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休みも重要な時間

 インフルエンザが流行っているが、私の周囲では風邪も流行っている。例年1月に風邪を引く事が多いが、今年はまだ大丈夫である。少し危ないなという瞬間があったが、葛根湯を飲んで次の日には元に戻った。やりたいことしかやっていない生活であるが、疲労は蓄積しているようである。ようである。というのはあまり感じていない(感じなくなった)からであり、ランナーズハイという言葉があるが、日々稽古ハイになっており、そのあたりが嫌な仕事をやらざるを得ない状態と大きく異なり、日々の活力になっている。

 だが、身体への疲労がや負担が無いわけではないので、キッチリ休養を取らなければ、その分の代償を払わされるほどの身体の状態に持っていかれるような気もしている。何度も書いたが、昨年の9月5日に傷めた右肘はまさに、休まずに酷使した結果であり、しばらくは稽古内容に制限があった。やはり、休みを取ると動きも軽くなるし、思考も冴えてくる。急がば回れとは言うが、前に進み続けて行くには私の場合は休みが不可欠である。

 暇が多かった時期は、休みの日に身体を鍛えようとか、どこかに出かけて何かを見ようとかそうした身体や脳への詰め込みをしていたが、今は休みの日は文字通り休みの日としている。だがそれは、日々動くべき活動が継続的に求められるという有り難い状況があるからであり、だからこそ贅沢にも休むことが選べるのだろう。 そういう意味では休めるということは貴重なものであり、次なる何かのための必要不可欠な時間とも言える。もう少し言えば、休みは身体と心が次なるステップのためにそういう状況に陥れているものとも思っているので、そこに従うことで、その道筋にある流れに乗っていけるのだと思う。休みが下手だとどうしても、本来のパフォーマンスが発揮できないばかりか、マイナスな状況を自ら引き込みかねない。休まないと強引に身体に休まされるので、そういうものはあまり気持ちがいいものではないので、そうなる前に気持ちよく休みたい。だが私も下手なのでその辺りは色々な方から御指摘を受けている。

 先日日曜日に撮影した映像であるが、生徒からの反響も良かった。悔しい思いをしている方もいると思うが、今後の講習で次へのリベンジとすべく励んでいただきたい。この動画は他のサイト等に共有するとデータに反映して分かりますので、消去せざるを得ない状況にならないためにもお気をつけいただきたい。視聴はホームページからのみとお願いいたします。(データを見て今後の撮影を辞め消去する可能性もあります)

 さて、昨日月曜日は高田馬場で後藤氏とT氏と稽古をおこなった。昨日は杖術の新しい技であり操作法のキッカケとなる「流転落とし打ち」に進展があった。腕の操作を制限するようにし、肩甲骨と股関節ですべてが繋がるように動くというものである。名前にある流転というのは「生生流転」から頂いたもので、流転…ものごとが止まることなく移り変わっていく。という意味が、この動きにある一つ一つの動きに身体各部がさまざまな動きが求められる事から、この技の稽古を通じてさまざまな動きに変化が起こる気がして、重要なものと位置づけている。

 抜刀術では、稲妻抜きを稽古したが、抜刀術の中でも特にこの技は条件が厳しいものである。だが、条件が厳しいということは、それに応じるべく身体の使い方が求められ、無理だろうと思えることを突破する事に稽古の意義がある。二尺七寸の居合刀では厳しいものもあるが、突破するためにはここから逃げる訳には行かない。

 昨日はI氏にも「旋打千回」をおこなって頂いた。後藤氏に受けをお願いし約9分間で終えた。これで私の稽古に毎週参加されている方は全員おこなったことになる。T氏と最後におこなった抜刀術稽古の初動に進展が見られた。

 昨日も杖術に抜刀術と得るものがあった。そして本日の「高齢者のための剣術教室」では、昨日おこなった流転落とし打ちから気付いた身体の使い方を体操として皆さんにお伝えしましたが、やはり肩甲骨を動かす事に慣れていないため、しばらく様子を見てましたが、もう少し簡単におこなえるものにしなければならないと感じました。効果のあるものと、興味のあるものは、どちらもマッチしていればいいのですが、そうではない場合は、興味あるものの中で効果的な実感を得られるものに変換していかなければなりません。そこが講師としてのやりがいとも言える問われる課題でもありますが、これもやはり突破していかなければなりません。

 明日は諸々、滞っていた用件を済ませなければならない一日となりそうです。一月最後の日、二月に向けて準備をしていきたいと思います。


2018年2月12日(月/振替休日)
「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年1月 稽古日程

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甲野善紀先生からの紹介文


2018-01-31(Wed)
 

月末恒例立廻り講習収録

 一月もあっという間に最後の日曜日を終えた。ラニーニャ現象と言われていたように、雪も積もったし記録的な低温も続いた。だがそれなりになんとかなり時が過ぎれば落ち着いてしまう。慣れていないからかも知れないが東北の人は本当に大変だと思う。だが人というのは、大変な状況になると一致団結し人間らしさを取り戻せることもあるので、どのような状況にしろ何らかのバランスで人という動物は生かされているのだろう。

 さて、本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習は深川スポーツセンターで殺陣クラス、剣術クラスをおこないました。殺陣クラスでは「月末恒例立廻り講習」を今回から最後にそれぞれ撮影したものを生徒の方にのみ視聴できるようにいたしました。やはり立廻りは、とにかく言うよりも映像で見るのが一番分かり易いため、なんとか映像で見られる位のものにするため、昨年の6月から、少しずつ基礎的な動きから構成を整えたものをお伝えして参りました。週に一度の立廻り稽古ですので先に行くまで時間は掛かりますが、五役の動きを皆さん覚えておこなっていただいておりますので、動きを覚え、間合いを掴み、タイミングを計算し、説得力のあるアングルを調整する。そうした動きが身についてようやく感情やそれにともなう芝居で個性を表現出来てきます。殺陣の上手い人というのは、そうした感情やお芝居に入る以前の動き全般の把握が身についている人であり、その場で求められたベストがどういったものであるのかということに共通意識の中で通じ合うことが出来る人だと思います。とうぜん、そのためには稽古が必要ですし稽古はそのためにあります。そういった、動きに求められる先に述べた部分が解り始めてくると、今まで見えなかった部分が見えてくるようになり、理解が早くなると同時に取り組むべきポイントと新たな発見による面白さ奥の深さというものが感じられると思われます。

 今回撮影したものをそれぞれ見て頂くことにより、私がこれまでに言ってきたことが具体的に理解出来たのではないかと思います。胴斬りに関しては稽古を積みましたので、かなりの方が水平に振れるようになりました。声のタイミングも、動きの構成におけるリズムと関連しておりますので、心地良い合いの手のように斬る側も斬られる側も声を出すことが今後の課題と言えるかもしれません。それは撮影を続けていくうちに上手な人の声の使い方を参考にしていただくといいでしょう。

 アングルの重要性も今回とくにお伝えしたかったものです。被らない位置、被る位置、バレない位置、バレる位置、相手だけでなくカメラというものを常に意識して相手と対峙していかなければなりません。そうしたものを動きの中で微調整しながらベストなものを残していかなければなりません。カット割りも無く固定で撮るには、演者の技術が試されます。逆に言えば、こうした条件のもと動きの中で微調整出来る訓練が、とくにお仕事で現場に行かれる役者さんにとっては求められる技術といえるのではないでしょうか。

 一人一役で何ヶ月間もおこなえばそれなりに映像で見られるものにはなるでしょう。ですが、全員五役同じようにやっていただくことが、こうした発表のためではない、期限があるものではない教室ならではというものでもあり、周りに迷惑を掛けない真剣さと、出来ないと思っていた事が、いつしか時間を掛けながら少しずつ出来るようになって来たという自分自身に対する自信が、大きな意味での成長に繋がると思っております。現にそうしたものを感じる生徒もいましたので、今後も真剣に取り組みながら自信を付けて伸びて行っていただきたいと思います。

 撮影では動画配信の負担を減らすために、録画しっぱなしでそれぞれがローテーションしていくという形を取りました。そのため、斬られた人がノソノソと立ち上がる光景がなんともシュールで笑えるものでした。来月も月末に撮影を予定しております。まだ思案中ですが、次回は手持ちで芯の動きを追いかけて寄り気味の映像を撮ろうかと考えております。そうなってきますと、今度は顔の角度、目の動き、そうしたものがより求められてきます。今回Bグループの生徒はまだ最後まで進んでいませんが、次回はもっと全般的に向上するようにそれぞれ励んで頂きたいと思います。

 殺陣クラスが終わり続いて剣術クラス。この講習でYさんが百回生となられ最後に記念写真を撮って下さいといいうことで、そのお写真を送って下さいました。

2018.01.28 Gold Castle 殺陣&剣術スクール

 Yさんも昔から熱心な生徒さんで、身体を痛めた時期もありましたが今では問題なく稽古に取り組んでいます。どこに行くにしてもグループに一人はいて欲しいタイプの人ですので、そういう方に百回生となられ私も有り難く思っております。これからも怪我には気をつけて、この教室の雰囲気を良くして下さっている生徒の一人として今後ともよろしくお願いいたします。

 そして今日は、四ヶ月振りにR君が来られ、お父様、お母様とともに、ひさしぶりにお会いする事でできてさらに嬉しい講習となりました。一人の人間を育てるという親御さんのお気持ちは、間接的にではありますが私自身にとりましても学ぶべきものがあり刺激を受けております。中学一年生となり、今年で早くも二年生。身長も伸びており、R君からもう大人用のサイズの木刀でも大丈夫ですかと相談され、今後の稽古がまた楽しみになってきました。手前味噌になりますが、この教室は講師の実力はさておき、生徒に関してはさまざまな層の人がいますが、愚痴も無く、本当に良い人が集まっていると思います。だから、私も毎回深夜になってもその時間を思い返して、それぞれの気になっている部分を思い返し次にどうすればいいのかを考え、そのことを考える事がなにより心地良いのだと思えるのです。これまでの人生、良い人との出会いは長く続かないという何か法則のようなものでもあるのかと思っておりましたが、私が今の立場になってこれからは、そういう法則は間違いである事を証明したいと思います。本日もみなさま、集中した良い講習となりありがとうございました。また二月にお会いいたしましょう。


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2018-01-29(Mon)
 

環境で育まれる身体と心

 深夜2時を過ぎてしまった。3時位には就寝出来るように急いで記事を書こう。

 今日は今年に入って四度目のトリプルヘッダー。ありがたいが、時間の使い方が未熟のため24時間では睡眠不足だ。だが今日は良い一日であったし、明日も良い一日になるだろうから、疲れは感じないだろう。気が張っている。気が張れる出来事があるというのはありがたいことである。出会いと感謝と愛情。そうした発展的な連鎖を今年はこれまで以上に広げて行きたい。

 さて、本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールは、戸越体育館剣道場にて昼間の部が殺陣クラス、夕方の部が剣術クラスの講習をおこないました。昼間の部では、体験初参加の方が四名と多く、日曜日に匹敵する賑わいを見せておりました。Yさんのご紹介でご参加頂いた同業者の方々や、俳優Sさんの御紹介で来て下さった方など、全員ご紹介で来ていただいた事に感謝しております。そのYさんが、先日おこなった小太刀の講習会で私が貸し出し用に大刀を加工して簡単にヤスリだけ掛けた小太刀を「家で削ってきてもいいですか?」と申し出を受けましたので「あっ、どうぞお願いします。」ということで、今日はその削り終えた小太刀を持ってきて頂きました。

 Yさんのクリエイター魂というか作品作りへの好奇心といいますか、見事な小太刀に仕上がり、私が購入した小太刀よりも切っ先や刃の部分がシャープで、柄の長さも既製品は短く感じていたので、一寸ほど長く仕上がったYさんの手作り小太刀は貸し出し用ではなく、私が好んで使おうと価値が一気に上がりました。折れた大刀でも完璧に小太刀に仕上がるので、買っても1.600円前後ですが、愛着のあった大刀を捨てるには忍びないと思われますので、こうして小太刀として復活するのはエコにもなります。私も先日鉋を買いましたし、これから小太刀が増えていきそうな予感がしております。小太刀のみの特別講習会を開催してもいいかもしれません。そのためにも、私ももっと小太刀を研究しなければなりません。

 土曜日の殺陣クラスは、私にしては珍しく同じ内容を続けております。覚えた動きをより精度を上げたい、または出来るようになった動きの感触をもっと味わいたいと思ってらっしゃる方も少なくないと思われますので、皆さんの反応を伺いながら内容を決めております。全体的に見渡しましても、それぞれのペースで少しずつですが確実に成果は出ております。それは各人が実感している事でしょう。

 夕方からの剣術クラスでは、新しく変わった「正面斬り」をお伝えいたしました。これは殺陣クラスの「万乃型」も同様に幾つか変更となりました。この正面斬りでは、右は剣を上げる役割、左は下ろす役割という風に明確に分ける事でそれぞれの精度を上げることが稽古の中では重要になってきます。その役割の移り変わる瞬間をいかに滞りなく自然におこなえるかが稽古の技術的な面における重要課題です。

 続いて「胴斬り」をおこないました。私もこの胴斬りにはなぜだか執着があり、おかげでこの数ヶ月間で色々変化があったと思います。もはや初期の頃の胴斬りは、胴斬りというより重心移動の稽古と言えるものでした。右肘を代償に研究いたしましたが、今後も少しずつ変化していくものと思われます。変化するということは当然、これまでの動きよりも良くなるということですので、変化出来るための稽古にしなければなりませんし、かといって変化のためだけに稽古ししている訳でもありません。たまたまそうなった、ということが、望ましいように思えます。

 最後は納刀法と抜刀術をおこないました。刀を主役に身体は脇役となって動くようにと思わず口走ってしまいましたが、身体の姿勢や手順に意識が行き過ぎてしまうと肝心な刀の軌道が違うものになってしまいますので、刀の動きがそうなるためには、もうそのようにしか身体は動けませんので、考えすぎても駄目ですし、考えなくても駄目という言葉がありますが、そういったところの意識の持ち所は、感覚的な手順に作用してきますので、得物に身を任せるという感覚(結局それは身体でやっている事なんですが)は身に宿しておきたいものでありますし、こうしたものは一人稽古の中で自得するものなのかもしれません。

 Gold Castle の講習が終わり、18時からは青木賢治さんに来て頂き、2月末におこなう演武撮影のための打ち合わせ稽古をおこないました。今日で三回目ということで、全体的な部分としてはほぼ安心しており、二週間前に撮影したカメラアングルの再確認と、今回新しいアングルからの撮影を試みました。今回は直ぐに終わるだろうと予想しておりましたが、新しいアングルの映像がこれまでに見た事のないものでしたので、今回もW氏に撮影をお願いし、椅子に立ったり床に寝そべってもらったりと、私も人使いが荒い人間だと思いながらそこの確認作業に時間を掛けました。お陰さまでテスト撮影は今日で最後となりましたが、削除した以前の演武映像は前日にあわせ稽古を一度おこなっただけで即興的に撮影したものでしたが、今回はテストを重ねて技を合わせるというより、技によっての最適なアングルを全て確認することに時間を費やしました。技そのものは普段稽古しているものなので、今更練習しましょう。ということは無く、青木さんとの呼吸が合ってくれば現時点での最適なものが残せると思っております。今回も、遠いところ戸越体育館までお越しいただいた青木さん、私の撮影に関する細かい指示に付き合ってくださったWさんにはあらためて御礼申し上げます。

 戸越体育館の武道場に八時間半ほど篭っておりましたが、外に出ると風が冷たく、青木さんとともにインド料理「ドゥルガ」にて食事。私は朝から、みかん一個と、合間合間にウィダーインゼリーを三袋飲んだだけだったので、ドゥルガのディナーバイキングがとても美味しくナンやサフランライスをお腹一杯に食べました。22時過ぎにお店を出て、山手線に乗り途中の駅まで青木さんといろいろなお話をしながら、絶対に外では言えない話など、こうした笑いに変わるこれまでの出来事が言える間柄の友人は非常にありがたい存在で、時が流れ笑いに変わっているということは、いい時の過ごし方を選んで来たのだということに気付かされました。これからも、いろいろな出来事が起こりうると思いますが、その時笑えることもあれば、時間が経ってから笑えることもあるでしょう。どちらにせよ、笑える生き方を選べるように、真に心がどうであるのか、そこにある純粋さは強さともいえるのかもしれません。自分の心はごまかしようがありませんので、結局はそこをなんとかしなければなりませんので、自分と向き合い相手と向き合う武術稽古において、自得していくしか着実な成長はありません。そういう環境で生きていけることが私自身は大事にしている事でありますし、今こうした生き方をしているに至ったのは、そこの部分との葛藤がこうなるしかなかったからに他なりません。日本の歴史が受験のためや、エンターテインメントのためだけでない、現在に至る時間の流れとして、私自身といたしましてはもっと強く受け止めていかなくてはならないものだと感じております。4時になってきましたのでまだ今夜と認識出来ているうちに寝たいと思います。

 明日の講習は「月末恒例立廻り講習」です。今回から撮影をおこないます。人数によっては集合写真の撮影も考えております。明日もみなさま、よろしくお願いいたします。


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2018-01-28(Sun)
 

望むものと望まれるものその先にあるものは

 一昨日住吉でおこなった稽古による筋肉痛などは臀部に僅か感じたもののもう既に治まっている。意外な結果となった。

 本日は高田馬場と住吉で稽古をおこなった。

 まず、高田馬場ではこれもまた意外に武道場が暖かく、暖房の風など吹き込んでいる感じはしないのであるが、外からの陽射しなどを受け、動けば直ぐに汗ばむほどであった。今日は先日突如生まれた杖の操法「流転落とし打ち」をW氏とともにおこなった。この動きは、両手の手の内が目まぐるしく変化するため、稽古をおこなうたびに気が付く部分も多い。これまでに無かった杖の操作法でもあるのでこの稽古をおこなうことにより、次なる動きへの手掛かりを養うことになるだろう。これまで杖が損傷した事はほとんど無かったのであるが、W氏の杖にヒビが入り修理が必要となった。私も先日自分の杖を直したところである。手の内や重心の使い方が得物の破損に繋がっているように感じている。同じく、「横鹿威し」をおこないW氏に受けてもらった際にもW氏の木刀にヒビが入ってしまい、もうこの鹿威しは私が受け用の木刀を用意しておこなわなければならないだろう。

 抜刀術では、打太刀を付けて集中的におこなった。やはり打太刀を付けると危険度が増すため、これまでにない感覚に自分自身動いた後に気付かされる。昔に比べて抜刀術稽古に時間を掛けていないが、稽古をおこなう毎に気が付くことは、稽古を集中的におこなっていた時と比べて大して変わらない。技術というより、身体の状態が動きに大きく左右されている気がする。そうした状態を整えていくことがこれからの稽古では必要だと思えるし、そのための日常の送り方も稽古に繋がるものとして価値観に差を付けてはいけない。

 夜からは会場を住吉に変えて二ヶ月ぶりにI氏と稽古。その前に居合刀で八相からの胴斬りを稽古した際に、手首の角度に気付きがあり刃音が安定的に鳴るようになった。この右手で振る八相から左への胴斬りはなかなか難しいのであるが、今日の手首の角度の信頼性は高い。居合刀とはいえ二尺七寸は身体への負担も大きいのであまり無理は出来ないが、両手第二関節辺りにたくさんマメが出来てしまった。嬉しきマメである。

 私自身この数年間素振りはイスノキの木刀(木刀というよりはそのまま木の枝)を使って体幹と身体の調和を養うことを主題として取り組んできたが、今では刀の形状をした一般的な木刀か居合刀や真剣などを使って刃筋への意識が強くなった。だが、羽音の大きさに意識が強くなると振り方が変わってしまうので、そのあたりはこれからまだまだ精度を上げていかなければならない。

 I氏との稽古では脚部鍛練稽古から、杖による体操、単体技をジックリとおこなった。稽古の合間に会話を挟みながら、直感的に今おこなうべき稽古が見えてくる。それは本当に直感的なもので、私もその瞬間は突然なんでこれをやろうとしたのだろうかと思うこともこれまでにあったが、終わった後にそういうことかと自分の事ながら気が付くことも多い。考えていた内容を押し通すより、その瞬間に口が先に発した事を実行したほうが良い場合が多いし、私はそれを信用している。

 稽古空間は多種多様であり、大勢とおこなうものであったり、マンツーマンでおこなうものや、高齢者の方とおこなうものもあれば、小学生とおこなうこともある。さらには、技術を求められ、それについて私も引き出されるように湧いてくるものもあれば、その言葉や沈黙、そうした内面における感性のやりとりのようなものもある。そうした稽古空間の積み重ねにより私は何処に向かって行こうとしているのか自分でもわからない。ただ、先日知人から「そうした稽古を続けていく中で、人として厳しくなると思いますか?それとも優しくなると思いますか?」という思わぬ質問を受け、間髪入れずに「それは優しくなると思いますよ。」と即答したが、それは今でも私の頭の中に残っている。知人はおそらくそうではないと思っておられたようであるが、これは私がそうなりたいと思っている願望なのかもしれない。強さとは優しさでもあり、厳しさの上に優しさはあっても、優しさの上に厳しさがあっては救われないように思う。その優しさの定義にもよるが、見た目の態度や言葉ではなく、愛情がどれほど深く己の心に育つべきものとして養われているか。ではなかろうか。であるならば、稽古を通じて優しくなるのか、厳しくなるのかというより、愛情が深まるということなのかもしれない。それは感謝の積み重ねでもあり、感動からなる誠実な反応でもある。そうしたことの行く末にこれから先の私は何をおこなっていくのだろうかと考える時間も増えてきた。それはきっと、私が求めることではなく、そうした状況に自然と導かれていくことになるのだろう。これまでがそうであったように。


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2018-01-26(Fri)
 

ミトコンドリアに催促されて

 昨日1月22日(月)は四年ぶりとなる東京での大雪となった。都心部で23cmと計測されていたので、場所によってはそれ以上に積もっていたところも多かったと思われる。こんな日は、余程のことがない限り会社も休みにした方がいいのにとニュースを見て思った。都心部は交通機関が機能しなくなるとどうにもならないので、いつもの当たり前がそうした判断を鈍らせてしまう。かなりの人が大変な思いをして昨日一日を過ごされた事だろう。私は運良く昨日は第四月曜日ということで稽古が無い日だったため、近くに出歩いただけで公共交通機関を利用せずに済んだ。

 一日経って、本日火曜日は「高齢者のための剣術教室」に向かうため残雪残る早朝いつもより早めに駅に向かった。案の定電車が遅れていたため(もう最近毎週この時間帯の遅延を書いている気がする…)違うルートで途中乗換えのため駅から出て200mほど歩く。徒歩7分と書いてある乗り換えのための駅がどこにあるのか分からなくても、人々の後を付いて行けば簡単に次の駅の改札に辿り着く。このルートは万一の時に、時間短縮出来るためふだんは利用しないが(乗換えで歩くのが億劫なので…)いざというときに一気に20分位は挽回出来る保険ルートといえる。今回で三回保険を利用した。

 おかげでいつも早めに着いているがその時間よりも10分ほど早く到着することが出来た。稽古場では、まだ電気も点いていない部屋でHさんがひとり、杖を真剣に振っている姿が背中越しに見えた。今日は雪のため朝はウォーキング出来なかったそうであるが、毎日Wさんと二人で早朝1時間近く歩いているそうである。ここは空気も良いし高いビルも無いので空も良く見え体にいいだろう。WさんもHさんも何より共通しているのは、すがすがしいところである。自身に対する前向きな気持ちというのは結果として自分自身を守ってくれるものでもあり、そうしたものは日々乱れやすいのであるが、パートナーとともに毎朝ウォーキングに出られるというのは、心身ともに健康を維持していられる秘訣ともいえるだろう。その後、1時間半の講習よりもさらに1時間位前に来て自主稽古されているので、身体に不調が無いとは言えない中でそれだけ意欲的に取り組まれるということは、かならずその中で得られるものを感じているからであると思う。その他にも自主練習に参加される方は多い。こうした状況は本当に講師としてはありがたいとしみじみ思うのである。

 講習後はひさしぶりにレストランで食事。今日はいつもの広いテーブル席が空いていなかったため、6人掛けのテーブルに私を含めて8名が席を寄せ合って食事をいただいた。これもいいものである。

 全くの他人であればパーソナルスペースに侵入されたような不快感があるかもしれないが、親しい仲間内であればむしろそれが逆に距離があいているよりも心地良く感じられるから不思議なものである。これはその場の雰囲気というものも大きく関係している。例えばファミリーレストランや喫茶店では他のお客との距離が近いとあまり落ち着けないものであるが、焼き鳥屋やおでん屋ではカウンターで隣の客と肘が当たりそうな距離に居ても嫌な気がほとんどしない。むしろこういったお店で広々としていたら同じ食材でも受け取り方が違ってくるに違いない。その空間に必要な間合いというのは実に繊細で人間心理の妙というものを弁えておかなければならない。(電車の中というものはなんとか変える事はできないものだろうか…)

 食事が終わり皆さんから玄関前まで見送られる。突然Tさんが雪を投げてきて、次にHさんが投げてきてプチ雪合戦が始まった。「どこまで元気なんだHさんは!」と思いながら私も遠慮なく投げ返す。そんなこんなで皆さんと挨拶してお別れ。しばらく歩いたのち、トートバッグの中から財布を出そうとしたら雪の塊が入っており慌てて掻き出した(笑)。これだけの雪があったら、何人かで巨大な雪だるまを作る計画をしてもよかったかな…とチョッピリ後悔。こども心が失われてきたのかなぁ。

 夜からは住吉でI氏と稽古。小名木川沿いの遊歩道を雪掻きする人はいないだろうから恐らく歩きにくいだろうと予想していたが、ところがどっこい、お日様の力で土手の草木に至るまで完璧に溶けて何にも無かったのには驚いた。しかし対岸側の日陰になっていたであろう場所はまだ雪が沢山残っており、日向と日陰はこうも違うものかと考えさせられた。

 会場に到着し、I氏が訪れるまで一人稽古。今日はどうしても剣が振りたくて早めに向かったのであったが、それほど時間も無かった。しかし得るものが直ぐに訪れた。

 18時25分に始めて、四分ほど袈裟斬りをおこなった。前脚とのタイミングに大きな違いがあり、その場で引き上げても得物とのタイミングにより前に進む推進力が得られることが実感出来た。次の六分間は「正面斬り」をおこなった。午前中におこなった高齢者のための剣術教室で初めて取り入れた袈裟斬りから斬り上げ、さらに胴斬りから正面斬りという一連の流れをみなさんに覚えていただくよう講習の最後におこなったものであるが、その時の最後の胴斬りの終わりから正面斬りに繋げる手の内の操作が、夜の住吉の稽古で感覚的に思い出され、試しに使ってみたところ、今まで何度か試みたことはあったと思うが、この第三関節を使うことがこの新しい操法に適っており、このことに興奮してしまい、時を忘れるほど集中してこの新しい正面斬りをおこなった。かなりやったつもりであったが、時間にして十五分程。I氏が訪れたため、もったいぶるようにして改めて稽古を開始した。

 休養は大事である。心身が整えば内から湧き出すようなエネルギーが、まるで細胞が指令を出しているような気がしてその活き活きとした状態が治まらない。なんだか若々しくなってきたような、ミトコンドリアからの催促が脳を支配したかのような、そんな状態に、昨日一日かなり休養できたことが大きかったのかもしれない。

 別段予定していたわけでもないが、I氏とともに「蟹の前歩き」三往復(90m)「雀足歩法」三往復(90m)「飛石」三往復(90m)「馬突き」十往復(300m)「旋打千回」をおこなった。これだけで1時間近く掛かってしまったが、身体が求めている時というのは普段出来ないことでもやりたくなってしまうものである。昨年の1月は「飛石1km」というのをおこなったが、明日明後日身体にどのような反応があるのかを楽しみにしたい。まったく同じメニューをおこなったI氏も流石である。

 今日はなんと言っても「正面斬り」のさらなる進展である。左手の形が刃筋をより精確に捉え「鹿威し」でI氏の木刀を連続でド真芯で捉え、あっという間に木刀にヒビが入ってしまった。これは、左手の第三関節をより有効につかうには有用な操法である。もう今までの操法は恥ずかしく感じてしまうから、こうした気付きというもの、そこから変わる気持ちの変化というものは実に勝手なものである。だが、それがあるから迷わない、戻らない、という有り難さともいえる。

 今日は実に良い稽古、良い一日であった。


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2018-01-24(Wed)
 

技術の共有化だけでなく共有したいもの

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールは深川スポーツセンター柔道場でおこないました。午後①の部(殺陣クラス)では、やはり土曜日がお休みだったため日曜日は人数が集中して所狭しと皆さんそれぞれに動き回って頂きました。

 それにしましても、このGold Castle 殺陣&剣術スクールを開講してまだ四年と三ヶ月ですが、生徒の成長、教室の成長、講師の成長(?)そうしたものを感じております。それはたびたび書いておりますが、何かのために身につけるということではなく、その動きそのものを考え、その結果何かが養われてくるものであると思っているからに他なりません。ですから、私としましても純粋に講習内容を考える事が出来ますし、それに付いて来て下さる生徒の皆様も純粋に動きを求め楽しみ自らの課題を越えていけるように稽古されているのだと思います。

 私のこれまで過ごしてきた人生は遠回りだったように感じていた時期もありますが、今の生き方次第で、遠回りも近道も無いように思います。それらを活かせるか、活かせる事が出来ればその経験は必要な経験であり、無駄ではなかったということ。人生なかなか自分のやりたいことをやっていくのは難しいものですが、無駄な時間を生きないようにするためには、後に繋がるための自分を持ち続けることだと思います。そこに関して当時はそれがゆえに上手くいかなかったことは多々ありましたが、後にそれが活きてくるのであれば、「俺はこんなところで何をしているんだ!」という状況でも、その中でやれることはある筈です。

 いろいろなことはありますよ。

 これまで出会った人から言われたことで傷ついた事でも、そこに立場というものがあり、その立場というものが人を狂わし善悪をコントロールしてしまう。だから私は、ものごとを狂わしてしまうそういったものには嫌悪感を持っています。頭の良い人は、頭の使いどころに対して偏りが出ないように、頭の回転だけが良い人にならないように、そういったものは立場を手に入れてしまうと陥り易いものですので、私自身も気をつけなければなりません。まあ、私の場合頭が悪いですからそれ以前の問題なんですけど…

 今日は中学一年生のT君が生徒になられました。体験初参加のAさんと、体験2回目のMさんと三人でおこなっているのを拝見しておりますと、T君が進んで身体の姿勢などをお伝えしておりましたので、「ほう。」と思いながらしばらく眺めておりました。同じ中学一年生で久しく参加出来ていないR君は、学業と仕事と部活に武道にダンスなど忙しいためここしばらくはお会いしておりませんが、R君を見ておりますと、やはり親御さんが素晴らしいのだとお会いした瞬間に感じるものです。時々テレビで活躍を拝見しておりますが、またお会いできるのを私だけでなく生徒の何人かも楽しみにしていることでしょう。そうしたお仕事をこの年で経験されているお子さんというのは、社会の厳しさを経験してきていますので、それは教育としてはとても良いことであると思います。早いうちから大人と仕事をすると否応なしに厳しさを経験することになりますので、そうした競争社会で生き残って行く術をどのように身に付けて行くのかは親御さんの教育方針に掛かってきます。子供らしく伸び伸びとしながらも、甘えの通用しない、競争の中で仕事をしていくという経験。いずれ競争が無くても自らを向上させる心の在り方を身につけることが出来れば、周囲に流されずにこれからの時代を生き残っていける方法を導き出すことが出来るのではないかと思われます。

 今日も殺陣クラス杖術クラスともに賑わいを見せ集中した講習となりました。これからも、生徒の成長に合わせ出来ることも増えてきますので、そうした中でGold Castle で良かったと思える、そうした講習をおこなっていきたいと思っております。来週日曜日の殺陣クラスは「月末恒例立廻り講習」となります。昨年6月から取り組んできた立廻りを映像に撮ってそれぞれに確認していただきます。おそらくいろいろと気が付くところがあるかと思いますので、今後はそうしたところを課題としておこなっていただきたいと思います。私も全体的に共通する課題を見極め講習内容に取り入れていきたいと考えております。

 本日も、常連組の生徒、久しぶりに参加された生徒、体験参加にお越しいただいた方々ありがとうございました。私も日々学ばせてもらっています。これからも怪我なく、技術だけでない部分にも目を向けて、殺陣と剣術が技術の共有化ということに留まらず、稽古からなる思考の在り方、自身と向き合っていく中で学び取る普遍的なもの、そうしたことも共有していける、そんな殺陣&剣術スクールでありたいと思います。


2018年2月12日(月/振替休日)
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2018年1月 稽古日程

2018年2月 稽古予定

甲野善紀先生からの紹介文


2018-01-22(Mon)
 

小太刀が予想外に盛況だった剣術特別講習会

 本日は戸越体育館剣道場にて剣術特別講習会を二コマ開催いたしました。

 第一部は小太刀を交えて少人数限定講習という予定でしたが、小太刀に興味がのある方が予想以上に多かったため、少人数とはなりませんでしたが、そこは拘らずに受付いたしました。講習内容も、小太刀を交え大刀での剣術をおこなう予定でしたが、参加者の集中状態を見て、内容を切り替えるタイミングを変更し、けっきょく第一部は小太刀のみの内容となりました。私がおこなう小太刀稽古の特徴は「居着かずに動くこと」「身の規矩を作ること」を目的としておこなっております。大刀を受け止めたり払ったり巻き落としたり中心を取ったりしていく中で、小太刀と身体がどのように繋がっているかが大事になってきます。そうした稽古は大刀を用いた剣術にも活きてきます。

 第二部では連続受講の方が多く、4時間20分位は稽古されたのではないでしょうか。私自身「表交差からの斬付」では剣を回転させることで威力が上がる事が分かりました。第二部だけでも多くの内容をおこないまいしたので、続けて参加された方はかなり濃密な講習だったと思われます。

 また機会があれば小太刀を交えた講習会をおこないたいと思います。本日はお越しいただいた皆様、ありがとうございました!


2018年2月12日(月/振替休日)
「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2018年1月 稽古日程

2018年2月 稽古予定

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2018-01-21(Sun)
 

「杖術 特別講習会」のお知らせ

 2018年2月12日(月/振替休日)戸越体育館 剣道場+柔道場にて杖術の特別講習会をおこないます。

 これまでに講習会などでおこなった内容のものや新しい技をお伝えしたいと思います。その方に合わせた型稽古がありますので、初心者から経験者まで幅広く取り組めるものとなっております。
 初めての方や他流の方、高齢者の方も歓迎いたします。
 (貸し出し用の軽い杖は用意しています)


2018.02.12 杖術特別講習会


【開催時間】
12時00分~14時00分
15時00分~懇親会予定
(懇親会は都合により中止となりました)


【会場】
品川区 戸越体育館


【参加費】
3.000円


【お申し込み方法】
ホームページ、または「こくちーず」より下記の内容を明記してご連絡下さい。
①「氏名」 
②「年齢」 
③「性別」 
④「杖の有無」 

上記の内容を確認しましたら、こちらより折り返しご連絡させていただきます。


≪プロフィール≫
松聲館 剣術技法研究員
金山剣術稽古会 主宰
Gold Castle 殺陣&剣術スクール 主宰
高齢者住宅 クラーチ溝の口 剣術教室講師


≪参考動画≫
2017年11月30日 杖術稽古

2017年11月16日 杖術稽古

杖 十一之型


2018-01-19(Fri)
 

今年も撮影に参加させていただきました

 昨日17日は株式会社夜間飛行から発売される甲野善紀先生のDVDの撮影のため松聲館に行って来ました。松聲館へはメールマガジンの動画撮影などでいつもは夜に伺っていますが、明るいうちに訪れるのはこのDVD撮影の時ぐらいですので不思議な感じがいたします。

 初めて参加した2013年の思い出が今でも記憶に残っております。照明の光が眩しく、逆光のように先生の姿がよく見えずなんとも言えない不思議な印象があったときの記憶が今でも忘れられません。初めて経験した生の収録現場に、今ではホッと出来る年月が経ちましたが当時は緊張しっぱなしで、すべての事を先生ありきで作られていることに、当時はまだ役者の匂いが残っていた私でしたので、驚きとともに、その決定権といいますかNGなど無くその精度と速さと威力そしてインタビューにおける言葉の全てに感動したものです。

 あれから5年が経ち、私も当時は一人で稽古をするか、月に一度か二度松聲館を訪れて甲野先生の技を受けることが、東京に住んでいることの目的となってしまっていたので、当時の事を思えば今の状況というのはありがたくてどうしようもないというような状況となりました。一人というのは、自分と向き合うしかありません。そのときに生まれ養い育んだ己というものは、私の心の奥底に重たく鎮座しております。今でもフトその当時の自分が本来の自分の姿なのではないかと思えてしまいます。所詮、私のような人間は一人を好み、疑い深く、自らの肉体に答えを求めるしか意思の疎通ができないのではないか。そういうときの私がたまに、今でも私の精神をジャックすることがあります。それが良いのか悪いのか分かりませんが、少なくとも私はふり幅の大きい多面性をもっていると思います。

 撮影現場では「受け」でいつもご一緒させて頂く、井上欣也さんと五十嵐剛さんとともに甲野善紀先生の新しい技やそれに繋がる流れをジックリと受けながらまた、拝見しながらという、撮影現場というものも含め大変勉強になっております。井上さんは今年から本厚木に「雲山稽古場」という道場を構えられましたし、五十嵐さんとはむかし田端に会った武蔵一族の忍者道場に何度か稽古に行かせて頂きました。今ではメディアに取り上げられる事も多くなられたようで、皆さん大きく前進されていることに、時間の経過というものを感じました。

 甲野先生も来年は古希を迎えられますが、受けておりますと、そんなことは微塵も考える事は無く、どうすれば先生の技に対応出来るか、崩されずにすむか、打たれずにすむか、どうすればそのようなことが出来るのか、そうしたことに身体のセンサーは使われてしまいますが、世間一般的同年代の方からすればとても信じられない出来事です。そのあたりの驚きはもうすでに私自身麻痺しておりますが、今がピークと毎年仰られる先生の動きは「変わり続けることによって進化している」ことを実証されております。それは自己否定を認めることができるということも重要でしょうし、どこまで向き合うことが出来るのか、それは私の想像に及ばないものだと思います。

 人生無駄な時間も沢山使いましたが、甲野先生と出会えた事で、今は時間を贅沢に使えるようになりました。学ぶという事に拒絶反応を持っていた人生でしたが、自分が生きていく中で、情熱を持ち続けることができるもの、学びが今に生きるもの、見える世界が広がると、まだまだ人生は捨てたものじゃないということが分かりました。これからも生きていく中で問題と沢山向き合って行かなければなりませんが、武術稽古という学びの場で、そうした困難をどう乗り越えていくのかこれからも実践していきたいと思います。


2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は定員となりましたが、小太刀をお持ちの方は受け付けております)
(第二部は受け付けております)

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2018-01-18(Thu)
 

杖術の新たな動き

 本日の「高齢者のための剣術教室」では、先週の木曜日に続いて朝の電車が遅延しており、この時間帯の信頼度が薄れてしまった。大した遅れはなかったが、今日は講習後恒例の中華料理屋さんで新年会をおこなった。

 夜からは、住吉でI氏と稽古。今日は駅のエレベーターで遭遇し、ともに会場へと向かった。今日の稽古では、昨日おこなった杖術の新しい操法を試みたところ、また動きが少し変わってきた。最後の打ち込みが右からではなく左側からとなったこと。肩や背中がグニャグニャと動くようになったこと。これはこれまでに無い操法のキッカケとなるものなので、非常に興味深いものとなった。そのため、今夜はこの杖術稽古にかなりの時間を費やした。

 次に、これも昨日集中的におこなった、剣術の正面斬りをおこなった。I氏の振りに毎度刃音がビュンビュンと聞こえるので驚かされた。思わず「誰かに、教わりましたか?」と聞いてしまったが、笑いながら「いいえ。」と答えられたので、私もI氏からいろいろと聞きながら力感なくビュンビュンと振り下ろすその振り方(私が伝えたものであるのだが…)をジックリと見せていただいた。

 次に、私の腕の状態が回復してきたので、かなり久しぶりに「連続斬り返し」をおこなった。これは切っ先を小さく操作するという条件を付け体捌きと体幹を養う稽古法としておこなっているものである。そのほか、浮きの感覚や、身体で剣を振る感覚を養うものとしている。

 杖術にしても剣術にしても、新たな稽古内容が生まれてきたので、今後はそこから、これまでの動きも含め見直していきたい。

 明日は、松聲館で甲野善紀先生のDVD撮影の受けとして参加いたします。今年はどのような内容になるのか私自身も非常に楽しみにしております。


2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は定員となりましたが、小太刀をお持ちの方は受け付けております)
(第二部は受け付けております)

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2018-01-17(Wed)
 

稽古とは使い切れていない脳に向けてのものなのか

 これからの時代、想定外の事態がさまざまに起こると思われるが、そうした技術の進歩や情報化社会の成長がもたらす興味と不安に、人は踊らされ、そうして作られた枠組みの中で共有化された情報を駆使して器用に生きていくことになるのであろう。だが、枠組みの中で器用に振舞ってもそれは儚いものである。与えられたものだけで生きて行くにはもう遅い時代。情報や機器に振り回されずに生きて行くには、「個人の考えを追求する場」が必要である。手軽なインターネットでは、誰かしらの意見が氾濫しており、一見自分の意見のようであってもそれは、なぞっていることが多い。情報が手に入りやすいということは、自らの確固たる意思に向き合う時間も少なくなってくるのではないだろうか。その結果、「なぞる思考」が常習化してしまう。とはいえ、私自身も、少なからずそうした影響を受けているだろう。情報というものの良し悪しをどれほど使い分けることが出来るのだろうか…。と思ってしまう。

 だが、これだけ自らの情報を開示できるツールが整っていれば、これからのビジネスの在り方は益々変わってくるだろう。検索でパートナーを見つけ出すことができ、その人の実績や動画などから具体的な情報が手に取るように分かるだろう。実態が不明な履歴書より、実名で書き連ねているSNSの内容の方がその人物を評価し易い。つまり、現代では誰もが自らの履歴書を日々更新しているということだ。世界中に。

 そのうち、会社の採用でもそうしたSNSから探し出されることになるかもしれない。(もうそうなっているところもあるかもしれないが…)そうなってくれば、実名で好き勝手にツイートやブログなどしづらくなるのかと思うが、人間寂しさやストレスにはなかなか勝てないものであるから、やはり結局は自らの思いを曝け出すことになっていく。

 私自身、人から連絡を受けて成り立つ仕事をおこなっているが、それこそ現代でなければ成り立たない仕事である。良くも悪くも広まっていくのが今の社会。だからこそ、どう生きていくかが大事であり、そうした生き方が反映される世の中と言えるだろう。これからの時代を生き抜いて行くには、便利さと興味と不安に踊らされる事なく、自らの意思を持ち、その中でどう生きていくかを真剣に考えて行かなければ、おかしい事(間違い)だらけの世の中で、心をコントロールすることは難しいだろう。

 稽古記事に入ろう。

 今日は高田馬場で、夕方からI君、後藤健太氏とともに稽古をおこなった。今日は杖術においてあらたな操法が降って来た。これまでに「上段扇抜き」や「旋打」のように、手首の使い方と第三関節の使い方を組み合わせた操法を増やしたいと思っていたところ、今日は特に考えていたわけでもなく、I君を呼んで杖を合わせたところ自然とこうした動きが出てきたのであった。脚部の使い方や杖の軌道には剣術と重なる事もあり、そうした動きが導いたものとも言えるがそれだけにどうして今までおこなわなかったのかと思えるような完成度の高い操法となった。第三関節の操作は今は私の杖術や剣術には欠かせないものであり、抜刀術にも影響してくる可能性を感じる。

 この新しい杖術の操法は螺旋軌道とともに、両手首が目まぐるしく変化するため、独特なものと言えるだろう。とくに、松聲館の杖術は、左右の持ち替えに適した持ち手なので、両手それぞれを独立させて操作するには自然とこうした持ち手になるものだと思う。そうした左右それぞれ独立した動きになることで、さまざまなバリエーションの実となる動きが生まれてくる。

 これは2月12日におこなう「杖術 特別講習会」の目玉として、私自身さらに研究したいと思う。

 剣術では、今年に入って気付いた「正面斬り」をおこなった。今日初めてお伝えする後藤氏の反応を楽しみにしていたが、私の予想を超える反応で感激していただいた。昨年末に後藤氏にお伝えした起こりの無い胴斬りでは、その時の反応はイマイチであったが、今日後藤氏から、「胴斬りが進展しました!」と報告を受け、ビュンビュンと羽音を鳴らして、難しいはずの八相から起こりを消した胴斬りを見せていただいた。こうして稽古でお伝えしたものを自らのものにしていただくことは、私としても確認できるものであるし、嬉しい事である。

 I君も合う度に体が大きくなってきている。おそらく今が一番伸び盛りなのかもしれない。考えて見れば、この一年間毎週会うごとに大きくなっていると感じていたかもしれない。一週間というのは、そういう意味ではそうした変化を感じるには分かりやすい間隔なのだろう。身体の変化と共に、動きも変わってくるだろうし、力も強くなってくるだろう。おそらくあと一年ぐらいで私の身長を越えていくだろう。目線が少しずつ高くなってくるのが嬉しいものである。先生って小さかったんですねって思われるんだろうなぁ…

 夜からはI君が帰られ、後藤氏が一人稽古、T氏が訪れ稽古をおこなった。

 先ほどと同じく、杖の新しい操法と、剣術では正面斬りをおこない、峰返し納刀と抜刀術を幾つかおこなった。後方突きに関しては、私自身速く抜けてしまったので驚いた。速く抜こうと意識しなくても、重心移動と、胸の作り方、それに連動した右足の送り方が、結果として「えっ!」というような抜きになってくる。

 私自身、右肘の状態が九割方回復してきたので、このところ剣術や抜刀術の稽古負荷を上げてきている。やはりそうして鍛練して身体が戻ってくると、良い意味で変化を感じる。怪我をしない段階でそれをどこまで上げていけるかが、これからの一番の興味であり、身体に関して停滞した4ヶ月間だったので(そのお陰で得たものもあったが)もっとレベルを上げていける状態に身体を整えたい一心である。

 今年は昨年以上に大きな一年となるだろう。これから出会う人は、この先も長く繋がっていく人が多い気がする。その先にあるものは未だ分からないが、きっと重要な意味を持つことを今は気付かず一心不乱に励んでいるのだと思う。もちろんそれでいいと思っている。


2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は定員となりましたが、小太刀をお持ちの方は受け付けております)
(第二部は受け付けております)

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2018-01-16(Tue)
 

日が伸び始めたのを実感

本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習は深川スポーツセンター剣道場でおこないました。

 殺陣クラスでは、「万乃型」を最後まで覚えた方が増えてきましたので、これからは全体的に合わせておこなえる間や拍子を決めておこなう予定です。

 立廻りでは、それぞれに分かれておこなっていただきました。最後まで進んだ方もいますので、今後は完成度をあげながらより映像での見栄えの良さを求める動きにしていきたいと思います。

 剣術クラスでは、今回初めておこなった「右籠手からの崩し」をおこないました。精確な操作と間の詰め方や崩しの方向により利き方が変わってきます。「峰返しからの潰し」は左手の使い方と、崩す方向が利きに影響してくると分かりました。

 納刀法と抜刀術では、「峰返し納刀」と「津波返し」をおこないました。もっと時間を掛けて向上するにはやはり、抜刀術の特別講習会を計画しなければと思っております。3月あたりに開催計画を考えております。

 講習後は体育館を出て、まだ空がほのかに青色留めておりましたをしておりました。日が伸びた事に喜びを覚えました。気温はまだまだこれから寒くなりそうですが、日中の時間は少しずつ長くなってきます。私としましては、2月の撮影が無事に終わる事を願いながら、その次にやることなど少しずつ考え始めております。

 休まる空間、学べる空間というものを今後は考えていきたいと思います。本日もみなさま、ありがとうございました!


2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は定員となりましたが、小太刀をお持ちの方は受け付けております)
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2018-01-14(Sun)
 

本日もトリプルでした

 本日は戸越体育館剣道場に12時から21時まで地下に篭っておりました。まずはGold Castle 殺陣&剣術スクールから。

 昼間の部では、四ヶ月振りに参加されたKさんとNさんが復帰され殺陣を楽しんで稽古していました。体験参加の方も含め、このところ土曜日の殺陣クラスは安定的に賑わってきました。

 近くの交番のOさんから差し入れを頂き、いつも頂いてばかりで申し訳なく思っております。ですが、気に掛けて下さっていることにありがたい思いと感謝の気持ちを忘れる事はありません。いつもこちらの会場に来る時にはご挨拶したいと思っていますが、なかなかタイミングが合わず、今日はわざわざ地下の武道場まで足を運んで下さり、武術を通じて出会う人との縁はまさに良縁多しと感じております。

 講習では、土曜の立廻りを進める事が出来ました。この手は早く動くには不向きな手ですので、大きく丁寧に動くことが求められます。土曜日の殺陣クラスは、基礎的な部分に時間を割いて行きますので、立廻りに関しましてもゆっくりと丁寧に進めていく予定です。

 次に夕方の部では、いつもの常連組とともに(Fさんは風邪でお休みでしたが)少し難しい内容の剣の振り方をさまざまにおこないました。重心移動と剣の慣性力との調和をどのように実感して行くのかが難しいところですが、全体的に様子を見回しても皆集中して取り組んでいる様子でしたので、それぞれに感じるところはあったかと思われます。

 最後は体捌きのための納刀法と抜刀術を幾つかおこないました。全体的に集中した講習であったと思います。

 夜からは青木さんにお越し頂き、2月下旬におこなう動画撮影の打ち合わせ稽古をおこないました。昨日購入したビデオカメラが大活躍し、居合わせたW氏に撮影して頂きました。全ての動きをいろいろな角度で検証しながら確認できた事はとてもありがたかったです。

 青木さんとの稽古では、かなり濃密な稽古となり、ドーパミンが放出され汗だくになりながら、映像を記録に収めました。こうした濃い稽古はここ数年無かったかもしれないほど、集中的に技をおこなうことに心身が消耗していきながらも、身体がその状況に自然と反応することに数年前との違いを感じることが出来ました。

 今回の映像は基本的に技のみの構成として作りますので、地味な映像になりそうですが、いろいろなアイデアで想定を超えるものにしたいと考えております。

 明日は深川スポーツセンターで13時20分~14時50分(殺陣クラス)15時10分~16時40分(剣術クラス)の講習をおこないます。明日も賑わう講習になるでしょう。みなさまと明日も良い稽古が出来ますように、お待ちしております!


2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は定員となりましたが、小太刀をお持ちの方は受け付けております)
(第二部は受け付けております)

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2018-01-14(Sun)
 

それにしましても一日というのは考える事が多いものですね

 昨日木曜日は朝昼夜と稽古をおこなった。

 まずは、関西での講習会のため火曜日からずらしていただいた「高齢者のための剣術教室」では、体内時計もずれていたせいか、イナゴが戦う夢を見ており、重心移動をしながら一本背負いのように横に投げる場面をスローで見ながら、「おぉ!」と唸らせられ、続いて切り落としのように相対するイナゴの腕を文字通り切り落とした後の貫禄に「おおぉ!」と再び唸らせられ、その直後「しまった!」と目が開いたと同時に時計を見ると8時11分。自宅から徒歩5分の駅で8時31分の電車に乗らなければならない。「これは絶望的だ!」とそのような事を叫びながら諦めながらも無駄な動きを極力避け、8時23分には家を出ることが出来た。どうやって稽古着や武道具を準備したのか覚えていないが奇跡的に整った。もちろんその他の身だしなみ等に掛ける時間など無かった。

 駅に着いたものの、なんと、「電車が○○駅でお客様トラブルのため20分遅れています。」との事…。あぁ、こんなに急いだのに、なんという事だ!と思いながらも、7年ほど前に読んだ、内田樹先生の著書「武道的思考」を駅のホームで再び読み返しており、慌てているはずの自分が、どこか上の空となってしまい世話人を務めていただいているOさんに遅れる可能性をメールでお伝えし、15分ほど駅のホームで待ったが次の電車がまだ来そうにないため、いつもとは違うルートから向かい、結局講習会場最寄り駅に着いたのはいつもと5分しか変わらない到着時刻であった。

 木曜日ということもあり、いつもと比べると参加人数は少なめであったが、新年を迎えて初めて皆さんとお会いする昨日はいつもと変わらず笑顔で元気な姿に励まされ楽しく講習をおこなう事が出来た。

 久しぶりに「二十連円打をおこなったが、半年以上やっていないので「どうだろうか?」と思いながらも、一緒におこなうとほとんどの方が最後まで出来たので、やはり頭だけで考えると思い出せないものでも、動きの中で覚えているものは記憶力というものに自信がなくなってきても、「動きで身につけたものは動きで思い出すことが出来る」ということに確信が持てた。自信を失う事の理由に、記憶力の低下を実感することが日々の生活の中で繰り返される事にあると思われる。当然それは人間が年を重ねて行く中でおこる自然現象であるが、これまでの講師としての経験から、高齢の方であっても、ある動きを覚えて行けば、しばらく間が空いたとしても、動きの中で身体が覚えてくれているという場合が多い。そうした脳の記憶は専門的には解らないが、脳内のタンスにある引き出しが中に何が入っているのか判りやすいように、動くと誰かがその引き出しを開けて中身を見せてくれるのであろう。

 そういった動きの中で記憶力の確認と共に、ある動きが出来た時の充実感というものはその人にとって失いかけていた自信を取り戻すキッカケとなる。この教室に笑いと笑顔が絶えないのはそうしたことによる嬉しさというようなものがどこか感じられているからであると私は思う。稽古をして、身体を動かして幸福感を得られるような進展を実感するには「心の状態」というものが重要であり、そこは、稽古をしながら同時に常に意識しておかなければならない重要なテーマである。心無くしてやりとりは有り得ないし、心無くしてその先に見るものは、あまりよろしくない状態に陥ることになってしまう。これはもちろん、全ての講習会や稽古会に対しての思いであるが、常に自身と向き合いながら、その心はどうであるのかが、私にとってはこれまでの生き方も含めて重要にしてきたものだと思っている。そこに目をむけると、意外によく見えるものである。

 話が逸れてしまったが、講習後は高田馬場で14時から稽古があるため急いで電車を乗り継いで、13時20分に武道場に到着。しばらく一人稽古をおこない、私の右肘がこのところすこぶる回復を見せており八割方良くなってきた。そういうこともあって、この四ヶ月ほどあまり強く剣の操作が出来ていなかったもどかしさが募っていたが、状態をみながら色々と抑えていたものを何かに憑かれたかのようにおこなった。たちまち左腕などがつりそうになったが、剣を振りたくてたまらない欲求が遥かに肉体の限界を超えているという事実は気をつけなければならないが嬉しい状態でもある。ある治療院では、身体に無理が掛かっているから故障するのですよ。と言われて、「そうですね…。」と答えているが、果たして身体に無理が掛かるのを避けて何が得られるというのだろうか。もちろん故障に至る無理はいけない、そこから何を学び、それを次に活かせるかが大事であり、リスクを冒さずして何かを得ようとするのはどこか矛盾しているように思える。そのギリギリを見極めることが重要なように思うのである。

 弾くようにしておこなう杖の持ち替えをW氏とともにおこなった。これは「やめられない系」の稽古内容の一つでもあり、数年前にこの高田馬場で、休館日だったのを私がウッカリして井上さんと稽古予定を入れてしまい、建物の目の前にある外灯の下でこの杖の持ち替えをおこなったことを今でもよく覚えている。

 「やめられない系」とは、例えとして、あの曲のサビの部分が気に入ってつい何度も口ずさんでしまうというような感じに似ている。なんだか感触が心地良くてつい続けてしまうということなのだろう。

 納刀稽古や抜刀も幾つかおこなった。W氏も私のところでかなり稽古してきており、これからは一人でどう感じるか、どのように組み立てて稽古をおこなうかということに意識が向きだすと、さらなる進展が待っている事になるだろう。

 稽古後は、場所を住吉に変えて再び18時40分から19時30分頃まで一人稽古をおこなった。抜刀術を中心に剣術での剣の振り方など、ここでもやや鈍っていた腕や体幹部に刺激を入れるようにおこなった。再び左腕がつりそうになったが、つったら杖で解しながら、そうしたローテーションで稽古をおこなった。

 I氏が訪れ、21時まで稽古。I氏の木刀に亀裂が入ったため、杖を中心に最後は私の鞘付木刀を渡して納刀と抜刀術稽古をおこなった。稽古は自身を見るのではなく観なければならない。それは心情も含め、そこに向き合う気持ちが大事である。いままでに無いものを手に入れるには、今までに無いものから得ていかなければならない。今までに無いもの、何も無い状態というのは、やはり心の状態が重要であろう。そこに向き合う事自体が今までに無いものなのかもしれないがそこを避けるわけにはいかない。進展というのは、やはりそうしたことを突きつけられる。

 稽古を終え、翌日となった本日金曜日は、先月からの稽古の申し込みが無かったので、私の普段出来ない事などをこういうタイミングでおこなうように予定を入れている。その中の一つに今年からGold Castleでおこなう「月末恒例立廻り講習」で映像を撮影し、生徒のみで共有して観ることが出来るようにと、ビデオカメラと三脚を購入した。こうして電気屋を回るのも滅多に無いことであるが、世の中の家電は私の生活から遥か先を行っていることを知らしめされた。私の家には未だ奥行きのあるブラウン管テレビであり、携帯電話は二つ折りのガラケーと呼ばれるものだ。見渡せばラジカセも炊飯器も古い。役者時代はお金も無く、ほとんどの家電は貰い物であったりリサイクルショップなどで購入した。掃除機など、私が大阪に住んでいたころからのヤツなので、かれこれ18年ぐらいの付き合いだろうか。テレビは今年で14年目、話は逸れるが、以前テレビ目線で物語を作ったら面白いだろうなと考えたことがあった。つまり、テレビの内側から見る相手の姿。長い年月目を合わせて過ごしたテレビに、どんな感情が芽生えるのだろうかなどと。プレゼントして貰った思い出のテレビ、進学、就職と何回か部屋を変えたがそのテレビとはいつも一緒。テレビはずっとその飼い主の瞳を捉え、ときに笑い、ときに泣き、眠気まなこに、どんなときも見詰め合っている。その後数十年が経ち、飼い主は思い出のテレビを捨てられず、壊れた今でも部屋の片隅に置いている。やがて病魔に倒れ、自宅の床に伏せ意識が無くなった状態となり、医師や家族の見守る中、突然映る筈の無いテレビがパッと点灯し、これまでのテレビ側から見つめていた飼い主の姿が映し出され、その思い出一連の姿が消えたと同時に飼い主であった主人公が息を引き取る。といったような、ことを私も長らく同じテレビと過ごしてきた経験から考えたことがあったが、これが薄型テレビになったらそうは感じないのかな…などと思ってしまう。

 深夜の2時半過ぎに何を書いているのか自分でも分からなくなってしまうが、家電量販店を回って、次なる生活のためにいろいろと考える事も増えた。時が流れれば苦しかった事も良き思い出にと自然と変わるもの。これからの時代の生き方として、今夜は川原田氏と1時間ほどお話をしたが、私自身の実感として、「夢」というものが、金銭などではなく生き方そのものに納得が出来るかどうか、心の状態がどうであるのか、そうしたことの追求が出来る生き方にこそ「夢」があるのではないかと、漠然とであるが思った。今の時代、「夢」だと思われているものが、果たしてほんとうにそこに夢があるのかと思えてしまう。日々の事件やニュースを知れば、金銭や名誉では心の充足感は得られないことは明らかである。そこを無視して夢を求めても、どこかで生き方が狂ってしまうだろう。現代における武術稽古武道稽古の重要性は、感性、感覚を養う事にあると思われるが、そこで育ったセンスというものが、生きていく中での道標となり、同じ境遇の人々と育とうとして生きていけるのだと思う。現代日本におけるニーズというものを私なりに考えた時に、やはりそうした時代にそぐわない夢や狂った価値観の植え付け、常識感がそうした結果を生み出していると思わざるを得ない。今の時代だからこそ、それぞれが自分と向き合い心を養っていく事に時間が費やせる筈なのですが、時代が求める結果というのは皮肉なものなのかもしれません。時代が世の中を狂わせていることに我々は気付いて自らの今とその先を見つめていくことが重要であると思います。「地球に対する奉仕の時代」こそが荒んだ住人の心も浄化していくのでしょう。


2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は定員となりましたが、小太刀をお持ちの方は受け付けております)
(第二部は受け付けております)

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2018年1月 稽古日程

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2018-01-13(Sat)
 

ひとのつながりを大切に新たな指針を頂きました

 1月8日成人の日に、神戸市灘区にある王子スポーツセンター柔道場にて講習会をおこなってきました。

 私がどうしてそのような土地で講習会が出来たのかといいますと、2016年2月に初めて東京で私の稽古会に参加された川原田喬生氏がその年の4月に神戸に引っ越され、年に何度かの帰省のタイミングで私の稽古会に参加されながら交流を深めていったことが理由となっております。当時から川原田氏の情熱は凄まじいものがあり、夜中に1時間以上の電話をすることもしばしばありました。引っ越されるまでの二ヶ月間という短い期間でしたが、戸越、高田馬場、住吉、五反田と集中的に私の稽古会に参加され、そこで交わした身体情報のやりとりが互いを知るには十分な時間だったのかもしれません。

 昨年の暮れに、関西で講習会など可能ですか?というお話を頂き、もちろん大丈夫ですが現実的には難しいのではないかと感じておりました。会場の問題、交通費の問題、参加される方がいるのかという問題。ですが、そのことをいっさい川原田氏は問題にしておらず、全てをクリアして下さいました。正直に書きますが、交通費に関しましては川原田氏の持ち出しです。今回の講習会の成立は、損とか得とかそういったものとは無縁の、ひととひとを繋げる時間を、神戸という地で彼が繋げて下さいました。一番大変だったのは、私に声を掛けて下さり世話人を務めて下さった川原田喬生氏です。おそらく川原田氏は、大変だなんて思ってませんよ!と仰るに違いないでしょう。考えを実践できる青年でもある川原田氏と出会うことが出来て感謝の気持ちで一杯です。

 そうした大きなサポートの中で、初めて関東を離れて講習会をおこなうことが出来ました。集客力の無い私では果たして大丈夫なのかと思っておりましたが、ツイッターなどで甲野先生や幾人かの方が告知をして下さいました。また、告知に関してご協力くださった方にも感謝しております。今回、私が初めて関西で講習会をおこなって一番何を得たかといいますと、「ひとのつながり」です。

 「一人稽古は一人にならないための稽古である。」と以前このブログで書いたことを思い出しましたが、一人稽古があるからこそ、共有できる時間が密なものになり身体感をもって通じ合うことが、出会った時間交わした言葉に関係なく通ずるものだと思います。ただ、その一人稽古とは、ちょっと一人になってみようといった状況では無く、その一人の状況に絶望的不安感の中で自分と向き合う以外術が無い状況に陥ってしまったときに問われるものなのかもしれません。追い込まれた状況で自分と向き合った経験がのちの経験に何かしら繋がってくるように私は思ってます。

 予定より早い新幹線8時40分東京駅発のぞみ159号に乗り新大阪へ。そこから電車を乗り継いで灘駅にて下車。天気予報どおりこちらは雨が降っており、川原田氏と合流して、山に向かって真っ直ぐな長い上り坂を歩きながら、「この坂ですと、会場に着いた頃にはみなさん身体が解れていますね。」と笑いながら線路を境に、浜側と山側に分かれたこの地を味わいながら会場である王子スポーツセンター柔道場に到着しました。

 柔道場が二面ある広い会場の中、初めてお会いする方ばかりという経験も私の中では新鮮であり、合気道を学ばれている方が多く、全く経験の無い方はお一人だったと思います。2時間の講習予定でしたが、あっという間に時間が過ぎてしまい、みなさんも集中して稽古しておりましたので30分延長しておこないました。講習前の空気感が、講習後には一気に変わったことを感じました。そういう意味ではこの二時間半というのは物凄く濃密な時間だったのではないでしょうか。

 講習後は、雨もあがっており、駅まで下る道程も心地良く、何人かの方とは会場や駅でお別れし、そのあとは懇親会となりました。懇親会では川原田氏のお陰で楽しくいろいろなお話が出来たと思います。今回お会いした方々は、武道場でも懇親会でも初めての経験でしたので特に思い出深いものになるでしょう。そうしたご縁がまた繋がっていきますように、いい稽古が出来るように私も精進して自身の稽古と稽古指導についてもっと深めて行かなくてはならないと思っておりますし、その意欲が今回の講習会で強くなりました。

 大阪に一晩泊まり、翌日後ろ髪を引かれるような思いで新幹線に乗り込みました。こうして関西の空気を吸えた事はとても幸せな経験となりました。ひとが集まり、時間を共有し真剣に求めていく姿というのは、そこの背景にある教えが大事であると思います。今回短い時間でしたが多くの合気道を学ばれている方とともに稽古ができた事は私にとりましても一つの指針を得ることが出来ました。お越し頂いたみなさま、そして関西世話人として私を神戸に呼んで下さった川原田喬生氏に深く御礼を申し上げたいと思います。


(今回の写真を掲載いたします)

2018.01.08 関西特別講習会①


2018.01.08 関西特別講習会②


2018.01.08 関西特別講習会③


2018.01.08 関西特別講習会④


2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は残り僅かとなりました)

金山剣術稽古会  

2018年1月 稽古日程

2018年2月 稽古予定

甲野善紀先生からの紹介文


2018-01-10(Wed)
 

今年の皆さんの成長がたのしみです

 2018年、毎年いつもこの時期は「さあ、今年も行くぞ!」という気持ちでいるが、2018年となって「今年はやるぞ!」という強い気持ちが押さえていても湧き起こってくる。2月に延期した動画撮影が私の頭を何ヶ月も支配していたが、明日関西でおこなう杖術の講習会では世話人を務めて下さる川原田喬生氏の御尽力により、盛り上がる講習になりそうである。こういう日が思っていた以上に早く訪れた事に私としては驚いているが、決定的なことは明日2018年1月8日が忘れられない日として記録される事は確かである。

 まずは、本日おこなったGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習から。

 殺陣クラスでは、各ペアがそれぞれに集中した内容をおこなっており、体験参加二回目の少年達は胴斬りや払いなどをおこない、今日から立廻りに入っていただく俳優のTさんは、同じく俳優のA君とともに序盤の動きをおこない、他のペアは芯と絡みAの流れ、芯と絡みBの流れ、芯と絡みDの流れ、芯と絡みCの流れ中盤までをおこなっていただきました。これだけの内容を同時に見ておりますと、講習中の活気といいいますか、それぞれがそれぞれに動きを考えながら殺陣をおこなっており、各人の成長を感じながら進めているこの瞬間になんとも言えない喜びを覚えました。

 もちろん、動きはまだまだですが、それぞれのレベルの中で進めて行く事が重要であり、私がこのところ自問自答している、「出来る事だけを求めては伝えられないものがあるのでは…」という、その伝えるものとは言葉で上手く言えないものでありますが、そうしたものは、伝えようとして伝わるものではないとも思うのです。上手くいかないこと、苦しい事、そうしたことは出来る出来ないということとは別の、何かを得るために必要な通り道であることのように思います。ですから出来る出来ないで人を判断しては絶対になりませんし、もちろん武術には「出来ねば無意味」という言葉もあり、そうした厳しさと向き合っていきながら矛盾した価値観を養っていかなければならないと私は思っております。

 次の杖術クラスでは、俳優のSさんの動きの質に進展が見られました。身長の高い方ですが、寄せ足の速さから重心の使い方に得るものがあったのではないかと思える動きとなっておりました。いわゆる床を蹴っては出ない速さが出せるようになり、余分な間が消えたことで総体的な速さがさまざまに見受けられました。

 今年高校二年生になるK君が今年から道衣に袴姿となり、一気に貫禄が出てきました。彼もこの教室の男性メンバーの中では古株になってきましたので、こうした時の流れを味わうことが出来るのも私にとっては喜びの一つであります。中学から高校となりますと、部活や学業で忙しいと思いますが、長くお休みになることもなく継続して参加されている事は彼に対する私の評価としてはとても大きなものです。本当にこれまでいい成長をしています。

 今年は私も指導者として成長したいと思っております。武術稽古に感じる「違和感」は進展するためのどうにもならないサインであり、それが指導においても「違和感」を感じ始めております。小さな部分ではよくあることですが、根本的な考え方の部分で感じ始めております。ですからこれからさまざまに講習会や稽古会をおこなう上で学び実践することが今現在における私の関心事でありそこで得たものは私のこれからの生き方にも影響するものであると思っております。

 明日は、6時に起床し9時10分東京発のぞみ19号に乗って三ノ宮駅で川原田氏と待ち合わせの予定。14時から16時まで2時間の講習はおそらくあっという間であろう。私にとって明日という日の全てがどのように感じられるのか、川原田氏を始め告知に関してお世話になった皆様と、明日お見えになる方々に、感謝の気持ちとともに講習を進めて行こうと思います。

 今夜はこの辺で。あしたは宜しくお願いいたします!


2018年1月8日(月) 成人の日 「関西杖術特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は残り僅かとなりました)

金山剣術稽古会  

2018年1月 稽古日程

2018年2月 稽古予定

甲野善紀先生からの紹介文


2018-01-07(Sun)
 

2月の特別講習会 開催日変更のお知らせ

2月の稽古日程に変更がありますのでお知らせいたします。

2月17日(土曜日)に「杖術 特別講習会」を予定しておりましたが、
2月12日(月曜日/祝)に変更となりました。


【変更後】

2月12日(月) 「杖術 特別講習会」
        12時00分~14時00分 戸越体育館 剣道場+柔道場 
        15時00分~懇親会予定

2月17日(土) 「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」
        15時30分~17時00分 戸越体育館 剣道場 (殺陣クラス)

 
変更につきましてご迷惑お掛け致しますが宜しくお願いいたします。


2018-01-06(Sat)
 

指導者を演じ分ける

 2018年最初のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習は、約一年ぶりの生徒も復帰され戸越体育館でおこないました。

 二週間というのは講習のバランス感覚を失わせるほど長いものだと実感いたしました。金山剣術稽古会とは違ったこのGold Castleに私自身が順応出来ていなかったようにも思います。この教室の特色は私自身が言うことではありませんが、あらためてタフである必要があります。毎週土曜日と日曜日の合計四コマを隙無くおこなうためには、私自身の成長が求められます。エネルギーを抑えるのではなく、全力のまま駆け抜けていくための心身の体力を今年は身につけて参ります。そのためにはもっと貪欲に準備をしていかなければなりません。

 さて講習では、約一年ぶりに復帰されたKさんや体験初参加のMさん、一ヶ月ぶりに復帰されたFさんなど、一月というのはそれぞれに気持ちが行動に表れ易い時期ですので、懐かしい方や初めてお会いする方とのご縁が繋がる時期でもあります。

 正月休みを過ごし、あらためて日々の稽古や講習会で総合的に身になっているものの重要性を感じます。こうして講習に参加される方全員を思い返しますと、武道場に入ってきたときの様子であったり、講習が始まるまで待っている姿であったり、講習中の悩む姿であったり、講習後の自主稽古であったり、帰る際の入り口付近での挨拶であったり、当たり前でないことが当たり前のように感じられることに感動いたしますし、その気持ちを忘れてしまってはならないと思います。

 このところ私自身の中に、伝える事に対して疑問が生じ始めるていることもあります。それは動きを伝えるということが、間接的におこなっているに過ぎないと思い始めたからです。今年はしばらくそうしたジレンマの中で伝えることで伝わらないもの、伝えない事で伝わってゆくものなどを、実践の中で考えて行きたいと思います。

 一回の講習が私にとっても油断してはならない時間の使い方としなければならない。


2018年1月8日(月) 成人の日 「関西杖術特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」
(第一部は残り僅かとなりました)

金山剣術稽古会  

2018年1月 稽古日程

2018年2月 稽古予定

甲野善紀先生からの紹介文


2018-01-06(Sat)
 

いつもの日常に戻ってきました

 2018年も稽古三昧の日々が始まった。正月休みの六日間あえて得物に触れないようにした。それでも稽古が始まると新たな展開に稽古法が進んでいくので不思議なものである。やらなくとも、やりたい気持ちがあればどこか進み続けているものがあるのだろう。

 まずは昨日四日木曜日の稽古から。

 水曜日の戸越体育館が安定開催できなくなり、その代わりとして新宿スポーツセンターの第一武道場でW氏とともに午前中に体術などの稽古をおこなった。今回は受け身の稽古に時間を割いた。受け身といっても柔道や合気道のようなクルッと回転するものではなく、前後左右背中から丸く衝撃を逃がしながら手を付かないようにおこなうようにした。

 腕を引き込んでの崩しでは、相手と同化するようにおこなうと反射的な対応が遅れ効果的であることが分かった。だが、細かいテンションの掛け方や力の方向なども関係しているので、その辺は動きの中で感覚的に掴んで行かなければならない。

 切り落としでは、動かない方向で頑張っても仕方が無く、動く方向に狙いを定めそこから通すようにおこなうことで進展があった。

 その後は場所を第二武道場に移して、立廻りの研究稽古。新たなタイプ2バージョンを考えているが、私が考案する殺陣はどうにも難しくなってしまう。それはやはり剣術の体捌きと、殺陣のリズムを融合しようと取り組んでいるので難しいのは当然であるが、動いていて心地良いのは身体の使い方に極力違和感の無いものを取り入れているからだと思う。

 あっという間に時間が過ぎ、後藤氏とI君が来られ今年最初の剣術稽古会がスタートした。

 杖術では、稽古始めということもあり「旋打千回」をおこなった。やろうと考えていたわけでもなく、「差し換え突き」が終わったときに、「ああ、やろう。」と咄嗟に思ったのであった。

 私はI君とペアを組み、W氏は後藤氏とともにおこなった。10分ぐらい掛かるかと思ったが、7分位で終える事が出来た。単純計算すると420秒で千回打っている事になる。このため数を数える方が大変であり、その打ち込みを相手の中心に戻しながら杖を構えるため互いに大変である。

 私としてはどの位の時間が掛かるのかという事の他に、どの位の疲労感があるのか、動きが自然とどのようになっていくのかということに興味があった。

 疲労感では、汗だくになり、肩回り張りに襲われたが、私の場合ほとんど筋肉痛にはならなかった。そのかわり以外に臀部が筋肉痛となった。7分間足を扇状に開きながら入れ替えていたためだろう。他の三人も千回おこなったので、どの辺りに筋肉痛があったのかは興味のあるところである。

 剣術では新たに「裏睡蓮」(うらすいれん)をおこなった。名前は今考えたのであるが、上段からの真っ向斬りに対し、斜めに刃の部位を当て相手の剣先がずれたと同時に斬り付けるといういもの。この技は斜めの使い方が重要なので、「斜」(ハス)とも読むことから蓮に字を変え「睡蓮」と呼ぶことにした。右側に入る場合は「睡蓮」となり、昨日おこなった左からの入りは「裏睡蓮」と呼び分けている。ちなみに睡蓮は、むかし、小林照子先生に「からだ化粧」のモデルとして全身に描いていただいたことがあり、私の中でも特別な思い出が残っている。

 その次に斬割をおこなった。そのむかし鹿島神流の稽古でおこなっているような斬割の稽古法を当時のS師範とおこなっていたが、現在は私なりの身体の使い方に変えておこなっている。そのため、名前を変えようかと思ったが、「抜付」にしろ他流でも同じ名前が多いので、この「斬割」に関しても斬って割っているというそのままの名称のため、他流でも別の技などで使われている可能性もある。そうしたことから、斬割はこのまま稽古名として使いたい。

 その斬割のベースとなっている「正面斬り」であるが、昨日は重心移動の手続きに変更があったのをお伝えしたが、今日の稽古では第三関節を使うことで威力とともに、剣に身体が作られる感じがあった。昨年28日の稽古納めで江東区スポーツ会館で、正面きりで第三関節(MP関節)を使うのは難しいと思っていたが、今日それが出来ることが分かり、これまでお伝えしていた正面斬りを変更することになった。

 最後は抜刀術稽古をおこない、三本続けておこなった。抜刀術稽古は身体感覚総動員して調和が得られるための稽古としている。だからこそ、さまざまな体捌きを相手の条件に合わせてどう対応出来るかということが稽古として求められるものであり、見た目の格好や速さに捉われると、何を稽古しているのかが解らなくなってくる。その動きからいったい何が自らの生き方に繋がりどういったことを伝えられるかが問われてくる。そうした部分において、動きを見せるということも必要であるが、何のために見せるのかということが本質的な部分として考えなければならない。

 そして今日も、昨日に続き高田馬場でI君と稽古をおこなった。

 彼にとっての成長となる鍵は集中の仕方である。これは単に意識の問題ではなく、そうした集中の仕方を技術的に取り入れ、それを感覚的に再現出来るように導いていきたいと思っている。

 通常の同年齢のお子さんと比べれば、一年八ヶ月近くほぼ毎週私と二時間稽古を続けるのは大変であろう。だが、今日の稽古では彼が集中したときに動きのレベルが上がることが分かり、その状態を自ら作り出すための経験値を積むことが重要であると確信した。道場の奥では剣道親子のスパルタ指導がおこなわれていたが、ストレスのはけ口を作らない、心が養われるための武道武術稽古が求められるのなら、指導者も同様に進展するための危機感をもって取り組む必要があるだろう。

 今日も最後に掌を重ねた誘導稽古をおこない、これはヨガの瞑想状態のように副交感神経を優位にする効果があると思われるもので、集中力を高め落ち着いた状態で自身の身体を観ていく状態が得られやすい。身体の姿勢に付いても注意点を幾つか説明したが、この集中の方法を感覚的に身につけることで、これからのI君の変化がどのようなものになっていくのか興味深いものである。同時に私にとっても、そうした指導により指導者としての私自身が変わっていく事になると思っている。


2018年1月8日(月) 成人の日 「関西杖術特別講習会」
(お申し込み受付中)

2018年1月20日(土) 「剣術 特別講習会」

金山剣術稽古会  

2018年1月 稽古日程

2018年2月 稽古予定

甲野善紀先生からの紹介文


2018-01-05(Fri)
 

2018年 元旦

 明けましておめでとうございます。


 2018年、平成三十年、一月となり、新たな気持ちに切り替わりました。


 私自身もそうですが、関わってくださる方々、そしてそこから広がって幸ある世の中に進んで行けるように、プラスの発信が出来る生き方を今年も貫いていく所存です。


 昨年お世話になったみなさま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


2018-01-01(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなう。

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

2018年
『 関西特別講習会 』として人との繋がりを大事に遠方での講習会もおこなっている。

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