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深川の余韻に想いを馳せ

 4月最後のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習では、深川スポーツセンターにて賑わう講習となりました。

 今日は約一年ぶりにT君が復帰され、さらにお姉様とご友人の方も体験参加にお越しいただきました。T君のお母様には、これまでにもいろいろな方を御紹介くださり、とてもありがたく感じております。真剣さと笑顔というのは見ていて気持ちのいいものです。

 月末恒例立廻り講習では、通して長くおこないますとどうしても一つ一つの粗が目立ってきます。その一つ一つを丁寧に、急がずに動けることが全体的に言える当面の課題となりそうです。

 今回「万乃型」を撮影いたしました。映像を見てそれぞれ動きをチェックして頂きたいと思います。ここから一つ一つの完成度を上げて行かなくてはなりませんので、どうすれば全体が同調して綺麗に動けるかを考え、セリフに関しましても間というのは違和感の無い間が求められるように、動きの間、剣の間というものを感じ取っていくことが、この型稽古にも求められます。その辺は、私も今後の講習で見ていきたいと思います。

殺陣にしても、万乃型にしても、まだまだ時間が掛かりますが、イベントや映像作品を作る訳ではありませんので、それぞれのペースで課題を克服していただければと思います。ですが、今後も生徒以外非公開の映像記録を撮っていきますので、それぞれにとって成長が見られるように、全体として良いものに、見違えるものになるように、励んでいただきたいと思います。

 杖術クラスでは、久しぶりに「十一之型」をおこないましたが、これも全員が最後まで出来るように励んで頂きたいと思います。新しい生徒も増えましたので、また折を見て以前おこなったものをおこなう予定です。

 さて、明日は早朝に家を出て、関西で明日明後日と続けて講習会をおこなわせていただきます。初めてお会いする方、再びお会いできる方、一度お会いすると、気持ちというのは懐かしいという想いに変わるものですから不思議なものです。さあ、あとは寝るだけ、目が覚めたら出発です。行って来ます!(メールの返信は5/2となりますのでご了承ください)


2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年4月 稽古日程

2018年5月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-04-30(Mon)
 

Golden Week の Gold Castle

 今日からゴールデンウィークに入りますが、毎年この時期都内は人が少なくなると言いますが、今年はどうでしょうか…。年々外国人観光客の増加で都内は混んでいるのを痛感しております。

 さて日差しの心地良い本日は深川スポーツセンターでGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。殺陣クラスは大型連休の影響かかなり人数が少なかったですが、その分一人当たりに時間を掛けて見る事ができますので、生徒にとっては良い状況かもしれません。今日は初めての方が三名いらっしゃいました。そのお三方とも殺陣クラス杖術クラスともにダブル受講され、見学のつもりで参加されたHさんには、せっかっくなので私の杖を掴んでもらい、それを外す内容をおこなったところ、最後の最後に思わぬ抵抗に遭い、その粘りに会場が盛り上がり、良い雰囲気の中終わることが出来ました。Hさんもそのつもりではいませんでしたでしょうから、驚きとともに楽しまれていた表情が印象に残りました。

 シニア男性のお二人も、丁度同じ位の方同士ですので話が通じるところもあるかと思います。体験初参加のUさんは上京して大学に通われているとの事ですが、郷里が私と近く、なんと驚いたことに私の実家から数百メートル離れた高校に通われていたそうで、おそらく今は校舎が移って場所が変わっていますので何らかの利用で旧校舎に通われていたのかもしれませんが、それでも部活動で自宅の目の前の山道を走っていたと伺い、この驚きは言葉にならないほどで、いや、言葉になったものですから、講習中にも関わらず鏡の前で剣を持って構えるUさんの指導を中断して話し込んでしまいました。私の実家はグーグルマップの航空写真で上空から見ると、画面一杯緑色の中に一本道が一つ曲がりくねっているというような有様で、そりゃあ、猿も狸も猪もでるやろー。というような土地なので、そんな場所を部活とはいえ走るのは気持ちの悪いものでは無いかと思います。なんせ、周りに人がいないし、交番も遠いし、道を上りきって下って行く場所は「地獄谷」といわれる場所なので。なんでそんな名前なのか今にしてみると不思議ですが、あの土地の人だけの呼び名だったのかもしれません。切り出した岩が見える離合(りごう)箇所の少ない薄暗いあの道は子供の頃は一人で行こうとは絶対に思わなかったなぁ。そう、離合(りごう)というのは、九州の方言であるとタモリさんが番組で仰っていたことで、私も初めて知りました。田舎の山道で道幅が狭いと、毎回カーブの先に車が来ないかドキドキしていたのを懐かしく思います。そんな田舎を出て、都心での生活が15年となりました。振り返ればいろいろやってきましたが、今は振り返るより次のほうが楽しみなので、今を大事に、今が続いて行っております。

 生徒で、ドラマの主役が決まった人もいらしゃいます。教室にはいろいろな方が集まり、同じ時間を共有して何かを得てそれぞれの時間へ戻って行きます。私としましては、技や講習内容というのは手段であり、大事なことはそれらを通じて自身と向き合い、相手を尊重し、空間全体をより良くしていく意識の集合体でありたいと考えています。難しいことではなく、自分を観ることで周囲への対応が見えてきます。私が昔から教室の空間と言ってきましたのは、空間が出来て初めて物事に取り掛かれると思っておりますので、本当にそのことを実践するためには、準備というのは整っておかなければなりません。それは他の仕事においても言えることだと思いますが、この教室にとっての準備というのは、嫌な事を考える思考を排除することにあります。ですのでそうした要素を髪の毛一本でも持ち込まないように私が私自身の手綱を締めておかなければなりません。自らの甘えが、人を不快にし、大きな犠牲の連鎖を生み出すことにもなりかねません。この教室にさまざまな方が生徒となって下さっていますが、おそらくはそうした部分においての学びも同時に強く意識を持って取り組まれている方もいらっしゃると思われます。厳しさにも質があると思いますので、楽しめるための厳しさというのをそれぞれが自らに問いかけながら、今まで気がつかなかった部分について、稽古に参加し身体と心に向き合う中で得ていっていただきたいものと思います。

 明日は、今月最後の講習となります。殺陣クラスでは月末恒例立廻り講習となりますが、三月の撮影が終わって燃え尽きた感になってはいないでしょうか。私の頭の中ではまだまだやってみたい(やれそうな)アイデアは幾つかありますので、今はそれを順番におこなっている段階です。そのためには、それぞれのレベルを上げていきながら、その段階でやれそうな事がありますので、今は、今の段階でやれることをおこなっていきます。殺陣もそうですが、私がおこなっているものですから、考え方としましては武術と同じです。すなわち自分の事だけでなく、相手を尊重し、全体を良くしていける視野を持つことです。つまり人も同時に育っていかなければなりません。特に厳しい世界で生き残っていかれる方には、こうした部分は見る人によっては一瞬で看破されるものでもありますので、付け焼刃でなく、今の内から身に備え心に宿しておくことが大事です。明日の講習では、ゴールデンウィークのためそれほど参加人数は多くならないかもしれません。立廻りの最後まで到達した方は最初から通しておこなっていただきます。次のタイプⅡに進んだ方は、新しいところからおこない、最後に最初から通して途中までをおこないます。それ以外の方は、序盤の動き、そこからの展開など、それぞれに合わせておこないます。立廻りの撮影はおこないませんが、最後に万乃型を全体で撮影いたします。

 5月に繋がる講習となりますように、明日もみなさま深川スポーツセンターでお待ちしております!


2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」

金山剣術稽古会  

2018年4月 稽古日程

2018年5月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-04-29(Sun)
 

何気なく感じられる日々のありがたさ

 本日は高田馬場でW氏とS氏と稽古。気温も上がり、始めの鍛練稽古で汗の雫が床を濡らしてしまう。杖では新たに連続突きに対する払い突きをおこなった。これは重心移動もあるが、先を制する対応が二度目の突きに求められるため、感覚的にも得ておきたい内容と言える。「旋風」(つむじかぜ)では、(※馬突きの変化形の呼び名が決まりました)動きの中で全体を把握しながら、呼吸を忘れないように忘れることを心掛けておこなう事。(誤植ではありません)

 全てを感じ、得たものを忘れる。忘れるというのは言葉からなるイメージとして用いているが、細かく言えば、意識することを忘れても自然と如何なるときもそのようになる。ということであろうか。

 だから、確認癖は、悪癖なのである。確認はしなくても分かる(感じる)もの、出来ないものを出来るように確認しても、似たようなものにしかならないため、確認をやめて身体がしようとしている事、魂が求めるものに耳を傾けること。だから稽古は、そうした心の準備が用意できているかが肝心。

 今日の斬割稽古で私と組んだW氏の鼻を切っ先がかすめ、少し鼻を腫らしてしまった。私としては初めて間合いを誤ってしまったが、ときに武術稽古では起こりうることでもある。一つ間違えれば骨折や失明も無いとは言えない。そうした一振り毎の気の持ち方というのは木刀といえども忘れてはならない。そうした後に、敢えて再びW氏の顔面近くに斬り割っていったが、逃げたり怯えるそぶりは一切見られなかった。これは、W氏にとって得るものがあったと思う。仕太刀を交代し、私が打太刀となりW氏の剣を受けたが、此れまでに無く気持ちの入ったもので、何かのリミッターが少し解除されたような感じを受けた。まだまだリミッターが掛かっているのを感じるが、今日の稽古で垣間見た動きは身体の中に記憶として残されているだろう。

 そのほか、斬上からの斬割をおこなった。動きの流れからこの場合は左からの正面斬りとなる。残り身が引っ張られる袈裟斬りに関しては、やはり感覚的な手続きや状態の精緻さが求められるので、私自身としても稽古間隔を空けてしまうと、実感が薄れてゆく。

 抜刀術や納刀では、身体の一部分の精度を上げようとせずに、全体の状態がどうであるかを詳細に確認することが大事。そしてその状態を作るための構えや、手続きがどういったものであるのかを知り、そこに向けて自己と向き合っていくこと。それにはそれぞれに段階があるので、身体もそうであるし、心の状態もそうである。そこに通らなければならない通過点をどの速度で通過するかはひとそれぞれ異なるが、ショートカットはしようとしないこと。

 本日の稽古も新しい取り組みができ、次回以降の稽古に活かせるものとなった。そして、関西での講習会もあと四日後に迫ってきた。今回も世話人を務めて下さる川原田喬生氏が情熱的に今回の講習会の段取りと手配、告知に事務手続きなど色々と動いて下さっています。まだ二十代の若さ溢れる青年川原田氏が、私を関西に呼んで下さることはただただ有り難いという思いです。そうしたご縁からなる想いを受け、私といたしましては多少なりとも稽古をしてきましたので、その中で気がついたことなど、お伝え出来ればと思っております。今回は4月30日に杖術、5月1日に剣術を予定しております。前回1月8日にお越しいただいた半数以上の方から再びお申し込みを頂いております。前回とは違った内容も踏まえ、再びあの関西の空気空間の中で講習会が出来る事を楽しみにしております。

 今日4月26日は2009年4月26日に稽古を始めてから丸9年となった。この間に出会った人、学んだ事、身に付けた事、感じ方、考え方の変化、生活の流れ、今後の予定、そうした全ての事が大きく前に進んだ。これからも進んで行かなければならないが、自分自身気が付いていない乗り物に乗せて貰えていると言う事に感謝し、その中で何事も心地良く運ばせてもらえているという事を忘れないように、これからも精進し次の一年後までに今の自分を大きく越えたいと思う。


2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
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2018年5月12日(土)「杖術 特別講習会」

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2018年4月 稽古日程

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2018-04-26(Thu)
 

自分らしくあるために

 本日の「高齢者のための剣術教室」では、二十連円打から先の二十一から二十三番目までをおこない、剣では立った状態での逆手廻し納刀をおこないました。今日は来週がお休みということもあり、少々難しい内容となりましたが、二週間間が空きますので、自主稽古に励んでいただければと思います。逆手廻し納刀に関しましては今日だけのつもりでおこないましたので、二十連打以降の動きにつきましてはおそらくご要望があるかと思いますので続けておこなう予定です。

 帰宅してからは歯医者の定期健診に行き、その後、4/30に関西に向かう新幹線の切符をまだ買っていなかったことに気が付き、新宿駅の緑の窓口へ。GWということで心配でしたが無事に購入でき一安心。

 そのほか事務作業や調べ事などで気が付けば数時間経過。ここ近年かつての私の周囲では色々な事があったようだ。数年経って色々なことを知る。なんというか、事実は小説より奇なりと言うが、まだまだ序章に過ぎない気がしている。今があって未来がある。今をいかに生きるかは、こうして年月が経ち私の生き方も変わったことで本当に大事な事だと痛感している。空っぽで虚しい時間に気が付いていなかった時代を振り返ると、具体性の無い生き方にそもそもの無理があり、そのため何かに属していることで気が付かないように、いや当時はそれが正解だと信じていたのかもしれない。

 ただやはり、そこには導きがあり救いの手が差し伸べられていたことが大きかった。生きていく中で充実出来たのは、自身が前に進むことを自ら実践出来ることに、身体だけでなく心の面においても学ぶべき点が明確であり、自分で自分を知り、自分のペースで荒らされる事無く生きていける日常を選ぶ事が出来た。このことは私にとって短期間で数倍もの成長を与えてくれたと思う。人にはそれぞれ特性があるが、私の場合は集団ではなく個人で探求する事が向いている。情報過多の時代であり、人の意見を目にするのが当たり前の時代で、そうした情報に情報が被さる日常から距離をとって、そのもの自体を小さく伺いながら自らを見失ってしまわないことのほうが私にとっては重要な気がしている。

 生きている限り自己は付き添ってくるが、それ以外のさまざまなものごとは何事も無かったかのように時と共に変化している。依存と言う寄り道を程々に、自らの今を生きていこうとあらためて思うのである。


2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
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2018-04-25(Wed)
 

「杖術 特別講習会」のお知らせ

 2018年5月12日(土)品川区総合体育館 剣道場にて杖術の特別講習会をおこないます。

 これまでに講習会などでおこなった型稽古等を集中的にお伝えしたいと思います。その方に合わせた型稽古がありますので、初心者から経験者まで幅広く取り組めるものとなっております。

 初めての方や他流の方、高齢者の方も歓迎いたします。
 (貸し出し用の軽い杖は用意しています)


2018.05.12 杖術 特別講習会



【開催時間】
15時00分~17時00分
18時00分~懇親会


【会場】
品川区総合体育館 剣道場


【参加費】
3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「杖の有無」 
⑤「懇親会の参加または不参加」

上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
2017年11月30日 杖術稽古

2017年11月16日 杖術稽古

杖 十一之型


2018-04-23(Mon)
 

想定外の出来事にこそ問われる価値

 本日も最高気温28度と暑い一日でした。深川スポーツセンターで開催したGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習は、日曜日にしては少なめの人数でしたが、殺陣クラス剣術クラスともに、集中した講習となりました。特に剣術クラスでおこなった抜刀術や納刀法では、空間から感じられる統一した集中力を感じることが出来ました。これはおそらく一人でも途切れた場合には伝わってこないものだと思われます。大事なことは、技量ばかりに目が向かないように、失敗した時の状態も稽古としては重要です。ミスしたり思わぬ反応になってしまった時にどうあるかがこうした稽古では意識の置き所として求められます。そういう意味からも、今日の剣術クラスの講習は全員集中して自らと向き合えていたのではないでしょうか。一つの技に求められる集中が、二つ、三つと繋がっていきますと、呼吸であったり、僅かな動作、そうしたものが気になりますが、一切の無駄を無くし全てにおいて完全な状態で整えることを目指して私も現在自らの稽古に課しております。今後も日曜日の剣術クラスでは抜刀術を増やしておこないたいと思います。

 殺陣クラスでは、脚鍛稽古に蟹を復活させることにいたしました。やはり足運びにおける重心の偏りをコントロール出来る身体を体感しておくことは重要であると感じたからです。雀は引き上げを同時におこないますが、同じようで運用法とその使い道の応用は異なります。そのため今後もこの二つの鍛練稽古は継続いたします。


 「払い五斬」では幾つかおこないましたが、やはり殺陣では最適な速度があり、速過ぎても遅過ぎても見栄えに違和感が生じます。遅速の一致と前回言葉にいたしましたが、やるべきことを互いに知っているから、不自然な速さになってしまう場合が多く、互いにその先を知らずに動くつもりでおこなえば、反応と思考が動きの中に自然に溶け込んだ位の速度で丁度いい場面もあります。端的に言えば、速く動く必要のあるものは、速く動いて違和感の無い動き方にしなければなりませんし、速く動きすぎて違和感のあるものは、そこに求められる遅速の間を考えておこなう必要があります。こうしたところは、生徒の皆様にとりましてはこれからの課題になるかと思われます。もっとも、早く動けるようになったからこそこうした課題が見えてきたと言っても良いでしょう。進んでいる証です。

 立廻り抜き出し稽古では、小学六年生のS君と中学二年生のT君は二人で序盤の芯とC、または芯とDの払いを稽古いたしました。ここでは三歩拍合の間合いとタイミングの掴み方が大事になりますので今日の講習で少し掴めたかと思われます。

 その他の生徒の皆様は、タイプⅠ組はラストの絡みCとの場面を最後までおこない、タイプⅡ組は新たな動きをおこなっていただきました。今日おこなった動きにつきましては、ホームページの「映像記録サブページ」(生徒限定閲覧ページ)に配信いたしました。

 間が空いてしまった生徒や新しく生徒になられた方も、日曜日の立廻り、もしくは土曜日の立廻り、どちらかを私が判断してお伝えいたします。それぞれに合わせて進めておりますので、急ぐ必要はありませんのでご安心下さい。

 今月末の「月末恒例立廻り講習」では立廻りの撮影はおこないません。その代わり「万乃型」を撮影したいと思っておりますので、私も全体をじっくり観るには良い機会だと思っております。

 今日はTさんが体調不良のため講習欠席のご挨拶にわざわざお越しいただき、さらにはKさんが事情により来月からしばらくお休みになるため二歳のお嬢さんとともにご挨拶に来られ、こうした事は経験してみて初めて感じるものだとその心遣いに頭が下がる思いです。腰を痛めたTさんも、最後まで見学しながら時には木刀を手にこの時間を無駄にはしない熱意を感じました。人の大事なところは、そうした予定に無いことが起きたときにどうあるか。これは出来るようで見過ごされてしまいがちなものなので、そうしたプラスに変える選択のできる、そうした心を持ちたいものだと私自身学ばせていただきました。なかなか出来ない事が自然に出来る。私といたしましてもそうした想定外の出来事に対しどのような判断と行動が取れるか、武術稽古と日常に対する関連ある問題でもありますので、今後は想定外に対し何を学ぶか、邪心といったものとは別次元の思考の中でこうした心の美しさというものを大事にしていきたいものです。


2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
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2018-04-23(Mon)
 

安定と安心と継続で育つもの

 先週の土曜日から毎日稽古が続いており、ダブルヘッダーなどの講習や稽古もあり、昨夜は疲労が抜けなくなっていたので23時前には就寝した。普段は2時か3時なので、今の稽古日程からすればもう少し早く寝なければと思っている。

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールでは、品川区総合体育館での開催のため、五反田駅から会場へ向かっていたところ、後ろから生徒のMさんに声を掛けられ共に会場へと向かう。今日は日差しも心地良く、履き下ろした足袋が滑りやすく緩んだ鼻緒で何度か下駄が脱げそうになるのを堪えながら足場の悪い歩道を歩く。今年で五足目となる高下駄であるが、職人さんに鼻緒をすげてもらう際に前つぼ20mmとかなり緩めてもらっているが、元旦に履き下ろして三ヶ月と三週間程であるが、さらに緩んできたようだ。昨年は10月には履き潰したので、おそらく今年もその位で履き潰すことになりそうだ。

 講習ではダブル受講の方が多くいらっしゃり、次のクラスまでの空き時間も稽古されていたりと熱心な方々も多いです。こうした次のクラスまでの会場移動が無い場合は、1時間前後の時間は空いておりますので、講習が終わった後でも私は会場におりますので、質問していただきますと見ることも出来ます。

 土曜日の殺陣クラスでは、基礎的な部分に時間を掛けておこないますので、間が空いてしまった方や、生徒になって間もない方には特にお勧めです。そういう意味では今日の講習は良いペースでじっくりとおこなうことが出来たと思います。会場移動が無いということもあり、20分程延長しておこなうことも出来ましたので、土曜の立廻りも相手を付けて「三歩拍合」を確認しながらおこないました。体験初参加のTさんも、殺陣の経験者ですが、移動の仕方から、刀の操作、体捌きなどかなり集中して取り組まれておりました。また次回も参加したいと喜んで帰られたのが印象に残りました。

 ミュージシャンのWさんも、土曜日の殺陣クラスには安心して取り組まれておりました。講習後の空き時間に色々とお話をさせていただき、心に響くものがありました。人の想いや素晴らしさというのは、簡単に言葉にするものではありませんが、そうしたことに気が付ける精神というものは失ってはならないとあらためて感じます。なんといいますか、そうしたものは全てにおいて繋がっているものなんだと思います。だからこそ、探究心であったり向上心であったり、そこに通じる共鳴が人と人とを結んでいくように思うのです。

 剣術クラスでは、先日おこなった斬り上げをお伝えいたしました。この斬り上げで面白いのは、手の内の回転により角度を変えられるということ。場合によっては裏籠手を斬り上げることも出来る。そして今日は講習中に新たな組太刀が生まれました。これは次回私の稽古会で検討し深めていこうと思います。ダブル参加のMさんは斬りに対する静から動への身体の使い方に苦労されておりました。これはおそらく身体感覚における適度な緊張感、張りといったものでしょうか、そうした状態を作り発力に繋げていく手順がまだ整っていないように見受けられます。これまで学んだジャンルの動きと違うものをここでは興味深く取り組まれておりますので、そうした適度な緊張状態、身体の張りの作り方など今後の稽古でどう感じられるか興味深いところです。

 この教室は私ひとりで全てをおこなっておりますので、運営に関しましても講習に関しましても至ってシンプルです。お申し込みの連絡対応、会場予約、武道具の手配、ホームページの更新、講習内容の考案、講習指導、そのほか事務作業等々です。ですので、生徒に関して心配することも少なく、純粋に安定した会場で安定した指導を安心して提供することが出来るのです。人により考え方は違いますが、そうしたぶつかりも無く、リスクを掛けずに、優先順位を間違えないように、継続していくことで育つものが多くあります。この教室は年齢もさまざまに、いろんなジャンルの職業の方もいらっしゃいます。特に近年は役者さんであったり、そうした方とのご縁も増えております。私の個人稽古会も含め、技量だけでない部分での学びを得ようと参加されている方もいらっしゃいます。私といたしましては、不器用で勉強不足の恥ずかしい思いがいたしますが、これからも、生徒と教室が共に育ち、生徒にとって心から良かったと思える、そんな教室にしていきたいと思います。

 明日は深川スポーツセンターで講習をおこないます。剣術クラスでは前回に続き、抜刀術と納刀法に時間を掛けておこないますので、未経験者の方にはお勧めしております。それと、まだ告知が出来ておりませんが、5/12(土)15時00分~17時00分「杖術 特別講習会」のお申し込みも受付しております。(現在五名承っております)あらためて告知いたしますが、先にお申し込みも承っておりますのでご連絡お待ちしております。

 それでは明日もみなさまお待ちしております!


2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
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2018年4月 稽古日程

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甲野善紀先生からの紹介文


2018-04-22(Sun)
 

濃密な二日間

 一日というのは濃い。それは以前の生活のように、如何にその日を乗り切って休みを迎えるかという生活では得られない。どのような環境であれ、自分自身の核となるものを育てることを疎かにしてはならない。人はすぐには変わらないので、どんな状況であれ周囲に流されず糧に出来るもの。反面教師も然り。そうした状況下でも楽しめる人は強い。要は考え方次第、我慢、辛抱、そうした中で得たものは必ずその人にとっての財産となる。強さとは、その人の持つ揺ぎ無いものがどのような状況下でもそれに対して成長の為へと転換出来る人だと思う。そうした、強く想いを持ち続け成長すべく判断と行動に移せる人、それはきっと「志」のある人と言うのだろう。

 まずは、昨日の稽古から。

 昨日水曜日は15時から17時まで金山剣術稽古会のため戸越体育館剣道場にてW氏と稽古をおこなった。月曜日に高田馬場で後藤氏とおこなった「斬り上げ」をさっそくW氏にもお伝えした。W氏に受けてもらいさっそく下段から打ち込んでみたが、W氏の木刀が見る見るささくれてしまい、それをむしりながら鬼のように打ち込んだ。隣の柔道場で空手をやっていたチビッ子達が興味深そうにこちらを覗いていたが、W氏に起こりを捉えて外すようにお願いしていたので、見ていてもスリリングな状況であったのだろう。今回、背中を使うことでより威力が伝わることが分かった。

 剣術の「峰返し潰し」では、剣に力をほとんど入れないことで、W氏が嘘のように崩れた。これには私も信じ難いものがあったので、受けを変わってもらったが、驚いたことにこれまでにない崩され方をしてしまった。先日の剣術特別講習会でこれをおこなったが、この時はまだ剣に多少力は使うものとしてお伝えしていたので、今回の崩し方をおこなえばもっと驚かれただろう。この稽古では、受けが普通に立った状態で力の通りを検証しているので、後ろ重心で力を入れて踏ん張った場合、この技は有効ではない。その場合は得物を咽に廻して後ろに引っ掛けるが、これはおこなわないようにしている。

 それにしても、初動時に得物をほとんど動かそうとしないことで相手が崩れてしまうため、こちらの手応えというのは信じられないほど無い。相手としても、接触面に圧が掛からないため、首への負担がほとんど無い。にもかかわらずスコンと落ちてしまうのは、今後の体術関連の稽古においても非常に興味深いところである。

 一旦帰宅し、夜からは再び稽古に出掛ける。詳細は控えますがとても貴重な時間を私の脳と脳でもある身体の各部が私の意識では分からないところまで学ぼうとフル回転している感じがした。このところ理解したことは、認識していること、考えようとしていること、とは別次元で身体は何かをやっているということ。この働きに関しては信頼があるといってもいいかもしれない。それが身体なんだと。そこの身体という脳に思考を委ね、我が意識はどのようにしていればいいのかが、これからの課題とも言える。感動的な時間、感動と言うのは、身体からの重要なサインなのかもしれない。

 そして本日は、午後から高田馬場でW氏と稽古。珍しくガラガラだったため、Gold Castle でおこなう立廻りタイプⅡの動きを撮り直し、最近変更した部分を記録に収めた。今後その映像は講習に合わせて配信して行く予定。

 今日は久しぶりに「蛙の真っ向」を二十本おこなった。今日は気温も上がっていたため、先の立廻りタイプⅡを何回か撮影し、その時点で大量の汗をかいていたが、蛙の真っ向でさらに汗の雫が床を濡らした。

 昨日おこなった「峰返し潰し」での力の抜き具合による潰しの威力を、今日は杖の「お辞儀潰し」で検証してみた。するとやはり、W氏がガクッと潰れてしまい、私が受けても簡単に崩されてしまう。これももちろん、潰されないように準備していれば他の技に移行しなければならないが、力の通りを検証し次なる技への理を見出して行くための稽古法として大事に育てている。

 「斬割」では、自ら発したエネルギーに身体が引っ張られ、その引っ張られたエネルギーに背中を小さくぶつけるようにおこなうことで、今までよりも鋭く重く割れるようになった。これには打太刀を務めるW氏が私への信頼が無ければ怖くなってしまうほど毎度強力に斬り割ったのち切っ先が咽元に触れる位までの位置に付けられている。これも一つのフロー状態と言えるのかもしれない。なぜなら、コントロールしようとしておこなっていないので、毎回そうなっているという感覚でおこなっているため、精度にしてもなぜだか分からないが狂いは無い。おそらくは、意識下にはない所でそのように精確におこなっているのであろう。ということは、こういう場合は、意識下の中でおこなわない(当然目で追うことも出来ないしそのような時間は無い)なぜだか分からないが精確に出来るところへの信頼が大事であり、そこに任せて修練していくことがこうした稽古では大事である。

 最後におこなった抜刀術でもそのあたりの事をW氏にお伝えしたが、今日の杖術稽古でも口に出てしまったが、「今やろうとしていることの確認や技術に全ての意識が奪われてしまうとそこで止まってしまうので、それは動きの中での一部分にしか過ぎないので、その事に執着せずにもっと他に気を向けることがありますから、そうしたさまざまなことを考えていたほうが手掛かりが見つかり易くなりますよ。」というような事をお伝えした。つまり、「確認する」ということで自分に縛りをかけてしまっている場合がある。「確認」は物理的な状況判断であり、それは姿形から入ってしまう場合も多い。「感覚」に目を向け(と言っても目で見るのではなく)あらゆることを同時に考えながら、感覚というさまざまな情報の交通整理をしながらその適切な判断の出来る誘導員を優秀に育てることが稽古の中では大事といえる。

 今日は初めて連続斬り返しを六回までおこなった。前回動画に載せたものは五回までであったが、六回はこれまで十回もやっていなかったので、どのように見えるのかW氏にスマートフォンで撮影していただいた。実感としては脚部との連動に滞りがあり、全身が抜けたような感じにはまだならない。そのため違和感の中で撮っていただいたが、今後の成長のために未完成ながら配信することにした。連続斬り返し(六回)

 そして夜からは住吉でI氏と稽古をおこなった。一ヶ月ぶりであるがなんだか三ヶ月ぶりのように感じ、今日はこれまでになく話が多くなってしまった。だが普段もそうであるが、I氏との稽古では感性の稽古でもあり会話も重要な稽古となっている。

 私も自分の口から発して自分で驚いたが、「人は、想いを強くもったものに対し身体全身の脳が気付かぬうちに情報収集し、それをある時にフト教えてくれる。だから、私は今の活動(仕事)が好きかと言えば勿論好きですが、単に好きといったものでもなく、自分が生きていく上でなぜだか分からないけど断定的なものが脳裏に浮んでくるんです。それが何なのか不思議に思いますが、それは自分の中に強い想いがあるからだと思うのです。その強い想いというのはどうしてなのか分かりませんが、そこに身を委ね、想いと、断定的な教えがよい循環となって行けばそれは素晴らしい事だと思うのです。」という言葉に自分でも納得したのである。

 身体とは、心を知り、それを助けようと働いているのかもしれないと思ったのである。強い想いがあれば、自分でも意識しない内に、身体が情報収集し、あるタイミングで秘密の引き出しからそれを出して教えてくれているのかもしれない。だから本当にやりたいことをやっている人には、そうした断定的な教えのような閃きは多々あるように思う。先にも記したが、そのためには確固たる意思を持ち続けていられるか、志と言えば重たくなってしまうが、そこのところはとても重大である。

 I氏との稽古では、感性に通じる会話や動きの中で感じられるものが、I氏のフィールドの中で活かされて行くように私もそうであるが、I氏の熱意も強く感じる。稽古を通じて、普段の取り組み方や意識の在り方など、どんな状況でも自らの中にある確固たるものを信じてプラスにしていける強い人でもある。そうした方が私の所に来てくださっているのはとても有り難いと感じながらも、時間を無駄にはできない責任も感じている。今日の稽古で私自身、武術稽古以外における生き方という部分での脳と身体の関係性を学ぶことが出来た。自身の身体から断定的な教えを受けるための強い想いを持ち続けてこれからも日々を大事にしたい。私としては、懐かしい自分と新しい自分に会いたいと思い始め、少々不安もあるが何かしらの変化が生じるような気もしている。


2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
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2018年4月 稽古日程

2018年5月 稽古日程

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2018-04-20(Fri)
 

心にとっての自然さとは

 本日火曜日は肌寒い一日であった。間もなく深夜1時になろうとしているが、寝巻きの上に作務衣を羽織って靴下を履いた。作務衣を着ると道衣のように左右から包み込むようにして紐で結んでいるので、何ともいえない安心感と心地良さがある。今後は部屋着もこうした古い道衣や作務衣となっていくだろう。そういう意味では洋服を買ったりそういうお店に入ることはここ数年間完全に無くなった。

 今朝は電車に揺られ「高齢者のための剣術教室」に向かいました。道端にはツツジが綺麗に咲き始めており、桜に代わって彩り鮮やかとなってきました。今日は鶯の声を聞けずに会場へ到着。

 今日は全員参加となり新しい内容を取り入れながらいつものように盛り上がる講習となりました。Sさんは太腿に筋肉が付き、歩幅が大きく取れるようになったことから益々稽古への熱心さが高まってきております。休憩時間にNさんに姿勢について肩の廻し方をアドバイスさせていただきました。これは私自身もそうでしたが、武術稽古を初めて間もない頃、肩を落とせと言われても、どう落としていいのか良く分からないものでした。自分では落としていたつもりでも、ただ下に下げるだけでは納まるべきところに肩といいますか肩甲骨が納まっていなかったことに暫く経ってから気が付いたものです。

 ですが、その肩の納めどころを掴んだ時の心地良さというのは実感出来るもので、以来その位置というのをとても大事に動いていた記憶があります。休憩時間中にお伝えしたNさんから「あ、なんだか楽になったわ!」と笑顔になられたのが印象に残っております。その心地良い位置に動かしていく方法を今後も思い出したときにおこなっていただければ、効果が実感出来るのではないかと思います。

 そして、今日は杖の講習でSさんに両手で掴んでもらった杖を私が片足片手で引っ張って勢い余って転倒させてしまい、一瞬ヒヤリといたしましたが、あらためて立ち直れそうに見えてそうはいかないということが目の前でみたその光景からハッキリと分かることが出来ました。転倒しないためのリスクを冒さない状況に留まる、ということが自衛手段としては大事になるでしょう。

 そのSさんが今日は杖の突きから追い打ち、さらに開き打ちまでの連続した動きに目を見張るものがあり、私も駆け寄って褒めずにはいられないほど苦手とされる杖の内容では皆さんの中でダントツに良い動きとなっていました。帰り際にSさんから「先生、杖が最高に気持ちよかったです!」と仰っていただき、私としても感動を覚えました。

 難しい内容のものでも、難しいと感じさせずに「これだけです!」とお伝えしますと、私も内心「Gold Castle の生徒さんでも難しいのに、みなさん凄いなあ…」と思うこともよくあります。そういう意味ではこのところあまり考え過ぎずに動く事が自然と出来るようになってきているのかもしれません。動いてみてから考える、というのは重要なことですので、次第に動きながら考える、というふうになり、最終的に考えて動く、というふうになっていくのかもしれません。つまりは全部考えているのですが、動く前から仮定を立てるよりも、やってみて失敗してから仮定を立てたほうが引きずらないため、考えるのは後回しにしてしまったほうが精神的にも余裕を保てます。

 あっという間に時間が過ぎてしまい、今日は剣の講習が10分位しか出来ませんでしたが皆さんが盛り上がっていましたので、当然そちらを優先いたしました。玄関を出て会場を後に、50メートルほど歩いたところで、後ろから「せんせーい!」と元気なHさんの声が聞こえましたので振り返ったところ三人ほど外まで出てきてくださったようで手を振りながら「一週間後~!」と、私がいつも、来週まで元気でいて下さいね!と言っておりますので、そのことを遠くから仰っていただいたのかと感じ入りながら駅まで五分の道程を歩きました。

 今日は昨日の稽古で初めて斬り上げをおこないましたので筋肉痛ではないのですが、今までに無い部分の損傷というか軋みのようなものを感じ、軽い交通事故のような感覚です。その昨日の稽古を順番が逆になってしまいましたが続けて書きます。

 
 昨日月曜日は高田馬場で夜から後藤健太氏と稽古をおこなった。月曜日も夜からは混雑する日も増えてきている。来月から私の稽古会では、多少時間割の変更があり、月曜日は19時から21まで、火曜日と木曜日は今のところ毎週の稽古は予定が入っていないため無し(単発の非公開稽古はおこなっております)木曜日はこれまで通り、金曜日は第二週目と第四週目の17時から19時まで(場合によっては時間に合わせた対応可)となります。

 昨日の稽古では何と言っても剣術での斬り上げである。このことについては後藤氏の稽古備忘録に書き留められているので、そちらをご覧いただければ、内容の記述だけに留まらず氏の稽古にかける情熱も伝わってくる。あらためてこうした方と稽古という時間を共有しそこから生み出されるものを得ていく瞬間と言うのは「生きている喜び」を大袈裟でなく実感出来るものである。いつしか今過ごしている時間というものを顧見る日が訪れたなら、輝きと共に美しい時間の想い出となるであろう。今はそんな時間を経験させていただいている。

 いずれ斬り上げをおこなわなければならないとは感じていたが、それは突然に訪れた。

 昨日はたまたまT氏が体調不良でお休みだったこともあり、後藤氏との稽古の中でその空間の中で突如として身体がそれを開始した。おそらくは杖術での「上段扇抜き」による軌道もどこかで影響はしていたと思うが、色々な要素が昨日のあの時間の中で嵌ったのであろう。

 下段(無構え)からの斬り上げには、対象に届くまで僅かな距離しかない。そのため初速が高くなければ有効ではないし稽古としての興味も無い。一般的に威力を出すには切っ先の放物線軌道を大きく取る必要がある。だがそれでは対人間としての稽古を想定したときに改めるべき点も見えてくる。その威力と速さにおけるどちらを立てればいいのかという問題の回答は、根本を見直すことにある。つまりは力の発力法を変えること。質を変えることにある。

 まだ初めておこなった斬り上げなので今後変わっていく事になるかと思われるが、それにしても昨夜の斬り上げの速さと威力には私もそうであるが、後藤氏の驚きと感動が印象に残った。それは研究者としての研究意欲を掻き立てるものに十分な検証データだったのではないだろうか。後藤氏は私との稽古で、自身の斬法(きほう)研究に独自なものとして成果を出されているので、そうした互いの源泉に触れる貴重な稽古となっている。

 抜刀術では斬り上げに通じる「飛燕」をおこなったが、後藤氏の動きが別物になった。その瞬間後藤氏の表情が切り替わり、その一本でまさに切上げた。こういう場合は、あとは脳が勝手に働いてくれるのでここぞという瞬間に止める事が出来るかということを心得ている人であると感じたのである。

 昨夜も有意義な稽古が出来た。私の稽古会も遠方の方から問い合わせがあったり、昔を思えばありがたいと思う状況である。来月以降は少し稽古会の時間割を調整して、私自身の一人稽古やそれ以外の研究作業などの時間を作りたい。今夜フト思ったことであるが、自分がどう変わったのかについて考えてみたが、具体的な心理状態における変化や思考の変化に客観的に感じられるものは無い。それは変わっていないから感じられないのではなく、変わっているから今までの自分と比べることが出来なくなっているのではないかと考えるのである。子供の内は、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学(就職)など、否応無く環境が変わるので変わっていけるが、社会人として求めていく方向に変わり続けていくということはなかなか難しい。それはきっと、出会う人、出会った中で生まれる環境、そうしたことの積み重ねが徐々に自分の求める環境に近付き、そうした良縁環境の中で自分では気付かぬうちに変わっていけるのではないかと思うのである。だからこそ、社会に出て環境を変えるには、そうした良縁の出会い、良縁を呼ぶ環境が大事であり、そのなかでの循環が心を与えられた人間にとって自然でありそこに向かって生きていくことが目的であってもいいのではないかと私は思うのである。


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2018-04-18(Wed)
 

遅速の一致

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールは午前の部を戸越体育館でおこない、続く夕方の部を品川区総合体育館でおこないました。

 まずは戸越体育館の講習から。

 9時10分スタートという微妙な時間帯からの開催については、会場自体が8時45分に開館いたしますので、9時00分スタートには時間的猶予が無く、そのため9時10分~11時10分という時間帯で開催しております。午前の部では、一ヶ月ぶりにKさんやTさんも参加され初めてお越しになる体験参加の方もいらっしゃいました。今日の顔ぶれからいつもの生徒の方々も含めて、殺陣クラス、杖術クラスともに講習内容を予定から全て変更しておこないました。

 基礎的な内容というのは、やらなければいずれ引っかかりますし、そればかりですと飽きてしまい講習としては不合格となってしまいます。ですのでその辺の配分と見極めが大事になります。

 殺陣クラスでは「払い五斬」がみなさんにとって技術の習得と殺陣の雰囲気が味わえるものとなっており、これに関しましては、課題が明確になりますし、動きの目的が分かりやすいということもあり今後の殺陣クラスの講習内容の中でも重要な位置を占めてくるでしょう。当たりを優しくするということが、自身のコントロールがなかなか身に付かない方にとってはこれまでに意識しない部分でもあり、斬り合いというこれまでの刷り込みから身体の反応が客観的になれる一つの手段と言えると思われます。

 杖術クラスでは基礎的な部分からおこない最後は「流転落とし打ち」という緊張のともなう組杖稽古をおこないました。とくに杖の操作というのは「遅速の一致」が求められ、楽器演奏もそうですが(演奏した事もないのによく例えますが…)曲になるためには、両手両足がさまざまな速度で一致しているのと同じように、動きの中で身体各部の動きがそれぞれに役目を持ちながら調和(一致)の中で動いていきます。ですから心地良さというのはそうした整った状態を身体が細かい計算の中で判定しているものと思われます。体験参加に来られたNさんは、運動経験があまり無いということですが、音楽をやって来られたと伺いましたのでそのあたりの感覚が繋がってきますと、スポーツとは違った心地良さ、相手と勝ち負けのためにおこなわない、自身の身体と向き合うことで心理面とも関わってくる感覚の稽古に興味をもっていただければと思います。

 夕方の部では、会場を品川区総合体育館に移しておこないました。先週に続きミュージシャンのWさんが参加され、殺陣クラス&杖術クラスともに良い時間を過ごされておりました。私の推測ですが、学んで技術を習得することはもちろんですが、そこよりももっと大切な部分に焦点を当てて時間を大切に使われているように感じます。稽古で動きを覚える、技を身に付けるというのは一つの手段であり、そこに至る大前提として神聖なる武道場で礼に始まり礼に終わるということが形骸化したものではなく、どういう考えで武道場に来て稽古をおこなうかということが、実はそこを稽古していかなければ成長にはならないと思うのです。

 人という生き物は誰しも醜い一面も併せ持っております。ですからこういう場所で禊をかける心境で取り組めるかということはとても重要なように私は感じております。技量よりも、神聖さが稽古をおこなう者としての心持ちにどれほど備わっているかということが、稽古の中で養っていかなければならないもう一つの部分でもあります。動きばかりに目が向き、たいせつな心の存在を置いてきてしまっては、なんのために武道場で稽古をしているのかということになってしまいます。こうしたことは、私自身これまで感覚的にはありましたが言葉や文面で書いたことはありませんでした。ただ、こうしたことを考えさせられる状況があり、それはこれからお伝えしていかなければならないものとして私自身反省させられた点でもあります。

 こうしたことから、私自身今夜は知人と電話で話した際に思わず、「人間と言うのは器用な人ほど、なぜ器用にしなければならないのかという前提があり、その器用である必要性が無くなってしまった時にその人の本当の姿が分かるのではないか。」ということから、自分を良く見せようとしてしまう事について考えさせられました。笑いながらの会話でしたが、どうして鍛練稽古をしているのに、電車の席が空いたら座りたがろうとしてしまうのだろうか。座れないぐらいでイラッとしてしまうのであれば、仮に、誰かが法律で、毎週日曜日はどこどこの施設へ行って蟹と雀と蛙の鍛練稽古をしなさい。しなければ罰金もしくは懲役刑となります。ともなれば、殺意が沸くほどの怒りになるでしょう。ですが、自ら考え自らの判断でおこなっているのであれば、キツイ内容でもそれは喜ばしいことであり率先してやってしまいます。そうしたことから、鍛練稽古とはどこかで自分を良く見せようと言う考えがあるのかと考えさせられたのです。もちろん、身体への効果を実感しているのでおこなっているのですが、であるなら、エレベーターに乗れなかったりや電車で座れなくとも、その瞬間に僅かでも不満な心情になってしまうというのは、鍛練稽古をやっておきながら可笑しいものだと言葉に出たのです。

 つまりは、自らの意思で先に決めておくことで、ある不都合な状況になった際に心理的なマイナス作用は働かないのではないかと思えるのです。我慢する辛抱することも昭和世代にはよく言われていたことですが、「捉え方を変え精神的優位にする」ことは、同じ状況下でも、人の醜さを引き出さない事になると思うのです。今の時代は、予測すれば分かりきったトラブルなど日常茶飯事ですので、こうした幼稚な時代を乗り越えていく術を身につけて行かなくてはなりません。

 すごく話が逸れてしまいましたが、だいたい逸れた内容のほうが熱が入っていますので逸れるくらいがいいのでしょう。夕方の部の殺陣クラスでも、「払い五斬」のなかで、殺陣と剣術の動きの違いについては、「見せる心地良さと、見せない心地良さ」というふうに例えられるかもしれません。漫画でも面白さを伝えるために必要なコマの画というのはありますし、役者さんやモデルさんでも、カメラの前でこの瞬間というのが感じられると思います。そうした外せない時間というのが殺陣にはあり、そこをどう動きの中で技術的に見せて行けるかということも肝心です。剣術はその逆でもあり、如何に分からないように見えないように技を通して動けるか、身体の調和をどのように探り当てて行けるか、といった部分もあります。ですので、殺陣に関しましては動きの中で時間(間)を感じ、その中で必要な画をどのように表現できるか、ということが大事になります。速く動いてしまい、その見せるべき画のコマが欠けてしまってはなんだか心地悪いのです。私自身どうしてこのような感覚が宿ったのか不思議でありますが、今日不意に言葉に出た「遅速の一致」が大きく関係しているように思います。先にも述べましたが、この遅速の一致は、杖術などの稽古では特に求められるものであり、私の場合、頭で考えると言うよりは、身体に入っている遅速の一致の判定が、殺陣になった時に直感的に感じることが出来るのだと思います。

 あらためて、剣術や杖術で身に宿るものというのは、身体各部が脳となり、それぞれがどうしたらいいかを断定して教えてくれますので自分で自分に助けられております。

 こうした記事を書いてしまうと、私の教室は相当難しい事をやっているように思われてしまい、体験参加の方もお問い合わせの連絡に踏みとどまってしまうかもしれませんが、生徒のほとんどの方は皆さん何も経験した事が無い状態から始められてますし、今現在も初めての方の体験参加が続いておりますのでご安心下さい。

 本日も充実した講習となりました。お仕事が落ち着いて復帰される方々もいらっしゃると思いますので、久しぶりにお会い出来るのを楽しみにお待ちしております。


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2018-04-16(Mon)
 

八ヶ月ぶりに

 本日は品川区総合体育館剣道場にて「剣術 特別講習会」を開催いたしました。この会場での特別講習会は八ヶ月ぶりとなり、同時に懇親会会場も八ヶ月ぶりとなるデニーズでおこなうことが出来ました。

 講習では、始めに身体で剣を振る感覚を養うために「連続斬り返し」をおこない、次に甲野先生の技にある「影抜き」を参考に斬り付けと突きをおこないました。続いて、鹿島神流の木刀を二本用意し、それぞれの方と斜めの斬り込みをおこない、身体の姿勢を点検いたしました。そしてその構造感覚を次の「峰返し潰し」に活かせるための稽古をおこないました。

 あらためて、相手との角度と右足の位置により効きが変わる事が分かりました。

 懇親会も久しぶりのデニーズでしたが、以前と同じようにお店の方も対応して下さいましたので、安心して利用することが出来ました。

 今回もお陰様で充実した講習会となりました。そしてお越しくださいました皆様ありがとうございました。

 明日は9時10分~11時10分 戸越体育館剣道場での講習と、15時00分~17時00分 品川区総合体育館剣道場での講習となります。久しぶりに、殺陣と杖術をおこなう方、また初めてどちらかをおこなう方もいらっしゃるかと思いますので、いつもよりゆっくり進めて行ければと思います。夕方の部開催の品川区総合体育館の方が会場が広いためお勧めしております。

 今しがた、三ツ矢サイダーのCMに生徒のT君がメインで出ておられました。何人か時々CMで観る事が出来ますが、舞台やTVの出演も含め、私からすれば生徒、の姿を嬉しく観る事ができるのは幸せな事です。そういう方々が学びに来られているという事を胸に明日も私らしい講習をおこないたいと思います。


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2018-04-14(Sat)
 

双葉文庫 『おいらん若君』

 双葉文庫より4月12日に発売の新刊、鳴神響一先生の『おいらん若君徳川竜之進−天命』が発売となりました。

 今回表紙のイラストを描かれた山本祥子さんのモデルを務めさせて頂きました。私といたしましても、本に剣術指導とクレジットして頂いた事は大変光栄に思います。

 私の教室の生徒でもある山本さんですが、売れっ子のイラストレーターであることを知らない生徒の方々もいらっしゃるかと思われます。時代小説など、細部に関しての表現を自身の身体で体験したいということから、二年前に教室に参加され、家事と仕事の合間に教室へお越しいただいております。今となりましては、画の表現というより、山本さん自身の身体の使い方に対する興味が強くなってきているようにも感じます。そういえば、以前剣術をやって描く線が変わったというお話を聞いたこともあります。昨年の12月には外苑前にあるギャラリーにて個展を開催され、宮本武蔵を題材に私も観に行きましたが、とても素晴らしい作品の数々でした。そうしたご縁から、今は山本さんのお知り合いのイラストレーターの方も生徒になって下さり、私といたしましても良縁が広がっていくことの喜びを感じております。

 今後も、山本さんのイラストを楽しみに拝見させていただきます!
 ありがとうございました。


2018-04-13(Fri)
 

稽古における結界

 本日は高田馬場でW氏と稽古。今日は久しぶりに鹿島神流の木刀を用意してさまざまに打ち合う稽古をおこなった。その中でも最近取り組んでいる「位太刀」を参考に斜めの斬りとその構造を検証した。

 やはりこの鹿島神流の木刀でおこなう斜めの斬り付けは格別の心地良さがある。手の内に伝わる感触とその響き音は武道場での注目を集めてしまうほどこだまするものであり、時々こうしておこなうことは手指を壊さずに強化するものとして必要にも感じた。

 今日の稽古で得たものは、この斜めの斬り付けにおける身体の構造感覚で「峰返し潰し」をおこなった際に、相手の首に衝撃が伝わらずそのまま足元が崩されるということ。これは、先日月曜日に後藤氏とおこなって気が付いたのであったが、今日はそれをさらに検証し、W氏にも私の首に木刀を当てて崩してもらった。何度もおこなったがやはり私の首への衝撃は無くそのまま足がドンと崩されてしまう。おそらく浮きが感覚的に身体に入っていない人は膝を着いてしまうだろう。

 これは威力とは裏腹に接触部への当たりが優しいので今後の稽古でも遠慮なくおこなえるものとなった。今週の土曜日におこなう「剣術 特別講習会」でも斜めの斬り付けにおける姿勢と、その構造感覚でおこなう「峰返し潰し」をおこないたい。木刀と接触している首への衝撃が無く、そのまま足へエネルギーが通るという感覚は、一つの崩し技として身につけておきたいものである。この記事を書き上げたときには金曜日となっているので、講習会は明日となるが、今回広い会場にも関わらず参加人数が少ないため、個人毎に受けを取りながらその感覚を実感していただければと思う。

 そしてその構造感覚を体術の「切り落とし」でも試したところ、このところ崩れなくなったW氏を下まで崩す事が出来るようになった。今後もこの斜めの斬り付けからなる身体の姿勢というものを研究し、さらなる気付きを得たいと思う。体術稽古では「伸筋」の使い所を考えながら、エネルギーの伝え方を稽古した。だが、圧倒的な力でなければ感動的心地良さは訪れないので、ほんの微かな喜びがあっても、同時に虚しさを知るのである。対人間を通じてのあらゆる精度が自然計算的に備わっていないことを痛感している。

 今日も中身のある稽古となった。私の稽古会は少人数もしくはマンツーマンでおこなっているが、それは私にとっての稽古時間でもあるからに他ならない。そのため、技量よりも優先していることは、技に関して、感覚に関して、純粋に向き合っていけるか、日程を調整して人生の共有時間を共に過ごしている真剣で貴重な時間をどのように考えているか、ということが大前提としてある。そのためこの稽古会では、門人や弟子といった対応をとっていない。あくまで前月までに予約をして翌月に稽古をおこないます。といったスタンスでおこなっている。そのため馴れ合いになることも少ないし、私としても師匠とか師範といった態度にはならない。

 私が私であるために重要な個人稽古を共におこないたい人とおこなう場として、稽古を通じて身体と心の学びを得る場としても大事にしている。そのため、これまでに稽古を中断してきた方も少なくはない。その事に関しては、私自身そのほうがお互いの為になると思っているので、無駄な時間を重ねる事のマイナスな記憶を脳に宿してしまう前に速やかに判断している。だからこそ、私が活動の核としているこの稽古会に長く続いてくださる方というのは、この時間を大事に捉え内に秘めた真剣さというものを感じるのである。これは私が雇われている講師ではないからこそ出来ることであり、だからこそ、武術稽古を通じ本当に育つべき人との時間として言葉には無い厳しさの中でおこなっている。人それぞれに私に対する考え方はあると思うが、時の流れと共に、今私がそうしている事は必然性あってのことだと思える日が来るだろう。

 運の良い人とそうでない人というのは、どこかでその判断を見誤っている場合が多い。そこには空間把握能力も関係しているのかもしれない。ものごとの整理には段取りがあり、その段取りには優先順位がある。人と人が何かをおこなうということは、そうした手続きを踏んでの言動であるため、思っている以上に相手はその人の事を思っているということを知っておかなければならない。安易な言動は、そうした手続きを見落としているものでもあり、人物としての信用と印象を変えてしまうこともありうる。手を差し伸べるということは、そうした思いの手続きがあってのことであり、そこをどう捉えるかが生きていく上である人とない人に分かれてしまうものだと思っている。

 あらためて厳しさと優しさは表裏一体ということを知るのである。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
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2018-04-13(Fri)
 

顎下のゆとり

 昨日月曜日は高田馬場で後藤健太氏と稽古をおこなった。昨日の稽古では普段あまりお伝えしていない杖の持ち替え方をおこない、これは一種のやめられない系のものでもあり、部分特化型の内容とも言える。私自身もそうであるが長く稽古を続けていると、部分的にしか出来ない身体の状態になる事は、トライ&エラーの研究稽古中では良くあることである。そしたそうした部分特化型の着目により、これまでよりも深く観察し「そんなところにあったのか」と思えるような気付きを得られることもある。

 杖術では馬突きからの変化形(まだ名称が決まっていない)の技をおこなった。この時に以前から感じていたが頭を少し下げ顎下に空間を作ることで動きの精度が上がる。このことに関して後藤氏も顎を上げることと、これまでに氏が学んできた顎を引いて正中線を立てるということの動きから感じる違和感について色々と調べられたようであった。

 私自身としては、頭をやや下げるようにして顎下にゆとりをつくり感覚的には懐が深くなると言った感じであろうか、だが懐と言うともっと下の部位にあるように感じられるが、この顎下のゆとりは無意識(後藤氏によれば非意識)の内に抜刀術などでおこなっていたことに気が付いた。そして杖術で感じた顎下のゆとりは、肩甲骨の滑らかさに関連してくるので、姿勢のための姿勢作りにならないように、動けるための姿勢作りであるということが大事である。

 鹿島神流の「位太刀」を参考に後藤氏の正面斬りを斜めに斬り当てたが、やはりこの角度と身体の構造からなる力は境界線を越えられた相手にとってはかなり衝撃が伝わるようだ。そうしたことから、後藤氏の提案で「峰返し潰し」をおこなったが、ここで面白い事がおこった。

 これまでは相手の首へ重さが掛かりそれに連鎖して崩される感じであったが、昨日は、私も受けて同様に感じたが、首への衝撃はあまり感じられず、真っ先に足元が崩されたのであった。おそらく、構造が整った事と、その構造からなるエネルギーの伝え方が身体の計算のうちに入ったためか、相手の身体の接点から足元まで通りが良くなったことに関連しているのではないかと思われる。まだ、これについては研究していかなければならないが、この斜めの使い方と身体の構造というのはなんとも興味深いものである。

 抜刀術ではこのところ集中的におこなっている「隅返し」をおこなった。私としても段々抜き慣れてきたところではあるが、まだまだ納得出来る抜きにはなっていない。もちろん全ての技において納得出来るものはないが、ある程度の心地良さというべきか、そのあたりの感覚はとても重要なので、そこからどの部分に問題があるのかを身体に聞きながら今後も精度を高めていきたい。

 昨夜は後藤氏との会話の中で赤錆を黒錆化した農耕具などのお話がとても楽しく、私も時間があるときに赤錆化している鍔を黒錆化して綺麗にしたいと思う。

 そして本日火曜日は、「高齢者のための剣術教室」のためいつものように午前中に講習をおこないました。ここでの講習も時間が経つのが早く感じます。それは皆さんも同様に感じられているようで、開始してからの30分というのは私の中ではまだ数分しか経っていない感覚であり、「おっと、そろそろ休憩にしなければ」と思い休憩を入れております。私の場合この休憩時間が長いようで、五分ときにはそれ以上お休みしている事がありますが、その間は、みなさんの所を回ってお話を伺ったり、気になっている動きを試してみたりしながら、休憩という名の講習をしております。

 今日一番印象に残った事はなんといっても、最後の30分間全員で抜刀術の「稲妻抜き」に没頭した事です。

 私もそうする予定は全くありませんでしたが、今日はどういうわけか杖が終わって剣の講習に切り替わる際に抜刀術をしようという考えになり、これまでのように「後方突き」や逆手でおこなう「鯰起こし」ではなく、稲妻抜きをおこないました。

 10分ぐらいおこなって、最後はいつもの内容に戻ろうと思っておりましたが、予想外に皆さんが集中して取り組まれていましたので、けっきょく杖から剣の講習に切り替えての30分間ずっと稲妻抜きをおこないました。これには私が一番驚き、今まででしたら、ここまでの事は望んでいないので、若干引かれてしまう気配も感じておりましたが、今年の8月で丸四年を迎えますので、おそらく皆さんの中で少しずつ動きに対する欲求と向上心が再び芽生え始めてきたのではないかと思うのです。それには、杖術などで取り組んできた経験もあるでしょうし、このところ相手を付けての攻防も取り入れておりますので、気持ちの面で変化が起こっているのかもしれません。先週も感じましたが、相手をつけての攻め手と受け手の稽古をおこないますと、何人かの方は闘争心が呼び覚まされ、単なる運動とは違ってかなり刺激になっているものと感じました。怪我をしてはなりませんので、間合いや杖先の方向については何度も注意をしておりますが、こうした攻防の稽古は日常にはなかなか得られることの無い刺激ですので、こうした内容が出来るまで毎週参加して何年も付いてきてくださっている生徒の皆様の継続力からなるものです。

 今日は87歳のKさんが自らカットして切っ先を見事に仕上げた木刀を見せていただき、私も以前何本かひび割れた木刀を小太刀にするためにカットして切っ先を作った事がありましたので、その作業がどれほどのものか分かっているだけに、その出来栄えに感動いたしました。今日は30分間抜刀術をおこないましたので、筋肉痛になってしまう方もいらっしゃると思いますが、自主稽古をされる方は、とくに抜刀術稽古の際はやり過ぎないようにお気をつけ下さい。


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2018-04-11(Wed)
 

今宵もさまざまに

 今日は深川スポーツセンターにてGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。この半年間で完全にこちらの会場がホームグラウンドとなりましたが、こちらでの開催では殺陣クラス、剣術(杖術)クラスそれぞれ一コマでおこなってきましたので(混雑を避けるためと会場の安定確保のため二コマに分ける事にいたしました)各クラスともに顔合わせが揃うようになり、進み具合が同じ同士の組み合わせが揃いやすくなりました。同時に、これまで品川区でそれぞれ殺陣と剣術(杖術)両方合わせて一コマとしておこなっていた際に、開催する時間帯によって固定メンバーが決まっておりました。その時間帯によって進み具合も違いましたので、今回あらためて一緒になったことで、全体が引き上がってきたように感じます。それだけに、急に周囲の進み具合との開きに戸惑われた方も少なくないかと思われます。

 四月から品川区総合体育館の耐震工事が終わりこれまでのように利用する事が出来るようになりました。当初は、再び完全に品川区での開催に切り替えようと考えておりましたが、ある程度の人数でおこなうことで全体的な活気と共にレベルアップに繋がることも感じましたし、それぞれの進み具合からグループ構成が整い易いという利点もあります。また、この半年間で生徒になられた方や、体験参加のお申し込みなどにいたしましてもアクセスに都合が良い方も増えて来ております。個人的には会場の広さと天井の高さに自然光の明るさが、良い稽古空間を演出していると感じます。
 
 現段階で7月末までの会場予約状況が把握できております。6月と7月はこれまでにないほど品川区での抽選が取れております。そのため、品川区総合体育館での開催が増えますが、深川スポーツセンターでの開催も完全に切り替えずに継続したいと思っております。

 今年の10月から来年の3月一杯まで、今度は品川区戸越体育館が耐震工事のため利用できなくなります。こちらは会場が狭いということもあり、今となってはあまり開催する機会が少なくなってきました。ですが、おそらくその期間は品川区総合体育館の抽選倍率が上がると予想されますので再び深川スポーツセンターでの開催が増える可能性があります。私の考えといたしましては、今後も、深川スポーツセンター、品川区総合体育館、戸越体育館の三会場で安定開催をして行きたいと思っております。

 日曜日におこなう品川区での講習は、殺陣クラス&剣術(杖術)クラス各1時間ずつの合わせて2時間講習で一コマとなります。これを二コマおこないますので、今おこなっている深川スポーツセンターでの講習よりは一コマあたりの人数は少なくなりますので、ポイントを集中的におこなう場合や、広く安心して動きやすくなりますので、大勢の中ではなかなか伝えきれない部分や動きの粗を観ていくには少人数で集中的におこなえるということも良い環境と言えるでしょう。私といたしましても、会場の広さや、参加人数に応じて講習内容をチームで動くのか二人一組でポイントを集中的におこなうのかを準備して行きますので、その状況によって出来るベストな内容をおこなえるように考えております。

 今日の殺陣クラスでは、脚鍛稽古から蟹の前歩きを無くし、その代わりに走り方と下がり方を取り入れることにいたしました。歩き方に関しましては、これまでブレのない歩き方をおこなってきましたが、芝居の中で歩く際において、この動きの妙な癖が出てしまっては問題であると感じ、私が考える殺陣とは映像としての立廻りなので、舞台からなる歌舞伎の動きとは異なるものです。したがって実用的に必要な動作を提供したいということから、講習内容を整理し、継続的におこなうものと新しくおこなうもののバランスを考えてお伝えしております。そういった意味では、走り方というのは訓練している人とそうでない人とでは一目瞭然と言えるでしょう。後退りも同様です。歩き方では、構えた状態からの移動法も訓練が必要です。地味な部分ですがそれだけにバレやすい部分でもあります。

 今回も柔道場ということで転倒法を稽古いたしました。これはある種身体の計算力を育てるための稽古と言えますので、どの位の衝撃がどこから順番に伝わってくるのかということを身体が知り、それに対する安心感を得るための身体操作を始めは考えながらおこなっていくのですが、次第に自然と衝撃を吸収するための動きを身体が選ぶようになってきます。そのためにはまず、畳のある柔道場で、優しい条件から始め、徐々に難易度を高めていく事で安心感とともに技術が向上してくるものと思われます。

 次に、今回初めて体系化した「払い五斬」をおこないました。今回は四斬まででしたが、この稽古で立廻りにおける技術が向上することを感じられた方も多いのではないかと思われます。やるべきことが明確であり、あとはそこに向かって意識して身体とのやりとりを交わす作業ですので、毎回の講習で得ていくものは増えていくと思われます。

 いろいろと今日は取り入れていく中で、講習が終わって「万乃型」を忘れていた事に気がつきました。時間的にも余裕がありましたので、鍛練稽古(雀)、移動法の稽古(前後/左右/構え)、(万乃型)、(払い五斬)、以上が殺陣クラスの中で毎回おこなっていくものになります。終盤に、立廻り抜き出し稽古を各人に合わせて進めて参ります。

 こうして考えますと、殺陣クラスの講習もシステム的に纏まってきたように思います。身体を作り、現場で実戦的に求められる動きの基礎といえる技術を身に付け、そうしたものをお芝居の中でカメラを考えながら動いていく事。それが現時点での講習プログラムと言えるでしょう。

 何にいたしましても、基盤を作るということはエネルギーといいますか情熱が注がれますので、システムが整ってきますと、あとは効率良く不具合の無いように点検しながら、実績を積み上げていくことにエネルギーを使うことが出来ます。実績というのは、作品に出るとかイベントをおこなうとかではなく、この教室の場合、生徒の実力を底上げしていくということです。今月からお月謝を改定させていただいたのは、これまでの講習内容と比べて質が上がった事による、生徒のレベルアップを実感した事と、講習内容がシステマチックに整備された事、そして金額が上がっても生徒の皆様に来ていただく内容として私が研究を怠らない事が、この教室全体のレベルを上げていくためのものとして判断させていただきました。私が大事にしている事は、稽古のための稽古でなく、動けるための稽古であるかということです。ですので私は、生徒の実力を上げる事が一つの証明であると思っております。

 殺陣クラスの内容ばかりに熱が入ってしまいましたが、剣術クラスや杖術クラスの稽古体系というものは、基盤が出来ておりますので、あとはその中でどういった進め方をしていくかということになっております。本来はもう少し、心理面についての重要性も説いていきたいのですが、これは本人がどこまで望んでいるかという部分とも関わって来ますので、現段階ではそこに特化した稽古空間にはしておりません。ですが、今日おこなった抜刀術と納刀法のみの講習は比較的そうした考えに近いものとなったように思われます。とくに今回のような長い時間を割いておこなった抜刀術では、自己との向き合い方が問われる「静の状態から何を得られるか」ということが課題となりますので、稽古に入る前の状態から、何をこの時間に求めているのかが見えてくるものです。人それぞれに思惑は異なりますが、周囲にその影響を振り撒いてはなりません。稽古空間は私だけではどうにもなりません。それぞれの配慮が合って良い稽古が出来る条件となります。そのあたりのサジ加減が分かることも稽古のうちと言えるでしょう。つまり、武道場に入ってきたなら始まりの礼をする前から心理面においては整えておかなければならないということです。それが見えていない段階では稽古の中で見えてくるもの捉えるものというのは、伝えている事から大きく掛け離れているという事です。そうしたことはそれぞれによくよく考えて何処に何をしに来ているか周囲を観て感じることです。

 「剣術特別講習会」の開催も近付いて参りました。今回品川区総合体育館でおこないますので、広さ的にはかなり余裕があります。お申し込みが今回ゆっくりしておりますので、ご都合の宜しい方、初めて参加される方、初心者の方でも構いません。単発の講習会でしかお会いできない出会いもあるかと思いますので、ご縁のある方との出会いもこうした講習会では楽しみにしております。

 今夜も3時を過ぎてしまいましたが、賑わいのある一日だったと思います。それぞれにお話し、それぞれに思いを巡らせ、その表情はこうした時間に蘇ってくるものです。以前丸の内線でとなりに座っていたご年配の女性から声を掛けられ、いろいろとお話した中で「貴方は人が好きなんですね。」と仰られた事を思い出しました。私としては、対人関係において潔癖症だと思うところもありますが、どこかで自分と関わった人に対しては他人とは明らかに違う想いになることはあるのかもしれません。それが私の今現在の生き方の基盤となっているものと思われますし、生きていく中で助けられている部分だとも感じております。今後も距離感を見極めながら、人を大事に思える当たり前のことが当たり前であるように自省しながら生きて行きたいと思います。本日もお越しいただいたみなさま、ありがとうございました。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年4月 稽古日程

2018年5月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-04-09(Mon)
 

「払い五斬」を体系化

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールは2/17(土)以来となる戸越体育館での開催となりました。午前の部の殺陣クラスでは少ない人数でしたが、払いからのさまざまな斬りを稽古いたしました。今回初めて袈裟斬りもおこないましたので、この払いからの斬りを今後の稽古で体系化し「払い五斬」(はらいござん)としておこないたいと思います。実戦的でもあり、基礎的内容でもあるこの稽古を「万乃型」と同様におこなっていくことで、初心者の方や経験者の方にとっても、それぞれの課題を見つけ技術を上げることが出来るものと思われます。

 そうしたこともあり、今日の講習内容を変更し終始この払いからの斬りをおこないました。これには斬る側の体捌きだけでなく、斬り掛かる側の剣の出し方、払われ方、リアクションなどの稽古も含まれておりますので、慣れていくことでさまざまなバリエーションが生まれてくるかと思われます。この内容は日曜日の殺陣クラスでも毎回の内容としておこなう予定です。

 講習の中で重要な事はさまざまな動きの中で姿勢というものが全てに関わってきます。そしてその姿勢を司る要は「腰」にあります。つまり、腰が決まっているかどうかが形における説得力になるのです。その腰が決まるには、腰下の角度や歩幅というものが重要になってきます。最初に目安とするポイントは、膝から足首までが真っ直ぐであるかということです。これで歩幅や、爪先または膝頭の角度というものが決まってきます。建物の下にある基礎が真っ直ぐであれば、その建物は形良く建物らしく見えます。同様に腰下が真っ直ぐ、体重を下に伝える事が出来れば、無理の無い姿勢が保たれ、無理の無い姿勢というのは理に適っていますから、そうした違和感の無い姿は結果として綺麗に見えます。綺麗という概念はこうした動きに関する場合、理に適っているかということが一つの基盤になっていると私は考えます。もちろん、言葉というのはあくまでもニュアンスですので、全くその通りにという訳ではありません。ですので、真っ直ぐといっても多少の傾きはありますし、腰が決まるというのも言葉で伝えるというよりは感覚的に感じとるものです。稽古とは、そうした動きで得られる情報から感覚を探っていくものです。それを言葉や視覚のみで頭で考えようとしても、感覚とは異なった「そういう感じに似せている」という動きになってしまいますので、ちゃんとしたものを食べて味覚を育てるように、質の良い動きを探り感覚を求めることが稽古の中では重要です。

 今日は高校二年生になるA君が午前の部の終わり頃にこの姿勢の感覚に気が付きました。見た目にもハッキリと良くなりましたし、膝の故障を防ぐためにも今日つかんだ姿勢の感覚は重要なものとなります。そうしたことからも、「椅子の座り方一つでも姿勢を改善する稽古になりますよ」とお伝えし、日頃の習慣でついやってしまうことの癖が姿勢に出るのであれば、その根本で変えやすい部分を変えれば、稽古に使う週に二時間など比べ物にならない稽古時間が日常生活の中でおこなえますので、そうしたことを頭の片隅に入れておくことが大切です。

 次に昼からの剣術クラスでは、いつもの常連メンバーに加えR君も参加。今日は講習予定に入れていなかった斜めの形を身体の姿勢という観点からお伝えしました。つまり剣を構えた際の骨格構造が、受ける圧力に対してどのように調和を保ち全身へと通していけるか、そうしたことは受けるだけでなく、斬り込んで行くその瞬間にも大きな違いがありますので、今日はそのことをR君に体感していただきました。三歳から少林寺をおこない親子演武で何度か関東で優勝されているR君なので、このあたりの感覚は言葉で言うよりも、体感していただくことで伝わるものがあったと思います。

 正面斬り、斬割、胴斬り、といつもの内容をおこない、それぞれに細かい注意点を伝えながらおこなっていただきました。最後は抜刀術「隅返し」をおこないました。前回の抜刀術の講習でも目に留まったのですが、今回もFさんの動きが目に留まりました。この「隅返し」では、抜きの速さはもちろんのこと、刃筋を立てることも求められ、その両立を一瞬の中でおこなうにはある程度の修練が必要になります。小柄な女性のFさんですが、そのあたりが何度も良く出来ておりました。私の見る限り、抜刀術の稽古で伸ばせる部分が見受けられますので、得意なものから自信(人によっては過信となりますが)と興味を持って取り組んでいただきたいと思います。

 明日は深川スポーツセンターでの開催となります。柔道場ですので、殺陣クラスでは定番となった例の内容をおこないます。立廻りに関しましては、ペースを落として進めていこうと思っておりますので、立廻りばかりでなく基礎的な部分も見直して、技術を向上していただきたいと思います。

 剣術クラスでは、一時間半、抜刀術と納刀法を稽古いたしますので、初めての方にとってはお勧めの機会となるでしょう。4月は仕事が一段落付いて復帰される方もいらっしゃいますし、まだもう少し、土日は休みたいという方もいらっしゃるでしょう。気分的なものも疲れには関係してきますので、色々な意味で前に進むためにもご参加お待ちしております。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年4月 稽古日程

2018年5月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-04-08(Sun)
 

2018年5月 武術稽古日程


5月01日(火曜日) 関西特別講習会
           19時00分~20時30分
           神戸市立 王子スポーツセンター 柔道場



5月05日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場



5月06日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           15時00分~17時00分
           品川区総合体育館 剣道場  
           18時30分~20時30分
           品川区総合体育館 剣道場  
 


5月07日(月曜日) 金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場

              

5月08日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



5月09日(水曜日) 金山剣術稽古会
           12時00分~14時00分
           戸越体育館 柔道場



5月10日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



5月11日(金曜日) 金山剣術稽古会
           17時00分~19時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場

 

5月12日(土曜日) 杖術 特別講習会
           15時00分~17時00分
           品川区総合体育館 剣道場
           18時00分~懇親会予定(自由参加)           


5月13日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場  
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場



5月14日(月曜日) 金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



5月15日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



5月17日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場
 

          
5月19日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           12時30分~14時00分
           品川区総合体育館 剣道場  
           15時30分~17時00分
           品川区総合体育館 剣道場



5月20日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 柔道場
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 柔道場
 


5月21日(月曜日) 金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



5月22日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



5月23日(水曜日) 金山剣術稽古会
           12時00分~14時00分
           戸越体育館 柔道場



5月24日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場
          19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場
 


5月25日(金曜日) 金山剣術稽古会
           17時00分~19時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



5月26日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           09時30分~11時00分
           品川区総合体育館 柔道場  
           12時30分~14時00分
           品川区総合体育館 柔道場



5月27日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場  
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場



5月29日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場


           
5月31日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場
          19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場
 




 金山剣術稽古会 入会希望の方へ


【 新宿スポーツセンターでの稽古時間 】
◇(月曜日)19時00分~21時00分
毎月第四月曜日は休館日のためお休みとなります。

◇(木曜日/毎週)14時00分~16時00分 

◇(金曜日/第二・第四)17時00分~19時00分

【 江東区スポーツ会館での稽古時間 】
◇(火曜日/毎週)19時00分~21時00分
月曜日が祝日の場合は振替休館日となりお休みとなります。

◇(木曜日/毎週)19時00分~21時00分
現在受け付けておりません。

完全予約制ですのでお早めにご連絡下さい。
前月までに予約の入っていない日はお休みとなる事があります。
初めての方はこちら金山剣術稽古会についてをご参照の上
お申し込み専用窓口よりご連絡下さい。

稽古場所の詳細や稽古内容、稽古時間のご相談、道具類その他のご質問等につきましてご不明な点がありましたらご連絡下さい。

都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。


2018-04-06(Fri)
 

循環していくことの大事さ

 入学式前に桜が全て散っているのも珍しいものである。新宿スポーツセンターがある戸山公園はすでに新緑を迎えつつある。同じ場所でこうも景色が一変するのかと不思議な気もするが、それは稽古場とて同じである。少ない人数での集中稽古や大人数で賑わう稽古。特別講習会を終えた24時間後に同じ道場に入っても、その景色は24時間前とはまるで違って感じられるから不思議である。つまり、景色とは、心理的状況によっても大きく感じ方が変わるものであり、素晴らしい景色というものは、心理的な部分にまで作用するものであり、その素晴らしさとはやはり自然の力によるところが大きい。

 今日の稽古ではW氏とともに「蛙の真っ向」を丁寧に五十回おこなった。私自身これを先週の火曜日に同回数おこない三日間階段を昇降するのも大変なほどの筋肉痛に見舞われたが、今回はおそらく大丈夫であろう。一回毎の負荷は大きいが、故障に繋がるような姿勢や衝撃ではない。だが人によっては膝、腰を痛めることになるかもしれないので、お勧めはしない。バランスやタイミングその姿勢など上手く動けると心地良さがあるので苦痛なものではなく、むしろ身体がついてくればまだまだ沢山やりたい鍛練法である。

 杖術では馬突きからの変化形である馬突きその二(まだ名称が決まっておりませんので今はこう呼んでいます)をおこなった。私自身受けも含めてこの動きに身体が溶け込んできたように思う。

 お辞儀潰しでは、伸筋の働きを活かした初動をおこない有効である事を確認した。これは私自身もW氏のお辞儀潰しを受けてみてその違いを実感した。重心が後ろに行かないようにおこなう事と、前方への掛け方がこの技の効き具合に大きな差となってくる。

 剣術では、間合いを詰めながら相手に抜かれずに差し出された木刀を打つことが出来るかという条件の下、袈裟斬りをおこなった。この稽古は、一人でおこなう素振りと違い、より脚足の使い方に集中が高まり、肩の気配を消すための手の内の使い方などが自然と身につきやすくなってくる。間合いが届いている状態で打つか抜かれるかという稽古は単に腕力で簡単に出来てしまうものなので、間合いを広げてギリギリ届かないところから、腕を遠くに伸ばすような斬り方ではなく、脚足の使い方により、その場で斬るような腕の使い方で打つ事がこの稽古の目的としているところである。

 昨日の記事で書いた鹿島神流の「位太刀」を何年ぶりだろうかW氏の正面斬りに対しておこなった。もちろん私自身の剣の操法や脚足の使い方は当時おこなっていたものとは全く異なっているので「位太刀」とは言えないのであるが、この相手が真っ直ぐ中心に斬り込んでくるものに対し、斜めの斬りというのは、身体が整い、剣の軌道が精確であれば相手は手の痛みで耐えられなくなってしまう。現に、手加減しなければW氏の指関節を壊しかねないのでかなり気を使っておこなった。いったいどれ程の力が伝わるのか、打太刀と仕太刀を交代してみると、なるほど、これは自らのエネルギーも相手の斬りの威力に加味されている事が分かり、それは、ある境界線を越えたところでどちらかに作用するものである。ただこの場合、斜めの方が有利である事は力学的にも言えることだろう。しかしながら、打太刀の私も正面斬りにおいてその境界線を割って斬り込んだところ、斜めに斬り込んできたW氏の剣を押し潰すような形となり、その際の私の手の内にある感触は柔らかく樫と樫が凝縮するような感じが残る。しまった!「手は大丈夫ですか?」と聞いたが、やはりW氏の手は痺れていた。久しぶりにこの「位太刀」と「位の構え」を参考にした形を稽古したが、その形を身体が気に入っているようで、今後の稽古法で重要な役割となるべくものにしたいと脳のどこかにストックしておこうと思う。

 「斬割」においては、結果として円の軌道になっているものであり、円の軌道で斬ろうとしてしまうと大事な部分が疎かになってしまうことが分かった。そのことが分かり、斬り込む刹那の形が精確になり、同時に蛙の真っ向で感覚的に身に宿した背中との関連が、斬り割る際に術者にとっても、また相手にとっても感じるものが大きく異なる。そうしたことからこの「斬割」稽古は益々欠かせない稽古内容の一つとなっている。

 「睡蓮」では、斜めの構えを位太刀から掴んでいくものとしたが、この睡蓮という稽古の場合、重要なのは斜めから一瞬の転じによる働かせ方にあると思われる。つまり、真っ直ぐに対する斜めの優位性から、手の内の技術とそのタイミングにより、小さな変化に大きな効果を生み出せるかという事である。2月26日に撮影し現在制作中の「かざあな。(剣術編)」にもこの技を収録してあるが、小さく斜めに差し出した剣が「カーン」と大きく響き渡るほど、僅かな変化で崩されているので、斜めの有効な使い方というのはこれからもさまざまに得るところがあると予感している。

 抜刀術では、昨日に続き「隅返し」をおこなった。私自身「かざあな。(抜刀術編)」のスタジオ撮影の演武よりも今のほうが抜けているので見るのが辛いが、そうした違和感があってそれを何とか解決しようと頭から離れないことで進展するものなので、これはこれで良かったのだろう。W氏曰く、「これは難しいです。」と仰っていたが、対人間への技として間に合う事が出来るかという要素と斬るための刃筋を精確に操作する要素が互いにぶつからず、上手く噛み合って行かなければならないからである。そこで一つ気付きを得たのは、斬るための円の軌道が長いと最後に左肩に負担が掛かってしまう。そのため、円の軌道を極力小さくし、その小さくした斬りのエネルギーを補うものとして重心操作があり、さらに全てを明かすなら、脚足との同調が斬りの速さを奪うため、右手により切っ先を飛ばしそれに追随して右足が寄せられる、そしてそれに同調し、左肩への負荷を取り除くために支点を流すのである。つまり、斬るべき対象に対しては円を最小に威力を集約し接点を滑らし、その直後は支点を流し、身体へ負担の掛からない形となる。そうしたことが、今週の月曜日、水曜日、木曜日の稽古で具体的に解ってきた。

 それにしても、一日一日の稽古は、過去を過去としてしまう説得力がある。稽古を通じて得られる重要なものの一つに、「確証はなくとも確証と言える読心力が備わる事」にあり、そのための分析力が、稽古に対する感覚への向き合い方から自然と身に備わってくるものだと思っている。もちろんそれは稽古法に大きく関わって来るので一概にとは言えないが、特に俳優さんにとっては男性女性共に、こうした感覚は演じる事はもちろんんであるが、人に注目される生き方を選ぶ人にとっては、察し応じる感性は養っておかなければならないものだと私は思っている。

 すでに告知しておりますが、今月も再び関西で二日間に渡って杖術と剣術の講習会をおこなわせていただきます。世話人の川原田喬生氏が情熱をもって奔走してくださり、甲野善紀先生のサイトでもお知らせして下さっております。川原田氏にこうしたお話を頂けた事は本当に有り難い事です。私の中に、野望とか、その先を見据えた何かというものはありません。私が今の活動で暮らしているのは、そうなるしか生きて来れないと思って選択し、その自分で決めた生き方の中で納得出来る時間の使い方を少しずつ少しずつ増やしてきた途中の状態です。この先も、そうして納得出来る時間の使い方に触れ、結果として何かのためになれば、いろいろな人の想いや行動が上手くストレス無く循環して行けるのではないかと思うのです。「自然とは循環」とも言えるのかもしれません。そうした循環の中で生きていくことが自然であるなら、私としてはそうした仕組みを考えながら良い循環となるように、稽古でいただく感覚を還元していく気持ちで日々望んで参りたいと思います。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-04-06(Fri)
 

この三日間の稽古

 記事が滞ると、その内容のカテゴリを分類するのに困ってしまう。だが、昨日の夜の稽古は私のこれまでの中でも濃密に身体が記憶した稽古となった。それについての詳細は差し控えるが、その想いの強さからカテゴリは武術稽古にした。

 まずは、月曜日の稽古から。

 この日は夜からT氏との稽古。我々も含めて六人程しか居ないため、自然と会話が増えてくる。それはおそらく、声のトーンであったり、静かな間の中に、押さえた声のトーンだからこそ話せる言葉というものがあるのだろう。

 T氏の正面斬りが修正されてきた。この稽古をおこなうようになって、私自身刃筋が自然と整うようになったと思う。それはおそらく手の内の使い方が、袈裟斬りにしろ正面斬りにしろ胴斬りにしても共通する感覚があるからだと思う。

 睡蓮では、斜めに構える構造の強さをお伝えした。これは昔、鹿島神流にあった「位の構え」から参考に、今の身体の使い方に変換したものでもある。中心を取る斬りと、中心をずらす斜めの使い方は、剣術を通じた身体技法、身体の構造の整備など、各流派さまざまに研究されているものと思われるが、私としても、稽古の中でその元にあるものに近付いて行きたいと思っている。幸いな事に、流派の縛りがないからこそ、さまざまな形やそれまで良しと思ってきた自身の技法を否定できるというのは健全でいられる一つの要因でもある。

 抜刀術では「隅返し」をおこなった。これは私の中でも二転三転変更してきている。それは、抜き心地が悪くなってしまったからである。相手が付いた演武では斬り付けて留めるのであるが、その斬り付けという部分に疑問が生じ、これまでおこなってきたものとの速度の開きに考えあぐねていた。だが、この日の稽古で一つの兆しが見えた。それは重心移動とその際の柄の位置と切っ先の角度にここしかないと体感しえるものを感じ、さらにこれまでおこなわなかった刀に残り身が引かれて行くことをこの隅返しでもおこなったところ、これまでにない抜き心地を体感出来た。しかし、そうなってくるとこの抜刀術の難しさはこれまでの比ではなくなってしまい、その難しさの反面興味の湧く技へと進化した。

 気がつけば武道場は混雑していたが、T氏とともに集中した稽古を終える事が出来た。

 そして昨日火曜日は、午前中に「高齢者のための剣術教室」に向かい、皆さん安定的に元気に稽古に取り組まれました。おそらくこの教室以外の場所では元気でないお姿もあるとは思いますが、この教室では皆さん安定的に元気で笑って過ごされております。人の想いはどこか伝染するものですので、私も肉体的に疲れてこちらに伺っても、教室に入って皆さんにお会いすると元気にいつもの状態になっていきます。こうした安定感というのは、いろいろなところで稽古会や講習会などをおこなってきましたが、こちらの教室がもっとも安定しているものと思われます。今年の8月で丸4年となりますが、これからも安定した教室でいたいものと思います。

 帰りの電車では、京王線が人身事故のため、立川まで出て中央線に乗り換えることに。今日水曜日も帰りの京王線で同様の事故が起きていた。なにかのデータに出ていたがこの時期は多いそうである。以前から思っていたが、こうした事が日常的に起こっているのにあまり大きなニュースにならないのはなぜだろう。このあたりみんな分かっているけど分からないように振舞おうとしているのだろうか。以前鉄道関係に勤めていた人にその辺のことを聞いたこともあったが…。

 連日の暖かさで桜が早くも緑色になってしまった。一週間でこれほど姿が変わるとは儚いものである。夜からの稽古では、遅い時間だったせいか電車内では疲れ果てた社会人一年生の無防備な寝姿が印象に残った。私も社会に出てから25年が過ぎたが、さまざまな25年間だったと思う。今も含め、これからも同様にさまざまな年を重ねていくことは間違いないだろう。自然もそうであるが、4月というのは日本中が大きく蠢いている。そこには期待も絶望も人の数だけあるのだろう。厳しさも優しさも時間は与えそして和らげる、その定めにおいて人はどう動かされていくのか…。

 そして本日の稽古は約二ヶ月振りに戸越体育館へ。2015年から隔週水曜日にこちらを利用していたが、とある原因がありいつも空いていたこの曜日の時間帯がなかなか利用できなくなってしまった。それについては今日こちらのスタッフの皆さんにもお話し、苦笑しながらこちらの方でも何か感じているところがあったように受け取った。しかしまあ、次元の低い事にはあまり巻き込まれたくないので、時の審判に委ねるしかないが、世の中には表面的には分からないように演じている闇のある人間がいる。世の中の事件をしても、なんで騙されるの?と思ってしまうが、皆騙されるつもりで騙されているわけではない。だからこそ、人とは分からないものである。

 しかしながら、そうしたこととは無縁な日常で生きていられることは有り難いものであり、そうした人と出会えることも有り難いものである。それは私が望んだ生き方でもある。武術や武道をおこなうのであれば、やはりそこは間違ってはならないだろう。

 今日の稽古では、W氏とともに最近おこなっていなかった体術を中心に取り組んだ。W氏も先日甲野先生から「あの方は相当やってますね。」と仰られていましたが、年数にすればまだ三年である。だが、その稽古内容の密度と稽古日数は、私の知っている限り誰も追従出来ないだろう。密度の濃い稽古と日々向かい合って集中的に稽古をおこなうことは、短期間であれば可能であるが、三年間となると、とくに私に対しては難しいものと思われる。現に、W氏に対してもそうとう厳しい対応を何度かとったこともあるが、そうした状況でも潰れずについて来ているのはW氏の人間力であろう。仮にW氏と張り合おうとするならば、技量でなく、私への取り入り方などでもなく、周囲へ迷惑を掛けない配慮とその洞察力、そして決して見せ付けようとしない、勝ち負けになろうとしない物事の捉え方、それでありながら継続的な進展が心身に浸透しているという事実。そういう人物がこれからさらに評価されていく事が私としても楽しみであり、次に続いてくる人の指標となるであろう。あまりこいうことを書くと氏の為にならない事は重々承知であるが、そのぶん稽古での厳しさというものを、私からでなく自身で気付いていっていただければと思う。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-04-05(Thu)
 

人と出会い繋がっていくことのすばらしさ

 今日は約半年振りに品川区総合体育館での講習をおこないました。耐震工事のため昨年の10月中旬から利用出来なくなっていたのですが、本日4月1日からこれまで通り利用できます。床が張り替えられておりとても綺麗でした。ニスさえ塗ってなければというところですが、おそらくニスを塗らなければならない木材なのでしょう。

 講習の時間割も半年振りとなる殺陣1時間杖術1時間(15分延長)の二コマの合計4時間30分でしたが、15時から21まで詰めておりましたので、実質的には6時間篭っておりました。

 深川でおこなう講習と違い、時間配分を密に内容を区切っていかなければなりませんので、そうした部分での勘所に半年間のブランクを感じ、脳と眼が想像以上に疲れました。これは、舞台と同じようにその生の呼吸が大事なので、空回りしないようにツボを押さえ、自由な空間と、統制をとった時間の使い分けなど、そのあたりの呼吸が上手くいかないと、私のみならず生徒の皆さんも集中が途切れやすくなってしまいます。つまりは起承転結とまではいいませんが、流れとして繋がっており、すべてに力を入れてしまっては呼吸が詰まってしまうという事です。そうした意味でも次回からの講習内容の作り方に学ぶべきものが見つかりました。これは、深川でおこなっている講習に比べ指導者としては難しいものです。その違いが、単に時間や講習内容だけでなく全体を通じたバランスと進め方にあるということが分かりました。ですが、状況は見えておりますのであとは、どのように計算とアドリブを交えておこなっていいくかということになります。今後は日曜日は必ずしも二コマでなくてもいいのかもしれないという考えも浮んで来ましたが、それはもうしばらく4月と5月の状況を見てから判断していきたいと思っています。

 夕方の部では、半年振りにミュージシャンのWさんが参加されました。初めてお会いした時から感じていたことですが、目の優しい方で、真摯に取り組む姿勢には私自身も心が洗われる思いがいたします。こういう方が生徒にいらっしゃることは私にとりましても有り難い事だと感じます。Wさんは先日「かざあな。」プロジェクトでお手伝いに来てくださったMariさんからのご紹介で参加されるようになり、Uさんも含めどうして私の教室にこれほどの面々の方がお越しになるのだろうと思うこともありますが、私としましては、これまで通り、自らの稽古を通じて得たものをその空間や鮮度とともに共有し身体と心で感じていくことが、私がこれまでおこなってきているものであり、もっとも大事にしている部分です。今日は講習後にWさんと一緒に写真を撮っていただきましたので、私のブログにリンクさせてもらっているMariさんのサイトHEY!WAO!公式サイトのメンバーブログという項目にWさんやMariさんの活動の様子が詳細に掲載されております。

 今日も初めての体験参加の方がいらっしゃいました。今日は参加人数も少なめでしたのでかなり見ることができたかと思います。明るく雰囲気の良い方でしたので、すぐに打ち解けられていた様子からまた次回も参加したいと申されておりました。女性のWさんが帯を締めてあげていたときの様子が今でも微笑ましく蘇ってきます。

 この時期は体験参加のお申し込みが毎週のように訪れますが、その大半が女性からのお申し込みとなっております。当スクールですと、先輩後輩などの序列は一切ありませんし、上手、下手での力関係など皆無です。なぜなら、私がそういうことを最も嫌うので自然とそういう方が集まってきたと思えます。人の判断は、段位や肩書きではなく、その人そのものの人柄と、その人をどれだけの人が慕っているかということが、その人物の力量であり実力です。ですから、稽古中はもちろんのこと、稽古が終わって更衣室での態度や、電車内、食事中も含め全ての時間で、その人の言葉や言動などが試されています。こう書いてしまいますと、息が詰まる思いがするかもしれませんが、人間誰しも品行方正には生きていけないものですので、その時々において何を優先しどこまで気がついているかということが人の力量を見抜いていく上で大事な部分の一つであるように思います。その場で大きく笑っていても、その時々の現象というものは決して失われるものではないのです。そこは、これから大人になっていく若い生徒の皆さんには気がついて頂きたいものと思われます。

 もう少し書けば、「安定安心」は「甘え」に通じ、「甘え」は「崩壊」に通じます。だから余計なものは付けない方がいいのです。(便宜上何処の誰かを知る必要性のある肩書きは別として)

 話が逸れてしまいましたが、初心者の方で女性でも参加しやすいのは、現在の生徒がそうした私の考えを汲んで下さっているからかもしれません。ですから私も、稽古していて素直な気持ちで没頭できますし、一人ひとりに対して疎かに出来ない脳内のアンテナが常にフル稼働している状態となり、ドーパミンに助けられて足りない力を出し切っております。

 学生の生徒も今現在来ている方は、小学校六年生が一人、中学校二年生が二人、高校二年生が二人、となっております。大人は女性が多いのに対し、学生は全員男子です。クラス分けをしておりませんので、大人と一緒におこなって最後まで集中できる年齢を十一歳、小学校五年生からとさせていただいております。これまでに小学校低学年の親御さんから何件かお申し込みがありましたが、そういった事情によりお断りさせていただいております。そのほか、外国からの観光で来たついでに体験参加をしたいという方も、基本的にこの教室で学ぶかどうかを見極めるための体験参加として利用していただくものとしておりますので、他の生徒さんへの指導時間も割いてしまいますので、そうした観光体験参加の方の受講もお断りしております。今後も、オリンピックなど海外から注目されるようになるとは思いますが、私といたしましては「外国人相手に商売になる!」などという考えと行動はおこしません。今居る生徒を育て、私自身も今の流れの中で学び成長し、それを生徒に伝えて行くことが教室というものの在り方であると思っていますので、後に残るもののために今やるべきはなんなのか、受けた恩恵を返すべく信念が揺ぎ無いものとしてある限り、出来るかどうかは別として、大きなものを見据えて間違いの無い時間を生きて行きたいものです。

 ゴ-ルデンウィークに再び関西で講習会をおこなうことになりましたが、新しい手描きのチラシを世話人である川原田喬生氏が自身のツイッターに掲載しておりましたので、こちらのブログでも掲載させていただきます。川原田氏と同じ道場の方が描いて下さったそうです。手描きのチラシには温かみを感じますね。この場を借りて御礼申し上げます。

2018 04.30~05.01 関西特別講習会チラシ


 今夜は、いろいろと力が湧いてくる電話もあったり、元気が蘇ってきてしまい4時過ぎまで起きてしまいました。人の出会いの素晴らしさを感じる一日となりました。想いと想いが通じる。そんな日常、そんな出会い、そうした道を進んでいる方々と共に生きていくこと。そのありがたさを知る事が今日一日の最後に出来て良かったです。そのままに、明日は訪れる。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-04-02(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなう。

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

2018年
『 関西特別講習会 』として人との繋がりを大事に遠方での講習会もおこなっている。

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