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どんな場でも最良の状態で呼吸をしていられるか

 新元号発表までカウントダウンとなった。その瞬間が訪れたときにさまざまなことが動き出すだろう。人生の面白さ、さいきんは歳を重ねてようやくその辺りの感覚が解りはじめてきた。

 確信を持って解ること。

 それが自らの取るべき道を定め、その道を進むごとに遭遇する人は少なくなるかもしれないが、その道を見つけた人同士との遭遇は安心できるものであり、純粋に自らのやるべき事に没頭できる。周りがよく見通せる地点に辿り着けば、何をするべきかに迷うことは無い。言葉と言うのは信じ難いもの。言葉を信じず行動と結果で示すこと。それを長く続けることが出来れば多少なりとも信じて良いものと言えるのではないだろうか。

 これまでも武術を通じてそうしてきたし、これからもそのような道を進むことが私にとっての生き方の証明である。私は私の道を自分で探し続けていかなければならない。

 さて、本日のGold Castleは、深川スポーツセンターで剣術クラスの講習をこないました。

 会場に向かうその前に、GW一ヶ月前に購入解禁となる4月30日分の新大阪行きの新幹線チケットを新宿駅で購入。今年も4/30と5/1の二日間講習会を開催させていただきます。

 川原田喬生氏のご尽力のおかげでこれまでに三回関西に行かせて頂きましたが、今年2019年は平成の最後の日と新しい元号元年の初日に開催いたしますので、以後記憶に残る講習会となりそうです。

 新幹線のチケットを購入し、(帰りの分は4/1に再び購入いたします)安心しながら深川スポーツセンターに到着。

 思いのほか早く着いてしまい、本日は一人稽古のために一時間程講習前に会場を開放しておりますので、普段より早めに来られる方が何人か見受けられました。まだまだ一人稽古特有の感覚を知っている方は少ないと思いますので、出来ればこの機会を有効活用して頂きたいと思います。

 講習では、浮き身の説明と、それを用いての技を幾つかおこないました。やはり「三段突き」は異質な動きに見えるのか、興味深く取り組んで下さいます。足運びと手の内の操作にこの技独特のものがあり、浮き身を掛けながらテリトリーから逸脱しない両手の操作等動きの質を考えていただく時間でもありました。

 中学一年生のK君は熱心に取り組んでおり、出来なくてもそれで興味を無くすどころか、動きの不思議さに興味津々となり、どうすればそのようになるのか、大人の生徒と話し合いながらおこなっている姿が印象に残っております。

 ミュージシャンのウインターさんもひさしぶりの剣術クラスとあって、その瞬間のインスピレーションというか、精神的な部分も含めて殺陣とは違ったものであると感じ取っていただけたのではないでしょうか。冒頭に述べた、「確信を持って解ること」…おそらくこの事をウインターさんは僕よりも随分昔から感じ取っていらしたのではないかと思います。

 Gold Castleに参加されている生徒が良い流れで仕事や活動に向かって行けるのは、そうした「確信を持って解ること」に何かヒントがあるのかもしれません。ですから、そこの核の部分が全てにおける共通したバランスの源になっているのでしょう。場は違えど共通したものがそこにはありますので、場によって変えることは出来ませんしそのようなものは瞬時に見抜かれてしまいます。人生の時間を有効に使うためにも、なるべくどんな場でも最良の状態で呼吸をしていられる、そんな真摯な精神状態であるかどうか、そこで自らに挑戦し闘っていくことです。

 ですから、私は自らを省みて闘って行かなければならないのです。


2019年4月06日(土) 「抜刀術 特別講習会」(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ

2019年3月 武術稽古日程

2019年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-03-30(Sat)
 

『十二番目の天使』 観劇

 本日は日比谷シアタークリエにて、Gold Castleの生徒である大西統眞君が出演される舞台『十二番目の天使』を観に行きました。

 Gold Castleの生徒達やクラーチ剣術教室でお世話になったHさんも一緒に観劇されました。舞台を観るのは昨年の神奈川芸術劇場KAATにご出演された佐藤誠さんの舞台を観て以来です。
 
 今日の舞台では、後半満員の館内からすすり泣く声が響き渡り、私も何度も手で流れ落ちるものを拭いました。特にティモシー役の統眞君が車椅子に乗って登場するシーンでは、その人物の(統眞君という)キャラクターが分かっているからこそ感動になり涙になるのだと思います。

 私といたしましては、生徒の芝居を生徒と共に観に行けるというこんな嬉しいことはありません。今回は統眞君のお母様である大西様のお陰でこのような素晴らしい舞台を皆様と共に観に行けるキッカケが生まれました。終演後は長い列に並んでいる出待ちのファンの方に注目されながら楽屋口から生徒の皆さんと共にご挨拶に伺わせていただくことが出来ました。こうした機会は滅多に無いものですので、生徒のみなさまもどうしたらいいのかよく分からない状況でしたが、私も一観客の余韻に包まれておりましたので不思議な気分でした。このような貴重な機会を与えて下さいました大西様、そして素晴らしいお芝居を見せて下さった統眞君。お忙しい中このような時間を作っていただき誠にありがとうございました!東京公演の千秋楽、そして4月29日までの全国ツアーの大千秋楽まで無事に成功を収めます事を願っております。

 最後に終演後の楽屋口で一緒に写真を撮っていただけましたので掲載させていただきます。

2019.0329 日比谷シアタークリエ 『十二番目の天使』大西統眞君と


2019.0329 日比谷シアタークリエ 『十二番目の天使』大西統眞君と生徒の皆様

 生徒のみなさまも、本日は共に観劇下さりありがとうございました!
 みなさまとの「頑張りと笑顔」そんな日々の展開をこれからも楽しみにしております。
 難しくないお話ですので、日々の忙しさから解き放たれるように、ジックリと優しさを噛み締められるお話です。本日はトークショーもあり色々な裏話が笑いと拍手に溢れ素晴らしいひとときでした。まだ東京公演は4/4(木)までおこなわれておりますのでご都合のよろしい方は是非行かれてみてください。


2019年4月06日(土) 「抜刀術 特別講習会」(お申し込み受付中)

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2019年3月 武術稽古日程

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2019-03-29(Fri)
 

明日はひさしぶりの舞台観劇

 本日は火曜日に撮影があったため、木曜日に振り替えさせていただいた「クラーチ剣術教室」の講習をおこなってきました。

 曜日が異なるため参加人数は少なかったのですが、集中的に見ることが出来ましたので普段以上に熱の入った講習となりました。

 10日間の船旅から戻られたヒマワリさんことSさんがいらっしゃると、パッと空間が明るくなって自然と笑いが湧き起こります。今日はもうひとりのSさんがお休みでしたので賑やかさが半減いたしましたが、WちゃんにNさんそして世話人のOさんが熱心に取り組んで下さいました。

 講習中にもお話いたしましたが、Oさんのここでの稽古の理解力と判断力はGold Castleや自主稽古における稽古の賜物です。おそらくですが、ふつうならば、皆さんと同じようになかなか理解するのは難しいですし、見たものを身体で再現するのは乍力が備わっていなければ直ぐには出来ません。

 関節リウマチ症で、体重30㎏台前半のOさんがこの5年間休まずに、Gold Castleとクラーチ剣術教室を平行して続けられているのは凄い事です。段位や賞状はありませんが、その代わりに得たものが身体の中にありますので大きな自信となられたことと思います。今年で75歳になられましたが、無理をせずに心地よさの中で自らの身体の可能性を高めていただければと思います。先日月刊秘伝の取材を受けさせて頂きましたが、ここでの皆様の元気な姿とこういう動きが出来るという驚きと感動をいつか取材していただきたいと願っております。

 夜からは江東区スポーツ会館で渡部氏と稽古。

 今日はさまざまな組杖を20分で汗だくになるほどおこない、休ませずに冷静な判断力と精度を養うために集中力を要する状況でおこなった。集中力には意識的なコントロールもあるが、そうならざるを得ない追い詰められた状況は些細なミスが生まれやすくこうした経験を積んでおくことは大事である。短時間であっという間にそうした追い込んだ状況に入れる稽古というのは、ある程度相手が育っていなければならず信頼関係も含めてなかなか居ないものである。突然にそうした状況でも淡々とおこなえるようにこれからは積んでいきたい。

 残りの大半の時間は抜刀術稽古をおこなった。

 今日はどちらかというと、抜刀術における身体を作るような稽古であった。ひさしぶりに何かに憑かれたように黙々とおこなった。4月に新宿スポーツセンターが利用できるようになると、おそらく吐き出すように一人稽古をおこなうだろう。私の身体がそれを強烈に求めている。

 やはり、指導者であることも大事であるがその前に一人の稽古人として実力を高めて行き続ける安定した環境が無ければ本末転倒になってしまう。最近はその事を身体が私に訴えてきているように感じる。

 
 さあ、明日は待ちに待ったGold Castleの生徒でもある大西統眞君が出演する舞台『十二番目の天使』を観に行きます。

 日比谷にあるシアタークリエという劇場です。明日は終演後にスペシャルトークショーも予定されていますので楽しみが満載です。私を含めて7名で観に行く予定です!がんばれ~!


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2019-03-29(Fri)
 

身体の作り方は心の作り方でもある

 本日は携帯電話を自宅に忘れたまま外出。未だにガラケーなので大して不便ではなく電車内ではいつものように図書館で借りた文庫本を読んでいる。もう少しでこの館内においてある山本周五郎作品を全て読み終えてしまうが、置いていない名作もあるので取り寄せて引き続き読むつもりだ。

 私は今の所に住んで15年目に突入しているが、何処へ行くにもアクセスが便利なのと近くに図書館があるというのは大変捨て難い魅力である。何度か引っ越す計画を立てていたが、昨年は出費が重なってしまい断念。さすがにもう少し自宅での仕事の効率がはかどる部屋に越したいが、この地から遠く離れることはおそらく無いだろう。

 
 今日は品川区総合体育館剣道場にて渡部氏と稽古。Gold Castleでおこなう立廻りの確認と最後の手を考案。タイミングや手順、アングルなど全体的な構成はほぼ完成した。後は声の必要性と、微妙な絡みの位置関係の修正などが見えてくるだろうが、全体的な時間はタイプⅠの半分位になっているだろう。タイプⅠもスタートして間もない頃はそれぞれに苦労されたと思うが、稽古を重ねて行くうちに多くの方が五人分のパートを全て出来るようになった。今回のタイプMもスタートして間もない内は苦労もあるかと思われるが、そのうちにタイミングの取り方や足運びにコツが掴めるようになり安定的に動けるようになってくるだろう。そのときの難しかったタイミングの取り方や間合いのコツなどが身に付いたものであり、動きが変わってもそうしたコツを応用すれば短時間で動けるようになってくる。そこが大事なのだ。

 今回はラストのDとの手に若干の変更があった。これまでは互いに四歩で合わせることにしたが、それを廃止し、Dの動きにもう少し間を持たせ、Dの絶命間際の声にならない声(元気な気合いの入った声ではなく)をキッカケに袈裟に斬り、そこからの血振り納刀を変更した。動きに関してはシンプルな流れとして心地良く終えられるものとした。

 それと今回、立廻りの研究稽古を終えた休憩中に頭の中に降ってくるものがあり、速さを求めた立廻り「一対四瞬殺」というものを何の考えも無く動いてみたところ「出来るかもしれない」という感じになり、渡部氏に撮影してもらい確認したところ、バレる(斬っていないのが見えるアングルとならないこと)要素も無く、五秒位で終えたが、帰りの電車内でフトそのことが頭に浮び変更すると、おそらく四秒位でそれなりに動きを見せながら出来ると想定している。これはタイプMが進んで来た時に、同時進行でやってみたいと思っている。なんせ四秒位で終わる手なので、納刀までを最速に最後は四人が同時に倒れるように演出していきたい。だからこの場合、絡みそれぞれのリアクションを計算しそのあたりに工夫が必要となってくるだろう。こうしたことが突然降ってくるので、当然であるが稽古に対しては感謝の気持ちを忘れてはならない。

 
 剣術稽古では「水鳥之太刀」をおこない、これも映像に撮っていただき剣の軌道や足の動きなどを確認。切り返しの速さは支点が大きく関わっており、支点を決めるには動きの途中に次なる動きにならなければならず、そのためには足が浮いていなければ身体は切り替わってくれない。そのためこの動きは、剣の切り返しと足の捌き方が一体となって完成する技と言える。

 次に「劉之構」から抜き技をおこなった。ここで一つ進展があった。

 それはこの劉之構からの抜き技は、受けた状態から発する「影抜き」のような技であり、甲野善紀先生の技である影抜きを参考に研究しながらその際の大事な左手の感覚に気が付いたのであった。そのことにより、相手の剣の裏交差側からより鋭角に鍔元へ斬り入っていくことが出来るようになった。それを眼で確認したかったので、渡部氏に左手で木刀を斜めに持ってもらい、右手ではスマートフォンを持ち、私がその斜めに差し出された剣のなるべくギリギリを相手の剣の角度に合わせて斬り入って行く軌道を確認することが出来た。連続で十二本位おこなったが、今までに気になっていた軌道の難しさでもあったので、劉之構からおこなった受けからの抜き技が、影抜きの軌道の進展に繋がったのはありがたかった。

 あらためて「剣術は左手 抜刀術は右手 手の内に秘するところ有り」という言葉が湧いてくる。尤もそれに惑わされてしまってはならないが。

 そして久しぶりに「三段突き」をおこなった。

 どういう訳だか今日はこれまでで最も速く動けた。どうして私の細腕でこの突きの変化が生み出されるのか検討してみたが、おそらく杖術で練られた身体の繋がりが、余計な通り道と感覚を塞ぐ肉に邪魔されずに思いのほか速く動けてしまうのではないだろうか。そして、「水鳥之太刀」による浮き身の状態が感覚的にこの「三段突き」でも活かされ、自分でも変な感じのする速さとヨレない身体の不思議さを実感出来ている。
 
 今日は例えで、ラリーカーのような頑丈なボディと足回りを身体も同様にバランスの良い構造で、何処か一部分だけ強くしてしまうと弱い箇所に衝撃が集まりやすくなってしまうため、身体の作り方というのは動きの中でバランスを保つ(失わせながら保つ)ことと、重心配分のコントロールが速やかにおこなえるために、膝や股関節の可動がフワフワ過ぎず硬すぎずその状況に応じて減衰力調整式のサスペンションとは言わなかったが、浮き身を用いるための関節と筋肉の敏捷性はつねに研ぎ澄ませるようにしなければならない。私が下駄を履いているのはそのためである。

 とにかく私が思うには、身体を作るには精度を意識しながら全身の調和を計り負担の無いように心地よさを求めておこなうこと。その心地よさというのは身体からのサインであり、身体のレベルが上がれば心地よかったものもそうでは無くなってくる。意識はときに判断を誤らせるので、身体からの反応に耳を傾け、興味が途切れぬように工夫しながら追求して行くこと。そうしたものはおそらく、身体だけに留まらず心の在り方にも影響してくる。だから、苦労や努力という実感は無く、長く成果を上げながら続けて行けるのだろう。

 最後は抜刀術を幾つかおこなった。

 「鷲眼一閃」という前方へ飛び出しながら抜き打ちに斬るという技であるが、これも撮影していただき以前と比べて空中での滞空時間の長さに驚く。この滞空時間を生み出しているのは、床を蹴って高く上がっているのではなく、二尺七寸の居合刀の奔りに身体が引っ張られその際に腿を引き上げながら時計回りに四十五度~六十度位転じている。そのため、片手で刃音が鳴るほど飛び出して振っても身体への負担は極めて少ない。

 
 今日もいろいろな発見があり良い稽古となった。

 もうすぐ四月となり、新たな元号が発表され、新時代を意識した世の中の展開に突入する。イチロー選手が引退し、オリンピックが開催され、そうした世の中の流れに色々なものが付随して蠢いていく。

 私も今後いろいろな事が起こると思うが、そうした流れの中で自分を見失わない環境を維持し、自分に与えられた役目を全うして行けるようにその事に時間を費やして生きて行くつもりである。


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2019-03-28(Thu)
 

今年も夜間飛行の撮影に参加させていただきました

 本日26日は毎年夜間飛行で発売されている「甲野善紀 技と術理」シリーズの2019年度版の撮影がおこなわれました。

 2013年から毎年参加させていただき、井上欣也さん、五十嵐剛さんとも受けとしてご一緒させて頂いております。スタッフの皆様も同じ方々ですので、撮影という緊張した感じよりも「あの日が再び蘇って来る」という感動に包まれます。

 回を重ねる毎にスムーズに信じられないほど早く進みます。先生のNGが一切無いという凄さとスタッフの方々との呼吸が揃っていて心地良く感じました。

 井上さんと五十嵐さんと三人揃ってお会いするのが大体この日ですので、お会いするだけで嬉しさが込み上げて来ます。それぞれに独立されて武術を基盤とした活動をされておりますので、これまでの年月を共にさせて頂くことのできたお二人の御仁(仲間と言わせてください)とのこれからも御縁を大事にしていきたいと思っております。あらためまして、この場を整えてくださる甲野善紀先生に深くお礼申し上げます。

 撮影は午後から夕方まで非常にスムーズにおこなわれました。スタッフの皆様が帰られた後、撮影と同じくらいの時間かそれ以上の時間を稽古いたしました。その時間経過の早さには誠に驚きました。

 撮影中もでしたが、撮影後も先生から新たな技が生まれ、その誕生の瞬間とそれを初めて受けたときの感触は何度経験しても心地いいものです。たくさん笑い、集中した素晴らしい一日となりました。

 甲野先生、夜間飛行の皆様、井上さんに五十嵐さん、今年もありがとうございました!


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2019-03-27(Wed)
 

言葉よりも姿

 本日日曜日は深川スポーツセンターでGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。

 殺陣クラスでは、八歳のYちゃん、十一歳のK君、中学一年生のKちゃん、杖術クラスでは中学一年生のK君と、若い世代が真剣に取り組んでおります。体験初参加の方も、一時間半掛けてお越し下さいました。

 立廻り組は、タイプMの前半抜き出し稽古をおこない動きを変更した払いからの受け流しを1,2,3,4とカウントを数えながら絡みBとのタイミングを計りました。しばらくは、その後に続く「払いからの胴斬り返し~右袈裟まで」を前半部として、そこまでをおこなう予定です。

 最後は、序盤の七歩を合わせました。
◇絡みは芯から見て左からABDCの順になります。 
◇芯の三歩目でBが背後に廻り込み、四歩目でAとCが交差しながら(Cが前となります)芯の左右に付けます。Dはやや間合いを詰めながら右側に場所を変えます。
◇芯は四歩目以降速度を落としながら七歩目で鞘を持ち抜刀いたします。七歩目に合わせてAとCは同時に声を出して斬りかかります。
◇芯の目線をキッカケに、Dが三歩で斬り込み、芯が払ったのち1,2,3で受け流しに入ります。それに合わせて背後に位置していたBは三歩で真っ向から斬りかかります。
◇芯が受け流しの流れからAに切っ先を突きつける間に、周りの絡みは位置取りに付きます。
◇芯の振り向きをキッカケにAが真っ向に斬り掛かり、芯は左足を前にAに向かいながらその真っ向を払い胴斬りを素早く二つ入れます。
◇Aはそのまま後ろ側へ倒れ、その空いたスペースの芯から見て左手側からBが一歩で八相から袈裟に斬り掛かるところで右袈裟に斬られカメラから見て上手側に倒れていきます。(カメラの位置は最初に登場する芯の真正面からとなります)
◇Bを袈裟斬りに斬った流れから遠心力で左側へ百八十度ほど転回し、間髪入れずにDが右袈裟に斬り込んで来ます。
◇三回斬り返したのち、鍔競り合いとなり、左へ九十度転じます。(ここは以前と同じです)
◇Dを押し込んで、後方に振り向きざまに片手でCを斬り上げ、その流れから水平に刀を引きつけ小さく胴斬りに入ります。この胴斬りでは、カメラアングルを考え、右足をスライドさせながら斬ります。Cはカメラから見てやや上手寄りに倒れます。
◇押し飛ばされたDは次に斬り込む際にやや右側に移動しカメラに被らないように背中を向けるように位置します。
◇先ほどCを斬り上げ胴斬りに右足をスライドさせながらおこなうことでカメラに対しタイプⅠのラストのようなアングルとなります。
◇Dの真っ向を払い上げそのまま真っ向に斬り下げ突きに入り、間を取ったのち刀を抜き芯は正面に向かって歩きます。

この後の芯の動きとDの斬られ方については現在検討中です。しばらくは前半部Bを斬るところまで皆さんの完成度を上げて行きたいと思います。


 生徒になって間もない方や体験参加の方は、基礎的な構えの姿勢と斬り方の姿勢を集中的におこないました。集中力を維持していくには、覚えたことを一人ずつ声に出してみんなと合わせるようにしております。声を出す人の指示で皆が動きますので、順番とそれぞれの名前を覚えておかなければなりません。とくに殺陣はチームでおこないますので、自らの動きや声が相手にも関係しているということを実感出来るように、チームプレーに繋がるように進めて行きたいと思います。

 
 杖術クラスでは、体験初参加の方もお越しいただき、股関節を深く曲げる体操や打ち込み、突きなど歩を付けながら時間を割いて丁寧におこないました。その流れから久しぶりに「四天誕杖」をおこない、続く足運びとそれに合わせる手の内の操作など、生徒の皆さんも熱中して取り組んでいただきました。

 最後は時間が少なかったのですが、「巻き上げからの裏お辞儀潰し」をおこないました。

 この技の面白いところは、巻き上げの際に左膝を抜くことで、相手に間を詰めながら杖へ圧を掛けつつ、その間に左手を持ち替えることが可能となり、両手が順手のまま相手の頚椎へ杖を位置することが出来ます。

 体験参加の方もまだ経験の少ない方も、最後は一緒におこないました。まだ出来ない段階ですが「こんなことがあるのか」と感じて頂くだけでも興味が持てますので、興味は大事なものですから時にそのように体験して頂くこともございます。

 教室が一年また一年と続いていきますと、生徒も成長していきます。そうなりますと新しく生徒になられた方や、体験参加に訪れた方から見て成長した生徒達の動きに圧倒されてしまう場面もあるかと思います。

 そうしたときに、「自分はついていけない」と思い込んでしまう人もいらっしゃるかもしれません。

 生徒の皆さんは、数年間経験しておりますので、それは体験参加に来られた人や、生徒になって間もない方の数年後の姿として観て頂ければ自身を失うどころか、あの人のように動ける自分を想像してみると、「今、あの人と同じ動きは出来ないけれど、今やるべき動きをシッカリと出来るようにして行けば徐々に出来る内容が増えていき、追いつくことや追い越すことが出来るかもしれない。」という希望が湧いてきます。「興味と目標」今出来る内容をクリアして、ステップアップしていくことが、まだ出来ない内容をやろうとして自分は駄目だと勘違いしてしまわないためにも、順を追って取り掛かることが確実であると思います。

 
 今日も八歳のYちゃんが体験参加を終えられ次回から生徒になられます。このところ若い世代の生徒が増えてきて嬉しく思います。大人も子供も変わらず、出来なかったことが出来るように子ども扱いせずに、技術的な部分をお伝えしていきます。そうした技術の習得から得られる感情は同時にさまざまな心の働きにも関係してくると思っております。皆で見守りながら、大人も子供も成長していける教室として場を整えて参ります。

 親御様の方々ともお会いする機会が増え、お子さんの意思を尊重されていらっしゃるように感じます。子供の眼は敏感ですから、私の言葉で偉ぶることなく対等に向き合い、感じてもらえるようにこれからも稽古に対して真摯な気持ちを失わないように取り組んでいきたいと思います。

 今週もみなさま、ありがとうございました!


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2019-03-25(Mon)
 

楽しむ事が出来る人生の道程

 ひさしぶりの記事となったが、その間に一つ年齢を重ね四十四歳となった。丁度その日にイチロー選手が引退を発表した。興味のあることに挑戦することは同感であり、私の人生も興味のあることを第一に優先して生きてきた。そのため、回り道をたくさんして随分遠回りをしていると感じた時期もあったが、今の心境、心持ちというのは近道も遠回りも無く、通ってきた道が今になっているのだ。そして、「回り道をしたからこそ楽しむことが出来る」ということ。今を楽しめるということは、ここに至るまでの道程が必然であったということに他ならない。

 人生先の事は誰も判らないが、「興味のあることをやる」「興味を持ち続けるようにやる」そうしたことで、総合的に学ぶべきことは多い。やらせてもらう、学ばせてもらう、その場に居させてもらえる、その場に居やすくなる、そうしたことがあって興味のあることを続けられる人は伸びていくことが出来る。興味の無いものをやるのと、興味があるものをやるのとでは、先に述べた事柄がまるで違ってくる。興味があることから学ぶことは、その内容だけでなく、それを習得するためのさまざまな関わりがその人にとっての糧となるのだ。たとえ興味の対象が変わったとしても、根底にある向き合い方は0からではなく続いているものと思う。年月が経つほどに不安は増していくかもしれないが、興味のあることを続けられる方は「楽しむことが出来る人」と言えるのではないだろうか。たとえ遠回りに感じても、感謝する心や他人の悪口を言わない心、周囲の大切さを学ぶ経験には最短距離というものはないだろう。相手があって自分がある。それは相手にとっても同じこと。興味というのは素晴らしく学ぶべきことが多いと私は思う。

 
 さて、本日の講習では、来年の大学受験のため今日で一年間お休みすることになったK君が最後の講習に参加されました。先日編集した立廻りの映像をご両親様も喜んで下さったそうです。中学一年生から参加されたK君も四月から高校三年生です。以前は学校の体操着で参加されていましたが、今では道衣に袴姿も自然になり姿勢も猫背がほとんど見られなくなりました。背中に窪みが生まれ股関節の屈曲も深く入れるようになりました。一年間受験勉強に集中されますが、息抜きにいつでもおいで頂ければと思っております。

 講習では杖の引き合いを幾つかおこないました。ふだんおこなっている脚部鍛練稽古の腿の引き上げを検証するには解り易い内容です。生徒の皆さんには「逆足之型」や「玉簾」をおこなっていただきました。とくに「玉簾」は相手の杖を払いながら突きに転じる動きが特徴ですが、今日の講習で結構みなさん悩みながらおこなっておりましたので、それなりに技として求められるものがあるのだと安堵いたしました。やり易い動きとやり難い動き、そこには身体各部の調和に関わる拍子が難度に影響してきます。

 短い動きでも、今までにない拍子で調和を図るとなかなか思うように身体は動いてくれません。そこはより分解して身体がその拍子感覚を掴んでくれるまで稽古いたします。そこから徐々に本来の形に戻していきながら精度を高めていきます。

 中学一年生のKちゃんと小学五年生のK君は最後に「二十連円打」を十七番までおこないました。それぞれの相手にWさんとFさんが付き優しく丁寧に観ていただいておりました。興味をもって取り組んでおりますので、そうした内容に関しては集中力が高まり覚えも早くなります。そうした時は相手を務めて下さる方々も楽しく観ることができますので互いに良い稽古となります。

 講習後、品川区総合体育館では、いつものようにモップ掛けをおこないますが若いK君とKちゃんが限られた本数のモップを手にして他の生徒達とともに床を綺麗にして下さいました。掃除というのはいいものです。講習が終わった後に、皆で協力して後片付けをおこなうことは、自発的な気持ちと感謝の心が養われます。笑顔でワイワイと掃除が出来る、そんな講習をいつも心掛けていきたいと思います。

 講習後は、十一歳のK君が自ら抜刀術特別講習会のお申し込みを私に伝えて下さいました。今は杖術、剣術、殺陣の全てに興味があるようです。その想いをどこまで私が叶えてあげられるか分かりませんが、Kお姉ちゃんと一緒にこれからもさまざまなことを学んで行っていただきたいと思っております。

 みなさま、明日は深川スポーツセンターでお待ちしております。


2019年4月06日(土) 「抜刀術 特別講習会」(お申し込み受付中)

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2019年3月 武術稽古日程

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2019-03-24(Sun)
 

打ち上げ&打ち合わせ~取材

 昨日は、お昼から双葉社のYさんとイラストレーターの山本祥子さんとともに、神楽坂で「おいらん若君 徳川竜之進―伏魔」第三巻刊行の打ち上げと次巻の打ち合わせに参加させていただきました。

 今回は著者の鳴神響一先生にお会いできず残念でしたが、あらためてその場に武術をおこなっている私が居るということの不思議さと、自らの言葉になる分野があることの不思議さのなかで共感性を感じることが出来ました。

 打ち合わせでは人間の心理面における深い部分に舵が切られていきました。私として感じることは、表裏一体といいますか、陰と陽といいますか、その両面を見ていくことで本質が分かるものがあるのだと思います。

 現代はSNSを通じ、文章や映像を目にする機会が増えております。そうしたSNSでは表側にある内容や表現に意識が奪われ易く、その裏にあるものに気がつくにはその人物をよく知らなければなりません。ですが、合った事の無い人同士が多いSNSでは、そうした表に見える言葉や表現によって判断するツールとなっておりますので、自然とその裏にある心理状態や事情というものに気が向かなくなってしまう思考習慣へと成りかねません。

 これは私が指導者の立場として、人と接する際にその辺りの重要性を把握しておりますので、経験値の中から表と裏の中で判断していかなければなりません。その辺りの見抜ける眼を養うことも、自分自身と向かい合う武術稽古によって、自らの身心や感覚の中で気がつけるところまで相手に対しても同様の部分が気がつけるようになるのです。これは技や体捌きの見え方と同じことです。見えていないところが肝心でありますから見抜けるための自己を検体とした心と身体の裏と向き合うことです。

 文章のプロである双葉社のYさんとのお話は、その後深く掘り下げて考える、いや…考えずには要られない衝動に駆られます。

 こうした日常の「感じるインプットと対応するアウトプット」というのは、私がおこなっている武術稽古の身体を通じた学びとなっております。そうした中で今を生きる、生き抜いている方とのご縁が何かを生み出し、広がりを続けて行くのではないでしょうか。

 もっと楽に、楽しく生きていくには、表の部分にだけ捉われてはいけません。人間だれだって弱い部分もあり、僻みや妬みもあります。そうした部分が誰にだって裏にはあることを踏まえて世の中の表と向き合っていけば、傷つくことも少しは和らいで行くのではないでしょうか。

 昨夜は帰宅してしばらくそのような事を考えておりました。すばらしい時間を過ごさせていただき誠にありがとうございました。


 そして時間を惜しむようにして解散し、神保町へ移動。受けを務めて下さる渡部氏と合流し「神田すずらん館」へ。

 19時から21時まで、BABジャパンから5月14日に刊行される「月刊秘伝」という本の取材を受けさせていただきました。

2019.03.18 BABジャパン取材

2019.03.18 BABジャパン取材②

 すずらん館館長の後藤健太氏の御協力もあって、私としても慣れた雰囲気の空間で自然にお話させていただくことが出来ました。照明やその他諸々環境を整えていただきありがとうございました。

 撮影中、小太刀の動きについて得るものがありました。それは杖術「玉簾」の足捌きが小太刀にも通じることが解り、調和速度が格段に向上いたしました。この玉簾の体捌きには、同側の張りがアソビを減少させ、速さと力が備わることが解っております。半身の体捌きによる力の伝達に通じるものがあると思いますが、この場合姿勢や形に捉われず、速さと力の実感を得られるための使い方とした足捌きをおこなっております。

 二時間の取材はあっという間に終了となり、近くのネパールカレーのお店で後藤氏と渡部氏と夜ご飯。私としてはあっという間に感じましたが、待っている時間が長いお二方には長く感じられたものと思います。重ねて御礼申し上げます。

 帰宅してからは、脳が興奮していたのか3時まで寝付けず、7時に起床するはずが6時には目が冴えてしまい、結局3時間しか寝られませんでした。今日はクラーチ剣術教室の講習が午前からあり、みなさんニコニコと取り組んで下さいました。今日一番の盛り上がりは「四天誕杖」でした。何年経っても、楽しく熱中して取り組んで下さいますので本当に嬉しい限りです。昨日の取材でもお話いたしましたが、単に身体を動かすことや認知症予防のためだけに指導するのではなく、どうすれば今の今、この時間を楽しく不安を忘れ刺激のある時間になるであろうか…。そこに私は表には見えない無い部分を大切にしなければならないと、これからの時代においても表だけの言葉や効果だけでは実体を伴うのは難しいでしょう。表も裏もバランス良く振舞うことが人間関係にとって自然なような気がいたします。

 そこに本来の強さが隠されているのかもしれませんね。


2019年4月06日(土) 「抜刀術 特別講習会」(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ

2019年3月 武術稽古日程

2019年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-03-19(Tue)
 

卒業式シーズン

 今日は深川スポーツセンターでの講習。向かう道中では、卒業式を迎える袴姿の女性を何人か見かけた。卒業して次に新たな環境に踏み入る時期。いろいろな想いがこの時期は一日毎噛み締めるように過ぎて行くものである。

 さて、本日の講習では、珍しく役者組がお休みされており、基礎的な足運び等時間を掛けておこないました。体験初参加の方は、足運びや構え方、斬り方などをお伝えしていく予定でしたが、今日は姿勢について時間を割いてお伝えいたしました。鼠蹊部の屈曲と膝の角度、膝から足首までの角度、胸(胸椎)と骨盤(腰椎)の関係、など姿勢における原因と改善のためのアドバイスをおこないました。

 そういう意味では毎回脚部鍛練稽古としておこなっている「蟹の前歩き」や「雀」は浮きに必要な部位を練っていく事と、軸足に体重を預けない、地面を蹴らない引き上げる操作を身につける事が主な目的でありますが、「腰を入れる」姿勢を学ぶ事にもなっていることが分かりました。

 姿勢について、自分の身体がどうなっているのか、どうすれば良くなるのかを知るということはとても重要なことです。そうした「感じ」を掴むことが脚部鍛練稽古にもありますし、殺陣クラス、剣術杖術クラスにも動きに入る前には欠かせないものです。

 殺陣クラスの講習では、先日変更した序盤の払いからの受け流しを重点的におこない、後半は払いからの胴斬り返し後の袈裟斬りまでおこないました。これも同様に動き方は変更しております。

 剣術クラスでは、Yさんが今日から生徒となられました。特別講習会にも続けてご参加いただき毎回興味を持って取り組んでいただいておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 中学一年生のR君とK君も、離れた所からでも質問が出るようになり一つ進んだなと感じるようになりました。敢えて言葉を投げかけないところもありますが、本人がどうその問題を解決できるか、そうしたところを見守りながら進めております。

 昨日16日が舞台の初日となったT君のお母様がパンフレットを持ってきて下さいました。次回の講習でも机の上にパンフレットを置いておきますので興味のある方は手にとって見て下さい。

 正面斬り、斬割り、胴斬り、峰返し潰しをおこないました。とくに最後の峰返し潰しでは、精妙な身体各部の構造と初動における自らの体重を瞬間的に伝えることが出来るかが技の通りに関わっております。この技に関しましても5月に発売されるDVDに収録されております。

 今日はホームページの「生徒さんの声」にMさんを掲載させていただきました。昨年の1月から参加されておりますが、動きの癖が見えなくなり、この教室で得た身体の使い方になって来ているのを感じます。剣術や小太刀では時に驚くような動きを見せます。これからもさらに上達されることを楽しみにしております。

2019.03.17 Gold Castle

 
 明日はお昼から、双葉社の打ち上げと打ち合わせ、夜からはBABジャパンの取材が予定されております。今夜はこれにて、本日もお越しいただきましたみなさまありがとうございました!


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2019-03-18(Mon)
 

重力からの開放

 かなり昔にブログかなにかでマスクの利点について書いたことがあった。本来の目的である菌や花粉などの予防と飛散防止、それに冬は暖かいし保湿効果もある。役者の頃はマスクの中でブツブツと台詞の練習をしながら歩いていたし、現場に向かう際には滑舌の練習も出来た。だから当時は、マスクも白ばかりではなくもっとファッション性の高いいろんなカラーのものがあればいいのにと思っていた。

 近年というかここ一年の内に黒マスクをつけた人をよく街で見かけるようになった。しかし黒は印象が悪く、人によっては損をしてしまう。そして最近では黒以外にさまざまな色のマスクをつけている人を見かけるようになった。

 そこで私も先日PITTAマスクを購入。色はなるべく暗くないものを探したが、グレー、カーキ、ネイビーのどれも暗い色なので迷ったがネイビーを購入。明るい色は女性用でスモールサイズのため断念。

 さっそく自宅でつけてみたが、つけ心地がよく気にならない。パソコン作業用に眼鏡を掛けているが曇らない。手洗いできるのでコスパ的にも良い。今日の講習でつけていこうと思ったが、慣れていないせいかネイビーでも印象が悪く感じたので結局つけずに家を出た。

 白も販売しているらしいが、何度か選択しているうちに黄ばみが生じるらしい。だから店頭に置いてなかったのだろう。ネイビーで外出するか、白を探すか、通常のマスクにするか、平和なことで悩んでいる。


 さて、本日のGold Castleでは品川区総合体育館剣道場にて剣術クラスの講習をおこないました。

 今日は昨年の4月以来となったKさんが復帰されました。今年の2月に文京スポーツセンターでおこなった「剣術 特別講習会」で久しぶりに再会いたしましたが、生徒としては今日が復帰となります。2014年からの生徒さんですので男性陣の中では古い生徒となります。ご結婚されてお住まいが遠くなりましたが、私とのご縁を大事にして下さっております。これからも永くご縁が続きますことを願っております。

 昨夜は生徒のMariさんから、Eテレで日本の芸能、五代目坂東玉三郎さんの回がおこなわれており、「鷺娘」という演目から所作などをご紹介されておりました。何気なく身体を動かしながら観ておりましたが、そのうち手の動きや身体の軸に目が留まり思わず見入ってしまいました。踊りに関して「重力と開放」と言う言葉が印象に残りました。身体がフワッと浮いているかのような動きとも仰っておりましたので、その辺りにも武術と通じる身体の使い方があるものと思われます。

 講習では、小学五年生のK君と中学一年生のKちゃんが今日も早くからお越しいただき、角帯の締め方や入退室の礼の作法などをお伝えいたしました。仲の良いお二人ですので、互いの存在が勇気を分け与え、こうした大人だらけの場にも二人で徐々に慣れてくるものと思われます。

 今日は久しぶりに脚部鍛練稽古で「蛙」をおこないました。これは軽くおこなっただけでも筋肉痛になるほどピンポイントに効いてきます。そのほか、通常おこなっている「蟹の前歩き」や「雀」は、5月BABジャパンから発売されるDVDに私が詳しくやり方を説明しております。

 陰陽之太刀、陰陽之祓い、袈裟割り、陰陽之型をおこない、最後にまだ名前の無い新しい動き(胴斬り返しからの正面斬り)をおこないました。あっ…今の今名前が浮びました。かつて甲野善紀先生の脚足の使い方に「水鳥の足」という技法がありました。これは今とは違う構えに連なる足の角度からの運用だと思われますが、軸足に重心を置かず両足が水鳥のように水の中で器用に動いている様を表したものです。

 そうした技法は、先に述べた坂東玉三郎さんが仰っていた私なりの解釈が加わった言葉に変換いたしますと、「地球には重力があり、そうした中で浮いているように見せる動き、そして今の時代よりも遥かにいろいろなことを我慢し抑えて生きていかなければならない時代背景の中で開放できるもの、観ている人の共感を呼べる開放というものが踊りを通じて表現なされていたのだと思います。

 重力も然り、開放するには技術が必要です。浮き身をどのように使いこなすのか。身体の関節をどのように使いブレずに動くことが出来るのか。上体が縛られずに動くためには、それに繋がる下体が動きを止めてしまってはなりません。ですから両足のいずれかが軸足とならないように、重心をコントロールし床を蹴らないように一瞬の時間差をつけて両足をそれぞれ動かします。その床に足が留まっていない状態というのは床との接地圧が弱まっている状態であり、その状態を表現するには「浮いている」という言葉が理解しやすく、実際にはもっと的確な言葉があるように思われますが、言葉というのは、実際に正しく合っているかということよりも、暗号のように、身体への計算を促してあげる言葉のほうが稽古としては成り立つものです。

 思いついたことを思いついた順に書いていますので読みづらいと思いますがご了承下さい。

 「水鳥之太刀」

 これが的確な名前かと思います。

 
 今日も皆さんそれぞれ集中して稽古に取り組んでいただきました。

 この教室も空間が守られ成長してきました。ジュニアの生徒が増えてきましたのも、そうした空間に安心感があるからだと思います。過去を思えば、中学一年生で生徒になったK君は今年高校三年生になります。彼の成長を生徒達と一緒に見守ってきました。その成長が私にとりましても成長となり、次に生徒になる若い子達への指導に繋がります。興味があれば結果は自ずとついてきます。悪気が無ければ見守って行きます。私を観て生徒を観て自分の意思で気がつき行動に移せる事をこれからも見守って行きたいと思います。
 
 
 今日もお越しいただきました、生徒の山本祥子さんのサイトの絵が新しくなっておりましたので勝手ながらご紹介させていただきます。
 http://www.sachi-coll.net/

 前回の騎馬武者も素晴らしかったですが、今回も大変素晴らしい作品です!馬のシリーズは個人的にはもっと観たいです。ほんとうに素晴らしいです。

 
 明日は、深川スポーツセンターで講習をおこないます。殺陣クラスはいろいろ変更があります。剣術クラスが最後に「峰返し潰し」があります。前回の杖術でおこなった「お辞儀潰し」に通じる技です。初めての方はお楽しみに!

 スポーツ保険の更新、新規加入、抜刀術特別講習会のお申し込みもお待ちしております。今回も懇親会はキリンシティ大崎店です。今回は窓側の広い空間を予約しておりますのでさらに盛り上がりそうです。

 それでは明日もみなさま、楽しみにお待ちしております!(いつもですが、乱雑な文章ですみません。)


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2019-03-17(Sun)
 

淡々と積み重ねること

 自宅で入るお風呂は昔からぬるめを好んでいたが、今日は試しに肌がほんのり赤くなるやや熱めの温度にしてみた。

 とうぜん長湯は出来ないがなんとも言えない身体が待ち望んでいたような染み渡る感じがあった。全身の筋肉が緩んだような緊張が解けたような柔らかさを感じるものがあったので、今後は身体の状態に合わせて温度を変えようと思う。これは昔から思っていたことだが、どうして風呂の中というのはパターン化しやすいのか、あまり向上心をもって入るということは無い。風呂の時間というのはなるべく身体や思考に負担が無いように無意識のパターン化になってしまうのだろう。今後、温度だけは調整したい。

 
 さて、昨日水曜日の稽古記事から記したい。

 昨日は昼から渡部氏と品川区総合体育館剣道場で稽古をおこなった。

 Gold Castle でおこなっている立廻りに幾つか疑問点と確認事項があったので、1時間ほどその稽古に時間を費やす積もりであった。立廻りタイプⅠが終わってタイプMに入り、ひさしぶりの研究稽古ということで出るわ出るわ、自分でも驚くほど頭と身体に新たなものがストックされてあった。

 これは剣術や杖術にも共通しているが、間が空きひさしぶりにその事を稽古すると、途端に内側から出てくるのである。この事はもう以前から理解しているのであるが、意識している時間よりも意識していない時間の方が能力が高いということ。その意識していない間の処理を邪魔しないように他の事に専念してあげる理解があるか。そこがもう一人の自分というパートナーと上手く付き合って行く秘訣だと思う。

 強く関心を持ち続けていることや、情熱を持って取り組めるものであればこそ、やらない間にも脳のどこかが(優秀な部署が)手伝ってくれているように思える。しかし、本当はやりたくなかったり、結果のためだけに一生懸命取り組んでいるのであれば、果たしてやらない間に脳のどこかがその事に付いて考えてくれているかといえば難しいだろう。

 結果のためといっても、そこに人としてどうであるかがその後の人生に嫌でも付いて回る。結果はあくまでも結果であり全てではない、結果を通過点の一部としてその先の先にあるものを想像して人生を生きていったほうが今も報われるしその先も報われるのではないだろうか。今の今がその先の今になり常に今だけしかないのだ。

 
 立廻りタイプMの研究稽古に戻そう。

 まず、カメラアングルを以前は左斜め後ろとしていたが正面に変更した。

 次に、始まりの芯の歩数を七歩と決めた。それに合わせ冒頭の絡みの入り方も変更した。

 右足から歩を進めた芯の三歩目で絡みBが後方へ回り込んでいく。(絡みは斬られ順に芯から見て左から順にABDCとなる。)四歩目でAとCが交差し両側に位置する。(Aはやや間を開ける)七歩目で芯は足を揃える形となり、その瞬間に芯は抜刀(以前は鞘に手を掛けていたが、歩数を統一したため、七歩目と同時に鞘に手を掛け抜刀することにした)この抜刀の形も、より右半身を開き、Aに対し正眼の状態で左手が鞘を持ち、上体をCに対し捻ったような形とした。差し出した刀も以前と比べて少し相手側に突き出す形とした。そのため安全を考慮してAの間合いは若干余裕を取る事にする。

 絡みAとCは、芯の七歩目と同時に声を合わせて刀を振り上げることとする。以前は左側の絡みのみ声を出していたが、歩数キッカケに変更したことにより同時におこなうものとする。

 その後の、正面から斬り込んで来る絡みDに対しては以前は体捌きで交わしていたのを、剣で払うこととし、続く後方からの絡みBに対しては交わさずに回転しながら受け流すことにした。その流れから絡みCに対して小太刀のように刃を頭上に左手を峰に添えて構える形となり、次に後方から声キッカケに斬り込んで来る絡みAに対し、これまでは下がりながら二度払っていたが、これを変更し、芯が前に一歩出ながら一度払った後胴斬り返しをおこなう。この胴斬り返しは講習で何度も練習してきたが、先週の講習で私もいろいろと思案したが、足捌きを小さくし切り返し速度を上げることにした。これにより、苦労されていた生徒も切り返しはやり易くなるだろう。

 そうして斬られた絡みAはこれまで前に進みながら倒れていたが、ここは芯の足運びを抑えたため、Aは後ろ側へ倒れることにした。Aが後ろに倒れていくことで、次に斬り込む絡みBもタイミングを取り易くなった。以前に比べてこの辺りの連係は芯の足運びを押さえたことで、胴斬り返しの速度が上げやすくなっただけでなく、絡みA、続くBの斬られる位置取りと動線が確保しやすくなり全体的に向上した。

 その後のDとの鍔競り合いはこれまで通りとなり、続くCへの斬り上げから胴斬りの際にこれまでは、上体の操作のみでおこなっていたが、胴斬りの際に右足を左にスライドさせ、絡みDはやや右回りに回りこむ形となる。そうすることで、カメラに対しタイプⅠのような最後のアングルが取れるようになった。動きも同様に払い上げからの真っ向~突きという、バレずに見栄えの良い角度でおこなえる。最後のDに対する斬り込みもアイデアがあったのであるが、既に時間が2時間15分経過しており、退出時刻まで残り15分となっていた。

 これには私も相当驚いたが、考えに考えて動きを変更したのではなく、以前の動きを合わせたのち直ぐに今回の動きがその都度出てきたので、急いでドンドンやっているうちに嘘のような早さで時間が経ってしまっていたのである。寝かせていたので、何か動きが出てくるかとは思っていたが、ほぼ全てにおいて向上すべく変化が起きた。今回は立廻りの研究稽古のみとなってしまい渡部氏には申し訳なかったが、おかげでタイプMは生徒達にも気に入ってもらえる動きとなったと思う。このタイプMのMは「みんなが出来る」という頭文字からMとしたが、初期の動きからかなり手数が増えたので「難しい」のMとも言われてしまいそうだ。だが、やはりみんなが出来ないといけませんので、人に合わせて難しい箇所は手数を減らして対応できるように考えております。


 そして本日木曜日は、夜から江東区スポーツ会館で渡部氏と稽古。
 
 昨日は、予定していた剣術が出来なかったので、私も汗をかいているのを忘れてしまうほど集中した。

 剣術では一昨日火曜日、早朝クラーチ剣術教室に向かう電車の中でフッと頭の中に浮んだ動きがあった。

 それは胴斬り返しからの正面斬りである。足運びが最初から最後まで浮きっぱなしとなり、左に一瞬重心を傾け小さくスライドしたのち前後の足が入れ換わり再び前後が入れ換わるといったもの。問題は、左手手の内がイメージ通りになるかどうかであったが、今日初めて実際に操作してみてイメージ以上に左手手の内に張り付くような感じで正面斬りへと移行出来た。この動きの心地良さは想像通りであったが、左手手の内の張り付きというか、正確には手の甲側への接触が大事なので、手の内ではなく手の外と言った方が伝え易いが響きがイマイチ合わないので、今後は何か別の言葉が浮んだらそちらを採用したい。 

 陰陽之太刀、陰陽之祓い、陰陽之型、そして今度の新しい胴斬り返しからの正面斬り(まだ名前は決まっておりません)これらをやってみて気が付くことは、左手手の内がいかに重要な仕事をしているかということ。緩める、締める、外す、入れる、巻く、返す、動きに合わせ目まぐるしく動き続けている。こうした手の内の複雑な操作には杖の稽古が大きく関係している。それだけ手の内が複雑に変化するということは、手の内だけに非ずそこに繋がる前腕上腕、肩甲骨、広背筋から腰までこの辺りの動きにも当然繋がっている。動きにおける心地良さとは、連動した身体各部の働きが、無理なく、滞りなく効率良く実感出来たときに感じられるのだろう。しかしそれは、身体の段階が上がってくれば、いつまでも心地良い訳ではなく、それどころか違和感に苛まれ嫌気が差してしまうのである。そこに改善の余地が隠されているのであるが、そうしたことを繰り返し進展していくものであり、稽古とはそのように意識しておこなう必要がある。

 変更した「劉之構」から「劉之型 月」と「劉之型 霧」をおこなった。月に関しては、これまで一段~三段まで突き入れていたが、今回おこなってみて二段までとした。そして霧に関しては、少し斜めに傾けた剣先でも問題なく対応出来た。興味深かったのは、最後の抜きである。これまでは後方に下がりながら足を差し換えて前方へ踏み入れていたが、相手の斬り込む進入角度によってはリスクが生じるため、左へと移動しながら差し換えて斬り込む形となった。これは剣先を右斜め上に傾けた事で、左に移動し易くかつ受ける影抜きとでもいうべきか、相手にとって打ち落とし頃の角度に剣が構えられているので、相手は袈裟に打ち落とそうとするそのギリギリを影抜きの感覚で構えた状態から支点を上げつつ脚部との連動により、「これは技とは言えない簡単すぎるものだなぁ」と思ってしまうほど効果的であった。甲野先生の技である影抜きは、私も研究しながら「かざあな。剣術編」でも使わせて頂いておりますが、「受けの影抜き」として、劉之構は新たな動きを導いてくれている。

 最後は抜刀術を幾つかおこなった。

 あらためて抜刀術稽古では手の内の感覚が研ぎ澄まされるものであり。その後木刀を持った際には、ちょっと違うものを持ったような、不思議な把握感というか柄から切っ先に至るまでの感覚が、抜刀術をおこなう前と後では同じ木刀でも全く違うものを持っているような感覚である。そうした精度を高められる稽古を淡々と積み重ねて行くことが重要だと思うし、淡々とおこなっているからこそ、今に執着せず先に進む準備が整っているのだろう。未熟ながらも、少しずつそうした受け皿というか入れ物のような全体における意識は変わってきていることを感じる。これからも淡々と出来るように、入れ物を大きくしながら段階を踏んで今を生きていこう。


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2019-03-15(Fri)
 

乍力を育てる

 本日の「クラーチ剣術教室」では、「乍力(ながらりょく)を育てる」ということの大切さをお伝えいたしました。

 社会問題になっている歩きスマホは人に迷惑を掛ける「ながら行為」でありますが、大草原や人とぶつかることなどまず無い広野であれば、歩きスマホは当然の行為となるでしょう。よって人に迷惑を掛けないという前提の下での「ながら行為」は、その環境における効率を求めた行為といえるのではないでしょうか。

 料理を作りながら洗濯もし、テレビで情報を入手しながらパソコンで作業をおこない、スマホでメールやLINEをする。そんな日常のながら行為も効率を考え、なるべく時間を無駄にしないように、仕上がりのタイミングや段取りを考えて手順良くおこなえると時間の有効活用となります。お子さんがいるともっと「ながら行為」を効率良くしなければ何かを妥協して諦めなければなりません。

 今日の講習では、乍にいたるまでの自己流の覚え方をシンプルに考えるようにお伝えいたしました。そうした抜き出しの一部分は動きとしていたってシンプルなのですが、乍で出来るためには覚え方が大事になります。

 これは、クラーチの生徒さんに限ったことではありませんが、私の動きを目で見てそれをなぞっておこなったり、鏡を見ながら目で確認して何度も繰り返している人は、乍が苦手です。

 それは常に乍でなく、目で見たところだけを意識しておこなっているため、目が幾つ合っても足りないような情報量になってしまうと今まで出来ていたことも乍経験が無いため途端に出来なくなってしまうのです。

 これは、初期の頃の覚え方をどこかで刷り込まれてしまった可能性も高いと思います。

 目というのは集中を集めやすいものですので、目ばかりを使ってしまいますと、見えているところ以外の意識が薄く気がつかない、いや気がつけない状態に陥ってしまうのです。

 乍は五感を働かせながら、一つ一つの覚え方を目でなぞるのでは無く、自己流のニュアンスを用いて感覚的に覚えるのです。なぜ自己流かといいますと、人それぞれに生活スタイルは違いますし性格もこれまでの人生経験もさまざまですので、そうした経験値からシンプルな動きに対するベストな覚え方を五感の中から感覚的に用いるのです。

 覚えの早い75歳のSさんは、最初は出来なくても出来るようになった瞬間に「あら、これだけ!簡単ね~」と仰るのが決まりなのですが、それは、覚え方のコツを感覚的に掴めている証拠といえます。簡単なのでは無く、簡単に思える覚え方をされているということです。

 そうした、簡単に思える覚え方を一つずつ増やして行くことで、乍でも出来るようになって行きます。ですから、動きの組み合わせが増えたり、相手が目の前に付いた場合でも、情報量に惑わされること無く乍で覚えたものは、単純化した手順の一部となって整理されておりますので、さまざまな動きとの組み合わせが可能になって行きます。乍ですので相手を観察することも出来ますし、その相手に合わせてあげたり外すことも出来るようになってきます。

 そうした相手を観察する眼を養うためには、「乍力を育てる」ということであり、乍力を育てるということは、部分的な覚え方に目を使わず五感のどれかを用いて感覚的にこれまでの経験等を踏まえて自分なりのニュアンスやイメージで感じるということです。

 そうして育った乍力は、とうぜん仕事や活動の進行、組織の運営などに活かされていきます。把握力が格段に増えるということですので、相手を尊重する気持ちの余裕も生まれるでしょう。自分の事しか考えないと言われ、自分ではそんなつもりはないのにと悩んでいる方は、乍力を育てることをお勧めいたします。見えているものだけに集中が奪われてしまいますと、乍にはなり難いですし、気がつかなければならない見えない部分に意識が向かないことになってしまいます。

 クラーチ剣術教室の場合は、「可動域の向上」と「体幹強化」を当初から目的としておりますが、今後はあらためて「乍力を育てる」という事も謳って行きたいと思います。

 もちろん、他での稽古や講習でも、乍力を育てる必要性をときに言葉で説明することもあるかと思いますので、目を使い過ぎる稽古の弊害として今後は伝えて参りたいと思います。


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2019-03-12(Tue)
 

「抜刀術 特別講習会」のお知らせ

 2019年4月6日(土) 品川区総合体育館剣道場にて抜刀術の特別講習会をおこないます。

 居合刀で抜刀術の稽古を集中的におこないたい方や、抜刀術独特の身体感を得るために、二時間抜刀術と納刀法をおこないます。(鞘付木刀も可)

 この特別講習会では、現在私の稽古としている抜刀術や納刀法をお伝えして参ります。その中から参加者の方々に合った稽古法をお伝えしていきたいと思います。(初心者の方でもおこなえる内容があります)


2019.04.06 抜刀術 特別講習会
(写真はBABジャパン制作によるDVD撮影の一コマ)


【開催時間】
15時00分~17時00分 『抜刀術/納刀法』
18時00分~20時00分 『懇親会』

【会場】
品川区総合体育館 剣道場


【参加費】
講習会 3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「帯・居合刀の有無」(鞘付木刀でも構いません) 
上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
2017.1.17 抜刀術映像


2019-03-11(Mon)
 

安心できる居場所として

 本日日曜日は深川スポーツセンターで講習をおこないました。殺陣クラスでは体験参加の方がお二人お越しになりました。その中でも8歳のUちゃんは今日が二回目の参加となり、前回一回目の受講の様子を拝見して「次回もお越しいただけるようでありましたらお待ちしております。」とお母様にお伝えいたしました。

 習い事や学び事で大事なことは、本人が自らの意思で必要としているか、或いは強い興味を持っているかが重要です。自らの意思でない行動は集中力も保てませんし長続きいたしません。それは本人のみならず周囲にも悪影響を与えてしまいます。

 このところ中学生以下の生徒や体験参加の方が増えて参りました。私が観る限りその全ての方は自らの意思で熱心に取り組んでおります。強い興味であったり、仕事に必要であると真剣に身につけようとされております。

 そうなりますと、甘えというものはまず出てきませんので、大人と一緒におこなっても互いに稽古が成立いたします。私の望みは、むしろ逆に若いジュニアの生徒が大人を引っ張っていけるほど成長して頂きたいと思いますし、そのようになるような予感もしております。

 子供の眼はいいものです。だから見守ってあげなければなりません。言葉で伝えるのは難しい年齢だからこそ眼を見て判断しなければなりません。そうした直接的でないやり取りの中で信頼関係が生まれ徐々に直接的な話が出来るようになってきます。そういう意味では殺陣のように、相手とのやり取りの中で上手く出来るように協力して一つの形を成し遂げるという、具体的なルールの基で学べることは沢山あります。

 殺陣クラスでは先日立廻りの映像を生徒限定で公開いたしました。今後はそうした映像に出ることを目標に稽古に取り組まれる生徒達も増えてくると思います。舞台公演やイベント出演ですと、やはり殺陣集団としてチームで普段から活動しなければなりません。ですので皆が一同に稽古をしながら、教室として講習に影響なく成果を発表するには映像に収める事が理想と言えます。

 それには私だけでは出来ませんので協力してくださる専門知識と技術のある方の存在が不可欠であります。Gold Castleの良いところは、さまざまなジャンルの方が生徒にいらっしゃることです。私はこれからも適材適所でその人の能力が発揮されるように務めて参りたいと思います。

 
 杖術クラスでは、昨日特別講習会でおこなった「風鳴」をおこないました。寄車からの横払いがこの動きの特徴であります。最後におこなった「お辞儀潰し」では久しぶりですが盛り上がりました。これは精妙であり背中の繋がりと腿の引き上げ、中丹田の移動、さまざまに検証していく様が面白いところであります。技が通った瞬間ほど接触部への痛みが無く、気持ちの良い抜けが身体の中を駆け抜けて行きます。

 
 忙しさやお仕事の事情で長く参加出来ていない生徒の方々とも時々連絡はいただいております。こうして長い期間お会いしていないにも関わらず先生として思っていて下さる事はありがたい事ですし身が引き締まる思いがいたします。成長ということを考えますときに、こうした思いに対する感謝の気持ちが一つの何かを芽生えさせ心に刻まれていくのだと思います。私がGold Castleの立ち上げ当初から考えておりますことは、「変わらない空間であり続け、いつ行っても同じように安心してその場に居られる場所を目指したい」というものです。

 技や動きは変わるけども、その場の空間や存在そのものは変わらない。そしてそこに集う人たちの雰囲気も変わらない。その変わらないことで、今来ている人、久しぶりに来た人、ご縁がふたたび繋がった人、それぞれの想いの中で救いになるものがあれば私にとりましてもこれ以上無い継続のエネルギーとなるのです。

 
 あらためて、私自身も生徒の皆様に救われていると痛切に感じますし、このような生き方に出会うことが出来て本当に良かったと思っております。今苦しい日々を過ごされている方も、人の出会いから思わぬ行動力が発揮され展開が拓けて行く可能性もあります。ですから周囲に合わせなければならない環境でも心の奥にある核の部分はいつかのためにしっかり保ち続けておくことです。世の中は目に見えぬ部分でも地殻変動のように動いておりますので、思わぬ展開が訪れた際に保ち続けたものが失われていなければ苦しかった人生が変わるものと信じております。

 
 生徒のMariさんのブログに、先日放送された「歴史ヒストリア」の記事が書かれてありましたのでこちらにリンクさせていただきます。いつも心温まる記事を書かれておりますのでチェックしてみてください。
 HEY!WAO!メンバーブログ

 今週もみなさまありがとうございました!


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2019-03-11(Mon)
 

杖術 特別講習会 盛会となりました

 本日の「杖術 特別講習会」では11歳から75歳まで幅広い層の方がお越しになりました。前回の剣術特別講習会や杖整体操にもお越しいただいたTさんは鎌倉からお越しいただいております。おかげさまで杖術の特別講習会としましては過去最多の参加人数となりました。あらためてお越しいただきました皆様にお礼申し上げます。

 
 講習では、「風鳴」を始めにおこない常連組のみなさまでも今までにない動きの組み合わせに苦労されておりました。横払いの際に「ブンッ」と風を切る音が鳴ることから技の名前としております。これは、実戦の動きではなく体捌きと手の内の技術を一致させて動くことを目的としたものです。準備運動をしなくともこうした稽古は身体を動ける状態に整えてくれます。

 今日の目玉はやはり「玉簾」(たますだれ)となりました。玉簾は突きの形が南京玉すだれを連想させるものであったためにこの名前にいたしました。

 この玉簾に突くというのは、一挙動少なく払いから突きに繋げる動きであり、払い突きとも言える軌道になります。

 次におこなった「透かし玉簾」はユニークな技でもありますが、間合いやタイミングを間違えると足を打たれてしまいますので緊張感のある技となります。私自身も考案してまだそれほど経っておりませんのでまだまだ精度を詰めて行かなければなりません。実戦型の「玉簾」「透かし玉簾」は今後出番が増えてくるものと思われます。

 最後は「渦潮」(うずしお)をおこないました。

 渦潮は下側の手で相手が下段に打ち込んできた杖を払った瞬間、そのまま持ち替えながらさらに下段を突いてきた相手の杖を払う動きとなります。手間が掛かると思われる左右の持ち替えが、実は素早く払うためには重要な操作となります。

 そうした杖を円に回転させる名前はこれまでにも幾つか採用しておりますのでなかなか名前が決まらなかったのですが、型に於ける玉簾との動きの共有部分から、「玉簾に突く」或いは「渦潮に払う」という言葉の嵌り方から渦潮を採用いたしました。


 初心者の方々には幾つかの単体技をおこない、続いて「杖主転廻」(じょうしゅてんかい)そして最後に「二十連円打」をおこないました。

 単体技は、最後の二十連円打に入っておりますので、丁寧におこなう必要があります。元々はこの単体技が稽古としては深めていかなければならないものであり、それらの応用として二十連円打や三十連円打があります。シンプルは動きほど深めて行く事で、全ての動きの基盤が変わることがあります。応用の幾つか繋がった動きというのは、見た目には派手ですが基盤を変える稽古にはなりません。ですので稽古では基盤を身に付ける稽古と、それらを応用して動く調和の応用のどちらも必要な稽古です。

 杖主転廻では、時間にすれば5秒~7秒程の動きですが、杖の動きを妨げることなく、杖を主体として身体が沿うように動いていかなければなりません。そのためにはなるべく杖の回転軸を変えないことと、一旦動き始めたらその力感は最後まで変わらずに流れるように動き続けていかなくてはなりません。人間が杖を操作するというよりは、杖の決められたルートに人間側が動かされていくというような感覚です。すなわち「杖主転廻」とは、杖を主体に転じて廻るという意味です。

 最後の二十連円打は、今日はみなさん十一番目~十四番目まで進みました。鎌倉のTさんは初めてでしたし、ペンちゃんことFさんは今日が二度目の杖術でしたが黙々と十一番まで出来るようになりました。そして11歳のK君と13歳のKちゃんは共に十四番まで出来ました。2時間+15分の講習を最後まで集中して取り組むことが出来ておりました。好きなことや興味のあること、そこにある出来る部分と出来ない部分の狭間から何を考え得て行けるか。子供達の学びは、私が大人の生徒達へ接する対応からも自然と吸収しております。ですので、Gold Castleの生徒の皆様ですと安心して子供達の心が育っていくものと私は確信しております。

 
 講習後は、会場から徒歩5分以内にあるキリンシティ大崎店へ。

 今夜は私たち以外にも予約の団体が入っており店内は満席で賑わっておりました。個室で8名用の部屋に10名で予約。これまでずっとファミレスで懇親会をおこなっておりましたが、やはり盛り上がりがワンランク違いました。単価の心配をしておりましたが、やはりそのぶん総合的な質が高いので、また次回もこちらにしようかと第一候補に挙がっております。

 真面目な堅苦しい話題にならないし稽古や技の話もほとんど無し。

 これが関西での懇親会との大きな違いであり、関西では生き方や稽古への考え方技についてのお話など、私も油断が一切出来ない稽古となる時間でもあります。そこはやはり、数ヶ月に一度お会いするのと、毎週お会いしているのとの違いであろうかと思いますが、私が懇親会では聞き役になることが多く、そうした日常のお話を楽しんでいるからだと思います。

 これまで懇親会の写真は掲載しておりませんでしたので今回初めて撮っていただきました。沢山撮っていただいたのですが、意味不明の謎の写真が多く(ペンギンです)後から見るとシュールなため三枚にいたしました(笑)。

2019.03.09 杖術 特別講習会①

2019.03.09 杖術 特別講習会②

2019.03.09 杖術 特別講習会③


 さて、明日は(もう今日ですが)深川スポーツセンターで13時20分より講習をおこないます。明日も体験参加の方が複数人いらしゃる予定です。天候が下り坂ですが明日も賑わう講習となるでしょう。みなさまお楽しみに待ちしております!


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2019年3月 武術稽古日程

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2019-03-10(Sun)
 

新時代に向けて

 明日の「杖術 特別講習会」は、おかげさまで定員とさせて頂く事になりました。懇親会もお店の座席ギリギリの人数になりましたので、かなりの賑わいを予想しております。

 昨年10月に配信したWEB動画「かざあな。杖術編」により、興味を持っていただける方は増えてきているように思われます。今年2月には「剣術編」を配信し、春には「抜刀術編」も配信予定です。5月にはBABジャパンから昨年11月に撮影したDVDが発売予定となっており、それに先駆けて「月刊秘伝」という武術雑誌に特集が組まれる予定です。現在その取材についての日程調整をおこなっております。

 1月14日におこなった「立廻り特別講習会」の一般公開用の映像も同時期配信となりそうですので、今年の春、つまりは新しい元号を迎えるにあたってさまざまなコンテンツが公開されていきます。

 そのほかにも別件で企画されているものがあり、これは私にとってとても大きなものとなりそうですので、新たな時代を迎える中で自然の流れに沿いながら、これまでとは異なる景色の道程に入って行くことになるかと思われます。


 告知のお知らせです。

 関西特別講習会で世話人を務めて下さっている川原田喬生氏からの紹介で、講習会にもお越し下さいました有田亜希子さん(声楽家・ボイストレーナー)が3月30、31日「声の地図を作るin横浜」と表したワークショップを開催されます。

(以下引用させていただきます)
既に声に親しい人も、声を敬遠したい人も。ご自身の声を知ってください。
①ざっくり知る会、②より細かく沼に踏み込む会、③個人レッスン、の3本です。
講師:
有田亜希子 (声楽家・ボイストレーナー)
相愛大学音楽学部声楽専攻卒業。在学中よりバロック音楽を中心に学び、卒業後は16世紀のマドリガルやリュートソングを中心に各地で演奏活動を行う。練心庵のほか、海運堂(神戸市)でもボイストレーニング教室を開講している。合気道初段。
(詳細はこちらのサイトに記されております)
甲南発声研究所



 かく言う私もアフレコの経験があり、自分の映像に声を合わせたり、怪人の声を自ら研究した声で吹き替えしたり、このときは録音部屋の外から主演の方が防音ガラス越しに喜んで親指でグッド!とサインしてくれたのを覚えております。ちなみに作品名は秘密です。観ても声だけの出演ですので(笑)。

 それでは、明日もみなさま15時から品川区総合体育館剣道場でお待ちしております!


2019年3月09日(土)「杖術 特別講習会」のお知らせ定員となりました)

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2019-03-08(Fri)
 

一人稽古は全ての元

 就寝時刻がふたたび3時を過ぎるようになってきた。体内時計がずれてしまったらしく、2時に布団に入っても一時間は眠れない。以前であれば大抵20分あれば眠れていたのだが、身体あっての生活なのでもう少し気をつけようと思う。

 今日はGold Castleの6月講習会場が全て確定した。土日すべてを押さえる事が出来た。毎年毎月会場予約には神経を使わされるが、これまでに大きな問題なく安定開催を続けられている。しかし、来年2020年7月上旬~9月上旬まで品川区総合体育館がオリンピックにともない利用できなくなるため、その間は深川スポーツセンターや戸越体育館もしくは文京区での開催となるだろう。不安なのは、他の施設も利用出来なくなってしまうと別の手段を考えなければならなくなってくる。尤もこうしたことは私だけでなく他団体の主催者も気になっているところであろう。

 3/9(土)の「杖術 特別講習会」も迫ってきました。今回は講習会&懇親会ともに賑わいを見せるお申し込みとなっております。講習会はあと二名ほど受け付けております。懇親会ではいつものファミレスとは違いますので今回写真を撮ろうと考えております。(忘れていなければ…) 

 講習会の内容は何度かお伝えいたしましたが、常連の皆様には全て新しい内容のものをおこないます。経験の少ない方には基礎的な操作法から最後は十五連円打をおこないたいと思います。

 このところいろいろなご連絡を頂くようになり、淡々と最善を尽くすことがこれからの私の在り方として望ましいと感じるようになった。時代が変わり世相も変化する。さまざまな情報にいつしか惑わされてしまわないように、自分自身がどう変われるのか成長していけるのかを考える必要がある。

 
 今日は江東区スポーツ会館で渡部氏と稽古。私は早めに会場入りし40分ほど抜刀術を稽古した。まず、納刀について細かな手の内の使い方が解った。私がおこなっている「峰返し納刀」は甲野先生がおこなっていたものを参考に2013年頃からおこなっている。今日あらためてこの納刀をやってみて、説明がし難い手の内の操作であることが解った。どうして今頃解ったのかと言うと、そもそもこの納刀法をおこなう者がいないので、あまり細かい部分まで伝えるに至っていない。渡部氏がこの稽古会で長く稽古しているがそれでもまだ苦労されている。気がつけば6年、私自身もまだまだこの納刀法の技術を高めるには至っていないと感じているが、今日は手の内が無意識の内にどうおこなっているのかを観察してみるとなかなか面白い発見があった。

 この「峰返し納刀」は、刃を180度回転させながら切っ先が一気に鯉口へ飛び込むような納め方である。私も6年やってきて、手の内が「パチン」となることが無駄な力を使わない感触であり、その「パチン」がどのようにおこなわれているかはこれまで感触でしか意識していなかったが、今日は第一関節、第二関節、などの動きや親指の抜き具合など、「ああ、そんな風にやっているのか」と我ながら手の内に教えてもらった。

 抜刀術では、開始20分で全ての感覚が戻ってきた。あらためてこの感覚の世界は実践稽古でなければ得られないものである。集中した一人稽古は全ての稽古の元になっている。これから先どのような忙しさが訪れても一人稽古が確保出来なければ私は私で無くなってしまう。

 「稲妻抜き」に進展があった。柄を取りに行く右手の使い方が「柄を噛む手」となり、その感覚が身に入ったことで構えが僅かに変わり、これまで稲妻抜きでは柄を噛まずに、右手の中に柄を送る「柄の送り」をおこなったのち鞘を送っていたのであるが、この柄の送りが極々小さくなった。そうした初動の速さにともない。全体のバランスも自然変わる事になった。沈み込む動きが僅かに速くなり、その結果右腕を伸ばさなくとも、体の沈み込みにより、右手が下から回りこむようにまたが刀身の中心部が支点となるように瞬転させることが出来る。

 「巴抜き」では、渡部氏に映像を撮っていただきその場で確認したが、どうにも強引になっているような感じがあり、映像を観てもあまりの出来の悪さにこの技のやる気を失ってしまった。

 エネルギーとしては初動から斬り下ろしまで今までに無く発せられているのであるが、どうにも無駄な何かが転じる際の邪魔をし、それが何故なのか帰りにもそのことが頭から離れなかった。電車の中で渡部氏が以前の私の構えと抜き方をアドバイスして下さったおかげで「そうか!この技は身体を纏めずに柔らかく可動域を使うことで抵抗が少なく転じることになるのか!」ということで、浮き身と柔らかさがこの「巴抜き」では重要であることが充分に検証稽古をして納得したかの如く、その言葉だけで充分に得ることが出来た。

 杖術でも土曜日におこなう講習会の「風鳴」「玉簾」「透かし玉簾」「渦潮」を確認し、そのいずれも興味深い身体の使い方であり私が今もっとも夢中になる稽古である。

 剣術では「劉之構」に若干変更があり、正中線上に剣を立てていたが、切っ先が正中線上となり、鍔元は左側に寄せる構えとなった。このことで、左肩の隙が押さえられたことと、右足の開きが少し抑えられるので構えが以前に比べると楽になった。次回は型稽古でも試してみたいと思う。

 今日も集中した良い稽古となった。さて時刻も2時を回ったので今夜もそろそろ眠りにつこう。


2019年3月09日(土)「杖術 特別講習会」のお知らせ定員となりました)

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2019-03-08(Fri)
 

人が集うことでクリエイティブなものが生まれる

 今夜はNHK総合で22時25分~「歴史ヒストリア」を観ました。ドラマ部門で安藤百福役を演じられた佐藤誠さんを観たかったからです。佐藤さんのお人柄をあらためて安藤百福役という形で感じとることが出来ました。

 役者さんの魅力とは、技術的にフリを演じる事よりも、その人柄がそのまま役を演じたらどうなるのか?というところに役者としての魅力を感じ、人としての生き方がそこに表れるのだと思います。益々のご活躍と発展を心より楽しみにしております。

 昨夜遅くに1月14日におこなった「立廻り特別講習会」の映像をGold Castleのホームページで視聴出来るようにいたしました。こちらの映像に関しましては、生徒限定での視聴となりますのでYoutubeを限定公開とし、さらにホームページからは新しく変更したパスワードを入力しなければ視聴出来ないようになっております。

 撮影時の様子からここまで仕上がるとは参加された皆さんは驚かれたかと思います。私も素人なりに、映像のイメージをNさんにお伝えし、事前に会場を借りてテスト撮影をおこないました。そのテスト撮影が全体の雰囲気としてカット割を少なくし動線を明確にし、出来ることと出来ないことを確認し、本番当日スムーズに進行することが出来ました。

 最初の打ち合わせは新宿の喫茶店でNさんと待ち合わせし、私もNさんも互いの携帯電話の連絡先を知らず(笑)、知っているであろう人に何人か連絡したという事も今では懐かしく感じます。

 喫茶店では、ノートパソコンにて、以前固定カメラで撮影した映像を細かく、引きの映像、寄り、切り返し、などさまざまにイメージしたカットを口頭でお伝えしたものをNさんに記録していただき、私が紙に進行資料として纏めましたがテスト撮影では細かく区切っていたカットを試すも、「Nさん、これやっぱり全部繋げましょう!」となり、考えていたアイデアを捨ていろいろ勉強となりました。

 これは人それぞれであると思いますが、一番は動きの美しさとテンポを構成で纏めること。二番目はカメラからバレたり被ったりしないための動きを加え手直しを図ること。三番目は撮影時の背景に余計なものが映り込まないようにすること。四番目は動きの中でベストアングルを探ること。(これは経験がものをいいます)

 こうしたことを踏まえながら極力小手先の演出を入れずにカット割を少なくすること。そういたしますと、自然と撮り続ける事が出来る場面と、一旦別カットから撮らなければならない場面が明確になってきます。撮影の専門家にすれば極々当たり前過ぎると思いますが、なるべくイメージしたものを形にするためには、動きを考えそれを伝え全体をイメージし映像に残すことが私にとっては大きな経験となりました。カット割が増えますとどうしてもそちらの意図に気持ちが持っていかれますので、その意図を感じさせるよりもなるべくワンカットでおこなうことをこれからも考えております。そのためには、なるべくカットを割らずに動きの構成を考えるアイデアと、それを実現させられる体捌きと剣術に通じる剣技が求められます。少なくとも今回の映像は参加された方々や視聴された方から絶賛いただいております。

 映像では、ノーマルのものから、少し暗めにしたもの、劣化したフィルムのイメージでエフェクトをかけたものなど数種類Nさんが加工したデータを送って下さり、それらを見比べてベストなものを選択いたしました。ノーマルのものや少し暗くした映像ではどうしても剣道場の雰囲気が強く感じられ、木刀と刀音SEの違和感などからあまり目がチカチカしないものを選びました。

 SEでは、NさんがほとんどのSEを探してくださり、空振りする音は少し変更していただきました。絡みが倒れる音も私が探したものを入れて頂いたのですが、これはマッチせずに自然音が良いと判断いたしました。SE挿入のタイミングの難しさは大変だったのではないかと思われますが、映像から妥協のなさが伺えます。

 音楽は私が三味線に限定し数十曲の中から映像に重ねて聴きました。やはりフリー音源の中からですと探し出すのは難しく、似たような曲は多いのですが、こればっかりは映像と重ねて観なければ判りません。そうした中で無料ではありませんでしたが、曲調と映像のマッチしたものが一曲だけありましたので3分ちょっとの曲をNさんにお願いしてダウンロードしていただきました。

 映像は一人1分30秒ほどでしたので当初は音楽をフェードアウトで終える予定でしたが、Nさんが幾つかのバージョンを映像データで送って下さり、途中をカットして曲の終わりを挿入するという私が想定していなかったアイデアを発揮して下さいました。曲の終わりも映像にマッチしておりますので、この音源は今後も使用したいと考えております。

 参加された方にお送りしたデータは、その方が芯を演じられたものだけですので、映像は1分30秒程だと思います。途中で音楽が半分ほどカットされていることに気がつかないのではないかと思える仕上がりです。各人に送らせていただいた1分30秒位のデータでは、三番目に演じられたMさんの最後の袈裟斬りが偶然にも音楽の終わりと重なっており「これはいい!」と私も安易に考えてしまい、「音楽の終わりを(三味線のテンテンテンの最後のテン)最後の袈裟斬りにドンピシャで合わせていただきたい。」とNさんにお願いし、「難しいと思われます…」と一旦仰られたものの3パターン作っていただき、その映像を確認したところ「ああ、これではやらない方がいいですね。」ということで終わりのタイミングより繋ぎのタイミングを優先していただきました。これもおそらく繋げる箇所を探すのにご苦労があったと思われます。(ほんとうに、加工をしていない曲に感じますから)

 そのほか細かい点では、字幕の表記方法と始めの三味線の入りと芯の寄りへのカット割のタイミング、納刀後のフェードアウトまでの時間など、当初は納刀時の鞘に刀が納まった瞬間にスローモーションをかけて余韻を演出しようと考えておりましたが、完成間際頃にノーマルに戻していただきました。

 ホームページに掲載した全員分11分39秒のロングバージョンでは、時間的に調整出来る可能性がありそうでしたので、最後のWさんが演じた袈裟斬りと音楽の終わりを合わせていただくことが出来ました。これも大変であったと思いますが御見事でした!

 最後に音源を加工した際のオンライン上での使用についてあらためて運営会社に問い合わせ了承をいただくことが出来ましたので、参加された皆様に個別にお送りいたしました各個人用のデータ(ホームページのロングバージョンは視聴のみとなります)はオンライン上で配信可能となります。今後も時期を見ながら、生徒の皆様が成果を確かめ作品として楽しめる映像を作成したいと思っております。


2019年3月09日(土)「杖術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

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2019-03-07(Thu)
 

目まぐるしさに感謝

 今日はひさしぶりに気持ちのいい天気であった。昨日月曜日は、夜から神保町にある「神田すずらん館」で後藤氏と稽古。その後、稽古着のまま電車に乗って松聲館で甲野善紀先生と稽古。半月ほど前に伺った際に「郭息法」が生まれたが、すでに次の術理へ進まれている。重心の伝達法やエネルギーの伝達法など、先生のように出来はしないがそれを受けさせていただくことは、後の稽古で必ず活きてくるものとなっている。飾りを取った会話というか、そのことのみに思考が向かえる稽古は私にとってもっとも安心出来るものであり学ぶべきものがあります。

 22時過ぎに先生の元へ伺い上着を脱いで直ぐに稽古。駅から走って行ったので身体はすでに温まっており、先生のまだ名前の決まっていない術理を受ける。ゆっくりで強く、人間と言うより生物としての自然さを追求されている世界にいつもながら圧倒されっぱなしでした。

 体術、剣術、さまざまに受けさせていただきました。嬉しかったのは先月考案した剣術「劉之構」を先生に「工夫されましたね。」と仰って頂いたこと。打突に対する防御から攻撃へ移る構えであるが、剣先を立てているため先生に巻き落としで対応されてしまいました。相手の起こりが察知しやすい場合、抜き技で対応する動きも考えておりますが、昨日は右足前と左足前での耐力の差を体感できました。やはり払いに関しては左足前、受けや強さに関しては右足前という現時点での感触です。

 最後に先生の動きが突如変わり始め、今は出来なくても、重要な操作法というのを垣間見た気がいたします。こうした稽古で学び感じとったものは、私のなかでも大事に育て還元していけるための一人稽古が欠かせません。私にとっての一人稽古は、私の門人や稽古生がその場に一人も居ない環境でしか成り立ちませんので、四月からは新宿スポーツセンターや戸越体育館が利用できるので、しばらく取り憑かれたように没頭いたします。それが私であリ続けるためには必要だから。

 23時50分頃松聲館を後にし最終電車で心地良く帰る。この「心地よさ」が感動的であり新鮮さが薄れること無く続いている。


 そして本日火曜日は7時過ぎに起床し「クラーチ剣術教室」に向かう。

 今年に入って3名少なくなったが、どこかで私を気遣ってくださる雰囲気を感じ、私が楽しませる役目を果たさなければならないのに「これではイカン!」と、このところ指導法が真面目過ぎているようにも感じているので、初心に戻ってもう少しチョッカイを出そうかなと思います(笑)。

 毎月第一週目は皆さんとレストランで食事をいただいておりますが、今日は二年ほど前に日常生活で骨折されたDさんとお会いし、みなさんと一緒に食卓を囲みました。当時は最高齢の生徒でしたが、7月で90歳になられます。軽く10歳は若く見えますので、見た目と年齢に驚かされることがこのクラーチ溝の口では少なくありません。今年の8月で丸五年となりますが、嫌な思いが微かにも無く、ほんとうに素晴らしいスタッフのみなさまです。私が五年間続けられている要因にそこは大きく関係しております。


 帰りに新宿駅で4/30と5/1の新大阪までの新幹線の往復チケットを購入しようと行ったものの、ゴールデンウィークは一ヶ月前からでないと販売しないことを知り無駄足に終わってしまう。

 帰宅後は走りに出かける。先月いきなり26km走ったため少しふくらはぎを痛めたが、なんとか9kmは走ることが出来た。ふくらはぎが完治すれば、かなり余裕を持って走ることが出来るだろう。今年に入って身体の変化は感じている。

 
 立廻り特別講習会の編集で採用したフリー音源の使用について、運営サイトへ質問した内容にOKを頂くことが出来ました。これにより、参加者の皆様へお送りしたデータは自由にオンライン上にアップすることが出来ます。現在全員分の映像を繋げたものをNさんに作成していただいているところで、完成後はGold Castleのホームページに共有し、生徒だけが閲覧できるパスワードを新たに設定し直しましたので、そちらから閲覧可能となります。パスワードをまだ知らない方はご連絡ください。参加された方からの感想の多くは、予想以上の出来栄えに驚かれておりました。もうこれは完全に私の要求を全て聞いてくださったNさんのおかげです。ありがとうございます!


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2019-03-05(Tue)
 

Gold Castle らしさ

 昨年は深川スポーツセンターの講習に向かう際に門前仲町駅前で東京マラソンを初めて見た。マラソンも駅伝も生で見たことがなかったので、途切れないランナー達を眺めながら会場へと歩を進めた記憶がある。

 今日は電車に乗って会場へ向かう途中で東京マラソンをやっている事を知る。「あっ、今日なの。」今年も深川スポーツセンターでの講習なので、門前仲町駅前でランナー達をチラッと見る。今年は生憎の雨なのであまり仮装をした人は見られなかったが、それでも皆楽しそうに手を振りながら走っていた。大会に出場して走るとは一体どんな気分なのだろうか…

 
 そうした雨の中でもGold Castleの講習は殺陣クラス、剣術クラスともに賑わいを見せました。柔道場ということで久しぶりに倒れ方をおこない、立廻りで安全に倒れる身体の使い方を身体に覚えさせます。中学一年生、小学六年生、五年生の生徒達もドスンと衝撃を残さない倒れ方に恐怖心も見られず何度もおこなっておりました。

 昨日のライブで素晴らしい演奏を披露されたWinterさんも参加され、今日は小学五年生のK君とペアを組み「万乃型」前半までをおこなっていただきました。やはり若い子達は覚えが早く、覚え方を学べるようになればあっという間に伸びて行けると思います。そういう意味では一昨年の12月から参加された小学六年生のS君はテレビドラマ「神牙」(ジンガ)出演をキッカケにずいぶん成長されたと思います。もちろんまだまだ癖もありますし、直すところは多いのですがこの頃の年齢と言うのは不思議なもので内面的成長が動きに表れますので、ある時突然上達していることも少なくありません。今日は久しぶりにお会いいたしましたが少し声変わりが始まっており、会う度うに成長を感じるというのは若い生徒達に共通しているところであり、なんともいいものです。

 中学一年生のK君も一番乗りで訪れることが多く、何も言わなくても鏡の扉を開いて準備をしてくれます。足のサイズが27.0㎝と私よりもすでに大きいので、これからグングンと伸びて行くでしょう。

 今日は体験参加三回目のK君は小学五年生で、殺陣クラスの最後におこなった立廻りタイプMの序盤の動きでは嬉しそうに斬りかかって行きます。そうした雰囲気を味わいながら、いざちゃんと立廻っていくには基礎的な構え方や斬り方、斬られ方、走り方、リアクション等々さまざまな動きを部分部分でおこなっていかなくてはなりません。そうした地味な稽古はなかなか集中力の持続が難しいのですが、「好きこそものの上手なれ」という言葉にあるように、毎週参加したいという思いはきっと上達を早めてくれるでしょう。こうした最初の時期が数年後にはどうなっているのか、子供たちが青年となり大人となり成長していく様を見られることが出来ればそれは「先生」という立場としては最高の喜びでもあります。中学一年生から生徒になったK君は、今年で高校三年生になります。そのため受験勉強で長期お休みすることになりますが、大学生になったらまた訪れて欲しいものと寂しくも楽しみにしております。

 
 剣術クラスでは、納刀法と抜刀術をおこないました。ダブル受講の生徒も多く武道場が狭く感じるなか集中的に取り組んでいただきました。「緊張と抜け」その相反するものを構えの際にどう身体と折り合いをつけていくか、そうした自らの状態を精査し、その瞬間に感じるものを今までに経験したことの無い感覚として知っていくのです。

 ですから抜刀稽古でありながら、抜く技術もそうですが抜けない時間が大事になります。抜けないということは、身体との折り合いが済んでいないからであり、精査に身体各部を観る意識が芽生えているからです。その抜けない状態から抜ける状態になるための稽古が大事であります。

 Gold Castle らしさとは、年齢や技量に幅広く対応し、真剣に夢中になれる身体の使い方をご提供しながら、笑いがどこかで溢れる安心感というような面白さをその雰囲気の中で大事にしております。それは考えてそうしようとしているのではなく、昔からの私の性分なのだと思います。あらためてこの教室が好きだなぁと思うのです。
 
 
 本日もみなさまのおかげで、真剣な中にも笑い溢れる講習となりました。雨のなかお越しいただきありがとうございました。
 3/9(土)に開催する「杖術 特別講習会」も迫って参りました。あと五名程までは受付可能ですので、お申し込みお待ちしております。今回は全て新しい内容をお伝えいたします。


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2019-03-04(Mon)
 

アフリカン音楽の迫力に魅了!

 本日は品川区総合体育館剣道場でGold Castle の講習をおこないました。剣術では「陰陽之太刀」「陰陽之祓い」「陰陽之型」をおこない最後にひさしぶりに「受け流し」をおこないました。

 陰陽之太刀、陰陽之祓いではとくに左手の操作技術を習得することが重要になってきます。速く動こうとすれば手の内は柄を離そうといたしません。柄を離す、あるいは緩める操作技術が身に付いた段階で速度を少しずつ上げていくことが大切です。さらに陰陽の太刀筋がバラバラになっている方も多く見受けられましたので、そうした基礎的な刃筋を通せる身体の調和感覚を養っていくことも重要です。

 陰陽之型では、相手の力をもらうための剣の合わせ方と、その瞬間の左手の抜きが大事になります。この稽古の特徴といたしましては、そうした相手の力を利用する操作技術と、その感触を体感することにあります。これは素振りと違いまして一人では稽古出来ませんので、今日のように相手と組んでおこないますと色々な発見が見つかります。

 最後におこなった受け流しでは、思いのほか盛り上がり、私の受け流しに対する解釈として「入り身により相手を殺傷しない降伏の機会を与える」という動きを少しずつ入り身への動作を増やしながらおこないました。

 先日配信した「かざあな。剣術編」の2分44秒~2分48秒辺りに、この受け流しが収録されておりますので、私の動きで宜しければ参考にしていただければと思います。

 
 今日も賑わいのある、それぞれに稽古となった空間でした。白い道衣のお二人が互いにペアとなり笑顔で取り組まれていたのが印象的でした。私自身今までのように接しておりましても、教室が六年目となり生徒たちも成長してきますと、まだ生徒になったばかりの方が私の指導に緊張してしまうこともありますので、Wさんに見ていただいたお陰で、お二人とも笑顔だけでなく動きも想定を超える良いものでした。Wさんに思わず「もう、僕よりWさんにお願いしようかなぁ…」なんて言って困らせてしまいましたが(笑)、何でもかんでも私が直接指導に当たらない方がいいということも、教室の成長を感じる嬉しい悩みでもあります。

 
 講習後は、生徒のWinterさんのショーを観に浜松町マンディールへ。ニューヨーク出身Winterさんはバリバリのミュージシャンで、特にアフリカの太鼓「ジャンベ」を使った演奏は圧巻!今日のショーでも後半の部でスペシャルゲストとして登場したWinterさんのジャンベとダンスとのセッションには満員の会場が一番の盛り上がりとなりました。終演直後の写真です。

2019.03.02 浜松町マンディールにてウインターと


 あらためて、Gold Castleには色々な方がいらっしゃるのだと我ながら驚いてしまいます。そうしたご縁が繋がるのは、付いて来て下さる生徒の皆様が良い雰囲気を繋いで下さっているからです。最近は小学生や中学生の生徒も徐々に増えてきました。大人の生徒たちが伸びてきましたので、新たな楽しみとしましては大人をも凌ぐ技量を身に付けた生徒を育てることです。しばらくお休みされておりますが、R君という3歳から少林寺拳法をおこなっている生徒も今年中学三年生になります。彼はかなりの技量を身に付けられる可能性がありますが、他のお仕事や習い事も全て高い次元でおこなわれておりますので、一段落した時にまた参加されるのを楽しみにしております。

 ですから、今参加されている若い生徒達の状況を見ながら抜群に育てたい思いがあります。もりろん大人の生徒の皆様もそれに負けないように技量を高めていただきたいと思います。真摯に向き合う姿勢は自然と精神の成長にも繋がっておりますので。

 さあ、明日は深川スポーツセンターで13時20分から殺陣クラス、15時10分から剣術クラス(明日は抜刀術)をおこないます。明日は雨となりますが賑わいのある雛祭りとなるでしょう!


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2019-03-02(Sat)
 

熱い稽古

 今日は事務作業が多くGold Castle のホームページや金山剣術稽古会のホームページを更新し、ブログにも4月の稽古日程を掲載した。

 BABジャパンから5月に発売予定のDVDの確認資料を校正。こうした作業と言うのは大変勉強になる。出版社との連絡のやり取りは無知な私にとって勉強になることが多い。学生時代あれほど勉強を嫌っていた私が、こうして今この瞬間に活きる勉強がこれほど有意義に感じられるものだとは思いもしなかった。

 それは、やり取りに必ず互いの尊重という想いが重なっているからであろう。言葉というのは知れば知るほど深みがあり、そこに学ぶべき知性がある。これからはそうした事に多くの時間を割き、そこで得たものを今を生きるその場に活かせるようにしたい。

 他にも某出版社の方からご連絡をいただき、やはり学ぶべきものがそこにはある。「学ぶ」というのは、試験のためという刷り込みが強いが、生きていく上で身になる学びは、ありがたいものであり成長につながるものである。「学びの世界観」そこには、自分を活かし周囲を活かす目に見えぬ流れが世の中を整えているように感じる。金銭と言うものは始めにあるものではなく、あとからそれに見合ったものとして付いてくるのが自然だろう。欲をかくと後でその事が災いとなる。

 立廻り特別講習会の編集も今日で完了!と言いたいところであったが、ベストな映像はNさんに仕上げていただいたものの、音源を加工して時間内に終わるようにつないだ為、オンライン上で映像を配信することが出来ない事を完成後に気付く。Nさんには大変申し訳ないが、データをお渡しした方々が自由に使えるためには音源を加工せずにそのままのバージョンも作っていただくことにした。合わせて、Gold Castle のホームページにある限定公開用のページに掲載する全員分の動きを一纏めにつなげたものをお願いしている。おそらく、参加された方も他の生徒のみなさんも、編集した映像には興味があるだろう。

 本日一年ぶりに限定公開用ページのパスワードを変更しました。新しいパスワードは、私に直接訊いていただくかホームページやメールからご連絡ください。

 
 さて、今日の稽古は昨日に続き渡部氏とおこなった。先日火曜日のI氏との稽古で杖の打ち込みにおける手の内の使い方に久しぶりに得るものがあったので、昨日の品川区総合体育館での稽古ではそれをお伝えした。今日の稽古では、渡部氏に「木曜日は久しぶりにキツメの稽古をしますよ。」と言っていたので、その通りに熱い稽古をおこなった。

 誰も居ない道場の真ん中を二人で稽古していたが、次第に少林寺流空手と剣道の団体が両側に訪れ、賑やかな空間となった。我々もというか私も賑やかに声や気合いを出していたので、久しぶりに気持ちよく身体の芯が喜ぶ稽古が出来た。周囲が賑やかな時は、それに見合う稽古内容が最適である。こうした稽古がマンツーマンでも臆することなく受け入られる渡部氏の成長に感謝したい。

 帰宅後は、生徒で俳優の佐藤誠さんからご連絡をいただく。

 NHKの「歴史ヒストリア」という番組のドラマにご出演されます。連続テレビ小説「まんぷく」でおなじみの主人公安藤百福役で前回のEテレご出演の好評から再び演じられることになりました。放送日は、3月6日(水)22時25分~23時10分です。佐藤さんをご存知の方はビデオ録画してでも観られることをお勧めいたします。

 みなさん、本当に頑張っております!


2019年3月09日(土)「杖術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

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2019年3月 武術稽古日程

2019年4月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-03-01(Fri)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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