取り組み方、人それぞれにあると思いますが、そこにもっと大きな学びが秘められていると思います。

 夕方からは殺陣基礎クラスをおこないました。
 このクラスはまだ新設して数回目という事もあり少人数でありますが、何人かの方から「このクラスがあって良かった。」というお声を頂いております。このクラスの参加人数を増やしたいという考えはありませんが、ジックリと私が「飽きてしまわないか」と不安になってしまうほど基礎的な内容ばかりをおこなうクラスですが、今後もこの内容で殺陣基礎クラスは継続して参ります。

 
 私自身にも今日は発見がありました。

 それは昼間の部と夕方の部の合間に一時間ほど空き時間があり、一人木刀を持って正面斬りをおこなっていたところ、僅かに落ちて行きながら剣を上げることで、身体への無理なストレスが解消され、手順が微妙に変わったことで何とも気持ちよく正面斬りが出来るようになった。お陰で右手人差し指の横側の皮が向けたが、今までも背中を使うことで振り下ろす際の身体への負担を軽減させてきたが、今回の上体が沈みながら剣を振り上げて追いかけるように振り下ろす中での手順の一致では、さらに身体への負担が消えていった。なぜ?どうして?という疑問と、本当に?何度やっても?という興奮に、ひたすら正面斬りを繰り返したが、これは合間の空き時間であったが、このような僅かな時間でも大きな気付きとなることもある。袈裟斬りに関しても、微妙な脚の位置と引き上げにより振りに関わる重心の使い方が変わってくる。これの微妙さにさいきん気付いたが、私の判断基準として、止められなくなるほどの実感が得られるかどうかという点が大きなポイントになっている。

 なんというか、いろいろな発見は何かしらの繋がりが意識的にも無意識的にも流れの中で起きているものなので、あらためて稽古は発見の連鎖であり、一回一回を想定せず、真摯に向き合っていくものであると感じている。

 明日は品川区総合体育館剣道場で、昼間の部と夕方の部を開催いたします。ダブル受講も歓迎しておりますので、体調を見て無理の無いようにお越し下さい。本日も皆様ありがとうございました。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-01(Sun)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

お問い合わせ

名前:
メール:
件名:
本文:

管理画面
月別アーカイブ