武術稽古から学ぶ思考法

 本日はイオンカルチャークラブにて剣術教室をおこなった。今日から本格的な脚足の使い方による袈裟斬りをおこなうこととし、想像以上に難しい足の運用にそれぞれの方がついて来ていることに驚いた。少しずつではあったが、杖や剣の振りの際の足の使い方による姿勢の意識が、こういった初めておこなう運用法でも系統が同じであればスッと身体に入りやすいのではないかと思われる。上体と下体をどのように纏め合わせられるか。そこに夢中になる面白さがあるように、皆さん休まずに腕力でなく体全体の移動とともにおこなっている。徐々にではあるが、難しい技術をここでもお伝えする事が出来るようになってきた。高田馬場でおこなっている内容に近いのではないだろうか。僅か1時間しか講習時間はないが、ここに参加される皆さんは、一分一秒でも惜しむかのように取り組まれている。イオンのフロントスタッフの方が「皆さん真剣なんですよー!」と驚かれていたように、夢中になれる空間に育っているのではないだろうか。現在はまだ少人数でおこなっているが、今の内に確実な技術を上げていただき身体の変化を実感していただけるように励みたいと思う。こちらの設備は、壁一面鏡張りであり、音響設備もあり、床にはマットが敷いてあり、部屋の外にはカルチャークラブ会員専用のテーブルと椅子があり、その横にはオープンカフェがありゆったり時間を過ごすことが出来る。そしてフロントスタッフの女性の方々は皆さん親切で協力的なので、私としても非常にやり易くいつも気持ちよく教室を使わせていただいている。

 とにかく、日々いろいろな場所で稽古をおこなうようになり、私自身も多くのことを毎回学ばせていただいている。これからも、新しい自分を見つけるために、今に満足せず(勿論そうであるが)さまざまな出会いから心がどのように動かされ、それらを武術と通じ考えていけるか・・・・・・稽古場所以外でも常に武術として捉え、それらが試され問われている。受けず交わさず、正面からどのように取り組んでいけるか・・・・・・そこから見出した答えは成長に繋がると思うが非常に難しいだろう。だが、そういったことも武術稽古として、これからは意識し練っていかなければならないものだと私自身感じるようになった。武術稽古から学んだ思考法がこれからの自分を作っていくのであれば、今までの思考法は捨て去らなければならない。その思考法とは、身体が効率よく、力み無く淀み無く、その瞬間の状況に対処出来る同時進行的な各部の動きのように、スムーズにベストな選択を瞬時に間違うことなくおこなえることなのであろうか・・・・・・このことについてはまだジックリと考えていないので上手くは言えないが、「言葉」という動作において通じるものがあるように思う。


2014-11-30(Sun)
 

タイムスリップ

 およそ一年ぶりにミネアポリスから帰国した僅かな期間の合間をぬって加藤氏が来られた。仕事のためもう長い間ミネアポリスで生活されている加藤氏であるが、そちらで剣術道場に通い時には指導もされている。共通点も多く年齢も私の二つ下で、ボクシング経験者であり、身長も同じぐらいである。これは私の感ずるところであるが、高田馬場で剣術を学びに私に会いに来られる方の目は非常に似ているのである。形ではなく、瞳の力というか瞳の光というか、以前交流稽古をおこなっていたAさんに「ああこの人は剣の人だというのが何となく判るんです」と言った事があった。

 一年というと24時間が365回ありその間に季節が4回変わり、世の中ではさまざまな出来事が起こり忘れられ、自身としては、環境や人間関係に多少なりとも出会いや別れもあり、今考える必要があるものやこれからの計画など、やはり一年というのは長いと思う。おそらく加藤氏もさまざまな出来事が公私に渡ってあったと思う。あれから一年が経ちどのような雰囲気となるのか楽しみにしながら、高田馬場で加藤氏の訪れるのを待っていた。

 加藤氏が訪れ目にした瞬間に、完全に昨年の時間が戻ってきたかのようなあの日の翌日のような不思議な感じを受けたのであった。挨拶を交わし、加藤氏に「いやあ、加藤さんを見た瞬間にタイムスリップしたかのような不思議な感覚です。」と思わず言ってしまった。空間の雰囲気というか、この状況に加藤氏が居て私が居て稽古をおこなう。その間と呼吸が、まだ3回しかお会いしていないのが本当に信じられないのである。今までで初対面から初対面の気がしない方は何人か居たとは思うが、加藤氏との感じは特別に不思議である。昨年は2回の稽古で合計7時間おこなった。それでも時間はあっという間に過ぎていったように思う。今日は17時から21時近くまでほぼ4時間の稽古をおこなった。今回加藤氏にお伝えしたかったのは、杖による繋ぎの動作を主体とした型である。これは力みを抜くための要素が取り込まれており、次々に身体が次の動作への準備をしながら今の動作を同時進行でおこなっていかなければならないので、力みにくいのである。さらに、杖に触れる際の手の内が柔らかいことで、杖をキャッチしたり持ち替える際に、手の内に貼り付いてくるように感じられ、逆に手の内が硬いと杖が弾んだり取りこぼしやすいため、手の内を柔らかく使うことの重要性が分かってくる。そうなってくると、肩の力みが消え、他の動作においても改善されてくると思われる。

 抜刀術では、昨年お伝えした抜刀を忘れずに覚えていたので非常に嬉しかった。杖においても忘れずに出来ていて、本当に一年の間が空いていたのか信じられないのである。アメリカで忘れずに稽古をされていたことがよく分かり、加藤氏に対する信頼がどのような言葉よりも今日の稽古で強くなったのである。

 これまた不思議なタイミングで、今年の5月29日に二尺七寸の居合刀を購入したのであるが、同時期に加藤氏も二尺六寸五分を購入されたとのこと。加藤氏曰く「今までいろいろな真剣や居合刀を購入してきましたが、刀が身体の使い方や感覚に気付かせてくれることが分かりました。」と仰っていたように、刀が導いてくれる感覚は他の木刀や得物とはまた違ったものがあり、核の部分といっても大袈裟ではないほど刀(とくに真剣)が導く身体の感覚は大切である。

 それにしても特に抜刀術に関しては、私の中で不思議な感覚の世界感があり、ほぼ全てと言ってもいいほど脚足の使い方が非常に神経を使う部分でありその違いが歴然としてくる。今後は初動における動作に、物理的な速さではない起こりを消すような速さを求めて変えていかなければならないだろう。そのためには、初動において、心と身体が同調してタイムラグの無いように始まらなければならないだろう。そういった時はおそらく自分でもいつ抜いたのか分からない(分かりにくい)のではないかと思う。重ねてそのためには、力むと無理なのでスッと動ける指先や、脚足、余計な部分を動かさない静かさも初動においては重要であろう。そうなってくると、構えというものもより自然であるように見直さなければならないだろうし大きく変わっていくのかもしれない。今はまだ果てしない夢のような想像事であるが、指先と力みの関係をさらに追及していけば、入り口ぐらいは見えてくるかもしれない。

 剣術では、普段アメリカで癖のある稽古生を相手にしているせいか、あちらではガチンコで勝負を求めてくるものも居るだろうし、短い時間での組太刀であったがそういったものを感じる稽古であった。次回は昨年は出来なかったこの組太刀稽古を集中的におこないたいと思う。

 来週は私がインドネシアにいっているため、再来週加藤氏のミネアポリスへの帰国2日前にもう一度稽古をすることになっている。剣術を通じ、世界のどこかに居る人とこうして稽古が出来ることはありがたいことであり、インターネットが世界を繋ぎ、会いたい人に会いやすくなった。来週のインドネシアでの仕事も元はと言えば、インターネットであり、共通しているのは私の動画である。益々これからの時代は技術を身に付け個人で映像を発信し仕事を得ていくことになるだろう。そのためには、どういう技術が求められるのか、どういう表現が必要なのか、人間性も含めクリエイティブな発想で、個人資本を育てていく必要があるだろう。そういった個性を活かし技術を身に付け、どのように発信していくか、そういったトータル面を教える学校も増えてくるかもしれないし、インターネット技術の進歩が自然とそういう方向に代わっていくだろう。

 時代がどのように変わろうと、武術稽古は道場で身体を使っておこなうものであり不変のものである。時代が便利になり続けてもそれを使いこなす人間というのはいつの時代も間違いを起こしてしまう。時代の流行に盲目にならないように、私自身としては武術稽古を通してジックリと多角的に学んでいきたいと思う。


2014-11-29(Sat)
 

2014年12月 武術稽古日程              (剣術・抜刀術・杖術・槍術・薙刀術・体術)

※高田馬場での(研究稽古&個人指導)に関する稽古見学、または参加希望の方はこちらの【お問い合わせフォーム】よりご連絡下さい。

※gold castle 殺陣&剣術スクールの詳細や申し込みにつきましてはホームページをご確認下さい。
http://www.tate-ken.com

※イオンカルチャークラブ剣術教室の詳細や申し込みにつきましては、こちらをご確認下さい。 03-5679-6091(受付時間 9:00~20:00)
http://www.aeonculture.jp/products/detail.php?product_id=3746





12月1日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


12月2日 (火曜日) 10時00分~11時30分 『クラーチ剣術教室』
            

12月3日 (水曜日) 東京~インドネシア
12月4日 (木曜日) インドネシア
12月5日 (金曜日) インドネシア
12月6日 (土曜日) インドネシア
12月7日 (日曜日) インドネシア
12月8日 (月曜日) インドネシア
12月9日 (火曜日) インドネシア~東京


12月12日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』 


12月13日 (土曜日) 12時30分~14時00分 品川区 戸越体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』
              18時30分~19時30分 イオン葛西店
               『イオンカルチャークラブ剣術教室』  


12月14日 (日曜日) 18時30分~20時30分 江東区 深川スポーツセンター
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』


12月15日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


12月16日 (火曜日) 10時00分~11時30分 『クラーチ剣術教室』
             14時00分~16時00分 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


12月19日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』 


12月20日 (土曜日) 12時30分~14時00分 品川区 戸越体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』  
             18時30分~19時30分 イオン葛西店
               『イオンカルチャークラブ剣術教室』 


12月21日 (日曜日) 12時00分~14時00分 品川区 総合体育館
             18時30分~20時30分 品川区 総合体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』
             

12月23日 (火曜日) 10時00分~11時30分 『クラーチ剣術教室』
             14時00分~16時00分 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


12月26日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』 


12月27日 (土曜日) 12時30分~14時00分 品川区 戸越体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』
             18時30分~19時30分 イオン葛西店
               『イオンカルチャークラブ剣術教室』 


12月28日 (日曜日) 15時00分~17時00分 品川区 総合体育館
             18時30分~20時30分 品川区 総合体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』


12月30日 (火曜日) 10時00分~11時30分 『クラーチ剣術教室』





※高田馬場での稽古時間は
(月曜日・金曜日)の場合、17時00分~21時00分までの間で調整いたします。
(火曜日)の場合、14時00分~16時00分までの間で調整いたします。 

①14時00分~16時00分 (火曜日)
②17時00分~19時00分 (月曜日・金曜日)
③18時00分~20時00分 (月曜日・金曜日)
④19時00分~21時00分 (月曜日・金曜日)

いずれかの参加しやすい時間帯でお越し下さい。
前日までには希望日時をメールまたは【お問い合わせフォーム】よりお知らせ下さい。

※高田馬場での稽古参加費は1回2,000円です。(別途入館料400円かかります)

※稽古場所の詳細や稽古内容、稽古時間のご相談、道具類その他のご質問等につきましてはメールまたは【お問い合わせフォーム】よりお受けいたします。

※都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。


2014-11-27(Thu)
 

孤独の反動

 本日は小雨の降りしきる中「高齢者のための剣術教室」に向かった。この時季、電車内では座席の暖かさについウトウトとしてしまう。特に帰りの電車内は食後ということもあり、毎回ハッと目を覚まして停車した駅を確認している。

 今日の講習では、杖の「巴」から「回し打ち」へと展開していった。巴に並々ならぬ意欲を燃やしていたトモエちゃんことSさんがそのニックネームに「もう、先生がそんなこと言うから!」と笑いながら、皆さんから巴御前などとも言われ大笑いであった。その印象が強いせいか、講習中に「じゃあ、巴をやります。」という時になんだか呼び捨てにしているような気がして何のために気を使わなければならないのか訳が分からなくなってしまった。

 こういった雰囲気で毎回大笑いしながら進めているが、今日の驚きは杖の「回し打ち」が皆さん全員すんなりとできてしまったことである。これは若い方でも武道経験者でも直ぐには出来ない場合がほとんどであるのだが、60歳代~80歳代の方がすんなり出来てしまったのには正直驚いてしまった。もし、ここの若いスタッフの方も一緒にやっていたら、スタッフの方はきっと驚いただろうと思う。なぜすんなり難しい回し打ちが出来たかというと、巴をずっとやってきたからであり、その構えと、前半の動作に共通する部分があるので、その動作に関して皆さんの頭の中と身体の感覚はもう記憶のなかにインプットされており、思考は新しい動作に集中出来るからではないかと思うのである。それを見て、八月から始まった剣術教室も効果が出てきていると実感した。

 新しく入られ今回で三回目の参加となるAさんは、数年前に両足の股関節を手術されており、それ以来運動をおこなわず筋力の低下を不安にこの剣術教室に入られた80歳の女性である。若い頃はよく剣豪小説を読まれていたというAさんは、まだまだ慣れない手つきであるが、意欲は人一倍強いものを感じるので、私も何とかその気持ちに答えていきたいと思うのである。今思うことは、どうして私にこのようなことが出来ているのか不思議であるのだが、全てが自然におこなわれ皆さんと話をし、笑い、前に進める技術を分かりやすく伝えながら、会話と身体とのコミュニケーションを武術という題材の中でおこなっている。最近気が付いたことであるが、おそらく私は根本的には人が好きなのであろう。それは今のような環境になって、子供の頃の自分を思い返したときに今に通じるものに気が付き、ああ人が好きなんだと理解したのであった。だがこれは、全てに対してではなく、おそらく私の深層心理に深く関わっているように思う。

 最近はさまざまな方から心に染み入る優しさを頂戴している。感謝の気持ちとともに、今までの私と今の私とこれからの私が上手く繋がって、これまで長くは続かなかった幸福感の日常を、不安と共に新たなる日々を紡いで生きたいと願う。

 
2014-11-26(Wed)
 

頭に鍔、背中には杖

 本日は高田馬場でK氏とS氏との稽古をおこなった。三連休の最終日ということもあり武道場は空いていた。ちょっと頭がフラフラしている状態であったが、稽古が始まると完全に忘れてしまっていた。今日は杖術の稽古の際にK氏の動作を見ていて、頭の動きが気になったので、袋竹刀の鍔(饅頭鍔)を外して頭に乗せておこなった。まず最初に私が手本を示そうと試みてみたが直ぐに落ちてしまい、これは言わない方が良かったかなと思ったが、頭の位置が掴めてくると最後まで落とさずに杖の繋ぎを主体とした連続動作の型が出来るようになった。これはやってみて、想像以上に実際の頭の角度にズレがあることが分かった。次に、背中の曲がりが気になったので、K氏から短杖を借りて首から背中にかけて胴衣の中にこの短杖を入れ、同様に連続動作の型をおこなった。これは難しさは無いが、短杖を抜いたあとも背中に入っているような感覚が残っていたのが興味深いところであった。たまにこのような稽古をおこなうことで、思い込んでいた自身の身体の位置を再確認することが出来る。頭に乗せるのは、手ごろなところでペットボトルのキャップなどでもいいかと思う。

 今日の稽古の中でも特に袋竹刀での組太刀「面太刀付」が研究テーマとして得るものがあった。これはかつて私が学んでいた頃にさんざんおこなった稽古内容であるが、現在の身体の使い方と興味のある動作から、久しぶりにおこなう面太刀付がどのようになるのか自分でも興味深いところがあったが、この続飯系の技の最も重要なところは、起こり頭を捉える竹刀の正確な付けにある。まさに続飯であるが、このタイミングと身体の移動とともに正確に物打ち辺りを沿えるのは簡単なようで難しいと思う。そして、ただ相手の籠手もしくは柄に沿えるだけでなく、僅かな崩しをかけていることが重要であり次の潰しに繋がってくる。手首、肘、肩の位置も、体全体で潰すには大きく関わってくるので、無構えから続飯し、潰しに掛かるまで一連の繋がりがある。この流れをいかに自分の身体で掴むことが出来るか。今日はそういった可能性を大きく感じることが出来る稽古であった。

 もう一つの収穫は脚足の使い方で、杖にしても剣にしても、前進する際の後ろ足の寄せというか、前重心になっている前足に引っ張られるように後ろ足が寄せられるためには、膝を抜かなければならず、その時に居着いたつま先が邪魔になるので苦労していたが、足の向きがやや外側に開くことで踵の上がりを抑える効果とともに、爪先を残さずに寄せ易くなった。しかし、この脚足の使い方は私自身出来るかどうか判らないが、極稀に、蹴らずに重心の移動した前足に引っ張られるようにスーッと寄せられる感じがあるので、数年後には起こりと共にその場に居ないような移動法を身に付けたいと、夢のようではあるがその動作について探求したい。
 
 私がブログで食事を忘れたとか、光が拡がって見えるとか、意識が朦朧としてきたとか書いているのでいろいろな方に心配されてしまう。心配させるつもりで書いている気持ちは全く無いのであるが、ここで書くことで何か気持ちの調整がついているように思う。 だがあまり心配させるようなことは書かない方がいいのかもしれないし、そもそも書くも書かないも、もう少し身体のことを考えて生活を見直すことが先決かもしれない。だが、この生活パターンは時間が止まらない限り変えるには難しいだろう。嫌な事であれば直ぐにでも止められるが、好きなことを止めるのは無理である。

 今日はK氏からコロッケの差し入れをいただき家に帰って美味しくいただいた。今日はまだ頭の調子がフラつくので24時には寝ようと思う。 明日は雨の予報で、気温も上がらないようである。少し早めに起きて雨養生しなければなるまい。

 今日はインドネシアでのイベントに向けて、天神差しからの抜刀、納刀の練習をおこない、特に問題がない事を確認した。さあ今夜はもう寝よう。


2014-11-24(Mon)
 

朦朧としている日曜日の深夜

 今日のgold castle 殺陣&剣術スクールは、品川区戸越体育館で夕方の部と夜間の部をおこなった。まず、夕方の部では、予想に反して少ない参加者となり、昨日の土曜日の講習と同じ人数であった。徐々に分散されてきたのかもしれないと感じたのであった。そのため昨日と同じ「十一連続動作之型」を皆でおこなった。今日は昨日も参加いただいたご婦人Oさんが、マンツーマンの剣術講習のあとに続いて杖術の稽古をおこない、休みながらとはいえ二時間の稽古であった。昨日の今日であったため、身体の方はどうですか?と伺ったところ、今朝は身体が気持ちいいんですよ!と仰っていたので安心した。少々足の筋肉痛であったようであるが、軽い筋肉痛は喜ばしいことである。

 この杖の十一連続動作之型は、まだ途中までしか進んでいない方が多く、私としても最後までおこないたかったのであるが、最近は参加人数が増えてきたため手狭となりこの稽古が出来なかった。昨日の土曜日と今日の夕方の部でジックリおこなえたので、それなりに伝えることは出来たと思う。ただ、覚えたところがスタートなので、これから動作の質を上げて稽古していかなくてはならない。私はこれまで、それなりに楽しめる方はそこまで求めなくてもいいと思っていたが、反応を見る限りどうやらそうでは無いようである。そのため、それぞれのウィークポイントを見ながら引き上げていくことが、楽しめることに繋がっている。私共のスクールの雰囲気は、ワイワイとお話しながら適当におこなう場所ではなく、それぞれのペースに合わせ、シッカリと技術を見に付けることを皆が求め、それに対して答えている空間と言えるだろう。それはつまり、それぞれの思いに対し身体を通じて答えていくことにあり、井戸端会議的な空間では無いということだろう。これは、そういう雰囲気を意識してきたわけではなく、純粋にその方に合わせて技術を伝えるというシンプルな思いから生まれた空間であると思う。そういった中で、最近は生徒さんも、よりよい環境となるようにさりげなく手伝ってくれていることにありがたいと感じている。私もこうして育ってきた空間を大切に、これからも皆さんと共に空間を共有したい。そのためには、守るべきもののために厳しくなる事もどこかで必要になってくるかもしれない。厳しさがあるから優しくなり、愉しさを維持できるものだと思う。これはgold castleに限らず、他の稽古場所でもこれからは示す必要があるかもしれない。ただ私は、自分の切り替わりの差を知っているので、なるべくならそういう私にならないように気をつけている。

 今日の発見は、ご婦人Oさんとの集中稽古の中で、袈裟斬りを現在私がおこなっているやりかたに変えていただいたところ、重心が後ろ足に残りにくいことと、姿勢が真っ直ぐになっていること、足運びが以前のものに比べてスムーズにおこなえるということが、Oさんの動作をみて非常に参考になった。この検証は筋力や器用さでごまかせないOさんだからこそ、その動きに無理が有るのか無いのか、身体の姿勢からなる構造の強さを知ることが出来る。

 夜間の部では、夕方の部に比べると倍近い参加人数となり、十一連続動作之型は出来ないので、予定通り「八連円打」をおこなった。剣術クラスでは久しぶりの対面稽古であった。互いの鼻筋を合わせながら、足運びを止めずにゆっくりとおこなうこと。自分の動作を目で追いかける癖をつけてしまうと、相手を見ながら自分を観ることが出来なくなってしまう恐れが有る。また視野で一点を見てしまうと、それ以外の全てが見えなくなってしまうので、自分の身体を観るのに目に頼りすぎないこと。

 最後は「影踏み」をおこない、手と足の連動した使い方を体験していただいた。杖の回転方向に注意するのと、足が居着かないように、動き出しに注意する事である。ここで学ぶことは、足の差し替えと腕の操作をどのように調和がとれるかであり、別々に動いたものが別々のまま終わってしまっては意味が無いので、最後に無理が生じてくる場合は、動き出しをサボッている事が多い。今後はこういった、今までとは違った単体技を取り入れ、身体の使い方をあらためて点検していただきたいと思う。

 今日は帰り道で、信号機や街灯の明かりの周囲に光の輪が広がって見え、一瞬霧かと思ったが、どうやら私の目が疲れていたようである。以前にも疲れた後にこうした光の拡がりが見えたので、疲れを意識すると、頭がより働かなくなり困ってしまう。考えてみれば、今日は昼にちゃんとしたまともな食事をとっていなかったことを思い出した。食事が食べれないのではなく、食べるタイミングを逃しているのである。食べれないほど忙しいわけでもないのだが、食事の優先順位がかなり下のほうにあるので、つい他の用事を先におこなってしまうのである。こうしたことを書くとまた、いろいろな人から心配されるので悪いとは思うが、シッカリと食べるときは食べているので大丈夫である。今日は、夕方の講習でMさんからリンゴの差し入れをいただいた。数があったのでリンゴを持ってくるのは重たかったのではないかと思う。今夜はさすがに頭が回らず、27時30分を回ったのでこの辺で手を止めよう。新聞配達のバイクの音が聞こえる。もうすぐ小鳥達が鳴き始めるだろう。意識朦朧としながら書き記してきたが、今日はもうこの辺で気絶するかのように寝るとしよう。


2014-11-24(Mon)
 

濃密な土曜日

 長い一日が終わり今日もようやくこの日記を書いて締めくくりとなる。現在1時。昨日はgold castle 殺陣&剣術スクールの12月の全講習日程を配信したと思ったら、今日になって江東区深川スポーツ会館から、12月14日(日)は選挙のため会場が使用出来ないとの連絡が入り、その日に限って昼/夕/夜と3部制で予定していたので困ってしまった。品川区総合体育館も同様に選挙で使用出来ないとのことなので、おそらく12月14日(日)は厳しいのではないかと思われる。以前にも一度だけ、選挙のために日曜日をお休みしたことがあった。しかし、前日の12月13日(土)は品川区戸越体育館で12時30分~14時00分でおこなうので、こちらにご参加いただけたらと思う。また水曜日は世田谷区総合運動場第二武道場で殺陣クラスをおこなっているので、こちらにも参加していただければと思う。

 今日は土曜日の受講者数が最多タイ記録であった。この調子で日曜日の参加人数と分散されればバランスよく講習が進められると思う。だが、多くてギュウギュウの賑わった雰囲気も好きだし、少なくてガラーンとした空間の中、距離感の近い感覚で声のトーンを落としながらジックリとおこなえるのも魅力的である。私にとってはどの空間でも満足出来るものである。

 今日の講習は杖術をおこない、十一連続動作の型をおこなうグループと、基本的な扱いと単体技を幾つかおこなうグループに分けておこなった。やはり土曜日は時間が30分長いということと、日曜日に比べて人数が少ないので、講習の進み具合が早いのである。今月すでに七回目の参加であるHさんは、受講回数に比例して上達が極めて早くなり、杖に関しては生徒の中でもトップクラスになってきた。元々ダンスなどで身体の感覚が養われているので、見取り能力も高いのであるが、話の中で考えながらやっています。という言葉を聞いて、考えて自分の動作を修正しながら出来るということは、見る能力と、その動きを自分の動作に取り入れる能力と、イメージした動きを具現化出来る能力などが備わっているのであろう。覚えるのに時間が掛かってしまうマズイ方法は、考えずに、何度もその動作だけを繰り返し身体に記憶させる方法であり、さらには、その個別の動作を、安易に組み合わせ、繋がりのないブツ切りのままの連続動作となってしまうことにある。個別の動作を幾つか繋げた場合には、ただ組み合わせるだけでは先ほど記したように可笑しな動作になってしまう。繋がりのある動作は、その動作をどのようにおこなうのか新たに考えながらおこなう必要があり、そのためには、両手両足、さまざまな部位が一つの目的のために調和をもって働いていかなくてはならない。これは、やっていて気持ちがいいか気持ちが悪いかということが、料理を食べて上手いかマズイかというくらいハッキリとしている。

 単体技の方々も今日はかなり進んだのではないかと思う。学生時代に合気道で杖をやっていたというOさんも、苦労しながらではあるがさまざまにおこなっていただいた。他の場所でも私に杖を教えていただきたいという方に合気道をされている方が少なくない。私の場合、甲野善紀先生の杖を参考に、身体の使い方を重要視し、手と足が居着かないために連動し動いていくことが重要であり、力みを抜き、新たな手の内の可能性を探り、重心の位置を把握し、身体を自由に足で地面を蹴らずに動いていくことが大事であり、武術(剣術)としての身体の使い方を総合的に身体に取り込む優れた稽古法であると杖に関しては思っている。つまり、表面的な形を幾つかおこなっても果たしてそれがどのように身に付いているのか不安であるのだろう。身体の使い方に納得する実感がもてることで、美味しいのかマズイのか、身体を通して自身の感覚で判断することで、初めて身に付き伸びていけるものだと思う。自分で判らず、他人の判断で良いも悪いも決められては伸びるものも伸びていけない。あまりこれ以上書いていくと過激になってしまうので控えておくが、誰が何の目的で作ったかということや、古いものや組織の大きさに惑わされないことが重要で、自分を伸ばしていくには自分で気付かなければならず、自分で気付ける稽古体系のものに出会えることが先決であろう。

 これまで一年以上 gold castle をはじめさまざまな場所で稽古を見てきたが、多くの方が運動神経に自信が無くこれからのことを考えると、身体を動かしておきたいのだけど続けられるか不安であるという声が絶えない。だが実際に付いて行けずリタイアした方はまだいない。
 身長が1.5㎝伸びた70歳のご婦人を筆頭に、自分でも驚く程の変化が努力次第で起きるのである。そして、その身体の変化を感じられるようになっているのと同時に心の変化も実は起こっているものだと私は思っている。努力といっても、夢中に遊んでいる子供に、やめなさいと言ってもなかなかやめないのと同じように、夢中になれる稽古であれば、結果として努力していることになっていて、苦労して辛い思いをたくさん続けることが努力ではないと思っている。

 今日はご婦人Oさんも初めて土曜日に参加され、いつもは日曜日の殺陣クラスの間に私がマンツーマンで集中稽古しているが、今日は皆さんと同じ空間で一緒に杖をおこなった。Oさんは明日の稽古がメインなので火曜日も含めた週三回の稽古となると、さすがに心配してしまうので、身体の状態とバランスを見ながらおこなっていただければと思う。

 だがあらためてOさんの元気になられた姿と、顔色の良さ、身長が伸びた事実も含めてもっと多くの方にこの事実を知っていただけると、多くの高齢者の方の励みとなるであろう。私としても、ご婦人Oさんとの出会いからこのような出来事に関わった者として、こういった事実があるということを伝えていきたいと思うし、後に続く活き活きとした高齢者の方をもっともっと誕生させたいと熱く思うのである。

 運動神経や年齢で諦める必要は無いと思う。ここに記せないが私に関わっている方でさまざまな方が頑張っているので、そういった例も必要な方には直接伝えていければと思う。

 夜からは、西葛西にてイオンカルチャークラブでの剣術教室をおこなった。ここでも今日は杖術をおこない、体験参加の方が二名いらしたので、やや手狭に感じられた教室内で一人一人ジックリと指導していった。一人の方は太極拳をされている方で、今日は剣まで持参されたので幾つか型を拝見し、60歳を超えた女性の方とは思えないほど元気一杯で、どこかご婦人Oさんと雰囲気の似たところがあったので親しく話しかけ過ぎてしまったかもしれない。もう一人の方もダンスをされていた方なので、身体を動かすことが好きなようなので体験だけでなく、まだまだ100分の1程度しかおこなっていないのでまたお越しいただければと思う。

 明日は15時30分~17時30分、そして18時30分~20時30分に品川区戸越体育館B1剣道場にてgold castle の講習をおこなう。明日はどのような出会いがあり、どのようなことを考え、どのようにその時間を生きていけるか、人生はいつどうなるのか分からないものである。慣れないように、また気を引き締め、武術に感謝し誠意を持って取り組んでいきたい。


2014-11-23(Sun)
 

足止めの二日間

 昨日はいろいろと予定を組んでいたが、駅に向かうと人身事故の影響で予定の半分もおこなうことが出来ず、今日は今日で、さあ行こうと思ったら予報と違い雨足が強くなっており、明日へとさらに予定を延期せざるを得なくなってしまった。

 昨日はインドネシアに持って行くため、久しぶりに旅行用の大型スーツケースを取り出してみたが、その物置状態となっている一角にはもう現在使わない物がたくさんあることに気が付いた。勢いで幾つか処分したが、衣類やバッグなど現在はもう絶対に必要ないものがかなりあるので少しずつ処分していきたい。

 前にも記したが、遅くとも二年以内には引越しを考えている。私の場合いろいろなところに行かなければならないので、アクセスの面としては現在住んでいる所はベストであるが、より住みやすい家と環境を求めジックリと考えたいと思う。今まで住んで来た場所は出身地も含めて、福岡→広島→大阪→埼玉→東京である。
 福岡では18年、広島では6年、大阪では1年8ヶ月、埼玉では3年、東京は11年目となった。考えてみれば福岡を出てからずっと一人暮らしである。だが生涯情熱を掛け続けていけるものに出会うために生きてきたので、住居に関する欲はあまりというかほとんど無かった。今回引越しをしたいという欲が出てきたのは、現在もそうであるが今後のことを踏まえ、家での事務的な仕事をより効率的に発展的におこないたいのと、その作業における身体の姿勢というのも重要なので、ある程度の広さが必要であり身体のためには現在の状況は長時間おこなうにはあまりよろしくない。仕事の効率、仕事の内容、仕事の質を、今後の文字に関する表現には環境を整えなければならないと自然に思い浮かんだ。つまり家に求めるものは仕事と一人で可能な稽古が出来ることである。アクセスを犠牲にすれば、そのような環境も手に入るのだが、アクセスも優先し部屋も優先となると、家賃との相談で中途半端な場所と広さになりそうでもあり、まだまだ先のことであるが悩み始めてきた。

 gold castle 殺陣&剣術スクールでおこなっている土曜日の剣術クラスの講習が、今週11月22日の次が2週空いて12月13日となってしまう。土曜日の集中稽古を楽しみに参加されている方々には誠に申し訳なく思う。他にも日曜日の講習や、イオンでの講習、高齢者のための剣術教室、そして高田馬場での個人稽古など、1週空いてしまうのでこちらにもご迷惑をお掛けし申し訳なく思う。インドネシアから帰国した際にはある程度の情報が公開出来ると思うので、しばらくの間待っていただきたい。

 今週のgold castle 殺陣&剣術スクールでおこなう講習は杖術。前回の「十一連続動作の型」の稽古と「八連円打」そして初めておこなう「影踏」を土日に分けておこなう予定である。とくに土曜日の講習は参加人数が少ないため、大きく動作がおこなえるものをおこなっていきたいと考えている。

 イオンカルチャークラブでの講習も次回は新たな方が体験に参加されるようなので、こちらのほうでも新たな出会いから空間がより充実したものに育っていって欲しいと思う。前回帰り際に、こちらのカルチャークラブのフロントスタッフの方とお話した際に、「皆さん本気なんですよー!」と、受付の方でも感じられるほど真剣に取り組まれている。一時間という短い時間の中で一人一人集中的におこなっているので、毎回参加されている方は本当に覚えが早く、密度の濃い講習から成長を求めている姿がひしひしと伝わってくる。10代から60代の参加者の中で男性はまだ1人しかいない。そう考えると、高齢者のための剣術教室でも男性は1人しかいない。gold castle も全体数は女性のほうが多い。高田馬場での個人集中稽古でも毎週参加される熱心なK氏は女性である。
 かつて私が稽古を学んでいた頃は男ばかりの環境であったのだが、女性でも武術稽古をおこないたい方は多いということが分かった。女性で杖術や抜刀術に剣術など、使える人物が出てくるとなるとこれは非常に興味深い。人の縁からどのように運命が激変するか判ったものではない。そういった激変の驚きも込みでその人の初めからの運命なのかもしれない。甲野先生が21歳の時に気付かれたという「人間の運命は完璧に決まっていて、同時に完璧に自由である。」という言葉に、私としては全く違和感を覚えない。私自身勉強不足で未熟者なので安易な事は言えないが、そのように感じることは周りの人であったり私自身であったり、腑に落ちることがある。ひとの出会いは縁の繋ぎ渡しでもあり、いい事も悪いことも、さまざまなタイミングが現在となっている。何の勉強もしてこなかった私が、今は日々勉強させられている。そしてその生きていくための勉強は非常に情熱を掛けられるものであり、人に良く見せるために取り繕うための勉強では無いからこそ、自分がどうあるかを求めていくために学んでいくことは意味があり無駄ではなく全てが必要で残っていくものなので、これほど学ぶことに対して嫌悪感を持っていた私がずっとのめり込むようにして、身体と心の繋がりからなる進展を日々考え実践し、さまざまに展開していこうとしているのには自分自身でも驚いている。

 一年後、二年後はどうなっているのか判らないが、武術を始めてから毎年想像していなかった一年を感じている。机の上での勉強に非常に嫌悪感を持って過ごしてきた学生時代であったが、今の私の生き方を考えれば、その当時の考え方はずっと繋がっているようにも思う。社会に出て人と接する日々を続けていく中で「何が一番重要なのか」そのあたりを、子供社会の中でも育てていかなければ、遠くの他人だけでなく、身近な知り合いとも、インターネットでの与えられたコミュニケーション法でしか対処出来なくなって来るのではないだろうか・・・・・・

 これからも取り繕う必要の無い生き方を歩み、子供に対して本音を言える大人でありたいと思う。もちろん子供に対してためにならないことは言わないが、犠牲にされている感じがするので、どのような生き方でも夢を持ちそれに向かって行動していく強さとそれを通すための忍耐と困難を越える学びを縁のある方とともに考えていきたい。


2014-11-20(Thu)
 

いろいろな一日

 さて、今日も長い一日の締めくくりの時間となった。現在0時を回ったとこであり私にしては少し早い時間帯である。今朝はパソコンのメールをチェックしたところ、昨年の11月の終わりごろに仕事で赴任しているアメリカから帰国の際に稽古をつけて欲しいという男性の方から連絡があり私のホームグラウンドである高田馬場の武道場にて二回、計七時間の稽古をおこなったのである。その加藤氏から一年ぶりに連絡があり、約束通り今年も11月の終わりに稽古をおこなうことになった。丁度希望された日時は、他に稽古希望者がいなかったので、ジックリと稽古をおこないたいと思う。加藤氏も私のこのブログやYOUTUBEにアップしてある動画も見ておられると思うので、現在の抜刀術の身体の使い方に非常に興味があるのではないかと思っている。一年前との全体的な違いは、細かい部分について気が付くようになったことで余分な動きが減少してきたように思う。私も加藤氏の動きを見てみたいし、いろいろ話が終わらないような気がしている。昨年は初対面であったにもかかわらず、ずいぶん前から共に稽古をおこなってきたような不思議な感じがしていた。それにしても一年というのは早いように感じるがいろんなことがあったなぁと振り返ってみて思うのである。

 今日は高齢者のための剣術教室をおこない、前回参加された方も含め新しく二名の方が入られることとなった。今日は初めにご婦人Oさんの身長が1.5㎝伸びたということを皆さんにお伝えすると、皆一同に驚き励みとされたいた。前回の記事では、一年間、週に一回一時間の稽古で効果があったと書いたが、Oさんの場合、家でも毎日のように稽古されていたので、一年間で1.5㎝縮んだ身長を取り戻すのは無理の無い範囲で継続的におこなうことが必要であると思われる。そのためには、夢中になれる動作をその人毎に見つけてあげられるような稽古にしていかなければならないが、指導者としての技量が問われる部分である。教室が始まって四ヶ月目に入り、それぞれに進展は見られるようになってきた。Sさんは視線が落ち頭が下を向く癖があったのであるが、今日は以前に比べて僅かであるが姿勢が良くなっていることに気が付いた。同時に杖での操作も形が良くなってきている。本人のまだ気付かないうちに変わり出して入るのかもしれない。

 杖を使っての体操は、ただ何も持たずにおこなうより、腕の重さや上体の傾きによる重心のバランスを杖に預けることが出来るので好評である。これも指で握らずに、指先を伸ばしておこなうことで身体の中の詰まりが流れていくように気持ちがいいものである。この体操はこの教室がなかったら生まれなかっただろう。ほかの教室でも取り入れてみようと思う。

 今日はこの稽古場がある施設の会報誌に、この剣術教室の紹介がされており文面はスタッフの方が考えられたものであり、その中の一文に「笑い声が響き渡る教室でストレス解消にもうってつけです」と記載されており、いつものおよそ剣術という言葉から想像もつかない笑い声が施設の皆さんの知るところとなっていたのだと可笑しく思えたのである。

 これは、当初私も想像していなかったことで、身体の可動域や体幹に繋がる部分の強化などを、愉しくおこなえるように身体の使い方をテーマに考えていたのだが、毎回笑いが出てしまう不思議な導きにより、徐々に私の講習スタイルが変わりだし、最近ではその影響が他の教室でも出てきている。私はどこへ向かっているのか私自身愉しんでいるが、その空間に身を任せ、身体をほぐす、力みを抜く、思考を柔らかくする、そういった中で新たな身体の使い方の発見があることを今は求めているのだと思う。

 新たな環境に飛び込むことで生まれてくるものがあるのかもしれない。大変ではあるが、得られるものは想定外であり自分のものとなっていく。今後も新しい環境に対しては貪欲にチャレンジしていきたい。

 午後からは表参道にて12月におこなうインドネシアでの仕事の打ち合わせをおこなった。さまざまに具体的なイメージが見えてきたので、準備するものが明確になってきた。それにしても、楽しみな仕事である。ディレクターの方から以前仰って頂いたが、この仕事はいろんな意味で私にしか出来ないオンリーワンのオファーであったと思う。刀の操作や、甲冑のサイズ、エンターテインメントの世界で経験した現場の空気感と状況に応じた対応。それぞれの経験が全てミックスされたような今回のオファーであったと思う。どのような体験になるのか一つ一つが記憶に残ることになりそうである。最近は忘れ物が増えてきたので、パスポートだけは忘れないように気をつけたい。


2014-11-19(Wed)
 

剣術の方向性の確認

 今日は高田馬場での個人稽古であった。このところはほぼK氏との稽古が多く、今年の7月25日が最初の稽古であったがほぼ毎週参加されているので、かなりのものは伝えてきたように思う。神道夢想流杖道の目録を持たれており、そういった意味では稽古が非常にスムーズにおこなえており、オンとオフの使い方が互いに自然と出来ているので一見無駄と思えるような話でも、身体を動かすことだけではない気づきを得るために話し込んでしまうのである。今日はその中でも最長時間とも言える、稽古の合間に一時間も喋ってしまった。このときの時間の経過感覚は、武術稽古の時と同じでありあっという間の出来事に感じているのであるが、傍から見れば一時間喋りっぱなしというのは非常に長いだろう。

 そんな私のお喋りに付き合っていただいたので、今日は三時間の稽古をおこなった。それにしても、マンツーマンで三時間の稽古は私としては珍しくはないが、集中力が持続出来るのは杖であったり、木刀であったり、居合刀であったりさまざまな得物で共通の身体の使い方を練っていけるからであろう。その他にも袋竹刀であったり、小太刀であったり、六尺棒であったり、さまざまにあるが、将来的には手裏剣(棒手裏剣)の打剣もおこないたいと思う。以前は一晩で3300打剣おこなったこともあり、かなり手裏剣の稽古に没頭していた時期もあり、四間までは通せるようになっていたが現在は全くおこなっていない。この手裏剣術はほかの稽古を忘れてのめり込んでしまうほどの面白さがあるので、現在は敢えて手を出さないようにしている。現実的には打剣の出来る稽古場所が無く、また手裏剣も今は手元に無いので、その時がきたらおこなおうと思っている。

 木刀での素振りをおこないながら、私のおこなっている振りというのは地味で、華麗さも無ければ互いに長く打ち合うような型も無い。それは、真剣を想定しての剣術稽古であるということの再認識がK氏との会話の中で確認出来た。そして会話の中で、真剣であれば間合いも剣と剣が当たらない離れた位置となるため、脚足の使い方が重要であり剣の操作に必須であるということも再認識させられたのである。

 つまりどの振りにおいても、起こりを消すことが求められ、その動作は瞬間的におこなわれなければならない。そのためには、動作は極めて小さく切っ先が最短で移動しなければならない。そしてその動作をおこなうには脚足の使い方が必要不可欠であり、この脚部の動作なくして、小さく最短でおこなわれる上体の動きは成立しないだろう。

 シンプルな動作こそ突き詰めていくと非常に難しく、ただ前方に進みながら袈裟に斬り下ろすことの難しさ。だが、この動作を操縦出来るようになれば、質的転換された動作に一歩近づけるのではないかと思っている。そして、安易でない難しさを知り克服した動きは、初めておこなうような動作にでも直ぐに対応出来るものだと思う。

 今後の新たな取り組みとして、現在のテーマでもある「動きの繋ぎ」を考えながらかつておこなっていた袋竹刀を使っての組太刀稽古にある続飯系の動作を、柔らかく繋ぎを大事におこなうことで何か気がつけるものが見えてくればと思っている。

 明日は、午前中に高齢者のための剣術教室に向かい、午後からは表参道でインドネシア行きの打ち合わせがおこなわれる。新しい方も何人か増えてきているので、愉しくそれぞれのテーマを見つけ進めていきたいと思う。皆さんの身長アップを目指して励んでいこう!


2014-11-18(Tue)
 

トリプルヘッダーを終えて

 昨日は品川区戸越体育館にてgold castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこなってきた。こういった会場の予約は二ヶ月前からおこなっているので、二ヶ月先の状況を想定して会場を押さえているのであるが、現在水曜日の殺陣クラス、土曜日の剣術クラスも追加されており、さすがに日曜日の朝を含めた一日三回の講習はまだ時期尚早だったかように思う。しかし、どのようなものか一度体験しておきたかったのでキャンセルすることもなく開催した。

 午前の部は少ない参加者であったため、現在の立場を踏まえた上で私の個人的な話をゆっくりとおこなった。現在でも、塾などで小学校の頃からずっと勉強をしている少年とのお話であったが、勉強、受験、就職、高収入、安定、という、考え方はまだまだ世間的には根強いのであろうかと考えさせられた。

 子供は逃げ場が無いし選べないことも多い、大人だって社会に出て家庭を持てば逃げられない、そうした互いに逃げられない環境の中で生きていく。じゃあどうして逃げたくなるのか・・・?そのシステムは誰が作り、誰のためになっているのか・・・?そういうことは、子供ながらでも分かっていることである。

 人生の時間を後悔しないためにも、大人になったら自動的にそうは変わらないので、若いうちから具体的な目的とそのための行動と、子供にとって必要な過ごし方を本音で接してあげられる大人が必要であると感じる。

 体のバランスと心のバランスの共通点は以前から感じていたことであるが、思考というものを考えたときに、長年凝り固まった苦手な部分での対応や考え方はなかなか氷解しにくいものであり、そういった部分は体を通して、体とともに変わっていくものではないかと思っている。動作における苦手な部分の問題点は心の何かと繋がっているように思えるからである。不安、焦り、そういったものが奥深いところにあると、なかなか身体は思うように動いてくれない。今まで武術稽古を私自身がおこなったり、人に対して伝えてきた中で身体から変わることでの精神的変化というものは実感している。

 身体の使い方が変わっていくことで、同時に思考も整理され見通しが立ってくるのではないだろうか。将来どうなりたいのか人それぞれにあると思うが、今も未来も結局は今になっているので、その今の瞬間をどう生きているかがどの年代でも大切ではないだろうか。

 次に夕方の部に入り、昨日と続けて参加いただいたMさんが逆手回し納刀に苦労されており、御本人も付いて行けるか心配と思っているようであるが、私の考え方としては別に付いて来れなくても、その人の動きの目標に合わせておこなうことが重要であるので気にする心配は無いと思う。ただ私の講習の進め方がまだまだ未熟であるため、全体の速度との開きは出てくるが、私は絶対に置いて行かないのでそこは心配せずにご自分の目標に取り組んでいただけたらと思う。

 夕方の講習終了後に、刀の返しが上手くいかなかったMさんの動作の原因を見つけるため30分位見ていた。最後の最後に手首の使い方に気付いていただき、今まで出来なかった刀の返しが何度も出来るようになり、その時の嬉しさの表情は普段控えめにされている方なので私の中に強く印象に残った。

 そして今日一番の驚きの報告を受けたのは、夕方講習に参加されたご婦人Oさんから「先生!私この間測った身体測定で身長が1.5㎝伸びました!」という御報告であった。Oさんは70歳であり、体重も33㎏位である。私の事は書いてくださって構いませんのでと仰っていただいているので、多くの不安を抱えている高齢の方でも大きな励みになるのではないだろうか。

 おそらく身長が1.5㎝も伸びたのは背中にあるのではないかと思う。真っ直ぐに立っているつもりでも、背筋を伸ばす力が衰え可動域も狭くなっていたのではないかと考えられる。Oさんが剣術や杖術の稽古をおこなうようになって一年が過ぎ、毎週1時間、8月からは他の場所でもおこなっているが、一年間週一回1時間の稽古でハッキリとした身体の変化が数字の上でも表れた。そして、久しぶりに峰を摘まない横向きに水平に刀を送る納刀でも、肩が上がらず以前とは比べ物にならない上達が見え、右手の手の内の使い方を覚えたので他の動作でも以前に比べ楽に出来るようになりました。と仰られ、関節リウマチ症により動作に制限がある中で、よくこここまで出来るようになったと思う。先にも記したように、体と心の繋がりが動作に表れてくると思っているので、この一年間一緒に稽古をおこなってきた中で、Oさんの心遣いや稽古に対する姿勢や熱い思いなど、やはりそういった部分が大きく関係しているのだと学ばせていただいた。調子の良い時もあればそうでない時もあるので、それは心も体も含めて、無理をせずにおこなっていただければと思う。

 続いて夜間の部では、この日一番多い参加人数となった。そういった中で全体を見て思うことは、やはり動作において手足の使い方が自然に導き出されるような稽古法にしていかなければならないと感じた。間合いや位置関係により、足運びやそれにともなう上体の使い方の調和をとっていかなければならず、それは武術としての身体の使い方がある程度身に付くことで、自然に調整が出来てくるものであり、それを行わずして調整は難しい事がよく分かった。現在の私の稽古のテーマは「動作の繋ぎ」であるが、ゆっくりと両手両足の調和をとりながら、各部分での点検を自身の体で感じながらおこなっていくことが大切である。ゆっくりとおこないながら、上手くいかない気持ちよくない箇所を見つけ、それに対しての動作をどうおこなうか。そこに問題と答えを自分の体で示し、次に向かって進んで行く。早くやってしまうと、その大事な問題である箇所を素通りし、解決出来ずとり残したままになってしまう。皆さん進展したいという思いがあるので、そこをどのように気付かせてあげられるかに私の力量が問われている。

 今日は居合刀での稽古を何人かの方に進めたが、鞘付きの木刀と比べ真剣とほぼ同じ重量である居合刀では、まるで別物であるので、抜刀と納刀をより高い次元で身に付けたい方にとっては、おそらく居合刀を手にした時に、もっと早く居合刀で稽古していれば良かったと思うだろう。それほど別物であり身体で感じるものも異なる。もちろんジュラルミン製の軽い模擬刀も同様に全くの別物である。さすがに真剣でとはいかないが、真剣に近い居合刀でおこなうことが私としてもより具体的なテーマをもってその方に伝えていけると思う。だが居合刀は価格も安くはなく危険もともなうので、こちらのスクールではその人の取り組み方に合わせお任せしている。今後居合刀での講習参加者が現れて来たら、おそらく今まで出来ていたものが出来なくなってくると思うので、本来の抜刀や納刀の難しさを乗り越え手に入れるための指導を個人メニューで伝えていきたいと思う。

 三回の講習を終えて、間が空いていたとはいえ9時に入館入し21時30分に退館という半日を掛けての長い一日であった。空いた時間には近くの戸越公園や商店街等を散策し、ゆったりとした時間を過ごしていた。今後しばらくは日曜日の午前の開催は考えていないが、参加人数が少なくとも多くとも、その状況によって得られるものがあり私にしてみれば贅沢な一日であった。ただ、最近は周囲の方が私の体調を心配されているので、私としては全く疲労感はないのだが、それは気持ちが疲労を感じさせていないだけであり、やはりある程度の休養やちゃんと食事をしたほうがいいこともなかなか出来ないが気をつけていかなければいけないと思う。

 日々ご縁のある方々とともに前に進めていることに感謝して、これからも今を大切に過ごしていきたいと思う。


2014-11-17(Mon)
 

受け止めるということ

 やはり深夜に日記を記しながら、一日の中で起こった出来事をどのように今感じているか、さまざまな感情から一旦落ち着き、次の行動のための道しるべを自分の中から探し出すことが重要となっている。毎週土曜日は、gold castle 殺陣&剣術スクールとイオンカルチャークラブの講習をおこなっている。さまざまな場所でさまざまな方の思いを感じながらおこなっていく中で、いろいろと感じることがある。私の講習方式は人数が増えても、個人指導方式でおこなっているため、限られた時間の中でピンポイントでその人の注意箇所を見つけ、伝えていきながら全体との調和を考え進めている。愉しい時もあれば、技術伝授のため、集中的に悩みながらおこなっていただく場合もある。愉しさとは、その場の愉しみ方もあれば、ジワジワと解り掛けていく中で愉しさを見出していく場合もある。その場の瞬間的な愉しさは、場の雰囲気も明るくなり良い雰囲気で締める事が出来る。だが、長続きすることは難しい。ジワジワと解り掛けていく中での愉しみは、場が盛り上がるほどの盛況さはないが、再現性があり、成長と、次に繋がるための確かな手ごたえがあり、これは長く続いていくものである。愉しみ方は人それぞれにあるが、自由でいいと思う。最近はどういう訳か、私の講習中の発言が面白いのか、それを待っているかのような表情の方が見受けられるようになってきた。まあ私も、その時の状況に身を任せて喋っているので、擬音語だらけの説明や、声のトーンが可笑しかったり、噛んでしまうことがあるのはよく分かっているが、敢えて通り一遍的な説明にならないように、その空間に身を委ねている部分がある。その時の私がどうであるのかの方に私自身興味があり、そのままを通している。

 明日は、戸越体育館で初めてとなるトリプルヘッダーの講習をおこなう。もしかすると午前の部は誰も来ないかもしれないが、どのような一日になるのか非常に興味のあるところである。明日の講習に関わらず、イオンや高田馬場、高齢者向け住宅での講習において、さまざまに受け止めていくことが私に課せられたテーマのように感じている。これからも、身体と心を通わせた講習で何か開けてくるものが自分の中にあればと思う。こういったことが続けられているのも、ささやかな感動を受けながら、そういった方々との出会いであり、いろいろな人と出会う中でよく見えてくるものがある。

 さあ、明日はどのような一日になるのか、これも一つの流れの中の出来事にしか過ぎないのであるが、自然に身を任せ受け止めていきたいと思う。


2014-11-16(Sun)
 

これからの私個人の稽古を考える

 しばらく日記を書いてない気がしているがまだ三日しか間を空けていない。別にノルマにしている訳でもないので、しばらく休養と別の思考に頭を切り替えていた。睡眠不足の蓄積は完全に取り返したが、身体の疲労は休むほどに表面化してくる。まあ、私のこれまでの稽古法を見つめ直さなければならない時期に来ていると思う。昔のように週に二回~三回ほどの稽古であれば鍛錬系の激しい稽古で身体を練っても回復出来ていたが、現在の週五回~六回の稽古の場合、(一回の稽古時間もダブルヘッダーや長時間稽古となっている)ある程度の鍛錬系の稽古は必要であるが、私の性格上すぐに無茶をしてしまうので、もうそういう稽古にしないように変えて行かなければならない。だが、これがマイナスかと言えばむしろ逆で、日々稽古をおこなう中で続く感覚の進展は昔とは違うように感じるのである。稽古もそうであるが、左右それぞれ5㎏~8㎏前後の重たい武道具類の持ち運びも高下駄での歩行と合わせて稽古になっている。今後はこのハイペースを続けられる身体の使い方を掴んでいきたい。おそらく頑張り方を変えなければ先が見えてこないのではないだろうか・・・・・・

 来週の火曜日は、夕方から表参道にある広告代理店に行き、12月上旬に行くインドネシアでの仕事の打ち合わせをおこなうことになった。私としても、あと半月ちょっとの事なのだが、何やら他人事のような感じがしてまだ準備に取り掛かっていない。これもまあ、打ち合わせの後に具体的に判ってくるだろう。

 武術稽古を始めて五年半が過ぎ、年数を語るには余りにも短いが、五年半前には何にも知らなかった、勿論現在でも知らないことが沢山あるが、それにしてもこの間に、知ったことや知り合ったこと、今取り組んでいることやこれから取り組もうと考えていることなど・・・・・・五年半前は何にも知らなかったのである。これからの、五年、いや四年半後には、どうなっているか全く分からないが、今想像している範囲の事ではダメであると感じている。時代も変わるだろうし、縁というものもさまざまに繋がれていくであろう。情報はさまざまに便利に自由に手に入るようになり、流行が短いスパンでどんどん更新されていくだろう。何が正しいのか迷うことも出てくるだろうし、人によって答えも効果も違ってくるかもしれない。これからは私自身、もっと自分の身体に耳を傾け、自身の身体に問いかけながら、身体から教えを請うようにしていきたい。それはもしかすると、人間という動物に対する自然に近づけることなのかもしれないとフト思ったのである。そのためには、日々の感覚を進展させていけるような稽古をおこなっていきたいと思う。しばらくは次に向かって模索する時間が必要だ。


2014-11-15(Sat)
 

初めて伝えた隼抜き

気がつけば昨日の今日というか、いま日記を書いているのだが、昨日書いているのと同じ感覚である。なんというあっという間の一日であったのだろう・・・・・・。二度寝をし、注文していた武道具を受け取りに行き、高田馬場で稽古をし、気がついたらいつもの深夜である。やはり二度寝が原因だろう。だが、今は疲れをとることも稽古のうちと思っているので、前に進んで行くためには疲労を取り除かなければならない。12月3日~12月9日までインドネシアに行くのだが、まだ何にも準備をしていない。パスポートの番号照会は済ませたが、この体と着替えが幾つかあれば何とかなるだろう。

 今日は高田馬場でK氏との個人稽古をおこなった。最後の動きを少し変えた杖の繋ぎを主体とした連続動作をおこなう。この動作は、どこでやっても始め出したら止まらない感じとなるので、動きの繋ぎという部分において新鮮さがあるのではないかと思う。

 私個人としては抜刀術「滝壺」が、円に回転する感覚ではなく後方突きのように、直線をイメージした抜き方により左手に掛かる柄の早さが上がった。それと、遠心力に体が振られる感じも減ったので、より刃筋を通す真っ向斬りになっていければと思う。だが、気をつけなければ切っ先で左腕を突いてしまう可能性も考えられるので、動作の点検を時間のある時にあらためておこないたい。

 今日はK氏に抜刀術「隼抜き」を伝えた。これは私のオリジナルの抜刀で、最近配信した抜刀術の演武動画の五本目に収録されている。https://www.youtube.com/watch?v=jFmlqfE5AHM左斜め後方から真っ向に斬り込まれた状況での抜刀である。振り向き体を沈めながら刀が下から上に上がってくる動作である。この抜刀は、身体の感覚が慣れていないうちは非常に抜くのが怖かったのであるが、現在は8割ぐらいの加減でおこなっているのでなんとか怖がらずに抜くことが出来ている。したがって、まだ誰にもこの抜刀は伝えたことがなかったのだが、K氏が身体を向きかえる動作に練られている部分があるので、初めてこの抜刀を伝えることにした。これまで熱心なK氏には沢山の抜刀を伝えてきたが、身体の纏まりからなる速さの実感を手に入れるには、上体と下体の凝縮したような使い方が求められるので、今日は、両足を開き膝を抜いて浮きを掛けながら剣を振る稽古をおこなった。こういった動作は私自身やったことがなかったので、新鮮な感覚であった。人と稽古をするとこういう発見がよくあるので貴重である。

 左右の脚に振り分けられる重心の微妙な配分の移り変わりが動作の繋ぎを作り出し、手の内とともに身体の感覚が新たな精度の高さを求め、新しい動きが生まれてくるように思う。力みを抜くということは繋ぎの精度を高め、今まで気付かなかった部位の動作に気が付くようになってくる。人間の身体というルールの中でいかに愉しみながら、よりよい稽古としていけるか・・・そんな日々を今は愉しんでいる。


2014-11-11(Tue)
 

いつからでも夢中になれるもの

 今日も私の一日が終わり最後の日記を書き始める。時間は2時を回った。すでに寝ている方々がほとんどではなかろうか、だがもしかすると仕事をしている方もいるかもしれない。夜になるとメッキリと冷え込む時期になってきた。帰宅しメールを確認すると、体調不良でお休みされた方のメールが幾つかあり私自身も気をつけなければならないと思うのであった。

 今日は初めての方が3名参加され、私の手違いで柔道場を剣道場と告知してしまったので、剣道場に比べ若干狭い柔道場ということで心配したが、ギュウギュウに入った柔道場内でなんとか講習を進めることが出来て安心した。最近はどうも忘れ事が増えてきているようなので気をつけなければならない。

 来週の日曜日は、戸越体育館で初の三部制をおこなう。朝、夕、夜と三回講習をおこなうのであるが、今後の展開も踏まえ、まだ早いかも知れないが一度おこなっておきたい。

 今日は、昨年の11月10日に初参加されたご婦人Oさんが稽古を続けて一年を迎えた。最初の頃は椅子に座りながらの講習であったが、現在は抜刀、納刀、杖などさまざまにおこなうようになり、道衣に袴姿で元気に取り組まれている。先日Oさんとの連絡のやり取りの中で、つい「生きている愉しさを実感できる・・・」と書いてしまったが、こうした言葉は普段考えても出てこないが、私が感じたある方の新たな取り組む意欲に対する周囲の反対の声に、生きていることに対する前向きな意欲を取り去ってはならないと感じたのである。それがどのような結果になろうとも、本人が希望したことに道を作ってあげることが重要であると思うのである。果たして御本人がどの位の思いなのか私にはまだ分からないが、一歩踏み出すことのエネルギーは大きなものである。

 私がこのような考えになったのは、Oさんの剣術稽古に対する思いの強さと、気持ちの張りから、御本人も驚く程の身体の変化に、果たして身体に無理をさせないで過ごしてきた一年と、剣や杖を振りながら、時に手首や膝が痛むこともありながら、いろいろな言葉を知りながら、新しいことを身体を通して知っていくという一年ではどちらが良かったのだろうかと思うのである。

 その年齢の身体にならなければ分からない不安要素があることは百も承知であるが、強制ではなくその方が望むのであれば、私はやりたいことに取り組むのは大いに賛成である。今日は帰宅後ご婦人Oさんからお礼のメールを頂き、拝読していると目頭が熱くなり、今日の講習で50回目となりもっとも回数の多い熱心な生徒さんである。これからまた一年間、ゆっくりとした動作を丁寧におこないながら、怪我をしないように身体をたくさん使って元気に頑張っていただければと思う。

 来年になれば、丸一年を迎える生徒さんが増えてくるだろう。驚くべきことに、長期間休まれている方はいらっしゃるが、退会された方はまだほんの僅かしかいないのである。もちろん、いつでもまた参加したい場合は来て頂ければと思う。

 皆さんに支えられていることを感じると共に、これからも一人一人を大切に見ていきたいと思う。


2014-11-10(Mon)
 

身体と心に共通する思考の働きを求め

 今日は一日中曇りの天気で、朝も昼も夕方も同じ空の色で、こういう一日真っ白な空も好きである。昼に品川区総合体育館での剣術クラスの講習をおこなった。土曜日では初めてとなる総合体育館の使用で、いつもと違う隣の柔道場を使用するのは、日曜日も含めて初めてであったので新鮮な感じがした。柔道場のほうが8㎡広いようである。いろいろな施設で会場を借りているが、剣道場と柔道場で広さに違いがあり、若干ではあるが、戸越体育館では剣道場のほうが2㎡広く、深川スポーツセンターでも剣道場のほうが8㎡広く、12月に使用する予定の江東区スポーツ会館では剣道場のほうが105㎡広く、残念ながら柔道場を借りるのだが、それでも210㎡あるので大丈夫だと思う。

 五反田駅から総合体育館に向かう途中317号線沿いをを歩いているときに、横の道から現れた男性が目の前をスタスタと歩いている姿を見て瞬時に、空中浮遊で有名なヨガのN氏であると気付いた。そのままビルに入っていく様を見て、見上げると看板が出ていたので、月刊秘伝によく登場されている方を生で目にすると何とも不思議な感じがしたのであった。しかし、考えてみると、月間秘伝に出ている方で、直接お世話になったことのある方や、話をしたことは無いがよく目にしたことのある方など、月によっては何人も出ているので、役者の世界もそうだが、武術の世界も狭いということを感じさせられてしまう。高田馬場での稽古も非常に様々な団体が入り乱れているが、五年以上も毎週二回以上使用していると、昔からいる方や新しい方、懐かしい方や、向こうは知らないだろうがこちらは知っている方やその逆も然り、何にしても狭い世界なので情報は何処かで自然と入ってくるものである。私自身も、このブログでさまざまな活動を詳細に記しているし、配信している動画の数も気が付けば増えてきた。良くも悪くも私の情報を公開しているので、さまざまに思われる方もいらっしゃるかも知れないが、良いご縁のある方との出会いを望んでいるし、未熟者で不器用な私なりに身体のことについて剣術から学んで、それを共に稽古していただく方と時間を共有し有意義なものにしていけたらと思っている。

 今日の総合体育館での講習は、この人数にしては贅沢な会場と言える広さの中、杖の十一連続動作の型を最後までおこなっていただいた。水曜日に続いて土曜日も参加のHさんは、やはり続けて参加されているので吸収の早さが以前より増しており、苦手なポイントを克服していけば自信と共に伸びてゆくだろう。この日初めて型に挑んだHさんも、ダンスをやられているので動作の記憶が良く、驚くことに初めておこなったこの日に最後まで覚えることが出来た。Hさんのように貪欲に質問されることも身体の理解に繋がってくるので大切である。

 四方突きから先を伝えていなかったKさんも、最後までおこなえるようになった。今後は動きの角をとるように、繋ぎの動作を考えながらゆっくりと取り組まれるといいだろう。与えられたものを自分でどのように作り上げていくか・・・そこにまた新たな稽古の面白さを実感できるようになればと思う。

 中学生のK君と、今日初参加のTさんは同じメニューをおこない、それぞれ集中して杖の触れ方や単体技を幾つかおこなっていただき、いろいろと感じる部分があったのではないかと思う。剣の日ではなかったために、この日の講習を延期された体験参加希望の方もいらしたが、剣と杖は切っても切り離せないほど身体の使い方に繋がってくる部分があり、両手両足の連動を学び、得物を使っての身体の運び方の基礎を手の内とともに分かりやすく学ぶには、杖が最適であると思う。力みを無くし、指先を柔らかく手首、肘、肩と繋がる腕の使い方、可動域を使いこなせるための身体の使い方など、剣の操作と密接に絡んでくる部分がある。

 私がおこなっている剣術クラスでは、理に適った身体の使い方を身に付け、身体に負担の掛からない方法で、難しいと思われるような動作が出来るようになったり、身体の動作に調和がとれた時の心地よさと美しさが、今まで使い方を知らなかった方々には新鮮で愉しいと感じる部分であると思われる。

 今日は一人ひとりに掛ける時間があったので、こうして最後まで伝えることが出来た。こうして考えるとこれはこれで集中稽古として現時点では貴重な時間であると思う。いつまでこのようにおこなえるか分からないが、土曜日は土曜日の濃い空間が出来つつある。土曜日、日曜日とほぼ毎週ダブルヘッダーであるが、互いに成長出来る時間が持てることのありがたさを多くいただけることに幸せを感じている。それには、今までの稽古環境や、一人での研究稽古の時間が、こうした幸せを感じられることに繋がっているように思う。今日のイオンでの講習のあとにHさんに最後お話したが、愉しい事も悲しい事もそれは自分で決めていることなので、その対象となる思いをどこに持っているかが重要でその価値観は大きく変わり、人生不満だらけで羨むような日常で生きているよりは、そうではない現状とそれに対する対象を考え、その考えは状況により、もっと考え直さなければ辛くなるような場合があるかもしれないが、それでも何とか愉しく生きていけるように、そういう心を持てることが大事で、それには身体の事を考えられる思考を持ち、同時に心に対する思考も育まれてくると思うので、これは私にとっても重要なテーマであるが、身体に対する思考と心に対する思考をどのようにリンクして育てていけるかということである。これは実感から感じているもので、どちらも繋がっているものなので稽古の中で稽古以外の質問を受けるということや、私が突然長く話すことがあるのは私自身も気が付いていなかったが、こうしたことが関係しているのだということがこの日記を記していて今この瞬間に分かった。

 イオンでの講習では、何か視線を感じフト窓際に目を向けた際に、以前こちらで体験参加されたHさんがいらしたので、直ぐに呼び寄せて中に入ってもらった。なんだか嬉しくて半ば強引だったかもしれないが、お近くに住まわれていらっしゃるので気が向いたときにはいつでも見学にでも来ていただければと思う。考えてみれば不思議なことに今日講習に参加された女性の苗字のイニシャルは全てHさんであった。


2014-11-09(Sun)
 

混み合う高田馬場

 本日は高田馬場で研究稽古&個人稽古をおこなった。13日連続で稽古や撮影や演武などダブルヘッダーも含め身体を動かし続けていたので、昨日、一昨日と、身体を休めるように気を使った。とはいえ、外出し体は動かしていたが、武術稽古は控えていた。

 今日は、僅か2日間の稽古休みであったが、ずいぶん久しぶりのような感覚で稽古に向かった。まず、体幹を練るために重めのスヌケの杖にて、さまざまに繋ぎを意識して稽古をおこなう。やはり繋ぎには重心が大きく関係している。そして重心がブレないためには、軸足に掛かる体重をいかに操作するか・・・おぼろげではあるが意味も無く入れ替えていた昔の脚足の使い方より少しは整理されてきたように思う。私の杖の操法は、打ちも突きも持ち替えも、ほとんどと言ってもいいほど杖が回転している(させている)それは、操作の中で自然と回転させたほうが、軌道が安定するのと、摩擦抵抗が減少するのと、手に張り付き駆け上がってくる感じがあるのと、さまざまに扱い易くなった。それと同時に杖の持ち方は指先で扱うようになり、楽器で言えば、リコーダーの音孔を押さえる感じであったり、ギターのコードを押さえる感じに似ているかもしれない、その結果杖を回転させる操作に自然となったようである。

 この感じは、納刀においても「峰返し回転納刀」と説明するのに勝手に名付けたが、指で操作するこの納刀でも指先の操作が重要になり、この指先が使えるようになると非常に操作が楽になる。我々日本人は箸を使って器用に食事をするが、別段器用に操作している積もりも無く、ただ空腹を満たすための手段として、考えなくても疲れずに食べ物を掴んで口へと運んでいる。だがこれは、食事をするという限定的な目的のために特化された操作であり、器用ではあるけども他に発展させているわけではない。つまり、ハッキリとした目的があればそのための身体の使い方というのは練られてくるように、刀や杖における操作も、どういう使い方をしなければならないのか、その目的に沿って身体を練っていかなければならないと思う。

 杖の次にイスノキの加工をしていない天然の木刀を使って、私の拘りである左右の袈裟斬りをおこなう。周囲の音が集中し難い状況であったが、軸足の膝の使い方が前進しながら木刀を振る際に重要であることが分かり、こうなると周囲の音は関係なくなり、取り憑かれたように木刀を振り出す。この天然のイスノキの木刀は重量があり、その末端部を持って振ると、振り方によってはかなり体幹部が練られてくる。ただ昔は筋力で振っていたため、僧帽筋がパンパンになったり、首を痛めたり大変であったが、左大胸筋を断裂してからは、丁度いい位置というのが分かり、以前より速く振っても筋肉が張るような感じにはならなくなった。これは大きな犠牲を払っての収穫であったと思う。

 この軸足の膝の使い方は、タイミングが極めて難しく、ピタリと揃った時には、脚足と剣の振りに身体全体がスーッと前に運ばれていくような一体感があった。まだまだ再現性が難しいが、筋力でなく重たい木刀を速く振るには、脚部の使い方は重要であり、その技術には修練が必要であることは分かっていたが、その方法が具体的には分からなかった。だが、今日取り組んだ方法は、起こりが出やすく極めて難しい。しかし、もしこれを乗り越えることが出来たら、抜刀術の起こりは劇的に減少するのではないかと思う。動かないところと動くところ、必要な部分が必要なだけ動かせるようになると、人間の身体が奇妙な動きとして感じられるのではないかと思う。推測だけの話であるが、重心を操作するには、そういった動かす部分と動かさない部分が目まぐるしく入れ替わりながら操作していかなければならないように思う。

 抜刀術では、さまざまに抜いてみたが今年の5月29日にそれまでの二尺四寸五分の居合刀から二尺七寸の居合刀に変え、身体の変化を感じた。それに気がついたのは先日のイオンカルチャークラブでの演武映像を見て、刀に慣れたということは身体がそれに適するようになったことであり、二尺七寸の刀で初めてその映像を見て杖も含めて変化に気がついた。もちろん未熟者であり、レベルの低い話の中でのことであるが、やはり得物から身体が練られることは明白である。

 19時過ぎにS氏が参加され、杖を中心に稽古をおこなった。今日は繋ぎをメインとした杖の操法で、最後の巴から裏車に移る際の繋ぎを少し変更し、その時の身体の使い方が、両足を大きく開き両腕はクロスするという今までに無い面白い形となり、以前の巴から裏車へ繋ぐ方法よりも、より身体の流れが生きていて気持ちがいい。

 それにしても金曜日の19時過ぎての高田馬場の武道場はやりにくくなってきた。他の曜日は問題ないが、来年は高田馬場に変わるような個人稽古、研究稽古が出来る稽古場所が見つかれば、この私のホームグランドといってもいい高田馬場の稽古場を変更してもいいと思っている。

 来年は、またいろいろなことが大きく変わるかもしれない。より発展していけるための体制を整えながら、新たな出会いとともに、前に進んで行きたいと思う。


2014-11-08(Sat)
 

2014年11月1日 イオンカルチャークラブ 演武映像

 2014年11月1日にイオンカルチャークラブでおこなわれたミニステージでの演武映像を配信いたします。2013年8月13日に撮影した演武映像から1年2ヶ月以上が過ぎており、二尺七寸の居合刀では初めての演武となります。

 杖術に関しましても、抜刀術に関しましても、何をおこなうかステージ上で考えながらおこなっているため、間が悪い部分がありますが御了承下さい。

 今回撮影をおこなう予定はありませんでしたが、スマートフォンで撮影してくださった方のお陰で記録に残すことが出来ました。


【杖術演武映像】 https://www.youtube.com/watch?v=ERdX7UGUD18


【抜刀術演武映像】 https://www.youtube.com/watch?v=jFmlqfE5AHM


2014-11-04(Tue)
 

澄んだ空気と澄んだ心

 今朝は空気が澄んでおり、電車内から富士山が綺麗に見えた。この時期にクッキリ見える富士山は山頂部に雪が積もっており、遠くにあって近くに見える姿は何度見ても見飽きない。

 今日はそんな電車の移動で、毎週火曜日におこなっている高齢者のための剣術教室をおこなってきた。今年の八月に開催し三ヶ月が経ち、皆さんの成長とともに私も成長させていただいたいる。今までは言えなかったツッコミも、皆さんを知っていく中で言えるようになり、とにかく笑いが優先されるこの剣術教室はいろいろと前代未聞である。

 そんななか、今日は久しぶりに新しい方が訪れた。80歳の女性の参加者で、股関節に不安があるため、椅子に座ったりしながら杖の講習をおこなっていただいた。始めは不安そうであったが、参加者の皆さんが「始めはそんなものよ。」と仰ってくださり、今では慣れた手つきで杖を扱っているその女性も、始めは今日と同様に、身体の不安を訴えながら他の参加者に引っ張られる形でおこなっていたのだから、この三ヶ月での成長を大きく実感した一幕であった。

 高齢者の方が感じている身体への不安は、私などの想像を超える思いであり、その年齢その身体になってみて初めて気が付く大変さや苦労があると思う。骨が弱くなっていく中での、身近に迫る骨折への恐怖心。その中でも背中の圧迫骨折は、場所によっては、本人の気付かない内に骨折している場合もあるという。これは、寝返りやクシャミや咳でも起こってしまうこともあるそうなので、身体を動かすことに抵抗を感じる人も少なくないのは当然であろう。しかし、骨は食事とともに、軽い運動をおこなうことで、脆くなっていくのを防いでいる。私がここでおこなっている剣術教室は、速い動作や力というものはここでは必要ではなく、第一に考えているのは、背中、とくに肩甲骨の可動によるその周囲の筋力をつけることにある。これは、身体の姿勢を維持するためには重要であり、圧迫骨折を防止するための背骨の姿勢を整えながら、肩甲骨を開閉運動することで、コリをほぐし、周囲の流れを通すことで、頚椎、胸椎、腰椎、のダルさなど改善できればと考えている。他にも、両手、両足を同時に別々に動かすので、脳にとっても刺激があり、一つの形を綺麗におこないたいという目的が、眠っていた身体と脳を活性化させる働きもあるように思う。さらに最近では、指先を丁寧に使うことで、より力を使わなくても道具を動かせることを感じとれる方も出始めたので、とにかく皆さん回を重ねるごとに明るくなり、感覚というものは筋力や体力に関係なく維持出来ると私は思っているので、進展していく喜びを皆さん感じ始めてきたのではないだろうか。
 
 この剣術教室は私にとっても未知の領域であり、平均年齢82歳のこの住宅で、生徒さんの中で85歳という最高齢の女性がもっとも姿勢が良く覚えが早いというのは本当に驚きである。数字で見る年齢と直接会って知る年齢とはこうも違うものかと、まだ皆さんの半分程度しか生きていないヒヨッコの私がまだ短い人生経験の中で思うことは、人の面白さや凄さというものは、ふだん何気無くすれ違っている多くの人々の中に沢山あるのだと気付いたことで、いかに表面的な部分でしか人を見れていなかったのか・・・・・・他人とは表面しか知らない人のことを差すのだろうか。そんな表面の一部分に喜びや怒りといった具合に翻弄され過ごしてきたのかという思いがする。これからも翻弄され続けるだろうが、いろいろな人を見ていくという仕事をおこなっていくことで、少しでもそういった人を見る眼を養えていけたらと思う。

 今日も講習後の食事を皆さんとともにおこない、毎回のことであるが、皆さんの分の食事を一品私に下さるので、結構なボリュームとなるのである。こんなときはダイソンの掃除機並みに全てを平らげ、一週間分の栄養を補給するつもりでご馳走になっている。そのため帰りの電車は毎回睡魔に襲われ停車する度にハッと目を明けて確認している。ありがたいことだとつくづく思う。


2014-11-04(Tue)
 

掃除機のように食べ泥のように眠る日々

 文化の日ということで、三連休の三日目となる今日は高田馬場で、17時~19時までA氏との個人稽古をおこない、19時~21時までK氏との個人稽古をおこなった。世間は連休であっても、稽古や撮影などで毎日動き回っていたので、もう何日続いているか分からないがおそらく12日ぐらいだろう。そんな日々であるから夜遅くに帰宅するといつも、掃除機のように食べ泥のように眠るのである。食に関してはとにかく簡単におこないたい。

 A氏との稽古では、前回以上にたくさんの質問を受け、そのメモしてきた質問に対し稽古の合間の休憩時にジックリと考えるのである。どうして私がこのような役目になったのか私には分からないが、このように質問を考えてきていただくことは私にとっての成長にも繋がるので非常にありがたいと思う。以前A氏から、他の教室でも質問コーナーを持ったらどうですか?と言われたが、そういう声があればいつでも聞いていきたいと思う。今日のA氏の質問の一つのなかから私が考えたことは、かつての武士の美意識というものが、一つひとつの行為に対し意味を持ち、よほどのことがない限り軽はずみではおこなわない動作をしなければならない状況になったときの心境の変化と覚悟というのは、安易に想像できない程の凄みがあるのではないかと思う。具体的には記さないが、人を殺さないための平常時の動作と、殺すか殺されるかのどちらかしかない状況での動作において、美意識の高い武士であれば、その変化に何らかの所作的な意味を持たせるのではないかと考えた。鯉口を切る前と切った後、切腹の作法に細かな手順があるように、鯉口を切るということの意味は深いものがあるのかも知れない。

 A氏との稽古の中で、A氏の動作に癖を見つけ、それが力みの原因となっていることが分かった。これを解消するには、脚部の使い方からなる、上虚下実の状態で実感を得られる動作に導いていかなければならない。腕力に頼り、それが最も早いと身体が記憶している回路を変更しなければならず、全てがそうだとは言わないが、居合いであったり殺陣であったり剣道であったり、誤った身体の使い方を考えずに記憶させる稽古法は本当に罪だと思う。

 次に、A氏と入れ替わりにK氏との個人稽古をおこなった。ガラガラの高田馬場の武道場には私達を含めて四人~五人しかいないため贅沢な環境であった。先日購入したスヌケの杖は、打ち合いには使っていないが、乾燥のせいか、所々にひび割れのような線が入ってきた。やはり白樫の杖が一番かと思うが、本赤樫にも興味がある。本赤樫の杖を売っているお店ははなかなか見かけないので、どこかで見つけたらまたまた購入してしまうかもしれない・・・・・・。

 K氏の動きも始めのころと比べてアソビが少なくなり、今日の杖の打ちや突きでの後ろ足の使い方が良くなっており、今後の変化が楽しみになってきた。毎週熱心に参加されているので、これからもドンドン伝えていきたいと思う。

 ユーカリの杖は、重さ、バランス、握った際の径の丁度良さ、などスヌケの杖の興味が薄れてしまうほど良く出来ている。スヌケがどこまでひび割れてくるか分からないが、綺麗過ぎるのも武道具としてはあまり好きでないので、らしくなるように使い込んでいきたいと思う。

 さて、明日はいろいろと事務作業があるので、明日はまたいろいろとパソコンの前にかじりつくことになりそうだ。明日は10時から高齢者のための剣術教室をおこなう。現在深夜の2時である。明日に備えてそろそろ寝よう。


2014-11-04(Tue)
 

繋ぎの重要性

 昨日は昼に品川区総合体育館で講習ををこない、夜は江東区深川スポーツセンターで講習をおこなった。昨日は初めての参加者が昼と夜を合わせると結構いらっしゃたので、11月に入っても新しい方とのご縁は続いていることを実感する。昼のほうが多めの参加人数であったが、慣れてきたせいか特にやりにくさは感じられず、全体と個人とを動き回りながら見て1時間という短い持ち時間の中で伝えていくということに、これは経験から無駄を省き全体を見て滞ることなく進めて行くという、武術としての身体の使い方と何かマッチしていることに気が付いた。

 「手の内」をテーマにおこない、刀の軌道をさまざまに通していくならこの手の内の使い方は避けては通れない部分であり、柄を持つ手が、握りしめているだけでは刀の動きが縛られてしまうものとなり、肘や肩にその縛りからなる影響が出てしまい、ぎこちない刀の軌道の繋ぎ方となってしまう。

 そういった縛りから解放されるための手の内の使い方には、指先を柔らかくまるで楽器か何かを演奏するような感覚でおこない、道具の動きと手の内の関係を見つけてあげながら、その時に必要なちょっとした指や手首の使い方を技術としてお伝えした。

 夜の講習では、殺陣クラスを見ていて新たに必要と感じた剣の操作を剣術クラスでおこなった。刀に身体が振り回されないためには、手の内を緩め場合によってはほとんど離している状態や実際に離している状態が必要であり、そうでなければ不可能な刀の軌道というものがあり、刀の軌道と身体の構造との密接な関係を皆さんに知っていただきたいと思い、敢えて難しい動作に取り組んでいただいた。

 さまざまな剣の軌道の中で、柄を握り締めたまま扱ってしまっては、その軌道に対し腕が縛られた状態で振り回されてしまうことになり、その部分を直さなければ新たな道は開けて来ない、無理がある状態で何とかしようとすれば、どこかの関節や筋を痛めてしまう。頑張ろうとしてしまうことが逆効果になる場合もあり、力むことで見なければならない部分を遠ざけてしまっている。動作の繋ぎ、手の内と柄の繋ぎ、最近の私の稽古にはこの「繋ぎ」という言葉が多く用いられ、それは滞りを消すということにも繋がり、部分的な力みからなる全体の見落としにも繋がり、そこには手の内をはじめ、重心や膝の使い方など、これから研究していかなければならないテーマが隠されているようにも感じる。

 
2014-11-03(Mon)
 

笑顔のちから

 今日は小雨の降りしきる一日であった。そして忘れ物に振り回された一日でもあった。まず、今日はgold castle 殺陣&剣術スクールの朝の部の講習を9時30分から11時00分まで戸越体育館でおこなった。前回とほぼ同じ参加人数であったため、集中的に一人ひとりを見ることが出来た。今日は手の内をテーマに、技術の習得を目標におこなった。そのなかで、上段の位置から、右手首を支点に左手首を手の内の柔らかな締めと緩みによる旋回動作をおこない、これを山登りが趣味のKさんがアイスクリームをかき混ぜているような感じと言ったことから、今日はこの名称を夜のイオンの教室でもアイスクリームと名付けた。考えてみると全然アイスクリームをかき混ぜるという例えはマッチしていないのだが、その時に自然に出た真面目なKさんの言葉が、その場の雰囲気を笑いに変え、上手くいかないと雰囲気が沈みがちになるものであるが、お陰で皆さん愉しんで取り組まれたように思う。明日はこれをより一筆書きにおこなえるように、いやネタバレになるので明日の講習が終わるまで記すのはよそう。

 11時に講習を終え、夕方におこなうイオンカルチャー文化祭での演武があるため、今日は早めに西葛西に行かなければならない。朝の部に参加されたHさんが演武を見たいとのことで、西葛西まで足を運んで下さった。それまでの時間、私はというと、バタバタと予想以外の出来事で時間に追われる嵌めとなってしまった。講習の帰り、山手線の渋谷駅で戸越体育館の鍵を持って来てしまったことに気が付き、急いで渋谷で降り再び戸越体育館まで向かったのである。帰りは品川駅で電車が来ず10分の足止めを食らい、お陰で帰宅して2時間は準備の時間が取れる予定であったのが30分となり、その間に雨対策の養生や、パソコンのチェック、メールの返信、ホームページの地図の更新、などをして最後に慌ててこの日初めての食事を摂る。とにかく時間が無かったので、冷凍してある、うどん1玉と冷凍してある玄米のおにぎり1個を腹に詰め込み家を飛び出す。慌てて家を出たせいで、九段下辺りで今日の演武で使用する予定であった音源のCDを忘れたことに気が付き、イオンへ連絡・・・・・・。

 16時30分に会場入りであるのだが、西葛西駅に到着したのは、16時20分。徒歩12分位であるが、遅刻は間違いないので、タクシーで駆けつけ16時26分に到着。Hさんと合流し、撮影して下さるということなので、控え室にて持ってきたデジカメを渡す。急いで着替えステージの袖へと移動。ここまでのあまりのバタバタ具合が、滑稽で笑えてしまいこれが今日一日の中で大きな気付きとなった。慌てる状況や苦しいときに無理して笑いを繕うのではなく、その状況を客観的に見てまるで人事のように、「アナタ大変だねぇ」と思うと、クックックと可笑しくて力が抜けてしまう。何でこんな時に笑えるのか自分でも分からないが、最近は講習でよく笑うことと関係しているのかもしれないし、笑うということと力みを抜くということが、無意識の中で繋がってきているのかもしれない。力みを嫌がっている身体が心に笑いを与えているのかもしれない。そう思うとなんだかとっても腑に落ちるのである。このことに気がついたのは、生徒であるHさんの良く笑う姿が私に影響したのかもしれない。とにかく大きな気付きを得られたのでHさんには感謝したい。

 イオンでの演武は、幸いにも代わりに使えそうな音源があったのでそれをかけて頂くこととなった。そして、開始数分前に突然、マイクで喋りながらやって下さいという不意打ちを食らう。舞台袖でインカムを付けるが、演武をすれば間違いなく外れるので、じゃあ私が合間にマイクで何か喋りながらおこないます。ということで、不思議と何がどうなっても構わないという心境の私が居た。

 今回は10分の持ち時間であるが、日本武道館でおこなわれている古武道演武大会でも、団体の演武で各流派7分という持ち時間を考えると、一人で10分は途方も無く長いのである。幸いにもマイクでの説明が合間にあったので、10分間なんとか間をを持たせる事が出来た。
 
 杖術から始まり、次に抜刀術をおこなった。二尺七寸の居合刀での演武は初めてである。今回、写真と動画を撮影していただいたので、時間があるときに動画を見てみたいと思う。写真はこちらに載せます。

 演武が終わり、お世話になったHさん、イオンの生徒達と、教室の直ぐ外にあるオープンカフェでお茶をする。ここでも笑いっぱなしの時間が過ぎ、Hさんを見送ったあと演武を身に来て下さった生徒さん達に講習をおこなった。この教室では、毎回集中的におこなえているので、皆さんの伸びを最近は良く感じるようになった。ここでは皆静かに動作を噛み締めるように取り組んでいる。もう少し人数が増えてくれば、いろいろと場の雰囲気を変えられる内容の講習もおこなえるので、今は一人ひとりの確かな技術を身に付けていただくことから優先しておこなうことにしている。

 気が付けば3時前である。明日は12時からの講習である、逆算すると・・・・・・もう少しがんばろう。

 最後に、今日の演武の写真を掲載いたします。


2014.11.1イオン演武


2014.11.1イオン演武②


2014.11.1 イオン演武③


2014.11.1 イオン演武④


2014.11.1 イオン演武⑤


2014.11.1 イオン演武⑥


2014.11.1 イオン演武⑦


2014.11.1 イオン演武⑧


2014.11.1 イオン演武⑨


2014.11.1 イオン演武⑩


2014.11.1 イオン演武⑪




やはり刀身の長さ(刃渡り)が以前の刀より7.5㎝長くなったのは写真でも分かる。まだよく動画を見ていないが、杖と抜刀の最近の動きに以前と違った変化が確認できるか興味のあるところである。こうした瞬間的な動作を写真にタイミングよく収めることが出来るのは至難の業である。Hさんの新たな才能を発見し感謝の気持ちとともにお礼を申し上げます。


2014-11-02(Sun)
 

手の柔らかさと動きの繋ぎ

 今日は約一ヶ月伸びてしまった井上欣也さんとの研究稽古を高田馬場の道場でおこなった。以前まではIさんと記していたが、許可を頂いたので今日から名前を出して記載することにした。私も以前から自分の名前を出してインターネットなどで活動報告や私の考えなどを記しているが、実名を出すということは現代ではスマートフォンなどで簡単に調べられる時代なので、そういうことも分かっていて情報を公開している。中には個人情報に対する防衛や他の仕事との兼ね合いから名前を伏せている人も少なくないと思われるが、間違いない人であればその人の考え方や活動は実名というリスクを背負った段階で一歩信用に繋がると私は思っているので、そういった人の表現というのは責任が伴う中で磨かれていくのではないかと思う。

 ツイッターやフェイスブックは私はやっていないが、現在の主流はLINEであろうか。新たなツールに莫大なお金が動き、携帯電話という多くの人が定期的にお金を次ぎ込むそういう仕組みに、自ら情報を拡散し、私はこんな人間ですという安易な情報公開が当たりまえのようにおこなわれている時代である。企業の情報漏洩から個人情報の流失がよく問題にされているが、使い方を誤ると自ら損をしていることに気が付かないままこの仕組みに乗せられてしまうのだろうか・・・・・・

 話が思わぬ方向にそれてしまったが、私がリンクさせていただいている井上さんのブログは、読んでいて優しい人柄が伝わるものであり同時に、この若さで凄く研究され特に身体の感覚は並外れたものがあるので、運動神経に自信の無い方や体の弱い方、年齢を問わずお会いしてみると、身体の感覚の面白さを教えていただけるのと、心が癒されるそんな不思議なオーラを持った方である。ご縁のある方は一度井上さんの講座に参加されることをお勧めいたします。杖やヨガなど初心者でも安心して取り組めるものだと思います。興味のある方はこちらのリンクから覗いてみて下さい。
「身旅~karatabi~」

 さて話を稽古に戻して、まず先々週生まれた杖の繋ぎをメインとした連続動作が完成した。どうしても最後の流れが生まれてこなかったのであるが、今日道場に入って最初にこの動作をおこなった時にスッと最後までの繋がりが生まれた。巴から足を引いて後方への裏車に連続で繋げておこなう流れは今まで思いつきもしなかった動きであり、今まで一度もやったことがない、流れの動作が見つかったときの喜びというのは、やった人でなければ分からないものであると思うが、時を忘れてずっとやっていたい程、飢えていたものが見つかった喜びである。

 間もなく井上さんが到着、さっそく最近の指先の繋ぎによる柔らかさを杖や木刀で体感していただき、さすが、起こりが消えることを直ぐに見抜かれ、井上さんの最近のテーマでもあったという、手の柔らかさに通じるものがあったようで共感をもってもらえた。次に杖の繋ぎを主とした連続動作をおこなっていただき、恐ろしいほどの覚えの早さで最後まで達成された。井上さんの動きを見ていて、断片的に繰り返し身体に覚えこませるといったやり方ではなく、考えながらおこなっていることで、全体が見えているように感じられた。気になったのでそのことを井上さんに伺ったところ、「何も考えずにやっています。」と仰っていたので、なるほど!と理解できたのである。考え方にもいろいろあるが、考えないように考える。頑張らないように頑張る。努力しないように努力する。などといった、一見何を言ってるの・・・?と思われるようなことでも、その場にいると感覚的にもっとも当てはまる言葉の選択なのである。つまり、人間の感覚を全て言葉や文字で表現するには無理があるということである。人間が後から作った言語などでは、人間の機能全てを解説出来ないのだろう。もう一つ井上さんが仰ったのは、「身体が気持ち良く感じるかどうかで判断しています」という言葉であった。そして、この杖の連続動作は動きの繋がりが気持ちいいですと言われていたように、この動きは私が一つひとつの動作からどう動くのが自然かと身体に教えてもらいながら生まれた動作であり、それをこのように感じていただけたことに嬉しく思う。

 次に袋竹刀を使っての組太刀をやろうとしたのだが、どうも私が井上さんとおこなう組太刀にピンとしたものが浮かんでこないので、もちろん組太刀の種類はすでに抜粋してあるのだが、今日はそのどれも違うような気がしてやる気が起きなかったので、「膝の内抜き」による胴斬りをおこない、その際の脚足の使い方を集中的に左右方向でおこなった。これは、進行方向側の足に六割ぐらい重心を掛けておき、反対の足に重心が移らないように、膝を内抜きに抜いて、その抜いた足を大きく、地面に楔を打たないようにスーッと開いてあげることで、重心の掛かった、つまり本体とともに移動し、後から足が回収されるといった、上手くいった時に「これか!」と感じることが出来る体の移動法である。

 まだまだ書き足りない部分もあるが、約一月置きに稽古してその都度新しいものがおこなえるのは、私自身それなりに少しは前に進めているのだろう。毎回遠い海老名の方から足を運んで下さるので、日々の稽古の中で現時点で身体の使い方として有効なものは全て伝えていけるように精進していかなければならない。井上さんの、独自の感覚からなる体術も、意識の持ち方で身体のメカニズムに変化が表れるという私には到底及ばない不思議な世界を体感させてもらった。「音」に関しての人間の身体の反応の不思議さ。まだまだ言葉では表現できない不思議なものがあるのだと感じた。手の平の表情という解説が印象的であった、身体の中にある流れを感じそれを操作として扱えるのは、残念ながら今の私にはまだ感覚が備わっていない。井上さんとの稽古の中で、少しでも気が付ける何かが見えてくればと思う。今日も遠いところお越しいただきありがとうございました。

 井上さんが帰られ次に、K氏との個人稽古をおこなった。杖をおこない、今日おこなった繋ぎを主とした連続動作を最後までおこなう。女性特有のズルさが随所に見られるが、これは悪い意味でなく、無理をしない身体の使い方を自然におこなっているのであろう。男性の場合、無理をする事にやった感が感じられ、誤った動作を繰り返しおこない続け、それが正しい動きであると思い込むことによって、他の動作に悪影響を及ぼしていることも少なくない。甲野先生の講座でよく仰られるのが、「これが正しいとか思っていないので参考程度にして下さい。」と圧倒的な身体の使い方を実践されている甲野先生ですら、正しいという表現をされていないのである。それには、正しいという判断をしてしまうことで、そこから先への進展にブレーキが掛かってしまうことも考えられる。そして正しいという判断を、誰がどういう理由から決めたのか。その辺をよくよく知らなければ安易に正しいという言葉を用いることは勉強不足にも捉えられ非常に危険である。

 私よりも遥かに武術稽古歴の長いK氏との稽古では、その呼吸というか、何かを探す間というか、そういう気付きに繋がる呼吸の中で稽古がおこなえるので、新たに発見できたものもK氏との稽古の中では少なくない。そういったどこかで繋がりを持ちながら稽古が出来る方との出会いは大変ありがたいものであり、これも御縁のお陰である。

 抜刀術を幾つかおこない、二之太刀までの繋がりが非常に身体の使い方として学ぶところもあるので疎かに出来ない。今日は、その中で両手手の内の使い方による、剣の回し方をおこなったときに、ああ、これは他の教室でも覚えてもらうといいだろうというちょっとした動作に気が付いた。明日明後日は丁度手の内を特集にした剣の操法なので、この動作を一つ取り入れようと思う。

 さて現在2時30分を回ったところである。明日は9時30分から講習がおこなわれる。逆算していくと・・・・・・寝よう!


2014-11-01(Sat)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『Gold Castle 殺陣&剣術スクール』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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