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後の先の大事

 昨夜発生した台風3号であったが、さして影響も無く打ち合わせに向かうことができた。

 先ずは今週火曜日におこなった稽古から振り返りたい。

 ひさしぶりとなる住吉での稽古。パーソナルトレーナーのM氏が仕事を終えられて参加。基礎鍛練稽古から杖術と剣術を稽古した。月曜日のBABジャパンの取材中に気がついた、正面斬りにおける肘と肩甲骨と胸の動きの関連性が、これまで無意識におこなっていたものが具体的にその動きの関連性を実感出来たことで、これまでよりも正面斬りにおける動きの通りが良くなった。そうしたことも、翌日のM氏との稽古でもお伝えしながらジックリと動きを確認し、そのときにお伝えできる言葉をさまざまに探していた。そう、こうした稽古会における指導の立場では、私にとって言葉を練るというか、その瞬簡にどういった言葉が浮び、それを言うべきか言わずして次の言葉を待つか、私の中で自問自答する時間でもあり、そうした時間で学ぶことは私にとって活きた時間となっている。

 昨日木曜日は高田馬場で渡部氏と稽古。この日は一時間程前から一人稽古をおこない、杖術における脚足との連動や剣術における脚足の連動、そして正面斬りを繰り返した。その正面斬りに関してはこれまでの感覚よりもよりスイッチのような、自動的におこなわれている感覚と動いている感覚とが曖昧な、自動的になる感覚が進んだ。

 「暗闇焦点法」は、考えて見れば一人稽古では、自然とこの状態で杖術、剣術、抜刀術をおこなっていることに気がついた。唯一おこなっていないのは今考えれば体術稽古である。これもいつか暗闇的視覚を使わない方法で稽古をおこなうかどうかはわからないが、相手がいることなのでその辺りは相手にも同調した集中状態が求められるだろう。正確には暗闇的体感稽古であるが、暗闇焦点法は、具体的な焦点を合わせることで、より自身の身体の状態に目を向けやすいものとして名称付けして講習会等でお伝えするものとした。

 渡部氏が訪れる少し前に鍼灸師のYさんが仕事の合間を縫ってお越しになられる。私に直接ご相談のために五分~十分程の短い時間にもかかわらず足を運んで下さった。治療だけでなく、針のセミナーを開催されている程の方なので、お会いした印象からも私の身体に異変が訪れたときはYさんにお願いしたいと考えている。

 この日の稽古で得たものは、「要らぬ一手間、要る一手間」その後に続く言葉は一言では括れないので敢えてここで区切っているが、そうした一手間の無駄、或いは重要性に気がついていける事が、普遍的な対応力を養うものとして理の実感とともに変わってゆく。

 だからこそ、変わらずに要られるものではないのだろう。

 
 そして本日はとある出版社の方と打ち合わせ。今回も時間があっという間に過ぎて行く密な時間を過ごさせていただきました。こうした対話の中で生まれてくる言葉や考え、そうした瞬間というのは稽古中にある気付きの瞬間に近いものがあり、おそらく打ち合わせにおけるその瞬間というのは、普段の稽古がそのまま脳内の働きとして作用しているものと思われる。だから自ずと全てのことは関連性を持ち、一つの筋が立ってくる。言葉のプロと対話させて頂ける事は大変貴重な時間であり、学ばせて頂いております。自分の未熟さを痛感しながらも、考えは包み隠さず飾らずありのままに発しなければならないと思っている。そんな自分に気恥ずかしさを感じつつも、その瞬間というのは、言葉を言おうとしているというより内面から出て行くものとして姿形は後回しになって発せられたものが心の言葉だと思う。これは全て稽古があってのものです。私の基盤は日頃の稽古。それは私がこれまで思っていたより重要なことであると気がつかされました。生きることの意識は、誰にでも関係していることであり、自らの中に確固たるものを一つ持つことが、生きるに値する強さの覚悟でもあります。そうしたことを自ら考える隙を与えさせない時代ですが、表面的な強さは内面的な弱さを生み出しているともいえますので、表面的なものに捉われない生き方に気が付き覚悟を備えておくことが、変わり行く世の中の無常に対峙していける唯一の法であると私は思います。

 もう少しだけ書きますと、昨今の事件やニュースはそうした時代の流れにおける自然さの中で生み出されています。ですから、それぞれが人工的に作り出された自然災害に巻き込まれないように自身を見つめて行く必要があります。それは人任せでなく、自ら行わなくてはなりませんが、そうした時代の影響にドップリ浸かっている我々は、人間が持っている自然の力に今一度目を向けて、そこと向き合っていくことで生き抜いていくための「何か」を得て行けるのかもしれません。人生は「後の先」のほうが健全で学びを得て行けるのです。


 この辺でやめておきますが、明日は戸越体育館剣道場にて12時30分~14時00分(30分程延長予定)Gold Castleの講習をおこないます。明日は杖術の講習をおこないます。

 続く15時00分~17時00分まで金山剣術稽古会をおこないます。土曜日は単発参加型の稽古会ですので、初めての方でもご参加お待ちしております。杖術、剣術、抜刀術などをおこないます。


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2019年6月 武術稽古日程

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2019-06-28(Fri)
 

「暗闇焦点法」

 昨日月曜日は昼にかけて二時間BABジャパンから発行される『月刊秘伝』の取材を受けました。

 剣術に関して二時間があっという間に過ぎてしまうほど、色々とお話させていただきました。私自身これまで夢中になって遣ってきたものをあらためて振り返る時間でもありました。これまでおこなってきた稽古が今に繋がっているものであり、そう考えますと剣術だけでも色々と遣ったのだと思います。得物と身体の関係性が動きの発掘、感覚の追求に至るものであり、そこから技が生まれてきます。「技に身体が合うのではなく」「身体に技が合う」のであれば、「得物が身体を創り整える」のだと思われます。そうしたことに関連するお話をさせていただきましたので、掲載される日が確定いたしましたらまたお知らせしたいと思います。昨日お世話になりました皆様にはこの場でお礼申し上げます。


 そして本日火曜日は、「クラーチ剣術教室」の講習でした。今日は今週の土曜日にGold Castleでおこなう予定の「暗闇焦点法」をおこないました。

 この「暗闇焦点法」は前回の「杖術 特別講習会」でおこないましたが、相手が差し出した杖の断面に対して突きを入れ、その断面と突き入れた杖の断面の一部が重なるように目を瞑った状態でおこなう稽古です。

 この「焦点」という漢字の由来からいたしましても、この稽古法に合っており、杖の先端部に対し体全体を集約して感じとるように操作いたします。(漢字の由来はここでは省略させていただきます)

 そしてこの稽古法でもっとも重要なことは、慣れ親しんだ「目」からの情報に集中が奪われすぎてしまい身体を忘れてコントロール出来ない或いは、自らの身体の状態に気がつかない人にとっては、「目」に惑わされること無く、誘われること無く、視覚情報への集中を主体としない動き方が「暗闇焦点法」では身体への意識へ導くための稽古法として考案しております。

 これは覚え方の悪癖として、視覚情報や、記憶のイメージが、脳内でそこへ近づけるための目的となってしまい、当然そうした目的は大事なものでありますが、そのときに個人差がありますが、その視覚イメージや鏡を見ながらの視覚情報に合わせる稽古は、安易に形をなぞっただけで、本人の実感としては身になっていない脳と身体との流れが滞ったまま合わせただけのような動きになってしまいます。

 視覚で覚えさせる方法というのは、指導者としては楽なんですね。見た目の姿勢や角度を言うだけですから、技法・感覚・調和、そうしたことの細やかな問題に向き合わずして形をなぞらせてしまっては、一見短時間で出来たように見えたとしても、視覚を使わない一人だけでおこなう場合や、鏡の無い状況ですと上手く出来ずに自分がどうなっているのか分かり難いものだと思われます。

 身体と心というのは人間という自然の中で密接につながっているものですから、外側ばかりを気にしてしまい実は肝心要の内側が変わらないことには外側は変わらないのですね。

 目を瞑りますと頼れるのは自らの身体感覚の記憶になります。そしてその記憶は最終形の記憶となりますので、その最終形に至るまでの過程を身体に委ね、最終形の時点で動かずに点検し、次へと修正していくのです。

 こうした稽古は視覚優先稽古で安易になぞって覚えた場合、稽古に対する思考法としても根強く信仰されておりますので、なかなか心を開くまでには時間が掛かります。

 ですが、これは今日の講習で「本気の指導ですから。」と思わず雑な言葉を述べてしまいましたが、私もちょっと求めたものが強過ぎたかもしれないと自省いたしましたが、しかし、その時の私の中に一瞬、場の雰囲気が沈まないように楽しく私自身の身を守るのと、本当にその時その瞬間にお伝えしたいと思ったものを伝えるか否か…。その後者を選んだのでした。

 この「暗闇焦点法」は今後の私の稽古に深く関わってくるものとなりそうな気がしております。

 武道武術における稽古では、技を通じて心身の修養になるものであると、これは例外無くどの団体組織でも稽古理念として謳われているでしょう。であるなら、表面上のなぞった動きでは運動不足の解消にはなるかもしれませんが、自らの肉体を通じて人間という自然の働きが備わった身体と心の密接な関わりを磨き修練していかなければ動き損です。

 同じ運動をおこなうのであれば、より質の高い動きが求められます。その質とはなにか?と考えますと、例えるなら動きに対する子育てのようなものでしょうか。子育てを経験したことがない私が言うのもなんですが、自分の身体も自分の意思どおりにはいう事を聞いてくれません。

 どうすれば言う事を聞いてくれるのかシッカリと観てあげなければなりません。もちろん身体からの声も聞いてあげる耳を持って無くてはなりません。自分の身体は自分のものだから見るも見ないも出来るか出来ないかじゃないの?というふうに、表面的な結果で終らせてしまいますと、いつまで経っても身体からの反抗期は治まってくれません。しっかり向き合うために、他人の目を意識した視覚情報を一旦遮断し、内なる身体の感覚と、それに連なる心の未熟さを認め、静かにその我が身体の成長に手を差し伸べる修正を施していくことです。これは、技量に関わらず自らと向き合うということが出来る稽古法の一環でありますので人によっては思い掛けない発見があるかも知れないでしょう。

 集中というのは技術でもあり、その技術というのは自らの身体を観るという観察力です。その観察力を掘り下げておこなうには、努めて寡黙に、心で対話し、身体が隠している出来事を解し露にし、意識が支配せずに、身体そのもの心の働きも含め真摯に向き合うように努めます。癖と信仰は根深いものです。簡単には出来ませんのでその出来ない自分の理由に気が付いていくことが第一歩となるでしょう。


 今日の記事は私の稽古の根底にあるものの一部を記したものであり、楽しい雰囲気がもっとも効果的である講習会や教室などにおきましては、そうしたものを強く求めはいたしません。楽しくおこなうということが生きている目的とも一致いたしますので、どんな状況でも楽しめるように工夫し楽しむのです。それが出来ない環境は何かを犠牲にして楽しめる環境に移るしかないでしょうし、その犠牲の元は自身の判断の結果ですので、何を楽しむか欲張りにならずに、自らを知りその範囲の中で生きていくことが望ましいのだと思います。


 今夜は夜からひさしぶりに住吉で稽古の予定です。


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2019年6月 武術稽古日程

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2019-06-25(Tue)
 

本日の講習は納刀三昧

 本日日曜日は昨日に続いて品川区総合体育館剣道場にて講習をおこないました。

 今週もお陰様で賑わいのある講習となりました。新しい生徒が増え、そうした生徒達が現在は熱心に技術を身につけようとされております。役者の方も増えて参りましたので、入会した時期が近い生徒同士、切磋琢磨してレベルアップして頂きたいと思っております。

 小学六年生のK君や、中学に二年生のK君にR君も熱心に最後まで二時間取り組まれております。今日はお休みでしたがその他にも小学三年生のYちゃん、中学三年生のT君に中学一年生のS君、高校三年生のA君に大学受験に備えて来年まで休講中のK君という若い世代の生徒達もいます。

 その全ての生徒達は、場を乱す事無く最後まで集中して取り組んでおります。これは本当に難しいものですが、数年前私が今よりももっと未熟だった頃は今のように若い世代の生徒達が付いて来てくれていたかと思うと、少し今とは違っていたような気がいたします。それは、私だけでなく、今の大人の生徒の皆さんの姿が当時の場の空間と大きく変わることが出来たからだと思います。

 教室が開講して間もない頃は、生徒もまだまだ少なく距離感が今よりも近いものでしたが、そうしたことでコミュニケーションが取り易く場の雰囲気が一時的には整うのですが、レクレーション的な雰囲気になってしまいますと、学ぶものは表面的な技術や挨拶になってしまいますので、昨年五月に関西特別講習会から帰ってから少しずつ場の整え方というものを見直して参りました。

 開講当初に比べて生徒達は育ち、お仕事の都合などで長期休講されている方々も少なくありませんが、そうした中で長く続けて来られている生徒の皆様もいらっしゃいます。人数が少ない頃と比べて生徒との距離感や、お月謝が昨年改定したことなどもあり生徒の層も少し変わり始めました。

 月日が流れ、技術以外に進展していくもの。それは、本来あるべき武道武術の学びの空間に私という人間がどういった経緯を辿って近付いていけるかです。

 外見ばかり着飾ってもそれは、表面的な見栄や嘘を擦りこませてしまうことになります。サークル的に友達関係に近い状態では、特に若い世代の生徒にはこれからの人間関係の築き方に影響が出てしまいますし、例え勉強に励んで成績を残しても、つまらぬところで犠牲にしてしまうものがあります。

 ですから「私自身の今」が、こうした教室の空間における場の整え方に問われるのです。

 数年前、数ヶ月前と比べて、技術面以外に自分自身の中で何が変わったのか、変わることができたのか、そのことは一定の期間毎に自身をそのように振り返ってみても良いかもしれません。

 若い世代の生徒達が増えたことは親御さんの信頼あってのことだと思いますので、おそらく、講習が終わって帰宅したときに、その様子を見て安心されているのだと思われます。今お越しになられている若い生徒達は最後まで集中して付いてきておりますので、ご安心いただきたいと思います。


 講習内容では、殺陣クラスでは血振りから納刀まで八種類をおこないました。血振りだけでなく、拭いは立廻りの合間に用いると間のつなぎが映えます。前回おこなった立廻りタイプⅠですと、Bの剣を跳ね上げて片手で胴斬りした後の振り返りから、カメラが追いかけてくるまでの間、ここで道衣或いは袴で拭う動きを挟むと良かったのではないかと考えます。また、間の無い立廻りの中でさり気なく拭うことが出来ればかなり見栄えの要素として高いものになるでしょう。ポイントは回転しながら流麗におこなうことです。

 八つの血振りと納刀のバリエーションがあれば、とくに役者さんなど納刀シーンの際に工夫しやすいものと思われます。「困ったときは外角低めに投げておけ。」とはプロ野球の野村前監督が仰っていたそうですが、血振り納刀も同様に、困ったときはこれを覚えておけばいいという「落とし払い」からの納刀を最初にお伝えいたしました。派手さはありませんがどこで遣っても間違いにはなりにくい一連の動作です。

 後半は「一対四瞬殺」をおこないました。まだまだ芯の動きが入っておりませんので、半分ぐらいの速度で身体と刀の動線を確実になるように稽古が必要です。ですが、これは皆さん楽しんで取り組んでおりますので、早く全員が出来るようにまずは芯の動きを覚えてください。


 剣術クラスでは、体捌きのための納刀を幾つかお伝えいたしました。本日は納刀三昧となりましたが、今日一日でかなりの情報と実技を学ばれたと思われます。

 後半は抜刀術「後方突き」と「巴抜き」と「趺踞からの抜刀」をおこないました。

 得に「後方突き」に関しては場の集中が強く感じられ、DVDでもお伝えしておりましたので、そうした影響からか静かな熱を感じました。驚いたのは小学六年生のK君の後方突きでした。右手で抜かずに重心移動と、右手の押さえが出来ており、速やかに突きへと移行しておりました。鞘付木刀ですが、体重30㎏あるかないかの細身で大したものです。杖術「三十連円打」も最後まで覚えておりますので、今の調子で剣術、杖術ともに励まれますとK君の成長は目を見張るものになりそうですし、きっとそれに感化され他の生徒達の成長も連なってくるでしょう。もちろん技術だけでなく心理面の成長も含めてこれからも見守って行きたいと思います。

 中学二年生のK君は、いつも一番乗りで会場のセッティングを自発的におこなってくれております。テストが無い時期は家の近くの駐車場などのスペースで一人稽古をされているそうです。最初の頃に比べて本当によく成長されたと思います。同じく中学二年生のR君も彼のペースで頑張っておりますので、そこはしっかりと見守りながら剣を使っての表現が、彼の中で楽しめる時間であると察しております。

 Gold Castle 殺陣&剣術スクールでは、難しい礼儀云々を細かくお伝えしておりませんが、怒られない為におこなうのと、自発的におこなうのとでは精神性が異なってきますので、そうした自発性をもった精神性に気が付けるような空間をこれからも維持して参りたいと思います。そういう意味では私自身の成長が生徒への反映になりますので、生徒の状態が現時点での私の力量だということだと理解しております。

 今週もみなさま、お忙しい中お越し頂きありがとうございました。


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2019-06-23(Sun)
 

小太刀稽古は伏線を練る稽古ともいえる

 夏至を迎えた本日は、品川区総合体育館剣道場にてGold Castleの講習をおこないました。

 今回の講習内容は「小太刀」でした。これまでにも何度もおこなっておりますが、あらためて小太刀稽古は発見が多く非常に興味深いものである。私自身、今日の講習中に気が付いたものも幾つかありました。

 先ずは、小太刀を支える左手の置き方に変更がありました。次に入り身に小太刀を額前に付ける際の軌道において、相手の刃を受け止める際に右手首の角度に得るものがありました、これは片手で相手の大刀を押し込む際の手首の使い方と同様ですが、この手首の角度というのは大刀であっても抜き打ちに斬る際は同様の使い方になっているものと思われます。縦方向に斬り下ろす正面斬りや袈裟斬りの手首の使い方と、横方向に斬る手首の使い方は身体の構造からいたしましても同じであってはなりません。今回の小太刀の稽古で、私自身今後の大刀を用いた剣術や抜刀術での横方向の手首の使い方が変わることになりそうです。

 そして入り身に入る際の小太刀の軌道ですが、相手への誘い(一足一刀の間合いから踏み出して面を狙いたくなる状況)となりやすいように小太刀を後ろへ引いたように構えます。そして左手は後方へ右手は円を描くようにおこない、その合わせた両腕の働きを活かすために後ろ足を開きます。これは杖術「玉簾」にある感覚と同様の身体観でありますが、そうした動きの始めとなる「転ばぬ先の一歩」が小太刀の入り身にとっては肝要といえるところです。

 左右からの袈裟斬りに対する「下がり受け」では、左右共に受けの高さが大事であり、それは間合いの状態から考えておかなければなりません。ですので、打太刀側といたしましては一足一刀の間合いから相手の首筋へ刀の物打ちが届くように打ち込んで行かなくては間合いからなる技の修練が成り立ちません。

 そして二歩目となる下がり受けでは、小太刀側といたしましては重心を前側に残したまま歩幅を小さく取る事で、次の転ばぬ先の一歩による前方への移動が速やかにかつ深く入ることが出来ます。


 休憩後は、実際に「入り身受け」「下がり受け」から技に続く動きをおこないました。

 まずは「入身返し突き」をおこなっていただきました。入り身に入る際の小太刀の円軌道、両腕の中心に相手の太刀を精確に受け止め、その際に右手首の角度を前腕部と水平に近い状態にいたします。そのため、最初に構えた際に手之内で握り締めすぎていては、刃筋と手首の角度に不備が生じます。第三関節に少しゆとりを持たせ手之内を締めすぎないことです。そういたしますと、前足の転ばぬ先の一歩と、左腕が後方に進みながら同時に右腕が円に前方へ回りこみ、その際に後ろ足が開きながら右手手之内の締め込みにより手首が水平となり、両腕の中心に相手の太刀を受け止め、その軌道により開いた肩甲骨に落ちた胸、そこに頭をうずめるようにしながら背中を使いますと大刀側よりも圧倒的有利な強さで押し込むことができます。

 時間にいたしますと一秒もありませんが、相手が打ち込んでくる気配を察知してからこれだけのことを精確におこなわなければなりません。

 「小太刀稽古は伏線を練る稽古」ともいえます。ですから、その一つ一つが身体に入り、実際に相手との型稽古の中で伏線が利いた実感を得たときは小太刀稽古特有の面白さを味わっていただけるのだと思います。

 
 続いては「波受返し斬り」をおこないました。これは、片手で相手の太刀を押し込める身体の使い方が整っていないとなりません。そのためには、相手の二太刀目を受けた際にその圧をもらい、引いては寄せる波のように受けた小太刀が引いたのち立ち上がっていくように相手を崩しながら押し込み、その動きの流れで背中を整え肩を上げた状態で胸を落とし顔を下げながら左手で相手が外せますので、そのまま相手の柄を持ち、支点として巻き込むようにしながら小太刀で崩しさらに首筋に刃をつけます。この崩しから首元へ刃をつけるまでの歩数は一足です。

 技に身体を合わせるのではなく、身体に技を合わせるのだと先日の記事でも書きましたが、この小太刀の技はまさに身体に教えてもらった動きであります。今まで稽古をしてきた中で、肩を詰めるように上げて良いということはただの一度もありませんでしたが、この小太刀の片手受けに関しましてはこれまでにも稽古で検討を重ねた結果、肩を積めるように上げなければ両手持ちの大刀を押し込んでいくことはとても大変です。この肩を詰めるように上げる際には肩甲骨が広がっていなければ働きが得られませんので、肩甲骨と肩、胸と頭、そういった繋がりのある部分を点検しながら身体を整えていきますと、身体の不思議さ面白さを体感できます。

 この「波受返し斬り」についても、技に至るまでの伏線が重要になりますので、小太刀稽古ではふだんの剣術稽古では気が付き難い部分の発見があります。そして小太刀ならではの両手で受ける際の接点圧力の操作が肝となりますので、身体の姿勢、骨格の位置、そうしたものに目を向ける、否、目を向けるのではなく中身を観る習慣が自然と身に付くようになれば大いなる進展も望めるかもしれません。

 今夜の記事は、私自身にとっても技術的発見が幾つかありましたので、Gold Castleの記事というよりは、私の稽古会の記事に近いものとなってしまいましたが、講習では常連の皆様も集中して取り組んでいらっしゃいました。互いに技に入る瞬間をどのように意識できているかが大事でありますので、上手く出来ても失敗しても自らの状態を把握するということが稽古でもあります。


 明日は、同じく品川区総合体育館剣道場にて15時から17時まで講習をおこないます。明日の殺陣クラスはこれまで集中的に時間を設けておこなっていなかった血振りから納刀まで幾つかのバリエーションをおこないます。刀を鞘に納める技術は剣術クラスでもおこなっておりますが、血振りからの流れで刀を鞘に納める動きでは、足元が気になったり、どのタイミングで合わせればいいのか実際におこなってみるとぎこちなさが動きに表れてしまうものです。完全に把握していれば、肝心要の納刀シーンでの気持ちにも入り込みやすくなるでしょう。指で挟んでクルッと回す納刀は私はおこないませんが、覚えておいて損は無い形を幾つかおこないますので、明日は参加された方にとって短時間でも得るものは大きいかと思います。

 剣術クラスでも体捌きのための納刀法を幾つかおこないますので、明日は納刀技術を飛躍的に向上させることが出来る方もいらっしゃるかと思います。居合刀をお持ちの方は持ってきて下さい。

 本日お越しになられましたみなさまありがとうございました。明日もまたお待ちしております!


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2019-06-22(Sat)
 

蠢動が剣術にもつかえた

 連日稽古三昧の日々を送っている。しかし、この三日間はいずれも五時間足らずの睡眠時間だったので、意識的には元気なのであるが、肉体がそろそろ危ないというサインを出してきた。これまでの経験から身体が硬くなり体脂肪が普段より落ちたときは故障といえる怪我が訪れる前兆である。

 幸いにも明日は出掛ける予定が無い。明日一日、進展的休息をとると決めた。


 さて稽古記事に入る。

 昨日水曜日は戸越体育館にて渡部氏と稽古。昨日は今週日曜日におこなうGold Castleでの殺陣クラスでおこなう血振りから納刀までのさまざまな動きを確認。これが意外にもいろいろな動きが新たに生まれ、これまで行ってきたものを含めると八種類ほどとなった。講習内容にはその他に「タイプMの七歩」や「一対四瞬殺」などを予定しているが、一時間のなかでこれらを全てお伝えするのは無理であろう。場の雰囲気を見ながらなるべく多くの血振りからの納刀をおこないたいところである。

 その後は体術稽古をおこない、前日甲野先生のところで稽古した「蠢動」の背中の使い方を筋の意識から骨の意識に変えておこなってみた。

 その結果、背中の場合、筋を意識するよりは骨を意識した方が結果として筋が働きやすいため有効である。さまざまに検証した結果、これまでよりも蠢動による身体の纏まりの強さが向上した。だが、これの目指すところは傍から見て解らない状況で蠢動が掛かっていなければ実用的ではないので、今後はさらに実感を高められる背中の細やかな蠢きを得て行かなければならない。

 あっという間に三時間が過ぎ、この日の稽古を終えた。


 そして本日木曜日は10時30分から12時まで高田馬場でI氏と稽古。

 二ヶ月ぶりとなるI氏との稽古であるが、今日は八割方対話(体話)稽古となった。これはI氏との稽古の特徴であるが、感性が非常に鋭い方なので、稽古で得るものが何であるか、そこに身体を通じての感覚と同時に育まれる心の働きがあるのであるが、I氏との場合は、対話を通じて同様の働きが感じられる。

 早朝から電車に乗り、稽古着に着替え、殆んど対話だけで稽古を終える。普通であればあり得ない状況であるが、精神に関わる嘘偽りの無い考えのやりとりなので、そうした対話はI氏の受け方も絶妙なので、とても貴重な時間といえる。I氏もかなりお忙しい方なので、特別に稽古は月に一回となっているが、こうした対話を大事に受けてくださることは私にとっても得難い門人の一人であり感謝している。

 12時に一旦道場を出て、13時から15時半まで渡部氏と稽古。

 今日はひさしぶりに鹿島神流の木刀、袋竹刀、ソフト竹刀を使った稽古をおこなった。その他にも普段使用している白樫の木刀や、小太刀も使用した。

 まず袋竹刀では、瞬時に相手の籠手に擦り上げる感じで付ける感覚が懐かしく、ひさしぶりであったものの、肩が詰まるというような身体の使い方はあり得ないものとして、竹刀を持ちながらも身体を観る感覚は以前袋竹刀を使っていた頃に比べ大きく変わっていたことを実感。

 さらに「転ばぬ先の一歩」が大いに有効であり、それを働かせるための構えというものがもしかすると今後の剣術全般において変わってくるかもしれない。これはまだ何ともいえないが、働きも無く安易に脚を曲げてはならないということ。

 そして鹿島神流の木刀を使って六割位の力で袈裟掛けに打ち込んだ。この時に「蠢動」による威力の違いがあるのか試みてみたところ明らかな違いが確認できた。これまで何度か一般的な白樫の木刀で試みてみたが、鹿島神流の木刀では木刀の心配をせずに打ち合えるため(それでも何本か折ってきたが)威力というものを確認し、同時に手之内の肉や指関節の節々を鍛練する目的でもおこなっている。「蠢動」は体術などのように身体の纏まりの違いを誰でも実感することが出来る。だから技とも術理とも言うほどのものでもないと思っていたが、今日おこなった剣術での剣圧の威力を上げるためには少し難易度が上がってくる。これを実感出来たことは大いなる進展だ。今後は稽古を通じてより精度と威力を高められるように研究したい。

 ソフト竹刀を使っての小太刀稽古では、新しい動きが突然出来た。渡部氏に打ち込んでもらうソフト竹刀に対し右側から斬り付ける体捌きを稽古していた際に、相手が遠慮して少し中心をずらしていないか気になったので、フイに反対側の左側へ斬り込むように抜けたところ、渡部氏が「今のなんですか?」とこの動きを興味深そうに質問されたので、「たまたま左側に行っただけです。」とお答えしたが、「右側より、左側に抜ける今の動きの方が良いです!」とその表情から、再度行ってみたところ、「ああ、これは確かに今までの動きより楽に確実に動けますし、技という感じがしますね。」と、何度でもやりたくなってしまう動きであることが何よりの証明でもあった。この時の動き出しは「転ばぬ先の一歩」が有効であり、同じ脚足の上げ方でも、これまでおこなったものが、クラーチ剣術教室でお伝えしている「転ばぬ先の一歩」でより動きを点検しそれを精確に行えるようになったことで、さまざまに剣術で応用することが出来ている。

 小太刀については、頭上で受けてはならず、額前で受けるように入身で入ることが重要である。もちろんそのようにおこなってはいたが、その辺の解釈が明確になったことで動きの理解が動作に表れ余裕に繋がる。余裕が無ければ横隔膜が上がりやすくなり、緊張し力み、呼吸が浅くなってしまう。身体の状態と精神的な繋がりはどちらが優位かというところではあるが、どちらも状態としては繋がっているので、技に対して精神性というものはレベルが上がるほどに大きく関わってくるものであると私はそのように思っている。

 
 稽古後は江東区の団体登録手続きを完了させ以後三年間利用出来ることとなった。昨日今日と大いに得るものはあった。そうして身体を働かせ続けてきているので、明日は大事にしてあげなければならない。さまざまな得物で稽古が出来たのは渡部氏の成長があってのもの。より精度を求め難易度を上げていくには打太刀の技量も求められるので、そうした意味では渡部氏には本当に助けられている。

 さあ、今日も一日が終った。今は寝るのが一番の仕事である。


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2019-06-21(Fri)
 

技に身体を合わせるのではなく、身体に技が合うということ

 22時過ぎに山形県で地震があったのを知ったのは稽古が終って帰宅の最中であった。一瞬ドキッとしたが、今では津波注意報も解除され一先ずは安心した。だが、まだ余震などが続くと思われるので現地の方々は不安な一夜を過ごされると思う。このまま落ち着いていくのを願いたい。


 さて、本日火曜日は午前中に「クラーチ剣術教室」に行ってきました。天気が良いせいか皆さんの表情がいつも以上に元気そうに見え、天候と体調の微妙な関係を感じた瞬間でもありました。

 今日はいつものように「転ばぬ先の一歩」をおこない、これまで後ろから方をタッチして一歩を引き上げていましたが、今日からは「ハイ!」という声のタイミングに合わせて前に出ている方の足を引き上げることにいたしました。これにより後ろの人のタイミングが取り易くなりました。そこで両足同時に引き上げる際の合図をどうするのかという質問に、最初は「りょうあし!」と掛け声をお願いしていましたが、なんだか長くタイミングが取り辛いのでSさん達が「ホイ!」と言っておりましたのでそれを採用。

 歩きながら後ろから「ハイ!」と言われればその時出ていた前足を一度地に着いた後さらに引き上げるというもの。つまりこれは躓いた際の状況を再現するもので、そのときは反対側の足は動かせませんので、前足が反射的に引きあがるかどうかが、転倒防止に大きく関わってきます。「ホイ!」については、両足で床を蹴らずにトンと沈むもので、これについては実際にこちらのみなさんが反射的に使う場面は限りなく無いものと思われますが、身体の使い方としてはさまざまな動きに働いてくるものですので脳トレ的な意味合いも含めましてみなさんにやっていただいております。

 そこで「じゃあ、ここで休憩にはいりまーす!」「はーい!」に思わず反応してしまう方もいらっしゃいましたが、この運動を毎週おこなっておりますと、瞬間的な反射を継続的に身体に体感させておくことで、実際の躓きに対する反応にも変化が見られると思います。まず、重心が乗った足を咄嗟に引き上げるということは、ふだん身体の使い方としてどのようにおこなっているのかを知らなければ若い方でも上手くは引き上げられないものです。どうしても床を蹴りやすくなりますので、躓いた瞬間に床を蹴っては即転倒ですので、まず床を蹴らないでしょう。どうしていいのか慌てているうちに倒れてしまうと思われますので、最低でも歩の踏み出し方は運動法の一貫として練習しておく必要があります。

 杖術では三十連円打をおこないました。七十歳代~八十歳代の方々も三十連円打を最後までおこなっております。もちろん進み具合には個人差がありますが、それでも難しい動きをおこなえるようになっておりますので皆さんの熱意にはきっと初めて観られた方にとっては驚きの光景となるでしょう。

 剣術では、「抜付之型」「真っ向突き之型」「巴抜き之型」などを久しぶりにおこない、一対四を想定した体捌きをおこなったのち最後にこれもまた久しぶりに「鹿威し」をおこないました。これは今年になって体調が思わしくなく、しばらく休講されていたIさんですが、それでも最近は無理をせず途中から参加され、合間に自由に休みながら参加してくださっております。Iさんの内に篭らない姿勢はほんとうに素晴らしいものがあり、精神的に強いOさんでさえ「あっぱれ!」と仰っておりました。

 そんなIさんは八十五歳位だと思われますが、最後におこなった「鹿威し」が一番上手で、これには毎度私も驚かされます。鹿威しとは、日本庭園などにある竹筒の中に流れ溜まった水がシーソーのように流れ落ちたあと軽くなった反動で「カコーン」と石などに竹が勢い良く当たる音のするアレです。鹿威しという名前からして、人間が鳥獣に対し何かしらの被害を負わないために工夫して作った知恵のある装置です。

 稽古でおこなう鹿威しとは、二人一組となり、相手が木刀の刃を上向きにして水平に構えます。そこに向かって上段から真っ直ぐに振り下ろし空振りすることなく打ち当てることが出来るかというものです。刃を上向きにしておりますので綺麗に真芯で捉えるのには時間が掛かりますが、真芯で捉えた瞬間には相手が驚いてしまうほどの威力が伝わりますので、ときに木刀が落ちてしまうことをこれまでいろいろなところで行いましたが見受けられる現象です。

 今日はその鹿威しを、目を瞑っておこなっていただきました。目を瞑りますとどうしても癖がある方へ剣がズレますので、そうした自分の癖を知り修正していくようにおこないました。まあ、あまり難しくならないようにお伝えしていかなければなりませんが、目を瞑って精度を高める方法は、自分と向き合うというキッカケにはなると思いますので、そうした稽古に慣れていない方にとってはお勧めの稽古法とも言えるでしょう。一人でも印を付ければできますので。


 夜からは松聲館で甲野善紀先生と稽古。

 先月発売された、私が指導監修をおこなったDVD『古武術は速い』を先生へ。

 稽古では、私が4月に発見した「蠢動」がどの程度効果があるのかを知りたかった。先生にもいろいろお伝えすることができて、その後先生の突きがさらに強力になり驚きました。

 剣術でもさまざまに手を合わせるような形で、抜き技が目の前で新しく誕生し、そうした対応にまた一段と変化され、あらためて「技に身体を合わせるのではなく、身体に技が合うのだ」ということを体感いたしました。

 体術でも浪之下という技のキレにこれまで受けたことの無い衝撃を感じました。いろいろと工夫してもさらにその上またその上を先生は行かれますので、自分の稽古でもまったく気が抜けません。

 先生から学ぶことは意識的にも身体的にも質の高いものです。また無意識の中で学んでいるものも確実に育ってきます。そうした学びが身体を通じて同時に心を育み次に循環して行くものであると思います。

 良い循環をしていく稽古。それは世の中にとって求められるものでもあります。逆になってしまっては武道武術にとって本末転倒でありますので、これからも先生との稽古を通じて私なりに広く学んだものを良い循環にすべく、自らをもっともっと向上させていかなければなりません。今夜はとても勉強になりました。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ
(お問い合わせ受付中)

2019年6月 武術稽古日程

2019年7月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-06-19(Wed)
 

狭い世界だからこそ試される日常

 先月5/20にBABジャパンから発売されたDVD『古武術は速い』からもうすぐ一ヶ月になりますが、私が一番安いAmazonのサイトをリンクしていたせいか、Amazonで予約をされた方が多く、またどういう訳かAmazonの発送もかなり遅くなり、手元に届いたのが六月に入って暫く経ってからの方も多かったと思われます。5/20に手元に届くのを待ち望んでおられた方には大変申し訳なく感じております。遅くなりましたがあらためてお詫び申し上げます。

 
 今日は午後から歯医者へ。

 最近のリラクゼーションサロンのような統一的な設備の歯医者がどうも苦手であるが、生徒で歯科医のNさんにその辺りを伺ったところ、昔ながらの歯科医よりは確実に道具と技術が進歩していますのであたらしい方が断然お勧めです。と、専門家の言葉を信じて治療を受けました。

 私は昔から、どんなお店でも人を見て判断いたしますので、あまりサービスが良すぎても、その裏を考えてしまうところがあり、人が好きでそうなのか、表向きを取り繕っておかないといけない理由があるからそうなのか、とくに後者のほうが圧倒的に多い世の中ですので、このところ開業が目立つ歯医者はどこに行っていいのかどうにもピンと来るところがありません。

 役者の修行で接客業を選んだり、演じるという仕事に関わったことで、人の表に見せる部分からその意図というものが伝わってくるようになりました。現在は日々毎週稽古を通じて人を観ておりますので、そうした経験から出会って間もない内に心に大きなダメージを負うほど辛いこともあります。それは決してご本人には分からない現時点での事ではなく、数年後の事や今後の事を考えた時に私の中に悲しみに近い感覚が押し寄せてきます。それがなぜなのか私にも分かりませんが、おそらくこうした事は私自身子供の頃から人よりは感じ易かったことは確かです。

 もちろんそうしたことを相手に感じさせない術は身につけて行かなければなりませんし、それが存分に出せるまたは誤魔化せる役者業というものに惹かれたのもその道を選んだ大きな要因のひとつです。


 今宵は満月、生憎の曇り掛かった空模様。私の家からは昨夜の方が見事な夜空でしたが、何か昨日辺りからそうした影響が私の身体に影響を及ぼしている気がいたします。

 新月から満月まで潮の満ち引きが影響するように、人体にもなんらかの影響はあるでしょう。気圧の高低によっても人体に影響があるのなら、引力の影響もあるでしょう。星の配置もそうした引力の影響に変化をもたらすものかも知れませんし、それが占星術などの占いにも関係しているのかもしれません。

 人生すべての選択は星の動きに制御されていた…なんてロマンチストなことは言いませんが、地球という星で人間として生まれる確率は宇宙全体で考えるならどれ程の確率なのだろうか。そして、生き物として宇宙の広さを知り、どのぐらい大きな星がどのぐらいの距離にあるのかを知っていることの凄さ。しかしながらその巨大な大きさも、果てしない距離も、数字化されても想像が出来ないほど大きい。小さいも大きいも近いも遠いも、地球にいる人間の概念ですから、その概念が果てしない大きさの中で生きている生命体がいたとしたら…人間も地球も細菌並の、いやそれ以下の存在していないに等しい生命体として意思のある世の中に加わっているのであろうか。

 
 いつもの戯言はここまでにして、まあ、調子が良くなりだすと戯言も増えますのでご愛嬌ということで。

 さて、今日の稽古は夜から高田馬場でT氏と稽古。その前に少しおこなった一人稽古で抜刀術「稲妻抜き」において、両膝の遊びを取る事とその際の左腕の寄せにより重心感覚が細くなる感じがあり、初動における静から動への居着きが軽減した。この「稲妻抜き」は甲野善紀先生の考案された技であるが、私が武術稽古を始めた頃の師範から伝術された技を私なりに工夫し今に至っている。これまでに尤も変化を重ねた技とも言える。私がYoutubeに配信してあるものでも、何れも三本目に抜いている技であるが2017年版と2019年版は異なる。

 T氏とは杖術、抜刀術、納刀法を幾つかおこなった。

 面白かったのは、杖の打ち込みを受ける際に、受け手は杖を顔の前に斜めに差し出すように構えるのであるが、この時に「蠢動」を掛けるとどうなるかと試して見た所、笑ってしまうぐらい頑丈になり、これでは杖が何本あっても足りないことになりそうなので、力を遠慮しながらT氏にも同様に「蠢動」で受けていただいた。すると私の打ち込みで杖が床を打ちつけるほど崩れていたT氏が、私が杖と身体の心配をして多少力を加減したとはいえ、これもまた笑ってしまうほど頑丈になってしまった。「蠢動」の利点は、荷物を持っていても歩いていても遣えるというところにある。先日は駅のホームでようやく「蠢動」を掛けている時に脇からスーツ姿の男性にぶつかられたが、申し訳ないほどに頑丈であった。もちろん私も不意をつかれての事なので抵抗してはいないのであるが、相手からすると、この頑丈さには抵抗されたと思う後味の悪さが残ってしまうことになるだろう。よって、人混みでの「蠢動」はトラブルを起こさないために謙虚に頑丈でなければならない。稽古では、頑丈なのを知っていて突き飛ばすわけであるから、そうしたことを知らないでただ意図的にぶつかって来られたのでは、「蠢動」が整っていればよほどのことが無い限り飛ばされないだろう。まして、それに「転ばぬ先の一歩」が加われば痛いほどに頑丈だろう。尤もこれを謙虚におこなうのは至難の技であるが…。

 杖術ではまた一つ発見があった。これはこれまでおこなっていた技における脚足の使い方を見直したのであるが、T氏にお伝えしている間に、その辺りの発見を身体に聞きながら検証し、これまでの動きを違和感にすることが出来た。相手の技量に関わらず稽古において発見があるのは、その方との稽古空間が整っているということである。T氏は電車で二時間半車で三時間以上掛けてお越しになられている。自然食品を主体としたカフェを経営されており、自然を大事に思い生きている方である。


 稽古が終って帰宅。

 来週の月曜日はとある場所で取材を受けます。剣術についてこれまで私が使っていた得物を幾つか持って参ります。
 
 6/14に発売された月刊秘伝7月号では裏表紙に私のDVDのお知らせが掲載されており隣の一ページ目に忍者の五十嵐剛さんも大きく掲載されておりましたので思わず顔が綻んでしまいました。その他にも月刊秘伝には、お会いしたことのある方々や見聞きしたことのある方々が多く登場されておりますので、東京で十年間密に活動していればそうした方々を知ることになりますし、そうしたことが私が生きてきたこれまでの時間の使い方だったのだと知らされるのでした。

 役者の世界もそうですが、武道武術の世界も大変狭いものですので、その中で生き抜いて行くには技だけでもなりませんし、取り入る能力だけでもなりません、私は役者の世界でそうした取り入ることが出来なかった(嫌いであった)ため、武術の世界でもそうしたことに関わろうとは思いません。呟きが人の精神性に何をもたらしているのか、仲間内で偏る社交性に影は無いのか、今の時代人は座っていても歩いていても情報に動かされ蝕まれ、秩序という言葉が死語へと近付いているように感じます。そうしたものを犠牲にしてまで人はこれ以上何を求める必要があるのでしょうか。昨今の流行で刀剣が流行っておりますが、創作されたものの姿形の真似事に留まらず、その根本に目を向け、制作側の手の中を離れ「本当にうつくしいもの」、そこへ気がついて頂きたいところであります。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
(お申し込み受付中)

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2019年6月 武術稽古日程

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2019-06-18(Tue)
 

「抜刀術 特別講習会」のお知らせ

2019年7月15日(月/海の日) 品川区総合体育館 柔道場にて抜刀術の特別講習会をおこないます。

居合刀で抜刀術の稽古を集中的におこないたい方や、抜刀術独特の身体感を得るために、二時間抜刀術と納刀法をおこないます。(鞘付木刀も可)

この特別講習会では、現在私の稽古としている抜刀術や納刀法をお伝えして参ります。その中から参加者の方々に合った稽古法をお伝えしていきたいと思います。(初心者の方でもおこなえる内容があります)


2019.04.06 抜刀術 特別講習会
(写真はBABジャパン制作によるDVD撮影の一コマ)


【開催時間】
15時00分~17時00分 『抜刀術/納刀法』
18時00分~20時00分 『懇親会』

【会場】
品川区総合体育館 柔道場


【参加費】
講習会 3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または『こくちーず』より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「帯・居合刀の有無」(鞘付木刀でも構いません) 
上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
2019年 金山孝之 抜刀術映像


2019-06-16(Sun)
 

かゆいところに手を届けてはいけないことを知る

 本日は快晴のなか、品川区総合体育館剣道場で講習をおこないました。

 殺陣クラスではそれぞれに分かれてタイプMの組稽古をおこないました。

 本日も体験参加の方が二名お越しになられました。

 杖術クラスでは、打ちと突きをおこない、歩を付けさらに、横への捌きから払い突きをおこないました。

 最後は三十連円打をおこないました。

 さまざまな方がさまざまな目的で来られております。そうした中での指揮棒をどう振るのかが毎回の即興的進行に関わってきますので、これからも急ぎすぎずに一回の講習がベストであるように精進いたします。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

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2019年6月 武術稽古日程

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2019-06-16(Sun)
 

大雨の中お越しいただきありがとうございました。

 本日は品川区総合体育館剣道場にて「杖術 特別講習会」を開催いたしました。予報通りの本降りの雨でしたが、そのおかげで自営されている鍼灸師のYさんと知り合うことが出来ました。

 五十代の方ですが、杖の扱いがとても初めてとは思えないほど、見たものが直ぐに身体感覚の中に取り込まれている感じを受けました。そのため、考えていたものから一気に飛躍してより細かな手之内の使い方であったり、常連の皆さんと同じ型稽古をおこなっていただきました。

 あらためて、身体を観るということの大事さを私自身お伝えしながら考える機会でもありました。先日考案した稽古法、暗闇での照準の取り方を皆さんにおこなっていただきました。この稽古では実際の照準に対し自らの身体感覚の誤差を知ることで、修正しながらも、その修正を目先による操作でなく身体全体の調和を持って照準を測ることがこの稽古の意味するところです。

 これからも講習会や稽古会において、そうした身体について学びたい方や武術稽古から何を求めるのかを模索している方、ある段階以上に入っていくためには、精神と心、身体と感覚、そういったものが理解するということについて必要不可欠なものでもあります。これは相当に根深いものがありますので、そこと向き合えるかどうかが結局のところ生き方まで考えて行かなければならないということです。そうした方と出会うことは非常に稀であると思いますが、今後は私の活動を通じてそうした方々との出会いを心待ちにしております。

 講習会では、ひさしぶりの方や初めての方に合わせて最初は基礎的な動きをお伝えし、休憩後は初めてお伝えする三つの操法「廻し突き」「廻し横打ち」「廻し掬い打ち」をおこないました。

 軸足に重心を置いてしまいますと、身体がそこに捉われて移動先へ動きにくくなってしまいますので、直ぐに移動できるために軸足に重心を置かない浮き身が大事になります。そしてその浮き身を掛けるためには今日おこなったような脚足の使い方が技法として求められます。

 後半は「玉簾」と「渦潮」をおこないました。とくに玉簾では、下がったのち入り身に入る際の上手側の位置が大事であり、これが次に繋がる払いの強さと詰まりの無い動線を確保いたします。さらには、その払いが進みながらの払いでなければならず、払った直後に手首を返し後ろ足を開くことで瞬時に突きへと変わります。この玉簾の体捌きは私自身、これまでにほとんどおこなったことのない形ですが、身体が一瞬でこの捌きを受け入れてくれました。このことに私自身驚きましたが、この捌きの応用を今後は小太刀などで研究していきたいと思います。

 最後は予定しておりませんでしたが二十分程「杖整体操」をおこないました。短い時間でしたが初めての方も効果がありました。講習終了時には杖術の講習会後とは思えないトロンとした表情に私も含め皆さんなっておりました。

 
 講習後は定番となったキリンシティ大崎店へ。

 外はまだ本降りの雨となっておりましたが、会場から徒歩五分弱の場所ですのでなんとか無事にお店に辿り着くことができました。お店の方の対応も良く毎回気持ちよく利用させていただいております。帰りは雨も上がりすぐ近くの大崎駅にてそれぞれ解散いたしました。今回は雨の影響もありお申し込みも少ない人数でしたが、それでも雨の中お越しいただきありがとうございました。

2019.06.15 杖術 特別講習会 懇親会①

2019.06.15 杖術 特別講習会 懇親会②

2019.06.15 杖術 特別講習会 懇親会③


 窓の外からまだ雨が激しく地面を叩きつける音が聞こえます。明日も夕方から品川区総合体育館剣道場で開催いたします。明日は30℃近くまで気温が上がりそうですので、みなさま体調管理に気をつけてお越しください。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

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2019-06-16(Sun)
 

個人指導でおこなう環境

 今夜はさすがに書き出しが遅い。まもなく3時になろうとしている。土曜日は杖術特別講習会であるが生憎の雨となりそうだ。雨脚が強くならないことを願いたい。

 さて、本日金曜日は日中は、各種事務作業をおこなった。こうした作業は間違いが許されないのでパソコンを前に何度も確認しながら時間を掛けておこなわなければならない。考えて見ればこうした作業を六年近くおこなっていることになる。めんどくさいと思ったことはなく、自分で決めた活動(仕事)を軌道に乗せ流れを作っていくことで、そうした作業における確認の負担が少なくなってくる。始めのころを思えば色々な事が分っているのでそうした部分のノウハウというのも大きな経験となっている。もう一つは江東区の団体登録の書類が送られてきたので、書類に記載し事前に用意しておいた江東区の身分証のコピーを用意。あとは提出するだけとなった。その他は午後から業者の方が来て玄関の扉の補修。事務作業をしている間二十分程で終了した。

 
 夜からは、高田馬場でM氏と稽古。

 金曜日の夜は混雑しているが、これはこれで活気があって良い事だ。さまざまな人がさまざまに身体を動かしている。我々もそうした中の一員である。

 今日で二回目となるM氏との稽古では前回はお話が多かったので、杖術と剣術の基礎的なところからジックリと観ていった。

 おそらく私の求めるものは難しいのだろうと思う。しかし、遠回りに楽しめることを沢山おこなうよりは、今もっとも鮮度のある情報を混ぜながら出来るためのことをおこなった方が誠意というものだろう。これはマンツーマンだからこその方法であり、二人以上同時に教えていくとなると少しの間が心を離してしまう要因になる。だからこそ、マンツーマン(個人指導)でおこなう稽古というのは特別なのだ。

 最後に「杖整体操」をおこなった。M氏もお仕事柄この杖整体操が心地良いだろうと思っていたが、予想通り「気持ち良いですね!身体が緩んだ気がします。」と感想を述べられた。

 力の抜き方と重心の把握、それにともなう膝や股関節、鼠蹊部の折りたたみなど細かな関節の把握が求められる。重心感覚を養うことで最適な骨格の位置がその動きに応じて決まってくるのでゆっくり丁寧に動くということはとても大事である。

 私としては稽古前と稽古の終わりに合計一時間程杖整体操をおこなうことができた。これもゆっくりと丁寧に無理なくおこなう事で効果が実感出来るものなので、やり過ぎないように気をつけながら、これからのためにも身体を調整して行かなければならない。

 外は雨音が激しくなってきた。これから10時間後には家を出ているが予報を見ると一番雨が強い時間帯だと思われる。お越しになられる方も、明日はお気をつけて来てください。参加人数は少なめですので当日でも承っております。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年6月15日(土)『杖術 特別講習会』のお知らせ
(お申し込み受付中)

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2019-06-15(Sat)
 

『おいらん若君徳川竜之進4 凶嵐』発売!

双葉文庫より、鳴神響一先生の第四弾となる『おいらん若君徳川竜之進4 凶嵐』が6/13に発売されました。イラストはGold Castle 殺陣&剣術スクールの生徒でもある山本祥子さん。私もイラストの剣技指導として少しだけ関わらせていただいております。
 
今回も素敵なイラストですので、山本祥子さんのサイトからご覧になってみてください!

ご購入を希望される方はこちらの双葉社のサイトから各オンライン書店へアクセス出来ます。


2019-06-14(Fri)
 

暗闇での照準

 本日は高田馬場にて渡部氏と稽古。先週おこなった杖の持ち替えにおける細かな手之内の操作がまだ私の感覚に残っていたのか、突きに関しても細かい部分で有効な手之内の使い方に気が付いた。これにより今日の稽古は突きが中心となり、さらに残像目掛けて突いて行く稽古法もなかなか面白いものであった。

 壁に、喉の高さと鳩尾の高さに印となるテープを貼り、間合いを取り歩を付けて突き入れる。その際に目を瞑り、残像に残った印を目掛けて突き、残像の印にズレがあったら位置を合わせ、最後に目を開けて確認する。目を瞑っておこなうため、その印と自らの正中線にある中丹田と上丹田の位置も整えながら歩を進め床を滑っていく。暗闇の中にある残像も、残像と言えるほどハッキリしたものではなく、むしろ記憶に近い印象だ。しかしながらその形は暗闇の中にも微かに存在しているので、そこに手之内と上、中、の丹田を意識し進めていく。

 そうして暗闇での突きが印に合う回数が増えてくると、今度は目を開けた状態で印を狙って突いてみる。

 すると、杖の断面よりも面積の小さい印に歩を付けながら突いて行く際の照準精度が安定的に向上した。おそらくは、目に頼れない暗闇で動きの癖を炙り出し、照準における身体全体の動かし方が整ってきたように感じた。つまりは、目がそれを気付かせないように働き過ぎていたのだろう。こうした目を瞑る暗闇稽古は、体術でも中心を取る際には有効かもしれない。目はとても便利で状況判断を明確にしてくれる。しかし、それが仇となり惑わせるものとなっている。「見えているものに惑わされない」または「惑わされているということに気が付いていない」ということが、稽古全般の中で言えることなのかもしれない。もちろんそれは稽古に限らず、世の中の出来事としても当て嵌まっている。

 突きに入る初動が手之内の気付きによりスイッチ化したことで、負担が減少し心地良さの中で動けることが本構え、下段、それぞれに確認できたことから、目を瞑るという流れになった。

 続いて、先週の水曜日におこなった廻しからなる突き、横打ち、下からの打上げをおこなった。これは浮き身の連続技といえる技でもあり、今後の杖術稽古における質的転換の基礎編として残していく操法になりそうな気がしている。

 抜刀術では「逆手前方抜き」をおこなった。歩を伸ばすのは腿の引き上げと中丹田上丹田の意識的な追従にある。尤も追従というよりは、同時に近い感覚であるが、ここをおざなりにしてしまうといろんな意味で前に進めないのである。

 「逆手廻し納刀」は、手之内を緩めることと回転させる瞬間はなるべく支点を固定しておくこと。支点と言えば、中丹田は身体の支点であると現時点で私は考えている。つまり動き出しに良く、全身の調和を司る司令塔的な位置であると思う。これを固定させ支点化させれば崩れやすくなり、逆にこれを固定しないようにずらす事で崩れにくくもなる。「前の中丹田後の下丹田」という言葉を今作ったが、これは私の地道なテーマでもあるので、このまま進めて検証していきたい。

 最後はひさしぶりに「杖整体操」をおこなった。

 今日は身体が硬くなっていたので、三十分程おこなう予定であったが、それまでの稽古に時間をとられてしまい、残り十五分の中でおこなうこととなった。とはいえ、やはり身体の固まった所をほぐすのには最適な体操である。開脚が開かなくなり右足の付け根から膝裏にかけてピリッとした痛みがあったが、開脚したまま天秤に杖を担ぎそのまま気持ちのいい方向で留まる事で、なぜだか分らないが先ほどまでの痛みが解消され可動域が向上した。これはやはり、背中全体における凝りや詰まりが原因にあるものと考える。そうしたものが何かしらの引っ掛かりとなり身体の可動域に制限をかけているのだろう。気持ちの良い動きが身体に悪いはずが無いという私の考えなので、無理に痛いところを我慢して動かすことは、身体からのサインを無視して結果痛めてしまう事になるので、身体からの喜びのサインに耳を傾け、自分の思いよりもそちらを優先して留まる位置を決めていけば自ずと好結果に繋がるものと私は信じている。

 帰宅後は軽く走った。先週水曜日にふくらはぎを痛めたが何とか無事に走れた。床を蹴らないことで脆くなった部分はある。床を蹴る足というのも、人間が活動するには退化させてはならない気もしている。日常の動きと異なりバランスを保つのが難しいが、まだまだこの身体は向上させていかなければならない。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年6月15日(土)『杖術 特別講習会』のお知らせ
(お申し込み受付中)

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2019年7月 武術稽古日程

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2019-06-14(Fri)
 

耐性作用という自然の意思

 先日は出版社の方から取材のご連絡をいただき、私としてもこれまでの武術稽古の経験からお話をさせていただく機会に恵まれそうです。そうしたかつて手之内とともに感じ得た得物のいくつかは、滅多に使わなくなった今でも目に付く場所に置いています。汗を吸い、ときには血を吸わせながら苦悩と感動の時間をともに分かちえた得物は同志と言えます。得物は得物による特性を身体に指南してくれますのでそのときに応じた身体が求める稽古法が定まります。

 流儀、稽古環境、稽古相手、そうしたなかでさまざまな得物が存在しますが、剣術においては真剣を想定した稽古が求められます。しかしながら、真剣だけでは得られにくい感覚や操法もありますので、対人稽古などから得られるものや打ち合い潰し抜くといったさまざまな技から体術への身体の基盤が出来上がるものと感じます。もちろん体術には体術の術理がありますのでそのままでは応用できませんが、体術に繋がる剣術というのは、今後の私にとっても大きな課題のひとつです。身体と心と脳に得物からさまざまなものをインプットしそれを得物によりアウトプットしておりますが、自らの身体に蓄積された基盤と信仰的身体観の信頼がいつかは体術においても堰を切ったように何かが溢れ出してくることになるかもしれません。しかしながら稽古時間は限られておりますので、まだまだ今後も得物稽古を中心に研究していくでしょう。


 今週月曜日は高田馬場でT氏と稽古。月曜日は雨が多い気がするがひさしぶりの大雨に見舞われ傘も作務衣もキャリーバッグも武道具袋も中に水が染み込んだ。キャリーバッグは、身体への日々の負担を考えて十年前から使っている。以前は一年経たずして壊れてしまう数千円のキャリーバッグを何度も買い換えていたが、一昨年からTHE NORTH FACEの「ローリングサンダー22」を使っている。持ち手の長さとチャックの硬さが難点であるが耐久性は申し分ない。毎日のように利用しているが持ち手のゴムが毟(むし)れた程度で非常に頑丈である。朴歯の高下駄でも一年持たないので、耐久性のあるキャリーバッグは得物と同じく同志的な感覚がある。駅での階段や改札機を通り過ぎる際の操作感覚は慣れていなければ歩を止めずに持ち替えることは厄介であるが、そのうち自然と流れ良くできるようになった。

 
 話が逸れてしまったが、T氏との稽古では杖術、剣術をおこなった。あらためて杖の稽古で得ていくもの、剣術稽古で得ていくもの、抜刀術稽古で得ていくもの、それぞれの得物で求められる身体への耐性が技となる運用法への気付きとなってくる。人間の身体はあらゆることに対応しようと出来ている。筋トレもそうしたことを特化的に利用しているし骨を強くするために衝撃を与える運動も同様である。(もちろん耐性の範囲内を超えてはならないが)細菌に対しても全てとは言えないが同じ働きがある。つまり、人間は逆境に対応できる変化をおこせるということなのだろう。それが自然の働きの一部であるなら、そうした自然の働きを実感できるように努めることが望ましいのではないだろうか。

 逆境から逃げてばかりでは自然としての「耐性作用」を得られることは無い。耐性作用を有効に育てて行くことが身体にある自然と調和するということ。武術稽古から対応力が養われることに、そうした耐性作用を導き出す「逆境」という自然の働きが深く関わっている。
 
 月曜日の稽古でそうしたお話をさせていただいたが、今こうして書いていると、あらためて世の中の自然がすべて耐性作用で存続しているのなら、その耐性作用そのものはなんなのだろうか…と。自然に共通するなんらかの意思がより良い方向へ働かせるものであるならば、それを導き出す逆境という悪役が欠かすことの出来ない自然の一部として認めていかなければならないのだろう。そうした悪役と端的に書いてしまったが、本当に悪なのかどうかと考えるとそれはもう宗教の役目となるだろう。

 私は宗教に関しては全く無学でとくに支持しているものもない。しかし、武術(剣術)から学ぶ身体観という信仰と、自然から教示いただく働きの実感から学ぶものは精神性の中において宗教と通じているものは多い。間違っても私がそうした新興宗教の教祖になるつもりもないし力量も無いが(笑)、ただ純粋に誰にも強制せず、生きかたを考えるということは、学びを忘れずに生きていくためには必要なことであり、そうした学びに関わる精神性が私にとっての宗教といえるのかもしれない。まだそこは断定できないが、それはかつての日本人がみな大事にしていた事だと思うのです。


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『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

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2019年6月 武術稽古日程

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2019-06-12(Wed)
 

精神性を置き忘れた文明の発展とそれにともなう学びという名の罪

 本日は約一ヶ月ぶりとなる深川スポーツセンターでの講習でした。NHKの大河ドラマ『いだてん』第五話で北海道の佐々木役を演じられたTさんが一年半振りに復帰されました。個性派俳優としてこれからのご活躍が楽しみであります。

 殺陣クラスでは、タイプMの抜き出し稽古から通しに近い絡みABCまでの最後をおこないました。生徒になって間もない方は、芯の動きと部分的な抜き出し稽古をおこないました。八歳のYちゃんも大人と一緒に、回転受け流しや胴斬りからの袈裟斬りまでをおこないました。伝えたことを直ぐに吸収し、間違うと笑顔で「あっ、まちがっちゃった!」と気が付けますので、これからが本当に楽しみであります。通常十歳以下のお子様は、教室の運営スタイルからご遠慮いただいておりましたが、Yちゃんに関しましては舞台に出られているお子様ですので、一度体験参加の様子を観て十分出来ると判断しご入会いただきました。

 抜群に動ける若い生徒を観てみたいという私の欲求もあります。精神面と身体観は通じるものがあると思いますので、そうしたことからも若いうちに経験して学んでいただきたいと思っております。

 中学二年生のK君と、中学一年生のS君も集中して立廻りを稽古いたしました。中学生となりますと、いろいろと難しくなってくる年頃でもありますが、私の所に来られている生徒達は子供らしさが伺え、始めは人見知りだった子もそうしたバリアがすぐに無くなり出来ないことで悩み考え、出来たことで喜び意欲が湧き起こります。そのどちらも大切ですので、私は答えを教え過ぎないように気をつけなければなりません。笑顔で挨拶ができるようになり、率先して会場の準備を手伝うお子さんもいらっしゃいます。これからも、そうした心が育まれる空間として子供たちの眼を身体に受けて指導させていただきたいと思います。

 剣術クラスでは、正面斬り、斬割りをおこない、後半は各種納刀法と抜刀を幾つかおこないました。講習中にもお話いたしましたが、抜刀術は止まっている時間が長い稽古ともいえます。その静止状態における構えの中で一瞬の刹那におこる身体への指令をどのようにおこなうのか、そうした自己との向き合いが技に表れるものですので、自らの身体を掘り下げ同時に心に対する視点も変わって来ます。そうした主観と客観の狭間で何を思うのか。解らないからこそ得られるもの気づけるものがあり、考えを当て嵌める事無く、その瞬間を大事に集中いたします。

 何かを学ぶときに、その学び方が解らなかったりなかなか人よりも遅いという悩みを持たれた方は少なくありません。私もどちらかと言えば遅い方下手な方であり常に苦手意識に苛まれておりました。

 まず大事なことは、自分を知るということです。自分を知るのは難しいものです。自分を知るには客観視する力を持たなければなりません。日本がどういう国であるのかは世界を見てそうした文化や国民性に触れることであらためて日本という国や日本人という国民性に気がつくことが出来るのだと思います。自分を客観視するためには、自分がどうなっているのかを知るということから始めると良いのかもしれません。自分の動き、言葉、感情、反応、視野、そうしたことを分析し、自分だけの世界でなく、周囲の人、友人知人、尊敬する人、そうした人の事を良く考えますと、先に述べた自分の分析から気がつける事があります。そうして人間は心を取り戻し学び方が整うのだと思うのです。そうした心の基盤なくして学びは形だけになってしまうものですので、私がこのところよく思う精神性を忘れずに生きて行くということだと思うのです。現代の学びはそうした精神性を無視してきたのかもしれません。尤も私は学生時代、机の上の学びを放棄して来ましたので学びがどうであるのかを言う資格は無いのかもしれませんが、精神性が置き去りになった学びのツケが今の時代、これからの時代において、我々に圧し掛かってくる問題となるでしょう。そういう意味では、草花の彩りや野鳥の声、山があり、川のせせらぎ、空のうつくしさ、そういった自然の恵みが人間の精神性に働き掛けていた部分はあったでしょう。AIの進歩は、人間がみずから地球にとっての害であることを証明していくことになるでしょう。人間の全てをAIが超えてしまったとき、果たして人類はどのような決断を下さなければならないのでしょうか。


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2019-06-10(Mon)
 

初の立廻り映像公開!

 本日は品川区総合体育館剣道場にて剣術クラスの講習をおこないました。そのなかで、初めておこなった「突返し」、「柄奪り反し斬り」、「柄奪り倒し」など、新鮮な内容であったと思われます。

 「突き返し」は、やはり「峰渡り」の手之内の要素が濃く、そこに転ばぬ先の一歩が入ることで剣に重さが乗せられます。これは、精妙な操作が求められますので、手続き手順に調和、そうしたものが整ったときに技としての実感が得られるものと思います。

 続いて「柄奪り反し斬り」は、以前おこなったものと左右の捕り手を逆にしたので、入り身の体捌きも手足が連動しやすくなり、さらに相手が剣を持っていられなくなることが、左右の捕り手を逆にしたことの一番の有効性でもあります。手の返し方とそれに伴う刀の反し、それと同時におこなわれる足の廻り方がこの技の特徴となり、全てが調和を持って動けたときの心地良さは技としての実感でもあります。
 
 そして「柄奪り倒し」では、どのような反応があるのか興味深いところでしたが、男性のHさんに受けていただいたところ、思わず倒れるところまで行ってしまいましたので、有効であることが分りました。しかし、この技に関しましてはそう来ると分っていると防ぎようがあるものでもありますので、その際にはこの技に至る過程でおこなった動きを取り戻さなければなりませんが、そのあたりは再度検討してお伝えしたいと思います。

 
 今日は開始前に小学校六年生のK君が、学校で八日間中国地方、四国、九州、山陰など、私も記憶が曖昧ですが色々な地域に行かれたそうです。修学旅行でもそんなに長期滞在することは無いと思うのですが、大きな経験になったと思います。そんな日焼けしたK君に「どこが一番良かった?」と訊いたところ「門司が良かったです。」と答えたのにはビックリ。私の故郷が門司なので、九州から本州に渡る海底トンネルも歩いて渡ったと伺ったので、懐かしいと思いながらも、私が住んでいたころの門司と今の門司はずいぶん観光地化されてしまったので、思い出と現在の門司にはズレがあると思われますが、私も故郷には十年で合計しても一週間足らずの帰省しかしていないので、故郷といってもそれは思い出だけの故郷になってしまいました。

 
 それはさておき、講習後は2019年1月14日におこなった「立回り特別講習会」で撮影したものを再度映像編集し一般公開用として初めて動画に配信した。

 この映像に関しては、役者さん達も顔出しで了承してくださり、今回の動画の前に一人ずつおこなったものを計八人分編集し、それぞれにお渡しした。そして全員分の一連の動きを纏めたものをGold Castleのホームページで限定公開として生徒のみパスワード入力で閲覧できるものとして共有した。そして今回、一般公開用として一連の動きをランダムに抜き出したものに全体で行う万乃型を混ぜて再度編集をおこなった。

 一般公開用として、Gold Castleらしさの雰囲気をどこか取り入れたかったので、オープニングとラストにイラストレーターの山本祥子さんが描いて下さった猫のイラストを挿入し、そのイラストに撮影と編集をおこなってくださったこの映像の一番の功労者であるNさんのご実家で飼われている愛猫の声を録音して使わせていただいた。

 私が教室でおこなう立廻りは、舞台で行う派手なアクションや歌舞伎の流れを汲んだものではなく、映像としてテレビや映画で観ても違和感の無い動きが出来る人を育てるためにおこなっている。そのため、今回の映像でもそうであるが、配役を固定せず四人の絡みと芯、合わせて五人分の動きを交代しながらこれまで稽古をおこなってきた。一人一役で固定すれば映像的にはより良いものに仕上がると思うが、それぞれのフィールドで立廻りを経験する際に引き出しが多い方がその人のためとなると思われるので、完成度よりも全部の役ををおこなうことを選んでいる。もちろんそのために私は出る事無く全体を観て指示を出す役割となっている。映像で気をつけた事はバレ無い角度、被るところと被らないところ、普段の稽古は固定のワンカメを想定しておこなっているので、今回のように撮影者が動いて演出をつける方法では、その場での動きの変更もあったため、普段身についた動きが邪魔をした部分もあったと思う。しかしながら、皆さんアクションを専門にやっている訳でなく、週に一回程度の稽古で斬り方や間合い、リアクションやリアクションまでの間など、五人分の動きを覚えながらそれなりに身に付けられた部分はある。木刀であるが、雰囲気を出すために効果音や音楽などで演出を付けてみた。これについては賛否両論あると思われるが、音が付くことをイメージした上で動けるようになればまた動き方、見せ方というものが分ってくるだろう。

 今回音楽についてはフリー音源から掲載にあたっての許可を頂きました。生徒を守る立場としてあまり映像を公開することは差し控えなければなりませんが、今回の経験からさらに一段階、いや二段階ぐらいバージョンアップした映像が撮れる計画が整いましたら、そのときはまた生徒の方々にご協力をいただき映像作品として参加していただきたいと思います。


 明日はひさしぶりに深川スポーツセンターでの開催です。賑わうことを楽しみにしております!


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2019-06-09(Sun)
 

得られる稽古に感謝

 この時期、星の少ない都内では木星が主役とばかりに夜空に光り輝く。いつか、満天の星空が常となる場所で暮らすことが憧れであるが、そうした場所で武術稽古に励まれている方は、どんな環境でどんな景色で日々を過ごされているのだろうか…と想像してしまう。

 毎日知らない人だらけの東京での生活から、人が少ない場所で野生動物との遭遇もめずらしくない環境に身を沈めると、そこで出会う人との対話やコミュニケーションは密なものとなるだろう。そうした生活環境での稽古というのは果たしてどのような空間が生まれるのだろうか…。


 昨日は戸越体育館柔道場、本日は高田馬場にて渡部氏と稽古をおこなった。渡部氏は今月で私の稽古会に入会して丸四年となる。その間に何人かの方が入れ替わったが、渡部氏に関しては殆んど休まれた記憶も無く、剣術、杖術、抜刀術、体術など私の受けとなり打太刀となり技の考案に大変貢献してくださっている。このままあと数年経てば渡部氏にも注目が集まるような状況になるかもしれない。だが、そうした事に全くと言っていいほど興味の無い方なので、ときに私もお人柄を学ばせていただきながら自由に稽古をおこなわせていただいている。あらためて感謝したい。


 昨日の稽古では、三時間半おこない、新たな杖の操法の発見に自分の状態が分らないほど高揚してしまい、激しい動きを連続して動き続けてしまったため左ふくらはぎを痛めてしまった。幸いにも一日経ってずいぶん回復したが、新しい畳の摩擦係数が素早い脚足の動きに負担が掛かりすぎていたのだろう。

 しかし、今週の月曜日にT氏と稽古をしていた際にフト思いついた動きが、昨日の稽古で突きと横払いと下からの打ち上げへと加わり、それぞれに浮きを使った独特の脚足操作が求められる。そこに実感として心地良い重心と摩擦係数の中でのスライドが前進方向、左方向、右方向とそれぞれにあり、膝を抜く操作にかつて私が憧れていた甲野善紀先生の「水鳥之足」が私の中で自然と動きに表れ、渡部氏が「もう、ずっとやっていましたよ!」と心配するほど左のふくらはぎに痛みが出て出来なくなるまでやっていたのであった。

 これは来週の6/15(土)におこなう「杖術 特別講習会」の中でお伝えしたい。自分の足が今までに経験したことの無い動きと感覚を覚えることになると思われます。

 ふくらはぎを痛めたので、鞘付木刀を使って8日土曜日の講習でおこなう「柄奪り反し斬り」と「柄奪り倒し」をおこなった。これもまたドーパミンが放出されるほど新たな動きに整理され、「柄奪り反し斬り」では、昨年7月の剣術特別講習会でおこなったものから左右の手が反対となり、そのことにより相手は右手が柄を持ってられなくなり、技を掛ける側が緩めてあげなければ激痛におそわれることも解った。何度かその辺りを確認したが、渡部氏の右手が真っ赤になり涙目を浮かべていたので次に移った。次は「柄奪り押さえ突き」という稽古をしていたが、どうにも技としての構成に冴えを感じるものが無く、いろいろと検討しているうちに相手を倒してしまえばいいということになり、一旦その動きの手順と方向が整理され終えたのであったが、フト思いつきもっと簡単に遣ってみたところ、より実戦的に短時間で有効な動きが見つかり、「柄奪り倒し」というシンプルな名前となった。だが、シンプルゆえにどこかで同じような技は存在している可能性が高い。対応策も考えられたが、準備無くこれをおこなわれると咄嗟の対応には反応出来ないと思っている。さあ、これが8日(土)の講習会でどのような反応となるのか楽しみだ。

 そうしたこともあって、昨日の稽古は三時間半おこなったが一時空調が効かないほど暑く動いた。その中で検証し実感した中で得られたものが多く見つかったので、源泉の場でもある私の稽古会ならではの時間であった。


 そして本日高田馬場での稽古では、私のふくらはぎの事もあり、杖術の手之内についてより細かな検討をおこなった。杖の持ち替えについて、指先で弾くようにおこないながら掌の張りを使って杖が下から上へと駆け上がってくるように絶えず回転させながらおこなう操法を、私としてもどのように見えるのか興味があり、稽古開始して間もなかったがその動きを動画で撮影していただき、二人でその映像を確認した。ゆっくり遣っていても杖が掌の中でスルスルっと回転しているので良く解らない。両手手之内は不思議な動きに見えるが実際の操作はどうなっているのか映像で確認するには難しい。しかしこれは出来るようになると、何ともいえない心地良さがるので「やめられない系」の稽古となってしまう。

 今日の稽古で最も得るものがあったのは、昨日の剣術稽古でフトおこなった相手の突きを払うようにして相手に突き入れる技。これは鹿島神流にある「突返」を武術を始めて二年半頃まで熱心におこなっていたものであったが、あれから七年半が経ち、今の身体の使い方でおこなうと、これは稽古としては進展していくものが感じられるので、昨日少しだけおこなった際に今日の稽古で検討することを楽しみにしていた。

 そして本日この技の検討にて、クラーチ剣術教室で高齢者のみなさんにお伝えしている「転ばぬ先の一歩」が剣に重さを乗せることに役に立っていることが解った。腿の引き上げ方について、これまでは両足を基本にさまざまにおこなっていたが、「転ばぬ先の一歩」により抜刀術の「抜付」にこれまでにない実感があり、そうしたことが今日の「突返し」でもそうであるが、今後の剣術に何らかの進展をもたらすものと思われる。

 解っているつもりでも、その事をあらためて丁寧におこなうことで、実は気がついていないこと、有効であること、というのは少なくない筈だ。一人ではそうした事に目が向き難いものであるが、人に丁寧にお伝えすることは自分にとっても得られるものがあり、見落としていた部分や思い込みであった場合もあり、そうしたことに気が付けた瞬間はこれからの時間を有意義に感じられるので大変ありがたいのである。勿論、そうしたことは更新し続けていかなくてはならないのが定めなのであるが。

 「突返し」(鹿島神流は「突返」)では、転ばぬ先の一歩に加え、同じ条件として、打太刀側の正眼からの突き(鹿島神流では無構からの突きだったと思う)に対して以前おこなっていた「峰渡」という技の要素も効果的であることが解った。峰を渡ることから命名したが、この場合手之内の使い方と柄の位置が、峰渡の初期の頃と近いため、そうした要素が技の中で合致し私の中で今後の剣術稽古の内容として採用に至ったのである。

 最後に抜刀術をおこない、最後の最後にふだんおこなわない「抜付」を居合刀にて転ばぬ先の一歩を使って抜いてみた。予想していた通り、通り良く抜くことが出来た。そう、今思わず出てきたが「通り良く抜けた」という言葉がシックリくる。

 武術を始めたころは、常に頭の中は剣術のことで占領されており、アルバイトをしていても頭の中では剣を振る際の身体の使い方を考え、そうしたアイデアの大半は武道場に来て一瞬で使えないものとわかるものばかりであった。だが、当時の私にはこのことを強く想像出来る事が生きているという証でもあった。そうした使えないアイデアばかりを家で試し道場で試し、気が付けば思い浮かんだ事に助けられている今がある。それは自分だけではないさまざまな支えがそれを行わせているものと思われるので、そのことには本当に感謝しなければならない。僅か二日間の稽古でも、そのなかで得られたものは物凄く大きい。勿論これまでの稽古でもそうであるが、そうした時間軸を生きていられるということは武術によって救われた紛れも無い実感です。

明日6月7日は「杖整体操」が生まれて丸一年です。都内での講習会や関西での講習会でもおこなうようになりました。私としては、無理なく身体がそこそこに柔らかくなりました。硬くなりますと怪我のリスクが高まりますので、丁度良い具合に淡々と出来る状態を常に維持出来ることがこれからは重要であると感じております。今後も私自身の身体を実験台として杖整体操をお伝えしていこうと思います。

 昨日、今日と得られる稽古をありがとうございました。


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2019-06-07(Fri)
 

ずいずいずっころばし

 桜、ツツジと来て紫陽花の時期がおとずれました。今日のクラーチ剣術教室では、二階の窓から外を見下ろすと青やピンクの紫陽花が見え、教室内では「スミダノハナビってあったわよねぇー」というのをSさんが仰ってて、「へえ~そんなのがあるんですか?」と無知な私は額紫陽花の一種であることを学びました。帰ってスミダノハナビを検索すると、「墨田の花火」「隅田の花火」と二つあり、花火ならば隅田川ではないかと思うのですが、「墨田の花火」の方が検索数も多く単純な誤植ではないと思えます。むかしは墨田川と呼ばれていた時期もあったそうなので、時期的なものは不明ですが当時の言葉が使われて今に残っているのかもしれません。

 
 講習では、今回も「転ばぬ先の一歩」をおこないました。今回で三回目となりほとんどの方が重心を移さずにドンと沈むことが出来るようになってきましたので、今日は歩きながら右足、左足、両足と後ろの人が肩をタッチして一歩が出せるかをおこなっていただきました。これまで順におこなってきましたので、まずまずの歩の踏み出しになってきました。これは、転倒防止策の手立てとして最初の一歩が出せるか、そこに私なりの考えがあり、ふだん行わない動きを簡単なところから楽しくゲーム感覚で順を追って進めて来ております。
 
 続いて、杖を使っての「鶺鴒突き」をおこないました。これは手だけの動き、足だけの動きでは何ということは無いのですが、それらを組み合わせたときに、分かっちゃいるけど身体が言う事を聞いてくれない状態になってしまいます。そこに難しさと面白さがあり、こうした動きの調和を探っていくことが武術稽古としての特徴であると思います。みなさんが余りに熱心なので、心配して休憩を取りましたが、ほどなくして休憩中にふたたびこの「鶺鴒突き」に取り掛かっておりましたので、私もこのまま再度「鶺鴒突き」をお伝えいたしました。武術の技を組み替えずにそのままお伝えすることは中々難しいものですが、こうした難しいと思える内容を楽しめるようになってきましたのも、やはりこれまでの経験がみなさんの身体の中に入っているからであり、そのことに関して今日は感じ入るものがありました。

 あっという間に残り時間が少なくなり、最後に抜刀術「抜付」を、離れの直後、直角に留める内容をおこないました。

 ここで私自身に発見があり、「転ばぬ先の一歩」でおこなっていた脚足の使い方をこの「抜付」でおこなうとどうなるだろうかと思い、まず私自身の身体で試してみたところ、これまでにない感覚があり「浮きと抜け」が作用しているのではないかと私自身の進展に繋がる発見がありました。ここでは居合刀ではなく鞘付木刀でおこなっておりますので、その検証には至りませんでしたが、鞘付木刀での実感といたしましては身体の調和感覚がこれまでに無く心地良さを判定してくれました。

 みなさんにとりましても、「転ばぬ先の一歩」により順を追って膝を抜く稽古をおこなっておりますので、初動に用いる発力がまるで違うものとなり、重力がありますので重心と膝の抜き方が整っていれば速く抜けてしまうのです。前足は浮きを掛ける事でドンと落ち、後ろ足は重心が抜けることで滞りの無い滑らかな動きになります。これは私にとって初めて実感することが出来た感覚でした。これまでに無意識に動けていた部分もあると思いますが、意識として別々に浮き身を使うことで「抜けが得られる」ということが解ったのです。

 最後に三本、私の号令で抜いていただきましたが、発剣前の構え、意識のしどころとそれに対する集中。以前集中力は心理的なものというより、技術的なもの(身体的な)の要因が大きいと書きましたが、まさに、この転ばぬ先の一歩に対する準備と後ろ足の開き鞘の送り方など、具体的な動きの予知が事前にイメージできることで、そこに身体各部の集中が整います。そうした際の表情や眼というものはそれに即した状態となって表れるものですので、思わず最後の言葉でみなさんに向かって「感動いたしました。」と発してしまったほど良い時間でありました。


 講習後は、毎月第一週目恒例となっているお昼ごはんをみなさんと共にご馳走になりました。

 今回はTママさんが新玉ねぎやサラダを和えたものを作ってきて下さり、レストランの料理と合わせて美味しくご馳走になりました。やはり玉ねぎは頭がスッキリして思考の働きが良くなるような気がいたします。

 食後は今日おこなった「鶺鴒突き」の鶺鴒という漢字をお伝えし、そこからいろいろと話が飛んで「せきずいのずいという漢字はどう書きましたかねえ?」となり、みんなでああでもないこうでもないと言いながら、Sさんが他のテーブルから紙と鉛筆を持ってきてみんなそれぞれが思っている字を一枚の紙に回し書きいたしました。なかなか答えがハッキリしない中、レストランに別の教室の先生が食事に現れると、離れた席の私たちグループで、「ほら、あの先生、何の先生だっけ?」と誰かが発し、私の真正面に座っていたSさんが「あれは剣術の先生よ!」と発したのですかさず「剣術のせんせいはここに居るじゃないですか!」と私が自分を指差しながら言ったところSさん大笑い!「あら、やだわねえ、剣術が好きだから思わず出ちゃった!」と仰ってくださいましたが、みんなでゲラゲラと笑いながら、結局「せきずい」の「ずい」はその場で解らずじまいとなり、みなさんと玄関前でお別れした直後に歩いて帰りながら携帯でしらべたところ「髄」かあ~。となったのでした。

 ところで、「ずいずいずっころばし」ってどういう意味なんでしょうね。


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2019-06-04(Tue)
 

意思ある世のメッセージ

 今日は、午後からGold Castleの生徒Kさんのスポーツ安全保険の加入手続きを済ませ、その後八歳のYちゃんが使いやすい様に杖を短くカットした。先日の杖術クラスの際に、貸し出し用の軽い杖とはいえまだ体に適していなかったことから今日は約一尺ほど短くしたのである。両端の角をヤスリ掛けしたが、カットする際の目印がいろいろと残ってしまったので、全体を綺麗にヤスリ掛けしようと思ったが、稽古に向かう準備のためまた日をあらためることにした。

 18時から高田馬場にてT氏と稽古。

 中丹田の重要性を説明しながら幾つか検証。これは蠢動と合わせて今後の稽古に欠かせない発掘稽古の原型となっている。

 稽古では、杖術や抜刀術をおこなっているが、身体を使い感覚を養う中で育まれる心の声がT氏という聞き手によって引き出されている。これは喋ってみなければ解らないという、このブログ記事のように書いてみなければ解らない感覚と同じである。

 つまり、話す内容や書く内容というのは、無意識の中でストックされており、それが一日の出来事の中で何をキッカケに出てくるのかを私自身も興味深く感じており、予定調和に無い今の言葉が今現在の自身の在り方を示しているものでもあり、それに従っている自分というのを魂というべきか、底の方から汲み取られた言葉に、自らを知るのである。

 そういうことに気がつきだしたのは、昨年の10月あたりに編集者のYさんとの連絡からだと思う。武術稽古における発想や言葉というのはずっと前から稽古中に湧き起こってくるのが常であったが、そうしたジャンルではないもっと根源的なご質問に私自身、ずっと開けていなかった扉を初めて開けたかのような新鮮な思いで言葉が紡ぎ出たことに自分でも驚いたのであった。

 尤もこのブログも気付けば相当書いてきているので、そうした中での整理は自然におこなわれていたのかもしれない。

 おそらく、私にとってそうした根源的なものに関わることがこれからの私を形成していくであろう。そしてそのことはこれからもずっと稽古と同様に在り続け私を私たらしめるものとして自然とそこへ導かれるのだろう。これからのご縁というのはそうした根源的なものに対する私なりの回答が決めていくように感じている。

 今日の稽古帰りの清々しさは、感謝を発した言霊が、まるで何かに包み込まれるかのように心地良く存在できた。魂は続き身体は借り物であるならば、やはり感謝しながら生きて行かなければならない。自然が与えてくれる心への恵みは意思ある世のメッセージなのだ。


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2019-06-03(Mon)
 

2019年7月 武術稽古日程


7月01日(月曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



7月02日(火曜日) クラーチ剣術教室
          10時00分~11時30分
          クラーチ溝の口         

          金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



7月03日(水曜日) 金山剣術稽古会
          12時00分~14時00分
          戸越体育館 柔道場



7月04日(木曜日) 金山剣術稽古会
          14時00分~16時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場

          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



7月06日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          12時30分~14時00分
          戸越体育館 剣道場 



7月07日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          13時20分~14時50分
          深川スポーツセンター 柔道場  
          15時10分~16時40分
          深川スポーツセンター 柔道場


           
7月08日(月曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



7月09日(火曜日) クラーチ剣術教室
          10時00分~11時30分          
          クラーチ溝の口

          金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



7月12日(金曜日) 金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



7月13日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          12時30分~14時00分
          戸越体育館 剣道場 

         金山剣術稽古会
          15時00分~17時00分
          戸越体育館 剣道場



7月14日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          15時00分~17時00分
          品川区総合体育館 剣道場



7月15日(月曜日) 抜刀術 特別講習会
          15時00分~17時00分
          品川区総合体育館 柔道場
          18時00分~ 懇親会




7月16日(火曜日) クラーチ剣術教室
          10時00分~11時30分          
          クラーチ溝の口
         


7月17日(水曜日) 金山剣術稽古会
          12時00分~14時00分
          戸越体育館 柔道場



7月18日(木曜日) 金山剣術稽古会
          14時00分~16時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場

          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



7月19日(金曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



7月20日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          12時30分~14時00分
          戸越体育館 剣道場



7月21日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          15時00分~17時00分
          品川区総合体育館 剣道場



7月25日(木曜日) 金山剣術稽古会
          14時00分~16時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場

          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



7月26日(金曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



7月27日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          12時30分~14時00分
          戸越体育館 剣道場  

         

7月28日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          13時20分~14時50分
          深川スポーツセンター 柔道場  
          15時10分~16時40分
          深川スポーツセンター 柔道場



7月29日(月曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



7月30日(火曜日) クラーチ剣術教室
          10時00分~11時30分
          クラーチ溝の口         

          金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



7月31日(水曜日) 金山剣術稽古会
          12時00分~14時00分
          戸越体育館 柔道場






 金山剣術稽古会 入会希望の方へ


【 新宿スポーツセンターでの稽古時間 】
◇(月曜日・金曜日/毎週)17時00分~21時00分
毎月第四月曜日は休館日のためお休みとなります。
(第四月曜日が祝日の場合は翌火曜日がお休みです)

◇(木曜日/毎週)14時00分~16時00分 


【 江東区スポーツ会館での稽古時間 】
◇(火曜日・木曜日/毎週)19時00分~21時00分
月曜日が祝日の際は翌日火曜日が振替休館日となりお休みとなります。


【 戸越体育館での稽古時間 】
◇(水曜日/隔週)12時00分~14時00分 


完全予約制ですのでお早めにご連絡下さい。
前月までに予約の入っていない日はお休みとなる事があります。
初めての方はこちら金山剣術稽古会についてをご参照の上
お申し込み専用窓口よりご連絡下さい。

稽古場所の詳細や稽古内容、稽古時間のご相談、道具類その他のご質問等につきましてご不明な点がありましたらご連絡下さい。

都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。


2019-06-03(Mon)
 

よりよい空間をめざして

 雲に覆われた白い天気も昔から好きだ。暑さも寒さも程よいこの時期は、そうした過ごしやすさから白い天気に対する好感が幼心からあったのだろう。


 
 昨日は品川区総合体育館剣道場でGold Castleの講習をおこないました。以前はGold Castle 殺陣&剣術スクールと全て記述しておりましたが、開講して六年目、教室としての軌道に乗ってきたことから省略して記述しております。また開催場所である区の会場でも、登記名をGold Castle と省略しております。正式名称はホームページなどにも記載されている通りGold Castle 殺陣&剣術スクールです。

 講習では体験参加の方が三名お越しになられました。お二人来られなったのですが、生徒達も含めますと特に殺陣は混雑いたしますので今週も丁度良かったと思います。

 ここ最近は品川区での開催頻度が増えたこともあり、日曜日の二時間で殺陣クラスと剣術(杖術)クラスを一時間ずつおこなってきましたが、体験参加の方にとって少々学ぶべき情報量が多すぎてしまっていることを感じておりました。

 情報過多になってしまいますと、脳が新しい情報を拒否し始めますので自信を失わせてしまうことになります。私としましては、長い時間色々なものを経験して頂いたほうがいいと思っておりましたが、楽しい余韻の間に終えられたほうが体験参加の方にとって好ましいものと思えますので、今後品川区での日曜日に開催する講習では、殺陣クラス一コマ、剣術(杖術)クラス一コマとして、どちらかを選んでいただくようにいたしました。もちろん三回まで体験参加は受け付けておりますので、一気に二コマ受講されても大丈夫です。殺陣クラスのお申し込みが多いと思いますが、殺陣以外を知らないからこそのお申し込みということでもありますので、役者さん以外の方にとりましては、武術を通じた学びの入り口といたしまして剣術(杖術)クラスでのご参加をお勧めしております。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年6月15日(土)『杖術 特別講習会』のお知らせ
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ
(お問い合わせ受付中)

2019年6月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-06-03(Mon)
 

思考の頂にあるもの

 今日土曜日は六月に入って最初の日。Gold Castleも毎週のように体験参加の方が訪れております。

 明日日曜日は体験参加のお申し込みは定員となってしまいました。これまで品川区総合体育館で定員になることは無かったのですが、五名まで受付可能なこの会場でも一杯になってしまいました。その分土曜日の開催では体験参加の方は少ないのですが、生徒が安定しているクラスはこの土曜日の剣術(杖術)クラスのほうです。日曜日も多いのですが、土曜日は毎週お越しになられる常連の生徒が多く体験参加の方も少ないためドンドン内容が進んでおります。

 そんな土曜日に体験参加としてお越しになられたYさんが、生徒Mさんの知人の方だったらしく、この教室での偶然の再会にお二人とも驚いておりました。お二人とも役者さんですので、そうした役者の方が技術を身に付けるために真剣に取り組まれる姿は、役者としての嘘偽りの無い魅力の一つであると思います。

 講習では普段より少しきつめの基礎鍛練稽古をおこないました。身体は力まずに使うことが技においては重要ですが、かといって身体(土台)が鈍ってしまっては元も子もありませんので、私も含めこの基礎鍛練稽古は講習会や稽古会でも毎回おこなっております。

 技では久しぶりに杖の抜き技をおこないました。打ち込みから転じて突きとなる「影突き」と、突きに対する払いを抜いておこなう「鶺鴒突き」です。これは動き自体は小さいので大して難しいものではないと思っておりましたが、その小さく動くということが難しいようで、そこに関わる誘いの出し方、「打つように抜く」或いは「抜くように打つ」さらには「抜くように抜く」「打つように打つ」といった、心理状態が無意識の内に身体の働きを整え、それが相手の反応を誘うものとなります。これは一瞬の動きですので講習としては不向きなのかとも思っておりましたが、そうした心理的な誘いの状態が使えるようになると相手の反応が興味深くなりますので、今日の講習で全体を見渡しておりますと、皆さんその辺りを考えながらおこなっておりました。

 私としましても自分の稽古として、土曜日の生徒達はかなり厳しい対応も出来る方が育ってきましたので、そうした生徒一人ひとりを相手に誘いに乗るか見破られるかというのを確かめ合うことも出来ました。幸いにも面目は保てたと思いますが、突きや打ち込み一つをとってみましても、起こり無く「始終一致」に動けるかが重要であり、そうした基礎稽古の組み合わせが調和感覚の中で技となるのです。

 「起こりを消して居着きを無くす」という古からの教えでもある武術としての身体技法を課題とし、自己を観ることがさまざまに学ぶべきことへの手掛かりとなっております。そしてそのことに気がつくためには、技術だけでない精神性が重要です。精神とは思考の頂にあるものと私は思っておりますので、どのような思考が日々の中で育まれているかが、自己を観察する上で何よりも重要であります。


 講習後はそのまま同会場にて金山剣術稽古会「土曜日稽古会」をおこないました。今回も渡部氏とマンツーマンでの稽古となった。私が武術を始めた頃も、師範との週に二回から三回の稽古は次第にマンツーマンが常となり、その当時から有り難い環境だと思っておりましたが、期間としては二年半ほどだったと思います。

 そうした恵まれた環境があり武術を始めて八ヶ月後に師範と二人でポルトガルに行き、そこで十日間剣術や抜刀術を稽古する機会に恵まれました。私よりも遥かに武術歴の長い先輩方でしたが、年に一回か二回の師範の教えを私は毎週三回受けておりましたので、外国で共に稽古をさせていただいたことで、週に三回マンツーマンでおこなえる環境の有り難さと信じられなさを噛み締めるほどに痛感したのでした。

 のちに私が一人稽古に没頭することが出来たのも、そうした環境で得られた武術稽古に対する感謝の実感があったからだと思います。海外で日本の事を日本人以上に興味を持ち、精神性に憧れを抱き、年に一、二回日本から訪れる師範に尊敬の念を抱きながら澄んだ瞳で真剣に稽古に取り組まれる海外の方。そこでは私達のほうが外国人なのですが、ここで感じた日本で日本の武術を贅沢な環境でおこなう事が出来る有り難さを肌で強く感じたものでした。

 海外の方が日本人や日本の文化に興味を抱くことの理由には「精神性」が如何なるものかを肌で感じたいからではないでしょうか。果たして今日行われている最近の海外の方をターゲットにしたイベントや講習会等の中にそうした精神性を肌で感じさせられるものがあるでしょうか。あるとすれば極僅かなものだと思えます。しかしながら精神性ばかりを謳い、肝心要の動きや身体観が乖離してしまっていてはなりません。勿論技術や知識ばかりが先行し、精神性が幼稚なままでは恥をかいてしまいます。そうした、かつての日本人が大事にされていた思想や精神性を置き忘れて我々日本人は、目先の利益や知名度に躍起になっていてはいつになっても不足の日々でしょう。

 トップというのは、そうした精神性が周囲への影響を良い方向に導くものであり、そうした中で人々の判断力も養われていたのだと思います。今は精神が置き去られている時代ともいえます。私も自分の事を棚に上げて書いているのですが、道徳や宗教などによる信仰心や教えが圧倒的な情報力のツールに飲み込まれているのかもしれません。少々私も大袈裟に書いているものと思いますが、少なからず、そうした時代を生きているものとして、精神性を保てる、つまり、思考の頂を日頃から研鑽できるための場として現代おける武術稽古の意義があるのです。周囲のざわめきばかりに関心を寄せずに、日本人が持っていたであろう精神性を養うことが今を生きていく者としての課題であると誰かが私の手を借りてキーボードを打っているように感じます。

 今夜はここまでにいたします。

 明日日曜日(すでに本日となっておりますが)は12時00分~14時00分品川区総合体育館剣道場にてお待ちしております。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年6月15日(土)『杖術 特別講習会』のお知らせ
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ
(お問い合わせ受付中)

2019年6月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-06-02(Sun)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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