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意識していないことに任せられるか

 食事に睡眠、いずれも健康に生きていくには欠かせないものであるが、その欠かせないものの働きを身体がやってくれていることの感謝は忘れがちになってしまうもの。私たちが意識的におこなうことは、「何を食べるか」「いつ寝るか」ということであり、どのように消化して栄養を吸収し分配するのかは身体に任せるより仕方がない。睡眠も然り。

 そんな凄いことをやってくれているのであるが、当たり前の事としてそれ以上の詮索は無い。然し、その生きるために与えられた「無意識のあいだに行われている能力の凄さ。」ここに、食事や、睡眠以外の人間の持っている無意識のあいだの可能性に気が付くことが出来れば、意識の在り方を見直し、本来備わっている無意識の能力を引き出せることが出来るのかもしれない。

 このことは以前何度か「潜在意識の中に宿る優秀な編集者」という表現を用いているが、その編集者が仕事をしやすいように、意識が邪魔をしない事。もちろん、潜在意識に宿るべく想いの深さが条件として求められるが、「遣りたい事をやる」その事で飛躍するのは、常にその事を意識していようといなくとも考え続けているので、そこに対する時間の掛け方というものは「遣りたくない事をやる」ものと比べて圧倒的に違うことからも、成果が得られるのは当然といえる。

 脱サラをして自分の夢を追いかけたり、遣りたい事を始めた途端に偶然の出会いがあったり、ご縁が急速に広がっていくこともそうした「無意識のあいだに行われている能力の凄さ。」が影響しているのかもしれない。

 
 プロのスポーツ選手の場合、学生時代からスカウトなどその実力がそのまま仕事として役に立たせられるから能力の見極めとしては分り易い。芸能界ではスカウトもあるが、オーデションなどで事務所に所属する際には、先天的、後天的な能力が求められる。では、一般の会社ではどうだろうか。入る方も受け入れる方も、その能力をどう活かせるのか、その能力はいつからどのようにして身につけなければならないのか、もちろん、厳しい環境のプロスポーツ選手や芸能人のような世界とは違い、能力一貫主義ではなくある程度守られていなければ世の中上手く回って行かないが、能力と仕事が合致することが適材適所であり、人の存在が仕事を生み出すのであればそれに適った仕事に就けた人は生きていることに対して少なからず活きていられる筈である。

 仕事内容がテストで高得点を取ることなら、簡単に能力の高い者はスカウティングされるだろう。勿論そんなことがある筈も無いが、能力を活かせる事に気が付ける環境、会社に即した能力を探す雇用の在り方。人口が減少していく中で人材の発掘が求められる。その辺の合致がもっともっと早い段階から成されていれば、無駄なお金と時間は掛けなくて済むし、本当に社会に出て必要な学びに時間が掛けられるのではなかろうか。ネット社会の発達において、そうした人材の発掘も今後進んでいくような気がしている。

 
 BABジャパンから5/20に発売となったDVD『【古武術は速い】~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』の紹介動画や紹介記事が更新されております。こうした撮影、編集、販売における一貫した密なご対応には大変感謝しております。
 金山剣術稽古会のホームページやGold Castle 殺陣&剣術スクールのホームページに更新いただいた動画や記事をリンクいたしております。


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年6月15日(土)『杖術 特別講習会』のお知らせ
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ
(お問い合わせ受付中)

2019年5月 武術稽古日程

2019年6月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-05-30(Thu)
 

思想を練るということ

 令和元年となった五月も下旬に入り二ヶ月前倒しの暑さが続いている。元号改正となったがまるで昔の出来事のように感じている。そうして、何事もとどまることなく進み続けて行く。何かしらの出来事というのは、その前、その瞬間、その後、というふうに流れゆくが、人の気持ちに影響を与えるのは、その前、その瞬間までなのだろう。

 では、その後、において何が大事なのだろうかと考えると、安定するための次なる流れに対する整備が重要であり。それは人の気持ちに影響を与えるものとは異なるが安心感を与えるものとして、その後、の整備を疎かにしてはならないのである。

 
 さて、昨日は五月最後となるGold Castleの講習をおこないました。このところ体験参加のお申し込みが多く、講習もスペースを気にしながらおこなっております。それでも、まだまだ広く立廻りなど空間を使えておりますので、基礎から立廻りまでそれぞれに取り組んでいただいております。

 八歳のYちゃんも先日、新国立劇場でおこなわれた舞台が終わり「自分で、しっかり出来たと思いますか?」と訪ねたところ「うん!」と笑顔で大きく頷いておりました。Gold Castleでもいつも笑顔で最後まで集中して取り組んでおります。お母様が居なくても一人でシッカリと学ぶべきところを吸収しようとしている力は立派なものです。好きなことを全力で取り組む中で、自発的な心や、モノを吸収しようとする観察力、相手を知ろうとする洞察力など、強く「身につけたい!」という想いがあるからこそ育まれていくものだと思います。それは同時に強さや生き抜く術となるヒントのようなものも含まれておりますので、指導者である私としても表面的な形でなく、相手の心を見て距離感というものを考え導いていかなければならないと思っております。

 講習では新しい生徒達に立廻りタイプMの序盤をおこなっていただきました。基礎的な動きが出来なければ良くならない部分というのは分かっておりますが、みなさんが遣りたいことはこうした立廻りだと思いますので、まだ早いと知りつつも安全に考慮してゆっくりとおこないました。基礎だけでもいけませんし、立廻りだけでもいけません。そうしたバランスの中で講習の舵を切っていかなくてはなりません。そういう意味では会場の広さや、人数、メンバーによって、予定を変更して今出来る最善の内容をおこなうことが私に求められる部分です。

 新しい生徒が増えてきましたので、成長とともに出来る内容が広がっていくことを今後楽しみにしております。


 続く剣術クラスでは、正面斬り、斬割り、胴斬り、受け流しなどをおこないました。人に見せるお芝居の殺陣とは違い、技の追求が剣術の入り口でもありますので、そうしたところで初めて気が付く感覚に遭遇する方もいらっしゃることでしょう。今月の月刊秘伝6月号に同様の文章が掲載されましたが、武術を始めてとくに剣術、杖術、抜刀術など頭より先に身体が納得する感じがあり、それが十年前の4月26日から今日に至るまで気持ちが薄れること無く私を支えてくれております。おそらく私にとって、剣術といった身体観が私の体や心に適っていたのだと思います。そこに出会った瞬間から、十年以上私の中に宿っていた役者としての体と心の気構えや精神などと言うものは、呆気なく剣術による身体観へと魅せられ入れ替わったような気がしております。

 人というのは、武術に限らず、そういった体と心において自然であるもの、「思想と身体の合致」或いは調和、そうしたものが身体観という身体の在り方に深く関係しているのかもしれません。それがそのひとの行く道を決めさせ、そこで出会う人とのご縁は自ずと繋がれるものとして身体が先に整っているのでしょう。

 今この記事を書いて言葉が出ましたが「思想と身体」これは、思考より以前に決定付けられている「想いと身体の実感による信仰」なのだと思います。ですから、そうした自分に合った身体観で動けるもの、働けるもの、生きていけるもの、そうしたものと出会えるということは身体に対する最大のご褒美でもありますし、その恩恵を身体から頂けるものだと私は確信しております。

 人生がどうなっていくのかは誰しも解らないものですが、身体と向き合う事で切り拓いて行けるものがあるように思えます。そこに向き合えないで自らを潰してしまうより、向き合える選択を取って行く事が自分の考えで生きて行くことに繋がり、今の時代に自分で納得して生きて行ける見据えた生き方に繋がっていくのではないでしょうか。身体は他人任せには上手く行きませんので、身体と向き合うということは、自らの生き方において「思想を練る」という事なのかもしれませんね。


 金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

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2019-05-27(Mon)
 

不利から有利になる瞬間が小太刀稽古の妙

 本日は品川区総合体育館剣道場にて『剣術 特別講習会』を開催いたしました。

 このところ特別講習会も安定したお申し込みを頂いておりますので、本日も賑わう中でおこなうことができました。

 始めに大刀による剣術、「三段抜き」をおこない、左手の内の巻き込みと返し、それに伴う上下の動きが脚足の動きに合わせておこなわれますので一種の装置と化した動きが求められます。手元がテリトリーの範囲内で大きく動くことが強く小さく動かせるためには重要になります。

 続いて、「劉之型 月」をおこないました。先ほどの有効であった突きが、劉之構えを取ることで対応されてしまいます。これも同様に、支点を固定化せずに、手元を動かすことで素早く対応できるようにいたします。

 そして「劉之型 霧」では、打太刀の抜き技をお伝えいたしました。これも同様に手元が身体のテリトリーの中で大きく動くことで、速く小さく動かすことが可能となります。

 こうした剣術における身体の使い方を養成しながら同時に体を作る稽古といたしまして、「連続切り返し」のような、テリトリーの範囲内で大きく動かす剣の操法を身につけておくことが重要です。

 
 後半は小太刀を使っての稽古をおこないました。

 今回講習会で初めておこなう、片手による中心の取り方をおこないました。背中を使うように肩を上げておこなうと、片手でも両手持ちの大刀を相手に押し込むことが出来ます。片手が使えますと小太刀はとても優位になりますので、相手を制する手段は余裕をもっておこなえます。

 小太刀の場合刀身が短いため、相手の斬り込みを受ける際の精確さが求められます。これは稽古の中での感覚が向上して行きますと怖さが消えその短い刀身の長さで相手の斬り込みを受け止める間合いや、受け方に必要な体捌きが養われるでしょう。不利から有利になる瞬間が小太刀稽古の妙ともいえます。

 武術稽古では、不利な条件設定から技となるべく動きを抽出していくものですが、小太刀は得物の短さや片手による力の弱さが心理的にも不利な条件として突き付けられます。しかし、そうした条件から技に繋がる体捌きや調和感覚の試行錯誤が始まり、接点圧力、正中線、入り身の体捌きと間合いの取り方、圧の逃がし方とそれに伴う体捌き、などなど小太刀特有の状況の作り方と、応じ方が生じます。その場に居ては成す術の無い得物ですから、自然と居着かない脚足の運用法も身につくことから、大刀剣術への応用にも活きてきますし、間合いや正中線の意識が不利という切実さの中で向上するものと思われます。

 最後は「入身返し千鳥付」をおこない、これまでの型からさらに右手手の内で刃を一回転させ入り身にて相手の反撃に備える動きもお伝えいたしました。

 二時間と延長分、皆さん非常に集中して取り組まれました。全ての内容が簡単ではありませんので、頭もかなり疲れたかと思いますが、お越しになられた皆様の表情を見ておりますと、良い講習になったものと思われます。

 
 懇親会は恒例となったキリンシティ大崎店にて。

 会場から徒歩3~4分と近く、これまでのどのお店に比べましても盛り上がりが違いますので、当分はこちらでお世話になることになるかと思います。

 鎌倉からお越しになられたTさんも、特別講習会の常連と言ってもいいほどこの講習会と懇親会を楽しみにして下さっております。色々なお店をお知りになっておりますので、楽しい会話が尽きることはございません。一年振りにお会いしたSさんは、ロサンゼルスのお土産をいただきました。独特の世界観で生きてらっしゃいますので、お話を伺うのが楽しみでもあります。常連組の皆様とも、安心した家族のような空間で接しさせていただいておりますので、そうした安心感が写真を見ても表れているように感じます。

 言葉にしても、しなくても、その時間は自身にとって次に進める時間であるように思えます。そうしたそれぞれのフィールドに戻ったときに力を出せるような場であったのなら幸いです。

 今日もみなさま、お時間を割いてお越しいただきありがとうございました!


2019.05.25 剣術 特別講習会 懇親会①

2019.05.25 剣術 特別講習会 懇親会②

2019.05.25 剣術 特別講習会 懇親会③


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2019-05-25(Sat)
 

小太刀に進展

 今日は20℃台後半の気温となり、今年から作務衣も夏場は上着を脱いでTシャツ一枚で移動することにした。尤もいつも着ている物の上着を脱いだだけなので私としては殆ど変化を感じないが、和服の印象が強い方には驚かれることもある。昨年は東京でも40℃を越えたが果たして今年はどうなるのであろうか。


 昨日は戸越体育館で渡部氏と稽古をおこない、蠢動を含めた背中の意識と腹圧の掛け方による利きの違いを検証した。思った通り蠢動は身体全体の繋がりが蠢きの中で効果を発揮するため、腹圧を掛ける事でさらに蠢動の効果が高まった。腹圧も適度に膨らます程度が望ましい。肩への力みや呼吸の乱れ、その他体調の異変を引き起こさないためにその加減を知っておくことが大切である。

 最後の30分間、身体の調整をおこなう動きをおこなう。身体が求めるままに「揺らぎ」「振動」「振動と揺らぎ」たちまち副交感神経が優位になり、畳の上に仰向けになる。そこでフト仰向けになっての揺らぎを試してみる。始めは一人でおこなっていたが、この揺らぎを人に引っ張ってもらうとどうなるのだろうかと、腕を引っ張ってもらい試したところ「これはなかなかいい!」という杖整体操的心地良さが得られ、じゃあ、木刀(杖が無かったので)を使って試したところ「これは、杖整体操の新たな調整法が見つかりましたね!」ということで、三人一組になっておこなう調整法として今後レパートリーに加えるものとする。

 
 そして本日も高田馬場にて渡部氏と稽古。今日は小太刀に進展があった。

 まず、これまでよく講習会などでおこなっていた「入身返し突き」では、これまで通り一足一刀の間合いから小太刀を円に使って間を詰める入りをおこなうものと、今回新たにおこなった、左右の袈裟斬りと正面斬りを体捌きで受けながら技をおこなう内容を加えることとした。これにより、打太刀の大刀と仕太刀の小太刀ともに間合い精度が向上するだろう。

 そして先週土曜日に生まれた左袈裟からの対応についても、左右の袈裟斬りからの対応に変更し、相手の剣を封じるのに、左手で支点を作り右手の小太刀でこれを利用して崩すことも解った。これはゆっくりとした数少ない動きの技であるが非常に有効である。

 その他にも「入身返し付」に、さらなる動きが加わったが、これは仮に相手が諦めなかった場合の動きとしておこなうもので、通常はこれまで通りの型稽古とする。しかし、刃の翻り方が面白いので、自分でも突然によくこんな動きが出たものだと益々小太刀稽古に引き込まれてしまう。


 『剣術 特別講習会』も明後日となりましたが、今回は小太刀稽古が多めになるかもしれません。まだ明日金曜日までお申し込みは受け付けておりますので、初めての方でも動きを見て手体験して頂く良い機会であると思います。あと五名ほど受付可能ですので、興味のある方はご連絡お待ちしております。


 金山孝之 指導・監修 DVD
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2019-05-23(Thu)
 

転ばぬ先の一歩

 昨日月曜日は高田馬場にてT氏と稽古。訪れるまで蠢動を全身で感じられるように、立った状態や座った状態さらに歩きながらおこなった。背中を広範囲におこなえると利きがより一層強くなるが、その感覚を身体に覚えさせるのは簡単ではない。

 しばらくしてT氏が訪れ稽古に入る。

 月曜日は空いている状態なので落ち着いて稽古が出来る。基礎鍛練稽古ののち、杖術をおこなう。打ち込みや突きで「なるほど、そういう鵜動きをしていたのか!」と説明していることでこれまで自分がどうやっていたのか今にして解る事も少なくない。一人稽古では意識しない事を状況的に噛み砕き咀嚼して伝えなければ理解して頂くのは難しいので、そうした言葉への変換に伴う新鮮な発見は興味深いものである。感覚を言語化することで、意識的に理解できる。一つの事に時間を掛けられる、これが少人数でおこなう稽古会の良さであると思う。

 抜刀術と納刀法を幾つかおこないこの日の稽古も良い空間の中でおこなうことが出来た。

 帰宅してからは、諸々映像編集についての修正箇所の点検やイメージなどをチェック。これらが手を離れれば次に向かって時間が使える。これからは少しずつ時間の使い方を変えて行かなくてはならないだろう。尤もそれは自然とそうなることだと思われるが。


 そして本日火曜日は朝から大雨。

 普段より一本早い電車に乗りクラーチ剣術教室へ向かいました。これだけ雨脚が強いと、雨用の雪駄では用を成さないため、今日は数年ぶりのゴム長を履いた。
 
 ここ近年売られているデザイン性のある長靴ではなく、昔からある黒い長靴。作務衣にこれを履くと一気に農家の人か魚屋さんのような風体になってしまう。「っらしゃい!」

 そんな感じで会場へ到着。会場に着くと皆さん月刊秘伝を回し読み中。私は稽古着に着替えて訪れましたので、扉を開けて「おはようございます!坂本竜馬みたいでしょ!」と袴にブーツならぬゴム長を履いた姿をお見せしてから入室。「まぁ、ほんと~」という笑い声の中、いつものように皆さんと談笑して稽古に入りました。

 今日は二ヶ月ぶりぐらいに体調不良によりお休みされていたIさんが見学参加。思っていたより元気そうで笑いながらご見学されました。今日からおこなうことにした講習内容「転ばぬ先の一歩」では、いつも色々と面倒を見て下さるTママの肩をタッチして、その奮闘振りに楽しんでおられました。

 その「転ばぬ先の一歩」ですが、想像以上に「いける!」という確信が持てました。最も心配していたのは、膝を抜く脚の使い方が出来るかどうかでしたが、今日拝見してみてかなり期待が持てました。これまでにずっと「蟹の前歩き」をおこなっておりましたので、軸足に体重を預けずに歩を進める下地が出来ていたものと思われます。

 高齢者の方にとって転倒は生命に関わる事と言えます。これは大げさなことではなく、骨折をしてしまうと健康寿命が縮まり、それまで元気だった人が急に衰えてしまい病気になるなど、寿命そのものが短くなってしまうというデータが以前NHKの番組で取上げられておりました。

 そのため、転倒について考えますと、やはり頭が下がってしまうことで前重心になりやすく、つまずいた瞬間にその前重心が即、転倒に繋がってしまうものと考えられます。講習では、頭が下がらないように肩甲骨の可動域を取り戻す運動や、背中の筋肉を養う杖術や剣術などをおこなっておりますが、それだけでは対策にはならず、実際に転倒しかけた時に踏み留まれるのは「最初の一歩が出るかどうかなのです。」

 その第一歩が出るには、無意識で足が出せるかにあり、無意識で出せる足というのは一瞬の動きになります。

 その一瞬の動きというのは、軸足に重心が傾いていない状態で、足が出せるかということになります。

 前に転倒し掛けている時は、重心が前に傾いていますので、その前重心で前足が踏み出せるかが重要になります。

 これは、床を蹴ってしまうと即転倒してしまいますが、腿を引き上げるように膝を抜いて脚を出せば踏みとどまれる可能性があります。

 若い人でも、腿を引き上げる感覚と言うのは日常生活で殆どおこなわない動きですから、最初は上手に出来ないものです。普段おこなわない動きを緊急時に出せるかと言えば余計に無理な話です。

 ですから、高齢者の皆さんにとっても日常おこなわない腿を引き上げるように膝を抜く運動を、ゲーム感覚で楽しくペアになっておこなうことで、頭の体操と適度な衝撃による骨の強化と筋力の増強、そして躓いた際の第一歩で踏みとどまることがこの運動の目的でもあります。

 前に倒れそうになった場合、一瞬膝が速く動かなければ間に合いません。これは考える間もないことですので、日頃から膝を抜く稽古を上達させることが転倒防止への有効な方法であると私は思っております。ですから「転ばぬ先の杖ならぬ、転ばぬ先の一歩なのです。」(稽古では前に脚を出さずに、そのまま垂直に脚を落としています。転倒を再現するものではなく、素早く膝を抜けるかを、右足、左足、両足、というふうに後ろの人がランダムに肩を触って、その触られた部分と同じように脚を動かします。)

 講習後は大雨のため、レストランで食事をいただき、駅までの送迎バスが出るまでゆっくりと歓談。雨にぬれることも無く電車に乗り、自宅最寄り駅に着いたときには小雨となっておりました。運良く大雨に当たることなく今日も良い一日を過ごさせていただきました。本日もみなさま、ありがとうございました!


2019年5月20日発売 DVD 【古武術は速い】~“型の手続き"を追求した剣・杖の実践的な体使い~(ご予約受付中)

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2019-05-21(Tue)
 

久しぶりの快眠

 昨夜は記事を書かずに就寝。おかげで4週間ぶり位に熟睡が出来た。このところずっと1時間または2時間ごとに目が覚める状態だったので、この一晩で昨日からかなり体調が改善された。

 先日『連続切り返し』の動画を差し換えたが、土曜日の私の稽古会の際に「試しに八回やってみましょうか」と、渡部氏にスマートフォンで撮影して頂いたものを配信した。

 先週金曜日の二時間半の一人稽古で連続切り返し八回は二回ほど試みたが、それまでにおこなった抜刀術や他の剣術の稽古で身体がついて来ていない事が分かったので、また何れやってみるかとこの日は切上げた。

 その殆ど稽古していない感覚の中で、どこか出来そうな気配があったため、土曜日に試しにぶっつけ本番で撮っていただいたのである。順番に一から八回までの動きを四回ほど撮影してもらい、全てそれなりに出来ていたがその中から一つを選んで配信した。

 そこで撮影は終ったが、実際に生でどう動いているのかを見ていただくために、渡部氏の目の前で八回切り返しをおこなったところ、「じゃあ、10回もやってみましょうか」、出来ないつもりで一回生で見ていただいたところ、「もしかしたら出来ているのかもしれない」という気に駆られ(自分でもどうなっているのか映像を見ないと解らないため)、一発撮りで撮っていただいたものを配信した。だから十回の切り返しは撮影前に一度しかおこなっていない状態でおこない、撮影も一回で終えた。その後、欲が出てしまい一回から十回まで続けて撮影したが、初めて失敗したためその一度で切上げた。

 この日まで六回しか切り返しをおこなっていなかったものが、いきなり十回まで飛躍的に増えたのには自分自身でも驚いた。浮き身が掛かっていないと起こりえない切り返しの体捌きなので、その中で手続きが無意識レベルで進行して行くのは相当難しい。この「手続きを追えない感覚」を少なくとも身体が体感したことは収穫であった。(そうか!手続きを追えない感覚は直感に通じているのではなかろうか!)


 さて、本日5/20はBABジャパンから私にとって初めてとなるDVD『古武術は速い~“型の手続き"を追求した剣・杖の実践的な体使い~』が発売されることになりました。タイトルにある古武術は、ふだん私は使いませんし文章や言葉でも表現することは殆どありませんが、多くの方にとって分かり易くイメージが付き易いものとして、出版社の方のアイデアを参考にこのタイトルにさせて頂きました。

 言葉というのは私にとって、凄く重要にしている部分もあれば、技の名前などどの文字を使っても構わないし間違っていてもそれはそれでどちらでも良いという不思議な解釈が混在しております。

 それは、心に響くものとして大事な部分と、言葉というのは情報を伝えるための言語手段としての法である。という解釈であるからだと思うのです。心に響くものは心で生まれたもので、その機が捉え生じた言葉の音、文字の図形には他に変えてはならないものがあります。それとは異なり、情報伝達としての言葉や文字には、全てがそうではありませんが私にとってはあまり執着は御座いません。時が流れれば何れ変わる事も多いので、その「時だけの言葉」にはあまり拘らないのかもしれません。つまり、言葉は音楽、文字は絵画のような感覚で、その意味については実際の内容に確たるものがあれば執着頓着しないで、その心理を読み取ることだと思うのです。

 
 さてさて、遅くなりましたが昨日日曜日のGold Castleの講習記事に移ります。

 昨日は品川区総合体育館剣道場での開催でしたが、かなり混雑した状況で賑わいを見せておりました。それでも体調不良で体験参加希望の二名の方がお休みになられておりましたので、逆に助かったといえるほどの盛況振りでした。

 殺陣クラスのお申し込みが多いのですが、剣術や杖術で身につけた身体を自在に操る稽古が殺陣に活かされるものでありますので、体験参加を希望されている方で、殺陣クラスが定員になっていても、土曜日などの剣術クラス、杖術クラスへの参加をお勧めいたしますし、役に立つことであると断言できます。

 舞台や映画で殺陣に興味を持たれたという方も少なくありません。映画や舞台でおこなっているものを殺陣といいますが、そうしたことから、多くの方が知りうる剣との入り口は「殺陣」という言葉がキーワードになります。

 私がなぜ殺陣クラスをおこなっているのかというのは、そうした剣術など武術の世界に触れるキッカケとして、殺陣は剣術や武術とのご縁を繋げるものとして大きな役割があるからです。

 生きて行く上で、学び無しには苦しむものです。

 お金のために学ぶのは就職するまでです。就職したのち何を学ぶのか、生きていくことを学ばなければなりません。

 その生きていくことを学ぶのは、自らの体と向き合うことが第一条件です。

 なぜなら、身体と心は繋がっているからです。

 身体と向き合うには、武術を通じて感覚に目を向けることが学びの教材として具体的な問題を与えてくれるものです。

 そうした、感覚が求められる技というお題に対していかに応えていくかが、武術を通じての学びとなります。感覚には心の条件が重なり、そうしたことから自分自身という人間の中を知ることが求められます。中を変えなければ感覚は手に入らず、そのことすら気が付けないままです。

 社会に出て苦しむのは、生きるための学びを忘れ、自分がどうであるのかを考えずに他人を責めてしまう傾向が強いからではないでしょうか。自己を見つめ、感覚を通じ心を養い、いつしか変わることができ、社会での立ち振る舞いや自分の居場所が学びから新たに得られるのだと私は思います。人は居心地の良い人を求めます。では、居心地の良さとはどういう事なのか、言葉や態度、能力だけに特化しないお金のためだけに学んだ犠牲を、これからの学びで変えて行かなければならないでしょう。

 現代における武術稽古の意義は、そうした社会での生き延び方に即していなければなりません。殺陣を知り、武術に触れ、生き方を考え学ぶ。そうした時代においての役割がそれぞれにあるように思いますので、これからも学び続けて行かなければならないと思っております。

 
 今週の土曜日は『剣術 特別講習会』です。今回は小太刀もおこないます。まだまだお申し込みは受け付けておりますので、ご連絡お待ちしております。


2019年5月20日発売 DVD 【古武術は速い】~“型の手続き"を追求した剣・杖の実践的な体使い~(ご予約受付中)

2019年5月25日(土) 「剣術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

2019年6月15日(土)「杖術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

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2019-05-20(Mon)
 

まさに感謝といえる稽古であった

 Gold Castleの記事の後になるが、今日は金山剣術稽古会土曜日稽古会を開催した。月に1~2回、土曜日に品川区の会場で開催している。今回は渡部氏が参加して下さったが、私もほとんど目立ったところで告知していないので、知らない方も多いだろう。この土曜日稽古会は単発参加型の講習会形式でおこなう予定ですので、今後金山剣術稽古会のサイトに早めに掲載しておりますので、平日の参加が難しく、また入会するのも覚悟が入りそうだと思われている方も少なくないかもしれませんので、そうした方は月に1~2回開催している土曜日の稽古会がおすすめです。


 さて稽古記事に入る。

 昨日の四時間稽古のうち二時間半は一人稽古に没頭していた。寝たのが6時過ぎで起きたのが8時過ぎ。余りに目がさえていたので、外の明かりが差し込む部屋で、前腕を三十分程ひたすら動かしていた。おそらく蠢動の興味からであるが、私の前腕は剣術をおこなっている人の中でもかなり細い方だと思われるので、見た目と中の具合がどうなっているのかさまざまに検討しながら、以前痛めた右手手首や右肘などの「働きの良い状態」を妨げない腕でなければならず、その腕がどうなのかの判断はやはり動きの中で判断していかなければならないだろう。今興味あるのは腕の中の、いや身体の中の筋の働きである。関節ではなく筋肉ではなく筋。そこにまだまだ働きの可能性が隠されているように思う。

 今日の稽古ではまずそうした筋の使い方を蠢動ベースに検証。さっそく得るものがあった。それは背中の蠢動をさらに広範囲におこなうことでより自重の重さというか硬さが現れた。そしてもう一つ解ったことは、浮きとの併用でおこなっていた力の耐性検証を試みたところ、いわゆる腿の引き上げだけでは、鼠径部回りが硬くなり、そこの部位だけは強力に繋がっているが、身体全体の中では弱点となってしまい足元が浮かび上がってしまうのを防ぐには及ばない。そのため、これまで信じていた腿の引き上げを無くし、蠢動と背中の蠢動を広範囲におこなった状態が最も強く、足元が浮かび上がりにくくなりかつ、体に接する部分が硬く感じられ、本人の実感としては全く固めている感じではないのに、触れる相手はその固さに驚いてしまう。

 しかし、腿の引き上げも有効であり、それは歩いている最中に蠢動を試みる場合は、相手が居る方向の左右の脚いずれかの腿の付け根を僅か引き上げるだけで驚くほど強力に飛ばされにくくなる。この歩いている最中におこなう腿の付け根の僅かな引き上げとの併用は、まだ講習会ではおこなっていない。押し飛ばす方が痛がるぐらいだから人混みや、歩きスマホ対策で自衛手段として密かに試みておくのも転倒が怖い方にはお勧めである。決して自らぶつかってはなりませんが。

 そして昨日パーソナルトレーナのM氏と稽古をおこなったときに言葉に出た、高齢者の方の転倒防止対策として私なりの考えは「第一歩が出るかどうか」ということである。つまり、転倒は突如として起こりうるものであり、その突如としてものに対する時間的判断猶予は無きに等しいであろう。もちろん、体を支える最低限の筋力は養っていなければならない、しかし、どうしていいか解らない間に転倒するのが年齢に限らず誰にでも当てはまることなので、私の経験から言えば、武術稽古を始めて膝の抜きなど多用するようになり、道を歩いて何かに躓いた時と言うのはまさに膝を抜いた状態と酷似しており、無意識的にトンと足が出るのである。

 このことは、「躓いて驚かなくなった」という身体の変化であり、それは意識的にどうこうできるものではなく、咄嗟に第一歩目が出るかどうかということが重要なのであろう。そうしたことを昨夜の稽古でM氏とお話させていただいたが、今日の渡部氏との稽古で、より整理され、二人一組で後ろに立った人が肩をタッチし、右肩であれば右足の付根を引き上げ、左肩であれば左足の付根を引き上げる。そして両肩だったら両足の付根を引き上げる。

 足の付け根を伸ばさずに引き上げることで瞬間的に膝が抜けトンと足が素早く反応いたします。普通に踏み出すだけでは時間が掛かりますし、引っ掛かった際の足では対応できません。重心が掛かっている側の足が躓くことで転倒いたしますので、足の付け根を引き上げるという事は、その瞬間の状態を擬似的に作り出し速さと衝撃を身体に覚えさせることが、「転ばぬ先の第一歩」に必要なのではないかと考えます。

 ですので、今日考案した「転ばぬ先の第一歩」を養う稽古を毎週クラーチ剣術教室の講習内容に取り入れたいと思います。これは今日渡部氏とともにおこないましたが、私がやってもなかなか難しいもので、楽しいものです。身体に負担の少ない動きですし、難易度を相手によって調整できますので、これはかなり楽しみにしております。

 そして次に小太刀の稽古。

 今日は左からの袈裟斬りに対する対応を検討した。上段からの真っ向斬りはこれまでに何度も「入身上段受け」にて稽古してきたが、八相からの袈裟斬りでも受け方は異なるが崩し方は同じである。しかし左からの袈裟斬りに対しては、これまでおこなってきた崩しと背後からの斬り付けに耐え難い違和感が生じ、先の二つと同じように出来なくも無いのであるが、そこに冴えというものが感じられず、暫く動きの中で考えた。

 そうした中でフト、片手で両手持ちの大刀を押さえられる事に気が付き、「こんな事があるのか!片手の小太刀は不利だとばかり思い込んでいたが、小太刀の長さは片手で活かせるものだったのか!」ということに気がついたのであった。試しに、離れた遠間から斬り込まれた大刀の剣圧を片手で受けることはさすがに難しく、これには入身上段受けのような形が求められるが、相手と鍔競り合いのような形になったときには、小太刀の片手持ちというのは圧倒的に有利なのである。大刀は両手で持つが故の手が離せない弱点が露呈され(大刀で片手になると尚更弱くなる)そうして小太刀側としては自由になっている片手で相手の大刀をコントロールすることが出来る。これは、私としては珍しく速く動く要素の無い技である。間合いが詰まった際の小太刀の働きの強さを知ったことに感動があった。今日はそうした発見続きの稽古となり、何処かに対して感謝の言葉を口にするほどであったが、来週の特別講習会では今日の発見をお伝えしたいと思う。

 そして最後におこなったのは、剣術の「連続切り返し」である。今日はとにかく発見があり驚きの連続であったが、最後の最後に自分が一番驚いた。渡部氏も驚かれていたが、あらためて武術の動きというのは練習の積み重ねではないという事が分かった。感覚の統御と、複雑な組み合わせを、別のパッケージとして何とも言いようの無い「あの感じ」として身体に記憶させること。その「あの感じ」は独立した別物であるが、確証のない「あの感じ」が身に宿ることで、これからの展開で何か拓けてくるものがあるのかもしれない。

連続切り返し

連続切り返し(追加版)

 今夜は早めに記事を書き終えることが出来ました。今朝方、BABジャパンから5/20刊行のDVD「古武術は速い」をご恵贈頂きました。完成品がどのようなものになるのか私も初めての経験ですので、心して拝見したいと思っております。今後ともお世話になるかと思いますが、この度の全ての流れに関しまして幸甚の至りであります。

 明日の日曜日は、12時から品川区総合体育館剣道場でおこないます。体験参加の方が定員とり賑わう講習となるでしょう。新しく生徒になられた方も増えてきております。明日も良い一日となりますように皆様楽しみにお待ちしております!


2019年5月20日発売 DVD 【古武術は速い】~“型の手続き"を追求した剣・杖の実践的な体使い~(ご予約受付中)

2019年5月25日(土) 「剣術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

2019年6月15日(土)「杖術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

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2019年5月 武術稽古日程

2019年6月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-05-18(Sat)
 

全体的に向上が見受けられた土曜日杖術クラス

 昨夜はけっきょく6時過ぎまで寝付けず、睡眠できたのは二時間弱であった。それでも不思議と身体は動く。今夜は早く寝ることに全力を注ぎたい。


 さて、本日のGold Castleは品川区総合体育館剣道場にて杖術クラスの講習をおこないました。今日は珍しく体験参加の方が居りませんでしたので、講習内容もふだんより少し盛り込んでおこないました。

 「渦潮」では、四の字に膝を抜き、杖の当て角を下手でコントロールしながら、不安定になる重心の移動を安定的に使いこなすことがこの稽古での特長とも言えます。持ち替えて払うと遅くなってしまうような気がいたしますが、これが最も対応に間に合う方法です。そのため二つめの杖合わせから三つめへの払いは止めずに回転したままおこないます。

 続いてひさしぶりにおこなった「巻上げからの裏お辞儀潰し」では、今回全体的に四の字に膝を抜きながら重心移動と共に巻き上げる杖の操作に進展が見られました。私も途中から気がつきましたが、相手の持ち手により円軌道において弱い箇所があります。そこを通して行くことで相手の力を外しながら巻き上げることが可能となります。

 さらに相手が伸び上がって杖を後ろに掛ける事がやりにくかったり、なかなかしぶとい場合には、杖を引っ張るという崩し方も発見できましたが、動きの精度を練っていくためには、杖の巻き上げる軌道を身につけ、滑り抜けないように、相手とぶつからないように膝抜きの重心移動の最中におこないます。

 その展開から今日の予定に無かった「掴まれた際の対応」をおこないましいた。これは明後日発売のDVDにも収録されておりますが、杖の軌道、それを活かす手の内、ぶつからず逃がすための円の軌道は相手の関節の可動域の粘りにも有効です。

 そして次に「逆足之型」を攻め手と受け手それぞれに動きを覚え、型稽古としておこないました。三十連円打は、時間が余ればおこなう予定でしたが、今回はこれで十分な内容でしたので丁度良い終わり方が出来たものと思えます。

 何気なく素晴らしかったのは、小学校六年生のK君でした。最後まで全く集中の切れた様子が無く、相手を務めて下さったWさんの指示を聞いて全て付いて来れました。私は、子供用の稽古内容というのをほとんど分けておこなったことがありません。もちろん体力的に、力的に難しいものは外しますが、動きの中で難しいと思われるものは、本人が遣りたくてやっている場合、遣らせてあげたほうが良いのです。これは大人として気をつけなければならないと私自身肝に銘じているのは、子供だからと端から決め付けないことです。大人を凌ぐスーパーキッズは世の中にたくさん居ますし、その可能性を奪ってはなりません。これからも益々成長が楽しみです。時折厳しい事も言うかもしれませんが、基本的には自分で気が付けるように見守っております。

 常連メンバーで何人かお休みの方はいらっしゃいましたが、賑やかな講習となりました。来週の土曜日は剣術特別講習会を開催いたします。今回は小太刀をおこなう予定です。新しい小太刀の稽古内容もこの日におこなう予定です。まだまだ空きが御座いますのでご連絡お待ちしております。


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2019-05-18(Sat)
 

濃密で新たな学びを得られた一日

 早いもので今週も金曜日となった。人生こんな感じで早い早いと過ぎていくのだろう。やることが周期的に安定していると、それらに対する負担が少なく、より時間内に何かを詰め込むことが出来るようになる。結局忙しくしてしまうのであるが、そうした事が時間を早めているのかもしれない。一日一日の情報量は多く、時間が早く感じられてもそれに応じた刺激を受けている。


 本日は午後から喫茶店で出版社のYさんと打ち合わせ。
 今回で二回目となりましたが、前回に比べて言葉の引き出され方が素晴らしく、私も思案する前に言葉が先に出るような、呼吸の合ったお話が出来たように思います。今日は、こうした会話の中で緩急というものを学んだような気がいたします。今日はそれがまだ気がついただけで出来ませんでしたが、言葉というのは直感的なヒラメキから活きたものが抽出されるものです。ですので直感的な脳の働きを優先するならば緩急の波が会話の中で重要であります。そのことが私にとって大きな気付きでした。

 まるで稽古記事のような感覚で書いておりますが、私にとって打ち合わせは立ち合いに近いものでもあり、それは敵と戦うという事ではなく、その時間内に何が見つかるか、全てのバランスの中でベストを尽くせるか、ということなのかもしれません。今日で二回目の打ち合わせをさせていただきましたが、今後、私の知らない私が打ち合わせの中で生まれてくるような気もしております。これは、武術稽古と同様に、否、それを実際に試されている場でもありますので、互いのセッションで何が生まれるのかということと、そうした時間の中で少しはバランスを図ることが出来るようになれば、より良いものが生まれ出るように感じております。そうした事に気が付くようになったのは、Yさんとの呼吸が合ってきたからであり、そういう意味では最初から呼吸の合っている方だったと思います。これからの私にとって学ぶことの楽しさや心身に含まれている言葉の抽出が、自らを掘り下げていきながら前に前にと進んで行ける、そんな意義のある時間をこれからも大事にしたいと思っております。


 夕方から高田馬場にて二時間半一人稽古。

 この長い時間一人稽古をおこなうのは久しぶりであったが、後半は瞼がくっついてしまうような疲労感に襲われた。私の一人稽古はWEB動画「かざあな。」そのまんまであるが、今日はそれなりに得られるものはあった。

 剣術では左手手の内の馴染みと初動の関係。抜刀術では昨日形が変わった天神差しに抜いてからの胴斬りをより小さくおこなうことが出来た。その胴斬りの中で、これまでとは全く異なる手の使い方で斬る操作を身体が提案してきたが、今日は長い時間稽古していたので、それが果たして採用に値するのかどうか少し寝かせておいて判断したいと思う。しかし、これまでもそうであったが、動きの把握が出来ていない抜刀術というのは難しく怖いものである。長時間の稽古は効率が悪いということも実感。可能性がある状況と無い状況を見極め身体に整理させておく時間が必要である。しかし、私の集中力が高まってくればまた変わってくるだろう。一つ気がついたのは、集中は意識の問題ではなく身体の問題であるという事。意識しても身体が変わらなければ集中には入れず、意識しなくても外部を遮断できる状態になっていれば集中した身体だといえる。意識して身体を集中状態に整えることが出来ればいいが、その身体の在り方が何処をどのようにするかといえば難しく、その時に求められる身体の状態に近づくことが出来ていれば集中状態になっているのではないかと思うのである。

 今日は打ち合わせの中で、呼吸に付いて興味深い言葉が出てきた。まさにその時感じたままの自然で淀みの無い会話の中から発したものであったが、稽古とは、言葉が紡ぎ出される心身との対話ともいえる。それは自己に対する探究であり、自省の中で練り上げていくのだろう。武術稽古とは、不利な状況で如何に対応出来るか、その厳しいお題に応えるには普通の身体の使い方では状況のハンデは克服できない。だが、人間の身体にはそうした厳しいお題に応えられる可能性をたくさん秘めている。そうした、身体の不思議さを一つずつ実感していくことで、自己に対する探究に興味が沸き、自分の身体を観て行く事で自然と心に向き合い、それが相手や周囲に広がってくる。そうした感覚を手掛かりに、武術稽古というのは生き方の探究と実によく繋がっている。


 夜からはパーソナルトレーナーのM氏が稽古に参加。元サッカーやアメリカンフットボールなどをされており体重も90kgとかなり筋肉の多い方である。今日は初めてお会いしたのでさっそく「蠢動」による身体の強さを体感していただいた。M氏の驚いた反応を見て、あらためてこの蠢動の有効性を実感した。今日は、M氏がパーソナルトレーナーということから、色々と浮きを使った身体の運用法や、私が講習会や稽古会でおこなっている基礎鍛練稽古などを見てもらい、大腰筋を働かせるこれらの運動に興味を持っていただいた。

 杖や木刀などもつかってさまざまに体の使い方をお伝えしながら、私もなんだか相当喋っていた。M氏の反応が素直に驚いていただくものばかりだったので、私も喋りすぎるのは良くないと知っていながらもついつい話し込んでしまった。

 関心を持っていただき来月から私の稽古会に参加されることになりました。先日からT氏も参加されるようになり、徐々に私の稽古会ももう少し門人を増やしたいところである。だが深い部分での心身の対話は少人数ならではのものがあるので、そこはこれからも大事に保っていくつもりである。今日一日は濃密な一日であった。さすがにもう頭が一杯一杯だ。だけど、こういう日を過ごさせて頂けるのはありがたい事である。

 明日は土曜日(もう明日じゃないけど)、12時からGold Castleの講習だ。まだ風呂にも入っていない。寝るのは4時になりそうだ。そして起きなければならないのは8時位だろう。ああ…


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2019-05-18(Sat)
 

抜刀術に新たな動き

 人には合った生き方というのがある。それを見つけるのが人生でもあり、合う合わないは遣りたい事と一致しているとはいえない。

 遣りたいことでは無く、遣れることを探す。

 人は愛情の恩義は忘れない。だからその恩義を返したいという愛情が芽生える。しかし、そこにある筈の恩義が無い場合は不幸である。だから生きていく中で愛情を掛けられる存在を求め今の今を生きていく。それは広い意味での愛情でもあり、その中での深い愛情もある。

 人が人を指導しそこに訪れてくれる方々が居る。「人が好きであるか」ということが無ければ、そこに何があるのか。

 厳しさと優しさが表裏一体の世の中で、愛情をどのように注げられるのか。親と子であったり、男と女であったり、そこには年齢に関係なく相手を思いやる気持ちが無ければ成立しない。自分の持ち物のようにいつまでも成長の無いまま接していては愛情の恩義など感じる筈も無い。そういった事は遠い世界の出来事のように夢でも見ていたかのように記憶の彼方に封印し、本当に愛情を注いでくれた方への感謝の恩義を胸に、人に対する優先順位を見誤らないように生きていかなければならない。


 さて本日は午後から新宿スポーツセンターで渡部氏と稽古。

 今日は渡部氏が訪れる前に一人で三十分程抜刀術を稽古した。その中でこれまでおこなっていた「天神抜き」に突如変化が起き、これまでと変わった抜刀となった。この「天神抜き」は甲野善紀先生がおこなわれていた抜刀であるが、それを参考に、払い上げて袈裟に斬り下げることをこれまでおこなっていたが、今日は払い上げながら身を沈めそのまま胴を斬る動きが自然と生まれたのであった。これまで、この払い上げから二之太刀の軌道に違和感があったのであるが、今回の動きでは実際に相手を付けても問題なく動線が確保されているので、かなり体捌きとしては難しくなったが、抜刀術としての調和感覚においては採用すべき体捌きである。よってこの抜き方は大きく変わったため名称を変更しなければならないが、それは後ほど動きに合ったものが見つかればと思っている。

 
 渡部氏との稽古では、杖術、剣術、体術、抜刀術をおこなった。体術では「蠢動」を掛けてもらい切り落としをおこなったところ全く歯が立たない。これには考え工夫する気にもならず、「蠢動」でゆっくりと潰せるようになったものが、「蠢動」を掛けられる事で、蠢動同士になるとまるで歯が立たない。まあこれは暫く崩せないと思うが、これはこれで良い稽古になるのでありがたい事である。

 武術と名の付く稽古をしていて、一体何が得られているのか。数年間おこなった人は何が変わり、何を変えようとしているのか。自分の態度や発する言葉に隙が無いか、思ったことを何も考えずに言葉にしていないか、相手のことよりも自分の事を第一に考えてそれを押し付けるような事を良しとしていないか。合気道などの優れている点は、そうした細かな態度についての教えが門人の全てに伝えられている事である。私が関西で特別講習会をおこなった際にいつも常連としてお越しいただく合気道家の皆様は、そうした点において大変すばらしいものがあり、私も昨年の五月に一部教室や稽古会で採用させていただいたのである。

 これからの私の課題は、技だけに限らず、人としてどうであるか、そのことを如何に講習会や稽古会で伝えられるかであるが、私自身の未熟さが故にその部分がお伝えできていないのだと痛感している。ただワイワイ楽しく体を動かす集団では何年経っても人として成長が見られないだろう。もちろん私の主催する場ではそれだけの集まりではないが、これからは新たな出会いと共に、武術を稽古するということの中で何が得られるのか、何を得て行かなければならないのか、そうした掲題を具体的に持った人を望んでいる。

 
 明日は、午後から某出版社のYさんと打ち合わせ。今回はかなり具体的になりそうなので心して望みたいと思います。今夜はこのところ抑えていたものを少し漏らしましたが、何事も表裏一体であり、隙はその表裏を転じさせてしまうものですから世の中のさまざまな表裏の入れ替わりと隙とが蠢きあって、物事が間接的に直接的に偶然にも必然にも起こり得ていくのでしょう。そうしたことのタイミングに占星術など関わっているのかもしれませんが、月があり、星座があり、人も同じく自然の流れに沿って生きていくしかありません。だから結局のところは天命に身を任せるしかないと思うのです。


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2019-05-17(Fri)
 

「杖術 特別講習会」のお知らせ

 2019年6月15日(土)品川区総合体育館 剣道場にて杖術の特別講習会をおこないます。

 今回は、これまでにおこなった技の中から幾つか抜粋しておこないたいと思います。初めて参加される方には、杖の基礎的な扱い方と手の内の使い所をお伝えしながら、幾つかの動きをおこないます。

 初めての方や他流の方も歓迎いたします。
 (貸し出し用の軽い杖を数本ご用意しております)


2018.08.11(土) 杖術 特別講習会
※写真はWEB動画「かざあな。杖術編」より


【開催時間】
15時00分~17時00分
18時00分~懇親会

【会場】
品川区総合体育館 剣道場


【参加費】
3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「杖の有無」 
⑤「懇親会の参加または不参加」

上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
三十連円打

十一之型


2019-05-14(Tue)
 

2019年6月 武術稽古日程


6月01日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          12時30分~14時00分
          品川区総合体育館 剣道場

          金山剣術稽古会
          15時00分~17時00分
          品川区総合体育館 剣道場



6月02日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          12時00分~14時00分
          品川区総合体育館 剣道場
           


6月03日(月曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



6月04日(火曜日) クラーチ剣術教室
          10時00分~11時30分
          クラーチ溝の口         

          金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



6月05日(水曜日) 金山剣術稽古会
          12時00分~14時00分
          戸越体育館 柔道場



6月06日(木曜日) 金山剣術稽古会
          14時00分~16時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場

          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



6月08日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          12時30分~14時00分
          品川区総合体育館 剣道場  



6月09日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          13時20分~14時50分
          深川スポーツセンター 剣道場  
          15時10分~16時40分
          深川スポーツセンター 柔道場


           
6月10日(月曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



6月11日(火曜日) クラーチ剣術教室
          10時00分~11時30分          
          クラーチ溝の口

          金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



6月13日(木曜日) 金山剣術稽古会
          14時00分~16時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場

          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



6月14日(金曜日) 金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



6月15日(土曜日) 杖術 特別講習会
          15時00分~17時00分
          品川区総合体育館 剣道場
          18時00分~ 懇親会



6月16日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          15時00分~17時00分
          品川区総合体育館 剣道場



6月17日(月曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



6月18日(火曜日) クラーチ剣術教室
          10時00分~11時30分          
          クラーチ溝の口

          金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



6月19日(水曜日) 金山剣術稽古会
          12時00分~14時00分
          戸越体育館 柔道場



6月20日(木曜日) 金山剣術稽古会
          14時00分~16時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場

          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



6月21日(金曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



6月22日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          15時30分~17時00分
          品川区総合体育館 剣道場  



6月23日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          15時00分~17時00分
          品川区総合体育館 剣道場



6月25日(火曜日) クラーチ剣術教室
          10時00分~11時30分          
          クラーチ溝の口

          金山剣術稽古会
          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



6月27日(木曜日) 金山剣術稽古会
          14時00分~16時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場

          19時00分~21時00分
          江東区スポーツ会館 剣道場



6月28日(金曜日) 金山剣術稽古会
          17時00分~21時00分
          新宿スポーツセンター 剣道場



6月29日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          12時30分~14時00分
          戸越体育館 剣道場  

          金山剣術稽古会
          15時00分~17時00分
          戸越体育館 剣道場



6月30日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
          15時00分~17時00分
          品川区総合体育館 剣道場






 金山剣術稽古会 入会希望の方へ


【 新宿スポーツセンターでの稽古時間 】
◇(月曜日・金曜日/毎週)17時00分~21時00分
毎月第四月曜日は休館日のためお休みとなります。
(第四月曜日が祝日の場合は翌火曜日がお休みです)

◇(木曜日/毎週)14時00分~16時00分 


【 江東区スポーツ会館での稽古時間 】
◇(火曜日・木曜日/毎週)19時00分~21時00分
月曜日が祝日の際は翌日火曜日が振替休館日となりお休みとなります。


【 戸越体育館での稽古時間 】
◇(水曜日/隔週)12時00分~14時00分 


完全予約制ですのでお早めにご連絡下さい。
前月までに予約の入っていない日はお休みとなる事があります。
初めての方はこちら金山剣術稽古会についてをご参照の上
お申し込み専用窓口よりご連絡下さい。

稽古場所の詳細や稽古内容、稽古時間のご相談、道具類その他のご質問等につきましてご不明な点がありましたらご連絡下さい。

都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。


2019-05-14(Tue)
 

続けられる事のありがたさ

 本日火曜日は午前10時から「クラーチ剣術教室」で講習をおこなってきました。場所は神奈川県川崎市高津区にありますが、私の家からですと、今年のダイヤ改正で電車の乗換えが一回で行けるようになりました。時間にして駅から駅まで丁度一時間程度です。以前はその一回の乗換えを急いで次のホームまで行っておりましたが、一本待つことでユッタリと次の電車まで先頭で並ぶことにいたしました。そこで10分時間が過ぎてしまいますが、全体的にいつも早めに会場入りしておりましたので、むしろ丁度良いタイミングになりました。


 今日は南武線津田山駅から会場まで向かっておりますと、生徒のTさんが郵便物をポストに投函するためバッタリ遭遇し、そこから五分ほど一緒に歩いて到着いたしました。Tさんはいつも私が月に一回皆さんと食事をいただく時に、腕を奮って料理やデザートなどを作って来て下さいます。それをみんなで美味しい美味しいと言いながら食べるのが習慣となってしまいました。皆さんの分を作っていただくのは大変だと思いますが、毎月のように美味しいものを拵えて下さりありがとうございます!

 今日は一本電車を遅らせたせいか、入館しフロント周りは人の出入り等で賑わっておりました。

 着替えはいつもエレベーターに乗って二階にある男性浴場の脱衣所を利用させていただいております。今日は久しぶりにお風呂上りのTさんとお会いし、今日はなぜだか私も言葉が出てこなくて、ご挨拶と一言二言だけのお話に留まりました。ですが、ここでのお風呂上りの会話はもう三年は過ぎていると思いますので、その時の状況に身を委ねて接するのがいちばんだと思っております。そんなTさんも八十歳を過ぎてらっしゃいますが、今でも長年続けておられる合唱で子供たちと一緒にステージに立たれているそうです。声を出して歌うという事は、大きな呼吸を繰り返していることでもありますので、身体にとってもきっといいでしょうから元気に続けて頂きたいと思っております。

 脱衣所から廊下に出て、数メートル歩くとガラス張りのトレーニングルームとスタジオがあり、外からでも室内が良く見渡せます。ここは運動サークル用のスタジオルームとなっており、鏡が片側一面に張られており、体操やヨガ、太極拳やダンスに卓球といったさまざまな教室がおこなわれております。

 その中の一つとして月に四回火曜日に10時~11時半まで剣術教室を務めさせていただいております。この剣術教室の成り立ちは何度か書きましたが、あらためて記しますと、元々は私がデッサン教室のモデルとしてこちらに何度かお邪魔したことがあり、その際に道衣に袴姿に刀を持ってモデルをおこなったことから、教室に興味を持っていただき、Gold Castle 殺陣&剣術スクールを立ち上げる頃で、チラシをお渡ししたことからOさんが開講して三週目に体験参加に来られ、そこで心身ともに元気になったことが噂となり、居住されている方々からのご要望であれよあれよという間に剣術教室が誕生いたしました。今年の八月で丸五年を迎えます。

 今思えば、私が小説家であり映画監督のOさんとのご縁が無ければその奥様である画家のMさんからモデルのお話を頂くこともなく、そこに参加されていたOさんが、まだ体験期間のため生徒も居ない体験参加者が二~三名程の開講して三週目の教室に来てくださったことが、こんにちのクラーチ剣術教室の皆さんとの出会いに繋がっており、また生徒の皆様だけでなく、スタッフの皆様や、居住されている方々との出会いから親しくご挨拶させていただけることの喜びを経験することが出来ました。

 これまでに四~五回私の稽古会の門人である中学二年生になった郁己君をゲストとしてお連れしたのも、当時小学校六年生だった彼の持って生まれた優しさと感性を、ここでいろいろと感じていただきたいという思いからお母様と一緒にお越しになっていただきました。お母様も看護師さんということで、そうした人との触れ合いについてお子様に体験させたいという思いは強く伝わってきました。この小学校六年生から中学に上がるまでの一年間は私と毎週マンツーマンで稽古をおこないましたので、彼の中で強い記憶として残っているものがあると思います。早いもので中学二年生となられましたが、優しさとリーダーシップがあるお子さんですので、遠くから見守るだけで良い成長に繋がっていくものと想像いたします。一人で成長したようにみえて実は影ながらのサポートがあるというのが親というものでしょうから、影の愛情というのが子を伸ばすのかもしれません。尤も親になったことの無い私が言うことではありませんが。

 
 本日の講習では、いつもの体操に加え、力みを抜く体の揺らぎ方をお伝えいたしました。これは体を分割して揺らがせるため、力んでいると上手く行きません。ですので力み癖のある人には、どれだけ力んでいるか或いは抜けているかが判り易い動きとも言えます。

 杖術では、水車や巴をおこなったのち、杖の三十連円打を下がりで一番目から二十番目までおこないました。一時期かなり出来るようになっておりましたが、間が空いてかなり抜け落ちてしまったようです。ですのでこの三十連円打はなるべく毎回の講習内容に入れておきたいと思います。

 剣術では、剣術というよりは殺陣の動きに近い一対四を想定した動きをおこなっております。これは日曜日におこなっているGold Castleの「一対四瞬殺」をそのままおこなっておりますが、やはり時間が短くてそれなりに変化が多い動きというのは興味を持っていただきやすいものです。今後はGold Castleを元に瞬殺シリーズを考案していくかもしれません。

 最後は15分程杖整体操をおこないました。今日は湿度が高く疲れやすい状況でしたので、早めに切上げて最後は気持ちよく終わろうと皆さんと一緒に床に座って幾つかおこないました。

 講習で嬉しい事は、自らの一人稽古で発見したものを皆さんにお伝えしたときに驚いてもらえたり、喜んでもらえたりする事で、中でも杖整体操は、神経系への作用があると思われるので、心底リラックスして気持ちよくなっていただいたり不調箇所が改善されるなどそうした反応が見受けられたときはジワリと喜びが湧いてきます。もちろん予想とは違った反応もありますので、私自身成長して行くためにもこれからも変わらずに稽古に没頭していこうと思います。


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2019-05-14(Tue)
 

気づきという恩恵もまた循環の一部

 本日月曜日は夜から新宿スポーツセンターにてT氏と稽古。今日は抜刀術で「蠢動」を幾つか試してみたが、体術では殆どの動きに有効であった蠢動も得物を用いてのに利きに関しては未だ有効さが見受けられない。その一つとして、蠢動は身体が整い続けることで、自重の力が何もしていない状態に比べ発揮されているのだと思う。つまり本来の自重が発揮されれば人間の力というのは相当な強さが発揮されるのだろう。蠢動はそうした働きに少し近付いた術理と言えるのかもしれないが、今回の蠢動の発見で、整った身体の自重の力という事について考えさせられるものがあった。蠢動は身体が整うことへの重要性を知らしめてくれるものであるが、今後は如何にさらなる整い方を私が得られるか…そこに一つ、頭の片隅から離れない新たなテーマが宿ることになった。


 T氏との稽古では杖術、納刀法、抜刀術、杖整体操をおこなった。

 杖術では、払い突きをおこなったが、一足の間に手元が二挙動おこなわれるため、ピアノの左右の手の動きのようにどちらかに惑わされてしまう難しさがある。慣れればなんと言うことも無いのであるがやはり初めての場合苦労する方が多い。

 合間に会話を挟みながら、そうした会話も生き方に関することであったり、このような会話が続く人は意外に少ないので、武術稽古と生き方が直結した時間であることを再認識させられるのである。

 納刀法や抜刀術では、鯉口の握り方から鞘の送り方まで、全く初めてに近い状態であるT氏に時間を掛けてお伝えして行こうと思っている。私も10年前はこうしたことも解らず、自分の状態が全く把握できなくて、把握できていないという事すら気がついていなかった。おそらく今から10年後、今を振り返ってみたときに、同じように当時は気がついていなかったことというのは恥ずかしいほどあるのだろうと想像する。だが、逆に考えればまだまだ知らない世界があるのだと、感動的対面が待ち受けているのだと思うと、それは楽しみでしょうがない。そのためには、自分をそして武術を裏切る行為をしない事が大前提である。

 最後は延長して特別に杖整体操をおこなった。数年前に命に関わる大怪我をされたT氏が、どのような反応を示されるのか興味深いところでもあった。

 次第にT氏の顔色が血の巡りが良くなったのかお風呂上りのような艶々した白っぽい顔色となり、「気持ちがいいです。」と感想を述べられた。合気道を学ばれているT氏なので、委ねる感覚がこの杖整体操の効果を引き出しやすいのだと思われる。力みを抜き、頑張らずに気持ちがいいところだけを目指したこの杖整体操は、稽古後などにおこなっていただくと帰りの道中足元が軽くなり、疲労感が心地良さに転換されるほど効果的である。

 三十連円打にしても、杖整体操にしても、蠢動にしても、「どうやって考えたのですか?」と訊かれることが多く、これらに関しては、考え抜いて生まれたというものではなく、突如として生まれたものである。

 三十連円打は、もともと八連円打という名称で、上上下下上上下下、右左右左右左右左、それぞれの順に決まった方向へ手の内を養成するための左右の持ち替えなど行いながら、杖に掛かる遠心力を使って円に操作することから八連円打と名付けた。
 それが杖術特別講習会を開催するごとに、十一連円打、十五連円打、二十連円打、となり遂に三十連円打まで増えたのである。
 この動きについては、途中で握りを変えること無く、動きの流れの中でおこなわれる手の内からの連動した動きが一番から三十番まで続いており、その中に同じ動きが入らないことが前提となっている。そのためおそらく三十番以降増えることは無いかと思う。語呂の響きとしてもここでやめておいた方がいいだろう。

 杖整体操は、昨年の6月8日の稽古前に、これまで普段おこなっていた杖を使っての軽い運動(頭の後ろで杖を天秤に掛けて左右に身体を捻る動き)を、「座りでもやってみようかな。」と思い、10分位で終わらせて稽古に入るつもりが、座っておこなったところさまざまな動きが生まれ、この時にはもうすでに今講習会でおこなっている内容の殆どが生まれたと思う。初めての感覚とあまりの気持ちよさに止められず結局この後の稽古時間の全てを杖を使った新しい体操に費やしてしまった。これは名前を作るに匹敵する発見であると幾つか候補を考えたが、結局一晩経って飾りのない杖整体操という名前にした。

 この杖整体操の独特の心地良さは、おそらく神経への作用が杖を介しておこなうことで表れ易いのではないかと感じている。通常の体操やストレッチでは経験したことの無い心身の状態になるので、これは今後も色々な方の知恵を借りてその効果がなぜ起こりうるのかを探究したいと思っている。

 そして最近の発見である蠢動は先月4月10日に体術稽古を開始した直後に突然私が「ああ、これをこうしてみよう。」と思い立ち、それがいきなり驚きの結果に繋がったのであった。こうした稽古初めに突然気がつくことは多いのであるが、特に今回の蠢動に関しては、そうした情報があった訳でもなくとつぜん閃いたので、そのようにお答えしても信じてもらえていないかもしれない。まあ、こうした稽古の中でのヒット作が(多くの方に興味を持ってもらえる内容として)また何処かでお声を掛けて頂き発表することになるかもしれないので、稽古会や講習会などでその術理や技の検証をおこないながらより精度を高めていける工夫をして行かなければならない。

 良い循環をしていくには関わる人の全てが幸福になる展開になって行かなければならない。そこに誰かだけが大きな得を得ようと画策してしまうとどこかに歪が生じ循環は悪循環に陥ってしまう。幸福の価値観を上げ続けてしまってはいずれ良く循環していたものが逆になってしまう。だから、幸福の欲求は上げるばかりでなく下げることも必要なのである。自分の価値観を変えることが出来れば、状況は同じでも幸福に感じられるものである。それには、順風満帆な人生だと脆いのかもしれないが、苦労したり追い詰められた状況を生き抜いてきた人であれば、ラインを上げたり下げたりすることは出来るだろう。そうした中で、皆が喜べる循環を生み出せるラインが整っていれば、そうした生き抜いてきた者同士が集うご縁の中で生産が育まれる。人は個人では循環して行けない、だから人としてどうであるのかが問われる。 そうした大事なことが、社会の中で生きていく実践的な学びと言えるのだろう。


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2019-05-14(Tue)
 

蠢動の不思議さ

 本日は久しぶりに深川スポーツセンターにてGold Castleの講習をおこないました。現在と今後の開催会場の頻度といたしましては、日曜日は品川区総合体育館が最も多く、土曜日に関しては戸越体育館の開催も多くなります。これには、品川区総合体育館と戸越体育館の改修工事が終了し予約が取り易くなった事が影響しております。その中で確保出来なかった会場につきましては深川スポーツセンターでの開催という運びとなっております。

 そういたしますと開催頻度が少なくなってきますので、これまで土曜日に深川スポーツセンターで開催する際には剣術(杖術)クラスのみとそれまで自主稽古の時間といたしておりましたが、今後は土曜日に深川スポーツセンターで開催する際には、日曜日と同じ時間割で、13時20分~14時50分(殺陣クラス)15時10分~16時40分(剣術(杖術)クラス)というふうに計画しております。

 来年2020年の東京オリンピックの期間中品川区総合体育館の武道場がしばらく使えませんので、その期間は深川スポーツセンターの利用頻度が増えると思います。しかし、深川スポーツセンターでもオリンピックの関係で利用できなくなった場合は、他の会場で考えておりますし、それでも難しい場合はその期間だけ貸しスタジオでの開催も検討しております。

 
 さて、本日は両クラスともに参加人数も多く、賑わう講習となりました。殺陣クラスでは、立廻り組はタイプMの芯と絡みCの一連をおこないました。とくに最後に芯に斬りかかって行くタイミングの取り方が難しいと思われますが、このCの役どころは立廻りの流れから見て、少しコミカルな印象のキャラクターに仕上げて行きたいと思っております。

 万乃型の生徒はジックリと丁寧に構え方から斬り方など一連の動きを覚えて練習していただいております。確認癖は後々足を引っ張りますので、相手を想定しておこなうことです。姿勢は形から入りやすいものですが、そこに陥り過ぎては宜しくありません。相手の位置やどの辺りを斬るのかという事のほうが重要で、それが結果として姿勢に表れます。間であったり力感であったり、斬るべき対象の想定と、観られている(見せている)方向への意識も忘れずにおこなうことです。動きを稽古するということは同時にどう観られているか俯瞰で自らを把握する空間力も養っていかなければなりません。

 最後は体験参加の皆さんも一緒に「一対四瞬殺」をおこないました。

 まだまだ間合いや斬られた後の芝居など、私がイメージしている見栄えのポイントとは違うものになっておりますが、それでも皆さんこの立廻りを楽しんでいただいておりますし、安全でありますので、もうしばらくはこういった状況でおこなって参ります。いずれにせよ長く楽しめるものとして徐々に精度を求めて参ります。

 
 続く剣術クラスでは、今回剣を使わずに体術をおこないました。

 中心を中丹田で意識し、胸郭の操作で相手を押し続けていく稽古をおこないました。これは肩甲骨の開閉にちなんだ動きですが、そう説明いたしますと肩を引いてしまい相手を押していくことが難しくなりますので、鳩尾から出て行くように胸郭全体を意識するようにお伝えしております。しかし、この鳩尾から出るようにというのは一瞬の出来事であり、実質的な相手を押し込む強さは肩での押し込みです。それらを交互に繰り返すことで、力だけでは無理なものでも中丹田意識と肩の使い方を手順よくおこなえば相手に通って行くという一つの検証でもあります。

 続いて「浮き」を掛けての体の纏まりを座っておこなったりたっておこなったりさまざまにその強さの違いを皆さんに確認していただきました。

 続いて仙骨の整え方で質量が高まるように強くなるというのもさまざまにおこないました。

 一通りそれらの違いを皆さんそれぞれ体感したところで、先月4/10に発見した「蠢動」を掛けて、浮きや仙骨操作による強い状態をさらに一段階強力になった蠢動で崩せるかというもの。

 これは私も今日講習をおこないながら「本当にこれで、浮きや仙骨操作で強力になった相手を崩せるのか?」という不安もありましたが、私だけでなく色々な方でその効果が確認できました。

 蠢動は、その状態を作るのに時間が掛からず、自身は全く強くなっている気がしないのであるが、相手がわざと崩れているように思えるほど身体が詰まりにくく、動きの間でもその状態を維持出来ることが「身体が整っている状態」として崩れにくく、威力が向上しているのではないかと感じます。

 蠢動はどこでも稽古出来ますし、本を読みながらでも歩きながらでも出来ます。これをどう次に進展させるかが大きな問題でありますが、その方向とイメージが全く見えてこないことが私にとって悩みでもあります。まあ、今は焦らずにこの不思議な蠢動を使って稽古を楽しみたいと思います。

 本日もお越しいただいたみなさまありがとうございました。


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2019-05-13(Mon)
 

自然という循環

 本日土曜日は18時30分から開催ということで、それまでに自宅や自宅近郊に出掛け細々とした所用を済ませる。ゴールデンウィーク前からずっと体調が悪かったが、ようやく回復の兆しが見えてきたので久しぶりに走ることが出来た。今年は一月二月とかなりのペースで走っていたが、四月以降落ちてしまったので、身体の状態に合わせて走ること以外にも取り組めることは取り組まなければならない。


 いよいよ来週の火曜日に『月刊秘伝』の発売が迫ってきました。BABジャパンのサイトでも紹介されております。http://webhiden.jp/magazine/2019/05/20196.php

 サイトを見ますと、今回の6月号には内田樹先生と河野智聖先生の巻頭インタビュー記事が掲載されております。先日行ってきました関西の講習会では、内田先生の凱風館のご門人の方や河野先生の滝行に参加されている方々もいらっしゃいましたので、先日そのお話を伺ったこともあり、人の繋がりというのは面白いものだとあらためて感じました。

 それから先日、テレビ制作会社の方からある依頼がお問い合わせに入っておりましたが、来週の木曜日と差迫った用件でしたのでお断りさせていただきました。これまでにもそうでしたが、日程的に急いだものというのは何かしらの状況が回りまわってネットの検索で引っ掛かったということですので、おそらく今後はこういったご依頼はお断りさせて頂くことになると思います。
 
 
 さて、本日の講習に入ります。

 今日は品川区総合体育館柔道場にて18時30分からの開催ということで、行き掛けに九段下にある武道具屋の櫻屋に寄って向かいました。

 今日はひさしぶりに小太刀をおこないました。まずは、剣と体が一体となった斬り付けをおこない、その後入り身の稽古、その流れから中心を取り続ける稽古をおこないました。私がおこなう小太刀の特徴といたしましては、相手との接触圧をいかに技に用いるかということ。

 そのためには、入り身の身体運用法と、圧を誘いとした外し方。そしてそれが双方にとってどのような働きがあるのかということ。

 今回は、今日おこなった内容以外にもあと二つ程予定していた体捌きや技がありましたが、全体的な集中度と盛り上がりを見て、次への進め方と終り方をその場の状況で判断させていただきました。小太刀は月に一度か二ヶ月に一度おこなっておりますが、やはり両手の使い方が特徴的でもありますので、大刀とは違った身体運用の面白さが感じられるのだと思われます。毎回小太刀は盛り上がりますので、今月25日におこなう「剣術 特別講習会」で予定を変更して、少しおこないたいと思います。ですので、内容といたしましては、小太刀と大刀剣術それぞれを二時間の中でおこなう予定です。今日おこなった最後の技「入り身返し突き」もおこなう予定です。

 
 遅い時間でしたが多くの方にお越しいただき、それぞれに熱の入った講習でした。こうして毎週教室として講習を続けて今年で六年になります。考えて見ますと私が武術を始めて四年半で教室を始めた訳ですから未熟なスタートだったのだと思います。もちろん今でも未熟であると思いますが、そんな私を先生と呼んで付いて来て下さる生徒の皆様の存在が、私に大きな力と熱意を与えて下さっております。これからも長く続けて行く事でしか得られないものがあると思いますし、そうした安心出来る場の提供を皆様とともに作り上げて行きたいと思います。未熟な私でもDVDを発売したり本で記事を書いて頂くことが出来ました。それは、私だけでなく稽古会の門人や教室の生徒の皆様の存在無しには無かったことです。あらためて皆様に感謝の気持ちとともに、これからも循環して行けるような武術との向き合い方をして行きたいと思います。


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2019-05-12(Sun)
 

道なき道をともに生き抜く

 本日5/9はGold Castleの生徒でありWEB動画「かざあな。」の音楽を作ってくださったMariさんのイベント『アフリカンオールスターズ+Hey!Wao!Gospel~HipHopコラボ公演』がおこなわれる日でした。数ヶ月前からこのイベントを観に行く予定だったのですが、先日私のミスでこの日にダブルブッキングの予定を入れてしまい、変更できなくなってしまったためMariさんにお詫びをして稽古会を開催いたしました。イベントの模様はHEY!WAO!のサイトでご紹介されると思いますので、私が以前観に行って感動した高校生達と一体となったステージの素晴らしさ、そしてMariさんがピンスポットライトの下で語られるブラックミュージックのルーツや差別についてのお話など、ノリノリなステージとは裏腹に心に問い掛けられるようなお話にきっと若い学生達も感動したのだと思います。ミュージシャンと学生達が肩に手を掛け大きなムカデのようにステージから客席後方まで練り歩くこの一体感は、彼ら彼女らにとって生涯忘れることの無い想い出になるのではないかと思いますし、この体験が誰かの人生に大きく影響することもあるでしょう。そうしたイベントを主催し長く長く続けておられるMariさんやサポートされているUちゃんにジャンベなど一流の演奏者であるウインターさんもGold Castleの生徒であることは私にとっても誇りであります。今回は私のミスで観に行くことが叶いませんでしたが、次回は必ず観に行きたいと思います。


 稽古記事に入ります。

 昨日と今日は金山剣術稽古会をおこないました。昨日は戸越体育館柔道場で渡部氏と稽古。最初におこなった殺陣の研究稽古では、立廻りタイプMの芯と絡みA~Dまですべての動きを再確認。ほぼ動きとしては落ち着きましたので今週の日曜日の殺陣クラスの講習では、絡みCと芯との動きを二人一組で最初から最後までおこないたいと思います。これまでは抜き出し稽古の技を優先しておりましたが、今後は絡みA~Dまでのそれぞれを始めから終わりまで芯と二人もしくは三人でおこないたいと考えております。

 続いて体術稽古。

 この日は、体術、剣術、杖術を考えておりましたが、先月生まれた新たな身体の使い方「蠢動」をいろいろと検証している内に殆どこの稽古で二時間近く時間が経ってしまいました。この日のテーマは、蠢動を小さくしてどれ程の強さがあるのかということと、他の動きにどれほど用いることが出来るのかということ。

 まず、蠢動を小さく知らない人には分からない程度に蠢かせ、大きく用いた場合との身体の纏まりの違いを検証。これが意外な結果となり、小さくおこなった方がより纏まり強さが得られました。小さくおこなう事でより密に細かくおこなえることと、それによって身体への集中度が高まるのではないかと推測されます。

 そうしたことから、これまでおこなってきた体術の全てに応用してみると、すべてに有効であることが昨日の稽古では確認できました。以前おこなっていた仙骨の操作で、横方向や縦方向への強さを得られる身体の使い方と、蠢動を使っての身体の使い方を比べて、渡部氏を相手に受けと取りを交代しながら確認したところ蠢動の方が強いという結果になりました。仙骨の操作には足裏の接地圧を確認するため時間が掛かるのですが、蠢動は即座に使えるのでこの検証結果には感動的なものがありました。相手に合わせるということが絶対にない渡部氏だからこそ検証結果に素直に判定できるものがあります。もちろん無意識の内に加減をしていることも考えられますので、受けと取りを変わりながらさまざまにおこなって正直な反応を検証結果として選定しております。そういう意味では武道の世界を全く経験してこなかった渡部氏が、私の稽古会に入って来月で四年となり、加減をするという事を端から知らない渡部氏が私の稽古に大きな実りを与えてくださっております。

 
 そして本日の稽古。

 本日は大阪から「劇団そとばこまち」の主要メンバーであり殺陣師でもある井本涼太氏が(私の稽古会では皆さん「氏」というふうに表記させて頂いております)東京武者修行として、今日東京に着いて同日帰られるまでの間に幾つかの殺陣団体のワークショップ等に参加されるという強行スケジュール。

 23歳という若さで、劇団そとばこまちの看板を背負って学びに来られることから、相当な気合いと情熱を持たれていると感じておりました。年間六本の公演という凄まじさの中、時間の合間を縫って東京で貪欲に学ばれるところに私も感銘を受けました。
 
 僅か二時間の中で、基礎鍛練稽古法や杖術、剣術、抜刀術など、井本氏に持ち帰っていただきたい内容を集中的におこないました。渡部氏に打太刀を務めてもらい、正面斬りや胴斬りなどの稽古法や、杖の取り回し方、相手を付けた際の技、抜刀術と納刀法を幾つかご紹介いたしました。休憩時間も水を入れる程度で、敢えて電気を付けない曇り空の暗い武道場の中で、ほぼ貸切に近い条件の中、一秒も無駄にはしないという井本氏の気合いを感じながら、私もそれに応えて行くための稽古を井本氏のエネルギーに引き出されるような形でおこなったように感じます。

 道なき道を歩み続けていくには、己を信じ続けていく魂の強さが、まるで太陽のように枯れないエネルギーとして、人生を切り拓いていく。私は23歳で6年務めた会社を辞め、大阪に1年8ヶ月間住んでいました。その間に、中田秀夫監督と知り合うことになり、二本映画に出させて頂く幸運にも恵まれました。そうした時期の私の情熱や気迫、真っ直ぐに突き進むエネルギー、そうしたものが井本氏と稽古をしていて脳裏に蘇ってきました。

 今日一日で初めての方にお伝えするペースではない程、さまざまなものを詰め込んでお伝えいたしましたが、ここまで脳が混乱することなく最後まで取り組まれた方は私の経験上初めてでした。さすがに劇団そとばこまちの看板を背負っている方だと感じ入るものがありました。

 稽古をおこなった新宿スポーツセンターは、昨年の12月から今年の3月末まで空調設備に伴う改修工事のため四ヶ月間利用できませんでした。そうしたこともあり、以前は混雑していた木曜日の午後の時間帯でもさいきんはとても利用しやすい環境になりました。ここで以前毎週お会いしていた殺陣 無銘刀を主宰されている河口博昭師範はお人柄が素晴らしく、下北沢のスズナリでご出演された舞台を二回観に行かせていただきました。私よりも年上のお方ですが大変謙虚な方で井本氏にもご紹介したい方です。

 
 稽古後は、気さくで謙虚な井本氏のもう一つの姿に私と渡部氏も楽しく会話が弾み一緒に写真を撮りました。「劇団の事も、私の名前も公開して大丈夫です!」との事でしたので、「それでは、私の教室でも殺陣が好きな生徒さんは沢山いらっしゃいますし、通でしたら劇団そとばこまちさんの殺陣時代劇は観たいという人もいるでしょうから『観劇&食事会』を計画させていただきますね。」ということで、近々Gold Castleのホームページに掲載する予定です。大阪と東京でこれから益々大きく発展されていく劇団さんですので、今の勢いを感じる舞台を観る価値はあります。

2019.05.09 劇団そとばこまち 井本涼太さんと

劇団そとばこまち舞台 『のうみん』

よしもと×そとばこまち第四弾!『のうみん~三人の天草四郎~』

【公演期間】
2019年7月4日(木)~7月7日(日)

【会場】
あうるすぽっと

【チケット料金】
前売り/4.500円 当日/5.000円
学生割引/3.500円
リピーター割引(劇団窓口のみ)/3.500円
豊島区民割引
(としまチケットセンターで前売りのみ取扱/要証明書提示)/3.500円
★平日昼割引(7/5(金)15:00~の回)前売り・学生・リピーター/3.500円 当日4.000円
※学生割引は必ず証明書をご提示下さい
※リピーター割引は、今公演を二回目以降ご観劇の際に適用されます

Gold Castleでの観劇&鑑賞会は7/5(金)15:00~の回を計画しております。


 
 自宅に帰って今この記事を書き上げ、あらためて人の出会いというのは突然であり必然なのだと感じます。私自身これまでの人生は苦難が少なくなかったように思えますが、それでも自分を信じて先の見えない道を歩いてきました。もちろん今現在も先は見えませんが、そうした道程の中でこれまで出会うことの無かった人との出会いが増えて参りました。昨年二月に撮影したWEB動画『かざあな。』を二本公開して私の状況も変わってきました。BABジャパンさんからご連絡をいただき今月20日にDVDを出すことになりましたし、それに先駆けて14日に『月刊秘伝』に記事を掲載して頂くことになりました。そのほか某出版社の方と企画を進めておりますし、現在の私の稽古会には劇団四季の方や、NHKの生番組で現在もMCを務められたりその事務所で一押しの方が参加されております。

 逆境は辛くしんどいものですが、それを経験することでその状況で得たありがたみや信じられる人の見極め力というのも嫌というほど観てきた表情から瞬間的に察することが出来ます。もちろんそれに対する大人の対応力も身につけていかなければならなかったのですが、嘘がつけない性格の人は本当に苦しみますし自分を責めてしまうものです。しかし、時が経てばあの時の自分はそれで良かったのだと気付かされます。そうして過ぎた年月は、じつは苦しさだけでなく生き延びていく術をどこかで養っているのだと思います。この災害の多い土地で生きている日本人は古くから逆境を幾度となく経験し続けている民族です。地震は必ず何処かで起き、台風や大雨が人々を襲い続けています。江戸時代は大火で何度も燃えたと言われていますし、当時は耐震性も弱く治水工事も進んでなく、燃えやすい家に消火設備も今とは比べられないほど乏しいものですから、そうした逆境の中で生き抜いてきた我々の祖先は本当に一年間を生き抜くのも大変であったのだろうと思います。ですが、そういつまでもビクビクしていたり、悲観していては生きていかれませんので、各地で祭りが催されたり、そうした天災が必ず起こると知りながらも生き抜いてきたDNAが少なからず今の日本人には受け継がれているものと思います。日本人がメンタル的に耐え凌ぐ競技に強いのはそうした土壌が基盤にあるのかもしれませんし、こうしている今この瞬間でも、いつ起こるか分からない災害よりも今をどう生き抜いていくか、多くの人々は笑ったり努力したり、さまざまな感情の中で生き蠢いているのでしょう。人間の意識というのは身体そのものが持っている能力に比べますと遥かに劣っています。すべてを統御しているつもりでも、実際は身体に統御されているのかもしれませんし、今がダメだと生き苦しんでいる人でも、先の見えない絶望しか見えなくとも、それは意識の中での想像なので実際のところは本当は分からないものです。もちろんその逆もあるでしょう。見通しは明るいと思っていても、現実はそんなに甘くはないでしょうし、何かしらの隙を狙って辻褄が合うように人生は出来ているようにも思えます。ですから、意識上の見通しなど気にすることなく、生きるために生きていくことで風が前から吹くのか横から吹くのか後ろから吹くのか、強弱さまざまに受けながら楽しむ何かを見つけて生きていくことが望ましいのだと私は思うのです。きっとそれがその人の道となるのでしょう。


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2019-05-10(Fri)
 

カメラを使って自主稽古計画

 本日火曜日は三週間ぶりにクラーチ剣術教室に行ってきました。

 私の体調不良と、関西での講習会が続き本来なら一週お休みのはずが、二週続けてお休みとなってしまいました。

 今日あらためて感じましたことは、毎週一回の講習がいかに大切であるかということでした。色々な感覚や流れというものが、ふだん意識していなくてもそれぞれに応じて身に宿っているということです。しかしながら、一週、二週と間を空けてしまいますと、そうしたものがヤドカリのように、住まいを替えてしまうかのように変わってしまうことがあります。ですから、その場に居るということだけでも身体はさまざまな情報をキャッチしているということなんですね。

 今日は講習中に思わず、「カメラでご自身の姿を確認してみると一番良く解りますよ。そこから、どう変わっていくのかを目標にされてもいいかもしれませんね。」とお伝えしましたところ、何人かの方がさっそく明後日木曜日に集まって自主稽古しながら撮影されるそうです。人が少なくて時間がありましたら、こうした機会はおすすめです。より今後の稽古に具体的なテーマが見つかることでしょう。

 講習ではさまざまにおこなった後、「二十連円打」の下がりを稽古いたしました。しばらく下がりはおこなっていませんでしたので、また時間を掛けておこなっていこうと思います。いい意味で忘れていただけますと、飽きずに新鮮な状態で再びおこなえますので、今後はあまり新しい動きをおこなうよりは、これまでの五年の中で「これは良かった!」という内容のものを織り交ぜながら皆さんに楽しんでいただきながら、ときに悔しい思いやスッキリした思いなどもさまざまに起こりますが、それも良い時間の過ごし方だと思いますので、期待に応えて行けるようにこれからも務めて参ります。

 講習後はレストランで月に一回のお食事をいただき、1時間近くワイワイと色々な会話が飛び交います。私もこれが普段の日常の一つになって参りましたので、居心地良くお話の輪の中に入らせて頂いております。心理的にこうした日常が当たり前に感じられるというのは考えて見ますと誠にありがたいことであります。Sさんから切に「三十連円打の本を作ってください!」と言われてしまいましたが、私も冗談で「じゃあ、イラストはYさんで…でも売れっ子ですからギャラをはずまないと無理ですね…」などと言ってしまいましたが、DVDのように映像で説明しながら、手元の寄りなどスローで解説を付けると一番簡単で解りやすいように思えますね。

 今日は休憩中に「蠢動」を皆さんにお伝えいたしました。これは誰にでも出来る身体を纏める方法として皆さんにも出来るかどうか興味深いところでした。まずは元気な8月に78歳になられるSさんにお伝えしたところ簡単に崩れ難くなりました。同じく80歳代のTさんや、椅子に座った状態でSさんやOさんにもおこないました。とくに、二十年間関節リウマチ症でありながら体重30kg台前半のOさんが明らかな違いに驚かれていた表情は印象的でした。この「蠢動」は技ではなく、身体はこういうふうにすると纏まって強くなるということを実証するもので、そのベースとなる働きの入り口を見つけたようなものです。そうした理解が驚きではなく、そういうものだと当たり前のように馴染んでくれば、そこからまた視点が変わったところに気が付けるかもしれません。



 講習後は、チョットした用事のついでに小雨がポトポト落ち始めたなか品川神社に行って参りました。境内に誰も人が居なくて、あっという間に参拝をすませましたが、雰囲気のある丁度良い広さの神社です。京急(京浜急行電鉄)も滅多に乗らないので、あの運転具合(笑)はアトラクション感覚になれるので嫌いではないです。(それはもっと遠くに行ったときですが)

 帰宅後はインターネットでIQ診断というのがあってやってみたところ意外にいい数字が出ましたので、チョット嬉しくて写真を貼ってしまいました(笑)。

IQテスト


ちなみにここで診断できます。
https://www.arealme.com/iq-2018/ja/


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2019年5月25日(土) 「剣術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

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2019-05-08(Wed)
 

「求め」を履き違えないように

 昨日は新宿スポーツセンターにてT氏と稽古をおこなった。T氏とは昨年の8月に一度稽古に参加され、他県からということもありお仕事の都合などで調整が難しそうであったが、月曜日であれば稽古が可能となった。

 GW最後の日とあり武道場はほぼ貸し切り状態であった。合気道を学ばれているT氏であるが、始めにおこなった体術で身体の使い方や最近の「蠢動」などをお伝えした。とくに「蠢動」に関しては、大体「どこで知ったのですか?」と訊かれる事が何度かあったが、これは先月水曜日におこなった戸越体育館で、体術稽古を始めて突如頭に浮んできたので試したところ自分でも驚くほど身体が纏まったのでその利きの違いに驚いたのであった。だから「突然気が付いたんです。」といっても、俄かには信じ難いと思われるだろう。

 杖術では、基礎的な手の内の使い方などをお伝えし、私がおこなっている指先指元の使い方とその形に興味を持っていただいた。「杖を握る」「手の内を緩める」「手の内を締める」「手首を巻くように」「手首を返すように」言葉のイメージでおこなうものと、感覚的に自然とそれに合う形になったものとでは私自身随分変わってきた。杖は手指関節の働きの養成でもあり、手の第二関節から第三関節間の皮膚感覚も養成している。それは自然と剣術でも活かされているが、杖で得られた感覚はとても大きい。

 武道を学ばれている方なので、先を急がずにジックリと自分の身体に落とし込んで確認するように稽古をされている。そうなると私も自然と会話が深い話になったりするので思わず話し込んでしまう。最後は居合刀で体捌きを練る納刀法と後方突きを稽古して終了した。

 武術稽古は、それぞれの時代において求められるものとして存続しているのであれば、その「求め」に対して武術や技を超えたところにその「求め」があるように思う。もちろんその為には実際に技が利かなければならないし覚悟は必要である。そうして修練する中で言葉だけの心技体ではなく、身体と心を留まることなく芽生えさせていく感覚の追求が武術稽古にはあり、その中で現代を生き抜かねばならない者としてどう対処していくかを導き出していかないと行けないのかもしれない。いや、かもしれないと逃げては駄目だ。だから常に世の中の動向には自然とアンテナが立てられているのだろう。気恥ずかしい文面であるが、そこのところは本当に大事だと思っている。


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2019-05-07(Tue)
 

菖蒲湯でリラックス

 さすがにまだゴールデンウィークなのかと思うと長過ぎるなぁ…と実感。もっとも私の場合は10日間のうちの8日間が講習会や稽古会となっているので、普段と変わらない。そうした連休中でも講習会や稽古会に訪れていただく人がいることは本当にありがたいと思う。

 さて、本日日曜日のGold Castleは品川区総合体育館での開催となりました。本日は体験参加の方が定員の五名とあって、講習内容をそれぞれに分けて進めて参りました。

 立廻りタイプM抜き出し組では、回転受け流しが徐々に形になってきました。払いからの胴斬り返しも歩幅を小さく取ることで斬り返しと足の動きが連動し、速さとしても見栄えとしても良くなります。それに繋がる袈裟斬りとその遠心力による振り返りも形になりつつあります。基礎稽古とこうした立廻りの実践的な稽古では、どちらも大事でありますが、私の考えといたしましては、基礎が足を引っ張らないように、立廻りの中でゆっくりと動き方を探り、精確に見栄えの良い動きとなるように進めております。その立廻り稽古の中での「モードチェンジ」といいますか、これが意外に難しいもので、私自身もそうですがつい気持ちが入ってしまいますと本番に近い動きになってしまいます。これは基礎稽古の一環としておこなっているものとして、動きの粗を出しながらそこを重点的に稽古出来るように進めていくように私自身気をつけなければなりません。

 基礎稽古は、段階を踏んでお伝えしておりますが、動きの流れや注意点などはかなりお伝えしてきましたので、その段階を踏んだ生徒は、自身の自主稽古の際にそうした本来の基礎稽古をおこなうと良いでしょう。しかしながら、基礎稽古はあくまでも基礎稽古ですので、立廻りの際に、基礎稽古の癖が足を引っ張ってはなりませんので、そこは応用を利かせて動けるように基礎稽古にもさまざまな工夫(自らの役としての設定を変えておこなったり、動きの状況を想定したり)をしながらおこなってみるといいでしょう。

 体験参加の皆様には、今日は人数が多かったため鏡の前でおこなわずに、広く中央を向く形でおこなっていただきました。その視線の先には生徒達が立廻りを稽古されている姿が目に映っていたものと思われますので、刺激になったのではないかと思います。これは或る意味、体験参加しながら見学も兼ねることが出来ますので、今後はこのようにおこなうことも増えてくるかもしれません。

 殺陣クラスの最後におこなった「一対四瞬殺」では、左足で間合いを測ることが私自身その場で得ることになりました。通常の絡み役は、さまざまにアクションをおこなうことで芯の見栄えを演出するものですが、この一対四瞬殺では、芯の一瞬の体捌きを魅せるために、絡みはアクションによる演出よりも間合いによる演出を優先した方が立廻りとして成功いたします。黒澤明監督の映画「椿三十郎」で最後の三船敏郎氏と仲代達矢氏が対決するシーンの何が素晴らしかったのかは、数年前に雑誌「Lightning」という雑誌で小さくコメントさせた頂いた事がありましたが、三船氏の左手抜刀の技術や仲代氏の血糊の量も確かに迫力のあるものですが、それを説得力のあるものにしているのは「あの間合いの近さ」なんです。

 腕を伸ばしたら届くような距離感の中で、淡々と、もう始まっていたのか!と直後に思う雰囲気の中で、今にもやるぞやるぞと演出していない動きとの対比が、この映画の成功に大きく関わっていたものと思われます。

 しかしながら、間合いを近づけるというのは危険を伴いますので、どこに安全で確かなものを決めておくかという事が全体の中で重要になります。殺陣師と言われる人が怖い、厳しいとイメージされるのは、そうした事故に繋がる危険を回避するためのルールを守らせるために、強いエネルギーを持って集団を統率して行かなければならないからです。

 私の教室では、長いスパンで安全に考慮しておこなっておりますので、これまでに大きな事故は起こっておりません。安全の決め事を互いの呼吸の中で掴めていけるかが殺陣と言われるものでは大事になります。ですので、稽古では相手を観て動く、相手に合わせて動くということが何より重要になります。そういたしますと自然に、先に進んだ人が合わせるという形になりますので、合わせるポイントというものが相手によって見えてきます。

 現在殺陣クラスで取り組んでいる、「立廻りタイプM」それから「一対四瞬殺」、この二つが今後どのように発展していくのかその光景をイメージしながら楽しみにしているところです。

 

 続く杖術クラスでは、「合心之型」と「合心之型その二」をおこない最後に「三十連円打」を」おこないました。小学校六年生のK君は、初めてで「合心之型」の二つを最後までおこない、「三十連円打」では二十番目まで覚える事が出来ました。三十番まで全て覚えるのも時間の問題でしょう。まさに「好きこそものの上手なれ」を地で行っております。

 体験参加の皆様も、杖の持ち替え、打ち込み、突き、単体技をおこなったのち「八連円打」までおこなう予定でしたが、今日は両クラス合わせて情報量が多く、頭が一杯一杯になってきたようで全員四番目までにいたしました。

 前回体術講習を受けられた体験参加二回目の方も、今回杖術をおこなってみて教室でおこなっている講習内容の幅広さに驚かれたのではないでしょうか。まだ剣術クラスもありますし、その中でも小太刀や抜刀術などもありますので、この教室でおこなっている内容も広く深くなったものだと改めて感じるところではあります。

 今日は基礎鍛練稽古で蛙をおこないましたので、ほんの10回でしたが明日あたり筋肉痛になっている方もいらっしゃるかもしれません。考え方によっては、10回程度で体に利いてくる効率的な運動ともいえるでしょう。ゆっくりとお風呂に入ってください。私は今夜菖蒲湯に浸かりました。咳がなかなか抜けませんが邪気を払って、また明日も良い一日となるように生きて行こうと思います。


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2019-05-06(Mon)
 

心の信仰と学び

 五月になって最初のGold Castleは戸越体育館剣道場でおこないました。今日は八ヶ月ぶりに高校三年生になったA君が復帰となりました。それまでお休みになっていた間のお月謝をご用意されておりましたが、お休みされていた期間のお月謝は頂いておりませんので今月分のみ受領いたしました。

 お月謝は、頂いた分の返金はしておりませんが、全く来ていない期間のお月謝は頂かないようにしております。本来でありますと、お月謝制ですので、毎月受講回数に関わらず一律の金額を頂くことが常識かと思われますが、そのようにして口座振込みという風にしてしまいますと、必ず金銭的問題が付き纏ってきますので、端からそういう問題を生み出す要因を作らないようにしております。

 私がサービス精神旺盛なのではなく、生徒との向き合い方を考えましたときに、金銭問題が生じてしまいますと、おそらく純粋に講習をおこなうことが困難になりますし、自分のおこなっている活動が苦しくなってしまうでしょう。ですから、自分のためにも金銭問題が生じないように料金設定というのは考えております。ただ、最低限教室に通うということの優先順位が低下してしまわないように、一回毎の料金設定は無くお月謝制とさせていただいております。そのかわり特別に一回だけしか来られなかった場合は半額とさせていただいております。

 そういたしますと、事情により連絡も無くお休みされていた生徒でも、生活が落ち着き余裕が取れるようになったときに再び戻って来られますので、色々な意味での学びというのをその状況に応じて得られるものと思います。

 
 本日は杖術の講習でしたが、一時間半+延長十分、かなり盛り込んでおこないました。

 自分の発言でも「ああ、そんなふうになったのか…」と思ったのは、「三段抜き」で正中線を左右に素早く入れ替える動きの際に、これまでは体がヨレないように纏めるようにおこなっておりましたが、今日は揺らぎ感を持たせ、腰下の動きに素直に応ずることで私自身これまでよりも楽に動き易くなりました。これは推測ですが体の中の何かが変わったことでそれを選ぶようになったという事なのかもしれません。

 身体と心の繋がりは動きの中で如実に表れるものです。体の動き(動かし方)が変われば、心の状況も少なからず変化が見て取れます。ですが、心の部分でも深い部分になりますとそう簡単に変わるものではありませんので、そこがどうしても体の動きに表れてしまいます。稀に、無の状態で一人稽古に没頭し身体が何かを得て、その感動にしばらく立ち止まり心の深い部分に影響を及ぼすことはありますが、こうした深い部分での身体から心へ働き掛けるものは、心の状態がそれをキャッチできるかにあります。それは信仰を変えることができるか、或いはそのつもりで身を委ねているか、ということだと思います。人は小さい頃から学ぶことを教わりますが、いつしか学ぶことが只の情報収集になってしまっている歳の取り方になっているのかもしれません。どこかで止めてしまった学びを再び発動させるには、現時点における自分の信仰がどんなものなのかを考えなければならないのかもしれません。ここで言う信仰とは、宗教等の教えではなく、何処かでそのようなものだと思っている人間についてであったり、社会であったり、生き方であったり、自分自身であったり… それは、生きていくい上での学びとして他人事にはなりません。

 稽古をして、心と身体が繋がっていることは自明の理と言っても良いほど関係していますが、それだけ心の状態というのは姿形、または動きの全てに表れるということなのでしょう。これは稽古に限らず、いや、日常の全ての中で、先に述べた自身のこれまでの信仰に目を向け、学びを得ていけるかということが、とても大きなことであると思わざるを得ません。

 生きていることは興味深いものです。それには学びが不可欠でありますし、難しい何かの手段のための学びだけでなく、本質的な生きている間の学びが、自らを変え、そうした変化が自分で自分を救うことになるのではないかと感じております。


 今日はもっと軽い記事にしようと心掛けておりましたが、どうにも習慣は変えられません。これも信仰の一つと言えるかもしれませんね。講習後は、生徒さんのお仕事のご協力で、ある動きのイメージをモデルとして、私が幾つかポーズを考えそれを写真に撮りました。その中で「これは高いですね!」と、フトおこなった動きに面白い写真が撮れておりましたので掲載させていただきます。

2019.05.04 Gold Castle 講習後


 さあ、明日日曜日は12時から品川区総合体育館剣道場でおこないます。体験参加の方が五名と定員になりましたので、賑わいのある講習になると予想しております。殺陣クラスでは「一対四瞬殺」をおこないます。杖術クラスでは最後に「三十連円打」をおこないます。

 三月四月とお仕事でお忙しかった方々の復帰も楽しみにお待ちしております。


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2019-05-05(Sun)
 

令和最初の日におこなった尼崎での講習会

 30日の深夜テレビを点けると新元号へのカウントダウン。考えて見れば、こうした元号が変わることを大々的に国民が喜んで盛り上がるというのは初めての事だと思われますので、テレビを観ていてそういえばそういう盛り上がり方もあるのかと、まるで年越しのような状況についその瞬間まで盛り上がるという感覚に気が付きませんでした。なにはともあれ、元号が変わるということは、これまでの時代を総括し、過去のものにしてはならない事案もありますが、区切りをつける事で前に進むということが気持ちの面では大きいものと思われます。昨年は一年間、記録的猛暑も含めかつて無い程災害の多さに見舞われた年でした。北九州の実家の両親や岡山に住んでいる姉のいずれも大雨のため避難しましたし、世田谷に住む私の自宅は台風で屋根のトタンが全て飛んで行きました。

 これからはAIやアジアとの関係など不安要素はありますが、そのほかにも人口減少にともなう問題や外国人を受け入れる体制など、新時代において国内の景色はこれまでと違ったものになるのは間違いないでしょう。

 そうした中で現代の日本を生き抜く私たちが、一体どのようにして生きていかなければならないのかということは、誰しも心に留めておく必要はあるように感じますし、いつかそのことを突き付けられる状況に遭遇することになるかもしれません。心の備えを持ちながら、大きく国内の状況が変わる際に、納得するか意見するか、遅れを取り今までが良かったと後悔しないためにも、そうしたジワリジワリと進んでいる状況に心を留めておく必要はあると思います。

 
 さて、5/1となった令和元年。この日は16時30分から前日と同じ尼崎市記念公園総合体育館柔道場にて講習会をおこないました。

 二日目となるこの日は剣術をおこないました。始めに基礎鍛練稽古として軽く「蟹の前歩き」「雀」をおこなったのち「蛙」をおこないました。この「蛙」は関西では初めておこないましたが、短時間でも意外に筋肉痛になりますので淡々と出来る必要な状態を維持しておくことが、身体の状態を壊さず鈍らせず進展に繋げていけるのではないかと考えております。

2019.05.01 関西特別講習会①
 

 剣術では「正面斬り」をお伝えいたしました。振り上げる剣の軌道がそのまま振り下ろす軌道に沿うように身体を掠めるように通ります。その際の足運びは、振り下ろす剣の勢いを前足で止めてしまわぬ様に、前足で地面の圧を受ける前に振り下ろします。ですが、その際には重心は前方に位置しておりますので、前足の腿を引き上げる身体の使い方が身についておかなければなりません。難しいのは、日頃の動きが邪魔をいたしますので、基礎鍛練稽古でおこなう「蟹の前歩き」「雀」「蛙」の稽古が大事になります。

 続いて組太刀稽古「睡蓮」を稽古いたしました。この睡蓮は斜めの使い方が肝要となりますので、斜めをハスと読むことから技名が付きました。間合い、剣の角度、弾き方と、そこからの繋がりで相手の首を捉える右手首の使い方が大事になります。

2019.05.01 関西特別講習会②

2019.05.01 関西特別講習会③


 続いて「裏交差からの斬付」をおこないました。これは右手首と左手首の速やかな連動が重要になり、その際の脚足との兼ね合いと正中線を意識した重心配分が肝要となります。杖の利点は手の内、とくに第三関節の締め込みを養成することと、それにともなう得物の当て処を操作と利きの有効性という実感から身につける事が出来ます。私の手の内につきましては、剣におきましても杖におきましても、細かく教わったことはありませんし、自ら動きの質との兼ね合いで自然にそこ(手の内)に変化が生じ現在の状態に至ったという訳であります。大まかなことは教えられても、「こうすべきである。こうなっているものである。」という決まりごとというのは、そこに証明される動きがあれば良いのですが、それ程感じられるもので無い場合や、姿勢や形という見栄えという観点からのものであれば、そこが進展の足止めになっている可能性は大きいでしょうし何れそこに陥ります。つまり、身体観が育っていなければ身に付くものではありませんし、身体観は如何に感覚を養いそれを統御できる状態にあるかでもありますので、そうした感覚を追求していなければ、言葉だけの教えと言うのは空虚なものになってしまいます。

 そういう意味ではその後におこなった「連続切り返し」は、身体観の確認ともいえるかも知れません。私は現在この切り返しを六回までおこなっておりますが、四回以上は自分でもどのようにおこなっているのか解りません。つまり頭で考えその通りにおこなおうとする時間的猶予がなく、身体に任せて「あとは頼んだぞ」と、身を委ねておこなっております。抜刀術におきましても同様に、直ぐに抜けないというのは、今の今この記事を書いて解りましたが、思考にある操作感覚やその先の動きなどを身体観に委ねるために必要な時間だということです。これは私の中で今大きな発見となりましたが、甲野先生も「影抜き」などの技をおこなわれる瞬間「一瞬気を失っている」と表現されることがありますが、一瞬の動きというのはとても意識の中で把握してその通りに逸脱せずにおこなうということは出来ません。それは身体の僅かな部分だけを用いたあまり質の高くない動きにおいては何ら影響しないことですが、さまざまに得た身体各部の感覚を統御しておこなう質の動きではとても把握しきれず、把握しようとする意識がかえって仇となるのです。ですから、いかに技に入る瞬間に速やかに身体観に委ねる状態になれるかということのなのでしょうし、言葉を変えればそれが「フロー状態に入る」ということなのでしょう。

 講習の最後は昨年盛り上がった「峰返し潰し」を再びおこないました。これの難しさは、自らの体重をいかに木刀を介して相手に瞬間的に通すことが出来るかということ。首に負担が無く何度でも受けたくなる通し方は、首から足元へ瞬間的に通る、相手の反応が出来ない間に下へと抜ける操作が重要になります。それは構えに構造的な弱さが生じますと、そこで相当な力が失われてしまいますので、人によっては指二本でも止まりそうな位しか力が通っていない方も、いろいろな講習会で若い方でも見受けられました。しかしチョットしたことで、相手の膝がガクッと抜けるように崩れることもありますので、力を通す不思議さ面白さというのを検証するには効果的な稽古であると私自身感じております。

2019.05.01 関西特別講習会④

 
 今回の講習では、「WEB秘伝」を見て奈良県からお越しいただいた方もいらっしゃいました。少しずつですが、さまざまにご縁が生まれる形そのものも広がってきておりますので、そこでお会いできた方々と「良い生き方」を考えるキッカケになれば全てが良い循環をしていくものと思われます。

 今回の関西での講習会でも、もはやホームと思える安心感の中で若旦那を世話人に、そのお人柄もあって堅苦しくなく、人と人とが出会い別れるまでの時間を大事に過ごさせていただく、こうしたことの在り難さを身に染みて痛感いたしました。そうして肌で感じた思いを講師として今後の活動にも活かしていけるように、日々良い時間を生きていく心掛けを忘れないようにしたいと思います。
 二日間が短く感じる、回を追う毎に想いの深まる講習会でした。あらためてご参加いただいた皆様にはお礼申し上げます。

2019.05.01 関西特別講習会⑤

2019.05.01 関西特別講習会 世話人の川原田喬生氏と


 今後とも世話人の川原田氏をよろしくお願いいたします。


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2019-05-02(Thu)
 

平成最後の日におこなった尼崎での講習会

 今回で四回目となる関西での講習会も無事に務め終えることができました。お越しいただきました皆様にはあらためてお礼申し上げます。

 両日共に、家を出てから帰宅するまで関西でも東京でも奇跡的に雨に降られず傘を使わずに済みました。

 まずは4/30から振り返りたいと思います。


 平成最後の日となるこの日は、東京駅から10時40分発のぞみ167号に乗り込み新大阪へ。風邪がぶり返したため、熱は無いものの咳込む状態。ゴールデンウィークはさすがに込んでおり東京駅の構内も新幹線乗り場のホームも大変混雑していました。

 車内では来週のGold Castleの講習内容の思案と今日おこなう講習内容の点検。一段落ついたところで山本周五郎を読む。ウトウトしてきたので仮眠し、くたびれる間もなく13時10分に新大阪駅に到着。

 迎えの川原田氏と合流し、尼崎で18時30分からおこなう講習の前に電車で住吉駅に向かい、そこで昨年10月に開院された「整体だるま堂」を営まれる中西眞先生のところに伺い身体をジックリと1時間診て頂く機会に恵まれました。

 御自宅兼整体院ということもあり、玄関先に上がった瞬間から温かさに包まれるようなどこか懐かしいような優しい気持ちが内側から溢れるような感じがいたしました。
 
 中西さんとともに奥様、そして六歳と三歳の可愛らしいお嬢さんに迎えられ川原田氏とともに施術をおこなってくださいました。

 内田樹先生の御自宅兼道場「凱風館」から直ぐの場所に、温かいご家庭と整体院がそこに息づいていることに深く感動いたしました。中西さんとのご縁は時間的には短いものですが、これまでの一回毎の講習会でも感じられましたし、この日の施術や、その間、その後のお話の中でも「この方とご縁が出来て本当に良かった」と思える密なお話が出来たことを嬉しく思っております。

 身体への探究、心のつながり、人にたいする思いやり、そうしたものは、武道、武術の中で理念として掲げられている部分でもありますが、実際にそれを生き方の中で実践していくことは容易なことではありません。

 しかし、そういった理念を実践すべく人生を選ばれた方もいらっしゃいます。お金のため、知名度のため、趣味を仕事にするため、そうしたこととは根本的に異なる方から受ける印象には言葉で多くを語らずとも感動が押し寄せてきます。そうした瞬間の場であったり、表情というのは長く記憶の中に鮮明な写真として残り続けます。それは、年が経っても同じ季節、同じ風の匂いを感じたときに、掛け替えの無い記憶として感動が蘇ってくるのです。

 そのような深い感動と永くに渡り残り続けるであろう記憶のシャッターを切れたことがこの日の整体だるま堂で私が受けた印象でした。これだけで十分に関西に来た価値がありました。施術はあまりに気持ちよく恥ずかしながら鼾をかいてしまいましたが、完全に身を委ねることが出来ました。また関西に伺う際には是非またお邪魔させて頂きたいと思っております。その時になにかお伝え出来る事がありますよう私も精進しておきたいと思います。思い返すだけでも温かい気持ちになります。大変お世話になりました!

2019.04.30 整体だるま堂にて中西さんご家族と


 時刻は17時となり、川原田氏と共に電車に乗って尼崎駅へ移動。昨年も同じ4/30に尼崎市記念公園総合体育館柔道場で講習会をおこないましたので、丁度丸一年ぶりに同会場で講習会をおこなうことが出来ました。

 一日目となるこの日は杖術と杖整体操を予定しており、始めに基礎鍛練稽古として「蟹の前歩き」「雀」をおこないました。私もこの基礎鍛練稽古は数年間ずっとお伝えしておりますが、身体を作りながら同時に操作技術の習得にも関与しておりますのでどうしても外せないところであります。これは今度5/20に発売されるDVDに詳しく解説をしておりますが、収録時にBABジャパンのディレクターのYさんが「大変興味い」と関心を示して下さった事を覚えております。

2019.04.30 関西特別講習会①
 

 杖術では打ち込みや突き、単体技を幾つかおこない、動画に配信してある「十一之型」を六番目までおこないました。質問も相次ぎ特に三番目におこなう技の手足の連動に苦労される方が多く見受けられました。

2019.04.30 関西特別講習会②


 最後は三十分間「杖整体操」をおこないました。これは簡単なものだと思っておりましたが、これまでの経験で、ある程度身を委ねる身体観が整っている方でないと効果が薄れてしまうことが分りました。そうした意味では、今回の講習会にお集まりになられた方の殆どは、合気道を通じて身を任せる感覚が整っていらっしゃる方や、身体に興味を持ち自身で独自に稽古されている方やかつて武道経験がおありになった方など、いずれの方も、自ら自主的に稽古をおこなう感覚を持ちながら、委ねて感じとる事が身についている方々でしたので、極めて効果的に杖整体操をおこなことが出来ました。ですので、通りの良さというのは普段の稽古からの学びでもあり、何かを習得していく上での「見極め力」を育てていることに繋がっているように思います。

 人はどうしても普段の姿が自分という人間の大きな割合を占めて行きますので、武道武術の役割の最たるものは、そうした自分という人間の在りたい姿と、実際に捉えられている姿の乖離を見直すべく日々の暮らしの中で自らを整える時間が必要になります。もちろん武道武術以外に置きましても、そうした学びとなる修練練磨の環境はありますが、一般的に身体と心が一体となって礼も含め感覚的に学ぶことのできる場として、武道武術は優れていると思います。しかしながら、決してすべてのものがそうではなく、理念を置き忘れ欲得に神経を注いだものはむしろ逆効果となるでしょう。ですので、何を学ぶのかどこで学ぶのかということは慎重になって然るべきです。

 2019.04.30 関西特別講習会③

2019.04.30 関西特別講習会④


 最後に恒例となる記念写真を撮りました。世話人の川原田氏も不慣れながらもよく頑張ってくれております。写真は敢えて上手く撮れていない方を使わせていただきました。

2019.04.30 関西特別講習会⑤


 この日は懇親会は予定しておりませんでしたが、小一時間程帰り道にあった居酒屋さんに入り、川原田氏と共通点の多い偶然の出会いの方とのお話しに花が咲きました。翌日、若旦那になるとはこの時ばかりは想像もしておりませんでしたが…(笑)。
(つづく)


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2019-05-02(Thu)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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