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新年度に向けて

 雨に降られない桜の満開シーズンも今週限りとなる。今年は深川スポーツセンターでの開催が多かったため、黒船橋から眺める大横川脇の桜の咲き始めから満開までを見ることが出来た。しばらく戸越体育館で開催していないので、戸越開催の場合は体育館の目の前にある文庫の森公園や横手にある戸越公園が見所となる。そして明日は、約半年振りに耐震工事を終えたばかりの品川区総合体育館での開催となる。目黒川沿いを歩けばまだ綺麗な桜が見られるだろう。先日木曜に行った新宿スポーツセンターがある戸山公園も綺麗な見頃であった。こうしてみると、稽古会場近隣は桜が多い。いや、日本には桜が多いということなのだろう。桜と新学期と野球というのが、大衆的イベントとして盛り上がる時期でもある。

 さて本日の殺陣クラスでは、初めて体験参加に来られた方もいらっしゃり、3月から4月に掛けてというのは人の入れ替わりなど動きの多い時期でもあります。そうしたなかでも安定的に参加されている方もいらっしゃいますので、そうしたいつもの面々を思い浮かべますと、教室が教室である事実はそういう方々のお陰であると思わざるを得ません。明日は殺陣と杖の合わせて2時間×2コマ開催となりますが、夜間の部が少なくなりそうな心配もしております。半年近く間が空きますとそうした想定も読めなくなってきますね。

 今日の質問にもありましたが、「プロフィールの特技に殺陣を掲載するにはどこまで出来るようになればいいですか?」とありましたが、私なりの見解を申し上げますと、プローフィールを見て、「あなたは殺陣が出来るんですね。じゃあ、ちょうど今度の現場に殺陣のシーンで空きがあるから来れますか?」という質問を監督や作品の関係者から受けた際に「はい、大丈夫です。」と即答出来て、かつ現場でその人のみならずマネージャーや事務所の社長も含めた人の信用を失わせない程度の動きが身に備わっているかということです。仕事というのは突然決まる事も多い世界ですので、そこで今後のチャンスをものにしていくのか、信頼を失い次への機会にまた時間を掛けなければならないのか、その準備の差は大きなものです。プロフィールに書くのは誰でも書けますが、実際にどの程度まで出来るかというのは分からないものです。具体的にどこかのイベントや作品にどういう役で出演したとか、そういう実績があればある程度力量の予測は立ちますが、何も無い場合は、自ら宣材用殺陣動画を撮るか、実際にその場で見せられる動きを身に付けておくか、最低限出来る技術と、その場で見せられる特技を持っておくと良いかもしれません。

 そういう意味では最低限出来る技術をお伝えするものとして土曜日におこなっている殺陣クラスは基礎的な構え方斬り方斬られ方、足運びなどをお伝えしております。日曜日はそうした基礎的な動きを構成して作った立廻りをおこない、その中から毎回場面毎の抜き出し稽古をおこなっております。基礎ばかりやっていますと、いざ相手を付けてさまざまな動きをおこなった際に基礎が活きて来ないばかりかド素人の動きとなり今まで何をしていたのかと落ち込んでしまいます。動きのある中で、どうして出来なかったのかが、基礎稽古でその場面を想像しながらおこなうことで、次に相手が付いたときに変わってくるものです。現場などで、じゃあこういうふうに動いてみて下さい。となった際に、これまでの経験から何に気をつけ、どういう手順で短い時間で良く仕上げていくかが身に付いていることが求められるでしょう。何回やっても進まないようでは現場では使い物になりませんので、周りに関わっている人に迷惑を掛けずに良いものを作っていくメンバーの一人となる段階がプロフィールに「特技、殺陣」と書けるのではないでしょうか。

 そのためには、毎月月末におこなっている「月末恒例立廻り講習」はカメラ撮影を一発撮り直し無しでおこなっておりますので、そこに照準をあてて稽古に励まれても宜しいかと思います。4月からは希望者のみ撮影をおこないますので、まだあまり進んでいない方は逆効果にもなりますので、毎週の稽古というものを大事にして下さい。

 他の生徒の方々も、今日はいつもの払いから胴斬り、真っ向からの突きなどをおこないました。それぞれの目的に沿って少しずつ楽しんで身につけて頂ければ結構です。生徒になって間もないMさんはいつもニコニコと楽しんで取り組まれております。斬られるリアクションが課題ですが、今のように楽しんでおこなっていただければと思います。

 FさんKさんのコンビも、少しずつ間合いや互いのタイミングに慣れてきたように思います。こちらのコンビもマイペースで楽しんでおりますので、一つずつ丁寧におこなっていただければと思います。

 役者のA君とTさんもそれぞれに考えながらおこなっていただきました。Tさんは毎回習った事を試すようにおこなっておりますので私としましても伝え甲斐があります。A君も高校二年生になると思われますので、殺陣だけでなく、剣術や杖術も参加されてますので、これからの成長を楽しみにしております。

 杖術クラスでは、「流転落とし打ち」、「馬突き」、「合心之型」、「三十連円打」などをおこないました。ちょっと盛り込みすぎた感もしましたが、皆さん最後まで集中してついて来て下さいました。それにしましても、殺陣、剣術、杖術、抜刀術、それぞれの中からさまざまに講習内容を考えお伝えしておりますが、そうしたことから何に気がついていけるか、少しずつ変化の見られる方も目に留まるようになりました。動きと心とが繋がっており、前に進むための循環となるべく安定感を感じます。甘えやプライドといったものは、いつからか自分の成長にブレーキを掛けてしまうものですので、そうした飾りをとって楽しめる強さを求めた方が、本当の意味で強さを知る事になるのではないかと思われます。

 さて、明日から4月となります。品川区総合体育館での開催も久しぶりですので、夕方の部、夜間の部、それぞれの部で少人数になるかもしれませんがその分集中的に見て参りたいと思います。4月復帰組の方もいらっっしゃると思いますので、会場間違えの無いように、明日もみなさまお待ちしております。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-31(Sat)
 

その狭間に何を捉えるか

 昨日は高田馬場でW氏I君とともに稽古をおこなった。今週の火曜日に住吉でおこなった鍛練稽古「蛙の真っ向」により私の体は背中と下半身がバキバキの筋肉痛であったが、今後の私個人の稽古内容として続けたいと思っている。身体への負荷が大きいので、講習会ではおこなわないものとする。それにしても日々稽古しているが、数分間の動きで三日間階段の昇降もためらう筋肉痛が続いたのには自分自身でも驚いている。

 昨日の稽古ではW氏とI君の様子を見ながらその「蛙の真っ向」をおこない、私もやり方を見せるため、一緒に二十回程おこなった。軽めにおこなったが、おそらく今日は二人とも筋肉痛になっているのではないだろうか。剣の操作にともなうエネルギーに併せ重力の掛かった脚部が最後まで集中してタイミングとバランスをコントロールしなければならないため、一回毎の内容が大事である。

 稽古では、その狭間にあるものに対しどう気が付けるかということをお伝えした。その狭間というものは、その動きの中で、意識的に執着したり捉われたりしがちな状況から乖離する新たな思考とそのための視野を内面的に作り出せるかという意味合いの事を話したが、4月から中学生になるI君も真剣に聞いていたので、私自身にとっても新たな課題として考えているその部分を今後は共に感じながら稽古したい。

 杖術、抜刀術、剣術と瞬く間に時間が過ぎてしまったが、それなりに一度の稽古で得ていくものは大きい。W氏の身体の強さもこれまでと比べて感じられるようになった。稽古を観ていて今後益々技術や身体的以外にも思考において進展していくだろう。I君とは、これから中学になり部活との兼ね合いが大変であると思われるが、時間を調整して続けられるので、これからどのように変わっていくのか私にも想像がつかない。おそらく、いつしか私の方が教わる事が増えてくるのではないかと予感している。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
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2018年3月 稽古日程

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-30(Fri)
 

社会勉強&人生勉強

 お花見日和といえる本日は「高齢者のための剣術教室」に、春休みのためお母様とご一緒にI君も参加いたしました。昨年の春休み、夏休み、冬休みと欠かさず参加し、今回で丸一年四回目となりました。お母様にとりましても、I君の社会勉強として、学校行事とは違ったリアルな空間を体験し学習するには良い機会だと捉えていらっしゃるものと思われます。

 I君自身もここへは自らの意思で来たがっているのを感じますし、彼の中で私も含めての社会勉強の意味を知っているのかもしれません。もっとも、私はただワイワイと楽しんでいるだけですが。

 講習ではいつもの体操から、プチ鍛練稽古、杖術の三連打突に受けをつけて、それぞれに何度もおこないました。剣術では、「逆手納刀&横納刀」、「四種の斬り」、「真っ向13の型」に「抜付17の型」、最後に「鹿威し」をおこないました。

 講習後はいつものように記念撮影をおこない、近くの小高い広場に樹齢の古いソメイヨシノが数え切れないほど植えられており、そこにお花見に行くことになっていましたが、用事などで行けない方が多かったので、レストランで皆さんと食事をしてから、帰りに桜を見ることに変更いたしました。

 レストランでは塩ラーメンを頂いたのですが、自動的に大盛になっていて、いつもなら大丈夫ですが、今日はTさんが腕によりをかけた料理がテーブルに並べられ、「これなら頼まない方が良かったかな…」と思いましたが、注文せずにここを占拠する訳にも参りませんので、今日は部活の後輩になったつもりで、食べました。。。

 大盛ラーメン、おくら、ヨーグルト、ポテトサラダ、春雨、おにぎり4個、ウインナー十数本、玉子焼き、から揚げ、イチゴ、ちくわ、プチトマト、浅漬け、それらを数個ずつ食べ、仕上げにコーヒー3杯飲みました。

 I君が社会勉強なら、私ことK君は人生勉強になりました。

 私は大食いではなく、ボクシング時代の過度な減量の経験から食べ物を残すのが嫌なだけなので、これを機に、無理して食べるのを止め今後は普通盛り&自分の分だけで十分ということをここに記しておきます。

 帰宅後は、自分の体が居た堪れなくなったので3kmほど走り、夜の住吉での稽古では蟹、雀、飛石、蛙の真っ向×50回、連続斬り返し三段×100回を身体が求めました。一緒におこなったI氏は「罰ゲームかと思いました。」と帰りに言っていましたが、こういう動ける状態に身体があることが大事であり、そこについての底上げを状態と共にしていかなければならない事は、大なり小なり怪我をしてきた経験から、怪我をしない身体づくりは甘やかさないことと甘やかす事のバランスにあると思ってますので、身体への信仰、術理への信仰、稽古法への信仰、そうしたものが上辺の取り繕いでない部分で身を助け自らを保ち進んで行けるのだと思います。ですから、結局のところはそこが無くてはいずれ無情の審判が下る事態になって行くのかもしれません。

 こどもっぽい記事になりましたが、最後に今日撮影した写真を幾つか掲載いたします。


2018.03.27 クラーチ剣術教室①


2018.03.27 クラーチ剣術教室②


2018.03.27 クラーチ剣術教室③


2018.03.27 クラーチ剣術教室④
 「鹿威し」では、受けが刃を上向きにして構えます。


2018.03.27 クラーチ剣術教室⑤


2018.03.27 クラーチ剣術教室⑥


2018.03.27 クラーチ剣術教室⑦


2018.03.27 クラーチ剣術教室⑧


 ソメイヨシノの古木がたくさんあり、一本一本は実に見事でした。私の場合桜は少し離れたところから観るのが好きですね。今週はお花見日和ですがあまりに条件が良すぎて見飽きてしまうかも…

 そういえば住吉で宵の明星を観ました。


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2018年3月 稽古日程

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-28(Wed)
 

深夜に想いを込めて

 3月最後の日曜日となったGold Castle 殺陣&剣術スクールでは、桜祭りで賑わう門前仲町、黒船橋から昨日よりも花の咲いた桜の木々を眺め我がクラスも同様に賑わいのある講習をおこなった。

 今日は順番を変えて後半におこなった剣術クラスの内容から記したい。

 剣術クラスでは久しぶりに、抜刀術と納刀法のみの講習をおこないました。基礎的な部分から、今私が取り組んでいる稽古内容までジックリとおこなう事が出来ました。

 まず目に飛び込んだのが一番後ろの端っこでおこなっていたFさんの動きでした。小さい身体に居合刀を用いるようになり、以前は「抜刀術の特別講習会に参加するのはまだ早い。」と、品川区総合体育館からの帰り道に申されていたのがなんだったのかと思えるほど、今日のFさんの動きにはキチンとした操作と体捌きが見て取れました。これは今日の殺陣クラスで苦しんだYさんにも共通する点ですが、相手が付いた稽古では自らの動きが意に反するものになってしまうことがあります。それは直ぐには改善し難いまだ敷かれて居ない回路を施工しなければなりませんので、自らとジックリ向き合う事のできる稽古が望ましいと思われます。それが一人稽古の究極とも言える抜刀術にあるかもしれません。幸いな事にお二人とも居合刀をお持ちですので、自身と向き合い、身体の手続き、動きの把握、修正するための観察力、まずはとことん自分自身を見抜くことです。そうした自分自身に他人感を持って取り組む事で、自分の新たな問題点に気が付くことになるでしょう。そう、自分を自分のままに把握していては客観的には見えてきませんので、ふだんそこまで時間を掛けて集中して自分を見つめる事はありませんので、居合刀という一つ間違えれば怪我のリスクがあるという緊張感の中で新たなものを得ていくことが、技を得ていくことの中身と言えるのかもしれません。そういう具体的におこなえるものが見えてきたということは喜ばしい事です。厳しさの先に(絶望感の先に)感動が訪れるものです。そこで逃げてしまうか、諦めずに導かれて行くものを信じて着いて行けるか、そこは大きな分かれ道と言えるでしょう。

 今日の抜刀術の講習で初めて参加された方には、静から動への瞬間、その際における構えの重要性、手続きの事前把握など今まで経験した事の無いものがあったと思います。そこには自身を視覚的にではなく観察する客観性、身体の状態と心の状態のつながり、そうしたものが抜刀という瞬間的におこなう技の中に答えとして教えられるものがあります。そこに心地良さや違和感といったものを実感出来るまでには修練が求められますが、動かずして動くための自分を観る稽古として、表現を生業にしていく人にとっては得られるものが多い稽古の一つと言えるでしょう。

 昨日に続いてR君も参加され、私の打太刀をおこなって驚いた表情が印象的でしたが、少林寺拳法を三歳から学び、親子演武では何度か東京で優勝しているという抜群の身体と心の持ち主の彼にとってもこれまでにない驚く経験だったのでしょう。彼の存在というのは周りの人に影響を与える存在となっていくものなので、そうした人生の中でバランス力を身に付けどのような状況でも間違いの無い人間として育っていっていただきたいと思います。

 またタイミングを見て今回のように抜刀術や納刀法に特化した講習を組んでいきたいと思います。


 そして、殺陣クラスの記事。

 今年から毎月月末に撮影をおこなうようになって三回目となる「月末恒例立廻り講習」の日です。会場入りして受付などの設営準備を済ませ、その間に生徒たちが続々と訪れるのですが、月末のこの講習はいつもと違い、私にとってはどこか懐かしい審査会の日を思い出すような適度に張り詰めた緊張感と心地良さがありました。とくにこの講習を撮影するものとしてリードしてくれているグループAの五人には、毎月おそらくこの日は最優先でスケジュール調整されているものと思われますので、そうした意気込みとこの立廻りに関する想いを受けて会場に迎える有り難さを噛み締めております。

 2時過ぎに書き始めたこの記事がいつまで掛かるのか分かりませんが、A4用紙11枚にメモを取った各人への感想を映像順にここに書き連ねたいと思います。


《グループAから》

◇Yさんが芯の映像

 絡みAの斬られ方に工夫が見られますが、この場合、芯の袈裟斬りがバレやすくなりますので二歩前に出てスペースとバレないための位置取りを優先した方がいいでしょう。

 CとDのシャッターはスピード(横への走り方の稽古)が必要です。

 芯とBとの場面のテンポと形もかなり良くなりました。そして、斬り結びの際に衝撃を互いに緩和している事が見て取れます。映像や舞台の現場では、竹光刀でおこないますので、斬り結ぶ際には決して強く当てることは出来ません(破損するからです)ですので、効果音(SE)を入れてお芝居では実際に強く斬り結んでいるように見せています。Gold Castle では木刀で稽古をおこなっておりますので、始めの内は衝撃を緩和する事よりも剣の振り方や気持ちの入りやすい方法からおこない、動きの基礎が身についてきたところで、同じように見えるための技術をお伝えしております。

 今回はBを斬る際にバレている方が多く見受けられました。この場合、本来引くはずの右足を横に出し、左足を右斜め前に送りながら斬るとバレずにかつ見栄えが良くなります。(これは私自身映像を見てから感じましたので、次回のテーマといたしましょう。)

 Dへの一連の動きは若干バレていますが三人のテンポは良く揃っております。味方を刺してしまったリアクションをもっと表現していただくとここはいい間となります。

 ラストのCとの場面は全体的にバレ無しで良くまとまっています。


◇Wさんが芯の映像

 序盤の体捌きはとても良いです。とくに、四人目Dの払いは下から綺麗に剣が上がっておりますので他の方も参考にされるといいでしょう。

 何気なく見えるAの真っ向を払ってからの胴斬りは、剣術で練られた身体が体捌きに出ております。(身体の移動に滞りが無い)Aのリアクションもバレずに揃っております。

 Bとの一連はテンポ良くB役のYさんはよく短期間で仕上げて来ました。ここでのCとDのシャッターからのリアクションは芯とBの動きを引き立てております。Bを斬る場面はやはりこの場合、右足を横に移動し、左足を右斜め前に送って斬った方が良いでしょう。

 その後のDへの柄打ちはバレずに良く出来ていますし三人の動きも揃っています。この場面ではCの斬り込むタイミングが難しいのですが、Yさんの三歩拍合のタイミングと直後の突き、突いた際のリアクション、この部分は他の方も参考にして頂きたいと思います。

 その後のCとの場面では、鞘が落ちましたが集中が途切れず、アドリブが入りながら自然に繋がっていました。払いダブルからの真っ向からの突きでは、ここでも剣術稽古で培ってきたものが見て取れます。ラストの袈裟斬りはわずかにバレましたが許容範囲内と言えるでしょう。


◇Iさんが芯の映像

 序盤の結びはカメラに顔が隠れないように、肘を開く形にされたほうが良いでしょう。次のAとの場面では多くの方にも言えますが、背後に回り込んでの袈裟斬りは左足を開きながら次のBに対して、向かっていくように下手側へと移りながらおこなうことが、動きの流れとしても、映像の位置取りとしても大事なところです。

 このBとの一連でおこなわれている絡みD役のSさんのシャッターからその後のリアクションに繋がる動きはとても上手です。自然な反応の中に動きの変化があり、芯がBの剣を押さえたリアクションにピタリと合っております。こうした動きはお芝居の上でも勉強になりますので、みなさんも参考にしてみて下さい。

 Bを斬る場面では、剣を押さえていた際の位置取りが上手くいっていたのでバレずに斬れています。その後のターンもCを一瞥しDに向かうという意味のあるものになっています。

 Dとの一連の流れは三人とも良く合っておりますし、次のCとの場面では互いに剣を上げて見合う形に入るまでが良くなりました。次の払いダブルは芯の足が逆になってしまいましたがそのままの流れで、バレない袈裟斬りのフィニッシュへと繋がった点は良かったといえるでしょう。


◇Sさんが芯の映像

 序盤四人目の払いをもう少し下から剣を上げるようにすると良いでしょう。

 胴斬りは綺麗に安定的に水平に斬れています。

 A役のYさんのリアクションは、振り返るのはバレやすく難しいのですがここは良く出来ております。

 芯とBとの一連の動きは呼吸が合っており安定しております。ここでの、CとDのシャッターはタイミングが難しいのですが、中央で芯とBが被り剣を跳ね上げる場面の直前でCとDが左右に入れ替わり中央が開けたところで跳ね上げが揃うと、また一段この場面が良いものになるでしょう。この場面は次回タイプⅡになっても継続いたしますので、次回の課題としたいと思います。

 芯のSさんの姿勢は改善されました。Sさんの良さを引き出すには、自然な姿勢の中にある存在感であると思います。そのSさんの中にある自然さとお芝居の中にある自然さがマッチするような身体の状態を今後の稽古でも取り組んでいただければと思います。

 Bへの斬りはバレてしまいましたが、斬ってからの振り向き方には違和感が無く、自然な体捌きとなっております。Dへの柄打ちもバレずに出来ております。

 次のCとの場面前半部の体捌きは以前と比べてかなり良くなりました。次回からは「立ち姿」をテーマに取り組まれても宜しいかと思います。他の動きにも繋がってくると思いますので。

 最後の袈裟斬りは若干バレましたが、そこまでの動きのメリハリは感じられます。


◇Yさんが芯の映像

 序盤のCとの足運びに、近過ぎた間合いから自然に身体が調整して動いたように見えます。この場合、決まったとおりに左足が前に出てしまうと払いが窮屈になっていたでしょう。

 四人目の払いからの結びの形は以前と比べて良くなりました。Aへの胴斬りは、切っ先が下がりがちなので、基礎稽古で水平に斬る練習をおこなうと良いでしょう。Aへの袈裟斬りがバレないようにするには、胴斬りの後にもっと右足を内側に回り込ませるようにしてAの背後に位置する必要があります。

 そして次のBとの一連のテンポは短期間でよくここまで追いついて来ました。そして映像を観て参考にさせてもらったのは、Bに対する胴斬りの足運びです。右足が横に移動し、左足が右斜め前へと移動しながら抜き付けに斬りますと、バレにくく残心も綺麗になります。おそらく間合いなどから自然に調整されたと思いますが、私にとりましても参考になりました。

 この場面でのCとDのシャッターのタイミングはとても良いので皆さんも参考にしてみてください。その後のDへの柄打ちもバレずに三人のタイミングがこの速さの中で揃っております。C役のSさんの突きのタイミングも良くなりました。

 最後のCとの一連の動きはよくここまで仕上げてきたと思います。誰よりも短い期間で最後まで完成度を上げてきたのには類稀な才能を感じます。合わせて剣術や杖術で身体を自由に統御出来るようになればこれから先かなりのレベルへとなりうるでしょう。


《グループB(芯のみ)》

◇Yさんが芯の映像

 お仕事でしばらく間が空いてしまいましたので焦らずに少しずつ出来るようになっていただければと思います。Aグループの方々は相当やっていますので、ご自身のペースに合わせて進んでいただければと思います。この日曜日の立廻り(タイプⅠ)はこれからの人たちもいますので、長く続けていくものです。限られた時間の中で確実に出来るところを少しずつ増やせるようにしていきましょう。

 殺陣は相手との呼吸ですので、そこの重要性に目を向けていただければ自分のタイミングや距離感など気が付いてくるようになります。相手と自分のやるべきことが把握できて初めて動きとなりますのでそれが抜けないための工夫が必要なのかもしれません。これからも丁寧に見て参りますので、焦らず少しずつものにしていきましょう。


◇Yさんが芯の映像

 序盤の動きはとても良くなりました。足運び、払いの軌道共にお伝えしたものが出来ております。

 Aへの胴斬りは水平に斬れていますが、背後の回り込みが甘いと袈裟斬りがバレてしまいます。胴斬り後の右足の回り込みがポイントです。その後のBとのテンポは以前と比べて良くなりました。

 Dとの一連の動きは格段に良くなっています。上体のブレが少なくなりましたしテンポも上がりました。来月は最後まで完成度を上げていきましょう。


◇Nさんが芯の映像

 序盤の足運びや払いの形はお伝えした通りに出来ております。結びの形は重心を真ん中にしたほうがもっと良くなるでしょう。

 全体的なスピードをもっと上げたいところですが、丁寧にやっておりますのでこのままでも宜しいでしょう。

 Bを斬った後の振り向きの意味合いは、私が伝えているものとは異なりますが、個性を尊重してこのままでも宜しいでしょう。


◇Kさんが芯の映像

 序盤のBのかわし方が少し危険でしたが、間違って激突してしまう場合などのある動線に関しては繰り返し稽古して間違えないようにいたしましょう。

 全体的な位置取りや斬り方は上達されています。テンポも良くなってきておりますので、安全への認識力を高めて行きましょう。これは全員にも言えることですが危険察知の予測力を高めていただきたいと思います。「この動きはここを間違えると危険だな。」という勘所を養うのも重要です。

 
◇Kさんが芯の映像

 グループAの五名以外で安定しているのがKさんです。レベルの上がったグループでおこなうと一気に引き上がるでしょう。今のグループAのメンバーはタイプⅡへと移行しますので。グループB(タイプⅠ)のメンバーとして周りをリードしていける存在になっていただければと思っています。集中的に取り組めば確実に伸びるタイプです。期待しています。


◇Tさんが芯の映像

 Yさんのご紹介で今年生徒になられたTさん。

 今日の撮影が体験参加も含めてまだ13回目です。その真摯な取り組み方と学ぶ姿勢にTさんへの信頼が高まってきております。今後は、確実に伸びてAグループに追い着いていくものと感じております。得たものを身に宿すための真剣さには同時に人として大事なものを育まれているように感じます。期待しております。


《全体を通じて》

◇テンポは前回に比べてかなり向上いたしました。

◇声に関しましては決まった通りでなくとも自然に出てしまった声または出てしまう状態となっていることが大切です。

◇斬られ方(倒れ方)に関しては、今後も柔道場で開催の際にメニューに入れていきます。

◇納刀に関しては、このタイプⅠの場合、全員を斬ったあと、血振りの前にもう少し間(芝居)があっても良かったのかなと映像を観て感じました。

◇この映像を観て各人が、胴斬りは水平に斬れているか、袈裟斬りはどこを斬っているか、突きはどの程度突くのがいいのか、テンポと形とリアクションがそれぞれ一体となってチームで作られてますので、自分の動きを見つけるためには相手の動き周囲の動きを理解して初めて自分の成すべき動きが見えてきます。(台本で自分のセリフしか読み込まない人とはアンサンブルが成立いたしません)自分の動きだけというのは基礎稽古のままですので、立廻るには相手や周囲を観察し続け反応することが求められます。


 こうして書き連ねてみますと、あらためて、剣術と殺陣の違いの大きさに気付かされます。ですが、それは目に見える表面的な部分であり、深い部分では繋がっております。

 日曜日の立廻りに関して、付いて行けるか不安に思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれに合わせておこなっておりますので、先を急がせる事も、見放す事もありませんので、出来る部分に集中的に取り組んでいただくようにしておりますのでご安心下さい。この教室は私がおこなっている限り、全員が楽しめる方法を常に考えて、そこを一番によりよい空間作りとし、稽古を通じて育んでいけるものを大事に考えております。今夜は(もう朝ですが)長くなりましたが、想いが私を働かせています。今居る生徒を大事に、確実に伸ばす事を開講当初から私は考え続けておりました。そのための講習内容や、安定開催、そしてイベントや舞台をおこなわないことで、生徒間に差を付けず、いつもの稽古日程の中で大事なものを失わずに皆が安心して楽しめる空間としてきました。映像で成果を確認する事は稽古日程に穴をあけることも無く、最善の策であると感じております。体験参加から訪れた生徒達の成長した姿を観ることが出来るようになり、感慨深いものがあります。ですが、まだまだこんなものじゃお恥ずかしいので、伸びていく方は成長していただきますし、運動不測解消や身体のために参加されている方も、その中で楽しめるようにお伝えしております。技量だけでなく、もっと大事なものがここでは育って欲しいと私は願っております。

 それでは朝になりましたが、とりあえず今日を終わらせるために眠りにつきたいと思います。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
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2018年3月 稽古日程

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-26(Mon)
 

桜咲く黒船橋からの景観

 門前仲町駅から深川スポーツセンターに向かう途中にある黒船橋。その下を流れる大横川の両岸で咲き始めたソメイヨシノが見頃になりつつある。和船も風情があって、思わず立ち止まってその船頭の動きを眺めた。明日も天気が良いので今日よりも見頃になるだろう。

 講習では、体験参加のダブル受講二回目で早くも生徒となられたNさん。数年前に私の指導員時代の講習会にも参加された方で、私としてもこうしてお会いできる事は嬉しい限りです。もう一人体験参加二回目のNさんには、今日は空いていましたのでジックリと動きを観ることが出来ました。その中でいろいろと身体の使い方をお伝えしながら癖であったり、剣の通り道というものを稽古いたしました。以前から思っていたことですが、まだ剣を振った事の無い方には、素振りをするよりも斬り結びをおこなったほうが人によっては導きやすいものと思われます。

 小学5年生のS君や中学一年生のT君も集中して取り組んでいます。高校一年生のK君は全体の受講回数では六番目となりました。今のペースですと五番目になるかもしれませんし、そうなると男性陣の中でトップとなります。中学一年生から学校のジャージで参加され、今は道衣に袴となり、年が経つごとに礼儀正しくなっております。いつもお二人で土曜日に参加されるFさんとKさんのコンビは仲が良く一心同体のような絆を感じます。このまま楽しんで成長して頂きたいと思います。

 殺陣クラスに続き剣術クラスでは、中学一年生のR君が参加。学業に仕事と忙しいなか合間を縫って参加しているのは、R君自身もそうですがお父様お母様のお気持ちも含まれておりますので、私としては全体の雰囲気の中で作り上げてきたこの教室の空間を信頼感と安心感、そしてその中にある「何か」を皆と共に共有していく時間として開催しております。そういう意味では、私自身といたしましても、教室の空間にある流れ、一体感のようなものを感じとる事が出来るようになりました。この時間にあるものをどのように求め得ていけるのか。そこにはどうしようもなく無ければならないものがあり、それなくして如何に技量が優れていようともそこに相容れない法則のようなものがあります。場がそれを決めているといえるでしょう。そしてその場を導いていくのは私の役目です。

 最後は抜刀術をおこないました。私自身まだ以前の「稲妻抜き」が残っており、勝手にその動きが出てしまうことに驚きました。そうしたことから、抜刀術などにおける身体への指令といいますかその一瞬の手続きは非常に繊細な感覚の中で意識とはまた少し違うところで働いているような気もいたします。

 さて、明日は3月最後の日曜日「月末恒例立廻り講習」となります。もうすでに毎週日曜日の講習は立廻り講習となっていますが、通しでカメラ撮影をおこなうものとして認識していただければと思います。声、テンポ、表情、アングル、そして学んだ動き、全てを総動員しておこなっていただきたいと思います。

 剣術クラスは始めから抜刀術と納刀をおこないます。抜刀術特別講習会に参加されたことの無い方にとっては、あまり体験した事のない内容となるでしょう。時間を掛けておこないたいと思いますので興味のある方はご参加お待ちしております。

 それでは明日も深川スポーツセンターでお待ちしております!


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2018年3月 稽古日程

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2018-03-25(Sun)
 

今年初めての本厚木&海老名

 一日過ぎると昨日の出来事がかなり遠く感じられてしまう。昨夜は気がつけば深夜2時のため敢え無く就寝。今日は今年に入って初めての井上さんとの稽古であるが、そのまえに昨日の記事から振り返る。

 昨日は昼から高田馬場でW氏と1時間20分殺陣の研究稽古をおこなった。内容は今Gold Castle 殺陣&剣術スクールでおこなっている日曜日の立廻りのタイプⅡといえる後半の場面。

 この動きはすでに決定していたのであったが、先日久しぶりに再確認したところ少し位置関係に不具合が見つかり、その修正をおこなうつもりであったが、こういう問題点の解決には得てして全く別物の新しいものが生まれやすい。中でもこれまでになかったアイデアが動きの中で生まれ出たので、これはタイプⅡとして生徒の皆さんには興味を持って取り組んで頂けるものと思われる。そこの場面に至るには、少しずつ動きの抜き出し稽古を基礎的に落としておこなう予定なので、まだまだ数ヶ月先になるだろう。それまでにこうした研究稽古で、よりよくしていく為の稽古法を考えたり、動きそのものの見栄えやテンポといった構成を考えながらベストな状態のものをお伝えしたい。

 午後からはW氏と武術稽古。

 杖術、体術、抜刀術をおこなった。久しぶりにおこなった体術では、切り落としの受けがさらに強力になっており、それを工夫して崩せるようになると、W氏も工夫して同じ手が通用しなくなる。それをまた工夫して崩せるようになると、さらに工夫され崩せなくなる。といった展開が続いた。私の左前腕が擦り切れるほどおこなったが、最終的には杖の下段抜きの応用で崩す事が出来た。しかし、初めの頃を思えばW氏の強力さには驚かざるを得ない。W氏は私に遠慮しておこなうということが無いので、私としても崩せる時と崩せない時の身体の使い方や、次なる工夫への転換が自然と出来やすいので、こうした自発的な工夫により稽古を共に出来るようになったのは嬉しい限りである。

 杖術では馬突きの変化形(まだ名前が決まって無い)をおこない、空いている武道場の端から端までを使ってこの独特の受けの足運びを練習した。

 抜刀術では、抜刀をせずに納刀稽古に時間を掛けた。納刀は習得まで時間が掛かるが、出来るようになってしまえばその感覚は失われずに出来るようになった実感を得続けて行ける。だがもちろん、その目指すところは上げ続けて行かなくてはならない。まずはそのスタートラインに立つ為の技術を習得しなければならない。 

 稽古を終えて食事をおこない電車に乗って次の会場である住吉の稽古場へ移動。昨夜は一ヶ月ぶりにI氏と稽古。だがこれが不思議なもので、手の内を始めお伝えしたものが通り良くI氏の動きや姿勢に表れるようになっていた。私としては直感的に言葉に出したが、「心理面や精神的なもののなかに、無意識の内に何か抵抗するものとそれを受け入れようとするものの違いがあり、それは言葉で伝えたもの以外に、表情や呼吸互いの間、そうした予測や感じとるものに何らかの影響があり、稽古にはそうした心理面や精神的な面が無意識の中にも深く関係しているのでしょう。」というような内容をお話した。感性や表現といったものには、そうした心理面や精神的なものの影響は大きい。そしてまた、どう導いていくのかということがその時その瞬間に求められ、そこに指導者として問われるものがある。完全に準備したものをタイミングよくおこなったところで、そうしたものは身体がキャッチしているので掴めるものが掴めないのである。

 この日の稽古もそうであるが、今日井上さんとお話をしていて、単に武術を通じて技を伝えるというのではなく、礼儀作法所作を伝えるというのでもなく、その人の生き方そのものが結果として伝わるような稽古が大事なのではないかということ。そう考えるとそうしたものを求めているであろう何人かの生徒や会員の顔を思い浮かべるが、意外に自分では意識していなかった事がその人のオリジナルになっていると言えるのかもしれない。だとすれば求め得ようとする生き方とは一体なんなのだろうか…?

 その答えは直に見つかるものではないし、人それぞれにある。ただ、今の時代における、いや、いつの時代でも人は前に進むべき考え方を模索しながら生きている。社会に出てそれぞれの状況において、考えられる事や実践出来ることが目に見え耳に聴こえて来る。恩恵を受けたものは、その恩恵をどういう形で繋げていけるだろうか。自然の法則があるなら、きっとそうした縁や恩恵というものは次に繋がっていくものだと思う。何かを介して自らの心と身体に向き合える生き方は、人間という生き物に与えられた成すべきことの一つでもあるように思える。

 さて、本日は本厚木にて井上 欣也さんとの研究稽古。

 今年一月に甲野善紀先生のDVD撮影でお会いして以来なので、ずいんぶんと間が空いてしまった事に時の流れの早さを感じました。そのぶん今日は井上さんから沢山のプレゼントを頂きました。そのプレゼントとは、こんなことを教えてもらってもいいんですか?というような身体の使い方や身体の状態のアイデアであり、何の惜し気もなく私の反応を楽しむようにそれをお伝えして下さる井上さんには貰ってばかりで本当に申し訳ないという気持ちです。

 皮膚や接触に関する工夫は毎回驚かされ勉強になります。身体の状態と脳の解釈がマッチしたときに、通るということがあります。そうした解釈による身体の計算力というのはあらためて凄いなと思いますし、井上さんが以前聞かれた際にお答えしたという「身体を動かさないけど稽古はしています。」という言葉にも、動いていなくても技が進展している。話をしているだけでも稽古になり、「最近は稽古法というものを考えさせられます。」と仰る言葉が印象に残りました。

 そのほか杖術や剣術では、昨年の暮れ頃から一気に進んだ第三関節の使い方をお伝えさせていただきました。これが使えることで、私自身得物に身体が導かれる手順に切り替わりました。久しぶりに四段斬りもおこないました。これはいずれ再び身体を練る稽古として復活させたいと思ってますし、出来るかどうかは分かりませんが六段斬りの感覚というのも体験出来るようになりたいと思っています。

 あっという間の二時間が過ぎ、東町スポーツセンターを出て井上さんの雲山稽古場へ移動。今度は一時間じっくりとヨガをおこないました。マンツーマンで井上さんのヨガを受けられるのはなんとも贅沢で、誘導のままに心地良く瞑想状態に入る事が出来ました。身体の状態が炙り出されるように痛いところや詰まっているところなど分かりますので、調子を知る状態を知るという意味でも重要な時間でした。

 そして最後は海老名に移動して「紗らら」にて一献。ここでのサザン話が井上さんとの稽古会の締めとして私にとってはたまらないのです。とは言っても、サザン話もいたしますが、生き方についての会話が主題となっており、先述いたしましたが、「生き方そのものが稽古となっていること。」そこに今の今の成果が問われ試されているように思うのです。伝えるということは、知っている知識や技法をただ言葉や身体で示すだけではないと思うのです。すべての出来事や状況は動き続けていますので、その中で感じ得たものや言葉がこれまで培った人間形成からどうその場に生み出されていくのか。そういうことが生き方において求め得ようとしていくものではないでしょうか。形だけのものや中身の無いもの、生産性の乏しいもの、そうしたことが分かっていながら人生の時間を使わざるを得ない立場の人も多い事と思います。これからの時代は、仕事の在り方が機器の発達と共に変わり、自ら仕事を生み出していく人、そのための情熱的スキルと共に信頼出来る多様性を持った人間性を養っていく事が、そうした仕事をおこなうひとにとって不可欠となるでしょう。求められるもの、そこに対して、規模や具体的な情報や技能、そういったものがツールを介していつでも離合型の仕事組織として成り立つでしょうし、インターネットを見て直接会いに行ったのと同じぐらいの透明度と技量の提示が仕事に左右していくでしょう。なんだかよく分からないものは、通用しなくなってくるかもしれませんね。

 それにしましても、一日の中で得られるものというのは大きなものです。今日も会場の手配からお店の予約まで井上さんにはお世話になりっぱなしでした。体術稽古ではとても有り難いものを頂きました。さっそく次の稽古が楽しみです。また次回もよろしくお願いいたします。ありがとうございました!


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2018年3月 稽古日程

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2018-03-24(Sat)
 

賑やかが心地良い住吉での稽古

 寒の戻りで寒くなった火曜日は、いつものように「高齢者のための剣術教室」と夜からは住吉での稽古というダブルヘッダーの一日です。

 まずは午前のクラーチ剣術教室から。

 このところはSさんの意欲が高まってきており、それは私の言葉というよりもご自身の長年の望みでもあった太腿に筋肉が付いたことが、その後の稽古内容への理解と動きへの興味に繋がってきていると思います。私から見て以前と比べて太ももが張ってきたように見えますので、歩幅も大きく安定的に取れるようになってますし、やはり動きやすくなっているように感じられます。

 こうした稽古内容で重要な事は、効果が得られるためにやっているというよりも、あくまでそれは結果として後々実感するものですが、目的はその動き、その技が出来るようになりたいという興味の強さが重要です。そういたしますと、疲れることを我慢しなければならないとか、あと何回やれば終われるという思考にはならず、明るく活き活きと自らの思考で動き続ける事になります。これは科学的には解りませんが、おそらく人体にとってプラスであることは、その現場に居てあきらかに感じるものです。動きに興味を持つということは一体どういうことなのでしょうか?それは私自身といたしましても、形に憧れるという事は無く、身体がその喜びを待ち望んでいるからではないかと思うのです。それは、それまで違和感に感じていた動作のストレスが、その動きを手に入れることでなんと心地良く、気持ちだけでなく身体全体が何か感じ取っているように思えるのです。昨日の記事にも書きましたが、骨の成長には身体への衝撃が必要であると山中伸弥教授が番組の中で仰っていましたが、身体にとって良いことと悪い事は、何かしら動きの中で感じるものはあるように思います。無理をすれば故障しますし、何もしなければ弱っていきます。どのような動きが身体にとって喜ばしい事なのか、武術稽古ではそうしたことを同時に探究しているのかもしれません。

 夜からは住吉でI氏と稽古。

 今日は薙刀の団体と剣道の団体に空手の方々もいてこれまでで一番賑やかな空間だったと思います。ですが不思議なもので、よくお会いしていて印象の良い方々だと全く乱されること無く、むしろ良い集中状態を共有することが出来ます。ここでは小学校低学年位からのお子さん達が剣道をおこなっておりますが、なんとも気持ちの良い大人顔負けの集中力と礼儀の良さ、面を外して指導者の話を聞く瞳は皆一様に澄んでおり、思わず見入ってしまうものでした。指導者の指導力、子供と見くびらない接し方、褒める事は一切無いのですが、厳しさの中にしっかりとコミュニケーションが繋がっておりました。お子さんを指導する方々にあまりこういった方を見かけた事はありませんでしたが、これからも同一空間で稽古をおこなうことがここでの一つの楽しみともなりました。私も指導者の一人として足りない事だらけですので、色々なところでお会いする先生方から学ばせていただきたいと思います。

 I氏との稽古では、やはり一人稽古を継続的におこなっているようなので、先週おこなったものが良くなってきており、一瞬でどういう時間を使ってきたかが分かるものです。I氏は一人稽古をやっていますなどという事は決して自ら口にはしないタイプで、私が稽古日程に入れていない別の曜日に他の方と稽古に来た際に黙々と一人稽古をおこなっている姿を拝見してから知ったのでした。

 私はでしゃばりな人や構って欲しいと横から口を挟むタイプの方は昔から生理的に受け付けないので、割り切って対応していますが、控えめで周囲に嫌な気分をさせない配慮が自然と身に付いている方というのは、信頼出来ますし私としましても色々とお話をしてしまうこともあります。これからもそうした方々と共に相手や周囲に迷惑を掛けない、信頼の中で生み出していくものを大事に人生の時間を使っていきたいと思います。


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2018-03-21(Wed)
 

衝撃の大事さ

 今朝は、PCをチェックして家の中の作業をおこなっている内に昼となり、慌てて寝癖を直して郵便局へGO。

 先日撮影した「かざあな。」のUSBデータをゆうパックにて送付。こうして少しずつ進んでいく事に喜びを感じる。

 帰り道に食材などの買い物を済ませ帰宅。桜も木によっては満開を迎えている。一日一日が本当に早い。木々も律儀な生き物だ。

 帰宅後、今週の月末恒例立廻り講習に備えてビデオカメラをチェック。このカメラに編集機能が付いている事を知り、どのカットで切り貼りするかは自動になってしまうが、音楽が付いて適当に場面が切り替わるとそれだけでも雰囲気が出てくるから面白い。思い切ってホームページの映像記録のサブページに生徒限定視聴用として追加アップした。(自動的に切り貼りしているので我慢してくださいね)

 そして夕方からは高田馬場でI君と稽古。先週の木曜日に久しぶりに伝統空手の先生とお会いする事ができて、その時に七十代後半になられる師範の先生から「あのお子さんは元気に来られていますか?」と気に掛けて下さり、「来月から中学生ですが元気に来ています。」とお答えしたところ、喜んで下さったお顔がとても印象に残りました。私も半年振り位にお会い出来たので、嬉しくて何度も頭を下げずにはいられませんでした。何も知らなくてもビリビリと伝わる凄まじさというか感動が、毎度お会いする度身が引き締まる思いと嬉しさに何ともいえない心地良さを覚えます。重ねた月日の誠実さと厳しさと優しさなのでしょうか。御挨拶させて頂くだけで勉強になります。

 そのI君と空いている武道場の縦の面30Mを蟹と雀、それぞれ一往復ずつおこなった。不思議なもので距離があっても疲労感は15Mの時とさほど変わらない。別に手を抜いているつもりは無いのであるが、気の持ちよう、疲れるものだという脳の指令が身体を守るために何となくそうしているようにも思える。

 合間に会話をすることが多いが、I君の今の世代一般の親や先生が求める将来像と、私が30年ほど前に世間一般的に求められていた将来像について話をしたが、あれから30年経ってみて、当然私は反発の中で自分のやりたいことだけをやって生きてきたので、求められているであろう姿とは掛け離れた生き方をしているが、安定した会社に就職したところで、人間関係などであっけなくこれまで積み上げてきたものを失う事もあるだろう。何のために生きていくのか、自分のために生きていくのである。語弊があってはいけないが自分勝手とは違う。生きていく中で重要な事は、早いうちに自分の持っている能力や役目に向かって邁進出来る事。それは、平凡であることも大変な能力であると思えるし、笑わせる事や、和ませることも、能力のある人はそれが仕事にまでなる。いつの時代にもおそらくそういう役目の人が居たと思えるので、それが途絶える事も求められないことも無く、これからも続いていく輪廻の能力なのではなかろうか。全ての人にその世ごとの役目があり、それが何のためになのかは分からないが、人間という生き物の不思議で面白いところである。

 昨夜はNHKでタモリさんと山中伸弥教授の「シリーズ人体」が続けて深夜まで再放送されていたが、骨についての特集では今の稽古で感じる部分は大いにあった。「骨は衝撃を受けて強くなる」ということに、まさに稽古でおこなっている浮きであったりさまざまな稽古が骨に関係してくる。ちなみに若さをつかさどっているのが骨だということにも稽古を通じて納得できている。私が良く使う文面に、鮮度のある稽古で活き活きと取り組めること。という風に書いているが、科学的にも骨が健康であれば若さやみずみずしさというのは保たれているということなのである。明日おこなう「高齢者のための剣術教室」でも、蟹の前歩きでは多少なりとも身体への衝撃はあると思われるので、骨にとっても良いはずである。剣術と若返りについては以前記事を投稿してくださったFさんのミトコンドリアで私も学ばせていただいたが、骨への衝撃が骨を育て骨密度を高め若返りに繋がると昨夜の再放送を見て、益々これからの高齢化社会における剣術稽古の必要性を感じたのであった。

 夜からは後藤健太氏とT氏が訪れ稽古をおこなった。

 蟹と雀をそれぞれおこない、こうして私も鍛練出来るので参加される方がいるということは大変ありがたいことである。一人稽古では確実に今のような稽古スケジュールは続かないだろうから。

 先日Gold Castleでもおこなった「馬突き」の受けをおこなった。これは足運びの際における重心の置き方が動きの滑らかさに関係してくる事が分かった。頭に革鍔や鍔止めのゴムなどを乗せて三十連円打の二十一番目から三十番目までおこなっていただいた。私とT氏は一番目から最後までおこなった。今日は寝癖をシャワーで流しただけなので、私の頭の形が後藤氏曰くスネオのようになっていて、そこに革鍔を乗せると黄桜のカッパのように見えるらしく、それを聞いていたT氏がたまらず吹き出していた。うーむ…スネオかぁ(笑) 

 そんなこんなで三人とも頭の上に物を乗せて杖術をおこなうという、傍から見ると微笑ましい光景であったと思える稽古でした。

 抜刀術では、また一つ進展があり、先週気が付いた稲妻抜きでの膝、腰の揺らぎを生み出す手続きに柄の送りが身体の揺らぎに結びつき最適な状態で動けることが実感出来た。これをおこなったときの、後藤氏とT氏の反応に前に進んだ確信を得た。柄の操作は、斬り落とすための角度や右籠手を相手の剣先からの動線に対し掻い潜るためにも必要であり、そこに揺らぎを生み出す働きがあるとすれば、これは一石三鳥の手順となる。今日の稽古の最後の最後にこうした教えが得られるというのは本当にありがたいことである。

 明日は最高気温が10℃を下回るそうである。明後日はさらに寒いそうであるが、おそらく寒の戻りはこれで終わりとなるだろう。その日には一つ歳をとることになるが。


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2018-03-20(Tue)
 

相反するものの共存

 昨日に続いて本日も深川スポーツセンターにてGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。3月は仕事の関係などでお休みされる方が多く日曜日にしては空いていました。そんななか今日も殺陣クラスでは、役者組のメンバーが熱く励んでいました。プロ意識の高い方は、習っている事で満足せず、習得出来る技能というものを見据えて集中的に自らの身体に取り入れようとなさっています。そういう裏側を見ておりますと、役者というお仕事をされている方の取り組み方に、おそらくその方の現場での評価というものも想像出来ます。私が客として舞台を観に行くとしても、ふだんの取り組み方にリスペクト出来る方のお芝居を、その人そのものの魅力を楽しみに観に行きたいものです。先日北九州や東京などで舞台公演をされたTさんから全公演完売で幕を下ろす事が出来ましたというご連絡をいただき、私としても、Tさんの富良野でのお話や東京に来て間もない頃にGold Castleに入られたことや稽古での取り組み方など知ってますので嬉しい気持ちです。怪我をされたとのことですので復帰は5月以降になるそうですが、楽しみにお待ちしております。

 俳優のSさんも昨年から入会され、お忙しいなか追加受講などハイペースで稽古を積んできております。特別講習会への参加もあり、何度か瓶ビールを一緒に飲みました。(誰だか分かりましたね)そのSさんはたびたびテレビドラマなどに出演されており、ご本人曰く「ちょっとだけですよ。」と仰いますが、セリフ付きでほぼ毎月コンスタントにドラマ出演出来るというのは並大抵ではありませんので、お人柄や、取り組み方の姿勢など、同じ志を持つ人は学ぶべきものを感じなければならないでしょう。ですから私も番組を教えてもらい観るのが楽しみになりました。

 そのほかにも、CMに出られている方や、テレビ番組のレギュラーを持っている方も生徒にいます。気がつけばそういう生徒も増えました。私自身以前そういう道を歩んできたことは、今にしてみれば通ってきて良かったと思える道程ですし、そういう方々とお会いし色々とお話をすることも、そういう道程を歩まなければ分からない部分が多かったと思えます。私の場合、保険を掛けずに役者の道一本で行こうと決めておりましたが、まさか今のような充実出来る生き方に救われる事になるとは夢にも思いませんでした。ですから、やると決めたことは逃げ道を作らずに取り組んでも何かあったときには、その時の自分の存在そのものが途切れていない生き方を選んで行くのではないかと私は思います。ですので、どんな時でも大事にしなければならないのは、「人としてどうあるのか」を逃げずに(失敗して怒られた事で学んだ事もありました)実践していくことだと私は思います。

 今の時代もそうですが、これからも益々個人が扱うツールの性能が格段にアップしていくでしょう。すなわち、個人でかなりのクオリティのものが作れる時代です。専門分野の技術者にとっては戦々恐々と言える時代になって行きますが、そうしたことを考えますと、芸術や感動というものも時の流れと共に麻痺していくでしょうし、便利さと同時に人の原始的な才能の退化も起こりうるでしょう。そういう時代に向かっていく中で、今現在取り組んでいるものや、これから先の目標など何に時間を掛けて生きていくことがいいのかを考えさせられます。もしかすると、ツールの進化を利用しつつ、人が人としてあるべき実感を求め、そこから得られるものを、相反するものの共存としてバランスを取って生きていくことで保っていられるのかもしれません。もっとも、これは私個人の価値観ですが…。


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2018-03-19(Mon)
 

得たものを一過性のものにしないために

 本日は深川スポーツセンター剣道場でGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。このところ土曜日の殺陣クラスは空いていますので、集中的にそれぞれを見ながらおこなっております。とくに土曜日は基礎的な部分をおこなっていますので、払い方や胴斬りなど、相手のリアクションとの呼吸を合わせておこなう稽古が実際にやってみると難しいということに気がつかれたものと思います。殺陣は、そうした基礎的な動きの組み合わせや崩したものをおこなっておりますので、この基礎稽古をおこなうことで後々覚えが早くなるものと思われます。また、何回かおこなっている方でも、もっと良くなるための動きの工夫、見せ方のアイデアなど、こうした稽古に尽きる部分はありません。見せるポイントから逆算して動きを考えると動きやすく形が決まりやすいでしょう。

 勢いや感情で動いているようにも見えますが、全ての動作には予定通りの計算の元おこなっております。ですので、そうした予定の立て方と動きの計算(逆算)が稽古の中で積んでいかなければならないところです。お芝居の世界でも、本当に怒ってしまっては芝居になりませんし、本当に泣いてしまっても芝居になりません。もちろん限りなく本当に近い状態でおこなっているものですが、経験と訓練による計算の元、見せ方というものがお芝居ですから、そのあたりを踏まえ殺陣も同様に見せ方を上達させるための、リアクションも含めたさまざまな身体の使い方が大事になります。そうしたものが相手との呼吸の中で見えてくるようになれば、殺陣の稽古というものが、格好よく刀を振るといった段階からまた一段も二段も楽しいものになってくるものと思われます。

 このところ小学校5年生のS君と中学校1年生のT君の動きが良くなってきました。友達同士なので互いに集中して楽しく真剣に取り組んでいます。この年代は吸収力が良いので、このまま二人で取り組んでいただければ面白くなりそうな気がいたします。

 新しく生徒になったばかりの方々もいらっしゃいますが、他の生徒の皆さんはそれなりに時間を掛けて基礎から積み上げてきてますので、焦らず先週の自分と比べて前に進めることを目標に、それぞれのやり方を考えて実践してみるといいでしょう。そういう意味では今日殺陣クラスで唯一袴姿のKさんが、覚え方、取り組み方のような会話をされていましたが、まさにその通りのことを仰っていました。覚えた時間を無駄にしないためには、講習が終わった後の時間の過ごし方が重要です。少なからず、前に進む速度の違いとはここでおこなったことを、自分の中にどう落とし込むことが出来るかにあります。講習でおこなったことというのは、一過性の記憶ですので、その記憶を別の部分に入れなおさなければなりません。もちろんそれは訓練によって、その瞬間に落とし込むことが出来るようになってきますが、まだその整理の仕方が整っていない場合は、そうした時間の使い方、記憶の呼び覚ましは必要かと思います。私が眠る前にブログを書くことはそういう意味です。その日の出来事から何を抽出し、そこからどのような判断を得ていかなければならないか。それを次なる明日へと活かしていくための欠かせない時間と自分に課しております。

 もちろん人によりどのレベルでおこなうかはそれぞれ自由ですので、その人にとって前に進める方法で時間を無駄にしない事が楽しめることの条件となるでしょう。すなわち、楽しむにはそれなりに進まなければ楽しみが逃げていってしまうのです。ですから、その人にとって少しでも前に進める方法というのがとっても大事なんですね。

 稽古が楽しいということは、前に進める手段を身に付けているということでしょうし、前に進めるということは少なからず上達の速度もはやいと言えるのではないでしょうか。そしてそれは、運動能力ということではなく、先にも述べた学んだ事をそれ以外の時間でどう自分の中に落とし込むことが出来るかにあり、その上達速度を上げたい方は、その時間を生活の合間にも常に頭の片隅に共存させ(無意識でも共存出来るレベルにある人も)次の稽古の際にはかなり先の段階にまで進んでいるという、そうした事が俗に言う「陰の努力」と言われるものかもしれませんが、努力というと嫌な(辛い)事を無理して頑張って耐え忍んだというような感覚になりがちですので、そういう事ではなく、考えようとしなくても頭の中からそれが離れないような「没頭状態の無意識化」が、上達速度の速い人に共通していると私は思います。

 稽古上手な人というのは、おそらくそうした状態を持っている人かもしれませんし、そういう人と共に稽古をおこないますと、自らも楽しめる稽古法を体感することとなり、自然、上達に近付くのではないでしょうか。

 次に、杖術クラスでは、おそらく難しいだろうと予想していた「馬突き」受けの体捌きをおこないました。とくにこれは足運びに難があり、音符に例えると予測しにくいリズムなんだと思います。ですが、そこには速い馬突きに対応するための流れる足運びが求められるので、バタバタしないこの拍子の足運びが欠かせません。

 次に、「左右正面からの払い突き」をおこないました。今回は右足前限定でおこないましたが、それぞれの方向から相手に悟られないようにおこなえるかという稽古です。つまり、身体の運用に無駄な動きを出さないように、起こりを小さく身体全てを手続きのもと動かす事が求められます。参加された方には分かると思いますが、正面と右方向は動きやすいのですが、左方向で気配を悟られずに動くというのは私でも難しいものです。打太刀の動きは全て共通していますので、自分の思いでどちらからでもおこなっていただきました。

 続いて「三十連円打」。前回から少し手を加えたのが二十四番、二十六番、二十七番、二十八番です。今日はもう少し時間を掛けておこないたかったのですが、その前の払い突きの止めどころを探っている内に、短い時間となってしまいました。また次回の杖術講習でおこないたいと思います。

 今日も殺陣クラス、杖術クラスともに充実した時間を過ごすことが出来ました。また明日も同じ時間を味わうことが出来る幸せに感謝しています。今の情報過(化じゃなく)時代、どういうことに自らの時間と脳を使っていけるかがこれからの我が身を守る自衛手段の一つと言えるでしょう。何を無意識化して生きていくのか。そこに日々の時間と思考の使い方が試されます。便利さと誘惑に使われてしまわないように、使いこなせるための距離感を保ち、己の性(さが)と癖(くせ)を客観的に知りコントロール出来ることが情報過社会では存在の表現方法として私は引いておく事の重要性を感じます。

 あらためて、自らと向き合う稽古で感じるものは得がたく大事なものであると思うのです。


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2018-03-17(Sat)
 

「かざあな。」動画配信に向けて進行中

 昨年9月に映像と音楽の力を借りて演武映像を撮ろうと企画した「かざあな。」プロジェクト。このブログでも度々演武映像について記載しましたが、当時いろいろなタイミングが重なって、演武映像を撮ろうという気持ちが強くなり、気軽に生徒であるMariさんに相談してみたところ二つ返事でお引き受け下さり、後々Mariさんのサイトなどから過去にテレビドラマの主題歌などの楽曲提供されていた方だと知って、恐れ多いお願いをしてしまったと焦ってしまった事を思い出します。そうしたプロのミュージシャンの方が協力してくださることはこの動画配信プロジェクトにとってとても大きな位置付けとなるものです。

 また、以前の動画配信でもお世話になった、フォトグラファーの尾崎誠さんにもご相談したところ、一言「熱い想い、しかと受け取りました。日程はどうしましょうか?」というお返事を頂き、もうこの時点でこの企画が無事に進む事は確信いたしました。私が尾崎さんをリスペクトするのは、なんと言ってもマネジメント能力の高さです。打ち合わせなどでもハッとさせられることが度々あり、そのための段取りや準備など、良い仕事をしていくためのシビアな目線というものをハッキリと仰って頂き、緊張感もありますが、そこに絶大なる信頼感が尾崎さんをリスペクトしている理由でもあります。尾崎さんのサイトは私のブログにリンクさせていただいてますので、ご覧になりますとどのような写真を撮られている方かお分かりになると思います。

 そして演武に欠かせない打太刀には、数年前から武術を通じてご縁のある青木賢治さんにお願いすることができ、かつては共に激しい剣術稽古に励んだ仲間でもあるので、信頼もありギリギリのところまでいけるかなという怖さと興味が入り混じった演武になるだろうと、共に剣術を今でもおこなっている者同士願ったり叶ったりのチームとなりました。

 撮影に関しては先日ブログに書きましたので省きますが、今はその撮影した合計217カットの動画をチェックし選定作業をしているところです。現在95カットまで選定いたしましたが、かなり時間が掛かりました。杖術編は細かい時間の選定作業も終わり、残りは剣術編と抜刀術編の時間配分の選定作業です。明日中には終わらせ、後日尾崎さんにデータをお渡しする予定です。そこで仮編集がおこなわれ、Mariさんへお渡しとなる運びです。演武についてのイメージは、これまでにテスト撮影などおこなってきましたので想定しておりましたが、音楽は全く初めての経験ですので、ここはMariさんに任せっきりになってしまい、なんとも申し訳ない気持ちですがこの演武映像のために曲を作ってくださるという、動画配信だけでは勿体無い事この上ないのですが、目先の商売にする気はさらさらなく、この動画のタイトル「かざあな。」とは、私の中にある想いをこの動画がなんらかの風を運ぶキッカケとなるべきものとして、プロの方々の力を借りて形にするものです。大した予算も掛かっていない映像ですが、それぞれ信頼出来る素敵な人たちが関わり、お金や仕事とはまた違う想いでものづくりをしているところです。


2018-03-16(Fri)
 

膝腰の揺らぎ

本日は高田馬場で夕方からI君と稽古をおこなった。後半から後藤氏も訪れ久しぶりの三人での稽古となった。I君も4月から中学生となり、ここ最近は身体の変化だけでなく、内面的な部分も変わってきた。それに合わせて私も稽古における意識の持ち方をお伝えした。

 武道場が空いていたため、縦に長く杖の「三十連円打」をおこなった。壁から壁まで約30mの距離であるが、丁度その距離で一番から三十番まで終わった。まだこの修正を加えた新しい三十連円打はこの稽古会でしかおこなっていないので、次のGold Castle の講習会などでもお伝えしたいと思う。

 夜からはT氏が訪れ、後藤氏も共に最後まで稽古に参加。その後藤氏のおかげで今日は杖術「流転落とし打ち」や抜刀術「稲妻抜き」に気づきが得られた。流転落とし打ちでは、自分でもビックリしたほど動きが速くなった。杖の滑りはあらためて有効であることを再確認した。手の内の巻き込みも第三関節の使い方など、全てが流れの中で繋がっておりまさしく「流転」であると感じた。

 抜刀術「稲妻抜き」では、以前の動きに戻ったのであったが、当然動きの質は変わっており、その質の部分を纏まりや心地良さという感覚で判定していたが、それを見ていた後藤氏からの感想により、具体的な身体の運用法に重要な気付きを得ることが出来た。膝の使い方、崩れ方には、これまで関節の曲がる方向でおこなっていたものがほとんどであったが、そういった角度に関係なく崩れる事が出来るのだと、いつのまにかそうしていた自分があり、そのことを教えて頂いてからより居着きが取り除かれ、構えの際の充実感とともに、抜きが大きく変わったのである。さらには脚からではなく膝や腰の揺らぎからなので、重心移動の幅が大きくなり、課題であった右脚の移動という問いについて解答が得られたのである。この膝腰の崩れにより運用法は他にも有効であるかもしれない。こうしたことが度々訪れるから、次の稽古で取り組むべき楽しみの材料がストックされ、意欲と情熱が枯渇することなく良い循環を生み出している。

その時に選んだものというのは、なんらかの因果から選択してものであることは以前から分かっていたし、発する言葉というのも何らかの繋がりを身体が先に知っているからということも分かっている。だが、それにはやはり途切れない日々の流れが自然と無意識化のなかで消化している生活が送れているからに他ならない。こういう生活と、こういう生活の中で出会えた方々に対する感謝の気持ちを忘れてはならないだろう。今日も良い稽古となりました。ありがとうございます!


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-12(Mon)
 

時は何かを教えてくれる

 当時、今の自分にできることは、稽古を通じて指導したり、自らのレベルを上げることで後々人の役に立つものとしてこれをやりきるんだという強い気持ちを再確認したのであった。どうしようもない事態に人生設計が変わらざるを得ない仲間もいた。当時はまだ武術を初めて二年ほどであった。あれから七年が過ぎ、今も同じように武術稽古をおこなえている。大事な生徒も増え続けている。こうした時間がどれほど続くのかは分からないが、やはりこういう日に気が付かなくてはならない事として、あらためて人と出会える日々に感謝し、今を生きていること、生きている価値というものを少しでも考えることが私としては大切な事であると思っている。

 今日の深川スポーツセンターでの講習は、初めての方がお二人お越しになり殺陣クラスを体験されました。生徒の皆様は、今月末の講習に向けての立廻りを稽古いたしました。見せる形があっての速さ、押さえるべき所を押さえての速さが求められ、それを飛ばしておこなう速さというのは本来の殺陣ではない荒々しく見せるつもりが粗々しくなってしまうものです。月末の撮影であっても、稽古の一環ですので、今動ける範囲での速さで習得したものを出せるように意識していきましょう。皆さんに意識して頂きたいのは、テンポ、位置関係、間合い、動きの形などです。一つ一つの動きを「もっと良くするには」という意識の中でおこなっていきましょう。必ず何か感じるものはある筈です。

 剣術クラスではダブル参加の方がほとんどでしたので脚部鍛練稽古はおこなわず、直ぐに技の稽古に入りました。今年で高校二年生になるK君の動きに変化が見られるようになりました。中学一年生の頃からの生徒さんですので、彼の成長は私以外にも当時から見ている生徒の皆さんは感じ取っているものと思われます。今日はいかに身体の芯の部分を剣の操作に伝えるかというような内容を幾つかおこないました。内側のエネルギーが使えるようになると、初動が小さくなり速く動く事が出来ます。こういう稽古では、自身の身体を観るという感覚的方法を掴み易いのと、力の伝達の程を結果から窺い知ることが出来ます。

 つまり稽古で重要な事は、動きの手順や形を覚えることは最初の最初であり、そこから自分なりの手順や形にしていくための方法を稽古によって手に入れ続けて行かなければなりません。ですので、剣術でカンカンと沢山打ち合ったり、こう来たらこう対応する更にこう来たら…というだけの型稽古になってしまうと、手順と形に目的が移行してしまうので、これまでの感覚を通じて動きの質を自分で高める事が出来る身体の状態になっていること。その状態に持っていけることが稽古の中では重要であると思います。もちろんバランスも大事ですので、杖術の「三十連円打」のような長々と動きの連鎖が続いていくものもここでは大事にしております。

 この数年間で私自身の身体も感じ方もずいぶん変わりました。それは武術稽古を通じて感覚に目と耳を傾ける事が、少しずつ少しずつものの考え方、相手の考え方、そこから導き出せるものという思考に自然と切り替わったのだと思います。自らの身体は誤魔化せませんので、誤魔化しの無いものの考え方ということが大前提としてあり、そのなかで問題(出来ない事)に対する対応法を考えるというのが稽古としての在り方となっております。

 すなわち、必然的にそうした稽古としての在り方から学ぶべき誤魔化しの無い対応法により、生きていく術を見出していくのではないでしょうか。そうした方々との出会いの中で、美しい生き方を、争いや僻み妬みとは無縁の道筋を笑顔で歩いて行ける、そうしたこれまでの経験から強くなり、身近な人を大切に信頼を得て活き活きと活躍して行ける、そんな日々の積み重ねがいつしか自らを救ってくれるように私は思います。私はこれからもそんな人たちと共に生きていきたいと思っております。当たり前が当たり前でない、当たり前に感じられる日々に感謝です。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
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金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-11(Sun)
 

普段を育てるということ

 本日は半年振りに「抜刀術 特別講習会」を戸越体育館剣道場でおこないました。半年振りとなったのは、昨年の9月に右肘に負荷を掛け過ぎたことにより負傷してしまったことと、11月に構想を練っていた演武撮影を2月に延期しその間、状態を回復させるために暫く間を空ける必要があったからです。

 今回おこなってみて私自身感じたことは、演武のために準備した事により、技の進展、感覚の進展に停滞がみられたことです。すなわち、鮮度といいますか、今の今の言葉が失われている自分というものを自覚いたしました。そうしたことから学ぶべき事は、やはり稽古そのものが今の今という鮮度を持ち続けて行かなければならないということでした。何かを得ようとすればそれに応じた犠牲はつきものですが、得るべきものは稽古の中での道筋にあり、そうした道筋を進まなければこれまで当たり前と思っていた感覚に僅かな綻びが生まれる可能性のあることを感じました。逆に言えば、こうしたことに気がつけた事は今後の稽古での感じ方にこれまでに無い角度から把握することが出来るものと思われます。少し変な言い方かもしれませんが、決まっているはずの段取り、その時点にあるはずの状態に、自然と辿り着いているはずが辿り着いていないズレのようなものです。それは、違和感や心地良さという、稽古を通じて発する私の空気感にも表れているかもしれません。そうしたものは、無意識にでも人に伝染するものですから普段の状態で講習をおこなうということは、普段の状態で私自身の稽古をおこなっているということです。

 なんだか、反省のような記事になってしまいましたが、おそらく誰も気が付かない私の中だけの感覚であったと思います。

 活き活きと生きるには、鮮度が大事。鮮度を保つには、道筋がはっきりとしていて、そこに向かって進み続ける事。些細な綻びは些細な内に修正し、そこから何を得、より効果的なものにしていけるか。自分自身への時間の使い方が重要という事なのでしょう。

 本日ご参加いただきました皆様、身体のこと、感覚のこと、自分の身体の扱い方など、抜刀術という稽古の中でお伝えさせて頂いた事は私自身も前に進むために考えている事です。身体を動かすことはもちろんですが、今一度、頭で考える事にこれまでと違う意識の持ち方が、身体の使い方への大きな手掛かりとなったり、そんなところに答えがあったのかというような事にも遭遇するかもしれません。考える事と考えない事のバランスは身体が示してくれますので、今後はそうした稽古の取り組み方を工夫しておこなってみても宜しいかと思われます。

 今回特別講習会に初めて参加いただいた方々もいらっしゃいました。色々な方が同じ空間で刀を抜かれています。そうした思い思いの中、講師をさせて頂く事はとても有り難いことであり、それに即した生き方をすることが今の私であると肝に銘じなければなりません。言葉では簡単ですが、これからの日々を無駄には過ごせないようにバランスを取りながら日々精進していきます。

 お越しいただいた皆様、ありがとうございました。


2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
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2018年3月 稽古日程

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2018-03-11(Sun)
 

杖術の新しい型稽古

 本日は午後から高田馬場にてW氏と稽古。30分ほど一人稽古をおこなったが抜刀術に関しては身体が元に戻ったようで、ひさしぶりの抜き心地であった。あらためて、抜刀術のような稽古をおこなうための身体というのは、繊細で瞬間的な計算を施してくれる状態を維持しかつ高めていかなければならない。そのためには、故障せず、鈍くならず、より繊細に自動計算力を高め自身の身体への負担と向き合いながらその先を信じ時間と年月を掛けて手に入れるものを日々の中で意識しておきたいものである。そういう意味では毎日同じ事をやらないというのは、その当時の感覚に束縛され進展の妨げを防ぐという意味でも大事な事かもしれない。もちろん(ルーテーィンなど)全てがそうだとは言い切れないが、興味が無くなったものとは何らかの因果を身体が感じているからだと思う。

 今日の稽古ではひさしぶりにW氏と疲れる内容にしたいと思い、身体のコンディションを伺ったのち鍛練稽古から杖の稽古など動きの大きいものをおこなった。そのなかで杖術の「馬突き」をおこなっていたところ思いもよらず新しい動きが生まれた。

 これは受けの足運びが難しく、「四天誕杖」の三倍ぐらい難しいのではないかと思える。だが、そこにこの稽古の面白さがあり、新たな身体の計算力を身に宿すには格好の内容とも言えるだろう。私も、なぜそうなったのか不思議であるが、受けが後ろに下がりながら、爪先を上げ踵で床を滑るように移動すると、難しい足運びに一定の流れが途切れず連続した相手の動きに対応しやすい。このときの身体の整い方が爪先を(腿の付け根を)上げながら後方へと移動する事を身体が選んでしまうのである。だがこの動きは、払ったりする際には不向きであり、受けたり構えたりする際の動きには適っているように感じる。これまでこうした動きは一切おこなったことが無いのでそうしたものを身体が選んだ事に驚いてしまった。

 そのため、今日おこなおうと思っていた「三十連円打」のことを完全に忘れて、この新しい杖の型稽古に時間を費やした。私としても稽古の毎に、今日は何か新しいことを考えようなどと気持ちの準備をしたことは一度も無く、「やりたいことがあるのに、それよりもさらにやりたいことが見つかってしまう。」という状況なのである。

 だがそのやりたいことというのは、これまでの動きの中で身体が求めているものなので、新しい動きであるがこれまでの動きの稽古と共通するものであり、それがさらに進もうとした結果新しいものが自然発生的に訪れているということだと思うのである。だから、そういうときは新しいことに取り組むべきである。

 最後は抜刀術をおこなった。数日振りにおこなった納刀の感覚が少しこれまでよりも繊細になったように感じた。この峰返し納刀は刀と鞘を扱う感覚に含まれる体全体の調和を意識して稽古している。何年もこの納刀稽古は取り組んでおりその難しさを感じているのであるが映像に撮ってみるとなんとも普通(難しいものと思えない)に見えるから不思議である。

 半年振りとなる、「抜刀術特別講習会」も明後日となりました。皆さんひさしぶりかと思いますし、初めての方もいらっしゃいますので、集中した中身の濃い二時間となるように私自身整えて迎えたいと思います。

 下の写真は先日2月26日に撮影した現場の一コマです。打太刀を務めて下さった青木賢治さんとの写真です。明日は、その映像データを受け取り全てチェックいたします。悩みと興奮でしばらくは寝不足の日が続きそうです(笑)。

2018.02.26 「かざあな。」現場写真①


2018年3月10日(土) 「抜刀術 特別講習会」
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2018年4月14日(土) 「剣術 特別講習会」
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2018年4月30日(月)&5月1日(火) 「関西特別講習会」
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金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

2018年4月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-09(Fri)
 

2018年4月 武術稽古日程


4月01日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           15時00分~17時00分
           品川区総合体育館 剣道場
           18時30分~20時30分
           品川区総合体育館 剣道場



4月02日(月曜日) 金山剣術稽古会
           17時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場

              

4月03日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



4月04日(水曜日) 金山剣術稽古会
           15時00分~17時00分
           戸越体育館 柔道場



4月05日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



4月07日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           09時30分~11時00分
           戸越体育館 剣道場
           12時30分~14時00分
           戸越体育館 剣道場



4月08日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 柔道場  
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 柔道場  
 


4月09日(月曜日) 金山剣術稽古会
           17時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場

              

4月10日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



4月12日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



4月13日(金曜日) 金山剣術稽古会
           17時00分~19時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場

 

4月14日(土曜日) 剣術 特別講習会
           12時00分~14時00分
           品川区総合体育館 剣道場
           15時00分~懇親会(自由参加)
           


4月15日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           09時10分~11時10分
           戸越体育館 剣道場  
           15時00分~17時00分
           品川区総合体育館 剣道場



4月16日(月曜日) 金山剣術稽古会
           17時00分~21時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



4月17日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



4月18日(水曜日) 金山剣術稽古会
           15時00分~17時00分
           戸越体育館 剣道場



4月19日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場

 
          
4月21日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           12時30分~14時00分
           品川区総合体育館 剣道場  
           15時30分~17時00分
           品川区総合体育館 剣道場



4月22日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場
 


4月24日(火曜日) クラーチ剣術教室
           10時00分~11時30分

           金山剣術稽古会
           19時00分~21時00分
           江東区スポーツ会館 剣道場



4月26日(木曜日) 金山剣術稽古会
           14時00分~16時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



4月27日(金曜日) 金山剣術稽古会
           17時00分~19時00分
           新宿スポーツセンター 第二武道場



4月28日(土曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場  
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場



4月29日(日曜日) Gold Castle 殺陣&剣術スクール
           13時20分~14時50分
           深川スポーツセンター 剣道場  
           15時10分~16時40分
           深川スポーツセンター 剣道場



4月30日(月曜日) 関西 特別講習会
           14時00分~16時00分(16時30分まで自主稽古可)
           尼崎市記念公園総合体育館 柔道場
           17時30分~懇親会(自由参加)

           




 金山剣術稽古会 参加希望の方へ


【 新宿スポーツセンターでの稽古時間 】
◇(月曜日)17時00分~21時00分
毎月第四月曜日は休館日のためお休みとなります。
◇(木曜日/毎週)14時00分~16時00分 
◇(金曜日/第二・第四)17時00分~19時00分

【 江東区スポーツ会館での稽古時間 】
◇(火曜日/毎週)19時00分~21時00分
月曜日が祝日の場合は振替休館日となりお休みとなります。

完全予約制ですのでお早めにご連絡下さい。
前月までに予約の入っていない日はお休みとなる事があります。
初めての方はこちら金山剣術稽古会についてをご参照の上
お申し込み専用窓口よりご連絡下さい。

稽古場所の詳細や稽古内容、稽古時間のご相談、道具類その他のご質問等につきましてご不明な点がありましたらご連絡下さい。

都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。


2018-03-07(Wed)
 

ゴルデンウィークに再び関西で講習会

 本日の「高齢者のための剣術教室」では、これまで使っていた軽いラジアタマツの杖を、樫の杖で稽古をしたいとWさんとSさんにお願いされ、先日購入した赤樫の杖と白樫の杖をお渡ししました。Sさんは赤樫の杖が使い込むことで色が濃くなり「先生みたいな色にしたいのよ!」とニコニコと喜んで手に取りその新しい滑り心地を楽しんでいました。

 今日もいつものように、始めに肩甲骨の運動から股関節の運動をおこない、その中でIさんの歩幅が大きくなっていることに気が付き、これまでと比べて病状のこともありますが、初めて見た歩幅の広さと安定感に嬉しくなってきました。少しずつですがほぼ毎週参加されておりますので、筋力がついたものと思えます。そしてIさんのお人柄なのか、周りにサポートしてくれる方がいますのでIさんも安心して参加されております。こうした自然発生的な協力姿勢は、たまに熱くなりすぎることも見受けられますがとても気持ちの良いものです。助け合いには、互いにプラスになるものがあるように思います。プライドが高い人は前進にブレーキを掛けますので、謙虚に自らを認めることで問題点が見えてきます。心を開放するということは、助け合いになりやすいものです。そしてときには自信も必要です。そのへんのバランス力が心地良く前に進むためのコツとも言えるかもしれません。

 夜からは住吉でI氏と稽古。

 昨日に続き杖術「三十連円打」の二十一番目から三十番目までをおこなう。今日は二十六番目の右車打ちから二十七番目の左車打ち、そして二十八番目の左片足打ちに繋がる足運びと杖の操作が掴めた。あらためて、この二十一番目からの動きはこれまでの番号と比べて異なるものと言えるだろう。

 今日は昨日に比べて湧き出るものを感じるようになった。その湧き出るというのは、アイデアとか新しい技ということの手前にある部分であり、今日のI氏との「斬割」稽古で感じた。体内の水分が炭酸水になったような、シュワーっと気泡が上がってゆくような感覚であり(今日はそのように感じた)内部に充満しているものが外に漏れ出そうとしているような感じというのだろうか。そういうモードになった時は、あるキッカケでドーパミンが放出され時間感覚が麻痺してしまうほどの夢中な状態となる。そして、そういう稽古経験がかさむと、大体身体の状態と感覚的な予知で何かが生まれる事が多いということを身体も私も知っている。

 今日も得るものがある一日であった。感覚に目を向けるという事は、人間らしくなるという事なのかも知れない。であるならば、感覚が衰えた現代人は、人間らしく無くなってしまったのだろうか。そもそも人間が人間らしいとどうやって判断するのだろう。人間らしいというよりか、人の心を失わないためには、気が付ける人間にならなければならないと思う。気が付けるということはやはり感覚に目を向ける時間を割いて学んで行かなければならないのだろう。感覚が無くてもそれなりに生きていける便利な時代となったが、人間関係はやはり感覚がなければ上手くは行かないもの。人が生きていくにはセンスとバランス力をいかに養い磨いていくかであると私は思う。

 さて、先の告知となりますが、4月30日(月)と5月1日(火)の二日間、関西で杖術と剣術の講習会をおこなうことが決定いたしました。世話人を務めて下さる川原田喬夫氏のおかげで、再び関西に行くことが出来ます。こうしたことは、私一人では出来ないことですから、川原田氏には大変感謝しております。チラシが出来たそうですので、ここに掲載いたします。
「金山孝之 関西特別講習会」​

 関西近郊の方、ぜひお待ちしております。


2018年3月10日(土) 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月14日(土)「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-07(Wed)
 

湧いてくるまで身体に従う

 本日は雨が降ったり止んだりであるが、夕方から高田馬場での稽古に向かう往復の道中には雨が一滴も降らなかった。

 今日は久しぶりにI君と稽古。昨年の冬休みから身長が5㎝伸びたそうで、この一年でずいぶん変わった。そして今日はついに来たかと声変わりしており、4月から中学生になる身体の変化に懐かしむ思いと、これから益々大人びてくる事を想像しながら稽古に取り組んだ。

 今日は杖術「三十連円打」にかなりの時間を割いた。その中で若干変更があり、二十四番目の回転が2.5回転から2回転となり、右手の使い方をシンプルに一工程削除した。これで二十三番の「右寄せ車」からすぐに二十四番目の「左寄せ車」に繋げる事が出来る。さらに二十六番目の「右車打ち」と二十七番目の「左車打ち」では真っ直ぐ前に向かっていたものを、左右に後ろ足を開きながらおこなうものとした。これにより、始めの廻し杖が相手に当たる心配も無く、籠手を打つ体捌きが自然と身に付くものとなった。次の二十八番目「左片脚打ち」では、左足を進めながら廻し杖に入るところを、その前の「左車打ち」により開いた後ろ足を、横にそろえる事で、次の左足を前方に送って片足立ちになることが、相手との間合いに影響することなくおこなえるようになった。このあたりは、以前「横二十連円打をおこなっていた経験が役に立った。つい先日この二十一番目から三十番目までを考案したのであるが、今日の稽古で私なりに興味の持てる手順になってきた。周期的には5月におこなう特別講習会がおそらく杖術になると思われるので、そこでそれぞれに合わせて集中的におこないたいと思う。間が空いて忘れてしまった方や、一気に出来る番号を増やしたい方は是非ご参加いただければと思います。

 I君が帰った後は少し一人稽古をしようと思ったが、先週これまでにない集中状態で長時間動いた事もあり、少し動いてみてまだ身体が動きたがらないので(無理にやれば別だが)しばらくはこれまでのような一人稽古は出来ないと感じ早々に引き上げた。湧いてくるものがないと動けないから不思議なものである。


2018年3月10日(土) 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月14日(土)「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-05(Mon)
 

新しく始める時期の到来

 今日も暖かい一日となりました。一週間前は撮影前夜ということで天気を心配していましたが、この一週間は三日間ぐらいに感じます。

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールは見学に二名の方がいらっしゃいました。昨日も初めての方がお二人いらっしゃいましたので、今年の三月四月は例年以上に体験参加の方や生徒になられる方が多くなるかもしれません。今現在の状況ですと、週に四コマ開催しているのと広めの会場でおこなっておりますので、あと十名位でしたら生徒が増えても講習に差し支えはないと思われます。ですので長期休講されている方々も安心して戻ってきてくださいね(笑)。

 今日の殺陣クラスでは、柔道場ということで存分に倒れる稽古をおこないました。この稽古は特に絡み役のリアクションには倒れる事に慣れておく必要がありますので、畳のある柔道場でさまざまなバリエーションをおこなうと良い稽古になります。

 そのほか、立廻り序盤のシーン、絡みの動きや声など、先日の動画撮影を観て感じた方も少なくないと思いますが、序盤の動きに迫力と声の大きさが全然足りておりません。大きな声を出せばいいというものでもありませんが、どう見せるのかということを考えていきますと、声を出さなくて良いという正解は見つかりません。観ている人に違和感を感じさせないことと、全体の構成テンポに自然と引き込まれていくための声は重要な楽器とも言えます。ですので、感情表現というよりは、この瞬間はどういう音とボリュームがいいのかという風に考えていただければ、もっとこの立廻りは良くなるでしょう。激しさばかりもクドくなりますしね。

 杖術クラスでは昨日に続いて「片足旋打」「三十連円打」などをおこない最後は昨日できなかった新しい型稽古をおこないました。
この二十一番目から三十番目までは、見ていて手を覚えることはさほど苦ではないのですが、動き方動かせ方が少々難しいように思われます。これからしばらく続いていくと思いますので、動きが良くなっていくように皆さんで稽古して行きましょう。

 本日も賑わいのある講習となりました。次回は11日(日曜日)です。深川スポーツセンターでお待ちしております!


2018年3月10日(土) 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年4月14日(土)「剣術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-04(Sun)
 

「剣術 特別講習会」のお知らせ

 2018年4月14日(土) 品川区総合体育館 剣道場にて剣術の特別講習会をおこないます。

今回は、袈裟斬りや正面斬り、胴斬りに共通する「剣が残り身を運ぶ操法」をおこない、それぞれに動きの精度を上げていくものといたします。後半は、先日の動画撮影でもおこなった抜き技を幾つかおこないます。
(初心者の方でも出来る内容がありますのでご安心下さい。貸し出し用の木刀は用意しています)


2018.04.14 剣術 特別講習会




【開催時間】
12時00分~14時00分/剣術
15時00分~17時00分/懇親会(自由参加)


【会場】
品川区総合体育館 剣道場


【参加費】
3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「木刀の有無」 
⑤「懇親会の参加または不参加」

上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


2018-03-04(Sun)
 

笑顔溢れる心地良さ

 三月に入ってGold Castle 殺陣&剣術スクールへのお問い合わせも増えてきました。同時に新しく生徒も増えはじめ、江東区、品川区、それぞれにアクセスの都合がいい方が参加されるようになり、結果的に品川区総合体育館の改修工事のお陰で新しい方との出会いが増えたように思われます。

 今日の講習では、何年ぶりだろうか、以前私が指導員として講習会をおこなっていた時代の参加者の方がお越しになられ、7~8年ぶりだと思いますが、お名前は忘れておりましたがお顔を拝見して直ぐに思い出しました。講習会はわずか二時間程ですが、数年経っても懐かしく思い返すことが出来るのは、やはりどこかで感じるものが残っていたのでしょう。そのNさんは殺陣クラスと杖術クラスを体験参加され、楽しまれていた様子が印象的でした。

 そして新たに二名の方が生徒となられました。熱心に楽しんで吸収しようと取り組まれていますので、伸びるのは早いかと思われます。体験参加の方にも、体験だけのつもりで参加される方もいれば、生徒になるつもりで参加される方など色々です。その辺りを見極めて、それぞれに見合った内容をお伝えしていく事が求められます。

 杖術クラスでは、新たに「片足旋打」、「三十連円打」をおこないました。三十連円打では二十一番から二十九番までおこなっていただきました。この動きには廻し四連発が二十六番から二十九番まであります。身体の姿勢、バランス、そういったものがこの番号では求められますので、片足旋打の稽古を併せておこなうことで動きが整ってくるでしょう。そうしますと、それ以前の番号の動きについてもこれまでと比べて変化が見られるものと思われます。

 明日は深川スポーツセンター柔道場での講習となります。殺陣クラスは安全な倒れ方の稽古をおこないます。手を着かずに衝撃を緩和して倒れるには足の使い方がポイントになります。簡単な方法から少しずつ難易度を上げて、倒れる事への不安をなくせるように進めていきたいと思います。前回おこなわれた方は全員よく出来るようになったと思います。ですのでまだ経験していない方には特にお勧めです。それと明日のテーマは声です。キッカケの声、斬る際の声、斬られたときの声、吐息も含めそこにはリズム感も関わって来ますので、「技術としての声」を皆で勉強いたしましょう。

 そして来週の10日土曜日は「抜刀術 特別講習会」を半年振りに開催いたします。静から動への移り変わり、その際の構え、自らと向き合い何を感じ得ていく事が出来るのか、そういった集中した二時間というのはなかなか得難いものです。居合刀を手に入れられた方も増えて来ましたので、集中的におこなうには良い機会となるでしょう。また鞘付き木刀での参加、または貸し出しも承っておりますので、ご連絡お待ちしております。

 最後に、スポーツ安全保険の更新が近付いて参りました。3月31日一杯で期限となりますので、新たに加入される方や、更新される方は私にご連絡下さい。私も加入いたしますので取り纏めてスポ安ネットに登録いたします。(四名から登録可能)

 詳細につきましてはこちらをご参照下さい。
 スポーツ安全保険について 

 それでは明日もみなさま深川でお待ちしております。


2018年3月10日(土) 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文




 
2018-03-04(Sun)
 

ついに三十連円打となる

 日中は五月上旬の暖かさとなる一日であった。コートを置いたまま高田馬場へ稽古に向った。

 今日はW氏と稽古。武道場には13人いたが、珍しく全員剣や杖をやっていて殺陣団体がいない。唯一声を出しているのが私ぐらいのものであった。W氏との稽古も六月で三年となるので、結構厳しい事を言えるようになった。その厳しさとは、直球でズバッと指摘することにあり、その言葉の選び方にオブラートで包むような気遣いはしない。それは当人も進展を望んでいるからであり、真剣な場として参加されていることを感じているからでもある。

 先日体術を受けてもらって、その頑丈さに驚かされたが、聞いてみたところやはりその事を稽古以外の時間でも考えて工夫していたそうである。私としてはその頑丈になった受けをいかに崩せるかということが一つの検証結果として重要なので、今日は火曜日に気が付いた、自らの腕が得物のように、それに引っ張られる手順でおこなうことを試してみた。結果はかなり有効であった。やはり人間の無意識の計算力とは微細なタイミングの違いにより効くか効かないかに分かれてしまう。

 杖術では、講習用に二十四連円打を考案したが、今日はその後三十番目までほぼ決まってしまった。そのため今後は「三十連円打」と名称が変わる事になった。それほど難しくはないと思われるので、皆さんも直ぐに覚えられるだろう。

 稽古が終わり、九段下の武道具屋さんに行って杖を二本購入。クラーチ剣術教室の生徒さんが、樫の杖で稽古がしたいという申し出を受け、今日のタイミングでお店に行った。これで強く打ち合っても大丈夫だろう。しかしお二人とも70歳代なので、ほどほどにしたいと思う。

 3月10日(土)の抜刀術特別講習会に向けて身体を整えておかなければならない。先日の撮影で、どこか今までに感じたことの無い部分が消耗しているので、まだ無理は出来ない。半年振りの抜刀術の講習会なので私も楽しみである。お申し込みにはまだ余裕がありますので、ご都合の宜しい方、ご連絡お待ちしております。


2018年3月10日(土) 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年3月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-03-02(Fri)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなう。

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

2018年
『 関西特別講習会 』として人との繋がりを大事に遠方での講習会もおこなっている。

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