怪我をさせないための意識

 さあ書くぞ!と午前3時半を回ったこれから一日&一週間の締めくくりを味わいながら余韻に浸りながら、書き終わる頃には何時になっているのだろうかという不安を他所に9月の全講習を終えたgold castle 殺陣&剣術スクールのさまざまな整理を終え今の時間に至っている。

 とにかく8月9月と『るろうに剣心』の影響だろうか、新しい方が毎回参加され生徒のみなさんも驚かれているのではないかと思う。そんな中今日は5名の新しい方とともに、午後の部と夜間の部をおこなった。まずは14時から深川スポーツセンターでおこなった午後の部では、突然の参加者がお二人現れ、親御さんの見守る中15歳と12歳のご兄弟が楽しみながら真剣に講習を受けられた。その他にも、この会場まで片道2時間掛けて参加された女性の方もおり、また新しい方達とのご縁が生まれまた一つこのスクールにおける責任を感じるのであった。

 回を追うごとに空間が纏まり良くなってきているのを感じる。それは自発的な美しさから見える礼儀とも言えるだろうか、スムーズに進めていけるための流れを皆で感じ取り何も言わなくともそれぞれの意識が変わりつつあるように感じている。私も大城先生も細かいことはほとんど言わないが、皆さんそれぞれが適度な緊張感の中で自分の時間を大切にしているように思う。それぞれの方がそれぞれの理由でこのスクールに参加され時間を共にし、またそれぞれの場所へと帰ってゆく。それぞれの方にとってこの僅かな時間がいろんな意味でプラスになっていけるように、せめてその思いだけでも込めて講習にあたりたい。

 この場で敢えて細かいことを書かせてもらうなら、以前に一度書いたことがあるが、「おはようございます」という挨拶について、人それぞれに考えがあると思うので強制はしないが、私としては業務的な仕事の一貫としてという印象があるので、個人的には朝は「おはようございます」昼は「こんにちは」夜は「こんばんは」が自然であると感じる。ここでは、シンプルに殺陣や剣術の技術を愉しく学ぶことが目的なので、オーディションでも撮影でもないありのままの姿勢で取り組むことが、技術の習得には必要なのではないかと思うのである。その人の力量や人間味は壁を取り払ったときに見えてくるものであり、実はそこに役者としての魅力が潜んでいるように思う。

 本日の剣術クラスでの講習は、まず「膝を抜く」という感覚を皆さんに分かりやすく体験していただいた。しかしこれだけの人数の中、僅かな時間で理解していただくには難しかったと思う。だが、難しくて大変でも、こういったものがあるということを知っていただくことが大切なので、今後もたまにこういった内容のものを皆でおこなっていきたい。

 次に杖の対面稽古をおこなった。やはり身体の各部分を別々に動かし効率よくおこなうには、かなり動きのいい方達でもなかなか難しいようであった。その中で今日は、若手有望株のTさんが同時期に入られた二人のKさんに続いて道衣に袴姿で登場された。とても似合っていたので益々今後の稽古に励んでいただきたい。最近は袴姿の女性陣に負けじと男性陣の袴姿も増えてきている。こういったものは早いも遅いもないので、道衣に袴姿になることで姿勢も良くなる場合があるので、遠慮なく着ていただきたい。

 続いて夜間の部では、品川区総合体育館に道衣に袴姿のまま移動しスムーズに準備をおこなった。今日は午後の部に比べ夜間の部の方が若干少なかった。だが、ほぼ同数といってもいいだろう。このところ毎回第一部と第二部の参加人数が半々に分かれてきているので、問題なく講習を進められている。来週10月5日は夜間の部のみの開催となるが、深川スポーツセンターの剣道場と柔道場の仕切りを外しておこなうため、かなり広い空間での講習となる。おそらく一度に集まる参加人数も過去最多と予想されているので、それなりに対応しておこなっていく。そして折角皆さんが顔を合わせる機会でもあるので、講習終了後に集合写真を撮ろうと考えている。10月に入り水曜日と土曜日も開催することになったので、どのように人が分かれていくのかまだ予想がつかないが、毎回日曜日に参加されていた方で、仕事の都合で日曜日が行けなくなった方や、他の習い事との兼ね合いなども考えると、選択肢が増えたことで調整しやすくなるのではないかと思う。

 久しぶりに夜間の部に参加されたご婦人は、初めて見る面々に驚かれている様子であった。まだ開講して間もない頃から参加されているご婦人にとって今の状況は信じられないのではないだろうか。稽古する場所が狭くなってしまったのが申し訳ないが、今日は久しぶりに杖の稽古を集中的におこなった。とくに「前後突き」に私からの難しい注文が入ったので大変だとは思うが、杖に関して新たな刺激が必要であると感じたので、止まらないでおこなう前後突きをおこなった。つまり、後ろへの足の開きに時間差をつけることで、僅かでも動作が止まることを無くすのである。前方へ突くその寸前に左半身が先に開き始め、突いた瞬間に右半身が追いかけていく動作である。これは、突くことがおろそかになるのと、左半身の開きのタイミングを掴むために壁との距離を測り、実際に壁に向かって突いていくことで動作の確認をしやすくなる。同時に手之内からなる杖の回転も止まることなくおこなわれるので、さまざまな部分がより大変になり、出来てしまえば何てことは無いのであるが一つ一つを細かく説明していくと、よくもまあこんな細かいことをやらなきゃいけないもんだと自分自身思ってしまうのである。 上手く出来るようになるとなめらかな動作に美しさを感じるので、身につけていただきたいと思う。次に、抜刀から袈裟斬りに入り納刀までを一連の流れの中でおこなう動作をおこなっていただき、構えの際の姿勢により鞘への引っ掛かりが消えてくることが確認出来た。肘を下げ肩を落とし胸を伸ばし骨盤を立たせることが可動域を使うには重要である。気持ちがはやると上手くいかなくなるのは世の習いである。手順を大切に。

 今日はKさんが居合刀を実家から持って来て殺陣クラスでの講習をおこなっていたのだが、居合刀を使いたくなる気持ちは非常に分かるのであるが、そもそも、殺陣と剣術での刀の扱い方は全く違うものであり、分かりやすく言えば、殺陣は軽い木刀や、竹光の模擬刀を扱うための身体の使い方が多く、剣術は真剣を扱うことを前提に同等の重さである居合刀などでおこなっており、軽い竹刀にしてもその身体の使い方は全く異なるのである。したがって、殺陣で居合刀を使うのは、手首や肘または肩を故障してしまう可能性が極めて高い。これは私が混乱を防ぐために、剣術としての剣の操作をこの教室でおこなっていないことも原因であり、どうしても居合刀でおこないたい方は剣術クラスで使用していただきたい。今日Kさんがその危険性を察知して自ら止められたことは正しい判断であった。そしてついでに言っておかなければならないことは、対面稽古において、木刀以外の刀を使用する事は禁止したいと思う。殺陣でもっとも重要なことは、絶対に怪我をしないさせない動作を身につけ、そのための自覚を得られるための視野を養うことである。このことは以前私が武術稽古に置いて、左眉の上を5針縫った経験から、怪我をした私よりも怪我をさせた相手の方が精神的なショックが大きく、可哀想であったからである。その時は夜の8時過ぎで、稽古も熱を帯びてきた中私も闘志むき出しで、互いに六尺棒を振って稽古していたのであるが、チョットしたタイミングのズレから、相手の六尺棒が打ち合わせる軌道からズレ私の左目に先端部が飛んで来たので、瞬間的に右を向いて、左眉の上に当たったのである。体温脈拍が高まっている時であったので、吹き出す血の量に道場の床を汚してはならないと、両手でボタボタと溢れ出る血を受け止めながら、夜間の救急病院へ行ったのである。当時は役者として映画の打ち合わせなどもしており、顔に傷がついたことは心配であったが、幸いにして傷のつき方が目立ちにくい位置であったため大事には至らなかったが、もし顔を右に背けなかったら、左目が潰れていた可能性も考えられる。そういった私自身の経験から、役者さんの多いこのスクールで絶対に怪我をしないさせない意識を芽生えさせることは何よりも重要であり、そのことを感じたのは人数が増え手狭になってきたことと、それぞれが慣れてきた中で動きが大きくなってきたこと、木刀からより雰囲気のある模擬刀に興味を持つことなどから、危険要因が一気に高まりつつあるのを、楽しさと技術伝授の講習の裏側でジワジワと感じ始めていた。隣の人の木刀に木刀が当たるということは、体や顔に当たるということでもあり、ハインリッヒの法則で言えば、徐々にその危険性は訪れてきている。互いに注意しあっている中でのミスによる打撲は、大きな怪我にはなりにくいものであるが、予想もしていなかった、気がつかなかったという所に大怪我や事故の危険性が隠れているので、管理監督者である我々がそのあたりを伝えていかなければならない。とにかく私が言いたいことは、今のこの空間を悲しみと後悔の念に覆われてしまわないように、いつまでも、皆と共に成長しつつ愉しくそれぞれの生活に反映出来るそんな環境を目指して、皆の笑顔が見続けられる環境でありたいと願う。

 どうやら、書いているうちに気持ちが高ぶってきたようだ。ダイレクトに物事を書きすぎたのは時間帯も関係しているのだろうか・・・気がつけば6時を回っている。とにかく一人一人が技術の向上に比例するように、安全について自覚をもって取り組んでいただきたい。


2014-09-29(Mon)
 

姿勢をテーマにおこなったイオンカルチャークラブ剣術教室

 本日はイオンカルチャークラブでの剣術教室であった。今日は女性参加者のみであったため、体の姿勢やスタイルに関わってくる肩甲骨を動かす種類の稽古をおこなった。

 最近この肩甲骨に目が向き始めたのは、毎週火曜日におこなっている「高齢者のための剣術教室」により、肩甲骨の可動具合と、前傾姿勢の関連に着目し、肩甲骨周りの癒着した筋郡を解していくことで背中が軽くなり肩甲骨周りの筋肉が刺激され可動域が徐々に上がってくるのことを実感したからである。

 肩甲骨の可動域が狭いのは何も高齢者の方ばかりでなく、今日のイオンでの講習に参加された女性も硬い方がいらっしゃったので、今の内から動かしておくことが今後のことを考えて大切であると思われる。

 ここでは参加人数がまだ少ないためほぼ個人指導に近い形での講習となっている。したがって一時間という短い時間であるがほぼつきっきりでおこなっているので、中身はかなり濃いものとなっていると思う。時間のない方や忙しい方には、この短時間でみっちりと集中的に伝えることが可能なイオンカルチャークラブでの講座はオススメである。なお、他の教室ではあまりやっていない剣術としての剣の振り方なども、ここでは集中的に伝えていきたいと思っている。

 背中が丸く姿勢が悪い方は、その形で体が自然体として記憶されていることも考えられるため、強制的に元に戻していかなければならない。武術稽古では僅かな時間でしかないため、普段の生活で意識する事が重要になってくる。背中が丸くなるのと、骨盤が下がっているのは大きく関連しているため、逆に言えば、骨盤が立っていると背中が丸くなりにくいといえる。背中を意識する前に、骨盤角度を意識すると姿勢が整いやすくなる。例えば椅子に座る際に、座った状態で前かがみとなり、(その時に重心は前に掛かっていること)そのまま骨盤角度を変えないように、上体を起こしていく。(その際に腰が反らないように気をつけること)この姿勢であれば、左右の肩甲骨の間にくぼみができ、背中が丸くなりにくい。背中が丸くなってしまうと、およそ5kgと言われる頭部が下方向に下がりますます背中が曲がってくる。頭部の重さを真っ直ぐ体に受け止めるためには、肩甲骨を寄せ胸を伸ばし頭部の位置を適正な箇所に持ってこなくてはならない。つまり、姿勢を正すということは、さまざまな骨格構造が連携しあって形づくられており、姿勢がいい人は意識してその姿勢を作っているのではなく、骨格構造が適性位置に納まっているからだと思う。武術稽古を通じて姿勢に気付いた方は、普段の生活に活かさない手は無い。

 次回のイオンカルチャークラブ剣術教室での講座は木刀による素振り(袈裟斬り)をおこなう予定である。体幹を練る稽古となり、身体に負担の掛からない、私が剣術の中でもっともこだわっている袈裟斬りをおこないたいと思う。


2014-09-28(Sun)
 

一日のルーティーンによる感覚の整理

 さて、いつものように深夜に日記を書き始める。敢えて深夜にしている訳ではないが、一日のやるべきことの全てを終えて気持ちが落ち着いたところで最後の締めくくりとしているため、どうしてもこのような時間になってしまう。しかも今夜は夕食を食べるには遅すぎてしまったので、明日の朝のことを考えると別に食欲も無いので無理に食べないことにした。しかし、このような生活が大変かといえば、むしろ逆で、この流れに乗ってしまえば身体は調子がいいのである。だが、今週の月曜日は高田馬場が休館日で、次の火曜日はクラーチ剣術教室が休みであったため、私の体調が少し良くなかった。ここぞとばかりに休養したのであるが、内から滲み出てくるように普段何ともないところが違和感を覚え、今日に至っては左股関節、腰、首の軽いムチ打ちのような痛み、左肩、右手首、と主張し始めてきた。首のムチ打ちのような痛みは、一昨日の夜の稽古で、受け身のとりそこねか、激しく切り結んだ際の衝撃によるものか、とにかく昨夜から首に痛みが走っていた。

 休養をとったのち、今日は一週間ぶりに高田馬場で研究稽古&個人稽古をおこなった。不思議なもので動き出すと身体の調子が良くなってくる。さらに驚いたのは、K氏やS氏が訪れてくると、どこからそんな元気が沸いてくるのかといつものここでの自分となる。K氏も先日風邪を引いたということで、日々のルーティーンと体調の変化を感じられていたことから、その言葉を頂き今日の日記のテーマとさせていただいた。この日々のルーティーンは以前から考えていたことで、私自身としては細かく決めているわけではないが、重要な目的以外の日々の行動には余計な思考をそこに介入させないように、自動的な流れになるようなパターン化した行動が心と身体に緊張を作らず、先の見通しを経験から立てることができ、食事のタイミングや、就寝起床のタイミング、稽古のタイミングや休息のタイミングなど、一週間の流れの中で、身体に覚えさせることが出来れば、時間帯を気にするより安定的であることが脳を使う際に余計なことに気を取られにくく、積み重ねた感覚から何かを探りやすいのではないかと考える。これは、今後の私の日常におけるテーマでもあるが、なるべくシンプルに一番大事なもののためにそこに合わせるようなパターン化した日常を作りたい。それは身体にとっても思考にとってもより継続していくための進展を得るには重要であるように思うのである。

 昨日は、このブログに10月の稽古日程を配信したが、10月30日(木)と10月31日(金)の稽古を書き落としていたので、先ほど追加した。日々稽古に出かける状況となり、ここに記していない稽古も含めるとほぼ連日である。この状況により道具に対する感覚は以前よりも特に手の内の精度が安定してきたように思う。だが、そうなると不安になり、安定しない動作を求め探し始める。今日の研究稽古では、杖における脚足の使い方である。間が空いていたので今日の動きには新鮮さを感じたが、ただ忙しく動いている感じなので、そこに必然性がどう関わって来るのかこれからの動作にいろいろと考えながら答えを探し求めていかなければならない。

 抜刀術に関しては、帰りの道中K氏に話したが、一年半位前までは技によっては波があったのだが、最近はほとんど波がなくおこなえるようになった。もちろん私の低いレベルでの話しなので、こうして書くのも恥ずかしいのだが、何を言いたいかというと、当時は激しい剣の振りを稽古の中で多くおこなっていたため、その際についた筋肉などが感覚を狂わせ、精度を欠き日によって大きな波があったのである。今年の5月29日に二尺七寸の居合刀を購入し、その日から以前の二尺四寸五分の刀を一度も振っていないが、今ではほぼ同じ感覚で抜刀していることに気がついた。購入して間もない頃は、抜くには問題ないが、刀身で約7.5㎝身幅も拡がり重ねも厚くなったため、初動から最後までの纏まった感覚が全く異なったものとなり、時に購入したのを後悔するほどの違和感があった。納刀にしても同様に、一回一回大変さを感じ、確かにこれは稽古になるなと感じたのであった。そもそもなぜ刀を長くしたかというと、抜刀に対する興味が薄れてきたからである。私にとって抜刀術はもっともこだわりのあるものなので、これは次の段階に入らなければならないと感じたのであった。つまり、抜けたつもりでその先を求めないようになってしまうことを避けるために、長い刀が必要となったのである。可動域や手之内、身体の纏まりなどよりシビアになってくるが、現在は違和感が消え去り以前の刀の感覚と同様になってきた。もちろん今後は、抜刀術稽古のための真剣を購入することを踏まえ、現在の刀を使いこなせるように修練していかなければならない。だが、真剣での扱いやすさを想像すると現在の抜刀術の感覚がどのようになるのか非常に楽しみである。今は我慢しながら、扱い難い合金製のヤワな刀身で精度を上げていこう。

 個人稽古ではまずK氏と杖の稽古をおこない、直ぐに抜刀術に入った。抜刀術では「潜龍出池」「稲妻抜き」「津波返し」をおこなった。この新しく伝えた「津波返し」は見た目に比べ、以外に危険度が低いことに気がついた。現在はだいたい十種類位に整理したが、今まで私がおこなってきたものは二十種類位ありその中から現在興味ある身体の使い方に関するものを選び整理したが、今後復活するものもあるかもしれない。

 続いてS氏が参加され、皆で杖の稽古に入る。「回し打ち」を追い込みながらおこなうものと、抜き技としておこなうものと、それぞれの使い方でおこなった。特に対人稽古では間合いが重要で、その距離感から逃げず捕まらず、正確な脚捌きが要求される。これは心理面も大きく影響してくるので、言葉で言ってもなかなか難しい部分もある。とにかく対人稽古では、相手との間合い、周囲との間合いを客観的に見てとり、その目線から自分自身を見つめていかなくては、見えてこないものが多いだろう。私はあまりうるさく言うことは今までそういう人を見てきた経験から反面教師として、絶対におこなわないことにしているが、それが優しい対応かと言えばそうでもないだろう。その時に進められるもの、打ち切るものを判断し、身に付くかどうかは本人次第なので、その部分を見ながら今後も柔軟な対応で取り組んでいきたい。

 組太刀稽古では、合間に八相から相手が横に出した竹刀を打ち落とす稽古をおこない、横に出した側は、これを打たれないように竹刀を左右どちらかに動かすのであるが、これはほぼ打たれてしまう。上段からであればまだ余裕があるが、腕を下げた八相からではかなり厳しく、S氏相手に私が打ち込むとほぼ全て速度を落としても打ち落とすことが出来る。今度は交代してS氏が打ち込み私が外す側となったのであるが、これがなかなか難しい。最近感じた、意識を小さく無駄を無くす動作を試みるも何度も打たれてしまい、組太刀稽古そっちのけで数十本S氏の打ち込みを外すことに集中し、平均すると五本中二本位は外せるようになったが、まだまだ未熟であると痛感したのであった。

 私の組太刀稽古は、今のところ速さに重きを置いている。そのためには打太刀の速さも厳しくしているが、今後はまた違った観点からもこの組太刀稽古を考え取り組んでいこうと思う。ただ、形骸化した動作にだけはならないように気をつけなければならない。

 現在3時半を回ったところである。開いた窓の外からは虫達による鈴の音が鳴り響き、先日までの蝉の鳴き声とまるで違った雰囲気である。花にしても虫にしても、儚い命の中でその季節を精一杯生きているのだと感じてしまう。果たして人間は何に向かって精一杯生きていかなくてはならないのだろう・・・・・・


2014-09-27(Sat)
 

2014年10月 武術稽古日程              (剣術・抜刀術・杖術・槍術・薙刀術・体術)

※高田馬場での(研究稽古&個人指導)に関する稽古見学、または参加希望の方はこちらの【お問い合わせフォーム】よりご連絡下さい。

※gold castle 殺陣&剣術スクールの詳細や申し込みにつきましてはホームページをご確認下さい。
http://www.tate-ken.com

※イオンカルチャークラブ剣術教室の詳細や申し込みにつきましては、こちらをご確認下さい。 03-5679-6091(受付時間 9:00~20:00)
http://www.aeonculture.jp/products/detail.php?product_id=3746





10月3日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』 


10月4日 (土曜日) 18時30分~19時30分 イオン葛西店
               『イオンカルチャークラブ剣術教室』 


10月5日 (日曜日) 18時30分~20時30分 江東区 深川スポーツセンター
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』


10月6日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


10月7日 (火曜日) 10時00分~11時30分 『クラーチ剣術教室』


10月9日 (木曜日) 14時00分~16時00分 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


10月10日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』 


10月11日 (土曜日) 12時30分~14時00分 品川区 戸越体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』
              18時30分~19時30分 イオン葛西店
               『イオンカルチャークラブ剣術教室』  


10月12日 (日曜日) 12時00分~14時00分 品川区 総合体育館 
                18時30分~20時30分 品川区 総合体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』


10月13日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


10月14日 (火曜日) 10時00分~11時30分 『クラーチ剣術教室』


10月16日 (木曜日) 14時00分~16時00分 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


10月17日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』 


10月18日 (土曜日) 12時30分~14時00分 品川区 戸越体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』  
              18時30分~19時30分 イオン葛西店
               『イオンカルチャークラブ剣術教室』 


10月19日 (日曜日) 18時30分~20時30分 品川区 戸越体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』
             

10月20日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


10月21日 (火曜日) 10時00分~11時30分 『クラーチ剣術教室』


10月23日 (木曜日) 14時00分~16時00分 高田馬場 『研究稽古&個人指導』


10月24日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』 


10月25日 (土曜日) 9時30分~11時00分 品川区 戸越体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』
             18時30分~19時30分 イオン葛西店
               『イオンカルチャークラブ剣術教室』 


10月26日 (日曜日) 12時00分~14時00分 品川区 総合体育館
              18時30分~20時30分 品川区 総合体育館
               『gold castle 殺陣&剣術スクール』


10月28日 (火曜日) 10時00分~11時30分 『クラーチ剣術教室』

       
10月30日 (木曜日) 14時00分~16時00分 高田馬場 『研究稽古&個人指導』
             (※長野県上田市にて撮影のため稽古は中止となりました)


10月31日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 『研究稽古&個人指導』 
             (※撮影予備日のため中止いたします)





※高田馬場での稽古時間は
(月曜日・金曜日)の場合、17時00分~21時00分までの間で調整いたします。
(木曜日)の場合、14時00分~16時00分までの間で調整いたします。 

①14時00分~16時00分 (木曜日)
②17時00分~19時00分 (月曜日・金曜日)
③18時00分~20時00分 (月曜日・金曜日)
④19時00分~21時00分 (月曜日・金曜日)

いずれかの参加しやすい時間帯でお越し下さい。
前日までには希望日時をメールまたは【お問い合わせフォーム】よりお知らせ下さい。

※高田馬場での稽古参加費は1回2,000円です。(別途入館料400円かかります)

※稽古場所の詳細や稽古内容、稽古時間のご相談、道具類その他のご質問等につきましてはメールまたは【お問い合わせフォーム】よりお受けいたします。

※都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。


2014-09-25(Thu)
 

愉しさと鍛錬と誠意とのバランス

 昨日はgold castle 殺陣&剣術スクールの講習を品川区総合体育館と戸越体育館にておこなった。昨夜は就寝したのが3時頃だった為、日記を記すことが出来なかったが、今日は高田馬場の武道場が休館日であるため、一日の出来事を取りあえず先に済ませ、現在18時過ぎに日記を書き始めている。やはり、間に時間と他の出来事を挟んでしまうと気持ちが次に変わりゆくため、昨日の出来事が過去のものに思えてきてしまう。やはり大切なことはなるべく他の出来事を挟む前に記さなければならないと、昨日の深夜に意識が薄れかけた状況での熱意に反して今の冷めた状況では感じてしまう。

 まず、昼間におこなった講習では、初めての方や体験の方が数名おられたため、二つのグループに分けて抜刀、袈裟斬り、納刀の動作のグループと、帯刀、脱刀、納刀のグループに分けおこなった。人数が増えてくると、一連の動作を伝えるのになかなか難しい部分があり、特に袈裟斬りやそれに繋がる刀の軌道が、現状やらない方がいいと判断したため、趺踞(フキョ)からの抜刀をおこなうことにした。それとともに、初めての方や、体験の方もその座り方に興味を示していたので、皆でこの座り方と抜刀をおこなうことにした。

 このスクールが開講してまだ数回目の頃、受講されるかたの要望で、腹(丹田)に効く講習を期待されていたので、この趺踞の姿勢と、今では全くおこなっていない・・・というか、その一回限りで廃止した鍛錬目的の講習内容をおこなったところ、私はそれほどでもないと思っていたがハードだったらしく、それ以来こういった内容のものはあまりやらないようにしてきた。

 今回はそれ以来となる、趺踞の姿勢とその姿勢からの抜刀をおこなった。これはバランスを取りながらその姿勢を維持するだけでも稽古になっているので皆でおこなっていただき、抜くにはまだ早すぎるのであるが楽しんでいただくために皆さんに抜刀していただいた。

 ご婦人との集中稽古では、抜き付けから袈裟斬りに入り納刀までを一連の動作でおこなっていただいた。この三つの動作はそれぞれに身体全身を使っておこなうため、一連の流れを集中しておこなうことで、さまざまに効果的であると言えるだろう。今後は、この一連の動作を正確におこなえるようにおこないたい。

 夜間の講習では、三回目の方が一人とあとは全員体験終了者であったため、全員で昼間と同様に趺踞の姿勢と、抜刀をおこなっていただいた。今回は一人一人全員に、この座り方を伝えて回ったので、家でも実践していただければブレの生じ難い身体に近づいていけると思う。今回見て感じたのは、やはり年齢や性別を問わず、身体がある程度纏まっている方は、この趺踞の座り方が安定しているということ。

 昨日の講習を終えて感じたことは、納刀はゆっくりとおこない、一つ一つを確認しながらおこないやすいので伝えやすいのであるが、抜刀となるとどうしても速く抜くことに捉われ、身体全体の動作に目がいかなくなってくる。そのため、何かいい方法はないかと考えていたが、手の内、肘、肩、股関節、膝、足など、各部分を丁寧に、誰でもおこなえるようにするためには、刀を持たずにおこなった方がいいことに気がついた。もちろん後でその動作を踏まえて刀を持っていただくが、始めに刀を持つと、手の内が使えず、その影響が全身に影響してくるため、ゆっくりと全身がさまざまに動いていく動作を、中国武術のような動作に見えるかも知れないが、私の中では確信的なものがあるので次回の剣の講習でおこないたいと思う。

 受講生が増えてきた中で、ある程度動けるようになってきた方々も増えてきた。そのため今まで以上に講習内容に注意しながらそれぞれの方を導いていかなくてはならないと感じた。10月からは水曜日と土曜日も開催されることとなったため、ある程度人数が分散されるか、もしくは少数での集中稽古となるであろう。私としては、愉しく取り組んでいただけるようにおこないながら、時にはあまくはない部分を示していければと思う。ただ単に楽しくおこなうことは出来るだろうが、そこに誠意がなければ偽りとなってしまうおそれがある。さまざまなバランスを考えながら、大所帯となりつつあるこのスクールで皆を伸ばしていくには、その辺の舵をシッカリととってゆかなければならない。そのためには私自身精進して稽古をしていかなければならないし、そのことを自身の変化とともに今後もこのブログに書き記していこうと思う。


2014-09-22(Mon)
 

二度の偶然

 本日はイオンカルチャークラブにて剣術教室の講座をおこなった。今日は会員メンバーの方と合わせて体験参加の方3名が受講され、鞘付き木刀と杖を使い本日も一時間があっという間に過ぎた講習であった。その中でも、Iさんご夫婦のご主人は合気道を十数年されており、来月はほぼ毎週土曜日は演武会に出られるというほどの方である。私がおこなっている高田馬場での個人指導でも合気道の方が参加されており、いずれの方も現在続けながら私がおこなっている剣術や抜刀術、杖術に興味を持って参加されているという状況である。

 私が思うにやはり道具を使うというのは、出来たか出来ていないか非常に分かり易いものであるため、そこに求めるものを具体的に手に入れたいという思いが強くなるのだと思う。つまり、動作からなる実感を求めたいということではないだろうか。今日はそういった意味ではIさんのご主人に喜んでいただけたと思う。

 Yさんご夫婦も今回始めての体験参加であり、カルチャークラブならではの気軽さで楽しんでいただけたと思う。るろうに剣心を観てからの参加ということであるが、実際に体験してみてどのように感じられただろうか。殺陣がブームとなってきているのを感じているが、キッカケはどうであれ、まずは入り口に入ってみることが重要であり、道具をコントロールする技術を身に付けながら、身体の鍛錬にもなり、姿勢や脳といった部分にまで幅広く影響があるこの剣術教室で、一般の方でも楽しく参加出来る雰囲気でこれからもおこなっていきたいと思う。

 今日は往復の道中で二度の偶然があった。まずは、西葛西に向かうため、九段下から東西線に乗り換える電車に乗り込む寸前、目の前の扉から乗ってゆく、gold castle 殺陣&剣術スクールの生徒であるSさんを発見し、そのまま一緒に電車に乗ったこと。そして、帰りに西葛西駅の改札の手前で、今度はHさんに声を掛けられそこで立ち話となったこと。同じ日の往復の駅で、これだけ人が沢山いる中で、少しのタイミングや居場所が違っただけで合うこともないのだが、不思議なものだなぁと・・・・・・そう言えばずいぶん前に近所で一本歯の高下駄を履いた新陰流を使う人物の話をしていた日に、その同日おそらく格好からしてその話をしていたであろう人物と、新宿駅の電車を降りたところでバッタリと合い、そのまま次の路線のホームまで一本歯と二本歯が長いこと前後に並んで歩いたことがあるのを思い出す。

 このように、不思議なことはよくあるもので、縁というのはそういった無意識の繋がりのようなものがどこかにあるのかもしれない。


2014-09-21(Sun)
 

さまざまな波長から見えてくるもの

 驚くべき光景であった。武道場でガムを噛みながら殺陣の稽古をしている人がいたのである。その人は、私よりかなり年上の殺陣の指導者であるのだが、今日は生徒が誰もいなかったせいか一人でガムを噛みながら鏡の前で稽古をしていた。願わくば、ガムを噛む芝居であるか、この咀嚼動作が力みを抜く方法であるかと思いたいがそうではなさそうであった。

 私は、このブログであまり批判的なことを書くのを好まないのだが、非常に悲しい気持ちになってしまったのと、数多い殺陣の指導者を傍で視界に入った中で見てきた印象から、武術稽古人と似て非なる存在に、その違いなど分からない多くの初心者の方が不幸な出会いにならない事を祈るしかない。(殺陣の指導者にも優れた方はいらっしゃるが・・・)

 もちろん人それぞれ価値観が違うように、誰と誰がどうなろうとそれは縁であり、呼び寄せるのも引き寄せられるのもその人のもっている波長が合っているから共にいられる訳であり、そうでない場合は離れていくだけである。良くも悪くも結果としてその人物と波長の合う人間が周囲に残ることになるのではないだろうか。

 礼儀や所作を伝える者がせめて武道場内だけでも見本となる言動であることは考えるまでもないことで、私としては礼儀作法は、気持ちが一番大切で所作は技術であると思っているので、武道場でどのような対応をするかに、全てに繋がるものが関係してくると思っている。

 同じ道場で出会う方の中に、私が以前から素晴らしいと思っている方で、その気持ちが揺らいだことは一瞬たりとも無い剣術師範の方は、お会いするたびK師範の心からの挨拶に、恐縮する思いで挨拶を交わさせていただいている。こういう方から稽古指導を受けられる人は幸せであると思う。学びとは、指導者が身を持って示すことから得られるものが多く、そういった意味では、私が影響を受け人生が大きく変わったのは甲野善紀先生の存在であることは間違いない。

 武術に出会ったのは遅かったが、今現在の私の環境は仮に早く始めていたとしてもこのような環境になっていなかったのではないかと思われるほど有難いものであり、現在は時間を取り戻すかのように稽古に取り組んでいる。人に出会い、人に助けられ、人にお返し出来るように励む。そういった波長の方々とこれからの武術を通じた人生を共にしたい。

 さて、本日は14時から16時までK氏との個人稽古をおこなった。K氏の熱心さは、銅のように熱しやすく冷めやすいタイプではなく、ジワジワと芯まで熱せられた温度は少々のことでは冷めず、安定感とともに成長するための継続性の重要さを心得ておられる方である。こういった稽古に対する不純物の少ない純度の高い気持ちの方と稽古をおこなうといろいろな発見があり、私にとって非常に貴重な時間でもある。

 今日は杖の稽古で咄嗟に思いついたのが、「打ち」も「突き」も後ろへ下がりながらおこなうというもの。この目的は、伝えていく中で杖の出所と足運びとの連携が、前に進む方法ではどうしても上手くいかなかったので、簡単な体術で垂直の力とあずける(寄り掛かる)力の違いを体感していただき、そのための杖の使い方を後ろに下がりながらおこなったのである。私自身、このような稽古は初めてなので一緒にやってみて非常に興味深いものがあった。重いユスの木刀でロックをかける感覚を見つけるために後ろに下がりながらおこなったりもしたが、杖にしても木刀にしても、後ろに下がりながらおこなっている人はあまりいないのではないだろうか・・・・・・

 K氏の動きに変化が見られた。押しても駄目なら引いてみなとまでは言わないが、慣れていない動作であるために癖が出にくく修正が効き易いことが分かった。左利きのK氏と利き腕について話をした中で専門的なことは判らないが、手の器用さや感覚などは結局は脳からの指令なので、その脳からの指令系統が右利きや左利きに分かれるのではないかということや、初めにおこなった方の手がその動作に慣れてくるということもあり、利き腕に限らず、脳からの指令系統がその動作に大きく関わっており、得手不得手に影響してくるのだろう。そして、知らないがため不幸にしておかしな動作を身に付けたばかりにその後の修正が何もしていない人より遥かに時間が掛かってしまうケースをよく見てきた。

 つまり、上手く出来る出来ないには脳との関係が大きく左右しており、何も考えずに数を目的としたやり方ではあまりにも時間と労力の無駄であり、怪我の防止と意欲の向上のためにも感覚に目を向けさまざまに身体とコミュニケーションを図るようにし、脳との連携を深めていけるように変えていくことが、新しい道への扉を開くキッカケになるのではないかと思う。

 続いて抜刀術の稽古に入った。今日一番の驚きは、今まで「稲妻抜き」を何人かに伝えてきたが、(私の稲妻抜きはS師範から基本となるものを伝えられ、そこから自身の身体の変化とともに変わった現在の形である。オリジナルは甲野先生でありかなり違う形となっている)今まで伝えてきた中でもっとも軌道が正確に大きな動作の違いも無くおこなえていることに感動してしまった。なぜそれほどまでにかというと、速さにこだわり何度説明しても正確な軌道にならない方がほとんどであるため、鞘を割る確率も比較的高いこの抜刀術を伝えることに躊躇があったからである。K氏は、速さよりも動きの正確さを求められるので、この稲妻抜きが安定的におこなえるのであれば、全て伝えても大丈夫だと思うのである。ただ、まだ私自身恐怖心が拭い去らない「隼抜き」がどうなるのかという部分もあるが、おそらく大丈夫であろう。

 袋竹刀での組太刀稽古では、3つの技を稽古するのに30分掛かってしまい、毎回なかなか進められないが、おそらく今のところは1回の稽古で3つ位までがいいだろう。こなすことを目的に、同じタイミングでおこなってはならない。

 今日は上段に竹刀が隠れるように構えると、打太刀が反応出来ない事が判った。これは甲野先生との太刀奪りでの稽古の際に上段からの難しさを体験したことが影響しており、この構えからの反応は非常に難しく間合いに入れない。だが、正眼に構えられると形勢は一転するので、今後いつになるか判らないが、この見えない上段と正眼の組太刀を理合いとともに整理出来ればと思う。組太刀稽古は私自身ずいぶん遅れをとってしまっているが、今のところ、袋竹刀を手にしてから予想通りの展開となってきており、まだまだ微妙な繊細な操作には程遠いが、そこに向けて技の整理とともに進んでいきたいと思う。

 武術稽古の進展は個人の努力もあるが、人との出会いも大きく関わっており、これからもさまざまに波長の合う人やそうでない人との関わりがあるだろう。私自身、乱れず惑わされずこれからも共にしていく方々を大切に、力をいただきながらその力をお返ししていけるような活動にしていきたいと思う。


2014-09-18(Thu)
 

これからの高齢者の必要性とそのための身体づくり

 今日は昼頃に「高齢者のための剣術教室」の講習を終えいつものメンバーでお昼を頂いていた時に大きな地震があった。ドンと来た後に続く長い横揺れの時間から、3.11の時のようにどこかで大変な事態が起きていないか一瞬ヒヤリとしたが、レストランにあるテレビと、館内放送から、大事には至らなかったことを知り安心した。東京では震度4だったらしいが5弱と言っても大袈裟ではないぐらいの感じであった。そのため私の右隣に座っておられたO夫妻の奥様が私の右腕をパッと掴まれたのも分かる気がする。地震、雷、火事、親父・・・親父はどこに言っちゃったのかしらねぇと笑い話となったが、確かに怖い頑固親父は見かけなくなったような気がする。先日の敬老の日に発表されたという高齢者の割合であるが、現在65歳以上の方が4人に1人となり、75歳以上の方が8人に1人という統計結果であるという。これはつまり日本の総人口25%の方が65歳以上という現実であり、昔の65歳の方と今の65歳の方を比べるとずいぶん若くなっていると思うが、体力や筋力の衰えがあることが現実問題としてあるため、思考はまだまだ元気で活力もあるのだが、身体がついてこないもどかしさを感じられている方も少なくないだろう。身体がついてこない事で、気持ちの方も衰えてきてしまい諦めがちな思考になりやすいのではないだろうか。65歳といっても凄まじい超人のような方が世の中にはいらっしゃるので、そういう方に出会えると、年齢というものに対する概念が大きく変わり、歳をとることに対する不安というよりこういう風に歳を重ねていけたら凄いだろうなと思える憧れとなり、この歳になったらこうなるのが普通であるとか、こう過ごすのが当然であるという、世間一般的な考え方がまだまだそうではない人達に対するプレッシャーとなっているのではないだろうか・・・・・・

 これから高齢者の方が元気でいてもらわなくては困る大変な時代に突入していくが、おそらく今よりもっと若い高齢者の方が増えてくるだろう。それは、時代の要求の変化とともに医療や食事、新たなカルチャーが生まれさらに便利なものが次から次へと現れて来ることも考えられる。

 そういった現役を求められる時代になった時に、私としては高齢者の方の経験からなる知識や、人柄や常識など、世の中の若い人達に生で伝えていけるような立場や環境になれば、得るものは大きくより必要とされるのではないかと思う。そのために武術稽古は、怪我を防止するためや姿勢を整える身体の使い方を学びながら、頭の回路をフル活用して自信を取り戻し、貴重な経験を活かすための身体づくりが必要であるのではないかと思う。

 今日の剣術教室では、杖の「巴」を皆さんにおこなっていただいた。前回最後に少しだけおこなったので、今日お会いするなり、こうだったわよね?ああだったわよね?と講習が始まる前から熱心な方々から質問されるので、この巴に時間を掛けておこなった。あらためて、杖の動作は肩甲骨の開閉動作が多いので、高齢者の方の運動としては最適であると思う。そして、週一回の講習で一ヶ月半が経ち、肩甲骨の可動域向上が私が想像していたよりもかなり早く成果として表れて来ていることに私としても大きな喜びがある。今日は実感として納得していただけたものに、道具を使っておこなうことに集中力が求められ、一つひとつが出来ていないと動作が続かないので効果があるということである。それは、手の持ち方から、手の滑らせ方、手首の巻き込みや返し、それらを同時におこないながら体を回転させるという大変な動作を要求している。そして、この動作をちゃんと出来るように考えながら、何度もおこなっているうちに、実はかなり身体全体への運動効果も出ており、あまり動作の中で意識していない腿への重心の変化からなる刺激が、シッカリと鍛錬されているのである。膝の悪い方には負荷を掛けないようにしていただいているが、当初聞いていた、腰の不安や膝の不安の話は、ここ最近聞かなくなった。

 次に「前後突き」をおこなった。これが意外なほど皆さん早く出来たのに驚いたのであるが、おそらく巴による感覚が、操作は変わってくるが、前後突きにおいても活かされていたからだと思う。この時に、皆さんの感覚が芽生え始めてきていることを実感したのである。前後突きといっても、ただ突くだけでなく、杖が常に回転し続けるための手之内からなる、肘、肩が詰まらないためにおこなっているので、特に前に突いた後、後ろへ杖を引く際の左手の返しと、杖の中心が身体の中心を通過した際の右手からの巻き込みがこの動作における難しい部分であるが、今日は皆さん本当に良く出来たのではないだろうか。

 最後に皆さんに鞘付き木刀を帯刀していただき、刀の抜き方と、三角納刀にチャレンジしていただいた。以前であれば、この鞘付き木刀での稽古には躊躇が見られたのであるが、今日は皆さんなんの躊躇もなく帯刀していただき、全員刀を抜き、そして納めることが出来た。やはり、杖による稽古により、道具に触れることへの慣れと身体の変化による好奇心が大きかったのではないだろうか。この刀を抜いて納める動作も、肩甲骨や大腿部を使いながら調和を図る全身運動となっているので、杖の稽古と合わせておこなうことで、より身体の変化を感じやすくなるのではないだろうか。

 笑いの絶えないこの教室で、安心感とともに皆さんとともに稽古が出来るのは幸せなことであり、一人で数時間誰も声を掛けられないような雰囲気の中で取り憑かれたようにおこなっている激しい稽古と比べ対照的であるが、得られるものの大事さは同じである。人が人と出会うというのは本当に大きな出来事であるとあらためて思う。


2014-09-17(Wed)
 

手首の重要性

 本日は高田馬場でK氏との個人稽古をおこなった。今日は稽古前に自宅で杖の手入れをおこない、初めて油を塗りその滑り具合と手触りの良さに、どうしてもっと早くやらなかったのかと後悔するほど感触が良くなった。だが、条件が悪かった中で手之内の使い方が自然に慣れてきたこともあり、どちらでもいいというのが正直な感想である。今月中に新しく特注した杖が届く予定だが、ニス無しにして、油を塗って手入れした方がよかったのかもしれないと少々後悔しているが、お店のフランス人の店主と電話で15分話して決めたので、サイズや感触、耐久性に問題が無ければ使い込んでいこうと思う。

 今日はその杖の稽古で、身体の開きが左右の動作の時間差を埋めてくれることが分かり、動きの連動性に大きく繋がり、また次の動作への負担を減らすということにも繋がることが分かった。例えば仕事において、ヒマな時間の過ごし方で忙しくなったときの対応に差が出てくるように、何もせずに休んでいるか、忙しくなっても楽にスムーズにこなせるように、流れを作っておくかという具合に、左右別々の動作に生じる動作のぎこちなさを、身体が開いて閉じることで、上手く繋げてくれる役割になっていることが分かった。これはさまざまな動作の中でも次に転じる動きの前段階後半からそのような使い方をすれば負担が減ってくるかもしれない。この動作については今後いろいろと考えて検証していきたい。

 次に、杖の握りについてK氏に指導している内に、私自身手の平ではなく指の付け根辺りで握っていることに気が付いた。このことにより、細かい巻き込みと返しの動作が容易になり、杖の打ちにおいて、ジャイロ回転におこなえていることが分かった。これは、手之内が詰まり無くおこないたいため自然とそのような握りとなっていったのだろう。私自身回転と滑りが、左右どちらか目まぐるしく入れ替わり、まるでエンジンのピストン運動のように、常に速度を変えながら手之内が動き続けているようなイメージがある。杖の新たな操法としてのヒントに、この手之内からなる細やかな変化に足がどのように導かれていくか、そしてその速度を利用する動作を見つけ何かが生まれないかと想像する。おそらくそういった操法に合った構えに変わり、細やかなところが変わっていくのではないかと思う。

 次に抜刀術となり、潜龍出池と天神抜きをおこなった。潜龍出池では右手の手首の使い方が重要であることにあらためて気が付いた。次に組太刀稽古に入り、今日はジックリと身体と相談しながら身体の使い方の効率を上げていくことが出来た。構えの際の切っ先の位置が、僅か数センチ違うだけで相手の起こりに対する反応が激変してくる。そして頭の位置が下に向き過ぎてしまうと、身体は少し前に出ただけで止まってしまい、相手の振り下ろす竹刀の軌道内に入ってしまう。頭の位置が下を向かず前に出ることで、身体はスーッと安定し伸びていける。さらに、左手之内がほとんど握っていないことで、剣がより最短の軌道で、相手の脇の下に入って行き、起こりとともに、右手の操作で剣が最短で飛び、右足が引っ張られるように深く入り、身体が追いついてくるという感覚となり、前回、前々回と比べると、今回の対応の速さはなんだか楽をしているかのような感じさえしてくる。前回の覇気のこもった組太刀と違い、今回は僅かな間にさまざまに進展していけたので、終始笑顔でニコニコしていたように思う。この嬉しさはあとに響く嬉しさであり、やはり稽古が終わった後のこの感じは次に向けての意欲溢れるものとなっていなければならないとあらためて思う。二本目におこなった技では、やはり打太刀は無構えからではなく右足前からの八相の方がよりシビアに起こりを捉え、居着かずにフライングせずに、身体の状態を整えられるかという稽古になる。これは感覚的に引き出されるものがあるので、時間感覚を変える意味でも始めにおこなうべきであると感じた。三本目では、手と足を沈みに合わせていかに効率よく操作出来るかが重要であり、最終的な姿勢は、背中があまり丸まっていない方が腿と腰への負担も減り、身体の変化とともに精度が上がる技であるといえよう。身体を練るという意味では無くしてはならない組太刀だと思う。

 今日の個人指導の中で分かった事は、手首の重要性である。杖にしても抜刀にしても袋竹刀でも、全て重要な技術の中に手首の使い方が含まれている。私自身今日の使い方においては習って身に付いたものでなく、やっているうちに気が付いたものであり、今後何気無くやっていたことが、意識して気が付くことでより精度が上がってくるかもしれないしそうなって欲しいと願う。鹿島神流の満月と新月はやはり重要な手之内の操法だと思う。使い方は少し変わってくるが今後も私なりにその辺からも研究していきたい。


2014-09-16(Tue)
 

江東区で初開催のgold castle 殺陣&剣術スクール

 昨日はgold castle 殺陣&剣術スクールでの講習を江東区と品川区でおこなった。まず、初めての開催場所であった江東区深川スポーツセンターでは、一階に武道場があるので外からの日差しもよく入り、入り口も通路を歩いていると外から直ぐに分かる場所なので、まず雰囲気の良さを感じ、何となくではあるが良い気の流れを感じられる会場であった。会場までの最寄り駅が徒歩2分ともっとも近い越中島に向かうため、JR中央線で東京駅からJR京葉線に乗り換えたのだが、この乗換えがかなり移動距離があり10分以上はかかったのではないだろうか・・・ 次回9月28日は、会場まで徒歩5分のJR東西線で門前仲町から向かおうと思う。

 まずは、深川スポーツセンターでおこなわれた午後の部14時00分~16時00分の講習では初めての方が3名参加され、またアクセスが遠くなった方もかなりお越しいただくことが出来たので、品川区でおこなわれた夜間の部の参加人数とピッタリ同じ人数でおこなうことが出来た。とはいえ得物を使う私共の教室では、ある程度周囲との距離をとらなければならないため、かなり手狭な中でおこなうことになった。来月からは水曜日と土曜日に、殺陣クラスと剣術クラスをそれぞれ開催するので、日程的に都合のよろしい方は、現在よりも集中的に見ることが出来ると思うのでご参加いただきたいと思う。



水曜日の殺陣クラスや土曜日の剣術クラス、日曜日の殺陣&剣術クラスへの参加も可能ですが、日曜日が4週ある月では4回までの講習参加が通常の月謝4.000円となっておりますので、その月内における合計受講回数が4回を超えた場合、その回数ごとにプラス1.000円とさせていただきます。ご都合に合わせてご参加下さい。例えば、月の合計受講回数が、5回の場合は月謝の合計金額が5.000円、6回の場合は6.000円となります。また、月によっては日曜日が5回ある週もありますのでその場合は、1回分サービスとなっておりますので、5回受講まで4.000円です。このサービスは4回以上受講の方に限ります。



さて、話を元に戻し昨日の深川スポーツセンターでは、柔道場での講習となったため、もしかするとまた剣術クラスで受け身をやるのでは・・・と思われていた方もいたかもしれないが、昨日は杖を使った「対面稽古特集」をおこなった。これは、白樫の杖の購入者が増えてきたことと、それぞれの参加者がある程度対応出来ると判断したからであり、昨日の講習で、こういったことをやってみたかったと感じられた方もいたのではないだろうか。

 始めに杖の型稽古から入りたかったが、午後の部、夜間の部ともに手狭であったためそれは断念した。初めての方には杖の基本的な持ち替え方や、単体技をおこなっていただき手の内の感覚や動作における重心のコントロールについて体験していただいた。その他の皆さんは、全員で抜き技の「下段抜き」をおこない、夜間の部も含めて同時にこれだけの人数の方にこの技を伝えていることに不思議な気持ちとなってしまった。もちろん皆さんドンっと一瞬でおこなうわけにはいかないので、イチ・ニ・サンとそれぞれ足の使い方と手の持ち替えなどを連動させておこなうようにしているので、難しいと思われていた方もそれぞれに取り組んでいただけたのではないかと思う。もちろんそれでも難しい方もいらっしゃると思うが、一つひとつを覚えていけるようにすれば繋がっていくので、思考に制限をかけずにまず一つをおこなえることからスタートし自分のペースでおこなえるように頑張っていただきたい。

 次に白樫の杖グループと貸し出し用の柔らかい杖のグループに分け、白樫グループでは私が考えていた上下に二合合わせたのち、互いに「水車」で間合いをとり、そこから回し打ちに入りながら槍術でいうところの「虚突」に入る動作をおこなっていただいた。貸し出し杖のグループはそのまま打ち合うことの無い下段抜きに引き続き取り組んでいただいた。

 皆さんにも感じていただけたのではないかと思われるが、手の内を柔らかく、滑らせるように使うことと、手首の巻き込みと返しが瞬間的な動作に大きく関わってくるのと、それらを統御していくための重要な足の使い方である。無駄を省き手足の連動が適切なところで使えると、全体的な動作は美しく見えるのである。それは私が師事している甲野善紀先生の動きを見れば明らかなことで、理に適った動きには他の追従を許さない洗練された美しさがある。そういった動作を伝えていくには、私も含め伝える側の人間が、研鑽を怠らず結果を出せる技量が求められ、ごまかさず、自分の立場の安定を考えず、全てを身体で示して伝えていかなくてはならないと思う。

 映画に例えると、見ている人にとって何が一番伝わるかという部分に共通しているものがあるのではないだろうか。もちろん演出法やその内容の目的によって、大袈裟な芝居などもあるが、まずは技術がありその中で監督の指示に微調整出来る引き出しが必要で、心が伝わってくる芝居とは、自然で無駄が無く感情もリアルに違和感が無く、その中で細かな計算をしながら表現をしてそれを再現出来なければならない技術が求められてくる。再現ドラマや通販番組のような分かり易い芝居で映画のシーンを演じた場合、(最近は再現ドラマのレベルも高くなってきているが)お金を出して観るという見ている人のハードルが上がっている場合、非常に厳しいものがある。つまり何が言いたいかというと、これは演じることを仕事としている人への記述であるが、人が感動するものについてこれは殺陣の世界全体として、今までの作品や今の作品からどういった技術が求められているかについてプロとして考える必要があるように思う。動きの派手さにごまかされず、古の日本人が持っていた技術「術」を何か一つでも表現できる存在の人物がエンターテインメントの世界で評価される日がくれば、今後の技術における求められ方が大きく変わってくるかもしれない。そうなった時に日本の武道、武術の目が肥えているヨーロッパを始め世界的な評価はどのようなものになるのか興味のあるところだ。

 話が大きくそれてしまったが、ご婦人との集中稽古では、杖の持ち替え、打ち、突き、前後突き、三角納刀などを集中的におこなった。納刀では、右手手の内のクルパスは手の感覚と共に少しずつ良くなってくるだろう。右足を開く際に、後方へ重心が移らないこと。三角形の位置から鍔元へ鞘を送る際に背中が前かがみにならないこと。正面に戻る際に、鞘の戻しと右足がピタリと揃うこと。その時に、腰が引けて前かがみにならない事。下っ腹と胸の意識。問題は山積しているが、身体への鍛錬とともに、いろいろなことを休む間もなく考えなければならないので、この稽古に集中して取り組んでおられるO女史の身体全体が活性化されるように励んでおられるのは嬉しい限りである。今日はGCスクールで受講されて初めての道着に袴姿での稽古に、ようやくここまでこられたという思いがした。体重33㎏のO女史では、武道具や稽古着の持ち運びが大変になったと思うがこれも稽古だと思って頑張っていただきたい。

 夜間の部では、江東区からのダブルヘッダーの方が2名おり、開講して第一回目の参加者であるHさんと、女性ではO女史に次いで二番目の古参メンバーとなったT女史である。第一回目2013年10月20日の戸越体育館での講習は、Hさんと女性2名の合計3名からのスタートであった。最古参メンバーであるHさんと、二番目の古参メンバーであるIさんは、それぞれ一度ずつ、1名でのマンツーマン講習を経験されている。今となっては伝説の1名参加と言えそうであるが、さすがに0人だったことは無い。今の状況を見てHさんはよく驚かれている。

 夜間の部は品川区総合体育館での講習となり、午後の部と同様に杖の対面稽古をおこなった。まだ二回目の参加の方には少々大変だったかもしれないが、その方に合わせゆっくりとおこなっていただいた。先ほどは、技術の習得について少々難しく書いたが、楽しむことを一番に考えて参加されている方のために、私達も楽しく取り組んでいただくことを大前提としておこなっている。殺陣クラスでの、対面稽古で、斬ったり斬られたりする稽古では、みなさん活き活きと楽しそうに励んでいる姿は、技術云々もあるが見ていてGCスクールにとって一番重要なものを感じざるを得ない。みなさん大人であり、いろんなことをわきまえておられるので、それぞれを尊重し空間を委ねることで、良いものに自然と導かれていっているのではないかと思う。それが今のGCスクールの結果となっているのだと思う。もちろん今後もその状況に合わせて対応を変えていくが、無理なくその状況に応じて自然に形作られていることに、少なからず武術稽古による思考の影響もあるように思う。

 皆さんとともにまた次に向かって励んでいこう!


2014-09-15(Mon)
 

エネルギーの受け渡し

 連日の睡眠不足のせいか午後から軽い頭痛がしてきた。最近は人を心配させるような書き出しが多いような気がするが、どういう訳かいつも書き出しは愚痴っぽくなってしまう・・・・・・。まあ、こうやってネタに書いているうちは大した事無いので、見過ごしていただきたい。

 今夜はこの日記を書き上げ、明日のgold castle 殺陣&剣術スクールまでにはシッカリと寝られるので大丈夫である。明日は江東区と品川区での開催となるが、それぞれどのくらいの人数になるのか心配しているところでもある。明日は今のところ江東区の会場に初めての方が、3~4名参加される予定である。そのほか何名か江東区への参加を聞いているので、おそらくガラガラにはならないだろう。

 世間では三連休がスタートしたが、今日はイオンカルチャークラブ剣術教室の講習をおこなってきた。こちらはまだまだ少人数なので、集中的に一人ひとり見ながら進めて行く事が出来る。そのため全体としても基礎的な動作が随分と進んでいくのである。皆さんに武道具一式全て揃えていただくことが出来たので、それぞれの方の成長も早くなってくるだろう。実際にUさんは力みが無く柔らかい身体の使い方で、主婦の方であるが手之内の使い方や足の使い方などの飲み込みが早く今後が楽しみである。Mさんは唯一男性参加者の方で、60代の方であるが昔剣道をやっていたということもあり、癖はあるが力強く熱心に取り組んでおられる。こういった熱心で真面目な方々と稽古空間を共に出来るのは幸せなことであり、私の力以上のものがいろいろと引き出されるように思う。やはり稽古というのは、その空間を共にしている人達との意識の繋がりが、その稽古を良いものに出来るかそうでないかにかかってくる。周囲の雑音の心配が無い、安定的な環境であるこの場所は、非常に集中しやすくそのため、本当に1時間があっという間に過ぎてしまう。今日の内容は、杖を使った肩甲骨の体操から始まり、左右の持ち替え、左右の打ち込み、左右の突き(上から)、左右の突き(下から)、前後突き、巴、とそれぞれジックリおこなうことが出来た。高校生のHさんも少しずつ覚えてきたようである。見ながらおこなうと直ぐに出来るので、身体で覚えるように取り組んでいただきたい。熱心に毎回講習内容と感想をノートに付けてそこに書き込む私のコメントを楽しみにしているので、私としても、役に立てることは時間を惜しむことなく優先したい。これからはそういった時間の使い方をしていかなければならないと思う。Aさんはご主人が合気道をされていて、家でAさんがご主人に覚えた杖の動作をおこなったところ、ご主人も興味を持ち、今日は講座終了後に奥様に教わった動作を少し見せていただいた。ご夫婦で参加されるようになればもっと楽しくなるだろう。

 さあ時刻はまだ0時30分を過ぎたところである。今日も一日いろいろな方に支えられていることを実感しながらありがたい気持ちと共に、明日からもまたお返ししていきたいと思う。今夜は早く寝よう!おやすみなさい。


2014-09-14(Sun)
 

熱さのあと

 本日は高田馬場で個人指導をおこなった。17時~19時までK氏との稽古をおこなう。17時頃では我々を入れても5人程しかいない。縦に広くスペースを使った。杖の稽古の次に抜刀稽古に入る。今日は「潜龍出池」と「天神抜き」をおこなった。次に袋竹刀を使っての組太刀稽古に入る。やはり現在の私の気分の落ち込みは組太刀稽古が、いわゆる陥りやすい方向に行っている気がしているからである。ピッチを上げリズムをつけて数をこなす方法は、失うものが大きい。これは私に責任がある。数年ぶりに稽古で声を枯らしてしまったが、これでは駄目である。袋竹刀での組太刀は難しい・・・・・・ 木刀での精妙さを見極めながらの稽古の方がいいような気もするが、大きな課題としてこの組太刀稽古に精妙さを追求出来る内容に絞っていかなければならない。まあ、手探りで始めているようなものなので、形式に捉われず理想を高く持ちながら、進めていきたい。

 次に19時~21時までS氏と稽古をおこなう。久しぶりに槍の稽古をおこなった。左右の巻き落としと巻き払いをおこなった。次に組太刀稽古に入る。S氏を壁際まで追い詰め(何度となく自然とそのようになってしまった)気合とともに斬り割ったり、この時に声を枯らしてしまった。その昔、示現流稽古でそう簡単に声は枯れなくなっていたのだが、しばらくそういった覇気を前面に出した稽古はやっていなかったので、身体が甘くなってしまった。だが、こういった稽古法は良い面もあるが、そうではない面もあるので、ひとつひとつを考えながら気付きを得るための稽古にしなければ、袋竹刀を購入した意味が無い。

 稽古が終わってのこの妙な感じは、やはり私のこれまでやってきたやり方に合っていないということだろう。まだ購入して間もない袋竹刀だが、さっそく、竹刀の先に被せてある革の帽子が外れてしまった。今夜ボンドG16で接着しているので問題はない。今日はK氏の面にも突きを入れてしまったので、想定内の範囲であるとはいえ、もう少し気持ちを抑えて組太刀稽古に取り組もう。

 今日の高田馬場の武道場は19時を過ぎて、今までで一番人が多かったのではないかと思えるほどギュウギュウ詰めであった。金曜日は柔道場が貸し切りで使えないため、みな剣道場にやってくるのである。ざっと数えて60人位居たように思う。稽古を終えロッカールームで着替えている時に、武道場を出る際に挨拶した中国武術の一人稽古に励んでいる古くから見かけている方がロッカールームに来て、私に動作の途中でピタリと止まる方法を質問され、今日の稽古でおこなっていた、打太刀を付けた杖の「下段抜き」や「影踏み」などの動作から気にされていたのだと思う。私なりに意識していることをロッカールーム内で稽古と同様にいろいろとおこない、膝の使い方と、内転筋や、骨盤の角度について話をした。今までにもテコンドーの一人稽古に励んでいる方や、他流の剣術の方に話を聞かれたことはあるが、ロッカールームに訪れて聞かれたのは初めてであり、つい熱く語ってしまった。

 熱さには虚しさもあり、時間が経つとジワジワと何かが失われていくかのように元気を吸い取られてしまう。おそらく何かのバランスを身体がとっているのだろう。常に自分の存在に校正をかけているような自分がいるので何かと疲れてしまう。


2014-09-13(Sat)
 

あの頃の自分とともに今を

 今夜は、何も考えずにこの日記を書き始めている。一文字一文字キーボードに向かって何を打ち込んでいくのか分からないが、今の心情がいつもと違い、何か新しいものが違う角度から生まれてくるのではないかと感じているからかもしれない。それは武術とは直接関係のないものかもしれないし、大きく関わってくるものなのかもしれない。

 季節の変化や、音楽のチカラによって、懐かしい自分のあの頃の思いにタイムスリップさせられたかのようなことがある。それは毎年感じることであるが、とくに夏から秋にかけて、さらに冬に向かい一年が終わるという、過ぎ去っていくことへの寂しさのようなものなのであろうか・・・・・・

 街を歩けば多くの人がいて、それぞれの顔のそれぞれの思いが今そこにあって、一人一人の人生のさまざまな思いが、あふれるばかりにあって、目まぐるしく目の前を過ぎ去っていく。

 そこにはいろいろな世界と生き方があり、果てしない広がりと大きさがあるのだろう・・・・・・

 その中で、これから自分は何に時間を費やし、何を思って生きていくのか・・・・・・

 今の環境。日々の取り組み。忙しさに心を捉われていないだろうか・・・・・・

 夢、希望、憧れ、まだまだ失ってはならない。時間はクールに時を刻み続けるが、何かを変えていくにはあの頃の心の奥から引き出されるような、感情が、気持ちが、震えてくるような理屈でない何かに向かって自分の舵をきっていかなければならない。

 私にとっての、夢、希望、憧れは変わってしまったのかもしれないし、これからも変わっていくのかもしれない。そのことを含め自分にとっての時間を大事にしたい。

 おそらく自分のあまり意識していない部分で感じてきたことが、なにやら次への変化を予期しているのかもしれない。今は自分自身分からないが、一年後はおそらくそういう結果になっているように思う。

 よりシンプルに純度を上げ、そこに思いを込め、あの頃の自分とともに、今という日常を新しく、停滞することなく、ともにがんばっていこう!


2014-09-12(Fri)
 

バランスをコントロールするためには

 「逆の動作」に、バランスの偏りによる身体の不調を改善させる手掛かりがあることは、私がお世話になっている整骨院の院長先生や、Iさんからお借りしているヨガの本にも説明されており、人間というのはどうして分かり易いことが見えなくなってくるのだろうか?と思うのである。だが、この逆の動作というのは、身体にとっても心においてもバランスの乱れを修正するための手掛かりとして突き詰めていくと深いように思う。私の想像では、身体の動作による不調から、反対の動作、力の使い方や姿勢、呼吸の方法など、分かっているのに体がそう出来ないのは心にそうさせないための問題があり、それは思い込みや、習慣からなる慣れ、周囲の影響、感情や、体調の不具合などいろいろな要因が含まれており、そこに人間という生き物の生命としての本能に狂いを生じさせているのではないだろうか。もしかすると、身体や心のバランスの乱れの要因に食べ物が大きく影響しているかもしれず、この食べ物についてもバランスの狂いは大きく麻痺してしまっているように思うのである。

 そう考えると、人間の持っている幾つかの本能についても、バランスが乱れ狂いが生じていることにさまざまな問題をおこしている要因があり、そのバランスの偏りを直すための方法を個人が自分で気付き、直していくための手段を実践していかなければならないようにも思う。そのため人によっては、それがヨガであったり、武術稽古であったり、他にもさまざまに自己を整える時間を自分に課しているのではないだろうか。

 私自身、武術稽古をおこなうようになって、ものの考え方や感じ方が変わったという実感があるが、その理由を問われた時に、明確な言葉が見つからなかったのであるが、今こうして思えば、武術稽古を通じ、身体のバランスを整えることに気が付き実践していく中で、それにともない心のバランスも自然と変わり、見え方や感じ方の視点が変わったのだと思う、最近では食事に対する、味覚の感じ方も以前とは変わってきている。大きなバランスの変化を好まないようになったためであろうか、そういった作られた味に対する違和感は強く感じるようになった。

 今日はバランスというものについて書き出してしまったが、人間が本来持っている治癒能力や、良くなろうとする方向性に対しバランスが偏っていないか点検し、迷った時には逆の動作を考え、身体について、心について、食事について、どこか治癒していける部分を見つけ無理なく実践できるものが見つかれば、前に進んで行けることの喜びに繋がっていけるのではないだろうか。

 そんな事を往復の電車内で考えながら、今日は高齢者のための剣術教室をおこなった。今日もまた大変笑わせていただき、笑いの最高記録が生まれてしまった。外からこの教室を見ている方にとっては、およそ剣術教室とは思えない雰囲気に驚かれているのではないだろうかと思ってしまう。

 今日の内容では、新しいことに幾つか取り組んでいただき、かなり頭が疲れたのではないかと思う。手の握り方、腕の出し方、体の回転方向、同時におこなう動作が、幾つもあり混乱されるのも無理はないと思う。だが、休憩中にちょっとやっていただいたことが、皆さんの興味に繋がり一斉に取り組むこととなり、その思いを繋げる事が重要で、大変であろうと感じながらもいろいろと進んだ今日の講習であった。

 今日は一本だけ鞘付きの木刀を持参し、今後の講習に取り入れる予定の三角納刀をおこなった。木刀というと、やはり怖いという印象や、使わないながらも護身用として家に置いてあるだけの方も多いと思う。私自身も、武術稽古を始める前は、木刀など全く無縁のもので、見ることも触ることも生活の中で皆無であった。実家に埃をかぶった木刀が玄関の上のあたりに置いてあったことはしっていたが、今年の4月に家族親戚を交えて20名弱集まった時に、周りからの声に断ることが出来ず、庭で家族親戚一同が見守る中、従兄弟や甥っ子相手に、埃を被っていた木刀を持ち出し、裏山にある丁度いい大きさの木の枝を、相手に持ってもらい幾つか剣術をおこなったのであった。その際に、今まで一度も使った事がなかった木刀に、私の父が木刀も喜んでいるといった言葉が、ホームビデオを見て印象に残っている。

 話がそれてしまったが、同じ木の材質でも細く丸い杖と、刀の形をした木刀では触れる際の印象が随分違うということである。私の場合、木刀はもちろん、居合い刀や真剣でも、稽古道具という意識がほとんどなので、手触りやバランス感覚などそういったことの関心があり、見た目から感じる怖さというものは完全に忘れてしまって、おかしなものだなぁと思ってしまう。

 この教室でも、鞘付きの木刀で皆さんが楽しみながら時に大笑いしながら、納刀や抜刀をしている風景を想像してみると、これはちょっと他では無い光景だろうなぁと思いながら、皆さんの活き活きとした姿を思い描いている。今後も、笑いを絶やさず真剣に、明るく楽しいこの剣術教室を育てていきたいと思う。


2014-09-10(Wed)
 

重心と足との関係

 本日は18時から高田馬場でA氏との個人稽古指導をおこなった。17時40分には互いに準備が出来ていたので、直ぐに稽古を開始する。今日のこの感じは、始めるも始めないもなんだかずっと稽古が続いているような自然な感じが自分の中にあった。杖の稽古を一通りおこない、まだやっていない動作もあることに気がつき、その中で四方突きをおこなった。出来るようになればさして難しく感じないのだが、身体の使い方に癖があると、この癖が重心移動をしてしまうため邪魔となり、非常に難しく感じてしまうのである。何事においても動きの中にある癖に気付き、なぜそのような癖になっているのか、その癖が結果として有効に働いているのかを分析し、形のためにおこなっているのであれば、その癖が怪我の要因となっていることもあり、その形はなぜそう決まっているのかを考え、「決まり」というものに対する疑問を持つことも重要であると思う。

 前回の日記から重心というものについてあらためて考えさせられている。二本の足が正面から見て身体の前後にある場合や、左右にある場合など、その時の両足のどちら側にどの位体重がが掛かっているかで、その人の重心が決まってくる。また、体重が多く掛かっている方の足を動かせば、身体の動きはそちら側の方向に偏りやすくなり、逆に身体をあまり動かさないようにするためには、体重のあまり掛かっていない方の足を動かすと具合が良い。つまり、理想の動作に重心位置が大きく関わっており、その重心位置を作るには両足の配置と、二本の足のどちら側にどの位体重を掛けるかということが重要で、その割合が動作の中で絶えずさまざまに変化し、それを可能にするには摺り足で操作することが求められ、目まぐるしく変化させるには「水鳥の足」のように、膝の抜きを使って両足に掛かる体重を軽減させた瞬間に、左右の足にかかる体重の居着きを消し、重心を偏らせないまま足と体を変化させることが出来るのである。重心の偏りは次の動作への居着きになり、前方へ大きく傾いた姿勢は、後方へ転じた際に大きく後ろに傾いた状態となっている。その動作は、力と速さが増せば増すほど、次への動作の負担となり、身体への負担も大きくなり怪我の要因となりうることも考えられる。もしかすると、筋肥大というのは効率の悪い動作の結果、身体が保護するために補おうとしているのではないだろうか。それを考えると、効率の悪い動作のために、より効率の悪い動作を積み重ね、効率の悪さに一定期間我慢出来る身体にしようとするなら、その身体は筋力による力はついているが、一定周期で鍛えることに疲れたり、または年齢と共に筋力が低下したりした際に、その身体が知っている動作に頼るものとは、非常に不安なものになるのではないだろうか。もちろん筋肉は必要であるが、その部位と使われ方により、大きく異なってくるように思う。身体の可動域の邪魔をしない部位、怪我や故障になりづらい姿勢に関わってくる体幹部、私は筋肉の専門家でも何でもないが、効率の悪い動作から、可動域に影響のある筋肉をつけることで、その負のスパイラルから抜け出せず、不安感とともに自分を信じ込ませようと思ってトレーニングをしている方も少なくないと思う。どうして今夜はこのような重心や筋肉について書き記しているのか判らないが、今までもそうであったが、潜在意識の中で感じていることが、思考の一番上に浮上し書き記しているので、さまざまな事が繋がり確信として感じていることであると思う。

 A氏との組太刀稽古では、今日もさまざまに進展があった。やはり組太刀稽古は私が何年も寝かせてしまっていたので、やる毎に整理され変わっていく。過去の、杖術稽古や抜刀術稽古がそうであったように、この感じは何時間でも出来る感じがあり、前に進んで行ける事の喜びがしばらく続きそうである。だが、人生良いことは長く続かないものなので、この組太刀稽古に、大きな衝撃がおこるような出来事を経験し、今進展の連鎖による稽古の楽しみが遮断される恐れも無きにしもあらずな怖さもあるが、もしかするとその衝撃がさらなる弾みを持って、組太刀稽古の進展速度を加速していけるものになるかも知れない。どちらにせよ、私にとって大きな衝撃を受ける事態は必要であり、それが次に進むための指針となる。

 今日はそのことが近日中にあるため、組太刀について慎重に受け止め、今日感じたA氏とのさまざまな速さを求めた稽古とそれに対する体捌きの方向性と、究極は起こりの無いやりとりが出来る組太刀稽古に向かって進んでいきたいと思う。このような事を日々考えられる武術の道や素晴らしき人に出会うことが出来たことにあらためて感謝し、その道から外れないように、一日を大切に生きていかなければならない。


2014-09-09(Tue)
 

納刀に重要なクルパス

 昨日は就寝したのが午前3時頃だったため、gold castle 殺陣&剣術スクールの講習日記を記すことは現在午前11時となっておこなっている。8月以降毎週新しい方が参加されるようになり、いろいろな整理に時間が掛かってしまうのであるが、それが全く嫌でなく、むしろ心地よく感じられる。まぁ夜中は頭も回っていないため、一つひとつの確認動作がスローペースとなり、ゼロからスタートしたこれに関わる全てのことが、どのように形となっていくのか私自身楽しみながら感じているところである。

 昨日の講習では品川区総合体育館で夕方の部と夜間の部をおこない、先週と同様ほとんど半々の参加人数に別れ、合わせて過去最高人数を更新した。来月10月20日には開講して一年が経つが、ここまでになるとは全く想像もしていなかった。いろいろな運もあるだろうが、成るべくして成っているそんな大きな流れを感じている。生徒の皆さんにも助けられ、帯の締め方や袴の着付けなどを率先して手伝って下さる方や、木刀の鍔の取り付け取り外しを手伝って下さる方、周りを意識した中で雰囲気を良いものにしてくださる方、先に進んでいられる方が初めての方に動作のアドバイスをしたり、そういった全体的な一体感がこのスクールの空間をより良いものにしていただいていると思う。押し付けの礼儀ではない、その人の内から出てくる親切な心が美しく見えたときに、学べるものが互いに、いや全体的に広がっていくのではないだろうか。

 前回の日記では、最後の最後で全てが消えてしまったので今回はこまめに保存しながら記している。昨日の講習でも久しぶりに来られる方がいて、気になっていた分嬉しさが込み上げてくるものである。中には仕事で海外へ点々と移動しながら、帰国した僅かな数日間の内に講習に参加され、また海外へと旅立って行かれる方もいて、色々な人の色々な思いが感じられる空間でもある。殺陣に関して私なりに解釈していることは、「殺陣は互いに引き立つ動作となるようにおこなうことが重要で、相手に合わせて動作を調整してあげることが大切であり、そういったことも含めて動作を見つめていかなければならない」これはつまり、動作の観察とともに人の観察も重要であると言えるだろう。全ての反対がおこなえること(強弱、剛柔、遅速、)そしてその中での割合に応じた微調整は相手を観察し互いに見つけ合うこと。そういう意味ではいろいろな人と手を合わせることが技術習得の近道であるように思う。

 殺陣クラスを見ていて袈裟斬りに苦労されている方が多く見受けられ、この身体の使い方は武術的要素が強いので、股関節の可動域や、重心の把握、体の左右が別々に動かなければならない動作が求められ、この腰から膝、足に使われる動作は、時間を掛けて習得する必要がある。これはより迫力のある殺陣を求められる方に身につけていただければと思うし、変な癖が身に付いてしまうことの方が心配である。拝見するにあたって、この袈裟斬り(右上から左下への斬り下ろす動作)の身体の使い方は、剣術クラスでおこなっている、「納刀稽古」の体捌きに通じるものがある。それはつまり、左後ろ足が開きながら下がることで、膝、腰、左肩が繋がって開き、剣の斬り下ろしと、体の開きに一体感が生まれ、姿勢と剣の軌道との調和が、殺陣として見た時に美しく見えるのではないだろうか。この、納刀稽古の際の左後ろ足の開きによる姿勢では、おそらく皆、右半身は左側に引っ張られていないと思う、そしてその影響から重心が左後ろ側に傾くことにもなっていないと思う。それは、刀が相手に対し真っ直ぐであるという条件を出しているからであり、現在その刀の意識で一杯かと思うが、その動きが出来ている時の、身体の使い方が出来れば、殺陣クラスでの袈裟斬りも理解しやすいように思う。

 前回日記が消えてしまい詳細が記せなかったご婦人との納刀稽古内容であるが、この納刀は前回講習中に突然フト考え浮かび、その体の違和感のある姿勢から、逆の足を下げることにし、それが初めてその場で考えた納め方であったにも関わらず、動きの流れ、一体感、身体への効果など、まるで元からあったかのように感じたのである。もちろん、同じような納刀はたくさんあるとは思うが、私にとって伝えるための納刀とは、「重心を意識しゆっくりとおこないながら適切なタイミングで各部の技術を身に付けるための良い修練法」だと思っているので、一人稽古でおこなうなら、杖の稽古とともに納刀の稽古も、部屋でおこなうには最適である。

 昨日の納刀を簡単に説明すると、右足を開きながら下げるのと同時に、右手首の返しにより右半身に引っ張られるように、柄を右後方へと引いていく。この時に同時に右手手の内の中指薬指小指の三指でもって右手首の右への角度の変化にともなうスライドで柄に押さえをかける。難しいが、この動作と右足を開きながら後方へ開いた動作がピタリと一致しなければならず、これは腕力でなく、右手手の内の使い方の技術が求められる。一言で言えば、「クルッと返してパッと抜いてスッと滑らせる」感覚である。「クルッパッスッ」というこのぐらいの・・・いや「クルパス」ぐらいの繋がりでおこなう必要がある。足との連動においては「クルッパス」や「クルパッス」が丁度いいのかもしれないが、一体何を書いているのだろうと思えてきたのでこの辺でやめておこう。

 この納刀法でも同様に重心が後方へ移動しない事が求められる。顔は正面を向いたまま、鯉口が切っ先に入ったのち、鞘から鍔元へ送って行き、腕を伸ばし鎺(ハバキ)まで到達した位置が、両足との真ん中に位置し腰を落とした状態のまま、真っ直ぐに三角形の形となっていること。これは、重心を落とし、背中を真っ直ぐに、顔は正面、腕を伸ばし、身体の位置関係のバランスが、体感的にも、見た目にも良いので、腰の落とし具合により大腿部が鍛えられる、この納刀法は今後高齢者の方に伝えていきたい。分かり易く名前を『三角納刀』にしようと思う。

 三角形の位置から、右手手の内の操作に続いて大変な動作であるが、腰を落とした状態のまま、正面に正対するために、右足を摺り足で元の位置へと戻していく。この時に同時に前方へと送った鞘を左手で最初の位置まで引き込み、さらに同時に柄にかけている右手をその動きに合わせ柄頭へとスライドさせてあげる。その三つの動作を、頭が上に上がることなく、同時にピタリと一致させること。重心が後方に掛かっていると、右足の摺り足が大変になるため、左足に重心を乗せておこなうこと。これは腰の落ち方によっては左大腿部への鍛錬となる。最後に、柄頭を押さえ、その手が柄を沿うようにして身体に戻ってくる動作に合わせゆっくりと膝を伸ばし元の姿勢に戻る。

 ここまで記して、あらためて、先ほどの殺陣クラスでの袈裟斬りで思うことは、重心が掛かっている方の足に、身体は引っ張られてしまうということ。つまり、後ろ足に重心が掛かっていると、袈裟に斬り下ろした際に、前側にある半身が後方へと引っ張られてしまうということである。そのためには、前側の足にシッカリと重心を残して動作をおこなう必要がある。言葉で言うと簡単だが、ついやってしまいがちな動きというのは誰にでもあり、剣の軌道に重心も移動しやすくなるだろう。そのついやってしまいがちな動作の問題に気が付き直していけるかというところに、武術的身体動作に近づける手掛かりがあると思う。

 連日、時間に追われるように、食事と睡眠の優先順位がもっとも下になってしまったにも関わらず、長い日記を書かざるを得ない状況となっている。別に長く書くつもりはないが、湧いてくるものと文字に残すことで言葉に出来るということ、私にとってはこれが復習稽古となって脳に整理して記憶しているのかもしれない、おそらく体(脳)がそういうことを知っているので、このような日々の優先順位となってしまったのであろう。





次回9月14日の講習予定

【午後の部】
14時00分~15時00分(殺陣クラス) 
15時00分~16時00分(剣術クラス)
江東区 深川スポーツセンター 第一武道場(柔道場)でおこないます。

【夜間の部】
18時30分~19時30分(殺陣クラス)
19時30分~20時30分(剣術クラス)
品川区 総合体育館 B2剣道場でおこないます。

 初めての江東区深川スポーツセンターでの講習となります。今後何度か利用する会場として既に幾つか予約もしております。会場の広さは、品川区総合体育館とほぼ同じです。これまでの品川区への会場のアクセスに比べ遠方になる方もいらっしゃると思います。会場は最寄り駅から非常に近いですから(東西線 門前仲町駅から徒歩5分)(京葉線 越中島駅から徒歩2分)路線の乗り換えが大きな障害にならなければ、ぜひお勧めしたいと思います。

 私の予想としましては、通いなれた品川区の会場に来られる方が多いように思います。人で埋まった状態での講習にならないためにも、可能な方には(今回は14時開始なので出来れば同じ午後からの時間帯で参加されている方、もちろん夜間の常連の方でもご都合宜しい方)深川スポーツセンターでの講習をお勧めいたします。

それでは次回もご参加お待ちしております。


2014-09-08(Mon)
 

それぞれの空間の違い

 本日は毎週土曜日18時30分~19時30分の時間帯でおこなっているイオンカルチャークラブでの剣術教室の講習であった。ここでは少人数であるため、集中的に指導がおこなえる空間である。内容は、週によって杖の講習と剣の講習を交互におこなう gold castle 方式である。教室が始まって今日で一ヶ月となったが、まだまだ知られていない空間である。

 ここでの講習は基本的に健康のためという方、運動不足解消の方、姿勢を良くしたい方、また、他で習うのに敷居の高さを感じている方などを対象におこなっています。ここでまとめて現在私のおこなっている剣術指導の空間の特徴をそれぞれ挙げてみると、『gold castle 殺陣&剣術スクール』では、殺陣に興味のある方が大半を占めているので、剣術クラスの内容も殺陣のクラスで身に付けたものと混乱しない内容のものとしている。したがって、杖や抜刀、納刀を重点的におこなっており、役者さんが多いため、特に納刀の技術は身に付けていただけるように取り組んでいる。この納刀の稽古では、所謂美しく見せるための納刀ではなく、抜刀術の体捌きを練るための稽古としておこなっている。(結果として小手先でなく、身体が練られた納刀は簡単に真似の出来ない美しさがある)この身体を一杯に使った納刀稽古を身につける事で、殺陣などで、演出の付いた納刀になると、刀の見せ方、手足の位置、それらの連動を、臨機応変に組み変える事も可能になってくるだろう。そのため、現在は身体全身を使って納刀していただく方法でおこなっている。杖に関しては、手の内の使い方が柔らかくなり、力を抜くこと握りを弱めることで動かせる動きがあり、剣ではどうしても力みを取り除き難いため、杖の講習では、手足の連動を意識しながらも手の内から力みを取り除くことを伝えている。今後の課題は人数が増えてきたので、危険性のない対面稽古をどのように選択していくかである。袋竹刀であればさまざまにやりたいことはあるが、高価なものなので本数を揃えるのは残念ながら無理である。剣術クラスとは、杖術や抜刀術など全体を含めた内容のことを指しており、今後どのように展開していくか、殺陣クラスと合わせて講習の状況から判断していきたいと思う。

 『クラーチ剣術教室』では、平均年齢82歳の環境で参加者を募っており、身体と心をどのように動かせることが出来るか、私にとっても真剣な空間であり、笑い溢れる空間もである。この教室で最高齢のDさんは85歳か86歳だったと聞いたが、これはお世辞でも何でもなく一番姿勢と安定感が良いのである。体力測定でおこなった片足立ちで二分以上立っていられるというから驚きである。(Dさんとお会いしたあとにその年齢を知らされると、信じられない!と誰もが驚いてしまうだろう)このDさんは特別の特別として、この教室では、姿勢を第一に考え、その姿勢を整えるためには肩甲骨の運動が最適である。そのためには杖を使った運動がもっとも効果的であり、何も持っていない状態で、運動するよりも、軽い杖一本あれば相当な運動が出来るのである。まずは、長年積み重なった身体の不安やそれにともなう気持ちの部分を、楽しみながら身体を動かし、皆さんとともに笑い合えあることが、何より身体にとってベストであり、その効果を実感出来る為に、一人ひとりを見ながら真剣に取り組んでいる。

 高田馬場での個人指導および少数集中稽古では、現在それぞれの方が武術に対する思いを私に連絡下さり、そういった直接の個人的な連絡から始まった稽古会である。ここでは、私も稽古しながらおこなうため参加される方は皆道着姿であり得物もそれぞれ用意している。指導している稽古内容は、杖では打ちや突きを体の重心移動とともにおこないズレがないように脚足の使い方を重要におこなっている。膝を抜く稽古として甲野先生がおこなっている下段抜きが、さまざまな動作に関わってくるので、ある段階から集中的に取り組む予定である。手の内、足の運び方など体を練るための動作を忘れないように、つい楽に済ませてしまう部分を見つけ、丁寧に初めと終わりを一致させる動作としている。抜刀術では、居合い刀を使って、私がおこなっている抜刀術を一つひとつおこなっている。納刀では右手手の内の感覚を養うために指で刀身の峰を摘まない納め方をおこなっているが、この納刀稽古は、出来るようになればとても気持ちの良い止めたくならない稽古であるが、最初出来ないうちは、出来る気がしないのとそんな自分に嫌気が差し始めるのと、さまざまに気持ちを落としていく場合が多いので、高田馬場の稽古モードであっても、あまり強要しないようにしている。まあ基本的に強要はせず、その時の状況を見て展開を判断しているので、固執するようなやり方は私は好まない。だが、私自身の稽古の検証になると、ある部分で執拗になってしまうこともある。剣術では、木刀を使っての素振り、各種構えからの発剣をおこなっているが、私はカンカン打ち合わせる稽古は好まないので、起こりを消すための剣の振りにこだわる非常に地味な稽古である。しかし、先日念願の袋竹刀が手に入ったので、抜刀術のように一瞬で決するための身体の使い方をこの袋竹刀を使った組太刀稽古で研究していかなければならないと感じている。

 今日はその事で、イオンカルチャークラブでの講習に向かう前にいつもの喫茶店で、時間を潰していたところ、無構え(下段の構え)からの剣の振りというものをもっと追求する必要があると強く感じ、何か燃えるようなそこに興味と楽しみを見出したのであった。飲んでいたアイスコーヒーのストローを使って剣の軌道をいろいろと思い浮かべている様は異様に映ったかも知れないが、こういうモードに入ると我を忘れるようになってしまうので仕方がない。昨日の組太刀稽古で感じた無構えからの斬り込みの遅さには、今までずっと形にこだわっていたことに私自身気が付いていなかったということを、今日の喫茶店で思い知ったのである。

 もちろんこの動作は最初に取り組む人にとって、身体の使い方を学ぶには重要であるため今後もおこなっていくが、組太刀稽古ではそのようなかったるい事をしていては駄目である。これは一人で剣を振っていた時には全く気付かなかったことで、そのルールの中で速くおこなっていることに安心していた節があった。問題はそのルールであり、どうしてそのような軌道でなければならないのか・・・それにともなう違和感に気付き、これから私のおこなう組太刀は、方向性としては抜刀術のように、アソビを消し初動の使い方と最終位置までの整い方を研究しながらいろんな意味での速さを追及していくだろう。違和感から、何かに気付き変革していく。これからの剣術(組太刀)稽古が非常に楽しみである。

 最後に『イオンカルチャークラブ』での講習は、健康と、気軽に専門技術を学べる環境として、皆さんこの時間を一分一秒でも無駄にしないようにと取り組まれている。この空間はなぜだか分からないが不思議な緊張感があり、時間が経つのが最も早く感じる空間でもある。おそらく、初めての経験に身体の使い方の面白さと同時に少なからず衝撃を受けているのではないかと思う。ここでも私は姿勢に注意し、姿勢が作れる身体の使い方を指導し、その結果を武道具で実証していくというもの。武道具は、そろえるのにある程度費用も掛かるし、持ち運びも面倒になってくるが、稽古としてはその動作を自分で確認し、出来たことと出来なかったことが明確となり、その修正法を導いてくれるものでもある。したがって身体の使い方を具体的に確認しながら前に進んでいける稽古としては、道具(得物)を使った稽古は重要である。その経験値が高まり、自身の肉体だけでもそのような感覚が生まれてくれば、形だけでない体術の道も開けてくるだろう。武道具から話がそれてしまったが、このイオンカルチャークラブでは、一週間の内の一時間だけ、別世界に入り込み、少数であるがゆえその稽古密度の高さから、あっという間に現実の生活に戻れるという、設備と対応が整っているから、そのような非日常体験を扉一枚を隔てた中でおこなえるのではないかと思っている。このカルチャークラブの空間が今後どのようになっていくのか未知数であるが、11月には文化祭として、ミニステージなどで日頃の講習をおこなったりすることも検討しているが、まだ開講して間もないので、今のところ私個人で出演を考えている。

 兎にも角にも、気が付けば武術漬けの日々を過ごしている。思ったほど実感はないが、日々道着を着て稽古をおこなうことで、今までとチョット違った感覚を体感している。より稽古というものに対し自然体に近づいていけているのか分からないが、経験の浅い不器用な私は、人の何倍も時間を掛け無い頭をどうにかして使っていかなければならない。





 イオンカルチャークラブでは、毎回の講座で一日体験会のご参加を募集しております。参加費は1.080円となります。運動不足の方や、土曜の夜18時30分~19時30分までの時間に余裕のある方、興味はあるけど人とのコミュニケーションが苦手な方でも心配はいりません。開催場所はイオン葛西店。最寄り駅は、東西線西葛西駅から徒歩12分位です。お問い合わせは、http://www.aeonculture.jp/products/detail.php?product_id=3746(イオンカルチャークラブ葛西店)
お電話からは、03-5679-6091(受付時間 9:00~20:00)
毎週土曜日の18時30分~19時30分の時間帯でおこなっております。(土曜日が5週ある月は1週お休みとなります)
お気軽にぜひ一度体験してみてください。


2014-09-06(Sat)
 

時間はクールである

 本日は高田馬場にて研究稽古と少数集中稽古をおこなった。合計四時間の稽古となってしまったが、湿度が高かったせいか顔の皮膚が汗で負けてしまう程、常に汗をかいていた。以前にこのような症状があったが、その時は日焼けだと思っていたので、大して日に当たってないのにどうしてかと思っていたが、今日で納得した。

 今日の研究稽古では、抜刀術や納刀の感覚が少しではあるが前に進んだように思う。より上体の力が抜けてきたことが関係しているのだろう。また、そのことで左右の使い方による身体の統御が少しは体感出来てきたのかもしれない。

 杖の稽古では、少し何かを変える必要があると感じる。その何かは、何となく分かっている。より効率よく、気付かないチョットしたところにその何かが隠されているような気がしている。今までの動作を無視して探し求める稽古もいいだろう。

 剣の振りでは、体幹の移動に伴う初動の軽さを研究しているが、脚足の使い方が全然出来ていない。これは精度を上げる稽古とともに、上体における最適な位置を見つけていきたい。まだまだ答えを急いではならない。

 18時30分頃にK氏との稽古を始める。杖や袋竹刀での突きや打ち込みの際に、前足が得物に合わせて溜めてから出てしまう癖があるので、前足に重心を寄せておくか、もしくは前足を内抜きに抜くことで、初動時に足が運ばれ、後ろ足の回収とともに、体幹の力を使えるので、初動の足運びに注意してみるといいかと思う。しかし、全体的に少しずつK氏の動きは良くなってきているのを感じた。個人稽古や少数での集中稽古であることも大きいが、やはり、今まで私よりも長い期間武術稽古に精進されてきたからであり、私などの元に来られることに、恐縮する思いであるが、そのひたむきさと集中力は、今のまま稽古を続けていけば、短期間のうちに変化が見られると思っている。今日は入身系の動作に、身体の得意とする部分を発見した。抜刀術では、初動の速さは大きな壁であるが、身体の位置に対する修正がきくので、丁寧に形を覚えるところから、動作を削ぎ落としていく方法で見ていきたい。

 19時30分頃にS氏が参加。指導していて自分でも気が付いたが、杖をこのあたりに持って行きたい場合、目と、腕だけでおこなうと、精度に負担がかかるので、脚はこの位置、腕はこの動作、手の内は、ここまで、というふうにそれぞれの位置関係を把握していれば、自ずと杖はそこにくると思うので、身体全体の動作を点検することが一人稽古では大事であると思う。これは納刀においても言える事で、柄を持っている右手の位置、鞘を持っている左手の位置、それらを働かせるための、脚足から繋がる腰の連動が鯉口と切っ先の安定的な関係性を保つのである。

 組太刀稽古では、二人を相手に四つの技をそれぞれ打太刀と仕太刀としておこなった。この組太刀稽古は、私が一人独立してから全くおこなっていなかった稽古なので、まだまだ抜刀術や杖術に比べ、研究し変革する必要がある。抜き系の技は、それなりに木刀で稽古をしてきたが、それ以外の系統はこれから毎回の稽古で変わっていくだろう。今日はそのなかで、「見切剣中体」の動作がまた変わることとなった。前回、位の角度に左腕を張り出して・・・と書いたが、やはり切っ先を立てておこなった方がいいことが分かった。その際に、脚足の使い方が新たに整理された。この技は、実戦的というよりは、身体を練るための稽古であるので、沈みゆく身体を深くピタリと止められる動作を身につけることで、特に脚部が練られてくるだろう。

 僅か四手の組太刀稽古で1時間以上が過ぎてしまった。だが、やはり技を研究しながら、その決まった通りの動作を何回ずつおこなうという稽古でなく、動きのさらなる可能性を常に追求しながら、自分を観、相手を観ることが大事であり、それが次の新しい技に繋がっていくものだと思う。とにかく日々少しずつ何かが変わり、その変わった日を過ごしていかなければならない。楽しいことも悲しいことも、良い意味でも悪い意味でも、もう次に進んでいるので、その瞬間をどう過ごすか、常に進み続けていく「時間という揺らぎの無いもの」と共に生きていかなければならない。


2014-09-06(Sat)
 

早々の変化

 今日は昨夜の天気予報では雨であったのだが、朝起きてみると雲一つ見えない快晴であった。何時に寝ても私の体内時計は午前7時には一度ハッキリと目覚めるようになっている。20代の頃に比べたら寝起きは良くなったような気がする。それはおそらく年齢的なことよりも、食生活を含めた生活環境の全てが激変してしまったからなのかもしれない。身体が楽になることを覚えると口にするものに対する欲求は多少は変わってくる。そして、身体に対して敏感になるのは武術稽古で感覚を練っていくからであり、そういった習慣から口にした物による身体への負担はなるべく避けたくなり、食の欲求という揺ぎ無い絶対的主導権に、こんなハズではと良い意味で変化が訪れるように思うことがある。やはり、身体を動かすこと、そして動かしていく中で感覚を養っていくこと、これは人が生きていく中であらゆる事態に対し総合的に絡んでくる必要なものであると思う。逆に言えば、感覚が鈍ってくることで、気が付かなければいけないことに気づけない、相手に対しまたは自分の身体に対し起こりうるだろう。そうならないためにも、その人にとって楽しみながら出来る、常に新しい感覚が要求される慣れにならないための運動が求められる。

 こんな前置きを書いてしまったのは、明るくハツラツとした高齢者の方々の元気な姿と、以前と比べて変わられた様子を私自身肌で感じているからである。今日の「高齢者のための剣術教室」では五回目の講習となり、慣れてきた方も出てきたので、スムーズに進めることが出来た。そして、この空間でも緊張感と笑いのバランスが良く、それは、参加されている方々の身体に対する切実な思いと、その思いを受け止め、気持ちが繋がることでチョットしたひと言に笑いが生まれるのではないだろうか。最近の私は、「gold castle 殺陣&剣術スクール」の講習や、この「クラーチ剣術教室」で、何か笑わせようなど全く考えてもいないのだが、今この日記を書いていて分かったのだが、武術稽古を通じて、相手のやろうとしていることや考えていることがある程度理解出来るので、その先手をとって言葉を発するから、考えが読まれその言葉を発するタイミングや言葉の使い方などによって、笑いが起こるのではないかと思う。武術稽古であるが、時に笑いは集中力を維持させる作用もあると思うのでその空間によって使い分けていきたい。ただし高田馬場での個人稽古では目的が違うので、技の追求のために、その時間を真剣に使っていただきたいと思う。

 話が色々と変わってしまったが話を戻して、今日の剣術教室では、Sさんが急に上達され、そうなってくると楽しくて延々と杖を振っていて、「重さを感じなくなりました!」と仰られ、見ていても手首の使い方や杖の滑らせ方のコツを掴んでおり、相手と向かい合っての正中線への打ち込みにも、驚くような速さで杖が伸びていき、参加された当初、腰を心配していてビクビクしていたのが嘘のように変わったのである。こういった方の変化は、始める前からあきらめる傾向のある方にとって、一番の答えになっていると思う。そもそもここでの教室が誕生したのはgold castle の生徒でもあるOさんの激変した姿を見た皆さんからの声により支配人を説得し始まったのが事の経緯である。

 杖の稽古は、背中に大きな負荷を掛けずに、たくさん動かすことができ、今まで何年も動かしていなかった部分に刺激を与えることで、肩甲骨を動かす筋肉が目覚め、肩甲骨が寄ることで胸を伸ばす(張る)姿勢がとれるようになってくる。この杖を使った稽古は、楽しく出来るものなので、可動域や筋肉が付くことだけでなく、精神的にも気持ち良く、重要なことは、次の稽古までが楽しみであるという気持ちでいられることで、その時間は稽古時間より遥かに長く、短期間で変わることへの重要な要素であると思う。

 今日の稽古では初めて相手と向かい合っての杖の打ち込みをおこなった。当然、杖と杖が身体の中心で軽く触れる程度であるが、皆さん今まで隠していたのかと思えるほど動きが引き出され、相手を付けて上達が早くなるのはOさんだけではないことが判った。相手が付くことで、目線が上がり、身体のブレが収まり、互いの動きに合わせるように、それがどちらからともなく、良いタイミングとなり、吐き出す声や息とともに、呼吸も深いものとなり、今日は相手を付けた稽古での収穫が多いにあった。休憩中にDさんから二の腕に筋肉が付いたと喜びの声を聞き、またO夫妻の奥様からは背中が楽になったという声を伺うことができ、わずか五回目の講習で、私の想像以上に変化が早く訪れていると感じている。帰り際の皆さんのスッキリとした笑顔が、今日の講習の結果だと思っている。

 講習終了後は、いつものように館内のレストランで皆さんと談笑しながら食事をいただいている。この環境に慣れたせいかもしれないが、私の母親以上年齢が離れた方々ばかりであるが、いろいろな話を聞いていて、人と接する機会の多い環境であるせいか皆さん若いのである。ここでもよく笑わせていただき、人というのはいろいろ紙一重であり、その選択は自分自身で決めてしまっているものであると思うのと同時に、人との出会いというのはその出会い方によって、大変不思議な展開になっていくのだとしみじみ感じたのであった。ご婦人Oさんも、以前までは、ここでよくお会いする人から今だから笑い話になるが、そんな心配していたの?というようなことを見た目から勝手に思っていたらしく、今では、袴に道着まで揃えられ、稽古では私と木刀で切り結んでいるのである。これからも、こういった方々の変化を楽しみに緊張と笑いのある空間作りをこのクラーチ剣術教室ではおこなっていきたい。


2014-09-02(Tue)
 

長月

 雨の一日であった今日は、このブログにリンクさせていただいている『身旅』 身体を旅し、愉しむのIさんと研究稽古をおこなった。一ヶ月前の八月の第一週目の月曜日に稽古して以来、気が付けば一ヶ月が経っていた事に驚いた。今日は、前回お願いしたヨガの本をお借りする事ができ、Iさんが直接学ばれている龍村修先生が書かれた著書『生き方としてのヨガ』という本であり、私自身今現状において、読んでおく必要があると感じている。しばらくお借りする事になるが、Iさんとの話を深めていくためにもシッカリと読んでおきたい。

 Iさんとの研究稽古では、杖の稽古をおこない、ちょっとした部分を伝え合い互いに確認し合うというような通りのいい稽古となっている。早々に切り上げ、今一番興味のある袋竹刀を使っての組太刀稽古をおこなった。私自身先日から数えて三回目の組太刀稽古であるが、ようやく以前の感覚が蘇ってきたような気がした。鹿島神流の組太刀と、甲野先生の技からまとめた、組太刀である。今日思い出すように感じたことは、やはり、鹿島神流にある「満月」と「新月」の使い方が肩を詰まらせず、軌道を小さく途切れないように使うことができ、それに合わせた「螺旋」の軌道が重さを乗せたまま次への動作に変化していけるのである。そしてそれらの技を初動から速く、そして小さくおこなうには、甲野先生の身体の使い方が、さまざまに有効であり、歩法をはじめ、体幹部の使い方、寄せた柄の握りからの操法などあるが、鹿島神流や甲野先生の技の中に、受け流したり、かわしてから攻撃するというような動きは今までに見たことはなく、この組太刀においても、前に出る意識と、繰り出す剣が攻撃であるのと同時に防御になっている。道歌にある『立ち向かう(切り結ぶ)刃の下は地獄なれ踏み込んでみよ極楽もあり』とあり、私としては、その道歌の意味が精神的なものだけではなく、技として重要な動作に関係しているのだと思う。鹿島神流の中に「五ヶ之法定」というものがあり、「動静一体」「起発一体」「攻防一体」「虚実一体」「陰陽一体」というふうに、それぞれの動作に意味がある。私としては、有効な身体の使い方を探究し、どのように身体を練り、練られた身体をどのように操作していくか、これから日々研究である。

 Iさんとの体術稽古では、まるで別人になったかと思うほど、技の威力と使い方がIさんの中で確立しており、以前から独特の身体感覚の持ち主であると感じていたが、その感覚が技としてこれからさまざまに展開していくことは間違いないと思う。こうした特別な感覚を持った方と稽古できるのは、非常に有意義な時間であり、当然その稽古空間は武術稽古だけに留まらず、何か人としての学びを得られているような時間でもある。私も少しでもその感覚の世界が開けてきたら、身体の使い方が激変するかもしれない。Iさんとはまた次回に稽古したいと思う。遠いところから雨の中ありがとうございました!

 次にA氏を迎えての個人稽古指導をおこなう。A氏とは稽古時間の合間に長く話すことが多く、私が経験してきたことで上手くいったことや失敗したことなど、伝えられるものは全て伝えていきたい。A氏とも組太刀を集中的におこなった。やればやるほどこの組太刀は、相手との動きの中で引き出されるものが多く、「見切剣中体」という技では、八相に構えた打太刀の誘いに出した左籠手に無構えから斬り込んでいくのだが、打太刀は、左半身を引き右手一本で仕太刀の頭部へ剣を振り下ろすのである。仕太刀は、左籠手斬りを外され、そのまま体を沈めるように前方へ移動し、同時に左手で柄を立てて低く身を落としながら、瞬時に切っ先を打太刀の喉元に突きつけるのであるが、相打ちになる可能性が高く、何度も検証した結果、左の柄の立て方を、左斜め上に、位(くらい)の形になるようにし、もし、打太刀の剣が頭部へ振り下ろされても、切っ先を喉元へ付けたまま斜めに剣の角度が腕の張りとともに取れれば、その剣の角度に沿って打太刀の剣は滑り落ちていくだろう。打太刀にやりやすいように注文するのではなく、仕太刀の動作をそこに合わせて考えていくことで、打太刀、仕太刀ともに合わせてレベルが落ちていくことの無いように気をつけていかなければならない。しばらくは、この組太刀稽古を中心に、それらに必要な動作を、他の稽古で見つけられればと思う。


2014-09-02(Tue)
 

空間の色

 昨日の講習から一夜明けて、現在正午になろうとしている。先程時間を掛けて日記を記し、最後の一行か二行といったところで、全て消えてしまい、今日の日程と、それから更新される私の次への日記の内容に、先ほどと同じものを書き記す時間が無い・・・・・・

 とにかく全てを簡潔に記そう!


 昨日の講習では、夕方の部と夜間の部がほぼ同人数となり、現在手狭となってきた状況ではホッと安心した。そのため10月からは、新たに土曜日の剣術クラスの追加、午前の部9時30分~11時00分、もしくは昼間の部12時30分~14時00分の時間帯でおこないたい。あわせて水曜日に殺陣クラス12時30分~14時00分も開催する予定であり、剣術クラス、殺陣クラスと別々に開催する予定である。詳細は近日中にHPに記したい。

 昨日の夕方の部では、ご婦人の新たな納刀の形に取り組んでいただき、この形は、無理がなく綺麗に、かつ身体を強くしていく動作になるので、この納刀稽古を今後取り組んでいこうと思う。

 夜間の部では、ダブルヘッダーで受講された女性2名が熱心に取り組んでおられた。楽しそうに4時間取り組んでいられることに、大城先生とともにおこなう殺陣と剣術の教室に私共の空間の色というものが出来てきているのではないかと感じたのであった。

 本日も着物で参加されたT女史のご御祖父様が生前着られていたという、その姿の格好良さに写真をとらせていただいた。8月は7回参加され、その熱意と、男性も含めたこのスクールの生徒さん達の中で抜群の動きに、同年代の方や、女性からの励みになっているのではないだろうか。その他にも黙々と熱心に毎回参加されている方もおり、そのひたむきな姿に、私も指導法や、講習内容についてなど、感じる部分から学ばせていただいている。





 今月9月は、初めての開催場所である江東区深川スポーツセンターでの講習が9/14と9/28にあります。合わせて品川区での開催も時間を変えておこなっておりますので、ご都合のよろしい方へご参加下さい。


2014-09-01(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


       金山 孝之
   Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『Gold Castle 殺陣&剣術スクール』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 GM happy コラボレーション 』と題し、ジャンルを問わず定期的にゲスト講師をお招きし、特別共同講習会を開催している

『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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