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踵が上がらず膝が開かない角度が後ろ足の角度

この二日間もまた色々と展開がありました。世間の騒ぎとは別にいつもと変わらない日々を送らせていただいております。

まずは火曜日から。

この日はいつものように「クラーチ剣術教室」へ。更衣室代わりに使わせて頂いている入浴場ではタイミングよくお風呂から上がられた85歳のTさんとお話しするのがいつものパターン。この時間帯はT他に利用されている方が殆どいないため、僅か数分の時間ですが、数年間続いておりますので、楽しみな時間となっております。

 入浴場を出て、右に歩いて十数メートル程の所に講習会場があり、開始時刻の7、8分程前ですので既に殆どの方が自主稽古されております。

 「おはようございます!」と入室し、皆さんの笑顔とワイワイ談笑されているのがいつもの風景です。このワイワイ談笑されている雰囲気というのは、その空間の特色にもよりますが、こうした高齢者の方々が集まって何かをされる場としては自然であり、良いものであると感じております。ですので、私の稽古会や講習会はそれぞれ全く雰囲気が異なるものであり、私自身も自然に、そこにある最も重要な役割に沿って切り替わっているのだと思います。

 杖ではこのところずっと「轟之型」を続けておりますが、興味をもって取り組んで取り組んで頂いているのを嬉しく思います。最後に回転する箇所がありますが、他の講習でも殆どの人は回転する際に下を向いてしまうため、「遠くの人を探すように回って下さい」とお伝えいたしました。こうした言葉によるイメージというのは、自らの経験で覚えている感覚を瞬時に引き出しやすくするものですので、最初はそのようなイメージからおこない、徐々にそのイメージが無くとも身体が遠くの人を探すための感覚から、型の中で回る感覚を掴むようになり、意識のコントロールで掴んでいく部分もあります。

 私も最近になってですが、これまで意識でどうにか考えながら判定していたものを良く解らぬままに行けるという感覚が先に行動を促すようになってきた部分もあり、出来るというのは、意識よりも先にある身体の何かしらの経験値があっての事であると思うようになりました。そのことについては翌日の稽古中に言葉に変換され気が付きました。

 剣の講習では、これも何週かに渡って興味を持っていただいている「柄奪り反し斬り」をおこないました。
 解らないと思いますが動きを全て書き綴りますと、これは相手が刀を抜こうと柄に手を掛けるタイミングに、右手と右足が前方に伸びながら、相手の柄頭、もしくは柄の上部に右手を掛け、流れに沿って左足が回り込むように入り身に入り左手で右手の左側の柄を持ちながら右手の持ち手を柄の下側へと回りこませます。その流れに沿って右足が開きながら背中を相手に押し当てるように両手で右斜め上に引き上げ、刀が抜けましたら、右手を左手の下に位置し直し、右手手の甲側を当てながら杖術の廻し打ちのように押し込んでいきます。同時に左足を右回りに回りこませ、その最中に抜き取った柄が手之内に収まりますので、両足で相手側に回りこんだのち、距離を取るため右足を引きながら物打ち所を相手の後方の首へ付けます。

 これは、最初に柄を右手で押さえた瞬間、相手が無理に抜こうとすれば抜きやすいものですが、抜かれることを察知して柄に手にかけた右手を鞘の鯉口側へ押さえた場合は、相手の右前足を踏んで鞘を上方へ持ち上げれば相手は倒れやすくなります。尤も実戦的には当身や足を掛けたりということになるかと思いますが、それらを無しに、身体に経験させておく無意識へのヒントは重要であると感じます。

 講習後は、ここのレストランで皆さんとお食事。
 先月に続き今月もDさんとお会いいたしましたので、Dさんのテーブルに皆さんと座って一時間を超えて楽しいひと時を味わいました。7月で91歳になられるDさんもクラーチ剣術教室開講当時の生徒さんでいらっしゃいましたので、体調の事もあって今は辞められましたが、当時のようにみんなと一緒に食事が出来るのは楽しみであります。

 記事のタイトルは、このことを本文中に書きそびれたので、強引にタイトルといたしました。


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年3月22日(日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年3月 武術稽古日程
(新宿スポーツセンター臨時休館に伴い改定いたしました)

甲野善紀先生からの紹介文

2020-03-05(Thu)
 

魔の落ち込みに誘われない身体への興味

 本日の「クラーチ剣術教室」では、一週間前と状況が変わり、私も皆さんに移すようなことが合っては一大事であると、体温を測って家を出ました。35.8度でありましたが、会場に着いても受付で体温を測りましたが、おでこに照射し一瞬で体温が測れる器具には驚きました。ほぼ同じ体温でしたので問題なく入室いたしました。

 私自身が感染することは全く恐れていないのですが、とくに高齢者のみなさんへ移してしまうことは、絶対に避けなければなりませんので、その辺りには念を入れて気をつけております。それでもこうして講習が続けられるのもありがたいことです。私はオリンピックに対して関心をもっておりませんが、今回のウイルス事案は世の中が一体なにを大事に考えているのかを浮き彫りにさせる事案であると思われます。過去の東京オリンピックと現在の東京オリンピックの意味に大きな違いがあることは私が言うまでもないことですが、今回の件も含め、そしてオリンピックが終った後、なんだか良くわからないままに盛り上がりに便乗した先に何が待っているのか、そこに「それ見たことか」と微かな期待はあります。流行や盛り上がりには、必ず何かを置き去りに突っ走っていく気配があります。勿論そうした流行や盛り上がりによって得られるものや生まれるものもありますが、肝心なことはそこよりも、基盤であるものを疎かにしないということが何事においても肝心でありますので、そこに失敗する前に気が付けることが賢明なのです。

 
 本日の講習では、さいきんのパターンとして、開始前にすでに前回の内容を自主練習されておりますので、「じゃあ、それをやりましょうか」とその内容を行うようにしております。今週も杖では「轟之型」をおこない、それぞれにポイントなどをお伝えしながら進んで参りました。
 続いて、数週間ぶりに「三十連円打」をおこない、後半の二十五番から三十番までを集中的におこないました。

 剣の方では、「柄奪り反し斬り」と「赤城の山」をおこないました。柄奪りの方では、足運びとの連動をお伝えし、赤城では、刀の抜き方から、剣を上げる際の角度など細かく点検して参りました。

 今年は11月に文化祭に出ると発表いたしましたので、それに向けて皆さんも熱が入っているのを感じます。お二人の方が稽古着を揃えられ、四名の方が稽古着に着替えて参加されるようになりました。しかし、先々週にSさんが自宅のお部屋でベッドから落ちて鎖骨を骨折し、今日も最後に見学に来られましたが、痛みはないもののしばらく腕は使えない状況ですので、お休みとなってしまいました。時期的に今で良かったと前向きに考えれば、また復帰されましたときに文化祭に向けて励んでいただけるのを楽しみにしております。

 Mさんは、ずっと左肩が上がらない状態でしたが、今日最初におこなった杖の体操で「大の字」を行った時に、普通に両手を上げることが出来ておりましたので、思わず「Mさん、左腕は痛くないですか?」と訊いてみたところ、「ああ、もう気がついたら手が上がるようになっていました。」と仰られ、これまでは、片手で上げていたり、少し良くなったときは左手をかるく添えるようにしておこなっておりましたが、今日は完全に左右同じように杖を支えて上げられておりましたので、「おおっ!」っとお声掛けいたしました。

 身体の具合は、良いときもあれば悪いときもありますが、ハッキリ言えますことは、適度な運動が出来るのであれば続けたほうが良いという事です。どういう運動内容になるのかはその方々の出会いに関わってきますが、運動は目的でありますが、その目的は結果としての目的になるようにおこなうことです。

 分り易く言いますと、長く楽しく効果的に成果を出すには、運動をするという意識ではなく、何かが出来るようになる、何かを作る、どこかに行く、誰かに何かをしてあげる、というような自分の運動するという一番の目的以外の優先順位を一番に上げることです。

 そうすれば、「運動?そういえば運動だけど、そんな事考えずに身体の使い方や手順のことで頭が一杯よ!」といような感覚になればしめたものです。ですが、身体の調子がいい時は元気に色々な動きが出来ても、一旦病気や怪我などでお休みされてしまいますと、一気に気持ちが落ちて弱気になってしまうケースが考えられます。そういう「魔の落ち込み」が突然やってくるものですので、そこで関門を突破できるか、そこでリタイアしてしまうのかで、その後の健康寿命にも影響を及ぼしてしまいます。そうなりそうなときに支えとなるのは、実際にそれらを乗り越えた方々の経験からなる言葉です。今回Sさんが骨折の中では軽症とされる鎖骨の怪我でしたが、見学に来られるほど意欲は衰えておりませんので、復帰されたあとに、その経験を他の「魔の落ち込み」が訪れた方に、精神的な支えとなってくれるものと想像しております。

 
 昨日の『杖整体操』の影響で、私としては珍しく深夜0時前に就寝いたしました。今日参加された方お二人にお会いいたしましたが、お二人ともすぐに眠れたそうです。私の場合、普段の稽古時には身体のモードを切り替えなければなりませんので、杖整体操と逆のスイッチを入れる内容をもっと具体的に考案というか選定しておく必要があります。アソビを取るような、狩が始まるような感覚というか、それは連日の杖整体操により必要であると個人的に思い始めたところです。そしてそれが瞬時に切り替わるようになればいいのですが、杖整体操への信頼が確立した今、今後の課題として稽古に向き合いたいと思います。

 本日もみなさまありがとうございました! 


2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年2月 武術稽古日程

2020年3月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-02-25(Tue)
 

時代に求められる剣とその見極め

 今日は建国記念日。ある時期から祝日または振り替え休日が月曜日になるため、ポンと合間に祝日が入るのも新鮮に感じる。そのため、ダイヤの変更など気にしておかなければならない。

 それにしても気のせいか、休日というのは空の空気が違うように感じる。空気の色というか淀みが薄れるというか、それは気のせいもあるかもしれないが、実際に工場の稼働率などによる大気の状況が変わるのかもしれないし、人々のオーラが纏う負の連鎖が落ち着き視界をクリアにしているのかもしれない。

 
 今日の「クラーチ剣術教室」では、雲一つ見えない快晴の中前回初めてお伝えした杖術「轟之型」が本日もメインとなった。ここクラーチ溝の口という素晴らしい住宅の中で、毎週講習をさせていただいているのはまさに文字通り「有り難い」ことだと思います。

 区の施設を借りたり個人開放施設の中で講習や稽古をおこなうことは、参加される方がいらっしゃれば可能ですが、このような多くの人が生活されている立派な住宅で剣術教室をおこなわせて頂けることは、ご縁がなければ不可能です。

 以前一年間ほどイオンカルチャークラブで講師を務めさせていただいたこともありましたが、やはり直接生徒の方々とやり取りが出来る状況の中でおこなうことで感じられる部分があり、それは私からだけではなく、皆さんからも同様に近い距離感の中で接することが出来るのだと思います。勿論距離感は大事ですが、その微妙な距離感を見誤ってしまいますと、こうした自営活動というものは脆くも崩れさってしまうものです。私が一人で活動をおこなうのも、そのような脆さが訪れないように長く誠実な安定活動が出来るように自らの意思で最善を決定できるように、また間違いは早急に対応できるように気をつけておこなっております。イオンカルチャークラブでは、私が思う運営との違いを感じたことから一年間という区切りを待って辞めることにいたしました。

 今年で六年目を迎えるクラーチ剣術教室も、生徒の皆さんやスタッフの皆様も私を信用して下さり、以前は毎回緊張して会場に赴いておりましたが、今では家に帰るような、とまでは言いませんが、安心してこちらに到着させていただいております。考えて見れば、ただの一度も「ああ、今日は行きたくないな…気が重いなぁ…」ということは、この教室だけでなく全ての講習会や稽古会において感じたことはありません。むかし会社勤めをしていたころや、アルバイトをしていた頃は、毎日嫌な思いで気が重い中通っておりましたが、そう考えますとその部分におきまして私は幸せであると感じます。

 ですが、そこで甘えが出てしまわないように、有り難い環境で長く行わせていただいていることに感謝して自らの立場を弁えて今後も皆さんからの信頼を失わないように務めて参りたいと思います。

 今年は11月に文化祭に出場することを宣言しております。これまでにない変化となりますが、そのことでマイナスになることは無いと判断しております。みなさんの優しさを受けながら、それを喜びに変換してお返しできるように今年は励んで参ります。

 日々体調の差が感じられる年代の皆様ですが、毎週火曜日は元気で入られるような、自然とそうなるような教室でこれからもありたいと思います。いつも皆様には優しくして頂いておりますが、こうした日々は特別なものであり、誠に有り難いものであります。当たり前のように感じられるようになった日々が、いつしかそうで無くなる日が訪れるのは世の習いでありますので、そうなる前にありがたいことに感謝していたいと思います。本日もみなさんそれぞれに喜んでいただけたと思います。ありがとうございました。

 
 先日日曜日の講習後に品川区総合体育館にて、青木一弥さんとお会いし、その時のお写真を今朝送って下さいましたので、ここに掲載させて頂きたいと思います。今と昔、剣の使い道は異なりますが、その根底にあるものは今も昔も変わらぬように、いやそれは無理かもしれないが、己を律し、微かでもその古人から繋がる時代に生きるものとして、剣の使い道は異なりながらも、通じるものを真に求め、流行に流されない剣の使い道でなければと思っております。そのためには、根底にあるものが何かが問われるのではないでしょうか。青木さんとは、昔生き方を語りながら稽古を重ねた時期がありました。それは更衣室でもメモを取っていただくような真剣さで、この記憶は私の中から消えることはないでしょう。さまざまに需要がありますので、それにどう自分の精神性を重ねていけるのか、そこに飛躍がかかっているのだと思います。

2020.02.09 青木一弥さんと


2020年2月24日(月/振休)『杖整体操』(お申し込み受付中)

2020年3月20日(金/春分の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年2月 武術稽古日程

2020年3月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-02-12(Wed)
 

何かが繋がってきた今日のひととき

 気持ちよさ、或いは心地よさ、これを伝える身体の能力は有り難いものである。ただ、気持ちよかった。で終らせては身体の導きを無視してしまっている。

 身体の使い方やさまざまな感覚は、後付けで気が付いたほうがいい。もっというなら気にしないほうがいい。だが、意識集中することで感覚を掴むことができる。そこに少しばかり落とし穴もある。

 良かったときの再現は身体の使い方や感覚に意識を集中しやすくなるもの。しかしそれは、本来の目的から少し逸れてしまい、後付けで気が付いたものをメインにしてしまい、そこから結果を求めようと順序が変わってしまうことがある。

 未熟ながらも、私なりにそのことは考える事がある。

 美味しい。という味覚は、どういう理由で美味しいのかを科学的に説明するとなると恐らくとても面倒くさい根拠をあげなければならないと思うが、美味しいというのは、その根拠を全て解読しなくとも美味しいのである。勿論味覚は人によって異なるが、その味覚が流儀と同じように、どういう動きがその人にとって気もちいい実感になるのかはそれぞれ異なる。

 よって気もちいいという事も、どう気もちいいのかを説明すると大変であるが、一言で気持ちいいという表現にするなら、身体全体の感覚や神経など、現時点における味覚レベルがどの食事を美味しいと思えるのかと同じように、現時点での動きがどうなのかを一纏めに判定する舌を持つような実感と近いのではなかろうか。(敢えておかしな日本語にしております)
 
 気持ちよさと言っても、解釈はひとそれぞれ微妙に違ってくると思われるが、あくまでも導きのサインとしての感覚である。

 今日は夕方から10㎞走ったが、身体の使い方や姿勢に重心と呼吸、これまではこのことを常に試行錯誤しながら走っていたような気がする。だから全然気持ちよくなかったが、今日はそれらに意識を運ばせずにただ気持ちのいい状態を外さないように心掛けて(ランナーズハイとは異なる調和の一致感の維持)どこまで維持出来るだろうかと試みてみたところ、近年全く無かった、最後まで10㎞気持ちよい状態のまま終える事が出来た。そんな時間と労力の無駄をして何になるのかという思いも数年前まではあったが、気持ちよさを維持するという事は稽古として重要であると今日の今日実感できた。

 内から外からさまざまな誘いの中から、最後まで気持ちよさを優先し、そのことで身体と心にどういった働きがあるのかを感じ得たことは大きかった。

 つまり「気にしない」という訓練にもなり、どこに焦点を合わせるかで、開けよう開けようと思っていた蛇口を実は反対に閉めていたことに気が付く。この気持ちよさを当てるということは難しく、いつも毎回それが引き当たるとは思っていない。それは、状況や経験によって、気持ちよさの蛇口が開かないからである。

 新鮮な状況であれば、気持ちよさとともに、身体の使い方に気が付くものであるが、慣れてしまえば、気持ちよさが失われ、それを呼び戻そうと身体の使い方をさまざまに試みる。そこに一つ落とし穴があったことに今日は走りながら気が付いた。

 気持ちよさを呼び戻そうとその時の身体の使い方を何とか精度を上げようとすることで、ある程度は戻ってくることもあるが、身体の使い方を念頭に探り続けると、それは前述の例えのようにどう美味しかったのかを科学的に分析し、そこからどうすればもっとこの食材が美味しくなるのかを考えるようなものであり、それはもう、食べる人の味覚が美味しいと思わなくなってしまったいわゆる舌が肥えてしまった状態であり、食べるものそのものを変える必要がある。つまり、意識的に身体に捉われず気持ちのいい感覚に委ねるような精神状態の中で後付けで身体に教えて貰うほうがいろんな意味で身体に良いと思える。

 先日の懇親会でFさんからチャクラのお話も伺ったが、今日はその私が感じる気持ちよさという一点を外さないように走っていると脳にというか腑に落ちてくるものがさまざまに訪れた。そんな状態だったので走っている現実が薄いまま10㎞を走り終える事が出来た。速く走るとか疲れないように走るというよりも、ただ気持ちよさを最後まで維持させながら走るということは、一種の瞑想に近い感覚なのかもしれない。

 私がそこに焦点を求めたのは、「杖整体操」の影響だろう。ただ気持ちよく心地良くなることを大事におこなうと、それだけで十分な身体の調整が成される信頼をこの1年8ヶ月で得たことにある。

 その副交感神経の優位さは、最近の私は道場で稽古後に一人で40分ほどおこなうと、帰りはフラフラに力が抜け、瞑想後のように感情が落ち着いたところに沈降してしまった状態となる。昨年末に武蔵円明流の青木さんと稽古の終わりに杖整体操を行ったときに、「視野が変わりますね、視力が良くなったような気がします。」という感想をいただけた。以前から感じていた手を重ねた誘導法などでも、受け手は目を瞑って呼吸に集中するため、目を開けた際の視野の変化を感じていたことがあったが、杖整体操でも同様かそれ以上の変化が起こるようだ。一昨日の稽古後に一人で杖整体操をおこなったが、案の上帰り道はフラフラした感じとなり、路肩に止まっていたアウディのハザードランプが異常に眩しくて、LEDの明るさにも限度があるだろう!と目を細めて通り過ぎたが、その後に同じくハザードを点灯していたトラックも少し眩しかったので、「副交感神経の優位になると瞳孔が開くのか!」と考えたのであったが、帰って調べてみると、反対に狭くなり、交感神経の優位さで瞳孔は開くらしい。副交感神経優位からなる視界の変化は他に違うところが関係しているのだろう。攻撃的な時は瞳が小さくなるイメージがあるのだが、まあこのあたりは他の要因も考えられるためあまり気にしないことにしよう。

 杖整体操では、気持ちのいいところはいつも同じところではなく、身体の調子が悪いところであることがこれまでの経験で分かったため、そう、気持ちよさとは、その行為を訴える身体からのサインであるということに、気持ちよかっただけで終らせない、その意味とは、というところに眼が向きだしたのであった。

 昨日の杖術の一人稽古で、両手寄せとこれまで通り離した状態をさまざまに流れの中で混ぜ合わせ自由に動いてみた。
 これが、近年失われていた気持ちよさ(調和感覚の一致感やさまざまな神経などの滞りの一部解消などではないか)が得られた。これが今日走ってみたときにフト気持ちよさだけに焦点を合わせてやってみようという思いに至ったのだと思う。

 ※この「気持ちよさ」とは、私なりの実感を極めて端的にした言語表現の一つであり、快楽とは全く異なるものである。


 前置きが長くなってしまったが、昨日月曜日の稽古記事から。

 月曜日は高田馬場にて竹田氏と稽古。
 杖術では私自身ひさしぶりに「流転落し打ち」をおこなった。これは相手側が目を瞑ってしまうようなハッとする技であるが、それを引き出しているのは杖合わせに打ち合うことにあると昨夜の稽古で解った。

 おそらく、杖合わせにカーンと打ち合わせることで、無意識的な一段落が付くのではないかと考える。その余韻も冷めぬ内に全体が大きく動きながら前のめりに杖が落とされるので、その前のめりの最中に顔面へと打ち込みが入ってくる怖さもある。何度やっても嫌なものであるのは、その始めの杖合わせの打ち合いが、何かしらの誘いになっているからだと思うのである。それが一段落なのかどうかはまだハッキリしていないが、カンカンと杖合わせに激しく打ち合わせてもこのような把握の最中に驚きは無い。把握から外れるということは、予測を裏切る、予測を裏切るということは、何かしらの心理の虚を突いているという事なのだろう。誘いとは、こうした心理的な働きの虚を突けるかどうかに関わっていると思う。


 そして本日火曜日は午前中から「クラーチ剣術教室」の講習へ行ってきました。

 今日はお休みの方が多く、丁度今日やろうと思っていた「轟之型」をおこなうにはスペースが使えて周囲を気にせず(天井は気になりましたが)おこなうことが出来ました。

 新しい動きをお伝えする中で感じたことは、動きの基盤が核となり応用が技となるのであれば、応用箇所が旬な部分であり、その旬な部分をどう見つけ出せるかが大事になってきます。つまり、脳内の記憶の引き出しには、記憶のレンタル期間が異なり、基盤の稽古で長期保存された記憶は、技への応用や何かを発見する際に、「あ、アレね!」で済むのです。その「あ、アレね!」を増やせるかで、ある部分は楽に気持ちよさだけで動けるようになります。ですので、基盤の稽古は重要で、基盤なだけに最先端であり続ける必要があります。

 後半の剣術では、最近袴と道衣を揃えられたSさんとマンツーマンに近い状態でおこないました。そのことをSさんが「今日は得をしました!」と本気で仰って頂けたことに、身体に対する関心が、その他の運動とは異なることを実感されるようになったのだと嬉しく感じます。私が思っていた以上に、稽古着から整う心身の働きは大きいようです。

 講習後はレストランで食事を頂きました。
 今日は人数が少なかったこともあり、ちょうど食事にいらしていた以前生徒でいらした90歳のDさんもこちらのテーブルに来てくださり、いろいろと楽しくお話をさせていただきました。用事があって出かけていらしたWさんも帰宅され四人テーブルが埋まっていたのでお誕生日席へ。3月には私も45歳。これからもより何かを発展的に伸ばしていくためには、執着を捨て最新の記憶に私を持っていかなければならないのかもしれません。ですが、若い頃の記憶というものは何らかの脳の働きを損なわせないものがあるようにも感じておりますので、その柔らかさは失わないように整理整頓取捨選択しながら、基盤を最新のものにしていくことを怠らないようにしたいと思いますが、この場合の基盤とは一体なんでしょうか?


2020年2月24日(月/振休)『杖整体操』(お申し込み受付中)

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『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


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2020年2月 武術稽古日程

2020年3月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-02-05(Wed)
 

クラーチ剣術教室の雰囲気が引き締まりました

 本日火曜日は、朝起きてカーテン開けたら外は真っ白!だったらどうしようと思いながら外を確認。ネットの予報通り僅かな雪が残っていただけで、安心して講習に向いました。
 電車が10分程遅れていたものの、いつも余裕を持って保険を2つほど掛けているので、まだこの五年間で遅刻したことはありません。

 さて、本日の「クラーチ剣術教室」では先週のSさんに続いて今週ももう一人のSさんが道衣に袴を着てお越しになられました。やはり、雰囲気が変わるもので、その人そのものからも感じますが、教室の空間も大きく変わったような気がいたします。あらためて稽古着は上達を待ってではなく、早い内に着て来られたほうが良いと私は思います。

 講習ではひさしぶりに三十連円打を相手を付けておこないましたが、少し期間が空いてしまったせいか後ろへ下がりながらおこなう足運びに悩まれておりました。今年は11月の文化祭に初めて参加する予定ですので、この三十連円打もその中の一つとしてステージの広さを考えながら動きを組み立てて行きたいと考えております。その他には、繋之型も考えているところです。剣の方では、「後方突き」「巴抜き」「抜付之型」「真っ向突き之型」「赤城の山」なども検討中です。

 ただ燃え尽き症候群になってしまわないように、あまり完成度を求めず、「来年リベンジしてやる!」と思っていただける位の状態で良しとしようかとも思っておりますが、参加される方は一生懸命稽古されるものと想像しております。私としては、普段やっている内容をそのままやっていただこうと思っておりますが、いざ本番となりますと、今からいろいろな姿が目に浮んでしまうのですが、それも楽しみの一部ですので、そうした中でもやって来た事が証明されるものにはしたいと思っております。

 それにしましても、稽古着姿というのは想像していたよりも似合っているものです。現在四人の方が道衣に袴で稽古されておりますが、こうした和の装いはご年配の方の方が自然な着こなしに見えますので、表情も心なしか引き締まって透明度が増したような感じがいたします。これからも稽古着を揃えて良かったと思えるような動きがお伝えできることと、そうした中から笑いが絶えない教室であり続けるように私も励んで参ります。本日もお越しいただいた皆様ありがとうございました!


2020年2月01日(土)『剣術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2020年2月24日(月/振休)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』


金山剣術稽古会

2020年1月 武術稽古日程

2020年2月 武術稽古日程

2020年3月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-01-29(Wed)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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