2月は準備段階

 本日は、武術のDVD撮影のため打太刀として参加し、非常に得るものが多い一日であった。最近は、対人稽古の機会が増えてきたため、体術稽古に関して少しずつであるが、身体の方がやりたがっているのを感じる。おそらく、最近の剣術稽古の実感と、体術を通じての感覚が以前に比べかなり近づいてきたように実感出来ているからかもしれない。

 しかし、今日の撮影兼稽古の中で、体術ならではの実に精妙な、相手との関係性の中で導かれる感覚というものを感じ、私の個人稽古でも今までにやったことが無いほどの長い時間をかけて、この精妙な感覚を感じとれる稽古を詰めてみたいと思ったのである。剣術、抜刀術、杖術、そして体術。術の世界に向かうには、この体術は外せないのである。

 2月も早いもので残り2日、すでに日付を越えているので明けて1日となってしまった。3月の稽古日程は前回のブログに配信した。その中で3月23日の昼から、とある場所で15分間の演武を二回おこなうことが決定した。一人で15分間というのはかなり長いが、講習的に話をしながら進めていこうと思う。だまって演武をおこなうだけだと、5分で終わりかねない。先日見に行った古武道演武大会では、それぞれの流派に与えられた演武時間は紹介など含めて8分間であった。したがっておよそ倍の尺を一人でおこなわなければならない。そのため杖や抜刀の演武の際に打太刀を知り合いの武道経験者にお願いした。

 2月はいろいろなことに対する準備段階であった。もちろんそれらは継続しておこなうが、今年はどのような一年になるのかいろいろ考えてしまうが、あまり考えすぎると良くない気がするので、今出来ることを確実に実行し進めていくことを続けたい。 

 4月からは、現在の稽古日程に追加して毎週土曜日の夜に剣術教室を受け持つことになった。つまり、毎週(金)(土)(日)(月)が固定の稽古日となる。もちろんそれ以外にも重要な稽古日もある。武術稽古の時間が増えてきたのはありがたいことであるが、さらなる活動の幅を広げるためにがんじがらめにならないように気をつけたいと思う。


2014-02-27(Thu)
 

2014年3月 武術稽古日程              (剣術・抜刀術・杖術・体術)

※高田馬場での(研究稽古&個人指導)に関する稽古見学、または参加希望の方はこちらの【 お問い合わせ 】よりご連絡下さい。

※(gold castle 殺陣&剣術スクール)の詳細につきましては、ホームページをご確認下さい。http://www.tate-ken.com





3月2日 (日曜日) 18時30分~20時30分 戸越体育館
              (gold castle 殺陣&剣術スクール)


3月3日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 (研究稽古&個人指導)                                


3月7日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 (研究稽古&個人指導)


3月9日 (日曜日) 18時30分~20時30分 品川区総合体育館
              (gold castle 殺陣&剣術スクール)
 

3月10日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 (研究稽古&個人指導)                                


3月14日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 (研究稽古&個人指導)


3月16日 (日曜日) 18時30分~20時30分 戸越体育館 
                (gold castle 殺陣&剣術スクール)


3月17日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 (研究稽古&個人指導)                   
            

3月21日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 (研究稽古&個人指導)


3月23日 (日曜日) 18時30分~20時30分 品川区総合体育館
               (gold castle 殺陣&剣術スクール)

    
3月28日 (金曜日) 17時00分~ 高田馬場 (研究稽古&個人指導)                      


3月30日 (日曜日) 18時30分~20時30分 品川区総合体育館
               (gold castle 殺陣&剣術スクール)


3月31日 (月曜日) 17時00分~ 高田馬場 (研究稽古&個人指導)
          




※高田馬場での稽古時間は、17時00分~21時00分の間で調整いたします。
①17:00~19:00 ②18:00~20:00 ③19:00~21:00 いずれかの参加しやすい時間帯でお越し下さい。
前日までには希望日時をメールまたは、お問い合わせフォームよりお知らせ下さい。

※高田馬場での稽古参加費は1回2,000円です。
gold castle 殺陣&剣術スクールにつきましては月謝4,000円(3回まで無料)となっております。

※稽古場所の詳細や稽古内容、稽古時間のご相談、道具類その他のご質問等につきましてはメールまたは【お問い合わせ】よりお受けいたします。

※都合により日程が変更となる場合がありますので御了承下さい。


2014-02-25(Tue)
 

興奮冷めやらぬ

 興奮冷めやらぬ思いで、帰りの電車内、駅から家に向かうまで、家に帰ってからの電話に、その間の時間がまったく感じとれない程の脳内ドーパミン効果で、頭に浮かんできたことを記録した。これについては、このブログ内の後半に述べたい。

 本日は品川区総合体育館にてgold castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこなった。今日はホームページに掲載する写真撮影のため、合間に撮影をおこなった。

 ホームページを通じて質問などの問い合わせが増えてきた。大した宣伝はしていないが、私の思いと、利益よりも人の縁を第一に考えての活動に共感していただく方が、私が想像していたよりも多いということであろう。3回の無料体験と月謝4.000円というのは破格であると思うが、質の低いものを提供しているつもりは全く無い。技術を惜しみなく提供することを第一に、程よい緊張感と安心感で殺陣クラスと剣術クラスの二つを講習している。体験期間が終わり正式に参加される方も増え、遠方から来られる方々もいて、忙しい中でも身につけたいという熱意には、私共としましても、この場を作ることが出来て心底良かったと思う。

 今日の剣術クラスでは、杖術「四方突き」をおこなった。まだ「水鳥の足」を取り入れないやり方であるが、手之内の使い方や、連動した脚足と腰の回転が初心者の方には新しい身体の使い方であったのではないだろうか。それにともない、杖術の型前半を二手追加しておこなった。やはり、段階を踏んできているので皆付いて来ている。

 抜刀術と納刀では「右隅抜きからの膝付き横納刀」と「左隅抜きからの膝付き縦納刀」をおこなった。これは、基本となる「四つの納刀」が身に付いたことで、このような低い姿勢での応用も美しく出来るようになるのである。皆同様に、抜刀より納刀の方が成長してきているが、悪いクセでの抜刀を覚えてしまわないためにも、納刀先行で技術を身に付けていくと良いだろう。

 本日のご婦人の集中稽古は、杖による「水車」をおこなった。脚の動きも連動しておこなうことで、重心を変えないための膝や股関節の使い方というものが見えてくる。また、胸椎と骨盤の角度も、前後の重心操作に大きく影響してくる。そのため、どうしても後ろ重心になってしまう場合は、胸椎と骨盤の角度に問題があり、さらにその要因として、前脚の膝と股関節に重要な働きがあることが解った。このことは、体重が30キロ台というご婦人の筋力に頼らない自然な身体の反応から学び取る事ができ、本当に私自身の稽古としても得るものが大きいのである。

 次に、抜刀から納刀までの一連の動作をおこなう。毎日家で稽古していたと仰っていただけあって、抜きと、逆手に持ち替えてから約180度回転する刀身を鯉口を包む左手に乗せるところが器用になってきた。もう一段階上がっていくには、器用に出来るということは感覚が身についてきたからであるが、それ以外の重要な部分が疎かになり易いので、次に進むためには、意識する部分を変えて、器用に出来なくても同じように出来るようになると、より武術としての身体の使い方に近づいてくると思う。しかし、出来なかったことが出来るようになると嬉しいものである。ご婦人にとって急成長であることは間違いない。次回のテーマは、重心の位置と、納刀の際に鞘から迎えに行く動きと、後ろ足が前方へ揃う動きが、鍔へ親指と人差指が掛かった時にピタリと揃うようにおこなうこと。つまり、これが出来るようになるということは、重心位置が的確で、そのための姿勢がとれ、後ろ足が滑るように動かせることに繋がる。それは結果として美しい動きになり、機能的な動きは美しく見えるという人間が持っている感覚である。

 全講習が終わり、参加者のみなさんが帰られた後、今日の講習内容から殺陣に関しての重要な核となるものが突如頭にスパークしたのである。この瞬間に私の脳内麻薬が大量に分泌され、とにかくしゃべり続けてしまった。独創的なヒラメキと、稽古で感じた実感と、イメージが具体的になったのである。そのため、尋常ではない集中力が沸き起こり、帰りの山手線車内の間、駅から家まで歩いて帰る間、それらの時間間隔が全く無い。家に帰ってからも関係者に電話したり、気が付けば深夜1時を過ぎてしまいようやく日記を書き始める始末・・・・・・

 しかし、日数が経ってみて冷静になると考えが萎んでしまう可能性もある。だが、重要なことは、頭の片隅に残すことが出来たことにある。質の高い殺陣クラスと剣術クラスの講習を続け、受講生の技術が上がることで、さまざまな可能性が見えてくる。それらを発表する場も、縁があれば訪れてくるかも知れない。全ては思いのなかに繋がっているから。





 【2014年2月23日 講習風景】


2014.2.23 講習風景
          講習風景その①


2014.2.23 講習風景
          講習風景その②


2014.2.23 講習風景
           納刀の稽古


2014.2.23 講習風景
      負担の少ない逆手での納刀


2014.2.23 講習風景
カラダの芯が出来てくると形が綺麗になってきます


2014.2.23 講習風景
     OLさんでも気軽に参加出来ます





 次回の講習は、3月2日 18時30分~20時30分まで、戸越体育館にておこないます。
 初めての方でも、安心して参加頂けますので、お気軽にご連絡ください。

【お問い合わせ】 http://www.tate-ken.com/form.html

【戸越体育館】 http://www.ssa-or.biz/togoshi/


2014-02-24(Mon)
 

松聲館 剣術技法研究員

 2014年4月からとある場所で剣術教室を受け持つことになりました。3月には告知が出来ると思いますが、現在の品川区でおこなっている、gold castle 殺陣&剣術スクールや、高田馬場での個人稽古も含め、ご縁が繋がり剣術を伝える機会が増えてきました。

 この事に関して、甲野善紀先生より「松聲館の剣術技法研究員と名乗っていいですよ。」という御言葉をいただきました。私は、どこの流派にも所属しておりませんし、会を作ってもおりません。よく「何流なんですか?」とか「どこで学んだのですか?」という質問は何度も受けました。

 私は何度かこのブログにも記してきましたが、2009年4月26日に、S師範という松聲館の初期のころに学ばれた方から、鹿島神流の剣術や、甲野先生の昔の抜刀術などを2011年8月まで学びました。そして2011年から、甲野先生に剣術を学ぶようになり、初期の頃の技と、現在の最先端の技を、私自身の身体を通して整理をしながら現在の稽古としています。ですから、あまり意識はしていませんでしたが、私のおこなっている武術稽古は、まさに松聲館の剣術技法の研究でした。まだまだ、武術稽古を始めて4年10ヶ月の私ですが、いろいろな出来事が武術の道に入って早く訪れている気がいたします。

 私のような才能の無い者でも、人に教えるという環境が整い出してきました。ただ、私自身武術を始めてから長い年月が経っている訳ではありませんので、出来ない人の気持ちは痛いほどよく判ります。そういった、自分が経て来た過去をから、良かった方法、良くなかった方法が、鮮明に記憶にありますので、その部分では相手を思うということについて、私自身が過去に受けてきた経験から強いこだわりがあります。それは、武術稽古における感覚の気づきから、いろいろなものが気づきやすくなったのかも知れません。

 これからも、特に何か変えようとも思いませんし、今まで通りの研究稽古と稽古指導に情熱をかけられる姿勢で向き合っていきたいと思います。甲野先生から頂いた名称に恥じないように精進して参りたいと思います。


2014-02-21(Fri)
 

ポルトガル武術稽古珍道中③                                2009.12.4~2009.12.14(全十一回)

第三回

 2009年4月26日に武術稽古(一般的に古武術と言われるもの)を始めてから、現在このブログを記している時点で4年と10ヶ月足らずであるが、それまでにいろいろな出会いと、経験をさせていただいた。もちろんこれからも多くの人と出会い、いろいろなものを経験し糧となるように日々を生きていかなければならない。

 2009年のとある日、高田馬場の武道場で当時武術を学んでいたS師範が現れるなり突然、「金山君、ポルトガルに一緒に行かないか?」との誘いがあり、私も直ぐに「はい、行きます。」と答え、直ぐにチケットを予約したりして、即決でポルトガルに武術稽古へ行く事となったのである。S師範はポルトガルなどに数年間滞在し、武術指導をされていたこともあり、語学の問題も含め、私はただ着いて行くだけ(本を買って勉強しながらでしたが)というありがたい旅行となった。 

 2009年12月4日~2009年12月14日の10日間、武術稽古を始めて8ヶ月足らずの私が無謀にも、ポルトガルでの稽古生、つまりは先輩達との稽古や、スタジオ撮影等をおこなうために向かったのである。

 今回、そのポルトガル滞在時に毎晩ノートに書いていた日記を久しぶりに目にすることとなり、懐かしさとともに、現在の私の環境の変化と心境から、客観的に読めるものであったため、武術を始めて日が浅い私がどのように感じていたかを、当時の稽古内容とともにこのブログに記していきたいと思う。今回はその第三回目であるが、別の記事などを書きながら、合間をみて全十一回を記していく予定である。私自身どのようなことを書いていたのか忘れてしまっているので、今回ノートを見ながら多少の修正を入れつつ原文に近いものを記したいと思う。

 ※(カテゴリにある武術稽古の旅から前回までの記載を一括して見られます。)





【2009年12月6日】

ポルトガル3日目

 『ポルトガル3日目の今朝は、例によって7時30分にカルロスが迎えに来てくれて、サンタレンからリスボンにある武道場までハイウェイを100㎞/hで飛ばし、約一時間かかって到着した。ポルトガルでは、皆ビュンビュン飛ばして走るので、100㎞/hといえどもカルロスは安全運転で気をつかってくれている。

 2日目の稽古は、昨日の続きで鹿島神流の合戦組太刀十手、相心組太刀五手をおこなう。ジョージとカルロスはさすがに覚えが早く、ジョージは、元特殊部隊で任務についており、現在は警護の仕事をおこなっており、その体から迫ってくる圧力は、やはり違うと感じた。ジョージはこのリスボン武道場を仕切っており、和道流空手とともにここでの稽古生を普段指導している。そのため、稽古生に対する指導法は情熱あふれる厳しさがあった。おそらく前世は侍であったのではないだろうか。

 それにしても覚えるのに早くても1ヶ月はかかるであろう組太刀を、2日間で全組太刀三十四手をおこなうのはかなり知恵熱が出そうだ。皆一生懸命に「はい、先生!」と日本語でその都度返事をし稽古に励んでいる。その姿は、武術稽古における国を超えての精神の繋がりに素晴らしい絆を感じた。

 私も組太刀の、打太刀、仕太刀をおこないながら、教えたりすることを経験させていただいているが、言葉が判らなくても伝えることができ、さらに気持ちの面においても互いに伝わることが、武道、武術の素晴らしさであると痛感した。

 今日は稽古風景や、休憩中の皆の姿など良い写真を撮ることが出来た。そして稽古後に、地元の雰囲気タップリのレストランに7人で行った。S師範以外は全員ビール。アレ・・・みんなどうやって帰るのかな???(笑)みんな、全員ほんとうに明るく陽気で楽しいです。

 9時00分~12時00分まで稽古、12時30分~14時00分まで食事&ビール。(みんな本当によく飲むのです)帰りは、空全体が雨雲に覆われ真っ白で霧がかって雨がザーザー降り出してきた。それぞれ車やバイクに乗って帰って行き、我々はカルロスの運転でサンタレンの町を観光していただいた。

 サンタレンの町は古い建造物も残っており、のどかで家々が広く食べ物も美味しくて人々の繋がりもあり、ここで暮らしていると、人間らしさが発見できて、東京都心での生活環境がなんとも切なく思えてしまう。ここでは毎日両親やきょうだい、友人に知人、その日最初に会った人に対して必ずハグをする。国民性もあるだろうが、のどかな環境で、人口が日本の十分の一ほどであるため、人口密度も含め、日々人と人が出会う感覚が何やら違うのでないかと感じたのだ。だからこそ、日本から武術稽古に訪れた我々日本人に対する想いは私が想像している以上のものだと思う。

 カルロスの家に案内していただき、真剣を触らせていただいた。初めて鞘から抜いた真剣。初めて納刀した真剣。感動である。夕食はカルロスのご両親が住む実家でお母様の手料理をご馳走になった。カルロスの空手のお弟子さんや、お兄様ご夫婦にその子供達、総勢10名以上でのにぎやかな晩御飯。とても幸せな時間を過ごさせていただき感謝の思いで一杯となる。

 明日は月曜日、みなさんお仕事があります。明日こそ晴れることを祈って今夜は眠りにつきたいと思う。』

 ≪次回2009年12月7日につづく≫







組太刀稽古風景
          組太刀稽古風景


ジョージとカルロスによる組太刀
 (左)仕太刀のカルロス (右)打太刀のジョージ


組太刀三十四手を書き記すカルロス
     組太刀三十四手を書き記すカルロス


休憩時の一コマ
          休憩時の一コマ①


休憩時の一コマ②
          休憩時の一コマ②


リスボン武道場にて記念撮影
       リスボン武道場にて記念撮影
  前列左から、私、カルロス、S師範、ジョージ


リスボン武道場外にて
         リスボン武道場外にて


謎の三人
       謎の三人 ※(指はあります)


レストランでの食事
          レストランでの食事


霧がかったサンタレンの町
        霧がかったサンタレンの町


2014-02-18(Tue)
 

膝の内抜きによる全体的見直し

 本日は、17時から高田馬場での研究稽古と個人指導をおこなった。まず研究稽古では、杖術からであるが、ゆっくりと意識しておこなう。そして、移動の際の体の使い方が全体的に体幹部から動き出す、極々小さい膝の内抜きを心がけておこなう。それにともない、突きなどが、綴れ脚系の強力な動きから、体幹部の連動した移動を意識しての脚足の使い方に変更した。この方が途切れず、動き続けていて気持ちがいい。瞬間的な突きに対しては、以前の綴れ脚系の働きを織り交ぜたりしている。

 抜刀術では、膝の内抜きを全体的にテストし、かなりの抜刀が適応した。そしてその効果は、居着きを取り、体重の乗った重心移動がおこなえることで切っ先が走り、身体の詰まりが取れる感覚がある。なかには、笑ってしまうほど危なっかしい抜刀があるが、笑ってしまったほど効果的であった。この極々小さい膝の内抜きによる初動は、やっているのかいないのか判らないほど、感覚的な部分が多く、右手で持った野菜を離して柄に手を掛け、右手で抜くときの、「柄に手を掛ける瞬間」のように、自分でもどうやっているのか判らない感覚である。あらためて映像で見てもよく解らない。https://www.youtube.com/watch?v=m-QhU_T2CTk

 しかし、雰囲気的には出来る記憶が身体の中にあり、ジックリ考えてしまうと逆に失敗してしまうが、気持ち的に納まりのいいところで身体に任せると、出来てしまうものである。今日のテストで、有効であった抜刀は、「一之祓い」「潜龍出池」「懐月」「逆手前方抜き」「隅返し」「鷲眼一閃」であり、特に変化を感じたのは、「懐月」「隅返し」「鷲眼一閃」である。検証結果として、膝の内抜きは体幹部から動き出すため、居着きが取れ、逆に今まで居着いていたことを思い知る。これはゆっくりとした杖の稽古で、全ての動きを検討し、身体の操縦感覚を新たに書き換えなければならないと思う。以前にもこの動きに関してはチャレンジしていたが、その時はまだまだ動きが大きく、思い込みもあり、結果としてアソビが多く、纏まった動きに反していた。今後は、より小さく、体幹部から自在に動かせる、自動装置的な脚足の使い方が出来るように、憑かれたように身体に染み込ませたい。

 19時からは、S氏への個人稽古である。私の言葉を記憶し、家に帰っても毎日稽古しているという今まで教えてきた稽古生の中でも、もっとも真面目で熱心である。彼は、一年ほど前に合気道を習い始め、去年の暮れ頃に隣の剣道場で私がおこなっていた教室を外から見て、今年に入って個人稽古の申し込みを受けたのである。

 一週間に一度の稽古であるが、小まめにメモを取り家で練習してきているので、悪い癖が付くこともあるが、良くなっている部分もあり、特に前方へ移動する際の足運びは良くなった。しかし、上体に力が入り過ぎ、肘を伸ばし過ぎて肩が上がる傾向にある。肘を落とし得物の先端を意識するのと同時に、放物線のイメージを消し、最初の位置から最後の位置だけを意識し、身体の構造を疎かにしないように心掛けることが重要である。しかし、まだまだ稽古も始まったばかりなので、求めるものが厳しくても困ってしまうだろう。私の経験上、熱心さと、継続的に稽古をおこなうことが出来れば、短期間でかなり伸びてくるだろう。


2014-02-18(Tue)
 

守りたいもの

 昨日2月15日は、先週以上に降り積もった雪のため合計3時間雪かきをおこなった。鉄のショベルを用いて、かなりの範囲をおこなった。そしてこの時に感じたことは、私が取り組んできた剣術稽古が雪かきに大いに役立ったということである。

 手に取った際に、ショベルというより得物といった感覚が、道具から伝わってくる。大量の雪のため、身体が本気モードになったのだろう。向かえ身になり(どちらかの足が少し前になっている)、ショベルの持ち手を両手で持ち(手のひらが上向きの状態でかるく握る)、身体の中心にショベルをセットし、身体は前傾せずに気持ち骨盤を後傾気味に、雪の中へ差し込んでていく。この時にショベルが雪下へ入りにくい場合は、膝を少し内抜きに使って、体幹部から、前方へ移動させると、踏ん張らずに自身の体重を使って雪の中へ深く差し込むことが出来る。次に雪を持ち上げる際に、決して腕を身体から離さず、先端側にある方の手は臍(ヘソ)の前あたりに身体に近い位置とし、肘は外に張らず、下側に落ちていること、それに繋がって肩も落ちてくる。この時も上体は絶対に前傾しないこと。雪に差し込む際に、半身でおこなうと一見やりやすいが、上体が前方へ傾きやすく、腰への負担が構造上どうしてもかかり易い。

 次に、雪を投げ捨てる時が、腕を身体から離してしまうため、腰への負担がかかってくる。そのため、極力腕を伸ばしきらないように、肘が外側に張り出さず、肩が上がらない事が重要で、雪を投げ出す際に、差し込む時と同様に、前脚の膝を内抜きに使うことで、体幹部から動き始めるので、動き出したら、ストップをかけ、その反動を利用して手の内を返し雪を飛ばすのである。私自身驚いたのだが、この剣術の応用で雪かきをおこなうと、5人分ぐらいの仕事量をこなせたように思う。さすがに暑くなり、シャツ一枚に腕まくりしておこなっていた。すると、気づかないフリをしていたが、道路の反対側の女性にスマートフォンで撮影されてしまうという珍事が起きた。おそらくこの寒さにシャツ一枚で雪かきしていた姿が、写真のネタとなったのだろう・・・・・・
 とにかく、疲れないことと、一度に沢山運べること、身体を痛めない事、もちろん剣術稽古で練られた影響もあるだろうが、剣術稽古でおこなっている身体の使い方が極めて有効であることが判った。

 翌日の今日となって、さすがに筋肉痛はあるかなと思っていたが、若干、肩甲骨回りと背中に痛くはないがハリはあったぐらいであった。しかし、二の腕や腰に関しては、全く痛みも違和感も無い。やはり、体幹部をいかに有効に使えるかということが重要であり、使えば使うほど身体の弱い部分を補ってくれるのである。雪かきのことでこんなに文字数を使うとは思わなかったが、私にとってはよい稽古となった。

 前置きが長くなり過ぎてしまったが、本日はgold castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこなった。今日は初参加の女性の方が来られ、初めてにも関わらず、殺陣クラス、剣術クラスともに、他の生徒さん達と同じメニューでおこなえたことにチョット驚いてしまった。これは、私共の指導法だけでなく、生徒さん達の雰囲気と上達してきた動きに引っ張られた要因もあるだろう。ほんとうに現在まで参加されている生徒さん達は、いい流れにあると思う。

 今日私は感動してしまったことがあった。仕事の都合などで稽古に参加出来なかった方が二人、全講習終了間際になって、稽古場に顔を出してくれたことである。仕事の都合とはいえ、休んでしまうと、なかなか顔を出しづらい気持ちになると思う。もちろん、私としては全く気にする事もないし、考えにすることもない。しかし律儀にも二人が顔を出してくれたことは嬉しかった。こうして書いてしまうと、次回全員休んで最後に顔を見せにやって来る可能性があるので、無理をせずにそれぞれの都合でやっていただきたいと思う。

 私の思いとこれまでの流れにより何の問題も無く立ち上げたスクールであるが、ひたむきに稽古をされている生徒さん達を見ていると、この環境を育て、なんとしても守りたいという強い思いに、冷静さと、燃えるような思いが、頭の中を駆け巡っていくのである。それぞれの思いが、この場所で、技術というテーマに沿って同調し、またそれぞれの場所へと帰っていく。縁があることと無いことで、人に対する思いというものはどうしてこれほどまでに変わってしまうのだろう。私自身未熟なだけなのかも知れないが、守るものが出来てしまうと、争いが起きてしまうのだろうか。幸いにも現在は争いごとは何ひとつ無いが、人の争いには、守るべきものに対する大きさが大きいほど、争いが起き易いのかも知れない。そう考えると、人間の関係性というのは不思議であり、愚かであるように思う。だが、やはりそういったものをひっくるめて「縁」というのであろう。

 恒例のご婦人の剣術指導であるが、今日は二週間ぶりの稽古だったため、鞘引きと、左腰の開き、そして姿勢が少し前回に比べ甘くなっていた。鞘引きが臍の辺りで止まってしまうため、左半身を開いても、まだ一寸ほど切っ先が鞘の中に残ってしまっている。それは構えの時に、やや鞘を平にした際に、柄頭の方向が、身体の中心線より右側に向きすぎており、そのまま直線的に鞘を引くと、臍の辺りで止まってしまうことが大きな要因であった。その部分が修正されてからは、肩が上がること無く抜けるようになった。刀を速く抜くには、鞘の送りと体の開きが手順どおりに連動していかなければならず(必ずしも全てがそうでは無いが…)、その手順と連動を身につけるには、ゆっくりおこなわなければ通り過ぎてしまう。その通り過ぎてしまいがちな極僅かな部分が大きな違いとなりうることが非常に多いので、そのあたりを探るようにおこなうと変わってくるだろう。

 剣術クラスでは、四つの納刀を出来る方が増えてきたので、今後、いろいろな抜刀術を毎回テーマにおこなっていきたいと思う。杖術では、型の習得を目指して、それぞれの基本技を身につけていただく。次のステップへ向けて先ずはこの方向性で進めて行きたい。





 次回は、品川区総合体育館剣道場にておこないます。いつでもご連絡を受け付けておりますのでホームページにあるお問い合わせもしくは、こちらのブログのお問い合わせフォームより承ります。


2014-02-17(Mon)
 

雪の降る深夜に思うこと

 しんしんと雪が降り続けている本日は、読みかけの本を読了したり、以前読んだ本をパラパラとめくったりして、次に自分が覚えておきたい事を具体的に探し、それに向かってしばらく時間を費やすという移り変わりのタイミングでもあった。

 最近は文字の世界に没頭している気もする。私の場合、納得出来るものはトコトンやるが、納得できないものは頑なに拒む傾向にある。そのため、学生時代は机の上での勉強に意味を見出せず、(将来の目標が明確でなかったため)青春時代をボクシングに捧げてきた。社会に出て、勉強しなかった私には十分な会社に就職出来たが、やはりお金に変えられないもの、情熱をかけられるものを求めて退社。

 退社して半年後には映画に出演という不思議な縁もあった。自分が本気でやりたいもの、情熱をかけられるものには、必ず偶然と言える出会いの縁があり、突然の出来事というのは何度となく経験した。だからこそ、何時何時(いつなんどき)そのような突然の出来事に遭遇しても、瞬時に行動がおこせる心構えと、自身の環境の整え方が、日々の生活の捉え方の結果であり、そういった思いが「縁」という結びつきを起こさせるのではないかと思う。

 現在は縁の連鎖により武術の道に入り、学ぶということに夢中になっている。その道を深く知っていくには当然学ばなければならない事は果てしなくあるのだが、期限も無ければテストも無い。ただジックリと自分の本当の意味での身になっていく学びでありたいと思う。

 子供の頃から、一律に机の上での勉強を詰め込み、得手不得手を抜きにふるいにかけ、社会に出てからは、学びとは別のノルマであったり、出世するための知恵の働かせ方であったり、果たして、本当の意味で学ぶことが出来るのは何時なのであろうか・・・・・・

 幸せの価値観を、その他大勢主義の社会に引き上げられ、そこにある幸せをも気づけない弱い人達は増え続けていると思うし私もそんななかの一人である。だが、日々の生活の捉え方次第で、視野が変わり、何かに気づき、感覚が変わってくれば、少なくとも今までよりは充実した日々になっているのではないだろうか・・・・・・

 生涯、学び続けていけるものと出会い、そこに情熱をかけられること。未来への危機感に対し、やはり「感覚」を上げていける日常を養っていかなければならない、それこそが勉強ではないだろうか。


2014-02-15(Sat)
 

ポルトガル武術稽古珍道中②                               2009.12.4~2009.12.14(全十一回)

第二回

 2009年4月26日に武術稽古(一般的に古武術と言われるもの)を始めてから、現在このブログを記している時点で4年と10ヶ月足らずであるが、それまでにいろいろな出会いと、経験をさせていただいた。もちろんこれからも多くの人と出会い、いろいろなものを経験し糧となるように日々を生きていかなければならない。

 2009年のとある日、高田馬場の武道場で当時武術を学んでいたS師範が現れるなり突然、「金山君、ポルトガルに一緒に行かないか?」との誘いがあり、私も直ぐに「はい、行きます。」と答え、直ぐにチケットを予約したりして、即決でポルトガルに武術稽古へ行く事となったのである。S師範はポルトガルなどに数年間滞在し、武術指導をされていたこともあり、語学の問題も含め、私はただ着いて行くだけ(本を買って勉強しながらでしたが)というありがたい旅行となった。 

 2009年12月4日~2009年12月14日の10日間、武術稽古を始めて8ヶ月足らずの私が無謀にも、ポルトガルでの稽古生、つまりは先輩達との稽古や、スタジオ撮影等をおこなうために向かったのである。

 今回、そのポルトガル滞在時に毎晩ノートに書いていた日記を久しぶりに目にすることとなり、懐かしさとともに、現在の私の環境の変化と心境から、客観的に読めるものであったため、武術を始めて日が浅い私がどのように感じていたかを、当時の稽古内容とともにこのブログに記していきたいと思う。今回はその第二回目であるが、別の記事などを書きながら、合間をみて全十一回を記していく予定である。私自身どのようなことを書いていたのか忘れてしまっているので、今回ノートを見ながら多少の修正を入れつつ原文に近いものを記したいと思う。

 ※(カテゴリにある武術稽古の旅から前回までの記載を一括して見られます。)





【2009年12月5日】

ポルトガル2日目

 『今朝は予定通り午前7時30分にカルロスが迎えにやって来た。日本に比べるとポルトガルは少し寒い。サンタレンから武道場があるリスボンへカルロスが運転するプジョーに乗ってS師範と三人いざ出発。

 小雨の降りしきる中、ハイウェイからポルトガルの景色を眺める。地平線が遠くに見えたり、畑が広がっていたり、綺麗な色使いの家々が建ち並んでいたり、色彩のセンスが日本とは大きく異なっている。途中ガソリンスタンドでコーヒーを飲んで休憩をし(日本と違ってコンビニなどのお店が少ないため、ガソリンスタンドがその役割をしている。またカフェ代わりにもなっている。)ふたたび田舎の景色を眺めながら、都会の街リスボンへと向かう。

 1時間ぐらい走って武道場に到着。(日本のハイウェイに比べて確実に皆飛ばしていると思う…)ジョージを始めすでに皆待っているが、施設の中がまだ清掃中のため、入り口付近にて皆で談笑する。(ジョージはかつて特殊部隊の任務についていた経歴があり、現在は警護の(SPのような)任務についているという。日本の武道、武術に対する思いは相当なものがありS師範とは10年近い師弟関係である、しかしながら日本語はほとんど話せない。一方カルロスは、私の一つ年下であるが武道、武術歴は私とは比べ物にならない。和道流空手三段(当時)の使い手で、ジョージと同じくS師範との関係は長い。日本語も少し話せる。したがって、S師範いわく、ジョージがポルトガルNO.1の弟子でカルロスがNO.2の弟子であると言われていた。)

 いよいよ稽古場に入る。高田馬場の武道場のおよそ半分ぐらいの広さだが、とてもいい武道場だ!和道流空手の開祖大塚博紀師範の写真が記されており、普段和道流空手の稽古場としても使われているのだろう。

 稽古開始。
 稽古初日となる本日から、裏太刀十手、実戦組太刀九手、合戦組太刀十手、相心組太刀五手を稽古していく。今日は、裏太刀十手と実戦組太刀九手をおこなった。初日から裏太刀十手と実戦九手を覚えるのは大変だと思うが、ジョージにカルロス、そのほかのお弟子さん達は相当真剣に稽古に取り組んでいて、特に礼儀に対する姿勢には見習うべきところがあった。本日は全員で10人。袋竹刀での組太刀稽古に集中する。今日は見れなかったが、皆の抜刀術も拝見したい。9時頃に開始して途中休憩をはさみ、皆で車座になり、ジョージが入れたお茶と、日本で買ってきたお菓子を食べながら一息。初日ということで緊張感もあったが、こうした急須に湯呑みというのはなんとも落ち着くものである。

 休憩後に実戦組太刀九手をおこない気がつけばもう12時。皆で正座して礼をし、本日のポルトガルでの初稽古は終了した。武術を始めて8ヶ月足らずの私が、失礼ながらにも、組太刀の指導のようなものをさせていただいた。(日本ではS師範とほぼマンツーマンで各組太刀稽古をおこなっていた)なんとも気持ちのいい充実した稽古であった。

 皆でシャワーを浴び着替えたのち、道場の隣にあるレストランで昼食。稽古の時と違って、皆とにかく陽気で楽しい。
 14時に解散し、カルロスの車でサンタレンに戻り、私達が宿泊させていただいているカルロスの両親が住まわれる実家に戻り、S師範が預けているという巨大なフクロウを見せてもらった。鳴き声もすごいが、その大きさに驚く。庭の木に育っているオレンジをそのままいただく。これがとてつもなく美味しかった。ポルトガルは何を食べても美味しい。

 夕方になり、和道流空手のお弟子さんである、フェルナンデスの誕生日パーティーにS師範とカルロスでゆく。とても立派な豪邸に驚く。S師範がある思惑でどうしてもフェルナンデスをビデオカメラで撮影しようとセリフまでつけて撮影していたのには笑いが止まらなかった。それにしても実に気さくな人達だ。

 パーティーも段々と親戚やら子供達が増え賑わいを見せていたが、明日もあるのでS師範とともにカルロス邸へ帰り、カルロスのご両親とお姉さまにご挨拶して本日は早めの就寝となった。明日も7時30分に出発だ!』
 
 ≪次回2009年12月6日につづく≫







リスボン武道場
        リスボンにある武道場


リスボン武道場内
      和道流空手開祖 大塚博紀師範


稽古初日
         稽古初日開始前風景


フクロウのマリーア
         梟のマリーアとカルロス


マリーア



2014-02-13(Thu)
 

木刀での組太刀稽古

 本日は、高田馬場での研究稽古と個人稽古指導と合わせて4時間の稽古となった。まずは、研究稽古において、抜刀術の『鷲眼一閃』という抜刀であるが(次回の抜刀術演武映像に配信予定)抜き付けに刀を抜く際に、左足が前に出ながら抜く甲野先生の抜刀の影響の濃い抜刀であるが、今日は、構えの時点で右前足を瞬間的に小さく内抜きに使うことで、左足が前方へ運ばれる際に生じる抜刀のエネルギーが、以前に比べ体幹が纏まって前方へ移動している感じがあった。切っ先の走りも上がり、また右腕の負担も減少した。僅かなことであるが、身体の何もしてない部分には何か出来る可能性があるということだろう。

 19時からは個人稽古指導に入る。S氏の杖の打ちと木刀の振りにともなう足の動きが良くなってきた。しかしまだ、上下のブレがあるので、足の裏、膝、股関節に気をつけておこなうと良くなるだろう。今日は初めて杖の下段抜きをおこなった。段階を踏みながらであるが、杖の返しと、脚足の移動が上手く連動する感覚が身に付くようにおこなうこと。

 次に剣術では、木刀による組太刀『対正眼、表交差からの潰し』と『対正眼、裏交差からの潰し』をおこなった。両手両足の連動が身につくことから始めると、無駄な部分が消えてくる。あらためて感じたことは、私がおこなっている剣の振り方が、自身の起こりを消すようにおこない、アソビをなくし重い木刀を走らせることが、剣術稽古と言える内容の稽古法であったことだ。もちろんそのつもりでおこなっていたのだが、自身の起こりを消すことは、相手の起こりも感じやすくなり、自身の身体感覚を見つめることで、相手の感覚もつかむことが出来るのではないかと感じるものがあった。

 やはり組太刀稽古は、さまざまなものを引き出されるものがある。あわせて、研究稽古の質も上がってくるだろう。私自身、まだまだ気が付いていない部分が沢山あるのと同時に、まだまだ身体構造による技の進化も構造が追いついてないと思う。やはり、時間がかかる部分はあるだろう。しかし、分かってはいるが、早く身につけなければ時間は一秒足りとも止まってはくれない。そのためには、一日24時間をどのように過ごすか、まだまだ取り組むべき一寸したことはたくさんありそうだ。

 ※2月3日に書いたブログに「立木打ちで削れた丸木」の写真を掲載いたしました。


2014-02-11(Tue)
 

雪の武道館

 昨夜は東京で40数年振りの積雪27㎝を記録した。場所によってはそれ以上の積雪も見受けられた。明けて本日は、朝から降り積もった雪道を歩き、近くの小学校まで都知事選の投票に出かけ、帰宅してからは直ぐに、日本武道館でおこなわれる「日本古武道演武大会」を見るために、夜におこなうgold castle 殺陣&剣術スクールの道具類などの荷物をまとめて慌しく出かけて行った。

 自宅から武道館までは30分程度で着いたため、最初の演武は見逃したがあとは最後の3流派以外全て見ることが出来た。たった500円の入場料で割と席が空いているため、全てでは無いが、「日本各地で現存する日本武道、武術の今」を目におさめることは必要である。それぞれ8分間の制限時間の中で、10名以上でおこなわれるものや、2人でおこなわれるものもある。見ていると8分間はあっという間である。(長く感じることもあるが・・・・・・)

 示現流の第十二代宗家東郷重徳師範から、第十三代宗家東郷重賢師範に相伝されていた。今後も武道、武術界では若い人へと伝統が受け継がれていくだろう。だが、現代の世の状況からどのような人物が現れてくるのか・・・時代背景からなる必然性を感じない現状では、それぞれの人間の生き方が武道、武術の存続に対し真に問われてくるように思う。

 そんな中、今日は思わぬ方との出会いがあった。演武大会の休憩時間に、「金山さんですか?」と声を掛けられ、自然な和装姿に初対面とは思えない不思議な安心感をもってご挨拶させていただいた。お名前を伺ったところ、あっ!と思い出し、そのお名前と剣術、抜刀術の印象は映像で拝見し記憶に残っていたので、初対面であるが、「お久しぶりです」というようなおかしな私の心境であった。『古武道学舎 清風会』主催 高無宝良師範であった。先日ブログに記した、ポルトガルに行ったS師範と共通の繋がりがあり、不思議なご縁を感じてしまう。高無師範は、関口流抜刀術、新陰流兵法、二天一流兵法をおさめられ、私のような者が声を掛けていただくのは申し訳ない。しかし、こうした突然の出会いというのは、予期せぬ場合であればあるほど、何か意味をもっていると思うので、武術を通じて今後どのような道が見えてくるのか、今では想像も及ばないがその道を歩んでいるのだろう。

 11時から15時30分位まで各流派の演武を見続け、残り3流派の演武があったが、雪の影響も心配だったため、早めに次のスクールのため日本武道館を後にした。しかし外は、朝と違いスッカリ雪が溶けており、今朝までの積雪を考えると信じられないほど早く雪かき等で道が整備されていた。今回は、ニュースで散々宣伝していたため、皆大雪に備えて準備していたのだろう。
 
 戸越体育館にて、gold castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこなう。今日は女性の方が杖を購入され、次回は男性の俳優さんが鞘付き鍔付き木刀を購入予定である。(購入金額についてはこちらhttp://www.tate-ken.com/cont4/main.htmlに記してあります)

 やはり上達のためには、いつでも触れられるように手元に道具があったほうがいいだろう。私の場合、初めて居合い刀を手に入れた時は、最初の数日間は柄を握ったまま刀とともに寝ていた。しかし、だんだん自分の寝相の悪さで刀を足で蹴ったり踏みつけたりしそうなので何日かで止めた。

 今回の剣術クラスでは、杖の型を中心に、水車、回し打ち、下三方突き、巴、などをおこなった。始めに皆さんにどのようなものか杖の型を見ていただいた時に唖然とされていたが、皆、短い時間内にも関わらず覚えていた。やはり、自分の成果を知る上で、一つの型を実践していただくのは具体的な目標という楽しさも味わうことが出来るため必要なのかもしれないと思った。次回から杖術はこのように展開していきながら、そろそろ抜刀術も進めていこうと思っている。





 次回2月16日は同じく戸越体育館で18時30分~20時30分の間でおこないます。ホームページにも記していますが、どのような方でも安心して参加出来ますので、お気軽にご連絡ください。連絡先はホームページのお問い合わせかもしくは、こちらのブログのお問い合わせより承ります。


2014-02-10(Mon)
 

ポルトガル武術稽古珍道中①                                2009.12.4~2009.12.14(全十一回)

第一回

 2009年4月26日に武術稽古(一般的に古武術と言われるもの)を始めてから、現在このブログを記している時点で4年と10ヶ月足らずであるが、それまでにいろいろな出会いと、経験をさせていただいた。もちろんこれからも多くの人と出会い、いろいろなものを経験し糧となるように日々を生きていかなければならない。

 2009年のとある日、高田馬場の武道場で当時武術を学んでいたS師範が現れるなり突然、「金山君、ポルトガルに一緒に行かないか?」との誘いがあり、私も直ぐに「はい、行きます。」と答え、直ぐにチケットを予約したりして、即決でポルトガルに武術稽古へ行く事となったのである。S師範はポルトガルなどに数年間滞在し、武術指導をされていたこともあり、語学の問題も含め、私はただ着いて行くだけ(本を買って勉強しながらでしたが)というありがたい旅行となった。 

 2009年12月4日~2009年12月14日の10日間、武術稽古を始めて8ヶ月足らずの私が無謀にも、ポルトガルでの稽古生、つまりは先輩達との稽古や、スタジオ撮影等をおこなうために向かったのである。

 今回、そのポルトガル滞在時に毎晩ノートに書いていた日記を久しぶりに目にすることとなり、懐かしさとともに、現在の私の環境の変化と心境から、客観的に読めるものであったため、武術を始めて日が浅い私がどのように感じていたかを、当時の稽古内容とともにこのブログに記していきたいと思う。今回はその第一回目であるが、別の記事などを書きながら、合間をみて全十一回を記していく予定である。私自身どのようなことを書いていたのか忘れてしまっているので、今回ノートを見ながら多少の修正を入れつつ原文に近いものを記したいと思う。





【2009年12月3日】

 『2009年12月3日ポルトガル出発前日の夜、S師範宅へ宿泊させていただく。面梟(メンフクロウ)を部屋の中で見たのは初めての体験である。イタチも二匹、同じく初体験。そしてベランダにはイヌワシが・・・・・・(マンションである)

 飛行機へ積める荷物の重さが20㎏制限までなので、持って行く荷物がなるべく均等になるように分配。少なくしたつもりでもスーツケース自体の重量もあり意外にシビア。

 明日は7時30分の成田空港行きのバスに乗るため、かるくポルトガル語のレッスンを受けたり雑談をしたあと、0時過ぎに就寝。』

【12月4日】

 『昨日まで降っていた雨が止み、嘘のような快晴。渋滞にもかかわらず、ほぼ定刻に成田空港へ到着。

 諸々の手続きを順調に済ませ、不安であった荷物の重量測定・・・・・・一番重そうだったスーツケースが17.2㎏でOKだった。ただ、失敗したことは、私がマイレージをKLMオランダ航空ではなく、JALにしてしまったことと、青色の傘を持って来てしまったことだ。(色は関係ないが)

 マイレージは当然使えないし、傘は荷物になるだけで全く使えない。S師範に笑われてしまった・・・・・・

 それはさておき、約11時間のフライト。国際線とはいえかなり狭い座席スペースに驚く!座席はボーイング747の一番最後尾の右側3列シート。窓側が体の大きい黒人男性。真ん中が私。通路側がS師範。しかし、狭かったスペースも時間が経つにつれて、あきらめ・・・・・・というか慣れて平気になってくる。

 KLMの制服は薄めのブルーで、いかにも外国的な感じがして新鮮だった。さすがに11時間あると、本を読んだり、寝てみたり、映画を観たり、立ち上がって体操してみたり、いろいろ食べてみたり、飲んでみたり、時間を持て余す。
 本は明かりの関係であまり読めなく、食事をすると眠くなり、トイレのために目が覚め、そして映画を観だし・・・・・・なんだかローテーションしていた。

 想像していたよりも、飛行機は傾くことなく無事にアムステルダムへ到着。驚いたのは滑走路の長いこと長いこと。着陸してゆるやかに減速。そのまま、電車に近いくらいのスピードで10分間近く走行。どうしてこんなに滑走路が長いのかすごく気になった。

 アムステルダムの空港は華やかで大きい。さすがにアジア系の人種は激減し、自分達が外国人になったことを実感する。約2時間後に次のアムステルダム~リスボン行きの飛行機に乗り込む。飛行機は先ほどより小型になったが、気のせいかこちらの方が圧迫感が少ない。こちらも最後尾の座席で右側3列シートの窓側にS師範、真ん中が空席で通路側に私。出発時刻は20時40分だが、さすがに日本時間だと深夜3時か4時頃なので二人とも就寝。

 3時間のフライトで遂にリスボンへ到着!ロビーに出ると、ジョージとカルロス(S師範のポルトガルでの一番弟子と二番弟子である)そしてカルロスの婚約者のソフィアと初対面。ご挨拶をして、ロビーでコーヒータイム。(カフェでのコーヒタイムは一日に最低4回以上はおこなわれることに文化の違いを感じた。)ジョージ、カルロスともにS師範との再会(S師範は毎年年に二度ほど行かれており、十数年来の師弟関係である。)に非常に喜んでおり楽しいコーヒータイムとなる。

 深夜0時を回り、ジョージはバイクで別れ、カルロスとS師範と私はソフィアが運転するクルマに乗せていただく。
 深夜のため、リスボン周辺の景色はよく見えなかったが、ハイウェイをリスボンからサンタレンまで1時間も走らない内に、今この日記を書いているカルロスのご両親が住まれている実家に宿泊させていただく。とても綺麗で広い家に恐縮してしまう。明日は早朝7時30分に、リスボンにあるジョージが借りている道場に向けて出発。(サンタレン~リスボンは大体100㎞ぐらい)

 ポルトガルでの初めての稽古を楽しみに今夜は素敵な部屋の素敵なベッドで寝させていただく。』

 ≪次回2009年12月5日につづく≫







2009.12.3
      面梟(メンフクロウ)


2014-02-09(Sun)
 

フトしたところに発見がある

 本日は高田馬場での研究稽古であった。昨日の稽古で剣の振り方に大きな違いを確認(確信)したため、今日は、剣の振りというものに特化した稽古にしたいため、浮気しないようにあえて杖と居合い刀は持って行かず、真剣とユス(イス)の木刀と赤樫の木刀のみ持参。

 それともうひとつ検証したいのは、重心移動の際の脚足の使い方で、以前取り組んでいたが、時間ががかり過ぎるため、止めていたのだが、爪先の使い方と、なるべくアソビをつくらないようにおこなうことで、去年の5月に木刀の持ち方から、起こりの無い振り方を研究しはじめたのと同時に、この重心移動をいろいろ試してみたが、ずっとハッキリしないものであった。足が先に前に進むのか、体幹部が先に動き出すのか、足が早く前に出ても、体幹部のある身体が残った後ろ足とともに前に行こうとする時間がもどかしい。体幹部のある身体が先に動き始めることで、重心移動は速やかにおこなわれる。その部分がようやく自分の中でハッキリと自覚出来た。信号待ちなどでも、青になった瞬間に、さりげなくこの移動のしかたをおこなうと、やはり周囲と比べ力感がない分妙な反応の良さで飛び出してしまう。

 二時間の稽古で、さまざまに間合いを変えながら剣を振ってみた。振り方の力関係が変わったためか、左手小指の付け根に久しぶりにマメが出来た。

 今日の稽古を終えて、実感した事は、剣の振り方にもまだまだアソビが多いこと。脚足の使い方にも、まだまだアソビが多いことが分かった。しかし今のところ、この二つの研究テーマに迷いがないので、稽古の中で精度を上げていきたいと思う。

 それにしても、一年前のやり方で今日のような感じで二時間剣を振っていたら、腕がパンパンになって筋肉が痛んでいただろう。今現在そのような痛みは全く無いので、なおさら、今日の稽古は意味のあったものではないかと思う。

 しかし、人間の身体はフトしたところに秘密が隠されていて実に不思議なものだと思う。思い込みは、可能性に蓋をしてしまう場合もあり、その辺の常識といったものや、刷り込まれているものを、どう立て直していけるか。世の社会の中では、気づきかけても実践出来ない事が多いが、自分の身体なら、自分次第でどうにでもなる。こういった己の身体を通じて学ぶ道理と言えば大袈裟かもしれないが、実感をともない生きていく中での教えは武術稽古のなかに多分に含まれていると私は思う。


2014-02-07(Fri)
 

夢見心地なつかの間の春

 昨夜は、スクールの講習を終え自宅に帰り、自身の身体の調整のための稽古をおこなう。ブログで稽古日記を書いて4時過ぎにカラスが起き出したころで就寝。

 11時に起きると昨日の講習でおこなった杖での左右の巻き落とし突きによる、肩甲骨周りのかるい筋肉痛に気が付く。以前は、六尺棒(約180㎝)でこれをおこない、鹿島神流にある槍術や薙刀術の組太刀を、稽古生二人か三人を相手に一時間以上おこなっていたのだが、この一年以上長物稽古はほとんど積んでいない。この長物での稽古は、体を練るには最高の稽古である。特に背中を細かく複雑に使うため、感覚に優れた詰まりの無い筋肉が育つ。

 それとは別に以前、私は示現流の「立木打ち」をおこなっていた時期があり。夏場には瞬間的にではあるが、気を失って仰向けに倒れてしまったことがある。これは、左手が倍に腫れるほど強烈な打ち込みであり、手の皮はものの五分で剥がれ、血が木刀に染みこむほど激しい。三間(約5.46m)の間合いを2.5歩で詰めそれと同時に打ち込むのだが、一声一打×10回次に一声二打×10回と続け、一声十打×10回を終えると550打となる、さらに続け、一時間内に700打を全力で打ち込んだ。これは、体幹を強化するにはこれ以上ない効果的な稽古であるが、これをおこなう環境がなかなか整えることが難しいのである。屋内では、この打ち込みに耐えられる装置を組み立てることは極めて困難であるし、屋外では、人が少なく、このような激しい打ち込みが出来る場所はほとんど無い。郊外の河原でおこなったり、大きなグラウンドの端っこでおこなったり、高速道路の高架下の畑などがある隙間でおこなったり、さまざまな場所でおこなった。どこでおこなっても人の目があり、最初は気になるが、一声二打×10回を超えると周囲とは無縁となる。

 しかし、この稽古で間違いなく体幹部の強化と脚足の強化、さらに精神的な強さは得られるが、このままいけば全く別の術理で武術をおこなわなくてはならなくなると感じていた。体はたくましくなってくるが、上腕部や肩周りの筋肉の発達により、可動域や感覚が変わってしまい、抜刀術が難しくなってくるのである。そのため、一年以上前から、この示現流の素振りは一切やらなくなった。そのかわり、同じユス(イス)の木刀であるが、筋力ではなく身体の構造を探りながら、体幹を使って起こり無きように振れることを追求している。

 流派によって、追求していく技法の目的が違うため、さまざまなものを取り入れようと考えるのは危険である。もちろん相性のいいものもあるが、深い部分を突き詰めていけば、そう簡単にはいかないだろう。そういった意味で、私がおこなっている武術では、長物稽古は重要である。袋竹刀の購入もタイミングを見ているが、七尺位の槍も欲しいところである。

 今日は高田馬場での研究稽古であった。最近は常に文字を見たり書いたりしているため、頭の中がボーっとしており、武道場にいるのだが、まるで自宅の部屋の中にいるような錯覚があり、意識と肉体が別々に感じるような感覚であった。眠さもあっただろうが、この感じが嫌ではなく、むしろ周りの状況が全く気にならず、どこか遠くから自分を遠隔操作しているような、半分夢でも見ているような感覚であった。

 杖の稽古から入り、昨日気になった親指の重要性に気がつき、杖に上体が引っ張られないように、杖もそうであるが、剣の振りでも親指の重要性を確認出来た。

 抜刀術は、今現在、細かく気がついた部分を取捨選択し、組み上げてきた結果、以前に比べ全て進化したと思う。細かく小さな部分での位置が重要であり、その細かくて小さな部分をいかに発見できるか、トライ&エラーを怠らないこと。

 最近は、良いのか悪いのか進展してもあまり嬉しくなく、感動して動きが止まることは無くなってきた。しかし、求める意欲は変わらないので、次の扉に向けて日々精進するしかないだろう。

 三時間の研究稽古を終え、そろそろ組太刀稽古に向けての欲求が高まってきたのである。おそらく、今までおこなっていた内容の組太刀が、現在の身体の使い方では随分変わるだろう。それらを全て、打太刀、仕太刀毎に整理し研究していきたい。

 明日は一転真冬の寒さになりそうだ。明日はどのように予定をこなしていくか、今日の半ば夢見心地な心境で、周囲の環境に全く影響されず、心を乱されずに過ごしたいと願う。





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    立木打ちで削れた丸木


2014-02-03(Mon)
 

スモークを焚いた街並み

 先日、1月27日に配信された甲野善紀先生のメールマガジン『風の先、風の跡~ある武術研究者の日々の気づき』の稽古録の中で、剣術に励む者として過分なお言葉をいただき、今後の武術稽古において大いなる励みとなりました。現在私は、甲野先生との剣術稽古や、その有効性から柄を寄せて持つ操法となり、体幹部の働きからなる身体の使い方など非常に得るものがあり、未熟な私ですが感覚的に引き出せるものはまだまだ眠っているように感じます。

 私は、2009年4月26日に初めて武術稽古をおこない、そこで出会ったS師範から鹿島神流の剣術や、およそ30年前にS師範が松聲館で学ばれた杖術や抜刀術を2011年8月まで伝えていただきました。僅か2年4ヶ月間でしたが、非常に中身の濃い日々でありました。その後、一人研究稽古をしながら、甲野先生と稽古をする機会があり、現在ではS師範の身体の使い方とはかなり変わってしまいました。しかし、最初に取り組んだ剣術が鹿島神流の剣術であったことは非常に感謝しております。それは、甲野善紀先生や、鹿島神流十八代宗家である國井道之先生といった、剣術と体術が一体となった武術を学ぶルーツでもあるからです。その鹿島神流の剣術稽古をおこなっていた頃の日記がありましたので近日中にこのブログで配信したいと思います。まだ武術稽古を始めて8ヶ月足らずの2009年12月3日~2009年12月14日の間、S師範と共に武術稽古に行ったポルトガルでの珍道中です。



 早いものでもう二月となってしまった。ここ最近は気圧の関係から南風が入り、日中は春を感じさせるような温かさと匂いがある。まだまだ、冬を思い知らされる日も来るとは思うが、季節の変わり目を匂いで感じる瞬間が私は好きである。そんなダウンコートが必要ない午後から、品川区総合体育館にて私共が主催するgold castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこなった。

 本日の剣術クラスでは、杖術「左右の巻き落とし突き」をおこなった。手足の連動を身につけるためには効果的な稽古であるが、いささか早すぎたようであった。手之内が決まってくるまでは、前後の手足の連動からおこなった方がよいだろう。しかし、本日参加された方々は、覚えが早くそれなりに形にはなってきた。しかし、杖を滑らせる感覚と、手首の使い方が自然と身に付く方向に導いていった方がいい。これは、杖術における基本であるが(他流とは異なる重要な部分である)シンプルな基本の部分だが、全ての操作に関わってくるため、もっとも重要な部分でもある。これに合わせて、水車、裏車、回し打ち、巴、四方突き(水鳥の足は使わず)をおこない、個人的には型を決めるのは弊害が出るためやらない方がいいと考えていたが、私も武術稽古を始めた当初はやっていたし、自分の成長を分かり易いかたちで実感出来るものとして、「杖の型」をおこなうことにした。これは私も昔おこなっていたやり易いものを、前半と後半に分けて皆さんに伝えていこうと思う。
 しかし、役者さんレベルでこの杖の型が綺麗に出来れば、吹き替えを使ったアクションチームの方々で無く、俳優が自らおこない、この技術に関してアクション専門の方より抜群になれば、他に代わりが居ない分大変貴重な存在となるだろう。そういった意味でも、「剣術」という専門技術を身に付けることは、他にそこまでの人が居ない(気づいていない)からこそ、価値があるだろう。

 さて、日に日に良くなってゆくご婦人の稽古であるが、前回指摘した、右で抜こうとし過ぎていたことを、今日は見事に修正し、左後ろ足の開きに連動した左腰の開きが、右腕の仕事を助け、さらに私が驚いたのは、体重33㎏の細腕から、鞘離れした赤樫の細身の木刀が、そのまま「抜付け」のように、力感無く切っ先が走ったのである。これは、右腕だけで抜いてしまっては絶対に力感無く切っ先が鯉口から離れた瞬間のエネルギーで走ることは無いだろう。だからこそ、ご婦人の細腕で、今までに無い木刀の水平での刃筋が通った軌道に驚いたのである。
 次に、抜刀後の逆手に持ち替えての納刀であるが、身体を開いて鯉口に切っ先を入れる際に、柄を握っている逆手に持ち替えた右手親指が握ってしまうと、右肩が前に被さる感じになり、大変やりづらくなってしまう。これは、逆手の納め方の基本であるが、柄を握らず、添えた四指と、伸ばした親指、この伸ばした親指が重要で、これにより右肩が前に被さらず、身体を開きやすくなるため、切っ先を鯉口に運ぶことがやり易くなってくる。このように、親指を曲げるか、伸ばすかの違いだけで、大きな違いとなってくるのである。これは、運動神経や、筋力でなく、関節の使い方などの複合性から可能となってくるもので、私はご婦人の稽古を通じて、確信を得ながら私自身の稽古にもなっているのである。

 講習を終えて外に出てみると、街中が薄い霧に包まれており、まるで舞台に焚かれたスモークの演出のように、信号や街灯、街のネオン、クルマのヘッドライトなどが、綺麗なライティングのように光が拡張されている。以前ポルトガルのサンタレンという町から、夜中ハイウェイを9時間かけて、スペインのマドリードまで行った際に、100m先も霞む濃霧に襲われたのを思い出す。その白い煙のたち込める闇夜を時速100㎞で飛ばすカルロスの運転に、死ぬかもしれないと思い続けて後部座席に乗っていた記憶は生涯忘れないだろう。この件に関してはいづれ記そうと思う。



 次回は戸越体育館での講習です。休んで間が空いていても全く気にする事なく参加出来ますので、気楽に御参加ください。また、稽古道具についてや、購入を検討されている方、講習内容についてのご質問など、お気軽にご連絡ください。


2014-02-03(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


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1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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