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自らの身体を教育する意識

 本日は夜から高田馬場にてT氏と稽古。

 その前に四十分ほど抜刀術の一人稽古をおこなった。

 「懐月」に一つ得るものがあった。

 それは、初動時における鞘の使い方であるが、「押しても駄目なら引いてみな」的な発想になり、この場合「引いても駄目なら出してみな」ということになる。この懐月では、構えの時点で鞘引きをおこなうといっても極僅かしかその引ける長さは残っていない。そのため、思わず「じゃあ、引かずに出しちまえ」という考えになり、右手と共に極々僅か鞘も右へと出している感覚で引いてみた。すると、鞘離れの音は小さくなったものの、精度が向上し僅かではあるが以前の抜きよりも良いように感じる。数十本抜いたが、これはまだまだ日をあらためて検証したい。この懐月は、右手手之内の操作が難しく鞘出しがなんらかの負担を軽減させているのかもしれない。鞘離れの音が小さくなるのに反して抜き心地が良いのが不思議であるが、得てして新しい動きは、評価したくなるものなので、もうしばらく様子を見て採用に値するかどうかを見極めたい。

 しかしながら、抜刀術では抜く前の一手間を鞘の操作に用いることは幾つかある。「急がば回れ」とはよく言ったものだ。

 T氏との稽古では、脚部鍛練稽古「蟹の前歩き」「雀」「蛙」をおこなった。「蛙」は僅かでも大殿筋が筋肉痛になるので背中と同様に背面にあるこの部分は見落としがちな働きをもっていると思われる。大殿筋は真っ直ぐ立った際に骨盤を前傾させれば緩み、逆に後傾させれば硬くなる。また、古流の構えのように足を前後ソ之字立ちにし、腰を反るように胸を張って骨盤を前傾させると硬くなる。そしてふだんおこなっている背中を張って胸を内に入れるようにし骨盤をやや後傾させた構えでも大殿筋はやや硬くなっている。

 意識しにくい部位ではあるが、つま先を内側に向けるか外側に開くかだけでも臀部に対する緊張は全然違ってくる。そうした大殿筋の緊張と緩和が今後何かしらの気付きに発展していけばいいが、今のところは遣える身体の必要な部位として認識している程度である。

 その他には、仰向けに寝た状態から「蠢動」を掛けながらゆっくり起き上がったりゆっくり横になったりすることが楽に出来た。何回かおこなったあと腹筋が負けてしまい攣りそうになってしまったが、この動作は腹筋に負荷が大きい。私は元々ボクシングをやっていたので、腹筋は長年やっていたが、武術を初めて一年程してから腹筋運動なるものは完全に止めたのである。それは、筋トレ的なものを別時間でおこなってしまうと、稽古時間は回復時期でもあり、そうした筋疲労の状態では稽古にならなかったからである。手順手続きを一瞬の間で精度を保ち調和して動くには、余計な身体の状態は著しく感覚の邪魔をしてしまう。だが、筋肉は無くてはならないものなので、どういう動き方で身に宿すかを最優先に考えておこなえば、鈍い身体ではなく繊細な身体に近付いていくのではなかろうか。身体に何を教え育てていくかによって、その手段や方法も多種多様となる。自ら身体を教育する意識が重要なのだろう。

 身体にはおそらく、硬い部分と柔らかい部分がその求められる動きのなか、絶妙な配分でコントロール出来ることが重要だと思われる。それは意識に出来ない部分でも繊細に身体に働き掛けているものと思われるので、硬さだけでは微細な働きによる大きな効果が得られにくいように思っている。あまり、想定だけで書いてしまうのもよろしくないが、柔らかさに眼を向け、柔らかさに逃げずに硬さも併せ持ちながらこれからの身体の運用法を追求したい。自分が持っている柔らかさということかな。

 それにしてもジワリジワリとした気付きであるが、そのジワリが無ければ先に行けない。これからもジワリを感じられる日々の習慣に身を投じながら、せめて頭だけでも柔らかくはありたいと願うところである。


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2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-30(Tue)
 

身体からの導きをだいじに

 七月も残すところ明後日まで。関東甲信は本日梅雨明けとなったが、今年は梅雨寒が続き日照時間も記録的短さであった。これから夏本番を迎えるが、夏の実感としては短いような気がしている。


 さて、昨日のGold Castleの講習は深川スポーツセンター柔道場でおこないました。
 殺陣クラスでは、柔道場ということもあり久しぶりに倒れ方の稽古をいたしました。畳の上ですので存分に倒れる稽古ができますから、全体的に見ても短時間で斬られた後のリアクションがかなり上達しております。

 倒れる際の安心感というのを身体に覚えさせるところから始まり、徐々に衝撃の逃がし方を緩めていきます。身体というのはそうして体感した衝撃の逃がし方を無意識的にも記憶しておりますので、その安心感の中で予測しながら動きに対する信用を得ていくのです。

 基本的な体捌きの技術を身につけたのち、バリエーションを増やして斬られた際のリアクションから倒れ方や倒れた後の形までを丁寧に繰り返しおこないます。

 お尻がドスンと落ちないこと、背中を打ち付けないこと、手を付かないこと、頭を打たないこと、鞘を下敷きにしないこと、そうした気を付けなければならない制約の中でおこなうのですが、ある部分の身体の使い方によって安心して見栄え良くおこなうことが出来ますので、柔道場でおこなう際にはこうした稽古を重要視しておこなっております。

 動きの中で私が作っているもの決めているものは、まず第一に私が剣術を通じて学んだ身体の使い方(身体観)が動きや形における審判となって私に指示してくれます。これは昨日の講習でもお伝えいたしましたが、身体各部分を把握する習慣を身につける事で、自らの姿勢における癖や修正ポイントを掴むことになりますが、最初は誰でも大変なものです。動きを覚えるのと同時に自らの身体各部分を把握することに意識を分散させなければなりませんので、頭も使いますしそのための集中力も維持しておかなければなりません。

 しかしながら、脳は意識にあるものより遥かに優秀ですので、自然と全体的な身体の位置や癖などを心地良さや違和感というもので教えてくれるようになります。それがなぜなのかは私も不思議に思っているところではありますが、おそらく無意識の中にも、その先の動きに対する予測や感触を身体が先回りしており、逸れに対する実際の動きが伴っているか否かによって、そうした心地良さや違和感というものが身体を通じて意識下に判定を出しているのではないかと考えます。それは見栄えにおける角度や位置ではなく、身体内部における整った状態から感じる実感だと思います。それが結果として見栄えにおける角度や位置というものに通じているのだと言えるでしょう。

 ですので、剣術を始めとした武術から学ぶ身体観というのはとても重要であるということです。

 それを自身で会得していくには、日常における稽古の割合を(脳内稽古も含めて)増やしていかなければなりませんが、とくに一人稽古における身体からの判定を感じるようになるには、視覚に頼らずに自らの内にあるものを引き出せるような心理状態でおこなう必要があります。表面的な数や時間で達成感を味わうのではなく、邪魔になる意識を持ち込まず、感じるように動き、失敗し、修正するということを繰り返していく中で、身体が選びたがる方を意識が制することなく採用してみるのです。そこに思わぬ進展の欠片が隠されていますので、稽古ではそうした発掘作業的に気になることは失敗から学ぶようにおこなってみることが大事であると思います。

 ですから私も含めて、身体の求める進展を意識が制してしまわないように務めることが稽古ということなのでしょう。


 立廻りタイプMでは、これまでおこなっていた前半部を一部変更し難易度を下げることで見栄えを優先いたしました。これにより、動きを覚えて立廻りがスムーズに進んでいくものと思われますので、今後は先に進めるように行っていきたいと思います。


 続く杖術クラスでは、想像していたより参加人数が多く、体術などの興味深さを以前の記事に書いておりましたので「これは、期待を裏切るようなことはできないな…」と覚悟しながらも、結果としてかなり盛り上がった講習になりました。

 まず、杖を使っての引き合いでは、片足と両足、それぞれをおこないましたが、まさに講習の最初におこなっている鍛練稽古の働きが動きの肝と言えますので、そうした力の使い方に興味をもって取り組んでいただくことができました。

 とくに「雀寄せ」では、雀を掛けることで相手が雀を掛けさせられるというものであり、これを何人かの方に受けていただきましたが、私より体の大きなKさんや中学一年生のS君など声を上げて驚いていたのが印象的でした。これは何度か講習でおこなっていますが、雀を掛けさせない「雀返し」も含めて全員楽しくなる内容ですので、私も終始楽しみながらであちこち観にいっておりました。

 後半の体術稽古では、座りから中心を取る稽古をおこない、続いて「浮き」を掛けた状態での身体の状態をそれぞれ全員が体感できるように進めて行きました。続いて立っておこなう蠢動では、身体の頑丈さ、足が浮かされ難くなることを体感していただき、それを掴んだ後再び座りでの、「浮き」に対する「蠢動」での対応を体感していただきました。それぞれ皆さんがペアを組んで、私が最初に説明したのち、あとは自由にやっておりますので、意識の持ちどころや集中箇所というのは自然と導かれて行く部分があります。これが体術稽古の最も優れたところではないかと現時点で私はそのように感じております。

 このほか座りでの「影絵」もおこないました。私としましても自らの稽古で有効だと思えたものが、こうした講習で色々な方がおこなった際にどのような反応になるのかはとても重要なことであります。一人稽古や少人数での稽古が日の目を当たる瞬間でもあります。皆が驚いてくれたり喜んでくれたり、真剣に夢中になって取り組む様子は嬉しいものです。そうした感動がこれからも続いていくように、私自身日々の稽古を精進し務めていきたいと思います。

 まだまだ未熟な講師ですが、皆様お越しいただきありがとうございました。


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2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

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2019-07-29(Mon)
 

自分の時間をどう使うか

 本日は戸越体育館にてGold Castle の講習をおこないました。杖術クラスの講習では新たに「下段受払い突き」をおこないました。

 これは実戦的な間合いに対する体捌きや、そうした近接間合いからの払い、さらにはその後の突きに至る足運びなどが稽古の特徴です。

 通常の稽古では基礎的な動きを身に付けるために打ち合う間合いや、打つべき場所というのは安全な位置で精確におこなっておりますが、実際には間合いは詰まりますし、打つべき場所は杖ではなく、杖を持っている手を狙います。ですから、杖というのは滑らせながら行う必要があり、型稽古の中で動きを練り、さまざまな操法を習得していくためには間合いを保っておこなう必要性もあり、そうした中から動きを抽出いたします。今回おこなった「下段受け払い突き」では、これまでおこなっていた払い方や突きに順ずる脚足の手順が通用しない場面も出てきますので、そうした厳しい間合いの中で、基礎的に身につけた払い方や脚足の手順をいかに組み替えて対応できるかが求められます。

 当然こうした間合いでおこなう場合には危険な要因が幾つか考えられますが、そうした危険要素を精確に把握し制御していくなかで、怖さというものが徐々に感じられなくなり冷静に対処できるようになります。冷静に対処できるようになるということは、身体各部の把握や如何なるときでも自己観察を怠らないという目が養われるという事でもあります。気持ちが入り過ぎたり、恐怖心に身がすくむ場合は、そこに意識が分配されてしまい、先に述べた事柄に対しての配分が足りなくなってしまうという事だと思われます。

 武術と演劇が通じているというのは、こうした自己観察に至る把握力が求められ、そのなかで自在に立ち居振る舞える心身の状態に整っているかということだと思います。すなわち、こうした武術に関する稽古は演劇稽古の一環ともいえるでしょう。自他を観察しそのなかで何に気が付けるのかということ。そのなかで、丁度良い所が見つかればそこが技の発見、芝居で言えば魅せられる瞬間ともいえるのかもしれません。そこに気が付くための稽古の在り方、意識の置き方が身に付いていると何事に関しても的を得たその場の在り方に通じてくるものと思われます。しかしながら、そうした事に気が付けば付くほど、自分自身にとりましてもその場の対応という事の難しさを痛感いたします。指導者としての立場から未熟な部分を日々痛感しております。

 最後に「三十連円打」をおこないました。私も毎度講習でいろいろな内容をおこなっておりますので、三十連円打に関しましては、講習で行うその都度覚えている人が減っているような気がいたします(笑)。まあ、飽きられなくていいのですが、覚えたところからが動きの稽古になりますので、早くスタートラインに立ってくださいね!


 七月もGold Castleとしては明日で最後になります。今週は珍しく土日とも現時点で体験参加のお申し込みは頂いておりませんが、八月のお申し込みは何件か頂いており、若い方々や高齢の方もお越し頂ける予定です。金山剣術稽古会の方もお申し込みを頂いておりますので、少しずつですが、月刊秘伝やDVDそしてWEB動画「かざあな。」などによる反響がご縁を繋いでくださっております。

 私のブログや動画には昔から広告を一切掲載しておりません。広告収入のために記事を書いたり動画を配信するつもりは無く、単純に活動するにおいて、私がどんな考えを持ちどんな動きをするのかを最低限必要な情報としてお伝えしておく必要があると感じているからです。先日は殺陣クラスにおいて一般公開用の動画として、一部の生徒達の動きを撮影前からその旨を伝えた上で承諾いただき掲載いたしました。

 宣伝には時間と労力が掛かります。私の専門はそこではありませんので、長い時間を掛けて一つ一つ掲載してきましたが、私に求められることから外れないように、私は私のやるべきことをやりながら、プロの方々のお力を借りて今後は情報が伝わっていけるように精進していきたいと思います。

 明日は深川スポーツセンター柔道場での開催です。

 殺陣クラスでは、新しい生徒も増えたことで倒れ方の稽古をおこない、次にタイプMの序盤の動きを以前のものに戻します。動き自体は難易度が下がりますので見栄えという点では向上するでしょう。明日は時間も長めですので、かなり進めたいと思います。

 杖術クラスでは、身体の使い方による力の使い方やその不思議さを体術も交えて行う予定です。先日気が付いた「影絵」やこれまでに何度かおこなってきた「蠢動」をお伝えいたします。柔道場ですので座り技や立ち技などさまざまにおこないたいと思います。初めて参加される生徒はきっと驚かれるでしょう。

 それでは明日もみなさまお待ちしております。


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2019年7月 武術稽古日程

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2019-07-28(Sun)
 

苦しまされずに生きる道

 自宅から最寄り駅まで五分ほどであるが、自宅から徒歩三十秒ぐらいのところにつがいのキジバトを最近見かけるようになった。道路にトコトコと仲良く歩いて出てくるが、人に慣れているのか飛んで逃げることも無く私のほうが驚かせないように逸れて歩く。トバトと違い集団で無くつがいで過ごしているのは見ていて和むものだ。「デーデー、ポッポー」「デーデー、ポッポー」

 昨日は、高田馬場にて渡部氏と稽古。
 その前に四十分ほど一人稽古をおこなった際にフト「斬割り返し」という動きが生まれた。つまり、打太刀が先行して正面斬りをおこなうのであるが、それに対する仕太刀の斬割りを抜き相手の籠手に物打ちを付けるというもの。
 打太刀が誘いとなり、型としては打太刀仕太刀が入れ替わる事になる。実際に誘いからの抜きにともなう実感と、交代してもらい私が抜かれた際の感触から技として成立していると判断。しかしながら、もう一つ考えていた相手と斬り結んでからの対応は素振りでおこなうのと、実際に打ち付けて行うのとでは感触が変わってしまい技としては成り立たなかった。長く続ければそれなりに器用には出来るだろうが、技でないものを技にしようとしても無理がある。あらためて稽古相手が居るという事のありがたさを痛感。

 続いて袋竹刀による稽古。
 やはり袋竹刀による稽古は体術的要素が濃い。中心をズラして崩しながら竹刀のもっとも良い箇所に位置取り、かつ構造を整えぶつからずに崩す。むかしはかなり力技でおこなっていたが、表面的な見た目の崩し方では本来の稽古になっていないため、一連の流れの中で、何をどうしていくのか、そこに対して常に探し求めている。むかしは気付く余地のなかった、これまでの稽古における実感がそれを教えてくれている。だが、袋竹刀の稽古はしばらく離れていたためそうは言っても荒い(粗い)稽古になってしまう。私も渡部氏も籠手はアザだらけとなってしまったが、こうした稽古で上手く行っても上手くいかなくても得られるものはあるのだ。例え今は感じなくても、いずれそのことに気が付く瞬間が訪れる。そうした厳しさを全く経験しないで武術の道を進むのと、アザを作り涙を流してでも得られた苦悩の時間というのは、これからの自身の向き合い方と後輩への向き合い方などに生きてくる。優しさを感じる稽古は背景に厳しさがあってのもの。究極は出来るか出来ないかが問われてしまうが、出来ないままでは優しさを味わえない。袋竹刀による稽古はより情報伝達の密度が濃いものであり、木刀とは明らかに異なるものを身に宿す稽古法であり、この繊細さは袋竹刀でなければ得られないであろう。あらためて袋竹刀による稽古の重要性を感じた。

 
 私もこれまでに、鹿島神流の組太刀「裏太刀」「実戦組太刀」「合戦組太刀」「相心組太刀」そのほか槍術や薙刀術など当時の師範と共に研究しながらおこなったり、ポルトガルでそれらの型稽古をおこない、スペインのマドリードにあるスタジオで、S師範とポルトガル人のカルロスと私の三名で武術雑誌の撮影とDVDの収録をおこなった。当時私は武術を初めてまだ八ヶ月だったので怖いもの知らずというか、しかし何の違和感も感じずに情熱の中で過ごした10日間だった。

 それと同時に示現流を学んでいた時期もあった。「燕飛之型」を学び、イスノキの原木をそのまま木刀にしたようなもので、相手の籠手や胴を寸止めではなく打つのである。もちろん加減はしているが、全力で振ったものを当てるように止めるのであるから、その一打一打は真剣そのもので、その当時相手をして下さっていたのはWEB動画「かざあな。」三部作でお世話になった青木賢治さんであった。彼も役者活動を背景に武術の道に入られ、剣術では剣体研究会にずっと参加されており、現在は武蔵円明流を学ばれており本業はライターである。これまでにも殺陣と剣術とのコラボ企画や、システマでは素手で殴り合って互いに顔をパンパンに腫らしたりと所々で御縁を感じる間柄である。

 示現流といえば「立木打ち」が有名であるが、これは私以外に学ぶ者はいなかった。
 まず、「立木打ち」に関してはさまざまな弊害がある。一つには、丸太を固定できる設備がない、または常設できる場所がない、自然組み立て式となるが、イスノキで全力で打ち付けるものに対して固定でき、しかも持ち運びが可能なものは容易に見つからないのであった。

 そのため、河原であったり、公園の端の方であったり、訳の分からない人の入ってこなさそうな場所であったり、流浪の稽古人となってしまうのだが、 示現流には激しい打ち込みだけでなく猿叫と呼ばれる発声がある。これは私の場合、そのようにするつもりは無くても、声が枯れ、次第に通り良く抜けるために自然と猿叫になっていったように記憶している。それを人通りがある河原などでおこなっていたのであるが、恥ずかしさはものの数分で消えてしまい、疲労と手に伝わる衝撃の痛みに精神が試される。道場とは違い足場も悪く平地ではない。そうした石ころや凸凹した地面の上で地下足袋を履いておこなうのは大変稽古になった。二~三年前一本歯の高下駄を履いて高尾山を登ったが、何一つやって良かったという実感は感じられなかった。しかし、河原での地下足袋で二.五歩の足運びで三間ほど先にある立木を打ちつけていた。木刀の長さ分距離は縮まるが、それでも二歩と半歩ではなかなか届かない。足場の悪い地面でも片足を滑らせながら最後は両足を同時に滑らせながら同時に打ち込んで行かなければならず、実はこの脚足の使い方が、非常に重要であるのだ。両足が滑りながらも木刀を振り、それに身体が持っていかれる事無く留まるには、自然と浮き身が掛かる。全身が整っていなければとても一声で十打は打てない。後半は元の位置に戻って、次に打ち込むまで置き蜻蛉の形で呼吸を整えるのであるが、「整えついでに一発打って来い!」というのがいかにも薩摩の気風であり、私もそれにならって、疲れている自分に気合いを入れるためにもその怒りを一発にぶつけたものであった。

 それと同時期に甲野善紀先生の講習会等にも足を運ぶようになり「松聲館」の技法をこの目で知ることになった。
 これまで学んできたものと根本的に違うことを痛感し、初めの頃は講習会が終ってしばらく呆然と頭の中の整理が付かず、ショックと感動が入り混じった状態でそのような状態が冷めずに家路に着き数日間を過ごした記憶があります。(先生に直接お会いしたのは遡る事一年程前でしたが、その時は私が胡瓜を斬っただけでしたので映像でしか先生の技は拝見しておりませんでした。)

 今思えば、稽古法そのものが違っていたのです。人は最初に学んだものを基準に物事を考えてしまいがちですが、そうした信仰があっては絶対に超えられないものがあるという現実にショックを受けたのかもしれません。そうした現実を受け止めることが先ずは第一歩であり、そこから全てを組み立てなおしていかなくてはなりません。これまで学んだ時間を無駄にしたくないと現実逃避をしてしまっては生き方そのものに関わってきます。どのような時間の過ごし方であれ、無駄にはなっていないと思いますので、考え方をどうするかによって、今までの事もこれからの事も認めて前に進めるものだと私は思います。

 8/16に発売される月刊秘伝9月号に、先に述べた事柄が「各流の木刀それぞれの効用」(8月号のお知らせより引用)として特集ページを組んで下さっております。流派に所属していない私がどのようにこれまで剣術をおこなってきたのかその一面が数ページに渡って掲載される予定です。「一人稽古は一人に非ず。」とはこれまで幾度と無く発言してきましたが、一人であれ二人であれ、重要なことは内容です。そこにこれからのご縁が繋がってきますので、今の今おこなっている稽古内容を大切に、何のために現代において武術稽古をおこなうのかということを、今の時代に求められているものとして置き換えて考え実践されると、素晴らしい稽古と人材に出会えることと思います。

 
 話は変わりますが、鹿島神宮は武の神様であることは周知の如くですが、じつは雷の神様でもあるということを先日教えていただきました。雷の後には雨が降り、その雨が畑を実らせ生命を育むのだと。何かを始める際には鹿島神宮を訪れると良いと伺いました。私は武術を始めた年に鹿島神宮に行きましたが、学んでいた剣術が鹿島神流だったこともあり思い入れの深い神社であります。あれから十年、先日動画配信をおこなった「かざあな。抜刀術編」では、後半に遠雷が轟き豪雨が降り注ぎ、そこに祝詞が入る効果音をMariさんが作って下さったのも必然性のある偶然だったと思います。雷と豪雨のイメージがどうしても拭いきれなくて、無理を言ってお願いしたのですが、そこにMariさんのアイデアで素晴らしい祝詞を重ねてくださり、さまざまなタイミングや音量バランスなどプロのMariさんやUちゃんそしてTakaさんに仕上げていただくことが出来たのは感謝でしかありません。

 冒頭で記事にしたハトも、この動画にはSEとして挿入して下さっております。平和の象徴でもある鳩、鳩以外にも猫や犬などさまざまな動物たちは生きるために一生懸命です。人間も一生懸命になるのは何のためなのか・・・動物達を見てフト立ち止まって考えてみるのも良いのかもしれません。躓いている感が拭えませんが、令和からは変わっていきたいものです。


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2019-07-26(Fri)
 

思ってる以上に想っていること

 本日は品川区総合体育館にてGold Castleの講習をおこないました。

 殺陣クラスでは「万乃型」「払い五斬」をおこない、続いて「立ち回りタイプM」組と「一対四瞬殺」組とに分かれておこないました。

 今回講習を見ていて、やはりタイプMの前半部を初期の動きに戻すことにいたします。

 竹光などの模造刀であれば素早く斬り返しが出来ますが、木刀となりますとある程度武術的な身体の運用法とそれに応じた身体が求められることが感じられましたので、序盤の七歩が終わりAとCの動きを止めた後のDの払いを変更して躱す体捌きとし、続くBへの回転受け流しを変更し同様に躱す体捌きといたします。

 その後のCへの刀の突きつけ方も変更し初期の頃おこなっていた突きつけ方に戻します。その後のAへの払いから胴斬り返しをおこなっていた部分を変更し、振り向き芯が下がりながらAの斬り込みを払ったのち、胴斬り一回といたします。

 その後のBに対する袈裟斬りからの流れはこれまでと同様にいたします。変更点はここまでです。

 おそらく文面では解り難いと思いますので、次回の講習にて変更パートを稽古いたします。


 しかしながら、講習では皆熱心にそれぞれ取り組んでおりました。動きが変わってもこれまでおこなってきた稽古の体捌きや間の取り方などは無駄にはなっておりません。


 続く剣術クラスでは、「正面斬り」「斬割り」などをおこない、間合いを掴みながら相手の動きを逆算的に捉えていきます。

 後半は体捌きのための納刀法と抜刀術「後方突き」「津波返し」をおこないました。

 直ぐに出来る動きではありませんが、だからこそ、その動きになるための方法が身体の中に隠されてあります。その秘密を探りながら手順を踏まえその要求に応じた抜き方をおこなうことで身体の使い方を学びます。「制限がある」ということは、何かを工夫して生み出すには重要な手法であり、「自由な稽古と動きの制限」には、稽古条件の整え方でありますが、そうした条件だからこそ手に入れられるものが隠されていると思われます。

 参加人数も多く、皆真剣に集中して稽古に取り組まれました。色々な方々がお越しいただいております。この教室の特色は、年齢性別職種、さまざまな生徒達が一緒になって稽古をおこなうところです。その組み合わせは私の采配でもありますが、インターネットでお申し込みをいただき、体験参加にお越しいただき、生徒になられ成長して行かれる過程を全て私一人で把握しているものですので、おそらくご本人達が思っている以上に私はそれぞれの方々を考えておりますし記憶も残しております。手書きで名前を書く際には必ずフルネームで書いておりますので、そうした漢字を覚える呼び名を覚えるという事で、意識的にも無意識的にも想いが変わってくるものと感じております。

 今日も講習後は、小学六年生のK君が一番になってモップ掛けを誰よりも沢山掛けようと笑顔でおこなっておりました。私はほとんど指示をいたしませんし、生徒も余計なリーダーシップを取る人は見当たりませんので、自発的に掃除をすることが嬉しく思える場であったのだと私自身嬉しい瞬間でした。もちろん、大人の生徒のみなさまも本数の少ないモップを急いで取りに行き、手の空いている人は他に出来ることを探し、そうした中で協力し合ったりしながら講習後は皆が気持ちよく部屋を後にして行かれます。
 
 安定的にお越しになられる生徒があと10名程増えましたら体験参加の募集は一旦停止したいと考えております。以前はコマ数を増やして対応しておりましたが、現在のコマ数の中でベストな人数を決め、より集中できる環境でおこなえるようにして行きたいと思っております。

 剣術や杖術に興味をお持ちの方は平日におこなっている金山剣術稽古会への参加をお勧めいたします。こちらはほぼマンツーマンでおこなっておりますので、生き方も含め真剣に向き合っておられる方は是非お待ちしております。


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2019-07-22(Mon)
 

セネガルの素晴らしい音楽に触れた夜

 本日は戸越体育館にてGold Castleの講習をおこないました。剣術クラスではさまざまに二人一組となって型稽古をお伝えいたしました。動きの中でシッカリ立たないことにより得物と身体が連動して行く感じを掴むようにおこなうことです。そうすれば手順が整い易くなり動きやすく何度でも行いたくなってきます。通りの良い心地良さのようなものでしょうか。

 室内の湿度が高く、今日の講習で疲れた方もいらっしゃるようで、Fさんは帰りの電車で「椅子に座ると立てなくなる可能性があるので座りません。」と仰るほどでした。

 それでも全体としては剣術に杖術に抜刀術に時々小太刀や体術などもおこなっておりますので、さまざまに身体の使い方は向上してきております。技そのものもそうですが、身体が変わる(整う)ことで動きが変わりますので、特に土曜日の生徒のみなさまはそうした面における進展が実感出来ることから長く続いていらっしゃるものと思われます。


 講習後は、告知していたセネガルのトップアーティストによるライブを観に行って来ました。

 場所は、浜松町駅から直ぐのアフリカ料理のお店「カラバッシュ」。(もしかしたら聖地といえる場所なのかもしれない)そこでこのライブのお知らせを頂いたGold Castleの生徒でありミュージシャンでありHEY!WAO!という活動を主宰されているMariさんと合流。生徒のYさんとWさんも一緒にライブを堪能いたしました。

 開始前に、Mariさんからは出演者の方々を一人ずつご紹介してくださり、さらに一番前のテーブル席を予約してくださり、全てがスペシャルなひとときでした。セネガルの音楽家系の伝統、同じ打楽器でもさまざまな楽器の種類、初めて知ったサバール、そしてそれに合わせて踊るダンスの凄さ、人間国宝のドゥドゥ ンジャエローズさんを父に持つ一流のミュージシャン達、その他にも祖父が人間国宝だというミュージシャンもいたりで、演奏もそうですが雰囲気もスペシャルな超絶技巧の音楽とダンスでした。

 世界はひろいなあ…と、伝わってくるものがこれまでに無いものでしたので、一人ひとりの表情が何とも良くて、音を楽しむ。まさに「音楽」のすばらしさを涙と共に感じました。

 一流の人が醸し出す雰囲気を浴びることが出来て大きな力になったような気がいたします。またこのような機会がありましたら是非観に行きたいと思います。Mariさんはいったい何者なんだろうという疑問はさておき、こうした素晴らしい機会にお声掛けくださり誠にありがとうございました!


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2019-07-21(Sun)
 

こんな時代を生き抜くために

 数年前に電車内のスマホを眺める光景が世の中のスタンダードになると書いた記憶があるが、もはや違和感を感じる事も無くなるほど当たり前になってしまった。自分の閲覧情報から関連する内容が自動的に目に留まるようになれば、依存症にならざるを得ないのも頷ける。今は歩きスマホも普通になってきたし、階段でもスマホを覗きながらゆっくりと降りている人も多い。この流れからすると、益々歩きスマホが増え、もはや「歩きスマホはやめましょう。」から「歩きスマホは迷惑にならないように気をつけましょう。」に変わるのではないだろうか。そうした世の中の光景は、人間がモルモットのように支配されてしまっているように思える。そうした哀れな世の姿にだけはスタンダードにならないことを祈る。

 私の携帯は3G型であるが(先日の懇親会で教えていただきました。)とにかくネット回線を携帯したくないので、そろそろ今の携帯もバッテリーが危ないため、いちど携帯ショップに行って見ようかとも考えている。

 おそらく私の場合は特殊なのかもしれないが(いやいやそんな事は無いはず)、自分の発想と行動で生き抜いて行かなければならないため、情報を強制的に与えられる事に強く危機感を覚えるのである。歳をとって機器が使えなくなることに不安は全く無く、むしろ使えないようになりたい。しかしパソコンは仕事柄向き合わなくてはならないので別段困ることは無い。時間の使い方が重要になってくる世の中といえるだろう。


 そんな時間の使い方であるが、今日一日は家の掃除関係や特別講習会の告知、お問い合わせの返信など、有意義に時間が使えた。昨夜は居合刀二振分の鯉口の緩みを補修した。夕方走りに出かけ身体の状態を整える。先月痛めた脹脛を徐々に慣らしている段階。常に動ける身体を向上させたいという思いは失わせてはならない。淡々としたことに感謝したい。

 ここ最近は、Gold Castleに若い世代のお申し込みが増えている。当然ご本人からではなく、親御様からのご連絡を頂いているのであるが、こうした教室の情報というのはなかなかインターネットだけでは分かりにくいものがあるので、こうした流れはありがたいことである。もしかすると猫の絵が招き猫となっているのかもしれないが、少しずつ少しずつおこなってきていることの結果が信頼となり、さらに何かを繋いでくれる良い循環がこの教室には流れている。

 先日はR君のお父様から近況報告をいただき、私としても本当に教室を開講して良かったと心から思える瞬間でありました。さらに本日はI君のお母様から久しぶりにご連絡を頂きました。これは先月、先々月と某出版社のYさんと打ち合わせをした際に、「今の世の中は数字に捉われすぎていますので、そうした表面的なものへの対応にばかり目が向いてしまっています。数字に表れないものへの意識や目先の対応に捉われないことが長い眼で見たときに重要になってくるのではないでしょうか。」というようなお話をいたしましたが、今の時代を生きている我々は完全にインターネットに支配されてしまっています。その支配からどう生き抜いていくのかが陰に隠れた重要な現代のテーマであります。

 社会に出るまでは、守られた環境で数字に立ち向かって行きます。社会に出て、数字以外のものにどう対応していくのか、そのことは同時に経験させておくことが重要です。これまで築き上げて来たものを捨てる事ができるのか、それとも築き上げてきたものを崩さずに耐え凌いでいくのか。何れにいたしましても心が強くなければ難しい局面に押し潰されてしまいかねません。

 生きることの価値観。お金?長生き?幸せな家庭?仕事?人間の欲は煽りに乗じていつの世も争いが絶えません。人として生まれ、人としてどうあるのか、地球に住む生き物の一員として人間という種はどう生きた方が良いのかを考えるには人間は大きくなり過ぎてしまったのかもしれません。

 武術稽古を通じて学ぶものは非常に大きいものと思われます。しかしその武術の体系がどういった精神の下おこなわれているかで、逆効果といえるものもあるでしょう。金銭や名誉、そうしたものとは無縁でなければ人の精神は養われません。勉強とは、求められた数字を達成するだけでなく、精神性というものも併せ持ってなければなりませんし、気合いや根性といった偏りの精神ではなく、総合的な判断力を持ち、誰が見ても良い心の配分力を持った人に育てる必要があります。つまりはすべてに対して気が配れる観察力洞察力をもち、それを瞬時に実行できる技量の持ち主ということです。

 自分さえ良ければ良い。自分達の組織だけよければ良い。そうした思考の育ち方では、いずれ苦しい状況に陥るものと思われます。見極め力は、純粋であるという心の純度も関係してきますし、大人になってからの経験もあります。心の純度が落ちてしまえば、求める体系はその状態に見合った精神の下へ向かい易くなるでしょう。ですから、自らと向き合える稽古が必要であり、そのなかで気が付けるもの、工夫して実感出来ることが生き方としての体系にも通じてきます。そうして純度を上げながら、出会いの中で体系を整え、そうした環境で「生きることの価値観」について再び考えてみてもいいかと思います。

 明日は、戸越体育館で講習をおこない、夜からは浜松町にある「カラバッシュ」というお店で催されるセネガルのトップアーティスト達のライブを観に行く予定です。


 金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年8月12日(月/祝日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

2019年8月24日(土)『剣術 特別講習会』(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-19(Fri)
 

「剣術 特別講習会」のお知らせ

2019年8月24日(土) 品川区総合体育館 剣道場にて剣術特別講習会をおこないます。

前回同様、大刀剣術と小太刀をおこなう予定です。
初心者から、経験者までその方に応じて進めて参りますのでお申し込みお待ちしております。(貸し出し用の木刀・小太刀は用意しております。)


2019.02.09 剣術 特別講習会
(写真はBABジャパン制作によるDVD撮影の一コマ)


【開催時間】
15時00分~17時00分
18時00分~懇親会


【会場】
品川区総合体育館 剣道場


【参加費】
3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または『こくちーず』より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「木刀・小太刀の有無」 
⑤「懇親会の参加または不参加」

上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


2019-07-19(Fri)
 

「影絵」の発見

 いったい、いつ以来だろう…と思える太陽の光。「ああ、空って青かったんだ…」東京では、このひさしぶりの太陽に人間だけでなくいろんな生き物達が喜んだことだろう。

 
 稽古三昧の日々は続いている。

 昨日火曜日は「クラーチ剣術教室」であった。水も空気も淀み無く澄んでいる事で物事は自然と良い方向へと流れていく。すべては自然のあるがままに…

 そして本日水曜日は戸越体育館にて金山剣術稽古会の稽古。

 今日は多少の進展はあるだろうと思っていたが、予想を超えた展開となった。

 まずは、体術についてあらためて何をもって体術と成すのかを話す。私なりの解釈で何のための体術稽古であるのかを、渡部氏に伝えていく中で言葉を紡ぎ出し自分自身への整理をつける。

 その体術稽古では「影絵」なる手の形が前腕部の働きを強くすることが解った。座り技で崩された際の手の形からヒントを得て、その手の形に指先の蠢動を加えることで、肩への詰まりが解消され崩せなかったものが崩せるようになったのである。

 渡部氏の受けも強力になってきたが、蠢動を使われるようになってもう崩せなくなった技があった。蠢動を発見したのが4/10だからかれこれ三ヶ月間はおこなっていなかった。それが今日の影絵の手と蠢動を合わせる事で何度も試したが嘘のように利いた。

 今日はいろいろと試した。先日の抜刀術 特別講習会でおこなった、肩甲骨を嵌めるような動きの良し悪しも解った。蠢動の点検もおこない、筋の張り具合、手の形、股関節との組み合わせ、などさまざまに試みたが、これまでのところは現在おこなっている按配が丁度良いという結果に終る。この蠢動に関しては相当な信頼がある。他の体術に繋がる発見もおこないたいが、私の場合の体術稽古は、格闘や護身のためのものではなく、繊細な状況の中で身体の使い方や力の通し方を得ていくためのものである。そうした中で、じゃあ、実際にこのところ激増しているナイフで襲われた際の用意は出来ているのかとなると、あるものがとても有効なものとして役に立つ。会話の流れから、木刀で斬って来られたり突いて来られた際の対応をおこなってみたが、身を守ることに対しかなり有効であった。もちろん木刀を短く持って短刀のようにおこなってもらったが、同様に有効である。これはいずれ「○○護身術」というふうに呼べる武器であり盾となるものであるが、一般的にはその特性から用いられることはないため広まらないだろう。しかし、総じて有効だ。

 「影絵」の発見に驚いたのち、思いのほか色々と検証したこともあって時間も過ぎた。最後は、肩甲骨の運動と「杖乗解し」により気持ち良く横になった。

 そうしている際に「筋肉より骨、骨より筋、筋より…なんなのだろうか」ということに頭が巡り出し、無意識にあったものが意識上に浮上させたかのように、突如浮んだことがあった。

 最後の最後あまりに時間がなかったので僅かな回数しか検証出来なかったのであるが、蠢動に影絵を合わせた今日の中で最も強い状態の渡部氏に対し、私は技法的なことはなにもせずに利くかどうか数回試してみた。すると、不思議なことにすべて通ってしまったのであった。これはあらためて検証しなければならないし、時と場合と状況によっては出来ない可能性が高い。だが、そうしたものがあるような気がどこかでしていたので、いろいろな人でも通用するのか焦らずにこの可能性のある働きの妙を得ていきたいと思う。

 
 稽古では本当に感謝すべき出来事が訪れる。こうした場が保たれているのと、仕事を調整して渡部氏が稽古に来て下さることで成り立っている。あらためて武術には精神を失わないことが大切であると教えられたような気がした。

 夜空に輝く満月を見上げて


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2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

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2019-07-18(Thu)
 

精神性と体系

 三連休最終日となる本日は品川区総合体育館柔道場にて『抜刀術 特別講習会』を開催いたしました。

 この三日間は講習続きでしたが、一日~三日間時間を調整して来てくださった方々もいらっしゃった事と思われます。杖術や剣術に比べて抜刀術は疲れやすいものです。

 それは常に静止状態の中で自分の身体の各部分と折り合いを付けることが求められているからであり、自分の身体と常に対峙しているからであります。

 つまりそれは、鞘に納められた刀を通じて自己と向き合う時間と言えます。

 納刀も然り、鯉口に切っ先が飛び込むための集中は意識の大半が自然とそこに奪われるものですが、どっこいその飛び込んだ瞬間の身体の状態をつぶさに観察し、その状態感覚に至るまでの身体各部分に集中を分散させるのです。そしてそれが通常の納刀とは異なる身体各部の調和感覚を一瞬の間に整わせることにより自己と向き合う稽古につながります。

 今日は講習前に早めに到着したということもあり、少し肩甲骨を動かす体操をおこなったせいか、講習が始まり二尺七寸の居合刀を鞘から抜いた際にあまりの軽さに「刀を間違えたか…?」と、そんな筈があるわけも無いのに、どうしてなのかしばし無言でその答えを探そうと留まったのですが、ハッキリとした答えは見つからず講習を進めました。

 おそらくではありますが、肩甲骨を動かした際になんらかの位置に馴染んだことで、今日初めて手にした得物がいつもの感覚とまるで異なり、扱いやすい感覚にもなっていたことは事実です。こうした肩甲骨を動かす運動はいろいろとありますが、開閉、立甲、そうした運動の中で得られる感覚は筋トレとは異なる繊細さを失わない運動といえるでしょう。どういう運動で筋肉と同時に筋の働きや感覚を身に宿すかが重要であり、全く異なる運動でおこなった場合は、その動きの感覚を身体は覚えていますので、それとは全く異なる働きに適合するかは述べるまでも無いこことです。杖術稽古でも、右足前右手上の構えから動きを身に付けたのち、逆側の動きとして左足前左手上に転換いたしますと覚えた右側での感覚が左の動きを邪魔してしまうことがあります。

 手順一つでそうですから、筋肉を付けてしまうまでの一連の工程は、その筋肉を付けるための動き方動かせ方の稽古であるなら上達するでしょうが、抜刀術のような動きでは、筋トレをやったことで感覚が鋭くなった、総じて動きが速くなったということにはなりません。ですから筋肉をつけるのは良いことですが、どういう目的のために付けるかという事が怪我の防止、技術や精度の向上に大きく関係しているものと思われます。決して筋トレを否定している訳ではありませんので、武術とは別に筋力の少ない方は安全にトレーニングできるようにパーソナルトレーナーを付けてのトレーニングも良いでしょう。これからの時代は高齢化が益々加速して参りますので、さまざまな身体に関するビジネスが目や耳に入ってくるでしょう。そうした中で、何を信じ、何をおこなっていくのかは、それぞれの人たちにとっての見極めが肝心になります。然し、世の中で何かを探し当てるということは至難であります。

 「精神は体系を装う」これがあらゆる組織の取り組み方や実践に表れております。

 私はほぼ毎回記事の中でこの「精神」という言葉を使うようになりましたが、すべての根本はそこにありますので、世の中を見極め生き抜いて行くには、自らの精神性と他者の精神性を考えて行かなければなりません。

 言葉や文章のほとんどは体裁を保つためのものです。このブログもそうですが、SNSなど言葉や映像写真に溢れております。人は表面から見た情報に時間を掛ける事無く次から次へと求めていきます。そうした世の流れから何を感じ、すべての事柄にはお金を生み出しているシステムがあり、本当のことを見極めて行くには「精神性と体系」が整った環境に身を置かなければ難しいでしょう。

 お金や名誉を第一に考える精神性では自ずと体系はそこに形成されております。言葉や文章は体裁を整えるためのものであり、実際のところは精神性を見極めなければ掴みづらいものです。

 ですから人は、なかなか探したいものを見つけられないのでしょう。

 
 話が脱線してしまいましたが、脱線した内容のほうが熱が入ってしまうものです。抜刀術の講習では、一つ一つの技を解説しながらお伝えしておりますが、一人稽古では技だけでなく、構えに入る前から抜刀納刀が終わり元の位置に戻るまでを一つの型としておこないます。その間は意識と無意識の狭間の中で自らの身体と対峙し続けていくことです。

 何かを求めるには、求め方が大事であり、そうした求め方が何かを養っていくのではないでしょうか。学びは「精神性と体系」によって大きく異なるでしょう。生まれ持っての資質、教育を受けての考え方、大人になるに従い犠牲の中で培った考え方、そうしたそれぞれにとっての「精神性と体系」から根強い信仰となり、それがどういった立ち居振る舞いでみずからの生き方に反映しているのかが体系を問うものとして考えて行かなければならない事なのではないでしょうか。

 
 再び脱線してしまいましたが、講習会は最後まで皆様熱心に取り組んでおられました。常連の皆様は流石に動きが良くなっております。初参加のKさんも雰囲気のある方で熱心に取り組まれておりましたので、ご紹介いただいたIさんにはお礼申し上げます。

 講習後はいつものキリンシティへ。

 今回は連休最終日ということもあり、懇親会の参加人数がいつもの半分ほど。ですが色々とお話ができましたのでそれはそれで良かったと思います。講習会が終ったので明日は月曜日という気がしてならないのですが、明日は午前中から「クラーチ剣術教室」がありますので、今夜はこの辺にしておきます。

 本日もご参加いただきありがとうございました。


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2019年7月 武術稽古日程

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2019-07-16(Tue)
 

子供たちの成長、大人たちの成長

 本日は品川区総合体育館にてGold Castleの講習をおこないました。殺陣クラスでは、「万乃型」「払い五斬」など基礎的な動きをおこない、休憩後は立廻りタイプMの序盤から絡みBの終わりまでをおこないました。

 日曜日のメンバーも安定してきましたので立廻りに関しては現在のタイプMを進めて行く事が出来ております、しばらくは序盤の七歩から絡みBを斬り、絡みCとの斬り結びまでをおこないますので、基礎と立廻りの完成を目指して進めております。女性陣も動きが良くなってきましたので楽しみにしております。

 続く杖術クラスでは、基礎的な打ち込みや突きをおこない、それらをつないだ動きをおこないました。相手を受けておこないますので、受け方や払い方などの体捌きも重要になってきます。

 今日生徒になられたFさんとノートにメモを取っておられるNさんはもう一つの立廻り「一対四瞬殺」をおこないました。この一対四瞬殺では、講習後に役者のKさんとしばらくお話をいたしましたが、オーディションなどでカメラの前で一人でおこなう際には短時間で場所を取らずにおこなえるものとして身につけておかれると大きな武器になるものと思われます。毎週真摯に取り組まれておりますので、良い結果に繋がるように私もお伝えしております。

 「万乃型」では以前子役のS君がプロデューサーの目に留まって『神ノ牙 –JINGA-』で主人公の弟役を射止めました。ほぼ毎回出演され殺陣も沢山あり、監督やファンの方からの評判も良く、S君も殺陣はずっと続けて行きたいと仰っているようですので、私といたしましても嬉しく思います。中学一年生のお子さんですが、毎回熱心に集中して取り組んでおります。同じ子役の中学三年生のT君の存在も大きいと思います。T君は8/15~8/27に掛けてシアタークリエにて岡田将生さん主演の舞台に出演されます。そうした仲間でもありライバルでもある存在というのも成長して行くにはプラスになっているものと思われます。子役と言えば、中学三年生にになったR君が一年以上休講されておりますが、時折お父様からご連絡を頂きますので、気持ちの面でも繋がっているという事は講師といたしましては嬉しいものであります。トランポリンで怪我をし高校二年生となったT君も殺陣は上手でしたので、R君とともに学業とお仕事が落ち着いたらまた成長した姿を見たいものです。

 今日も中学二年生のK君が一番乗りで剣道場に訪れ、共に二人でモップ掛けをいたしました。学校のお話など色々と会話をしながら彼の成長を感じております。身長も伸びており、そろそろ抜かされそうな気配です。さいきんは姿勢が良くなり、講習では見違える程動きが良くなりました。身体と心は通じていると言われますが、姿勢と動きと内面の変化が大きく見て取れますので、子供のすばらしさというものをその都度感じております。

 子供たちのお話ばかりになってしまいましたが、大人たちも成長を続けております。粘り強く続けるということも一つの能力ですので、そのなかで自分なりの成長が確認できましたらその瞬間は嬉しいものですし、自分を褒めていいものと思われます。上手下手は人それぞれにありますし、人と比べずに自分と比べることで前に進める実感ができます。学びの姿勢ができていれば私は気持ちを込めてお伝えするでしょう。もちろんその逆もあります。時間をどのように使わなければならないのかを常に自らに問いながら講習をおこなっておりますので、心を見て判断させていただいております。


 さあ、明日は三連休の三日目。品川区総合体育館柔道場にて15時00分~17時00分『抜刀術 特別講習会』をおこないます。まだお申し込みは受け付けておりますので、お時間が空いた方は明日の朝までにはご連絡ください。

 それでは明日もみなさま、よろしくお願い申し上げます!


 金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2019年8月12日(月/祝日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-14(Sun)
 

かざあな。抜刀術編 本日配信いたしました。

深夜2時にかざあな三部作となる『かざあな。抜刀術編』を動画配信いたしました。

これにて杖術編、剣術編、抜刀術編の三部作が完成し全て配信し終える事が出来ました。

ここまで月日が流れるとは想定外でしたが、本当に最後までお付き合いくださった皆様には感謝の言葉しかありません。

撮影の思い出、それぞれの作品における編集の思い出、そうしたやりとりが長かった分だけこの作品づくりは終わってしまったのが寂しい気持ちです。作品は完成すれば終ったという事でもありますので、そうした気分を味わうことが出来たのも大きな経験でありますし、じつに寂しい気分でもあります。

良い思い出として作品作りが出来たことを心から感謝いたします。

演武協力してくださった、青木賢治さん、撮影と映像編集をおこなってくださった尾崎誠さん、音楽の作成と音に関する編集の全て完璧におこなってくださったTAMTAMのMariさんとTakaさん、そして助っ人として予告編の編集もしてくださり、細やかで大事な編集作業を幾度と無く時間を割いて急務に仕上げてくださったUちゃんには頭が上げられない思いです。

また後日にでもお礼をさせてください。

かざあな。抜刀術編


2019-07-14(Sun)
 

「杖乗解し」はおすすめです

 本日は戸越体育館にてGold Castleの講習をおこないました。杖術クラスでは「旋打」「上段扇抜き」「流転落とし打ち」「三十連円打」をおこないました。「旋打」では、手首の巻き返しによる杖の操法を身につけ、続く「上段扇抜き」でそれを用います。「流転落とし打ち」では上段扇抜きの逆となる下からの抜きとなりますが、手首の巻きと返しが合わせて五回おこなわれますので、足運びと調和を持って動くことが求められます。

 「三十連円打」では、小学六年生のK君が一応最後まで流れは覚えたもののまだまだ稽古が必要です。そして小校三年生のYちゃんは今日で杖は二回目だと思いますが八番目まで出来るようになりました。大人も子供も混じって、ときに笑顔ときに真剣にそれぞれに礼を交わしながら稽古しております。

 それにしましても、子供たちの表情はいいものです。

 表情から何を思っているのかが手に取るように分かるからです。子供はこどもですから上手く立ち回れない時もあります、しかし、そこを見守っていかなければなりません。私の教室に参加されているということは既にその時点で、何を学ぼうとされているのかがある程度分かります。ですので、指導者はその姿でもって示していかなくてはなりません。私にそれが出来ているのかは分かりませんが、子供たちの成長は私の対応一つに委ねられているところであります。

 そうした経験で私を大きく成長させてくださったのは、小学五年生の終わりごろから中学に入るまで、ほぼ毎週一回私とマンツーマンで二時間稽古をおこなっていた郁己君のお陰でもあります。正確に言いますと親御様のご理解と信頼でありました。現在はバドミントン部で活躍され中学二年生となった今は私の身長を超えて行ってしまいましたが、そういった時期を二人で過ごせたことは私にとりましても大変大きな勉強でした。

 今日は一旦14時に講習を終え、その後時間に余裕のある方は14時30分まで「杖整体操」にお付き合い頂きました。

 今日はとくに「杖乗解し」をお伝えしたくて、肩乗せ、正座、などおこないそれぞれ家でも出来る内容をお伝えいたしました。そのほか「揺らぎ」では、前回のクラーチ剣術教室で上々の成果があったことから、「よし!ここでも心地良い反応が見られるぞ!」と期待していたものの、「・・・・・・」反応があまりに無い!ことにショックを隠しきれませんでした(笑)。

 とまあ、今日は30分延長で講習後の時間でしたので、私としても今度の8/12(月)におこなう『杖整体操』本番に向けてのリサーチでもありましたので、今日はやって良かったと思います。おそらく参加人数はいつもと同じぐらいだと思いますので、気取ることも無く、今日おこなった「杖乗解し」を長めにおこない、揺らぎはせずにいつもの流れでおこなう予定です。こうした身体とジックリ向き合う内容は意外と経験の無い方にとってはどのように感じるのかが難しいのかもしれません。これまでの経験からいたしますと、合気道を学ばれている方々はこの杖整体操の捉え方がすんなりと身体に入っていくように感じます。またヨガを経験されていた方も上手に気持ちよさを捉えることが出来ております。身体のことは簡単なようで意外と難しいものですね。分からないようで分かったり、分かったようで分からなかったり…だから興味が続くのでしょう。

 
 講習後は金山剣術稽古会土曜日稽古会をおこないました。まだまだこの土曜日は参加者が訪れないため、今後は平日のみに戻すことも考えておりますが、今日は渡部氏と二時間おこないました。

 袈裟斬りにおける転ばぬ先の一歩の感覚、ひさしぶりに鹿威しをおこない真芯で捉える感覚を稽古。やはり左手の締め込みが重要である。

 続いて、「連続切り返し」を四回までおこなう。まだ私以外に正確に四回おこなった人は居ないので、壁に1~4まで目印を貼り付けて、そこに切っ先をピタリと合わせて切り返すことをおこなう。私自身出来ているか途中で撮影してもらい確認することが出来た。予想以上に精確に剣先が印の位置を捉えていた。

 次に杖術をおこなう。上下持ち替え無しの打ち合いから新たな払い技が生まれた。ただ、軸足に掛かる時間が長いため技として認定するのはどうかと思ったが、実戦的な受けからの払いに体捌きが伴われておりかつスムースな動きなので、手元の動きは技としてアリだと思えるが脚足の動きは、改善の余地が見当たらないため、今後稽古をおこなう上で身体が喜ぶような動きに変わることを期待する。

 最後は抜刀術。「柄を噛む手」は、その勢いが手之内の張り付きにつながるため、「懐月」における小指の押さえが抜ける確率が下がることが分かった。だから存分に噛める。

 「津波返し」では、床に鐺(こじり)を打ち付けないため、一瞬の間に鞘引きした鞘を戻しているが、鞘を引いた左手が柄に掛かるまでの間にその動線上にある鞘を戻すことで成り立っている。意外に出来るものなので、明後日15日(月)におこなう『抜刀術 特別講習会』でお伝えしたいと思っている。他にもこの日は、鞘引きからの落としも一寸~二寸の距離を稼ぐものとして重要であるためお伝えする予定である。柔道場なので、沈み系の技を多めにおこなう予定。

 お申し込みは明日の夜まで受け付けておりますので、三連休の最終日ですが、有意義な最終日になるかと思います。初めての方でも貸し出し用の鞘付木刀がありますので出来る内容をお伝えいたします。


 金山孝之 指導・監修 DVD
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2019年7月15日(月/海の日)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2019年8月12日(月/祝日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-13(Sat)
 

今週はかざあな編集にエネルギーを注ぐ

 明日から世間は三連休。私にとっては三連続講習会の日となる。今週は水木金と、私にしては珍しく他の予定などのため稽古をしていない。三日も間が空くと普段は気がつかないような不安感が訪れる。おそらく周期的な意識と無意識のリズムが変わってしまうためであろう。


 今週はWEB動画『かざあな。抜刀術編』の音楽制作にかなり集中して取り組むことができました。先日の記事にも書きましたが、昨年10月に配信した「杖術編」と今年2月に配信した「剣術編」は先に音楽を制作していただき、それに映像編集を加えたものでした。去年の春ごろには私のイメージする音楽と楽器の種類構成などをMariさんにお伝えし、早々に仕上がってきました。今回最後となる「抜刀術編」では先に映像を編集していただき、それが今月に仕上がりましたので、早速Mariさんへ映像を送りTakaさんに曲と自然音のミックスしたデータを送っていただきました。その間わずか三日!その早さに驚きました。

 その映像と音楽を拝見し、映像の時間とメロディの雰囲気から、当初イメージしていた「四季の移り変わり」を変更し、「生き物達の生き様」をイメージすべく自然音を満載に使っていただきました。この音のアイデアのセッションといいますかMariさん達とのやりとりは非常に楽しいもので時間が経つのを忘れるほどその映像と音との流れ、伝わってくるもものに神経を集中し、作業終了時には脳が活性化し過ぎて床に入るも朝まで四時間近く寝れない日もありました。

 MariさんUちゃん組のお仕事はきめ細かく、素人の私の想いを拙いメール分から汲み取ってくださります。こうした作業を経験しないと解らない経験があり、ものづくりにおける総合的な対応力のバランスにプロの力量を感動的に痛感いたしました。

 あらためて、僕はスペシャルな方々にお願いしてしまったのだということを知りました。とくにMariさんやTakaさんはTAMTAMというメジャーデビューされているユニットのミュージシャンであり、Takaさんのメロディーセンスや編集技術には素人の僕でも驚かされます。Mariさんは、さまざまなものを引き出してくれる才能があり、よいものを作っていく影のプロデューサーともいえます。そして影の必殺仕事人であるUちゃんが(ほんとにUちゃんとか書いてすみません…)完璧な問題解決を魂を込めてやり遂げてくださいます。これは本当に感動的であり、スペシャルなことです。作品が完成するのはもちろん楽しいのですが、作品以上に楽しいのは、この瞬間毎をやりとりしている今なのかもしれません。これは、文章でのやりとりなのですが、そこに伝わるものが不思議と直接会っているかのような感覚で言葉に無い部分まで伝わって来ます。

 今回のかざあなプロジェクトが、すんなり去年の夏頃に終っていればおそらく自然音のアイデアに辿り着く事無く、三作品共にメロディー先行の編集となっていたでしょう。時間は掛かってしまいましたが、その分アイデアが浮ぶまでの時間となりました。配信まで順調に行けば今月中には間に合うかと思います。

 昨年2月にこの「かざあな。」の撮影をおこない、その間に私の状況も少しずつ風が吹き込んで参りました。今度は、その入り込んだ風が一体どのような空気に変えていくのか、これまでの混沌としたものから一つの道が拓け、時代の後押しとともに澄んだものとして淀みを無くして息がしやすいようにしていかなくてはなりません。それには私一人では何も出来ませんので、プロフェッショナルな方々とのセッションが(あえて仕事とは言いません)生きていくその瞬間を輝かせるものとしてそこに価値のある時間を費やしていきたいと思うのです。

 
 そして本日金曜日は、「月刊秘伝」や5月に刊行したDVD「古武術は速い」を制作して下さった出版社であるBABジャパンに行ってきました。

 毎月月刊誌として武道武術の特集記事などを刊行されている出版社はおそらく他には無いと思います。武道武術をおこなっていても、実際に他流のことやそうした系譜について知らない方も多いものと思われます。今学んでいる事を知るには他を知ることも重要です。私もかつては短い期間ではありましたが、形意拳やアルニスにシステマなどを講習会や少人数での集中稽古でマンツーマンに近い形でおこなったこともありました。剣術では鹿島神流に示現流をおこないました。そうした経験をしたことで、今自分がおこなっている武術というものに迷うことの無い眼を持つことが出来ていると思います。身体の使い方にはそれぞれの流儀がありますが、その流儀には深いところで精神性の在り方が関わっているものと思いますので、そのなかで私が選んだ剣術、中でも松聲館の剣術や杖術に抜刀術などそうした身体と精神のつながりが、稽古をしていて当初は知る良しも在りませんでしたが、私がこれにしかピンと来るものがなかったのは今にして思えばそういうことだったのかと納得できます。

 月刊秘伝を読んでいますと、既に良くご存知の方も多く登場されておりますが、講習会や稽古会などで会場を利用しておりますと、他団体で面識がなくても良く知っていることがあります。そして、こうした世界に関わっていますと、本とは関係なく自然と耳にはいってくる情報もありますので、相手は知る良しもないけどもこちらはさまざまなことまで知ってしまっているというようなことも稀にあります。気がつけば色々と分かってくるようになりますので、そうした中で自分がおこなっている稽古がどういう稽古であるのかということまで目が向けられるようになればよろしいかと思います。

 日々稽古をおこなう生活が当たり前の日常になっておりますが、どの会場で誰とあっても堂々と稽古が出来るということは大事なことです。稽古に対し真摯に向き合い、そうした自分の姿勢を貫き通すことで完全なる自分の空間が整います。それもまた戦いなのかもしれませんが、嘘をついたり人を利用しようとすればいずれ居場所が無くなって行きますし、そんな感情を隠しながら稽古会場に赴いても良い稽古にはならないでしょう。最終的には精神性が時間と共になんらかの答えを証明してくれますので、そこを誤る事無く進んでいくことも重要な稽古の一つです。


 明日は戸越体育館で12時30分~14時00分(30分延長予定)までGold Castleの講習をおこないます。続く15時00分~17時00分まで金山剣術稽古会の稽古をおこないます。土曜日稽古会は単発参加型の稽古会ですので、三連休の初日ですので予定の空いている人はお待ちしております。初めての方でも大丈夫です。むしろ土曜日はそういった方のために開催しております。
 
 7/15(月)『抜刀術 特別講習会』のお申し込みもまだまだ余裕が御座いますのでお申し込みお待ちしております。


 金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2019年8月12日(月/祝日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-13(Sat)
 

『杖整体操』 開催のお知らせ

2019年8月12日(月/祝) 『杖整体操』おこないます。 

この体操の目的とするところは、気持ちよさの中で身体が整っていく調整が成される所にあります。その気持ちよさには、杖という一本の丸棒が腕の重さによる負担や心的ストレスを和らげ、バランスの乱れた姿勢を整えやすく出来るところにあります。

この体操には、痛みを堪えて伸ばすことや頑張りは必要なく、ただ気持いいところを探しながらその位置を見つけた時に、温泉に浸かるような感覚で留まりリラックスするだけです。

元々は私の身体の調整法の為に考案したものですが、これまでにない身体の心地良さと痛みを堪えることなく気持ちよさのなかで身体の詰まりが取れ、疲労やそれに伴うストレスが抜けていく感じが得られたことから、講習会や稽古会等で色々な人を対象におこなってきたものです。それぞれの反応を受け、内容を整理しより効果的に身体の心地良さとリラックスが得られるための講習会を開催しようと至った訳であります。

ヨガの要素や、体操の要素、整体の要素も、この杖整体操には含まれておりますので、カラダの硬い方やカラダが凝っている方、精神的になかなかリラックスできない方、武道に関係なく会社員の方でも安心して簡単におこなえるものです。頑張らずに心地良さの中で身体が整う講習会ですのでご関心のある方は一度ご参加ください。
(動きやすい服装で大丈夫です。貸し出し用の杖はご用意してあります。)


2018.11.22 杖整体操

2018.11.03 杖整体操④


【開催日】
2019年8月12日(月曜日)


【開催時間】
15時30分~17時00分


【会場】
品川区総合体育館 柔道場


【参加費】
2.000円


【お申し込み方法】
Gold Castle 殺陣&剣術スクールのホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「杖の有無」 

上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


2019-07-12(Fri)
 

急遽イベントのお知らせをいたしました!

 7月?と思うほどこのところは涼しくて快適だ。だが、このジメジメした天候のせいか、自宅内にて謎の虫刺されが相次いでいる。仕方がないので本日数年ぶりにバルサン(正確にはアースレッドプロα)を購入。しかし二時間家を空けなければならないので今日は使用できない。午後から集中的に自宅作業をおこなう日なのでまったく厄介である。

 虫刺されといえば、思い出した。

 2009年私がポルトガルに行く前に千葉で映画の撮影中、海水パンツに上半身裸のシチュエーションで、撮影の間毛布を掛けて貰っていたときに、その毛布にダニがいたようで帰宅後赤い点々が顔以外全身80箇所ほどあり、数日たって猛烈な痒さと見た目の気持ち悪さ(体中真っ赤に腫れた点が無数にある)に苦しんだのである。もう痒みという感覚を意識的に消し去るしか成すすべが無く、ポルトガルに向かった際にはシャワー室で何かの病気だと思われはしないかと気が気でなかった。皮膚科で塗り薬をもらったが気休めであり、今回の虫刺されとは比べ物にならないほど強力に長く残ったのであった。

 
 今日の出だしはこの位にして、先ずは昨日月曜日の稽古から。

 昨日は高田馬場にてT氏と稽古。

 杖の打ちと突きに歩の運用法を組み合わせる。これが合わさるとたちまち手続きと重心の問題が生じるので難しくなってくる。だが、この歩の運用法は基本的に全ての動きに通じているので、丁寧に身体に染み込ませるようにおこなうことが大切である。

 単体技も幾つかおこなったが、それぞれに動きの進展が見られる。こうした動きの進展を最初に感じたときは嬉しいものである。

 下駄のご質問があったので、稽古の合間に私の高下駄をお見せし、なぜ下駄を履くようになったのかという経緯や、下駄を履くことで得られるものなどに対するお話でしばし沸いた。

 今は下駄作りの職人さんが少なくなっており、インターネットなどでも購入できるが、職人さん曰く「値段の安い物はやはりそれなりの品質である。」とのこと。実際私が数年前から何回も購入させていただいている三軒茶屋にある「玉川屋履物店」は真心を込めて商品を提供してくださるので、履き潰すまでの一年間、そうした嬉しさの余韻が台座の上に足を乗せている間続いております。そして、また履き潰した翌年の元旦に新品を下ろすため、また買いに行く楽しみも年一回の恒例行事となってきました。

 下駄屋さんですが店主さんは女性の方。その方が感動的にお人柄が素晴らしく馴染みの職人さんが仕立てた台と朴歯が入荷したのち、お店で鼻緒をすげて下さいます。その間に世間話やら、訪れた常連のお客さんとの会話など地元の商店街の雰囲気が居心地良く、思わず何でも喋ってしまいます。現在は、自分の台のサイズと前坪の高さ(緩み具合)の数字が分かってますので、オーダーをして受け取りに行くだけになりましたが、それでも暫く座ってお話をいたします。こちらで購入したキッカケは、茶沢通りを移動していたときに、雰囲気のある履物屋さんが目に入ったので、「よし、今度行ってみよう!」と直感的に感じたのでした。そして、本当に良かったと思うのは、一年を通じて朴の歯が台裏スレスレまで磨り減っても鼻緒はまったくビクともしていない事。これは、これまで高下駄や雪駄を履いて来ましたが、こんなに丈夫で傷み知らずの鼻緒は初めてで、毎回買い替えに行くときに私から絶賛しております。やはり、それにはちゃんとした理由があり、目に見えにくい部分の処理の仕方など職人としてのプライドが、商売よりも優先しているという事なんですね。下駄を購入したいと考えておられる方は、是非茶沢通り沿いにある「玉川屋履物店」に行ってみてください。
【営業時間】 13時~18時30分
【定休日】   水曜日・木曜日


 例によって話が脱線したが、T氏との会話の中で他流のお話をいろいろと伺えるのも私にとってはこの道で生きていく中で得がたい情報である。やはり運営と存続の流れに行き着いてしまうと、技の真理に向き合っていくにはさまざまな忖度から理由を付けざるを得ないのであろう。しかし、そうした中でも救われている人もいるだろう。だから、大きな組織運営は難しいのであるが、それは、学ぶもが自ら決めていくことなので、需要があるということはそれが自然な流れなのだろう。流れを変えていくのは言葉ではなく、実行と実現の積み重ねでしかない。

 さいごにT氏とのお話の中で私の中にある企画案が浮かび上がり、それに向けて少しずつ確認をして実現したいと思っている。私自身自分では思っていなかったのであるが、もしかするとこうした企画などが好きなのかもしれない。だが、これまでにも今でも「よし!やるぞ!」というような気は全く無く、「ああ、こういうことなら実現できそうだな。」という予感があってやるのとやらないのとの量りにかけたのち総合的にやった方がいいという判断のもとおこなっているだけである。

 そうした「好結果を得られる行動の自由さ。」ここに、私の生き方の選択があったのだと思う。

 
 そして本日火曜日は「クラーチ剣術教室」の日。ここの運営は全て世話人であるOさんにお任せしているので、生徒の募集や直接の連絡は私からは一切おこなっていない。すべては自然の流れに任せて物事は進んでゆくが、やはりお住まいの中で教室をおこなうということは、それなりにリスクのあることなので大変である。ここにどのうようにかざあなを空けるべきかと思うが、私の活動は全て思案し準備しておこなっているものではなく、そのときに求められるものに対してアクションを起こしているだけなので、必然性から逸脱しない範囲でやらせていただいている。だから私自身負担が少なく心配事も無い。何事も変わらずに続いていくものではないので、新しい出来事、継続していくもの、そうしたなかでの自然事象が物事を変え次の生き方の一部となっていく。おそらく私の教室や稽古会に訪れた方々もそうした自然事象の中で私とのご縁を作られているのだと思う。そうしたうねりの中で人は動き動かされている。ただ、それだけのことである。


 今日は内容を大きく変え、「杖乗に解す」をおこないました。

 まず、腿とふくらはぎの間に杖を挟んで正座をしていただくと、正座が出来る方は皆さんジッと留まり気持ち良さに喜んで下さいました。次に、横になっての肩の下に杖を敷いていただいても同様に、もうSさんなんか動かずに、「みなさん、どうぞ(稽古)やってください。」という感じでした(笑)。

 そのため、今日は最後までこうした副交感神経優位内容に変更して、「杖乗解し」を他にもいくつかお伝えいたしました。これまで杖術の稽古などで感じていた、径の太さと長さ(八分と四尺二寸一分)が絶妙なサイズだと感じておりましたが、杖乗に解す際につきましても、この径の太さが自重をかけた際に丁度良い深部への圧力の掛かり方となり、そのため、簡単に思うような体操や整体的なケアの仕方でも、これまで感じたことのない「自分で得られる心地良さ(快感)」が得られるのだと思います。しかしながら、こうしたケアは、一時的なものとして長期的な解決には至りませんので、睡眠や休養と合わせておこなうことで本来の効果を発揮するものだと思っております。ですからいわゆるビタミン剤的な効果といえるでしょう。

 杖乗解し(じょうじょうほぐし)の後、Sさんが「先生、首がかるくなる方法ありませんか?」とご質問されましたので、「それなら、ゆらぎですね。」ということで、以前にもおこなったことがある左右へのゆらぎをおこないました。

 しかし、これが意外とむずかしいようで、拝見するに、そのテーマである首に力が入っているため、揺らいでも頭、首、胴体、腰、などが切り離せずに繋がったまま左右に振られているだけになっておりました。

 そこで思い付き、「ではWちゃんと私でSさんの両側から手をつないで、互いに引き合うようにタイミングを合わせて揺らがせましょう。」となり、これは以前から杖を使って試してみたいと思っていたのですが、今回手をつなぐという形で揺らいでみたのです。

 そういたしますと、自分で体感しづらかった力みを抜いて動く感覚が得られることが分かりました。そこでTママさんやOさんも手をつなぎ私も混ざって円になって揺らいだのです。

 教室内にカメラがあるものですから、スタッフの方に今日の剣術教室はねっころがったり、ユラユラ手をつないで動いたり不思議に思われているのではないかと思うのですが、昨日の稽古でT氏にもお話いたしましたが、「私が口走ることや突然始めることには、私自身もあまり良く分からなくて、あとからなぜそうなったのか必ずその因果を知ることになるのです。ですからこうしたことは意味のあるものと信じておりますのでそこは無意識の意識に委ねておこなっております。」ということなのです。もちろんこれは「ホントかいな?」と思われることもあるでしょうが、今の稽古三昧の日程で自分一人で全てを主催し活動しておりますと、そうした流れが自然と無意識中にも整っており、常に何かを少しずつ溜めながら、あるときにそれを放出しているような感じです。そして、放出しないときは、溢れて少しずつオーバーしているんですね。それが突然話し出すことや何かを始めることにつながっているのだと思います。

 この手をつないでユラユラと揺らぐ動きをおこないますと、その余韻がしばらく身体に残りますので一人でも揺らげるようになります。これは今日の第一の発見でした。

 続く第二の発見は、手をつながずに両側から二人で肩を優しく押して揺らがせるというもの。私も講習中に気がついたのでどんなものか実感する前にSさんに真ん中に立ってもらいWちゃんと私が両側から肩を優しく押し当てて揺らがせてみました。すると、Sさんが「これは気持ち良いわよ!」と仰られえましたので、私も真ん中に立って押していただいたところ、もろに副交感神経が優位になる杖整体操的な心地よさがあり、瞬時に「これは、今度(8/12)の杖整体操でやりましょう!」と決めたのでした。

 これはSさんが「先生、首がかるくなる方法ありませんか?」というご質問がなければ気がつかなかった事でしたので、今日のここでの講習は私にとって発掘の場でもありました。

 稽古は発掘である。そして発掘に値するものは人が理屈なしに興味を持つものである。そこには因果が関係しており、因果に身を任せて自然に時間を使うことが一番である。

 今後はもしかすると、毎週一回杖整体操をおこなう日を設けてもいいかと思っている。おそらく平日の昼間か午後とかになりそうであるが、身体が心地良くゆるむので通常の稽古前には出来ない。したがって、現状毎週空いている曜日は無いし私も余り身動きの取れないスケジュールを作りたくないので、これまでの活動から一部整理して新たな環境を作りださなければならない。こうした機を捉えて自由に動けるのが私の望んだ生き方であるが、その辺りの実行実現にはもう少し自然の成り行きを見守る必要がありそうだ。


 帰宅後は、Gold Castleの生徒でありミュージシャンであり企画主催者のMariさんから昨日ご連絡をいただいたアフリカンライブイベントのお知らせをGold Castleのホームページに掲載。Mariさんはアフリカンミュージックに精通されており、そうしたセネガルトップアーティストの方々とライブをされたり交流を持たれておりますので、そのMariさんから「この豪華メンバーが一緒に揃うことはなかなかないので見逃せません。ぜひ!」とのことでしたので、信頼しているMariさんも観に行かれるそうですので、これは私だけでなくふだんからお世話になっている生徒のみなさまにもお伝えしなければということで、急遽となりましたが告知させていただきました。


7/20(土)18時30分オープン19時00分スタート

『SENEGAL ALL STARS LIVE"』

【会場】 浜松町「カラバッシュ」

【料金】 3.500円+ワンドリンク

7/20 アフリカンライブ セネガルトップアーティスト


この日は12時30分~14時00分(延長の可能性大)まで戸越体育館でGold Castleの講習がありますので、そのあと一緒に観に行かれる方と一緒に会場近辺のお店で食事をして18時30分に会場に向かいたいと思います。一旦家に戻られて直接会場に来られても大丈夫です。
なかなか無いイベントだと思いますので、参加可能な方は私までご連絡下さい。きっと良い時間となるでしょう!


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ
(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-09(Tue)
 

七夕の鬼ごっこ

 昨日は七夕。子供の頃は実家の裏山にある竹を小学校の先生や生徒達が伐採に来てそれを引きずって学校に持って帰っていた記憶がある。一本一本がかなり大きな竹であった。ついでに思い出したが、門司港みなと祭りというのがあって、ミス門司港か何かのタスキを掛けて何人かの若い女性がドレスで着飾り、それぞれ一人ずつ数台もの拡声器を付けて飾りを施した軽トラの後ろに座っていたか立っていたか忘れたが町を走っていた。実家がある山の上にまで走ってきた記憶が微かに残っており、あらためて時代の変化と田舎ののどかさがそこに在ったことを知る。

 祭りは好きだが参加したことは無い。生まれてからずっと地元で育ち、そうした地域での昔から続いている祭りやイベントなど、私がこれまで住んできた土地土地で見てきたが、そうした地元の一体感というのを見て「ああ、自分にはこうした生き方とは外れたところにいるのか…」と、祭りを見るたびにそう思ってしまう。

 やはり、地元で生まれ地元で育ち、その土地の顔になっていくのはそれなりの苦労を重ね続けてきたからこそである。私のように、福岡で生まれ、広島、大阪、埼玉、東京と移り住んで来た者は、常に見物者なのである。

 そうした地元に留まり盛り上げて行こうと別の顔を持っている人には、その人の生き方の決断があるので男として尊敬している部分ではある。生憎そうした方とのご縁はないが、これからもさまざまに尊敬出来る人が生きていることを思いながら、自分の周囲だけで判断せぬように気をつけて行かなければならない。


 それでは講習記事へ。
 
 昨日も生憎の雨でしたが、ひさしぶりの深川スポーツセンターに向かう途中行きつけのお店で食事。昼時ということもあって混雑しているかと思いましたが、雨のせいか空いており角の四人掛けの席へ案内して頂く。そうしているうちに、途切れなくお客さんが入ってきて気がつけば満席。広めの席で食べていたので「これは、相席になるかなぁ」と思いましたがギリギリ大丈夫でした。会計時に「いやぁ、雨だから今日は空いていると思ってましたが、あっという間に満席になりましたね。」と思わず声を掛けたところ、「きっと、お客様が連れてきてくださったんですよ。」と冷静にお言葉を頂戴しましたので、「結構あるんですよ。」とニッコリ。でも、本当に入ったお店が混雑するのは良くあることですので、それだけお店を選べるようになったという事なのかもしれませんね。

 殺陣クラスの講習では、賑わう人数の中危なくないように気をつけながら見て回りました。今回は立廻りも最後におこないましたが、「万乃型」「払い五斬」「三歩拍合」「連続寸止め斬り返し」などに時間を割いておこないました。

 日曜日は男性比率が高かったのですが昨日は半々でした。今は新しい生徒が増え、同時期に近い入会者が増えております。こうした時期の入会タイミングはずっと続くものではありませんので、今後の主要メンバーを想定いたしましたときにここ数ヶ月間の入会者の成長が重要になってくるものと感じております。

 もちろん、Gold Castleはチームではなく教室ですので、集中的に取り組んでいただき、それをそれぞれの活動するステージで活かせる段階にまでなったらそちらの方に時間を費やして行かれることがこの教室の存在意義でもあります。そうした中でも、長く生徒として通い続けて頂いている方も多くいらっしゃいます。とくに剣術や杖術といった武術におきましては、自己との向き合いが他者との向き合い方を育てるものですので、技という教材の中でどう学び得ていくかが長きにわたる講習の意義でもあります。しかしながら、それだけではなく、生徒同士の交流も発展が進んでおりますので、そうした場としての重要性も認識しながら責任をもって開催しております。

 
 剣術クラスでは、最後にひさしぶりとなる「鬼ごっこ」をおこないました。おそらく一年以上はやっていなかったかと思いますが、ひさしぶりに涙が出そうなほど笑わせていただきました。

 とくに体験初参加の男性お二人と、生徒になられてまだ間もないKさんの、男性三縦列による誘導と対応は大変であったかと思います。ですが、いやでも周囲を観なければならないこの鬼ごっこは、笑い溢れる内容でもありますが、誘導者の動きと、それに順ずる自らの動き、そしてぶつからずに鬼から逃げる周囲の動き、その三つを同時に把握しながら動かなければなりませんので、同時にいろいろな眼を養う稽古法の一つです。

 あらてめて思うことは、決まりを作ることで生まれてくる、育ってくるものがあり、その決まりを成長に応じて変え続けていくことが大事であるという事。とうぜん、決まりとは何かを生み出すため、育てるためのものであり、それが間逆に作用してしまう決まりでは本末転倒になってしまう。何が大事なのか、何のための決まりごとなのか、そこが何かを得ていくためには非常に重要な部分であり、ただ闇雲に決まっているからということだけで、そのことに時間を費やしてしまっては、頂上に通じない道をひたすらに歩き続けているだけである。決まりごとというのは、その言葉に騙されないように、決まり続ける必要のあるものと、決まりを変えていく必要のあるものがあるということです。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
(お申し込み受付中)

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2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

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2019-07-08(Mon)
 

温か味のある世の中に

 毎日同じような天気。久しく太陽を見ていないような気がするが、そろそろ青空がなつかしく思えてきた。日曜日は気温も低めなのでよけいに太陽が恋しくなるかもしれない。昨日観に行った舞台『のうみん』とは間逆のシチュエーションだ。


 さて、本日のGold Castleは戸越体育館で剣術クラスの講習をおこないました。

 去年の10月から今年の3月末まで、約五ヶ月間に渡る耐震化工事が終わり会場は綺麗になりました。武道場は地下一階にあり、上の階でおこなわれているバスケットボールなどの振動がほとんど気にならないレベルまでになりました。以前は、響くような音と振動があり、天井からネジでも落ちてくるのではないかと感じたほどでした。

 こちらの会場は昔から清掃スタッフの方が綺麗に掃除を手掛けて下さるので、掃除は全てお任せしております。その代わり、時間厳守で入室退出の時間には猶予が無く、会場設営準備の時間や、いつものように押してしまった際の退出時刻に慌てながら出ておりました。

 それが今年の4月になってから館長が交代し、若干これまでとシステムが異なる部分も出てきました。それは構いませんが、清掃スタッフの方が三名いらっしゃったのがお一人となり、かなりのお歳の方と見受けられますが館内全ての清掃を一人でやられております。

 このご年齢の方が一人でおこなわれているという事を、今日たまたまお話する機会がありましたのでその方から聞いたのでした。こちらを六年間利用させていただいておりますが、とても丁寧な方で気持ちよく使わせていただくことが出来ております。今はスタッフの募集をしていると伺い少し安堵いたしましたが、それでも耐震化工事が終わってからもう三ヶ月間経っておりますので、職場の状態を統括されている方はどのような感覚なのかと疑問に思ってしまいます。こうした区の施設というのは、区民を始め、人々の生活にやさしく寄り添う場所として存在してこその価値だと思います。決まりごとだけの中だけで人を縛り付けてしまいますと、そこに喜びや笑いが失われ、緊張感の中でビクビクしながらストレスを溜め込み、そのはけ口を求めて日々を過ごしていかなくてはなりません。そんな中でも、心のこもった笑顔で丁寧にご挨拶してくださるこちらの清掃スタッフの女性の方には、気持ちよく会場を使わせていただき、お陰さまで生徒の皆様にも講習を通じて笑顔で帰って頂くことが出来ております。少しでも、その方の精神的負担が少なくなるように、ご挨拶とお話をこれからもさせていただきたいと思っております。(みなさんも笑顔でご挨拶されると喜ばれると思いますよ)

 
 それでは講習内容に入ります。

 今日の脚部鍛練稽古ではひさしぶりに「蛙」をおこないました。軽くおこなっても筋肉痛になる方がいらっしゃいますので、余りやり過ぎないように気をつけておこないました。そう考えますと、数年前はやりすぎていた感がありますね。

 剣術では「十文字斬り」「陰陽之太刀」「陰陽之祓い」「陰陽之型」をおこない最後に「峰返し潰し」をおこないました。

 私が発した言葉に、「肩甲骨と腕が一体となるように斬る」と言いましたが、これは小太刀から気が付いたことですが、この位置を保つために姿勢を作らなければなりません。もちろん全ての動きがそのような位置ではありませんが、動きの特性上必要になってくるものであります。

 また「陰陽之型」では、相手の斬撃を貰って円に斬り込んで参りますが、この時の周回軌道が最終的な身体が整う形になっていることです。つまり、身体が整う周回軌道に剣を振ること。

 最後におこなった「峰返し潰し」では、先に述べたものと同様に身体を整えるために、自らを観察する稽古でもあります。そうしてエネルギーの伝達ロスを抑えた身体各部の構造を保ち、相手の反応よりも先に通すための右前脚の腿の引き上げが重要になります。雑にならず、ジワリとならず、構造が崩れずにおこなわなければなりませんので集中を要します。

 これは力を通す稽古とも言っておりますが、先に述べましたように自らを観察する稽古としても重要なものです。こうしたものは繊細で僅かなことで利きが異なりますので、人間の身体の不思議さ面白さに興味を持っていただきながら、そうしたものへの追求が結果として把握力を磨き新たな視野が拓けてくることになると思われます。

 今日は切が良かったので私としては珍しく定刻に終りました。少し狭いですが戸越体育館の雰囲気は嫌いではありませんので、これからもっと好きになれる場所として温か味のある区の施設としてこの場所に見合った人とのふれあいを願っております。


 明日は、ひさしぶりに深川スポーツセンターでの開催となります。明日もあいにくの空模様となりそうですが、久しぶりの生徒も参加されますので、新しい生徒達と共に賑わう講習となるでしょう。

 殺陣クラスは、基礎的な内容から、タイプMと一対四瞬殺をおこないます。タイプMに関しましてはその日のメンバーを見て、その組に関しては立廻りだけの講習を不定期でおこなうことも検討しております。もう少し全体的に動きが入ってきましたらそのように進めたいと思っております。かつては、「月末恒例立廻り講習」と題して、毎月月末の日曜日は体験参加の受付をせずに基礎鍛練稽古もおこなわずすぐに立廻りをおこなっておりましたが、今後は日程を決めずに、その日の参加者の進み具合によって月に一回ほどはおこないたいと思っております。

 剣術クラスは、剣の振り方(斬り方)を身につけるために欠かせない内容として「正面斬り」や「斬割り」をおこないます。これは同時に間合いや左右の力の使い方、相手の起こりを読む稽古にもなります。

 続いて「柄奪り反し斬り」をおこないます。これは一つ一つの動きが出来不出来に大きく関わってきますので、一つ一つ精確におこなうようにいたします。

 そして最後は一年以上はやっていなかったかもしれない「鬼ごっこ」をおこなう予定です。準備に時間が掛かりますので、そこまでの仕込が時間配分の中で重要になります。これは相手を観ながら周囲を観察する眼を養うためのものです。もちろん自らの動きも正確におこなわれていなければなりません。いろいろな眼を養う稽古です。

 さあ、今夜もこの辺りにいたします。明日もみなさま楽しみにお待ちしております!


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2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
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2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

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2019-07-07(Sun)
 

劇団そとばこまち『のうみん~三人の天草四郎~』を観に

 本日金曜日は、池袋にある劇場「あうるすぽっと」にて、劇団そとばこまちさんの舞台『のうみん~三人の天草四郎~』を観て来ました。今回は舞台鑑賞会&食事会としましてGold Castle 殺陣&剣術スクールのホームページでもお知らせしておりました。

 舞台はとにかく圧巻でした!

 劇団そとばこまち殺陣師の井本涼太さんが私の稽古会に参加され、その姿と稽古後のお人柄のギャップに深く感じ入り今回の鑑賞会を計画いたしました。

 大阪から、単身東京の殺陣指導者や剣術指導者を訪ねて回り、そうした行動力とエネルギーのある23歳の殺陣師のエネルギーは応援したくなります。私も大阪に二十代の頃住んでいた時期がありましたので、そとばこまちさんのお名前は当時から知っておりました。そうした関西の劇団さんが東京でよしもととタッグを組んで公演されるとなれば、勢いのある舞台であると想像しておりましたが、その想像をはるかに超えるパワーと三十名以上が舞台上で乱舞する様は圧巻の一言で絵になるものでした。一人ひとりのモチベーションが高く、3.500円のチケットはかなりお得で、前売り4.500円/当日5.000円でも元は十分に取れます。

 あうるすぽっとには初めて行きましたが、座席も窮屈でなく、空間的にもかなり良い劇場でした。規模といたしましては小劇場ということになるのでしょうか、この中であれだけの動きをこなしたキャストの皆様には本当に稽古を重ねて準備したのだと思います。すばらしかったです!

 公演は7/7(日)までですが、あれだけのエネルギーのある作品は近年観た記憶がありません。これから東京でもドンドン活躍して行くと思われる劇団そとばこまちさんの舞台を私はお勧めいたします。

http://sotobakomachi.com/


2019.07.05 劇団そとばこまち『のうみん』

2019.07.05 劇団そとばこまち 殺陣師の井本涼太さん


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
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2019-07-06(Sat)
 

杖乗に解す

 今週も早いもので金曜日が終わろうとしている。外からシトシト雨音が聞こえる。今年は梅雨らしい梅雨だ。

 少し振り返って水曜日は戸越体育館で渡部氏と稽古。

 この日は、Gold Castleでおこなう立廻りの確認と体術をおこない最後は杖整体操をおこなった。

 立廻りではタイプMの各部分をおこない、続いて一対四瞬殺での動きの前後における芝居を確認。これは動きの対比を表現するものであるが、かなりコミカルなものになってしまうので、講習では全員がおこなうのには難しいだろう。まだコレをお伝えするには全体的な動きの習得に時間が掛かるが、焦って今おこなうとシラけてしまうだろう。毎回私がおこなうフリに渡部氏が大笑いしている。

 立廻りの確認が終わり、続いて体術稽古。

 蠢動の研究をおこなう。蠢かせ方や蠢かす部位の意識など幾つかおこなったが、統一性を持たせない不規則な蠢きが相手とぶつかりにくく安定的に強さを維持出来る。歩く際の蠢動では、左右への重心の偏りを少なくして歩くことで、押されたり体当たりされた際の強さは大きく変わった。つまりは蟹の前歩きの要素を用いるという事である。

 会話のなかから「スキップ」という単語が出たので、何年ぶりかスキップをしてみた。これが思いのほか身体が伸びるので柔道場の対角線上を四歩でスキップしながらその空中の姿勢などどうなっているのか、渡部氏にスマートフォンで撮影して頂いたが、あらためて腿の引き上げにおける基礎鍛練稽古の影響が動きに表れておりなかなか面白い映像であった。

 一気に身体が熱くなったが、杖整体操で心地良くクールダウン。

 この日「杖正座」という正座腿と脹脛の間に杖を挟んで座るというもの。これが私にとってこの上ない心地良さで、10分近くその状態で留まっていた。脹脛を酷使している私にとって(足を引き上げる際の筋肉の状態を調べたところ、酷使しているということに今頃気がついたのである。)以前から脹脛をどう調整すればいいのかが課題であったが、この杖正座は簡単で、人によっては激痛かもしれないが、私にとってはずっとそのままでいたいほどの気持ち良さが感じられたことからしばらくは自宅などでこれを続けるだろう。

 そうしたことから、杖整体操の中で今私にとって旬なのは「杖乗に解す」(じょうじょうにほぐす)ことである。

 頭、首、肩、背中、腰、脹脛、これらの部位をただ杖の上に乗せるだけで疲労が溜まっているところはずっと留まりたくなるほど気持ちが良いのである。動かずジッとしているだけなので講習会向けではないのであるが、8/12(月)に予定してある杖整体操では、この「杖乗解し」を幾つかお伝えしたいと思う。
 
 稽古の終わり頃に鍼灸師のYさんが仕事の合間を縫って杖を受け取りに来られる。先日の杖術特別講習会でお伝えした動きの確認をされていたが、おそらく杖が無い間、忘れぬように代替品で練習されていたのかもしれない。私にとって杖は、武術稽古の得物として欠かせないものであり、身体を調整するものとしても重要な存在感を示し始めてきた。代表的な「三十連打」や「杖整体操」などについては、いつか細かく説明できる機会があれば、そこでお伝えしたいと思う。おそらく多くの方に関心を持っていただけるだろう。現に三十連円打については、そうした声を幾つか聞いている。

 この日は、「杖乗に解す」事の調整法にあらためて目が開いたのであった。


 そして翌日となる木曜日は、高田馬場にて渡部氏と稽古。

 この日は「斬割り」についての理合いに一つ整理が付いた。

 これまで引き斬りに斬るように相手の正面斬りを斬り割ることにためらいなくおこなっていたが、仕太刀側の斬割り方が、肘を下げずに手首を使うような突き入れる形に近い場合、むしろそちらの方が相手の籠手や面に刃が届きやすくなり、打太刀にとっては遣り難いのである。

 しかし、これは打太刀が始めに正面斬りに斬り込むつもりで、下段から剣を発した際に、仕太刀側の動きを捉えながらそれを無視して正面斬りに入ることは考え難い。さすがに、仕太刀側の動きを察知すれば、正面斬りの軌道から相手の剣の方向に修正していくのが自然であろう。そうなれば、仕太刀が手首を使って突き入れるような形で剣を運ばせると、頭上で軌道修正した打太刀の正面斬りからやや斜めに斬り込んできた太刀筋には脆くも崩されてしまう。これは、打太刀が正面斬りであるならば、手首を使って突き入れる太刀筋でおこなった仕太刀の方が労せず有効であるのだが、軌道修正した打太刀の太刀筋には先の仕太刀の突き入れるような肘から先での斬り込みでは容易く潰されてしまう。

 この違いを渡部氏を打太刀にして確認することが出来た。

 そのため、本来ならば鹿島神流のような径の厚い木刀で、打太刀が仕太刀の「割り」に備えて、頭上で軌道修正をかけ、斜めに斬り入ってくるのを斬り割らねばならないのだろう。とうぜん、互いに斜めに太刀筋がぶつかり合うので、その衝撃は相当なものがあり、一般的なサイズの木刀だと直ぐに折れてしまうだろう。また鹿島神流の木刀でもそのうち折れるだろうし、手の節々を壊す恐れもある。そうした斜への斬割りは昔おこなっており、鹿島神流の木刀を何本か折ってきたし、手之内の節々の痛みも数ヶ月間は消えなかった。そのようなことからも、打太刀は正面斬りに斬り込むことで型稽古としての折り合いを付けているのではないかということに気がついたのであった。

 この日は、杖術に剣術に小太刀と抜刀術をおこなった。とくに杖術では間髪入れぬ程さまざまに組杖稽古をおこなった。目を何処に持ち、気づかぬところへの把握の意識。そうしたものをさまざまな動きの中で自らに感じさせる。

 ジックリと考えながら新たな進展に向かう稽古もいいが、ときにはこうした考える間もないような余裕を持たせない中での精度を養う稽古も大事である。これもまた、身体が考えているのである。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ
(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-06(Sat)
 

姿勢と太腿

 本日火曜日は、体感的には今年に入って一番湿度が高かったように感じた。手に取った杖が湿っているので、ここまでになるのはそう滅多にない。「クラーチ剣術教室」では無理をさせてしまわないように疲れやすい今日のような日はとくに注意が必要である。

 その前に昨日の稽古から。


 月曜日は18時から高田馬場にてT氏と稽古。

 開始時刻前に20分程一人で杖整体操をおこなう。本来稽古前にはおこなわないほうが良いのであるが、連日の稽古から身体が求めていたので、20分でもかなり集中して身体と向き合う事が出来た。

 T氏との稽古では、私の会話が多くなってしまったが、これもその人毎に異なる稽古の在り方である。稽古では杖術や抜刀術をおこなった。この日、得たものというか無意識でおこなっていたものに気がついたのは鞘の引き方。いわゆる鞘引きであるが、私が以前からお伝えしていたことに「鞘引きは離れ前が大事である。」ということの具体的な操作とその形が確認できた。

 そのことは今月15日(月)におこなう『抜刀術 特別講習会』でお伝えしたいと思う。抜ききる直前一、二寸の違いがあるので、抜き難い人や引っ掛かりのある人には、具体的な操作法とその形を実際にお見せしながらお伝えしたい。

 杖術では「旋打」をおこなった。最近の暗闇焦点法を意識しておこなうとこの旋打における精確さが、杖術全般の精度に効果を発揮するものと思われる。視覚や速さに捉われるとそこに意識が集まり過ぎて身体各部の把握力が低下してしまう。同様に気持ちが入り過ぎたり、気合いが必要以上に入り過ぎてしまっても身体各部への把握力は低下してしまう。演武や人前などでおこなう際の緊張なども然り。それらの中から何を一番に優先すべきかと言えば、身体を観察し把握するための意識と集中である。技術習得への一歩はそうした精神整理を済ませてからおこなうことが重要である。だから、日常の行動やまた稽古場での空間が、純粋に己の身体に向き合えるかどうかの状態になっていなければならず、そのことを常に第一に考え生きていく上での選択をして行かなければならない。もちろん聖人君主のようにとは行かないが、邪悪な空気を纏わないようにそうでない人との人間関係を構築して行かなければならない。

 T氏とのお話の中で、他流団体のお話をお伺いすることが出来たが、改めて思うことは、武道武術もそうであるが一般社会におけるビジネスなどにおいても、良いものが生まれる背景とそれが廃れていく背景というものに、人間の精神性が大きく関わっている。組織が大きくなるにつれそうしたものは運営のためのものになってしまい易く、そこに本質的な精神性と中身が抜け落ちてしまい、より本質から掛け離れて行くという負の連鎖的労力の使い方が本筋の低下を招いてしまっている。

 良いものはやはり新たなところから出て行くようになっているのかもしれない。


 一晩経って本日は「クラーチ剣術教室」で講習をおこなってきました。

 今日は湿度が高く呼吸も酸素が薄く感じられるような状況でしたので、ペース配分など気をつけながら一人ひとりの表情に注意しておこないました。毎週おこなっている「転ばぬ先の一歩」では、みなさんに任せておこなうことが出来るようになってきました。私も一緒にやってみたいので、号令をヒマワリさんことSさんにお願いし、歩いている最中に「ハイ!」という合図で踏み出した前足が地に付いたのち再び引き上げて一歩が出せるかというもの。これがなかなか難しく、「みなさん大丈夫かな?」と思いましたが、それぞれにタイミングを考えながらああでもないこうでもないと諦める事無く全員集中して取り組んでくださっております。

 剣のほうでは「後方突き」をおこないました。ここで昨日具体的に気が付いた鞘引きの形をお伝えいたしましたところ、お二人のSさんが見違えるように動きがよくなり、抜いているご本人達もその変化を実感してのめり込むように繰り返されておりました。

 最後はGold Castleでもおこなっている「一対四」での四人斬り。剣術となりますと手数が少なかったり直線的な動きが多いため、少し殺陣的要素のある動きを取り入れておこなっております。とくにヒマワリさん(訪れた瞬間に部屋の雰囲気が明るくなることからヒマワリさんと皆さんから親しみを込めて茶化されております。)ことSさんは、杖よりも剣の講習の方が好きで、杖で落ち込んだ時は剣で励ませるようにお伝えしております(笑)。でも最近は杖もずいぶん良くなってきました!

 そのSさんが「四人斬るのはむずかしい~!」とおっしゃっていたところ、ツッコミが抜群のSさんが「四人なんて斬らなくてもいいのよ~!」となって、Sさんが「ウチに一人いるからねぇ~」となったところで大笑い。

 仲良しのご主人様の事でときどき笑い話になることもあり、本当に楽しく講習をやらせていただいております。


 講習後は月に一回のレストランでお食事。

 今日はTママさんがお休みだったので、いつもの手料理が無かったのですが(催促じゃありませんよ。)以前入会されていた九十歳のDさんとご一緒になり、ひさしぶりに懐かしくワイワイ皆で盛り上がりました。

 一番若いWちゃんは、毎朝5時にウォーキングをされており、もう二年近くなるでしょうか、Hさんが引っ越された今も一人で元気に継続されております。今日は太腿について、表側と裏側のテンションの引き合いが姿勢に関わってくると私なりの考えをお伝えさせて頂きましたが、そのバランスによりその人の自然な骨盤角度が決まってくると思いますので、立っているときや歩いているときの胸椎による骨盤角度の調整が、足に関わる負荷の掛かり方に影響してきますので、そこで馴染んだテンションの引き合いが現在の姿勢であり、表側(大腿四頭筋)と裏側(ハムストリング)の筋肉バランスに関わってくると思います。ただし、転ばぬ先の一歩を稽古しているとは言え、転倒のリスクを考えますと重心で歩くことをお伝えするのには、かなり躊躇しながらお伝えしております。そのあたりは皆さんも分かってくださっているようなので安心しております。

 玄関前で見送りに来られた皆さんとお別れして、帰り掛けに武道具屋に立ち寄り杖を三本購入。今日は家のほうにも武道具が届いたので今週には生徒達へお渡し出来る予定。八月の講習日程と稽古日程も掲載し、間違えてはならない事務作業なのでどうしても時間が掛かってしまいます。

 今週25日(金)15時~池袋にある劇場「あうるすぽっと」にて舞台鑑賞会&食事会をおこないます。お申し込みは受け付けておりますので、まだ御連絡お待ちしております!


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
(お申し込み受付中)

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2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-02(Tue)
 

2019年8月 武術稽古日程


8月01日 木曜日  金山剣術稽古会
         14時00分~16時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場

         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場



8月02日 金曜日  金山剣術稽古会
         17時00分~21時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場



8月03日 土曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         13時20分~14時50分
         深川スポーツセンター 剣道場  
         15時10分~16時40分
         深川スポーツセンター 剣道場



8月04日 日曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         12時00分~14時00分
         品川区総合体育館 柔道場


           
8月05日 月曜日  金山剣術稽古会
         17時00分~21時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場



8月06日 火曜日  クラーチ剣術教室
         10時00分~11時30分          
         クラーチ溝の口

         金山剣術稽古会
         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場



8月08日 木曜日  金山剣術稽古会
         14時00分~16時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場

         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場



8月09日 金曜日  金山剣術稽古会
         17時00分~21時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場



8月10日 土曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         12時30分~14時00分
         戸越体育館 剣道場 

         金山剣術稽古会
         15時00分~17時00分
         戸越体育館 剣道場



8月11日 日曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         15時00分~17時00分
         品川区総合体育館 剣道場



8月12日 月曜日  杖整体操
         15時30分~17時00分
         品川区総合体育館 柔道場
         


8月13日 火曜日  クラーチ剣術教室
         10時00分~11時30分          
         クラーチ溝の口

         金山剣術稽古会
         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場
         


8月14日 水曜日  金山剣術稽古会
         12時00分~14時00分
         戸越体育館 柔道場



8月15日 木曜日  金山剣術稽古会
         14時00分~16時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場

         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場



8月16日 金曜日  金山剣術稽古会
         17時00分~21時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場



8月17日 土曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         15時30分~17時00分
         戸越体育館 剣道場



8月18日 日曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         15時00分~17時00分
         品川区総合体育館 剣道場



8月19日 月曜日  金山剣術稽古会
         17時00分~21時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場



8月20日 火曜日  クラーチ剣術教室
         10時00分~11時30分          
         クラーチ溝の口

         金山剣術稽古会
         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場
         


8月22日 木曜日  金山剣術稽古会
         14時00分~16時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場

         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場



8月23日 金曜日  金山剣術稽古会
         17時00分~21時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場



8月24日 土曜日  剣術 特別講習会
         15時00分~17時00分
         品川区総合体育館 剣道場
         18時00分~ 懇親会

         

8月25日 日曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         12時00分~14時00分
         品川区総合体育館 剣道場



8月27日 火曜日  クラーチ剣術教室
         10時00分~11時30分          
         クラーチ溝の口

         金山剣術稽古会
         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場



8月28日 水曜日  金山剣術稽古会
         12時00分~14時00分
         戸越体育館 柔道場



8月29 (木曜日  金山剣術稽古会
         14時00分~16時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場

         19時00分~21時00分
         江東区スポーツ会館 剣道場



8月30日 金曜日  金山剣術稽古会
         17時00分~21時00分
         新宿スポーツセンター 剣道場



8月31日 土曜日  Gold Castle 殺陣&剣術スクール
         15時30分~17時00分
         戸越体育館 剣道場






 金山剣術稽古会 入会希望の方へ


【 新宿スポーツセンターでの稽古時間 】
◇(月曜日・金曜日/毎週)17時00分~21時00分
毎月第四月曜日は休館日のためお休みとなります。
(第四月曜日が祝日の場合は翌火曜日がお休みです)

◇(木曜日/毎週)14時00分~16時00分 


【 江東区スポーツ会館での稽古時間 】
◇(火曜日・木曜日/毎週)19時00分~21時00分
月曜日が祝日の際は翌日火曜日が振替休館日となりお休みとなります。


【 戸越体育館での稽古時間 】
◇(水曜日/隔週)12時00分~14時00分 


完全予約制ですのでお早めに御連絡下さい。
前月までに御予約の入っていない日はお休みとなる場合が御座います。
お申し込みは金山剣術稽古会のサイト
https://www.kanayama-kenjutsu.com より御連絡下さい。

都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。


2019-07-02(Tue)
 

眼は目にあらず

 六月最後となるGold Castleの講習が終わりホッと一息ついているところ。Gold Castle 殺陣&剣術スクールという、この土曜日と日曜日の講習は参加人数も多く、生徒それぞれの年数も積み重なり、新たに生徒になった方や体験参加の方などクラス分けをせず、私一人で全てを観て行くというのは私にとっても毎週が真剣勝負です。

 講習では、毎回おこなうものと新しくおこなうものを織り交ぜ、継続的に育てて行く内容と新鮮さの中で興味を失わずに取り組み続けることが生徒の成長には必要であると考えております。

 この教室に来られる方は、単純に運動不足解消が目的の方もいらっしゃれば、そうした目的から身体の使い方に興味が芽生えてきた方も少なくありません。近年では私が配信している動画や、五月に発売されたDVDの内容などから動きに興味を持って参加されている方もいらっしゃるかと思います。

 こうしたさまざまな目的の方々に、毎週どのようにお伝えしていくかという事が私にとっても貴重な場となっております。もちろん、一瞬の間や表情から私なりに次回への反省点としてきたことも多々あります。教室を運営して行くという事は、技能技術だけでもなりませんし、宣伝だけでも上手くは行きません、さまざまに関わる事の全てのバランスと把握が常に薄まる事無く思考の中に留まっているかが重要です。

 武術稽古では自己と向き合い、その中で感覚を知り把握力が高まります。そうした把握力はとうぜん心理面における把握力にも通じております。そして、指導者の立場といたしましても、観察と対応が求められますので把握力が実践され、そこで経験した出来事から自省し観察と対応を学ぶのだと思います。つまり、武術とは、自己と他者における身体的実践観察から多くのものを学び、それが技や人間形成に結果として繋がっていくものだと思うのです。逆を言えば「観察無くして学び無し」ということが言えるかと思います。

 
 さて、昨日土曜日の講習から

 昨日は戸越体育館にて昼からGold Castleの講習をおこないました。土曜日にしてはめずらしく普段の半分程の参加人数でしたが、戸越体育館の広さを考えますと、杖術クラスの昨日のテーマである「暗闇焦点法」が集中的におこなうことができました。Gold Castle向きではない内容でしたが、たまにはこうした「静の稽古」も、まさに視点を変えておこなうものとしてお伝えしなければと感じておりました。

 講習中にフト感じたことは、「講習で私がしゃべればしゃべるほど、生徒にとって身体に目を向ける集中を奪っているのではないか」とドキリといたしました。しかしながら、Gold Castleはホームページの雰囲気からも、そうした求めるものが高い環境では苦しくなってしまう人もいるものでしょうから、その辺の采配を鮮度が落ちないようにバランスよくおこなって参りたいと思います。

 この日は、会場を二コマ続けて押さえていたので、退出時刻に追われないことからも三十分延長して最後に「杖整体操」をおこないました。ひさしぶりにおこないましたが、身体の調子を整えるのは「やるかやらないか」が大きく左右しておりますので、私自身このところやっていませんでしたので、動きが硬くなっておりました。この杖整体操をおこなう目的は、柔らかくなる為や気持ちよくリラックスするためではなく、怪我のリスクを下げるべく身体を解す必要性を年齢と共に感じたことが大きな理由です。寝て身体が元に戻るのはある程度年齢を重ねてしまいますと、一晩ではどうにもなりません。ですので身体を使い続ける私のような者にとっては、どうしても身体を使い続けられる状態にしておかなければなりません。昔は、稽古頻度も今のように多くはありませんでしたので、時々身体を痛めつけるような稽古をやっておりました(連続三十分四方斬りや飛石1㎞、蛙の真っ向や雀の真っ向など)が、今の稽古日程では回復させる時間がなかなか取りづらいため、そのような激しい事は久しくやっておりません。そういう意味では示現流の「立木打ち」も何度かやりましたが、全て全力で丸木に打ち込むというのはかなり強烈な心身への鍛練となりました。五分で手の皮が大きく破れ血が出ます。慣れないうちは声も枯れます。それを一時間はおこないます。

 今でも、そうした激しい稽古への欲求があります。ですので日々淡々とした稽古や鍛練の中で、怪我無く相当なことが出来るように継続した身体作りへの憧れは持ち続けております。そのための調整法の一貫として、鍛練した身体を解すものとして杖整体操を私の調整法に取り入れております。


 Gold Castleの講習を終え、続く夕方からは金山剣術稽古会土曜日稽古会を開催いたしました。今回は渡部氏と鎌倉からT氏がお越しになられました。稽古では、その時お伝えしていた会話の流れから杖をおこなったり体術をおこなったりさまざまに検証していきますが、そうした流れの決まっていない稽古だからこそ発見の匂いというものが感じられます。ここでの稽古は発掘作業のようなものですので、さまざまに思い至ったものを試すことはよくあります。そうした失敗の中から発見できたものを講習会や特別講習会などでお伝えしております。ですので金山剣術稽古会は私にとって最も大事な源泉の場であり、とくに平日おこなっている少人数での稽古は、何よりも泉の源となる空気を大事にしております。このあたりは色々とおこなっている講習会などと比べましてもかなり雰囲気は異なるものと思いますが、そうした中でも一人稽古はさらに雰囲気の違うものとなりますので、やはりそこは特別であると思います。

 稽古では基礎鍛練稽古に体術、杖術、剣術、抜刀術に納刀法などをおこないました。稽古後にT氏から連絡をいただき、「情熱を持った真剣な時間を過ごせることが小生にとって最大の恩恵でございます。」というありがたいお言葉をいただきました。年齢は存じ上げませんがかなり上の方だと思われますので、私といたしましても学ぶべき事は幾つもございます。

 戸越体育館で併せて四時間半稽古をおこない、帰りの山手線で猛烈な睡魔に襲われ何度もガクンガクンと頭が揺れてしまった。そのため昨夜は無理をせずに「かざあな。抜刀術編」の映像編集をチェックし修正箇所をお伝えして床についた。かざあな。については昨年の春か夏には全て配信する予定で企画書を作成したので、もはや語ることも気が引けてしまうが、最後の抜刀術編は、これまでと異なり、映像編集を先に終らせて後で音楽を作っていただくことになっております。これまでは、映像が完成する前に音楽を作ってくださっていたので、イメージで作っていただいたものでした。いざ、二本作品が完成すると、映像ととても合っておりますので、音楽の凄さ、TAMTAMのMariさんやTakaさんのセンスの素晴らしさに驚かされます。ですので、これまでは映像が仕上がる前に音楽についてはほぼ出来上がっておりましたので何度も何度も聴いていたのでした。それはもう昨年の春ごろには原型が二つとも出来ていたものと思います。(実際には3バージョン作って頂いておりました)最後の抜刀術編では、私の希望をMariさんにお伝えし、それなら音は後付けにいたしましょうということで私としても大変楽しみにしております。


 長くなりますが、続いて本日日曜日の講習も書きます。

 これまでGold Castleは全般的に女性率が高かったのですが、ここ最近は男性が増え始め、全体的な割合では半々となっております。曜日で言いますと土曜日は女性率が高く、日曜日は男性率が高くなってきました。日曜日の女性参加者がもう少し増えていただきたいところですが、刀剣乱舞の影響が少し落ち着き、今度はるろうに剣心の影響がまた訪れるでしょうから、それまでに今の生徒達のレベルを上げて、付きっ切りでなくても動きが身につく状況に持って行きたいところです。(感じる能力を高められるように)

 体験参加から生徒になられる確率も増えて参りました。それはおそらく最初から入会を目的で訪れる方が増えたという事であり、そうした方々の目に留まりやすくなったという事でしょう。この辺りは教室を運営している者として非常にありがたいことだと思っております。もちろんいつまでも体験参加の募集を続けられるか分かりませんが、一コマ十五名を平均として安定してきましたら、昔のようにコマ数を増やす事無く、体験参加のお申し込みに今よりも制限を掛けて講習が滞りなくおこなえるようにと考えております。ですがまだまだトータル的には横ばいの状況ですので、しばらくは今のような状況を維持していくものと思われます。

 今日は嬉しい事がありました。

 それは、体験参加に来られた十代の若い役者さんがGold Castleが開講してまだ数ヶ月の頃の生徒であったYさんという俳優さんの御紹介でお越しになられたことでした。

 Yさんは、以前私が役者活動していた頃、よく雑誌などで事務所の所属タレントとしてお顔と名前は拝見しておりましたので、体験参加に訪れたときには、まだ教室自体産声を上げたばかりでしたのでかなり殺陣は経験されている雰囲気があり、Yさん曰く「剣術に興味があります。」と仰られ、雰囲気的にもサムライが似合う方でしたので、そうした方があれから五年程経っても「教室に行くならあそこがいいよ!」と紹介してくださったことに感じ入るものがありました。

 「数字に見えないものを大事にしなければならない。」このことは、私が現在よく思うことであり、編集者の方と対談でお話していることでもあります。現代は数字に見えるものに捉われ喜び苦しんでいる人が多いのではないでしょうか。数字に捉われてしまいますと、判断がそちらにズレてしまい、数字の価値観に同調してしまう傾向が強まるでしょう。そうなりますと、歳相応に身につけて行かなければならないはずの精神性からなる状況判断にも、第三者の情報や数字的価値観への同調が尊敬すべき年長者の思想に至っていない場合も考えられます。

 利用しているつもりが利用されている。そこに依存と世の中の同調性が己の意思を失わせてしまっている。弱肉強食は現代でもそうである。金銭が発生すれば、そこに本当の姿は見えにくくなってしまうもの。そうしたものを見抜くには、自分の肌で直接感じた自己観察と他者の観察である。そうした見えにくいサバイバルの中で、観察眼を養い真理を観る目を持つことでかなりのことは自由になれる。「眼は目にあらず、感覚であり、直感であり、予感でもある。それも目なのだ。」


 日記のタイトルに困るほど話が飛びすぎてしまった。(昔はタイトルを先に書いていたが、今は何を書き出すのか分からないため後付けとしている)

 殺陣クラスの講習では、タイプMの序盤の七歩からBの終わりまでおこなった組と、七歩目からBの終わりまでおこなった組とに分かれました。

 これまで二人一組や三人一組でおこなっていたものと比べて五人一組となりますので、動きのタイミングなど順に全てを役どころをおこなっていただいておりますので、大変であったかと思われます。ですが当分はこの序盤からBの終わりまでを稽古いたしますので、焦らずに絡みA~Dと芯の動きを覚えて頂きたいと思います。

 しかしながら、全体的にようやく動きが入ってきた感じを受けましたので今日は進んだように感じます。もちろん各人それぞれに出来ていないとことが沢山あると思いますが、今日のような稽古でなければ身につかないものがあるのも事実です。以前の立廻りタイプⅠ(映像記録に掲載している動画です)でも、当初は動きを身に付けるまでが大変で、かなり時間を掛けて稽古してきました。(一年以上は掛けておりますので、殺陣クラスの講習内容を追いかけていただくといつからおこなっていたかが分かるかと思います。)

 杖術クラスでは、今日の参加者を見て、基礎的な持ち替えかたや打ち突きなどをおこない単体技を幾つか全体でおこないました。最後は「左右払い突き」をおこない、それぞれに良く集中しておりましたので、予定していた「三十連円打」をおこなわずに、そのまま最後まで左右払い突きをおこないました。女性のHさんが普段殺陣クラスや剣術クラスを受講されており、杖術クラスが初めてだったこともあり、終った後に「気持ちよかったです!」と仰っていたのが印象に残りました。普段のお仕事でデスクワークの方には、考える前に身体がもう気持ちいいと感じているものだと思います。とくにパソコン作業となりますと、肘が固定されてしまいますので背中が動かされず緊張の中で固まってしまいます。ある種これも生活習慣病といえますので、長く動ける身体を維持するためにも軽くて滑りのいい杖はうってつけです。これに杖整体操が合わさればかなり自衛できるものと思われます。

 このところ、剣術クラスや杖術クラスは内容が難しくなっているかもしれませんので、もっと易しい内容も取り入れていこうと思います。

 さあ、今夜はこれ以上書けなくなりましたのでここまでにいたします。今年の夏は殺陣クラス、剣術(杖術)クラスともに熱い講習風景が予想されます。動きが少しずつ入ってくるに従いこれまでとまた違った雰囲気になるでしょう。楽しみにしております!

 本日も、そして今月もみなさま、ありがとうございました!


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ
(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-01(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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