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このところ、得物稽古が体術に通じているのを痛感する

 本日は高田馬場にてW氏、後藤健太氏、S氏と稽古をおこなった。今日は、杖術、小太刀、抜刀術という流れで進んだ。

 杖術では、二段突きからそれに対応する体捌きをおこなう。自由な攻防となれば、どう来るか解らない相手に対し、考えて動いていては遅れを取ってしまうため瞬時に対応できる体捌きを身につけておく必要がある。そのため、攻め手も受け手も、起こりをなるべく出さないように、間を空けず居着かずに動くことを稽古していかなくてはならない。相手の気持ちになっておこなえば、どうすれば虚を突かれるのか、その辺りの心理的対応が見えやすくなってくる。杖ではいかに「虚を突けるか」ということが、今後の稽古において頭の片隅に入れておきたい。

 小太刀では、このところ小太刀稽古を増やしているが、おそらく私の身体がこの小太刀稽古から得られるものを求めているように感じる。実際、中心の重要性、接触圧の使い方、そしてそれらの外し方、そういったものが動いてみてから、どうやってそうなったのかを検証して得ている部分が多い。稽古帰りにW氏に話したが、「出来るものは出来そうな気がするんですよ。でも、出来ないものはどうやったって出来ない。今はその時では無いので、他の事をやったほうが良いんです。だから稽古は楽しめると思うんです。だけど、出来ていたと思っていたことは、時が経てば出来ていないことに気がつくんですよね。それは前に進んだということなので喜ばしいことなんですが、レベルが上がるということは、そういうことの繰り返しを重ねて色々な見え方も変わって来るんでしょうね。同時に心の純度も高まると僕は思っているんです。」というような内容をお話したと思うが、おそらくそれは私が求める稽古としての在り方なのだと言える。

 抜刀術では、巴抜きから懐月、稲妻抜きまでを通しておこなった。6月9日(土)の抜刀術特別講習会では、意識の置き所についてお伝えし、参加された方々と共にそこから得られるもの、結果としての集中となるような講習にしたい。間仕切りを取り、剣道場と柔道場の両面を利用できるため、集中しやすい環境となるだろう。
 これまでにも他流の方も参加されておりますし、独立して活動されている方も常連となって参加されております。そうした方々との新たな交流の場としても、この特別講習会からご縁が繋がることを楽しみにもしております。

 明日は本厚木で井上欣也さんと久しぶりの交流稽古。このところの私の気付きと言えば、横方向に対するエネルギーの伝達手順と、短刀の捌き方で得た、手の形と手首の使い方による打撃と切り落としでのこれまでの中で最も強力になったものを(私レベルですが…)受けて頂きたいと思う。それから、峰反し潰しの素手バージョン。これも楽しみである。段々と体術系のものが増えてきたことに私自身不思議に思うが、自然な流れのようにも感じている。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
(お申し込み受け付け中)

金山剣術稽古会  

2018年5月 稽古日程

2018年6月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-05-31(Thu)
 

自分の稽古に土壌をつくる

 本日は第四月曜日ということで私自身武道場での稽古が無いためゆっくりと時間を使える一日です。気分的にも、土曜日と日曜日の講習はお会いする人数も多いので、その二日間が終わった日曜日の夜というのは私にとってはここで一週間が終わったという気分になります。

 昨日のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習では、殺陣クラスが「月末恒例立廻り講習」ということで、振り返ってみますと、2017年1月からこの名目で通常の鍛練稽古等を省き、これまでおこなってきた部分部分を通しておこなうことを目的としておこなっております。

 昨日の殺陣クラスでは、小6、中1、高1、高2のジュニアグループで稽古をおこない、他は先に進んだAグループのメンバーでおこないました。こうした立廻りの上達には心の部分が大きく関係いたしますので、常に変わらぬ心持ちで自らの状態を客観的に捉え、そうした中で自分に無いものを知り取り入れていくという謙虚な姿勢が大切です。ある程度身につき、自信が付く事は良い事ですが、反面そうした心持ちが失われやすいのも事実です。伸びていくということは心の在り方が大きく関係しているのです。

 ジュニアグループは、ほとんどの方が絡みBの一連の流れが初めてでしたが、年齢に関係なく意識の高いメンバーでしたので、あまり稽古が進んでいない生徒も何人かいましたが、序盤からBの最後までを撮影いたしました。学んでいる目標がどこにあるのか、自らに対する責任感、そうしたものを感じるメンバーでした。(ホームページから動画閲覧のパスワードを知らない生徒はご連絡下さい)

 大人組は、タイプⅡの中盤までを初めておこない、こちらも記録として撮影いたしました。私自身、この動きをかなり前から考え変更を重ねてきたものをお伝えしておりますが、実際にメンバーが揃っておこないますと修正点が見えてきます。昨日の映像では、まだ手を付けたばかりなのでスピードを押さえてもらいながら、芝居に関する動きまではおこなわずに、動きを頭に入れ全体的なタイミングや見栄えを構築する段階ですので、今後このタイプⅡも徐々に完成度を上げられるようにお伝えして参ります。今回撮影した部分までは私が一人で芯の動きを記録したタイプⅡの映像も尺を伸ばして再編集しておりますので、イメージとして確認していただければと思います。

 次の杖術クラスでは、「二段突き」をおこないました。これは一足の間に二回突く事が求められますので、構え方、手の内の操作にこれまでよりも切実感が生まれ、突きそのものを向上させることにあります。床を蹴ってしまうと、突きと脚足との調和は実感出来ませんので、腿を引き上げる操作が肝となります。膝を内側に入れる内抜きですと動きやすいのですが、この場合先にも申し上げたとおり、切実感とそれに伴う突きの向上を図ったものですので、二段突きにも幾つか脚足の使い方があります。

 「十一之型」と「繋之型」は、身体の使い方を考え練っていく稽古法ですので、このところよく申し上げておりますが、覚えてからがそうした稽古が出来る土壌となります。特にこうした一人でおこなえる型稽古は、自分と向き合い気がつかなかったことを気が付けるようにする為の思考法といいますか、活路を見出すための工夫、そのためのトライ&エラーが存分に試せますので、そうした身体を使った脳の稽古はさまざまに広がりを見出してくれるものと私は実感しております。

 最後は杖を掴まれての対応をおこないました。巻き取りながら相手を押さえ込んでいくものを二種類私もその場で工夫しながらおこないました。こうした稽古は、得物から体術稽古への通り道となる面白さがあります。不思議なもので、力の方向や、相手と自分の位置関係など、少しずつですがそうしたことを楽しく学んでいくうちに、色々と自然に自分で解ってくるものがあります。おそらくそれらは、このところよく言っている、人間が自然に身に備えている計算力によるものだと思うのですが、インプットが少ない内はどうにも計算処理が出来ませんので、色々と実際に上手な方と手を合わせることが近道ではないかと思います。

 次回は6月になりますが、暫く舞台でお会いできなくなるSさんとの写真を掲載いたします。併せて生徒さんの声用の写真も撮っていただいたのですが、もう一つこのブログ用に「馬場さんで、十六文キックと馬場チョップを合わせて、顔は関根さんのモノマネ風にお願いします。」と一昨日土曜日の稽古後に心温めていたお願いを快く受け入れてくださりありがとうございました。私は全然似ていない猪木さんのつもりです。なんだかズルい気もいたしますが…。

2018.05.27 Gold Castle

 舞台は何人かで観に行きたいと思っておりますので、暫くお休みされますが、また夏に皆さんと共にお待ちしております!


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
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2018-05-28(Mon)
 

八ヶ月ぶりとなる朝の五反田

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールは、昨年9月24日以来となる午前の部を品川区総合体育館柔道場でおこないました。4月から品川区の開催もおこなうようになり、体験参加の方もこちらのアクセスに近い方が来られるようになりました。深川スポーツセンターの場合、五反田からですと都営浅草線で日本橋にて東西線に乗り換えて門前仲町駅まで、駅to駅で24分ですので、そこから徒歩6分程で会場に着きますから、合わせて30分ということになります。

 今日の講習では、まず殺陣クラスでは柔道場ということもあり、倒れ方を稽古いたしました。土曜日にこれをおこなうのは初めてですので、慣れていない方もいらっしゃいましたが、右足の使い方と手をつかずに形と速度をコントロールしながら倒れます。基本的には最終的な形は似てきますが、そこに至るまでのバリエーションはいろいろと出来ますので、こうした柔道場の場合怪我のリスクも少なくとくに初めての方にとりましては得るものは大きいかと思われます。

 体験参加の高校生のSさんも、柔道をやっているということですので生徒と一緒になって倒れ方を稽古いたしました。倒れるのが不安な方にとっても、芝居と身体の使い方を合わせればで衝撃が少なく倒れることができますので、覚えておくと便利です。

 払いからの胴斬り、払いからの袈裟斬りなどをおこない、最後は土曜の立廻りを稽古いたしました。絡みはなるべく斬り掛かる際には切っ先の放物線を大きく描くようにおこなうと見栄えが良くなります。それを逆算して間合いとタイミングを計ります。

 15分延長して講習を終えました。ダブル受講に備えHさんが残って杖の稽古をおこなっておりましたので、色々と身体の姿勢を観て、そこから改善する内容のものを幾つかお伝えいたしました。そのほか中心の意識と、浮きの力をお伝えいたしました。

 いつもの常連メンバーが訪れ、杖術講習の時間となりました。5月から道場内における始めと終わりの出入りに関しましては座礼といたしましたが、あくまでもこれは「稽古を始める前と終わった後の自身の心の在り方を具体的に形にしたもの」であり、私に対する座礼と勘違いしないで頂きたいと思います。座礼には座礼で応えるものですから、私が全員に対しその都度座礼に移る訳にも参りませんので、この場におきましては私に対しては立礼で構いません。こうしたことをわざわざ書くのも変ですが、私自身センセイと勘違いしないためにもその辺りは通り良く感じておこなっていただければと思います。座礼一つにとりましても、いろいろと考える事があり、そうしたさりげない対応により人物が見えてきます。ですので、毎回始めと終わりの座礼を如何に自然におこなうことが出来るかが、各生徒にとっての学びとしていただければと思います。

 講習では、「差し換え突き」の後、久しぶりに「旋打」をおこないました。以前、「片足旋打」もおこないましたが」、やはり杖の操法に関わって来る動きとしては、従来の旋打を採用することにいたしました。

 この動きの特徴は、手の内の使い方により強力に相手の得物を弾くことが可能となるため、相手の得物の持ち方次第によっては手から取りこぼしてしまうため、そうした相手の持ち手に合わせて変化しつつその弱点を突く事が、対木刀や対杖では稽古として身につける必要があります。

 「旋風」では、攻め手と受け手がスムーズにおこなえるまでまだまだ時間を要しますが、こうした稽古では同時に得られるものが多いため、互いに向き合って精確におこなうことが重要です。

 「三十連円打」では、覚えてからが稽古になりますので、相手との位置関係、正中線、姿勢、踵、重心移動、そうしたものが、身体の使い方の稽古としてこの三十連円打から学んで行かなければなりません。そこに目が向けられることがまずは大きな一歩となります。

 さて、明日は5月最後の日曜日となります。今月はお休みされている生徒も多いので、明日の立廻り講習ではどのぐらい人数が揃うか分かりませんが、ビデオカメラは用意して行きますので状況によっては撮影を考えております。それでは皆様、明日は深川スポーツセンターでお待ちしております。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
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2018-05-26(Sat)
 

小太刀稽古の利点

 昨日は戸越体育館で稽古をおこなった。連日の稽古と睡眠不足で疲労が溜まっていたため、通常の稽古前におこなっている殺陣の研究稽古を一時間遅らせて、五反田からタクシーで向かった。この日は、W氏も私も頭が重く今日は今日出来る内容を考えておこなおうと考えた。殺陣の研究では、Gold Castleでおこなっているものを再確認し、歩数やタイミングなどのチェックをおこなった。

 45分程おこなったのち通常の稽古に入る。

 体術稽古では、木刀でおこなっている「峰反し潰し」(峰返しとも書いていますが、正確には峰反しです)を参考に素手による崩し方を稽古した。この場合、相手の斜め後ろではなく、前方から手の甲を反すようにおこなうことで、峰反し潰しと同様の、足に通る崩れ方となり、首への負担も少ない。これが素手で出来ることに感動もあったが、まだまだ圧倒的なものにすべく研究をこれから続けていきたい。だが、私自身の今現在の体術における原理はこの峰反し潰しの身体の運用、接触面の触れ方など暫くはこれを基盤として精度を高めながら応用範囲を広げていきたい。

 続いて相手が突き出した腕を引き寄せての崩しであるが、これは甲野先生の技を参考に、峰反し潰しの応用で、「一発ドン」による手法を用いた。これはやはり接触部はただ触れるぐらいで、相手の足が出るか出ないかの間が「一発ドン」により通り良く崩せる。今日の稽古で得た刃物に対する腕の使い方で気付いた手首の使い方を用いればさらに利きが良くなるかもしれないので、次回の稽古で試してみたい。

 次に小太刀を用いて、刃物で突いて来た場合の対応を実験的におこなったが、これがワインか何か寝かせておいたかのように、自動的に身体が動きを選んでくれた。おそらく、小太刀の稽古による体捌きや、片腕の操作における間が多少なりとも練られていたのかもしれない。小太刀の稽古は、両手で扱う際には中心を見極めなければならず、そのまま両手でおこなう訳には行かず、いずれ片手になる必要があり、その際の、小太刀を持つ右手の使い方と、相手や得物をを制す左手の使い方が分離して作業して行かなくてはならない。その時の動きや、間が「そこ!」というべき感覚が得られやすく、その片手操作における左右の「精度」と「そこ!」と言える間が体術稽古に活きて来るということが解った。小太刀は精度と捉える間がとても稽古になる。

 杖術では、相手に掴まれた場合の対処法を稽古したが、昨日は両手の間を広く掴まれた場合の対処法を二つおこなった。これはどちらも有効であるが、昨日初めておこなった動きについては、あっけなさ過ぎて「なんでもっと早く気付かなかったのか」と寧ろガッカリしてしまった。だがこれも色々なパターンを模索し稽古しておくことで、咄嗟の対応にも活きて来るものである。

 そして本日は高田馬場でW氏と稽古。

 ひさしぶりに、伝統空手の先生とお会いしご挨拶をさせていただきました。以前は毎週月曜日にお会いしておりましたが、現在はこちらでの御指導も滅多に無くなったと仰られ寂しい思いがいたしますが、只者ではない方であることは存在そのものから伝わって来ます。こうした御方とご挨拶できるのもこの武道場ならではと言えるでしょう。

 稽古では、鍛練稽古ののち三十連円打をおこない、これまでのように技の動きを考えず、全体的な姿勢の把握、中心を捉え続けながら、正中線と顎の角度、動きを止めずに踵を上げずにおこなった。今後はそうした事も考えずに動けるように、その中で何を感じ取ることが出来るのかが次なる先への手掛かりとなる筈である。

 このところおこなっている杖の「二段突き」の最中に、杖の操法において重要な事に気が付いた。

 それは、私がおこなっている杖のさまざまな変化における重要性とも言える。これは甲野善紀先生の杖術を参考に、私自身研究して稽古をおこなってきているが、相手の手の内の弱点に、そうした変化が有効であることが今日の稽古で確認できた。これまでは、その手の内の弱点に気が付かない互いの条件でおこなってきていたが、今後はそうでない条件での稽古をどのように整理しておこなうか、一つ一つ取り組んで行こうと思う。

 次に小太刀の稽古をおこなった。昨日に続き突かれた際の捌き方をおこなったが、今日はその中で手の形が前腕部を強固にし、試しにW氏の上腕部を軽く打ってみたところ非常に痛がったので、代わって同じように形を作って打って貰ったところ、なるほどこれは痛いことがわかった。

 その形を体術での切り落としに応用し、かなり頑丈なW氏の両腕をガクッと崩せることが出来た。これには一つ、手の形により肩甲骨の働きが活かせる感覚があったのと、今までのように途中で勢いが止まりそうになる際の逆流してくる感じがかなり少なく負担が減った。だがこれは、峰反し潰しのような、力を通すというよりは、強力な力で勝っているという感じなので、身体の使い方としては有効だと思うが、通せる技にするためにここから研究していかなければならない。

 稽古を終え、帰りに新宿でクリアレンズサングラスを購入した。生徒でこのサングラスを掛けている人がいたので、先日の眩しい日差しにフト、目を守ろうと購入を決意した。

 普段はほとんど作務衣姿なので、普通のサングラスを掛ける気はしないが、このクリアレンズサングラスは、眼鏡用のフレームにレンズを換えて頂いたので、傍目には眼鏡にしか見えない。レンズを付け替えてもらう間、ついでに視力検査をしてもらった。もともと視力は良いのであるが、さすがに四十を過ぎて毎日パソコンと向き合っているので、少しは落ちているだろうと覚悟をしていたが、両目とも1.5であったのには自分でも驚いた。

 5月も残り少なくなってきましたが、今月はGold Castle の受講人数が少なくなっていますので、5月はいろいろ億劫になりがちな時期ですが、品川区総合体育館と深川スポーツセンターでの開催は、今後もバランスをみておこなって参ります。26日土曜日は品川区総合体育館にて午前中に殺陣クラス、続く昼間に杖術クラスをおこないます。27日日曜日は、深川スポーツセンターにて、月末恒例立廻り講習をおこない、次の時間帯では杖術クラスの講習をおこないます。

 6月9日(土曜日)には戸越体育館武道場全面を使って、「抜刀術特別講習会」をおこないます。前回からお渡しするチラシの制作が出来なくなってしまいましたので、詳細はWeb上でのお知らせのみとなります。まだお申し込み人数は少ない状況ですので、ご連絡お待ちしております。単発の講習会ですので、他流の方や、初めての方でも歓迎しております。懇親会は久しぶりにインド料理のお店でおこないます。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
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2018年5月 稽古日程

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甲野善紀先生からの紹介文


2018-05-25(Fri)
 

私になりに感じたこと

 世間の関心を集めている日大の問題についてであるが、私も昨日今日と会見から目が離せなかった。これは、明らかにどういうことが起きていたのか想像出来るものを分かり易く偽っていることにある。そうしたことでどうなっていくのかは私でも分かる事だが、もうこの事は詰んでいる。大事なことは、世の中にはこうしたタイプの指導者や逆らえない立場の人物はまだまだ存在しているということにある。

 今回の件は、笛が鳴って3秒も経ってからのタックルだったので日本中に知れ渡る大問題となったが、もっと分かり辛い反則であったなら、誰も知らぬまま今に至っているだろう。

 世間に表面化してしまったことで、指導とはどうあるべきか、責任とはどうとるのか、守るべきものはなんなのか、そうしたことが全ての指導者、管理者に問われるものであり、この問題を他人事で終わらせてはならない。今回の件で大きな力を示したのが、インターネットによる世間の声であろう。それがマスコミを動かしさらに世間へと広がっていく。今はそうした時代であり、嘘が通る時代では無くなって来ている。

 これを機に、世間での指導者や管理者の在り方が見直され、学ぶ者や託す側の見る目が養われ、その指導体制、教育方針に嘘偽りが無いか、軍隊的旧体制や利己主義な指導者の下へと被害者が加害者とならないように、ここで大きく変わって行く事が今回の出来事を通じて個人的に願っていることでもあります。


2018-05-24(Thu)
 

自然とは

 本日の「高齢者のための剣術教室」では、先週よりさらに白髪が黒くなってきたKさんを囲んでワイワイと盛り上がりそれから講習に入りました。

 Wさんが白内障の手術を終え今日は見学となりました。Wさんは私の母と同じぐらいの年齢ですが、このサークルの中では一番若く、藍染の剣術衣に袴姿でいつも稽古に励まれております。日本舞踊をされていたので、腰の位置や足の動きが様になっております。

 今日は久しぶりに杖の二十連円打をおこない、その後二十三番目までおこないました。この内容を知っている方は驚かれるかと思いますが、70代~80代の方が全員これをおこない、半数以上の方は一緒について来れます。若い人達でもなかなかついて来れないものですが、「すぐに忘れるのよー」とよく皆さん仰られますが、こうして何週間も間が空いていても一緒に行えばついてこれますので、やはり意識で把握しているものと、身体で記憶しているものは違うということですね。

 そのあとには、このところ続けておこなっている「杖を掴まれての対応」をおこないましたが、これが意外に白熱し、1番~4番までの手順でおこなっていますが、結局私としても休憩を一度しか取らずに、今日は杖術だけの講習になってしまいました。後半は少し武術色が強くなり(私自身ノッていたのでしょう)力がぶつからない円を大きく取る軌道をお伝えし、それを体術的に素手でおこなったものですから、五分ほど終了時刻をオーバーしてしまいましたが興味を持っていただけた方も数名いらっしゃいました。

 技にはいろいろありますが、軌道(道線)であったり、脚足や背中の使い方、肩甲骨の位置等々といった、身体そのものの強さを意識的に操作しておこなうものや、相手に対し意識の感応或いは無意識の計算力を働かせないための心理的働きの操作、心法と言われているものに相当するのか分かりませんが、人間の自然を利用した技と言えるのかもしれません。そこには技術、感覚、心といった多要素が同時に働きあっているものと思われます。今夜はそうしたことを考えさせられる貴重な時間を過ごすことができ、あらためて、人間が本能的に感じる自然に対しての想いもそうですが、自然に備わっているものを如何に知り、まだまだ不自然さの中にある意識が自然に対する感覚を惑わしていないか、そこに自身と向き合う稽古の重要性が含まれているように考えさせられました。

 人間が人間本来の能力をを知るための自然さを知るということ。そしてこれはまだ上手く考えが纏まらないのですが、どこか山や川、海もそうですね、木々のざわめきに生き物の鳴き声、太陽に月、青い空に輝く星々、暖かい日差しに心地良い風、そうした自然の安らぎに人は癒され力を貰っています。それは、人が自然の一部として生きていくには必要なものだと思いますし、そうしたものが奪われている都会の生活では、不自然な環境に身を置き続けながら人はまともに生きていくことを強いられています。

 今日の夜に稽古で感じた、人間という存在も自然の一部ならば、本来備わっているものを自然に導き出すには、自然に対し向き合っていかなくてはならないのではないかという事です。ですが私自身この事はまだ、うっすらと感じ始めたばかりですので、言葉にし辛い部分がありますが、「稽武術古と自然」という事が、非常に繋がりを持っていると感じたのです。

 掘り下げると、自然とは一体なんなのだろうかと考えてしまいます。

 世の中の理でもあり、さまざまな時間を掛けて現時点での均衡と言える状態なのかもしれませんし、その均衡にはどのような条件も結果は異なりますがいずれ均衡となっていくものでしょうし、生命と均衡は切っても切り離せない同一の存在のような気もいたします。

 つまりは、小も大も、均衡によって繋がっており、小さいことも大きいこともその理は変わらないのかもしれません。人間が知りうる一番大きな存在は宇宙であるなら、そこにある均衡と、今ある自然というのは全く関わりが無いとは言い切れないでしょうし、生命に共通する「意思」というものがあるのなら、宇宙の始まりは意志の誕生なのかもしれません。

 そのようなことを考えてもキリがありませんが、途方も無い年月を掛け何らかの意思により均衡状態となった「自然」の中にある人間という存在も、そうした意思に反する間違いのないように生きていくことが大事であると、そうした愚かさも含めての均衡と言えるのかもしれませんが、それぞれに意思があるのなら人間もその中の一つというだけのことであり、自然に任せるしか出来ないということなんだと思います。

 なんだか、記事の内容が変わってしまいましたが、意思と身体と、稽古と自然が、私のなかにある最も鮮度の高い出来事の実感であり、そこに目が向きだした事も何らかの流れを感じております。それも含めて自然というものを感じ、それに身を任せ、意思に対し意思で学ばせていただきたいと思います。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
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2018-05-23(Wed)
 

上を向いて歩こう

 本日はGold Castleの生徒S君のお母様からご連絡があり、ドラマの主人公の弟役に決まったそうです。その役に決まったのは、別のオーディションで、うちの教室でおこなっている型稽古、おそらく万乃型だと思いますが、その動きを見たプロデューサーに今回の役を頂いたそうです。先日も、T君が10月のBSプレミアムのドラマの主人公に決まったり、お二人のお母様から嬉しいご報告をいただき、私としても嬉しい限りです。稽古というのはただ参加していただけでは、このような目に留まることはなかったでしょうし、S君の取り組み方がそこに繋がったのだと思います。先日の講習でも、私自身彼の動きを見て初めてセンターで中心になっておこなっていただきましたので、プロデューサーの目に留まったのも納得できます。特技に書けるものは証明出来ることが前提ですので、大人の役者さんも真剣に取り組んでおります。

 さて、本日の稽古は高田馬場で後藤健太氏とT氏と稽古をおこなった。今日は同じ道場に毎年甲野善紀先生のDVD夜間飛行のシリーズで受けとして御一緒させて頂いている五十嵐剛さんがいらっしゃいましたので、嬉しくなってご挨拶に向かいました。2013年から毎年井上欣也さんとともに同じメンバーで参加させて頂いておりますので、やはり特別な存在の方々であります。

 後藤氏との稽古では、やはり研究者というか、彼の中で確立しているものがあり、それに対する私との共感の中で技術面もそうですが、その他にも彼自身この時間を大事にされているように感じました。そうしたものがありますから私としましても、導かれるように、言葉が出て、動きになって行きます。生きている人の想いの今の今がその場に表れますので、心の純度によりその瞬間というのは感動することも少なくありません。そうしたものはなかなか言葉にすることは出来ませんので、おそらく私は深夜にこうしてキーボードを叩いているのだと思います。

 苦悩する姿にも感じるものはあります。その苦悩との向き合い方が稽古にとって大事なことなのかもしれません。昨日の講習でも最後の方に言いましたが、「上手く行くことも失敗することもありますが、大事なことはそれだけのことではなく、そのどちらになった時でも、表面に乱れの無い心の状態であることが稽古としては重要です。」もっと遡れば、先日、関西の講習会で世話人を務めて下さっている川原田喬生氏と深夜にお話したときにも、「上手くできる事や知識量が豊富な事も重要ですが、その事で勝ち負けになる畜生心になってはならない、心が育たなければ今の時代における戦いには勝てないのではないかと思います。」先日の某大学の危険プレー問題がこれだけ騒ぎになっているのも、トップの心が問題の根底にあることは誰もが判っているところです。そうならないためにも、勝ち負けに心が奪われてしまわないように、稽古で技量を上げながら同時に心と向き合うことが大事ですし、結果としてその向き合うことが技量の向上には不可欠であると思います。

 今日の夕方の空は、筆ではらったような雲の線が懐かしいような、どこか田舎を感じさせるものでした。ですがそれを見たのも、横断報道を渡る間のビルの合間から。都会は所狭しとビルが立ち並び、こうした自然が描き出す壮大なアートに心を動かされる瞬間も無く、夕焼け空も、星空も、見上げることなく、人々は下を向いて画面の世界に没頭させられてしまったのだと…果たして、顔を下げさせられていく時代はこれからも続くのだろうか…私が未だにガラケーなのはそうした理由も一つにはあるのです。

 気を取り直して稽古に戻ろう。

 T氏との稽古では、三十連円打に関しては少ない稽古時間の中でよく覚えていたと感心。T氏にとっても私との稽古時間を大事に考えて下さっており、その信頼に応えられるように私も生きている今の想いを稽古に置き換えてお伝えしている。連続斬り返しは四段までおこなったが、細身の割りに芯がしっかりしている。心の事を考えるようになり、周りの団体の指導者についてもそれがよく伝わってくるようになった。私はどうやら思いやりのある人が堪らなく好きなんだと思う。それは自身の利益のためとか偽りのものでなく(そういうこともよく伝わりますので)純粋に、確たる信念のもとそこに向かって進んでいる人の顔には何ともいえない輝きが映って見える。とはいえ、当然ながら聖人君子のような訳には行かないのでそこに人間としての「らしさ」に好感が持てるのだろう。

 右足のふくらはぎを傷めて三週間で完璧に痛みが無くなった。昨年の9月に傷めた右肘は、今年の2月の撮影で再び悪くしたが、苛めながらも回復してきている。今まで色々なところを傷めてきたが、何とか治して来ている。生涯現役でいられるためには、自らの身体にいかに向き合い声を聞くことが出来るか、一辺倒な身体への向き合い方になっていないだろうか、現世でお借りしているこの身体をどのように使うことができるだろうか、これからはもっと大事に考えていかなければならないだろう。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
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2018年5月 稽古日程

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2018-05-22(Tue)
 

想いの結晶

 今夜はもう一つ記事を書きます。

 一昨日は高畑勲監督の遺作となった「かぐや姫の物語」をテレビで初めて観ましたが、久しぶりに涙腺が崩壊いたしました。人の想い、生きている実感、そこに纏わる美しさと切なさに心が揺さぶられ、翌日の講習に目が腫れないか心配いたしました。

 その翌日となった土曜日の講習では、以前私が剣技指導と言う形でイラストレーター山本祥子さんがカバーを描かれた、鳴神響一さんの作品『おいらん若君徳川竜之進−天命』が重版となられたそうで、昨日は次回作のカバーについての剣技指導をおこなわせていただきました。

 山本さんは不思議な魅力の持ち主で、同姓からの人気が高く、講習でも周囲が笑いに包まれることもよく見受けられます。家庭&仕事にお忙しい時間の合間を縫って画の勉強の為に通われるようになり二年が過ぎました。これまでにも色々な方を教室に御紹介下さり、ご家族やご親戚を交えた楽しい講習の思い出は今でもよく覚えております。これからの作品やまた個展など開催される予定がありましたら、そのときは是非伺いたいと思います。うちの教室では、役者さんや、イラストレーター、ミュージシャンの方などいらっしゃいますので、普段良く手合わせしている方の輝く姿を観に行ける事は、ここ最近の私の趣味と言えるものになりました。そういう意味では、生徒のみなさんにとりましても、知り合いのイベントが身近にあるということになりますね。やはり普段時間を共にしている方の発表の場は、身内のような感覚ですので特別な気持ちになってしまいます。

 そして、しばらくお休みされているミュージシャンのMariさんもこのところずっとお忙しくされているようで、それはMariさんのブログを覗けば一目瞭然ものすごいエネルギッシュにツアーを回られていらっしゃいます。そんなお忙しいところに、昨日、音楽制作の近況報告をいただき、あらためてその内容を伺い、時間の無い中神経をすり減らすような作業をおこなってくださっていたという想像に難くないご連絡をいただき、自らの至らなさなど痛感いたしました。

 以前にもこのブログに書いたと思いますが、昨年の8月にこれまで配信していた私の演武の動画を削除し、新たに制作するものとしてこれまでとは違ったコンセプトのある作品にしようと考えておりました。9月に講習に参加されていたMariさんに、「今度演武の映像を撮ろうと思っているんですが、音楽とかってお願いする事はできますか?」とお話したところ、二つ返事で「やりましょう!」と仰って頂き、しかも、私がこういうアクションを取った事にとても喜んで下さったのでした。

 私がどうしてMariさんに音楽をお願いしたかと申し上げますと、以前狛江のエコルマホールでのイベントに招待してくださり、それは学校の課外授業の一環としておこなわれているものであり、一年生から三年生までの学生達(中学生だったかな)で埋め尽くされた席の一番後ろに座ってブラックミュージックの迫力、学生達がノリに乗って動かずにはいられない生演奏、生歌の力、これには本当に驚きました。そして私が感動したのは、スポットライトの中、Mariさんが差別について語り掛けるそのお話でした。そのステージには、皆さん一流の技術を持ったプロが集まり、ステージ上と客席が一つになっていく感動は、主宰者であるMariさんの想いが形になったものでした。そういうステージを鑑賞させていただいたことから、是非音楽をお願いしたいと思ったのでした。そうした後で、私自身恥ずかしいと思ったのは、お願いした後にMariさんのサイトから、TAMTAM=タムタムというユニットでTakaさんとともに活動されていることを知ったのでした。
リンク先からプロフィールを見て頂くとどういった方かお分かりになられると思いますが、恥ずかしながら何も知らずに「音楽とかってお願いする事はできますか?」と言ってしまった自分がなんだか計算高い嫌な人間みたいで、恥じた思いは今でもまだ薄まっておりません…。ですが、その時に私が知っていようがいまいが二つ返事で了承して下さったMariさんのお人柄というのは、私も学ばされました。このところよく心の純度と言っておりますが、圧倒的な純度で日々を過ごされておりますことはブログからも窺い知ることが出来ます。うちの生徒にはどうしてこのような方々がいらっしゃるのか不思議に思いますが、謙遜ではなく、あらためて場の作り方、学びの多要素が同一のものとして存在し得る空間を目指し、そこで皆が一体となり大仰ではなくバランスの中で生きている共有時間を大事にしていきたいと思っております。

 その演武の作品「かざあな。」は杖術編、剣術編、抜刀術編、の三部作としてそれぞれ音楽を制作して下さっております。動画配信のために、なんとも贅沢なことをしでかしてしまいましたが、純粋なる気持ちで作っているものですので、そうした私が希望した方々と作品を作れている喜びというのは後に残せるものとして想いの結晶が詰まったものになります。私もド素人ですので、プロの方々に対する依頼の仕方注文の仕方が不親切極まりないアバウトなものですので、そうしたことからも、この作品の奇跡はMariさんとご縁があったことに尽きると思います。今は子育てが私と青木さんから一旦尾崎さんに移り、それからMariさんチームに育てていただいているところです。時期は急ぎませんので、身体だけは大事にお過ごしください。

 今夜はこの辺で眠りにつきたいと思います。


2018-05-21(Mon)
 

琴線に触れ空間が変わった最後の時間

 今日は、気持ちのいい日差しと風に煽られながら心地良い門前仲町の通りを歩いて講習会場に向かいました。

 日々稽古で外に出ておりますので、食事も外食が多いです。これまでは、いろいろなお店に行きたいという欲求もありましたが、今は気に入った行きつけのお店に通うことが心地良くて安心出来ます。

 私の選ぶ基準は、一にお店の人、二にお店の雰囲気、三に出てくる料理という順番です。気に入ったものはずっと同じものでも良いというタイプですので、私にとって大事なことは心ある方のところで食事をしたいという、もっというならお金を使いたいという事です。

 そうなりますと、なかなかそのようなお店に巡り合うのは難しいのですが、これが見つかった時の嬉しさといったらありません。これからもそうした心地良い人達と心地良い空間で人から頂くエネルギーを次へと繋いで行けるような出会いを大事にしたいと思います。

 さて、殺陣クラスの講習では、小学校六年生のS君の動きに成長が感じられました。この時期のお子さんは心理面でも変わりやすいものですので、座礼に関しても始めに説明をいたしました。「自らの心に嘘をつかない為には、道場に入る前からその準備が出来ていることが大事です。」気持ちを切り替えて臨むことをお話しましたので、例えばですが、「こんちはー」で頭をペコッと下げる入り方と、道場に対してしっかりと手を付いて座礼をおこなう場合とでは、その一連に関わる段取りも含めて気持ちを整えておかなくてはぎこちないものとなってしまいます。その状態の違いで稽古に取り組む心構えはすでに大きく異なっておりますので、私は昨日も申し上げましたが、学びの多要素が同一のものとして存在し得る空間づくりを実践しているところです。

 中学二年生のR君も、今日は転倒法を稽古いたしましたが、その動きから得たものは大きかったのではないかと思います。生徒になられたNさんも、昨年の1月に体験参加に来られ、それから一年越しの正規受講生となりましたが、その人の思いを感じて指導しておりますので、伝わってくる方には私としても思いを込めておこなうものとしております。今日は万乃型の前半部に随分時間を掛けておこないましたが、まずはこれを通しで覚える事を目標に取り組んでいただきたいと思います。

 剣術クラスでは、少ない人数だったこともあり、私としてもこの方々の為にモードを切り替えて抜刀術の稽古をおこないました。おそらく今日の空間は、通常の講習会や特別講習会でもなく、私の稽古会でもなく、私の一人稽古の状況に近かったものと思われます。

 それは、来られた方々の思いと私の中にある何かが、今日の場をそのようになるべく何かの琴線に触れたような感覚が芽生え、そうした思いを、抜刀とともに、言葉にならない言葉を汲み上げていくようにお伝えしていったのでした。今日は、どうやら偶然が重なり参加人数が少なくなったようですので、何かしらの働きがあり今日の場を今まで見せたことが無い私の状況でおこなうことが最後の最後で訪れたのかもしれません。徐々にでしたが、最後にあのような心理状態でお伝えしたことは私の稽古会も含めて初めての事だと思います。

 私としても自らの状態と言葉に驚かされましたので、そこで発した自身の言葉を忘れないように私自身の稽古においても精進していきたいと思います。

 一稽古の認識ではなく、生きてきた想いの今がそこにはあるのだ。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
(お申し込み受け付け中)

金山剣術稽古会  

2018年5月 稽古日程

2018年6月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-05-20(Sun)
 

学びの多要素が同一のものとして存在し得る空間をめざし

 本日は品川区総合体育館にてGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。殺陣クラスでは新しく体験参加の方がお越しになり、剣術クラスでは殺陣クラスからW受講の方が三名いらっしゃいました。

 座礼一つにいたしましても、普段おこなわないとぎこちなくなってしまうものです。私としましても、そうした道場への礼を嫌らしくもチェックしたくはないのですが、座礼の捉え方が上手く伝わっていない方もいらっしゃいますので、仕方なく今は見ておかなければなりません。道場に入って道場に礼をするということは、これから稽古をおこなうに当たって、その場所に対し神聖な気持ちで取り組むための心構えを意識するためのものであります。ですので、まずは一歩入ったら速やかに座礼に入ることが自然であり、自分の都合を先に済ませて礼をするのは順序が異なります。

 この教室で何を得ていくのかということを考えましたときに、ただ楽しくワイワイと動きました。というのであればそれはレクレーション団体であり、室内で教える(教室)という実態に反しております。この教室の生徒も成長と共に学ぶべき部分は、それぞれの日常のステージに帰ったときに活かされていくものでなくてはなりません。礼儀、言葉遣い、立ち居振る舞い、そうしたものをないがしろにしてしまいますと、未熟な生徒を私が増やし続けて行く事になり、その罪は大きなものと考えます。

 かつては、そうしたことをおこなう余裕も無く、技術一辺倒におこなってきておりましたが、結果として技術の習得に繋がらないことを感じ、心理面の成熟は心身の純度とその準備にあり、そうしたことを稽古体系に取り入れていかないと、教室たるものにはなっていかないと感じるものがありました。もちろん、現在の生徒やこのところの体験参加の方々を見ておりますと、そうしたことを望んでいる方が多いように感じていることも大きな要因としてあります。

 優しさと厳しさは表裏一体と私は以前から言って来ておりますが、言い換えればどちらも同じということです。優しい対応でも、感じるものは同じです。厳しい対応でも、それに応える相手の思いも痛感しております。それでも私の性分からしますと、表面的には優しさが上まってしまうでしょう。情熱的におこなうことも変わらないでしょう。笑いを大事にすることも変わらないでしょう。ただ一つ変えていくことは、ここで得たものを他でも通用する人間として私も含めこの時間を通り良くおこなえるものとして、油断無く考えて行かなくてはなりません。それを全員に課す事は難しいでしょう。それぞれに純度の違いがありますし、それが悪いことではありません。その人の人生の時間を共有させていただいているので、そういう事実を有り難く受け止め、私はこれまで以上に生徒に対し責任を持って学びを示して行かなくてはなりません。それが今現在に至る私の考え方です。

 古流にもいろいろありますが、その団体によってさまざまです。今日はその団体の対応の違いを感じ取ることが出来ました。私の教室の生徒達が、仮によその団体様に対しどのような対応になるのかは今のところ心配することはありませんが、相手がどのように感じるのか、自らの言動とその言動の背景にあるものが自ら感じとれるように、通りというものを考えて稽古をして行かなくてはなりません。純度を上げることは生きていく上で広がりが生まれるでしょう。私のところに来られる方は、これから始められる方がほとんどですので、そうした学びを状況によりそれぞれが一体となって判断できるものに育てていかなくてはなりません。

 たしかに、生徒をお客様扱いにして、嫌な思いを全くさせないように楽しんで頂く方が、生徒は増えるかもしれません。ですが、その状況で何が教えられるかと言えば、私にとっては気に入られる術を身に付ける以外のなにものでもありません。その結果生徒がどうなっていくのか、そこが分かっていながら嘘をつき続けるような教室運営は私には出来ません。

 ふつうの主宰者はあまりここまで書かないかもしれませんが、正直であるということは重要でありますし、自分の心を保ってくれます。講習で伝えられるものがあれば、お客様扱いをしなくても生徒はそれを求めに参ります。私は絶対に偉そうにはなりたくありませんし、そのような方向になりそうであれば注意をいたします。その辺の対応も通りの一つです。これから先の教室が、生徒にとって学びの多要素が同一のものとして存在し得る空間として、私は舵を切り運航して行きます。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
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2018年5月 稽古日程

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2018-05-20(Sun)
 

無意識の計算力に委ねた思考法

 今夜は部屋の中が温まっているのか28℃と暑く甚平の半ズボンを履いている。今日の午後からの高田馬場での稽古は真夏のようで、まだ体がこの武道場の暑さに準備出来ていない感じがした。ここは昔からスタッフの管理体制が素晴らしいので、鍛練の為に空調を入れるということは滅多に無い。

 さて、そんな高田馬場での稽古では人数は少なかったもののダンサーが二名音楽をガンガンにかけて踊っていたので、これはこれに合わせた方が稽古になるだろうと思い、W氏とともにこの音楽に合わせて杖で自由に動くということをおこなった。私としては以前、ドラムセットなどが常設されてあるスタジオで、ある方のご子息の即興に合わせて抜刀術や、天井が低いため素手での杖の体捌きなどを一度おこなったことがあり、撮影したその映像を後で観た時に、なんの音あわせも何もしていないのにピタリと揃う箇所が幾つかあり、この映像には自分自身冷静に観て驚かされた。演奏時は、何も考えずただドラムのリズムに身体がどう反応すのか、いやもうそんなことも考えず、ただ身を任せるだけということが起こり得るという経験をさせていただいたのであった。

 その映像を私の知り合いの映画監督(商業映画を撮った知人)に貸したつもりがあげてしまったようになってしまい、もうその映像を観る事は出来ないが、渋谷の宮益坂神社の境内にステージを作ってそこで、ギターリストにボイスパーカッションやポールダンサー達と一緒にイベントをおこなったこともあった。

 そんなことを思い出しながら、今日の武道場でダンスミュージックをかけて踊っているその音楽を利用して、身体がどのような反応を示すのかそこに私自身興味が湧き起こり、W氏には大変だったかと思われるがしばらくこれを続けた。私もW氏に動きの雰囲気をお伝えするために少しおこなったが、ビートに乗った杖と脚捌きの動きに遠くで踊っているダンサー達が興味を示しそうになったので、動きを止めた私にW氏が「今、やって頂いた方がいいと思います。」と促されたが、もっぱらW氏を観ることにに専念した。ただ私としては、ダンスなどほとんどやったこともないのであるが、杖を持って動けばこれまでと違うような動きが自在に身体がそれをおこなってくれるような感じで「俺にこんな動きが出来るのか…」というなんとも気持ちのいいものであった。甲野先生が津軽三味線やディジュリドウを聴きながら舞いを稽古に取り入れられているのも、こうした内から湧き出てくるような感覚なのだろうかとそのとき頭をよぎったのであった。

 もちろん、普段の動きではビートに乗って動くわけには行かないのでリズムを要せず、無駄な動きを無くし、身体の隙を無くすように努めなければならない。今日の稽古で良かった点は、そうした音楽を利用させてもらった事により、その後の稽古で耳に入ってくる音が全く気にならないばかりか、自分の物として音が存在しているような気になり、稽古法としてこういう対処の仕方もあるのかと納得することが出来た。その他にも、以前剣道の団体が所狭しと大人数で現れたときには、視野に捉えながら彼らの素振りや掛かり稽古の際の起こりを捉えて抜刀術の稽古をさせてもらった。もっともこれは起こりを捉えやすかったので稽古としてはやり易かった。

 今日は先週に続き小太刀の稽古をおこない、より具体的に動きの精度を高めることが出来た。あらためて小太刀は「振り下ろす太刀の下こそ地獄なり踏み込んでみよ極楽もあり」というような、同じような意味合いの道歌が幾つかあるが、これはとても重要である。得物が短い分精度が求められ、こうした精度の追求は他の稽古でもさまざまに活きて来るものである。このところ信頼しているのは、「身体が兼ね備えている無意識の計算力」であり、逆にそれが災いしてしまうこともあるのだが、こうした計算力を身体に経験させることが大事である。そしてその計算力を意識下に引っ張り出すには、思考的に意識しないことで、身体が知っている計算によりこれまでにない感覚をもたらしてくれる事がある。これはあくまでも脳や意識についての素人的な例えなので、言葉として間違っていることは承知で書いているが、ニュアンスとしてそのように考えている。もっとも言葉そのものも全てはニュアンスなので、言葉から得られるものというのは音を聴いて自分なりの経験から理解して、身体に落とし込んでいるだけなので、言葉や説明は大事であるが、それが完璧ではなく補えていないものが多いということは理解しておかなくてはならない。

 夜は久しぶりに住吉でI氏と稽古をおこなった。

 三年程前までは、毎回ほぼ貸切り状態で使える場所だったが、ここ近年は大人の居合いの方々が増え始め、たまに剣道や空手などの団体も利用することになった。ここは移動式のキャスターが付いた鏡が沢山あり、居合いの方から鏡をどうぞと、断ったものの、遠慮していると思われ仕方なく二枚も受け取ってしまったが、実際には鏡は稽古の邪魔なのである。それを敢えて書く必要もないと思われるが、少しだけ述べると、観ることと見ることは違うので、観ることで多くの情報と計算力を養うには、見てしまっては一部の外見だけしか把握出来ず、自分の身体を物真似するような真似感覚に陥り易い。鏡の前で張り付いて稽古するというのは一体いつからの事なのか分からないが、私がボクシングをやっていたころさんざん鏡を見て練習していたので、この辺の問題点は身を持って体感している。鏡の前だけでやっていると、鏡がないと確認出来ないというレベルのため不安になるのである。またもう一つには、鏡に映る自分の姿が好きなのかも知れない。つまり、出来ていない姿が好きであるということは、出来ていない事の恥ずかしさを知らない、或いは出来ていると思っているのかもしれない。だから、鏡は怖いのである。

 I氏との稽古では、私にとっても言葉に引き出されるものがありそれが得難い時間でもある。おそらくそれは「通り」とも関係しているのであろう。価値観や、観ている世界に対し、どのような取り組みで、そのための在り方など、そうしたことの伝わり方というのは、言葉に合っても言葉に無くても「通り」があれば判るものである。心の純度が高ければ、少ない言葉から多くを感じ、自らの時間に活かす事が出来るだろう。そうした言葉に不思議と私自身、どうしてこの口から発せられているのかが不思議に思うことがある。おそらくこうしたことも、身体の計算力の働きの一種であり、経験したこと感じたことが意識下にある前に、すでに身体がどこかでその事柄の関連性やそれに向けての行動を無意識の内に選び実践しているのではないだろうか。そうしたことを、ある責任の中で言葉として述べたときに、脳が整理をして意識下にそれを持ってきているように思うのである。だから、こうしたI氏との稽古での会話というのは時間を惜しまずに、I氏によって引き出されることが私にとっての学びとなっている。

 ストレスの発散についてご質問を受けたときに私自身思わぬ言葉が口から出た。

 「ストレスというのは人から受けることが多いので、やはりストレスを解消するのも人の力なんです。私の場合、あまりストレスは溜まりませんが、こうして日々いろいろな人とお会いしていますので、そこでストレスは発散されていきます。今日ここに来る前にストレスがあったとしても、今日の稽古でそれは無くなっています。思うに、ストレスもお金のようなもので天下の廻り物のような気がするんです。人から受けたものは人で解消し、結局は人が関係していると思うんです。」

 自分で言っておきながら、確かにそんな気がするなあと思う。お金もストレスも流れのようなもので、そこに集まる状況になっているかそうでないかで、その場が変わらなければどうしようもないこともある。その状況をどうするかは、その人の考え方次第であるが、上手く行く方法が解っていたら人間誰でも成功するのであるが、解らないから苦労する。だが、あきらかに上手く行かない方法で失敗している人も多い。だから人は、学ばなければならない。

 心の純度を高めることは、通りの良さに関係していると思うので、環境と状況に対応出来る方法を模索し実践しながら、変化が起きたとき、その機を逃さず掴めるようにプラスに辛抱出来る能力も重要である。そういう因果は人の出会いを生み良縁の中で、強く進んでいけるものと思われます。

 今日も意味のある一日となりました。こうした日常を送らせてただけることに感謝いたします。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
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2018年5月 稽古日程

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2018-05-18(Fri)
 

身体にまかせ心にまかせ穏やかに過ごせる厳しさを

 昨日月曜日は夜から高田馬場でT氏と稽古。最近解った横方向のエネルギー伝達手順を受けていただいた。今後は手順の理解からさらなる他の部位の使い方と手順を探る稽古となる。出来た感動もこの程度では直ぐに冷めてしまう。次に木刀を使っての「峰返し潰し」をおこなった。苦手としていたT氏であるが、形と、間を短くするといった言葉により普通に立っていれば沈み込む所まで潰せるようになった。これは杖の「お辞儀潰し」と同様、私のオリジナルの技であるが、それだけに違いを検証するのは興味深い。もうこれはいいかなと思っていたところに新しい手掛かりが見つかり、長く続いてきている。見た目の崩れ方に対し接触部の当たりが優しいので暫くこの技は工夫しながら続けていくだろう。

 先日の杖術特別講習会でもおこなった「旋風」をおこない、その中で重心操作を心掛けることにより動きが変わり、そうした脚足の重心コントロール感覚を養う稽古にも向いていることが分かった。これは受け側の操作も独特のタイミングで「馬突き」の受けよりも複雑になっている。互いに滑らかに動けるようになれば身体が心地良さを覚えるだろう。

 抜刀術では久しぶりに速くおこなう「巴抜き」をおこなった。私自身もこれは今年になって初めて取り組んだ。今年になって初めて抜いた技が幾つかあるが、それは今年の2/26におこなった演武撮影に向けて傷めた右肘を守るために抜かなかったということもあり、多少言い訳になるが、演武に備えて存分に抜刀術の稽古が出来ていたわけではなく、寧ろ抜かずに我慢していた。おかげで撮影当日には随分回復していたが、抜かなかった微妙な鈍さは身体で感じていた。それでも酷い時には木刀ですら抜き打ちに抜刀することが出来なかったので撮影が終わってホッとしている。しかしながら、最後にスタジオでおこなった抜刀で右肘を悪化させてしまい、再び以前ほどの痛みではないものの幾つか技に支障をきたす傷みが再発した。

 そういうことがあって、抜かない抜刀術の技が幾つかあるが、徐々に具合を見て解禁していくつもりである。以前右手首を傷めた際には1年間抜かなかった技もある。ついでに言うが、オーバーワークにより両足のふくらはぎを傷めてしまったが、特に右足は肉離れしていて、関西に旅立つ前日の講習会で乳酸が溜まってカチカチの状態でジャンプしたところ右片足着地の際に傷めてしまったのである。翌日早朝新幹線で向かわなければならない前日に現実逃避したい気持ちとなったが、大丈夫である根拠の無い自信はあった。結果歩く道中はずっと足を庇いながら歩いていたが、講習では全く気にならなかった。(前日の傷めたその日は稽古中もどうにも歩きづらかったが…)これで一つ学んだ事は、ふくらはぎへの負荷の強い鍛練稽古は常時動ける状態にすることが一番であり、特に負担の強い「蛙」や「飛石」もっとも負荷の掛かる「蛙の真っ向」は避けるべきである。これは床を蹴る動きは意図的にはおこなわないようにしているが、結果として床を蹴ることと同じ筋肉の使い方になる状況において、筋肉の動きに対し相性が悪いと思われる。これは以前からなんとなく感じていたことであるが、大きな原因が自重を強く掛ける際のふくらはぎへの負荷と、爪先で床を蹴るような際のふだんあまりおこなわない伸展収縮の動きに結果として動けない身体になっていっているように感じたのだ。私の場合動けなければ話にならないので、常に平気で10km位は走れる身体でならないと思っているし、その準備は常におこなって来ている。これからも、自分の身体の声を無視せずに自分で感じて使える部位とそうでない部位とを見極め稽古して行かなければならない。

 そういう意味では、蟹と雀は故障知らずと言える。やはり大腰筋や背中など大きな幹(樹)の筋肉を使うことは身体の枝葉の筋肉と比べ故障のリスクが少ない。昨日の稽古の最後におこなった剣術での「連続斬り返し」もそういう意味では疲労度に比べ枝葉への負担は少ない。昨日はT氏が訪れる前の一人稽古でも斬り返し六回をおこなったが、あらためて足がどうなっているのかは分からない、考えようとも出来ないし確認も出来ない。六回となると足だけに留まらず、手もどのようにおこなっているのかあやふやなのである。確かに六回やったような気がするけど、果たして本当に六回おこなったのか自分でもハッキリしないのである。つまり、ある段階以上の速さを求められる動きというのは、どこか違う部分に任せてしまわなければ動けないところがある。操作を意識していてはとてもじゃないが間に合わないし、そのための動きと言うのを考えようとしても、意識出来ないものは考えられないのである。甲野先生が「影抜き」などの技の瞬間に「一瞬気を失っている。」と仰られていたのを、著書でも記されていたと思いますが、実際に撮影現場でも編集者の方に説明されていたのを受けとして体感しその時の瞬間が鮮明に記憶に残っております。

 そういう意味でも、この連続斬り返し六段は私にとってあらたな感覚、何かに任せなければ出来ないといった、その何かを掴む手掛かりとして今後も取り組んで行きたい。

 そして本日火曜日は「高齢者のための剣術教室」をおこないました。あらためて、これから高齢者の割合が増えてくる中で、どういう運動が望ましいかという事を考えた時に、不安を煽らせることもなく、今の状況で楽しめる運動を継続的におこなえる毎回の場が新鮮で心が通じるものであることが数値には表れない(表れるものもありますが)部分への結果に繋がります。これはどのような指導者にも言えることかと思いますが、商売(利益を出すことを前提とした)の体系にしているのか、人を見て人と対話し想いのなかで得るものを求める体系にしているのか、長くおこなうことの責任と、その先の付加価値というものを考えた時に、やはり、運動、心、身体、輪というものが一体になって育つことが私の求めるものには関わってきます。

 今日は86歳のKさんの髪の毛が黒くなりはじめて驚かされました。おそらくこの教室で毎週ワイワイとHさんなんかと漫才のようなやり取りをしながら楽しんで運動されておりますので、何かしらの変化が毛髪に表れたのだと思います。全て白髪だったのですが、後ろ側に黒くなっている部分が多く見られ、笑いながら気が付いたら一時間半結構な運動量をやっていたといういつもの内容が、Sさんが念願だった太腿の筋肉アップにも繋がったり(熱心にやってますので)肩甲骨の可動域が増えたことでHさんの腕が今までよりも上がるようになったり、講習としては、技に対する方法をお伝えしているのですが、結果として技以外にそうした副産物的な身体の変化が起きております。私自身といたしましては、講師として飽きることは全く無く、それがどうしてなのか今記事を書いて初めて考えて見ますが、自分でも不思議に思えます。それは、いわゆる武道場と違った場所で講師を務めさせて頂けることへの感謝と、私よりも遥かに先を生きる人生の先輩諸氏との時間にはそれなりに緊張感も感じますし、そうした中での笑いを如何に取れるかというアンテナは常に張っております。それと何より大事なことは、どの講習会でも稽古会でも同じことですが、指導する側と伝えられる側との心のやりとりが感じられることにあります。これなくしては、私は指導が出来ませんので義務的なものとした稽古空間を脳裏に刻むことは決して許されません。

 人の心と言うのは良くも悪くも本当によく見えるものです。私の対応はそうしたものに関連して変化して行きますので、甘えや依存と言ったものは大敵であると考えておいた方が懸命かと思われます。おそらく私は自分に対しても人に対しても厳しい人間であると思います。ですが、厳しさとはゆとりを作るためには必要なバランスであり、厳しさなくして秩序もユーモアも通じません。己のエゴに気が付く意識を持ち、日々の思考の癖、そうしたものに目を向けたときに、どういう判断となるのかでその人の価値と可能性が見えてきます。甘えは、自らを変えることが出来ません。変わることが出来ないということは、修理の出来ない機械と同じで、いつもどこかでトラブルが起き易くなってしまいます。トラブルが起きるということは、変えられない甘えを甘えと感じなくなってしまったエゴの強さにあります。そこを見直さなければ先に進めない段階の人もどこかに存在しているかと思われます。

 最近の私は、稽古を通じてその辺りの心の問題に具体的な関心を示すようになってきました。それはおそらく元来あった私の生き方の部分と、稽古を通じて身体と心の関係を実感していく中で練られたものもあり、先の神戸での講習会や凱風館での内田樹先生と門人の方々の稽古を拝見させて頂いた事で未だに頭の中の意識はその事に占領されております。


2018年6月9日(土) 抜刀術 特別講習会
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2018年5月 稽古日程

2018年6月 稽古日程

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2018-05-16(Wed)
 

「抜刀術 特別講習会」のお知らせ

 2018年6月9日(土)戸越体育館 剣道場+柔道場にて抜刀術の特別講習会をおこないます。

 居合刀で抜刀術の稽古を集中的におこないたい方や、抜刀術独特の身体感を得るために、2時間抜刀術と納刀法をおこないます。(鞘付き木刀も可)

 この特別講習会では、現在私の稽古としている抜刀術や納刀法をお伝えして参ります。その中から参加者の方々に合った稽古法をお伝えしていきたいと思います。
(初心者の方でもおこなえるメニューがあります)


2018.06.09 抜刀術 特別講習会


【開催時間】
12時00分~14時00分 『抜刀術&納刀法』
15時00分~17時00分 『懇親会』(自由参加)


【会場】
戸越体育館剣道場+柔道場


【参加費】
講習会 3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「帯・居合刀の有無」(鞘付き木刀でも構いません) 
⑤「懇親会の参加または不参加」
上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
2017.1.17 抜刀術映像


2018-05-14(Mon)
 

真に心を正し稽古に向き合えるか

 今日のGold Castle 殺陣&剣術スクールでは、体験参加の方が殺陣クラス、杖術クラスともに多く賑わう中での講習となりました。5月から座礼を取り入れるようにしたことで、それに関わる身のこなし方や配慮という部分に毎度考えることになるかと思われます。同時に行為自体にその人それぞれの気持ちが表れますので、自然に振舞えるようになれる心構えを養っていただきたいと考えております。

 その他にも、毎度言わなくても済む事は如何に察して自ら行動に移せるかという部分も養っていただこうと考えております。もちろん何処までの範囲でおこなうかということも状況判断として求められるものですので、そうした意識を持つことでこれまで気が付きもしなかった部分に気を配ることが出来る人間となれるようにそこは私自身もやり取りの中で学びながら実践していこうと思います。

 知っている人は知らない人に教えてあげること。必要以上にやり過ぎないこと。どこまでが丁度いいのか、それが皆にとって必要となることなのか、そのあたりを考えながら動作、言葉、そうしたことも踏まえての稽古となります。勘違いして頂きたくないのは、私を奉るということではなく、必要最小限の形として決め事を付加することで、そこに関する意識を失わず、動きの中で自らの気持ちと向き合い、あらためて学ぶための心を形の中で意識しそれが自然に行動に移せるための場であることが大切であると思っているからです。

 人は誰しも慣れてくるものです。気持ちを整える方法として「正座」はとてもいいものです。自然に人前で正座になれる日常というのは現代の日本ではあまり無いものと思われます。動きと心と言うのは密接に関わっておりますので、一つの手段として正座は、これからの生徒の心の成長、進展の第一歩目として自然に出来るように心掛けて頂きたいと思っております。

 今日の講習ではMさんが道場の準備をおこなって下さり、Wさんが体験参加の方々に貸し出し用の帯の締め方を自発的におこなって下さいました。このところ、「通り」の話をよくしておりますが、同じ行動でも、言う前におこなうことと言ってからおこなうことでは、通りがまるで異なります。私も人の事は言えませんが、私自身も指導者の立場としての通りを実践していかなければなりませんし、そのことに対して必要以上にあからさまになってもいけません。大事なことは、自らの心がその行為、その言葉、の裏に述べられておりますので、その心がどうであるかは誤魔化せません。道場の準備、速やかに始められる状態、速やかに終えられる状態、始めと終わりというのは大事にしなければなりません。礼に始まり礼に終わるのことの大切さを教室全体で共感できるものとしてこれからは指導して参ります。


金山剣術稽古会  

2018年5月 稽古日程

2018年6月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-05-13(Sun)
 

新しい内容に熱の入った杖術特別講習会

 本日は品川区総合体育館にて「杖術 特別講習会」を開催いたしました。常連の方が多い特別講習会ですが、今回初めての内容も幾つかおこないました。

 こうした内容は、普段おこなっている土日の講習会ではあまり難しいものだと時間が掛かりすぎてしまうため、今日のような鍛練稽古の無い、2時間プラス延長分、私が現在おこなっているものの中で最新のものをお伝えする場として開催しております。

 開始前に、みなさんがそれぞれ三十連円打をおこなっておりましたので、本日の講習内容に入っておりませんでしたが、急遽おこなうことにいたしました。その後の「旋風」「合心之型其の二」と考える動きが続きましたので頭を使いすぎて疲れた方も多かったのではないでしょうか。

 あっという間の時間でしたが、それぞれに得るところはあったかと思われます。姿勢により動きが滑らかになることや、蹴り足を変えていくための脚部の使い方への課題など。今日の内容は以前から特別講習会でお伝えするものとして、私の稽古会で動きを練っておりましたが、ようやくその日が訪れたことに思わずニヤニヤとしてしまうこともありました。

 懇親会では、昨夜放送された深夜のテレビ東京の番組「孤独のグルメ」に出演されていた俳優のSさんから色々とお話を伺うことが出来ました。今度6月から7月に掛けて神奈川、三重、兵庫、埼玉にて日韓合作の舞台公演があり、公演は全て日本でおこなうそうですが、稽古は韓国でおこなうとのこと。頂いたチラシに書かれてある内容を一部紹介いたします。

 アントン・チェーホフ作「かもめ」を1930年代の日帝朝鮮に翻案、韓国最高峰の東亜演劇賞にて三冠を受賞し日韓合作のエポックメーキングとなった名作。歴史に翻弄される若き芸術家の物語、鳴り響くK&Jポップ、東アジアに生きる私たちの現在、未来へ、待望の再演。

 私自身、舞台稽古にパスポートを使った経験はありませんが、賞を受賞した作品の再演ということらしく、私とその場にいたWさんとYさんは直ぐに7/6(金)19時からの回をお申し込みいたしました。この日の会場はKATT神奈川芸術劇場という所です。横浜中華街にも近いため、Gold Castleの生徒の中で都合が良い方は、皆で観劇して打ち上げに中華街で食事をしたいと考えております。肝心のタイトルをお伝えしておりませんでした。『カルメギ』です。

 皆で行きますと楽しみも倍層するものと思われますので、ご都合のよろしい方ご連絡下さい。チケットは7/6は前売りで3.500円という補助金制度による格安料金です。いろいろと良い条件が揃っておりますので是非この舞台はお勧めしたいと思います。

 思わぬ告知に熱が入ってしまいましたが、懇親会では、関西の時ほど生き方についてまで語り合うことはありませんでしたが、いつもよりもう少し深目に会話が出来たように思います。別段、武術に興味があった訳でもなく、刀が好きな訳でもなく、和の事に興味があった訳でもなくたまたま人から誘われてこの道に入ったのですが、今にして思うことは、だからこそ今の考え方に至るのかと気付かされた部分があります。私にとって、技も刀も自分が信じる生き方の中で必要なものであり、心であったり、感じる力であったり、人と人とのやりとりから生み出していくものがあるのです。そうした私の信じたものを推し進めて行くことが私の生き方であり、無駄にならない時間を過ごすことになっているのだと思います。思考の偏りは大衆性に反するものですので、そのあたりのバランスを知り、これからも自らの信じた道を進んで行きたいと思います。


金山剣術稽古会  

2018年5月 稽古日程

2018年6月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-05-13(Sun)
 

自らが貢献できるものとは何か

 本日は高田馬場でW氏と関西から一時帰省された川原田氏とともに稽古をおこなった。こちらに訪れる前に井上さんのところで武術稽古とヨガをおこなってきたそうで、その熱意には頭が下がります。

 まだ川原田氏が学生の頃だったか、卒業して間もない頃だったか定かではないが、就職で神戸に行かれる前に集中的に戸越体育館や新宿スポーツセンターに江東区スポーツ会館などで私の稽古会に参加され、また多くの方を対象にした特別講習会でも品川区総合体育館へ何度かお越しいただいた。氏と初めてお会いしたのは2016年2月。まだほんの少し前の出来事である。

 久しぶりに川原田氏とW氏とともに稽古をおこなった。W氏も今週は稽古が続くことになるが、川原田氏との稽古では想い出に蘇るメンバーなので、今日は一緒に稽古が出来て良かったと思う。

 稽古してしばらくし、フト「あっ、そう言えば」と思い出したように、川原田氏の癖が取れていたことを告げ、稽古環境の変化やこれまでの経験などを想像したのであった。私もこの二年でいろいろな方と出会うことが出来たが、川原田氏の二年の広がりと深さには凄まじさを感じる。これはほんとうに彼の持って生まれたエネルギーというか、押しの強さであり、それが求められる職業では大きな成果を挙げられると私は思っている。

 私は四十代になってしまったが、まだ二十代で生き方や世の中のことを真剣に考え具体的に行動に移せている人は素晴らしい。そういう人達のエネルギーを受けて、それぞれがそれぞれに出来る分野の事に最善を尽くせば、何のために生きているのかという、誰かの成績のため、誰かの利益のため、誰かの体裁のため、ではなく、同じ誰かのためならば、生きていることにエネルギーが満ちてくるような貢献度が自らにも実感出来るための、学びであったり、専門技術の収得であったり、「自らが貢献できるものとは何か」を知り、それを活かしていく事が本筋であると思う。そこに気がつき、自らの可能性を探り、人生の時間の使い方を選択行動することが出来れば、誤ったエネルギーの暴走による誹謗中傷や事件に向かう可能性のある人も救われるのではないだろうか。要は、使うべく、個人の能力が、報われないまま、貢献できないまま、その機会をどこで導き出すのか。その機会を導く大人の役目というのも重要であり、上辺だけの憧れや、表面的な勝ち負けに捉われない、若い人の目を狂わせない大人の存在がとても重要である。若い人の目が変われば需要も変わり、それに適する供給も変わってくるだろう。「誰のために」という部分を示していくことは一人ひとりにとっても責任のあることと私は思う。


2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年5月 稽古日程

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2018-05-11(Fri)
 

年齢を問わず身体と縁のあるものに出会うこと

 月曜日から連日の雨、毎日傘を差して稽古に向かうのも珍しい。気温の乱高下が起きているが今年は例年に無くまだ体調を大きく崩していないので、気をつけたいところである。

 昨日水曜日の稽古では、体術に大きな進展があった。

 横方向へのエネルギー伝達法に、剣と同じく導かれて行く感じで試したところ、これまでにない通りの良さを得ることが出来た。W氏に試みる前に頭の中では考えていたが、実際に腕に伝わるロスの少なさに驚いた。あらためて、エネルギーの伝達には細かい手続きが最適なタイミングで働かなければならないことが解り、今回得たものはその手続きの入り口部分である。今後は、もっとロスが少なくなるように、どのタイミングで安定的に威力が伝えられるかを追求していきたい。これは、私がおこなっている袈裟斬りと非常に関連がある身体運用なので、剣術、体術どちらにおいても稽古になるものである。

 本日は稽古前に九段下の武道具屋さんに行き、杖を二本購入。九段下の駅構内で前方にいた日本人男性に見覚えがあり、五秒位考えたところ、数年前に銃器の扱い方の講習会で講師をされていた先生であったことを思い出した。たしか横須賀の米兵に銃の扱い方や、実戦での身のこなし方などを教育されている方だということで、見た目は柔らかい感じの人であるが、こういう人がスペシャリストなんだろうなという印象が当時の記憶として残っている。私は当時お世話になっていた方が、私にさまざまな武術やアクションに関わる環境を整えて下さり、アルニスやシステマ、中国武術(形意拳)など、それぞれ少人数または個人指導で特別に受けさせて頂いていた。私自身は高校から五年間ボクシングをやっていたので、すべてを続けていれば今頃はそれなりに知識は得ただろうし、それぞれの動きもそれなり程度には身についていたかもしれない。だが、私の中には、アクションとか俳優とか、そういったものよりも、剣術、杖術、抜刀術にしか興味が示せなかった。(S師範からは中国武術以外に体術を学ぶ機会は無かった)剣術に関しては一年~二年位示現流を併用して学んでいたが、やはり他の武術と同様に、後に続くほどのものには至らなかった。色々な中で唯一身体が選んだものは、甲野善紀先生「松聲館」の技法であったということである。武術稽古を始めた当時はS師範からそれを学んでいたので、30年以上前の松聲館の技を二年ほど集中的におこなった。この当時は私も柄を持つ両手を離して握り、足は爪先が外側に開くソ之字立ちで腰は反り前後の足幅を大きく空けて構えていた。

 二年後にS師範が会を離れ、一年半程私が指導員として会員に指導をおこなったいたが、やがて私も会を辞め一人独立と言う形となった。その当時は、甲野先生の受けを務める事もあり、最新の術理に触れる機会も多かった。そうしたことから、私としてはただ形を真似るのではなく、自分の身体を通じて身体から判定を仰ぐことを大事に一人研究稽古の日々が続いた。いまにして思えば、S師範から最初に学んだ、昔の松聲館の術理や身体の使い方を個人指導に近い形で学べたというのは本当に有り難い事であった。

 あれから数年が経ち、私としては稽古に没頭出来る日常を求めそこに向き合ってきたが、いろいろな人とのご縁が広がった。これからは色々な意味で質を上げていかなければならないと思っている。そのためにはやはり、心の純度を高めるための通り良い稽古空間を実践し、あらたなものを育てて行くことが今後の私に課せられているのではないかと感じている。

 話が思わぬ展開になってきたが、人生何が自分の身体と縁があるのか分からないものである。

 本日の高田馬場での稽古では、久しぶりに小太刀の稽古をおこなった。小太刀といっても、以前甲野先生の小太刀を拝見し、それを参考に体捌きを中心に稽古しており、現時点での私の身体にあるものから小太刀に応用したものを打太刀に合わせて幾つか対応すべく動きを稽古した。これは7月に計画している「剣術 特別講習会」が4時間確保してあるので、そのうちの一コマ2時間を小太刀の講習会にしたいと考えているところである。

 明日は、先日の関西特別講習会で世話人を務めて下さった川原田氏が井上欣也さんのところで稽古をおこない、その後高田馬場で稽古に参加される予定。久しぶりに私の稽古会での稽古となるためとても楽しみである。ジックリ詰めた稽古をおこないたい。


2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

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2018年5月 稽古日程

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2018-05-11(Fri)
 

寒い一日

 今年は梅雨入りが早くなりそうであるが、季節の移り変わりのイベントは確実に遂行されている。(梅雨入り発表の無い年もありましたが)歳を重ねる毎にそうした自然の訪れに対する想いが芽生えるのはどうしてなのかと思ってしまう。

 あまり時間が無いので、本題に入ろう。

 昨日月曜日は高田馬場で19時から後藤健太氏と稽古。数年前は月曜日と言えば空いている絶好の空間であったが、ここ最近は固定的に利用団体が付いた模様。私の稽古会では少人数またはマンツーマンでおこなうこととしているので、相手によって稽古スタイルが変わることもある。後藤氏との場合は、ただ稽古に打ち込むというより、会話の中での情報交換が互いの稽古に組みかえられていくのである。つまり、自分の稽古スタイルを確立しているということ。そのため、この場で身につけるというよりも、ここで如何にヒントを得られるかが後藤氏にとっては重要に感じている部分だと思っている。

 この日は木刀による剣術稽古をおこなわず、杖術と抜刀術稽古を集中的におこなった。抜刀術では、私自身今年初めて抜いた「鷲眼一閃」をおこない、薄れ掛けていた感覚が三本位抜いたところで甦ってきた。この日得ることが出来たのは、抜刀の方向と身体の移動が別々のものであり、それが結果として合致するということ。これはその前におこなった杖術での「巴」における片手打ち操作での指の第三関節と肘の使い方の説明がヒントとなった。もちろん後藤氏のコメントもそれに大きく関係した。

 稽古の中で私自身が今、目指すもの、目指したいもの、それについて具体的な手段と言うのは無いが、その事についてどう捉え続けていられるかがこれまで過ごしてきた稽古時間と異なるべくものとして行かなくてはならない。そのことは以前から考えている、自身の稽古や稽古指導のその先にあるものとどこかで結びついてくるように思っている。


 そして本日は、「高齢者のための剣術教室」のため二週間ぶりとなる会場へ向かいました。

 ここで私がおこなった座礼に興味を持たれた方が数名いらっしゃいましたので、私がいつもおこなっている脱刀しながらの座り方や立ち方などをお伝えしました。

 講習では久しぶりに「旋打」をおこないました。およそ二ヶ月間ぐらいは間が空いていたと思いますが、次第に皆さん思い出し、関西での講習会の初日に参加者の皆さんが苦労されていた内容と同じものを70代80代の方々にここではやっていただいております。最後の剣術では、抜刀術の「稲妻抜き」をおこないました。ここではあまり腰を落とさずに、スピードを落として身体の姿勢やブレない止まり方などを目的におこなっております。3年前では絶対に興味を示して貰えなかったと思われる内容ですが、これまでの杖術や剣術での内容に、身体への自信と楽しめるという信用がみなさんの集中力と動きの向上に見て取れます。この教室には天井にカメラが付いておりますので、おそらくスタッフの方々など驚かれているのではないかと想像いたします。今年の8月で丸4年となりますが、一度も講習内容についてスタッフの方やその他周囲の方々から「それは危ないから止めてもらえますか」と言った言葉は全く無く、寧ろ信頼されて全てを任せて頂いている事を感じながら毎週やらせて頂いております。そのことに関しましては私自身以前カルチャークラブで一年間ほど講師を務めたこともありますが、生徒と講師の繋がりというのは、人と人との温かさが大事であり、中間に業務的な文面などが入ってしまうと、距離が生まれその距離は講習中の信頼感や集中度合いに大きく影響してきます。ですので、この「クラーチ剣術教室」が成功しているのも(ハッキリそう書かせて頂きますが)ここのスタッフの皆様が私を自由に任せて下さっているという部分が大きな割合を占めています。

 これからも私自身の方針としましては、自分に出来る範囲内で人と直接関わって活動していくこと。私にとってそれがもっとも没頭出来る事柄であり、幸福に感じられる生き方でもあるからです。そのことは昨日の稽古帰りに後藤氏から伺ったお話のなかにあるエピソードと重なり深く納得いたしました。電子機器から離れられず、没頭する時間を妨げられる情報の多様さに集中していられないという日常が、人が当たり前にあるべき状態を狂わせてしまうものになると私もそう思います。生き抜いて行くにはそうした枠の中に嵌められたものから脱せる強さが求められます。

 さて、今夜はこれから稽古に出掛ける準備をいたします。稽古が出来る日々というのは有り難いものです。だからこそ、その稽古をよりよいものにしていける成長とはどういうものなのかを常に問い続けて行かなければなりません。現状維持はあきらめの始まりです。生き続けている限り、何かを追い求めていくことが、心をもつ人間としての使命なのかもしれません。


 Gold Castle 殺陣&剣術スクールの6月講習日程を一部変更いたしました。昨年の10月から今年の3月一杯まで、品川区総合体育館の耐震化工事にともなう主要講習会場を深川スポーツセンターへと変更したことにより、これまでおこなっていた品川区総合体育館の時間割にまた生徒達を合わせる事も難しいと判断し、日曜日における品川区総合体育館での開催につきましてはこれまでの二部制から一部制へと変更したいと思います。先日の日曜日の開催もそうでしたが、やはりある程度の人数が確実に把握できたなかでの講習内容を組んで行かなければなりませんので、それとなるべく皆が同一空間内で顔を合わせることが良いと判断したからです。今後、品川区開催での人数が物理的に講習をおこなうのに厳しくなってくると判断いたしましたら、その際には再度二部制とさせていただきます。

 このように、会場が半年間使えなくなってしまうと、状況が変わってしまうことがあります。今年の10月から来年の3月一杯まで、戸越体育館が耐震化工事のため利用できなくなりますが、品川区総合体育館は今年工事が終わり、深川スポーツセンターは昨年改修工事が終わったばかりなので、当面は大きな会場変更は無いものと予想しております。

 こうした中での運営はそれなりに誤解が生じやすくなってしまいますが、誠意をもって稽古や講習に専念できる体制を確立していかなければなりませんので、状況に合わせて安定開催出来るように務めて参ります。

 5/12(土)「杖術 特別講習会」のお申し込みもまだ受け付けております。遅くなりましたがチラシを差し替えました。


2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

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2018年5月 稽古日程

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2018-05-08(Tue)
 

正しく座り気持ちを整える

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールは品川区総合体育館剣道場で15時からの夕方の部と18時30分からの夜間の部を開催いたしました。

 ゴールデンウィーク最後の日ということもあり、今日は二コマ合わせても記録的に少ない人数となりましたが、毎回賑わうのも贅沢なものですので、今日は参加された方にとって贅沢に感じられるように時間を延長してジックリとおこないました。

 移動法の稽古では八相からの歩法に得るものがあり、次回の講習でもお伝えしたいと思います。夕方の部での殺陣クラスでは、前回タイプⅡで間合いの問題が生じましたが、今回足の使い方をほんの少し変更したことで解消されました。WさんとYさんの動けるお二人でしたので、完成形のイメージが浮かび上がりやすく、もう何人かこのタイプⅡへと上がって来るのを待っているところです。

 抜刀術では、「巴抜き」から「懐月」までを続けておこないました。動画に十二本続けて抜刀から納刀まで一連の動きを配信しておりますが、この間の全ての集中が稽古の中では求められます。この動画は昨年の1月に撮影したものですが、構えの際の動きがまだまだ多く見られ、静から動への移り変わりについてこの動画を配信した直後から考えて取り組んでおります。動画の場合は、カメラアングルに合わせて向きを変えておりますが、通常は一方向に向けておこなっております。抜刀術そのものの形が変わったものもあり、それにつきましては、またいつかワンカットで一連の抜刀術を撮影しようと考えております。その前に今年の2月26日に撮影した杖術と剣術と抜刀術の映像が現在、仮編集作業中のため、少々時間が掛かっておりますが、急いで間に合わせで作るよりも、信頼の中でお任せしておりますので、どのような作品に仕上がるのか私自身楽しみにしております。

 夜間の部では、夕方の部の半分の参加人数となり、さらに集中的に見ることが出来ました。細かい部分ですが何度も繰り返しおこなう事が出来ましたので、それぞれにその動きが身体に入ったのではないでしょうか。

 抜刀術では、「巴抜き」と久しぶりに「天神抜き」をおこないました。おそらく私自身今年初めて抜いたかと思います。鞘の角度が重要であること、天神差に反す操作と鞘を送る操作の手順など、感覚が空き過ぎて引っかかってしまったこともありましたが、最終的に鞘の角度に問題があることが分かり整うことが出来ました。二尺七寸の刀だとこの抜き方はとても抜き苦しく抜刀直後の姿勢と言うのはなんとも練られる形となります。足を差し替え浮き身のなか身体を転じ、上体と下体とが上下に引っ張り合うような形で、鞘を反し送った左手がこのさまざまに混ざり合う動きの中でも印象に残る形となります。

 こうした抜刀術の稽古では、夕方の部夜間の部ともに生徒達の姿はより一層集中した様子となります。構えの良くなってきた生徒や、居合刀での扱いが馴染んできた生徒も見受けられます。今後は、静から動への狭間をどのように感じるのか、そして続けて二本、三本と技をおこなうようになった時の集中が瞬き一つにも変化が見られないようにおこなえるかが、課題となってきます。そうなってくれない自身の身体と、身体だけに留まらない心の状態と向き合っていくことが大事になります。

 最後に、2月26日に撮影した映像から写真を一枚掲載いたします。本日もお越しいただいた皆様、ありがとうございました。


かざあな。①


2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

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2018-05-07(Mon)
 

通りのいい人材を育てる空間作り

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールでは、これまで敢えて各人に任せていた礼儀に関して、通り良くおこなうものとして部分的に決め事として統一することにいたしました。

 これは関西での経験から学んだことでもありますが、これまで私がおこなってきた「自由さ」には、それぞれの自発性が求められ、あらためて今日の講習でこれまで私がそうしてきた空間を客観的に感じておりますと、自発性を育てるための取り決めが必要であると感じました。今後しばらくは「通りよく」おこなうためのものとして、これまで言わなかった事を教えていかなければなりません。この教室も五年目を向かえ、おかげさまで生徒も増えました。心の純度は人それぞれですが、同一空間内で純度の濃さ薄さのどちらを優先しなければならないかと言えば、濃い方を優先していくことで教室の教えと言うのは守られていきます。すなわち、これまで全員が同様に楽しめる空間と言うものを追い求めておりましたが、空間を育てるためには、純度の濃い方が心地良く感じられる空間を優先していかなければなりません。今後も入会される生徒は増えてくるでしょうし、私に求めるものも高くなってくるでしょう。教室の成長とはそうした総合的な部分が向上していかなければなりません。

 これからは、身体や心の「通りがいい」人材を育てるための教室運営とし、今は全員それがどういうことなのか見えていないと思いますが、私の中には明確にその先の姿が想像に見えております。しばらくは、取り決め事項を私からお伝えすることになるかと思いますが、行き渡った頃合をみて、私からお伝えすることは少なくなるでしょう。この事を蔑ろにしてきた私自身の責任を痛感しております。
 
 明日は、品川区総合体育館 剣道場にて夕方の部と夜間の部をおこないます。夕方と夜間の合間の時間も稽古が出来ますので、長く集中しておこないたい方にとってはお勧めの時間割です。
 
 それでは明日も皆様、お待ちしております。


2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

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2018年6月 稽古日程

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2018-05-05(Sat)
 

2018年6月 武術稽古日程


6月02日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場



6月03日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 柔道場
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 柔道場



6月04日(月曜日) 金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場

              

6月05日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



6月06日(水曜日) 金山剣術稽古会
           12時00分~14時00分
           戸越体育館 柔道場



6月07日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場
           


6月08日(金曜日) 金山剣術稽古会
           17時00分~19時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場

 

6月09日(土曜日) 抜刀術 特別講習会
           12時00分~14時00分
           戸越体育館 剣道場+柔道場
           15時00分~懇親会予定(自由参加)           


6月10日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           12時00分~14時00分
           品川区総合体育館 剣道場  
           


6月11日(月曜日) 金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



6月12日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



6月14日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場
 

          
6月16日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           12時30分~14時00分
           戸越体育館 剣道場  
           15時30分~17時00分
           戸越体育館 剣道場



6月17日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           15時00分~17時00分
           品川区総合体育館 剣道場  



6月18日(月曜日) 金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



6月19日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



6月21日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



6月23日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場  
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場



6月24日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           12時00分~14時00分
           品川区総合体育館 剣道場  
           15時00分~17時00分
           品川区総合体育館 剣道場



6月26日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



6月27日(水曜日) 金山剣術稽古会
           12時00分~14時00分
           戸越体育館 柔道場

 
          
6月28日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場
 


6月30日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場  
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場





 金山剣術稽古会 入会希望の方へ


【 新宿スポーツセンターでの稽古時間 】
◇(月曜日)19時00分~21時00分
毎月第四月曜日は休館日のためお休みとなります。

◇(木曜日/毎週)14時00分~16時00分 

◇(金曜日/第二・第四)17時00分~19時00分


【 江東区スポーツ会館での稽古時間 】
◇(火曜日/毎週)19時00分~21時00分
月曜日が祝日の場合は振替休館日となりお休みとなります。

◇(木曜日/毎週)19時00分~21時00分


完全予約制ですのでお早めにご連絡下さい。
前月までに予約の入っていない日はお休みとなる事があります。
初めての方はこちら金山剣術稽古会についてをご参照の上
お申し込み専用窓口よりご連絡下さい。

稽古場所の詳細や稽古内容、稽古時間のご相談、道具類その他のご質問等につきましてご不明な点がありましたらご連絡下さい。

都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。

2018-05-04(Fri)
 

心の純度

 関西特別講習会が終わって早くも二日が経ちましたが、その期間ずっと頭の中にさまざまな出来事が蘇り、思いを整理するという作業に没頭しておりました。

 この二日間で学び得たものは、観る景色、向かう景色に対してとても重要なものを頂けたように感じております。

 それは、何物にも代え難い根幹の部分でもあり、「技・心・生き方」そうしたものが稽古を通じて通じ合うもの響きあうものであるということが理解できたからです。

 すべての段取りをおこなって下さった川原田喬生氏には心からお礼申し上げます。そして、お越し下さいました皆様との稽古は、身体に染み入る記憶として残っております。ゴールデンウィークの中調整して下さり素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。ほんとうに、ありがとうございました!

 今年の1月に初めてこの地で務めさせていただき、この二回目での繋がりといいますか、想いの強さというのは自分でも驚いております。その事が今回もっとも考えさせられる部分であり、得たものの中で大きなものとなりました。

 互いに技の通りを感知する事は、心の通りも感知することに繋がり、それは鏡写しの原理(取りの利用部位が受けの同部位に作用する)にもあるように「心の純度」が相手の心に大きく関係してくると思うのです。これは全ての事柄の根幹に関わってくる事だと思い、この数日間その事で脳が私を休ませないようにしています。

 「心の純度」という言葉が浮んだのは、4月30日の一日目を終え、宿泊は海運堂さんにお世話になり、夜中なかなか寝付けずに布団の中天井を見つめ、先の懇親会の事を思い出し自らを振り返ってみて、言葉には、それ以前に曲調のようなリズムが先行し、それに合わせて言葉をのせているのではないだろうかと思い、もちろんそういうことは意識していないのですが、懇親会の場における曲調はもっと違うものがいいのではないかという考えが頭に浮んできました。それには、取って付けた様なものでなく、講習会と同様に、経験の中で自らが得ていかなければなりません。

 翌朝6時30分からおこなわれる、内田樹先生の道場「凱風館」での朝稽古を見学させていただきました。初めてお会いする内田先生にご挨拶し、初めて同室空間内で合気道の稽古というものを観ることが出来ました。

 私が師事している甲野善紀先生以外の先生の稽古場の雰囲気というものを体感するのは久しく記憶にありません。それは私にとって衝撃でもありました。

 言葉にしない言葉といいますか、門人の方々との繋がりが、稽古そのものが美しい流れの中で体系化されており、そうした体系というものが繋がりを生み出す仕組みにもなっていることに感銘を受けました。「通りがいい」という言葉に気が付いたのはまさにこの場で目の当りにした光景にありました。

 未熟な私の解釈ですが、合気道の稽古にはエネルギー(気)の繋がり(通り)が相手の受け身から畳につくまで一つであるものと考えます。まさに「受け取る」という言葉の通りだと思います。ですので、稽古では取りがその通り道を示さなければなりませんし、受けとしましては、その通り道の行き先を示してあげなければなりません。そこには、人間が持っている自然の計算力(階段をスタスタと降りられる衝撃吸収の筋力と関節の最適な使い方のように)の働きも関わってきますし、その働きは取りにも受けにも発せられると思います。そうした自然の計算力が持つ通りの良さを技でも心でも練磨し、「心の純度」を高めていくことが、合気道の稽古体系には深く普遍的なものとして感じられました。そしてそうした通りの良し悪しをいかなる相手とも応対していくことに稽古の難しさと面白さがあるのだと思います。

 言葉にはいろいろな思惑がありますが、表面的な言葉というのはこれも鏡写しの原理になぞらえますと表面的な対応になってしまうでしょう。心の純度を下げないためにも、言葉の使い方というのは使い所を知っておかなければなりませんし、より効果的であるための体系化も整理が必要に思われます。人というのは本能的に身体にしても心にしても通りが良いものには喜びを覚えます。その喜びを得られるための稽古として、何度も申し上げておりますが「心の純度」が根幹に求められるように思います。

 今回の講習会で内田先生にもお会いすることが出来ましたし、凱風館門人の方々ともかなり親しくさせて頂く事ができました。さらにはささの葉合気会の方々とも強いご縁を感じました。代表のSさん副代表のDさんのひたむきなお姿に感銘を受けました。関西での出会いの始まりが、私自身の根幹に関わる部分で取り組まれていらっしゃる方々との出会いとなりましたことを心から感謝いたします。時は流れますので、それが寂しくもあり楽しみにもなりますが、人と人が出会うこと、同一空間内で関わる事の大きさにあらためて想定不能なエネルギーと学びを知る事になりました。この二日間で得たものから次なる景色を観て、歩を踏み出して行こうと思います。

 最後に二日目の集合写真を掲載させていただきます。川原田氏のツイッターでも講習風景が掲載されております。


2018.05.01 関西特別講習会


2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年5月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-05-03(Thu)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなう。

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

2018年
『 関西特別講習会 』として人との繋がりを大事に遠方での講習会もおこなっている。

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