少しだけ分かった歩き方

 気持ちのいい青空となった今日は「高齢者のための剣術教室」で講習をおこないました。今日は、約一ヶ月振りに白内障の手術を無事に終えられたNさんが参加され、体力面を心配しましたが最後までみなさんと共に楽しく運動する事ができました。

 楽しくと言えば、今月から新入生となられたHさんが最初から最後まで笑いっぱなしで、Hさんいわく「私、笑い上戸なんで恥ずかしいです・・・・・・」と仰っていましたが、場が明るくなる方に入っていただいて本当に良かったと思います。休憩中もSさんと一緒になって笑っていましたので、「どうなされましたか?」と様子を伺ってみたところ、「上手く出来ない自分が悲しくて可笑しいんです・・・・・・。」という、悲しいのか悲しくないのかよく判らないまま、私は講習を進行していきました。その笑いの印象が強かったせいか、今日は2~3回、Kさんの名前を間違えてHさんと呼んでしまいましたが、私にしてみれば名前を間違える事はめったに無い事なので、それほど今日のHさんの楽しげな印象が強かったということでした。

 この教室では笑いが原点ですので、これからもHさんを筆頭に(?)笑いが沸き起こる講習にしていきたいと思います。

 講習後はいつものようにレストランで皆さんと食事会。だいたいいつも1時間ほどゆったりとお話をして解散となります。2014年8月5日(火)に開講して、それから今日まで毎週火曜日は(火曜日が五週ある月は一週お休みとなります)こちらにお世話になっております。あと3ヶ月近くで丸三年となりますが、毎週通っている割にはそれほど実感が無いのが不思議です。楽しい時間はあっという間に過ぎていくと言いますが、こうした年月の早さも楽しい時間を過ごさせて頂いていますので、未だに新鮮な気持ちです。いろいろと体制を守って下さっているOさんにはいつも感謝しております。

 現在0時を回り、26日となりましたが、8年前の今日2009年4月26日に武術稽古を始めました。この8年間で人生が大きく変わりました。「出会う人」、「日々の考え方」、「自身の身体」、その間に紆余曲折ありましたが、2012年10月24日を境に私が選んだ道程はあての無い一人きりでの再出発でした。ですが、陰ながら支えて下さる方の存在があってこその歩みであったと思っております。そうした約一年程続いた孤独な時間が、実は孤独では無くなるための時間になっていることに随分あとから気が付きました。

 その間の私というのは、孤独な一人稽古の日々でした。しかし、その一人稽古というものが充実しだし、毎回予期せぬ発見の連続でした。他にやる事もありませんでしたから、自分のために全ての稽古時間を使う事が出来ました。その時に稽古の引き出しというものを知らず知らずの内に増やしていたのが今に貴重なものとして繋がっております。

 そうした、どう考えても自分が損をするという選択を自らおこなったわけですが、武術を通じて感覚もそうですが考え方や生き方に通じてくるものがありますので、そうなってきた時に、どうにも納得できない譲れないもの、譲ってしまうと稽古に対する自身の存在が嘘になってしまうという利害関係という支配から脱却せざるを得ませんでした。全てを失っても、生き方のためにこれまでいろいろな事をおこなってきた訳ですので、そうした自分を抑えて生きていくことは私の性分としましても元来無理がありました。

 利害関係というものが関わってきますと、どうしても私の場合、気持ちあっての武術稽古ですので、自分を認めない状況では技の進展など望めません。もちろん今の自分があるのは関わってきた全ての方の繋がりあっての事ですので素直に感謝しております。今後も私の選ぶ価値基準は、利害関係により稽古に対する情熱や向き合い方に影響が及ぼすような事態にならない方向に舵を切って行きます。そしてそうした同じ感覚を持った方とは末永くお付き合いしていきたいですし、共に発展できるアイデアを考えていきたいと思っております。※(ここで述べている利害関係とは、自分にとってプラスとなる金銭面や仕事面などの誘惑を優先し、嫌な事や納得出来ない事でも自分を曲げ得のために耐えていく事が暗黙の内に義務付けられている状況を差す)

 なればこそ結果として今の私がここに居るのだと思えますし、些細な事が、些細でないのだよと、感動できる日々をこうして一日の終わりに噛み締める事が出来る幸せが、私にとっての「生きている証」なのかもしれません。

 関わっている人がいること。いてくれること。そうした人達が笑い、喜び、真剣になってくれること。私は私の道を歩んで行きますが、ほんの少しだけ、歩き方が分かりはじめたような気がします。


2017年5月5日 (金) こどもの日
『 立廻り特別講習会 』

(お申し込み受付中)

『 金山剣術稽古会 』 
(経験不問 御連絡お待ちしております)

2017年4月稽古日程

2017年5月稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-04-26(Wed)
 

お好み焼き屋で花が咲く

 本日も盛り沢山でした。

 まず、午前6時過ぎに目覚め、強風と雨足の強さに、30分早めに家を出る事にしました。準備を済ませ、いざ出発と外に出ると幸運にも雨がすっかり上がっており、青空も雲の間から見えていました。電車も別段遅延等もなく、余裕を持って「高齢者のための剣術教室」に通う事ができました。

 今日は、Sさんが墨絵を描いて来て下さり、これはよく特徴を捉えていると私の以前構えた姿を写真に撮っていただき、それを題材に描いて頂いたものです。

2017.4.18 クラーチ剣術教室

 講習では、いつもの二十連円打と、万乃型をおこないましたが、そろそろ全く違うものに変更しようかと考えています。

 今日は開始前に、Oさんが動画を撮っていいですか?ということでしたので、ついでに「突き返し」の写真をWさんに打太刀をお願いして撮っていただきました。

2017.4.18 クラーチ剣術教室①     2017.4.18 クラーチ剣術教室②

 講習後の食事会では、Tさんが新玉ねぎを温野菜風に作ってきて下さり、皆さんで美味しくいただきました。玉ねぎは頭がスッキリするので、私も時々生のオニオンスライスで食べていますが、新玉ねぎはどのようにしても美味しいものです。

 夜は新宿で約7ヶ月振りに青木賢治さんと待ち合わせし、久しぶりということもあって話に花が咲いた。いや、これはもう花が咲いたどころではなく、花咲じいさん並に約4時間、お好み焼き屋で積もる話が怒涛の如く溢れ出ました。
 22時30分近くになり、残念ながらお開きとなりましたが、私自身珍しくしたたかに酔うほどお酒を飲みました。ライターのお仕事をされている青木さんは、ペルシャ音楽や剣術などにも深い探究心を持って取り組まれているので、話をしていて「間」がピッタリ合うのです。だからついつい気持ちよくいろいろ喋ってしまいます・・・・・・

 四時間といえば、講習会ではかなりの事が出来ます。お好み焼き屋で向かい合って四時間があっという間に過ぎていたことに、二人して驚きました。7ヶ月間の間にいろいろな情報が入りますが、そうしたことを笑いながら、そして真剣に語り合える友人が居る事に深く感謝いたします。

 ものごとの流れに、どこか他人事のように感じながら、そうしたことを面白おかしくこれからも話して生きて行けるように、精進しながらも、また別な感覚を養いそのことをどう消化していけるのかということが、これからは自然と迫られてくるように思います。いろいろな人と出会い、いろいろな人が居て、時の流れとともに面白く展開していることが、また今になってそう感じられてくることが、生きていて愉快なところです。


 5月5日(金)こどもの日におこなう「立廻り特別講習会」のリンク先が、5月の稽古日程になっていましたので、先ほど修正いたしました。本日3コマ全て参加される方からお申し込みをいただきました。1コマでも2コマでも、その方々のご都合に合わせてお申し込みいただければと思います。


2017年4月22日 (土)
『 杖術 特別講習会 』

(お申し込み受付中)

2017年5月5日 (金) こどもの日
『 立廻り特別講習会 』

(お申し込み受付中)

『 金山剣術稽古会 』 
(経験不問 御連絡お待ちしております)

2017年4月稽古日程

2017年5月稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-04-19(Wed)
 

突っ走り続けるために

 今日は生憎の雨、真冬に戻ったような寒い一日であった。だが、午後から明日にかけて身体を休めるには天気は関係ない。休養しなければ稽古にならないと感じたのは、昨日の高田馬場で一人抜刀術稽古に取り掛かっていたものの、納刀もまともに刀が持ちづらく、落としかねない状況であった、駄目元で抜刀術をおこなったが、二本抜いて「これは駄目だ・・・」とやめにした。

 そんな状況の中、I君が訪れる。いつものようにニコニコと笑顔で挨拶を交わされると、身体の不調は忘れてしまう。稽古を開始し、いつものように共に脚部鍛錬稽古をおこない、杖術、剣術、抜刀術をおこなった。杖術の「馬突き」では、私自身受けの稽古が出来た。剣術ではI君からのリクエストで「剣 十一之型」をおこなった。「万乃型」剣術バージョンでは、最後の納刀まで進めることが出来た。

 抜刀術では、私の動きを見て吸収している事を感じるので、私としてもそれを参考に形にしているI君の動きを見て確認出来る。これまでに何人か講習会などでお会いした小学生の生徒の多くは、動く事よりも静止することのほうが難しい。だからこそ、私が静止して見せる必要があり、臨書では、古代の筆跡を同じように書き写すことで、筆圧や筆の走り、行間、文字の形などからその時その人物の思いや感情のようなものに近づくような瞬間があるのではないかと想像するが、剣術でも同様に、「動」や「静」、そしてそれらのあいだに入る「間」から、何かを感じ、何かに気づくのではないかと思っている。

 そこにはその人そのものが動きにあると思うので、感受性の強いお子さんには、そうした動きから内面が養われていくものではないだろうか。だからこそ、指導者と言うのは単に勝ち負けの結果だけではないところに、その稽古生の人格にまで影響してくるものとして責任が問われる。高田馬場の武道場では、品川区のように貸切で稽古をしているのではなく、限られた曜日と時間帯に個人開放区分というのがあり、その日程で稽古をおこなっている。そのため、広い武道場内にさまざまな団体や個人稽古者が訪れ、よく見かける順に記すと、制定居合、殺陣、剣術、空手、中国武術、剣道、ダンサー、少林寺拳法、などが大体見受けられる。

 私ももうすぐここで八年を迎えるが、他の団体や活動している方々と同一空間で稽古をおこなうというのは、得られるものが多い。やはり「ああ、この指導者はいいなあ・・・」と思える先生の生徒さんは、やはりきちっとされており、見習うべき事が多いものである。そして見習うべき方とは間逆の場合に遭遇する事もしばしばあり、そうした雰囲気の空間からも反面教師として学べる事がある。I君が私から学ぶものは、私が知っている私以上のものであると思われる。だから、そこに追いつけるように「稽古の場」を考え、深みのあるものへと己を進展させたい。

 昨夜はめずらしく0時前に眠りに就いた。朝方6時ごろに頭痛で目が覚め、ドキリとしたが単に肉体的疲労ではない影響が出てしまうと何もかもがおしまいなので、それはそれで仕方の無い事であるが、休もうと出来る内は、休むことにし、その時間を無駄にせず、源泉の放出量を増やすためにも、無理かもしれないが思考的にも脳を休ませようと思う。

 今朝は7時過ぎに起床し、頭痛はすぐに治まった。雨の日は必ずといっていいほど京王線は遅れてしまう・・・・・・このところの山手線も遅れている事に慣れてしまったが、人身事故も4月になって多い。だが、当たり前のように安心して移動出来ていることは、多少遅れようが有難い事なのだろう・・・・・・電車で15分遅れたが、なんとか遅れずに「高齢者のための剣術教室」に間に合った。


 さて、本日の講習に入ります。

 今日は最高齢のDさんが怪我でお休みされ心配ですが、ご本人曰く大丈夫そうなのでご本人や周囲の方も教訓にしていただければと思います。Kさんが熱心に二十連円打の六番目「円転左面打ち」を質問され、こうしてお会いするなり稽古内容の質問を受けることは、講師としては嬉しい限りです。そういう意味では、Oさんも毎回お会いして早々に質問がありますし、普段から稽古の事を気に掛けていることが伺われ私もティファールの如くすぐに熱が入ります。

 今日はひさしぶりに「鹿威し」をおこないました。これは剣の振り方と姿勢を意識する事で、身体のバランスと集中を養い、そして芯で捉えた時の互いの身体にカーンと響く何ともいえない気持ちの良さに、(真芯で捉えると、持っている人の木刀が地に落ちてしまうこともある)重たいはずの木刀を大上段から何度も振ってしまう人気のある稽古メニューです。これは私が考案した「二十連円打」のように、初心者稽古メニューの人気作です。

 講習後はいつものように皆さんと食事をし、今日は雨足が強かったので、途中までタクシーで送って頂き帰宅いたしました。電車の中では、いつも本を読んでいますが、その合間に剣術、杖術、抜刀術、殺陣、講習会場の手配、武道具の発注、それらを、私自身の稽古内容と、指導する稽古内容と、頭の中は自然と入り乱れておりますが、それらの思考が混線することはなく、日々更新しています。そこには、いろいろな人についての指導方法や、現在の段階なども頭に浮んでくる事も多く、それらの一部をこうしたブログに書いたりしていますが、あらためて目まぐるしいものだと気が付き始めました。やはり、休養の取り方が次なる発信のためには重要なので、忙しくした分、そのまま突っ走り続けるためには休養も大事な作業の一つとして忘れないようにしたいと思います。


2017年4月22日 (土)
『 杖術 特別講習会 』

(お申し込み受付中)

2017年5月5日 (金) こどもの日
『 立廻り特別講習会 』

(お申し込み受付中)

『 金山剣術稽古会 』 
(経験不問 御連絡お待ちしております)

2017年4月稽古日程

2017年5月稽古日程

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2017-04-11(Tue)
 

講習後にお花見

 快晴で気持ちのいい本日は「高齢者のための剣術教室」の講習後に総勢5名でお花見に行ってきました。

 講習では今日から新しくHさんが参加される事になりました。左肩を上げると少し痛むようですが、杖の講習をおこなってみて、身体に対する感触が良かったようです。これからさらに講習が賑わいそうで楽しみにしています。 

 杖術では「二十連円打」をおこない、剣術では「万乃型」を継続的におこなっていますので、全体的に少しずつ身体に染み込んで来ているのを感じています。このところ、相手を付けての講習をおこなっておりませんので、「鹿威し」もいいですし新しい内容のものを考案してもいいかもしれません。

 講習後近くに樹齢の長い桜が沢山見られる小高い場所があり、そこでスーパで皆さんと買ったおにぎり等を食べました。平日ですが、春休みの影響もあり花見客が所狭しと賑わっていました。その影響もあってか、今朝の電車内はいつもより混んでいました。ニュースでは東京は桜が満開となっているようですが、私の近所でも、今日のお花見でも、まだ五分~六分咲き位でした。それでも、敷物の上に座って桜を見上げながらワイワイとおにぎりを食べるのはいいものですね。

 いろいろな方々の優しさや思いやりを感じながら、朗らかなひとときを過ごす事が出来ました。桜はこれから数日間が綺麗でしょうね。来週は桜吹雪でしょうか・・・・・・。季節は確実に変わりゆくものですね、私も、季節の繰り返しとともに歳を重ねていきます。毎年、季節を感じ、季節を楽しめるような心のゆとりを持って生きていきたいものです。

 今日はみなさまありがとうございました!


 2017年4月22日(土) 「杖術 特別講習会」
 (お申し込み受付中)

 「金山剣術稽古会」 
 (経験不問 御連絡お待ちしております)

 2017年4月 稽古日程

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2017-04-04(Tue)
 

みんなが喜べるひとときの時間

 本日は待ちに待った同じ名前の、I君とIさんがご対面となりました。

 以前から今日の予定を楽しみに、ようやくここに記事を記す事が出来ます。

 先日、高田馬場でI君との稽古前にお母様より、「春休みになったら火曜日に先生がおこなっている教室へIを連れて行ってもいいですか?」という提案があり、それはもう私としてもクラーチ剣術教室でよくみなさんから、「I君を呼んで来て下さいね!」という言葉を再三伺っていたもので、願っても無いお母様からのご提案でした。

 そして本日、快晴となった青空のもと、会場の最寄り駅でI君とお母様と待ち合わせをして、一緒に会場へと向かいました。

 受付で鍵をお借りする際に、フロントスタッフのMさんから「先生のお子さんですか?」と冗談を言われ、「絶対に言われると思いましたよー(笑)」と笑いの中、エレベーターに乗り込み2階へと上がっていきました。

 会場ではいつものようにOさんが稽古をされており、そしてI君と同じ名前のIさんもすでに中に入られており、さっそくのご対面が実現いたしました。I君との稽古は月曜日が多く、その翌日の火曜日に毎週ここで講習をおこなっているので、私も昨日の稽古の話をこのブログや皆さんとの食事会の時にお話するので、みなさんI君に興味を持たれていたようです。

 小さい小さいと思っていたI君でしたが、今日この教室でみなさんと一緒になってみると、身長がDさんと同じか、少し高い位でしたので、ああ、もう大きくなってきたなぁ・・・・・・と、しみじみ思うのでした。

 こうした初めての環境で初めてお会いする方々を前にしても、臆することなくニコニコと素直に笑顔でいられることは、彼の人柄を表していますし、これから大人になっても澄んだ笑顔でいられる強さを養っていただきたいと思います。

 今日は白内障の手術のためNさんが残念ながらお休みとなりましたが、視力が良くなってまたI君が来られるチャンスがありましたら、そのときは一緒に稽古が出来ればと思います。

 講習では、いつものように体操から杖術をおこない剣術で終わりました。I君も傍にいた方々に教えてあげたりしながら、今年6年生となる彼にとって、人生の大先輩の女性陣達とのふれ合いは、今後長く記憶に残るのではないかと思います。優しい性格ですので、ここでさらにみなさんから優しさを受け取り、今後彼の中で優しさというものが強さとなって活きてくることになるキッカケとなれば幸いです。

 講習後はレストランで、総勢11名での食事会となりました。今日はTさんがフルーツデザートを作ってきてくださり、食後にみんなで美味しくいただきました。私としては、真横にI君が座っており、なんだか実際に今ここに居るという事が不思議な感覚で、その雰囲気を楽しんでおりました。お母様も、お仕事などでお忙しいところ時間を割いて来て下さり、今日のみなさんが喜んでいただけるご提案を下さり本当にありがとうございました。

 今日は、食事会のあと、I君と再び高田馬場に移動して稽古をおこなう予定でしたが、Oさんのアイデアでここの会場が使える事となり、みなさんは見学している中での私とI君とのマンツーマン稽古という、私も経験の無い公開稽古となりました。

 天井の低さと階下との関係からおこなえる内容が限定されましたが、十分な内容で稽古がおこなえました。やはり「楽しんで稽古が出来る」という事は、伝える側も教わる側も、心と身体を健全に日常へ活かしていく為には、最大の重要事項であります。真剣に集中し、時には大きく笑い、悔しさも味わい、そうしたことも楽しさに繋がっているものでなければなりません。姑息な方法や、意地の悪い手段、怒鳴って泣かせて、立場を見せ付けるというものは、心と身体が健全になっていくどころか、その反動は必ずどこかに出てしまうものです。私がそうしたことを学び実践し、より良い空間へと育てることに関心が生まれたのは、甲野善紀先生との稽古や、稽古以外で感じる部分からも、たくさんの学びを受けているからです。そして私が毎回感じるのは、甲野先生の松聲館から帰る時の心の感動です。私もそうした稽古後の感動というものが、なんと素晴らしいひとときであったものかと、感動しながらも稽古というのはこういうものでなければならないと深く考えさせられました。そこに少しでも近づけるためには、私自身が成長しなければなりませんし、直ぐに出来るものでもありません。人を大切に、厳しい状況設定の中で生きてこられたからこそ、そうした余韻に残る感動が続くのだと思います。そうした感動が毎回かれこれ7年近く一度たりともそういう日が無い事はありませんでした。これは本当に凄い事だと思います。

 稽古というのは、技や技術のみならず、そうした思いも伝えていくものだと感じます。ですから、稽古が試されるというのは、武道場以外でどうであるかということです。ですが、常に礼儀良くという訳にも参りません。ただ人に迷惑を掛けない心配りがどこまで行き届いているか、同じ過ちを繰り返さないか、僧侶のように品行方正になれとは言いません。ただ、武道場でおこなっていることに嘘をつくような行動をそのほかの場所でおこなわないことが結果として自分を救ってくれます。

 稽古をおこなうというのは、単に技量を上げるだけでなく、そうした本来の自分になるための、自分が目指す人間というもの、あこがれの対象に近づくための、意識を強く心に刻むための時間であるとも言えるでしょう。そうしたことが、あるときスッと無意識の内に態度や行動に活きてきたなら、これまでの自分からこれからの自分に徐々に移り変わってきているのかもしれません。

 現代における武術稽古の意味とは、上記に述べた一部の事柄におきましても十分すぎるほどに意義のあるものであると私は断言いたします。

 稽古を終えて、みなさまとお別れの時間がやってきました。I君も皆さんの前で、「また来たいです!」とニコニコと話していたように、今日は誰にとっても喜ばしい一日となりました。誰もが喜べるという事はこれ以上ないことでもあります。今日の参加をご提案下さったI君のお母様、そしてOさん始めクラーチ剣術教室のみなさま、会場を二度使わせていただいたスタッフのみなさま、写真を撮ってくださったスタッフのMさん、そして帰りの電車で子供らしく眠りについたI君、忘れる事のない一日となりました!重ねてみなさまにお礼申し上げます。



 みなさまの了承を得ましたので写真を掲載させていただきます。

2017.3.28 クラーチ剣術教室①

 
 2017.3.28 クラーチ剣術教室②

 この中に80歳代の方が3名いらっしゃるとは思えない姿勢の良さです。85歳の方と、7月に88歳になられる方がいらっしゃるとは驚かされます。私も毎週みなさまから元気を頂いております。またいつか元気なお写真が撮れますよう、みなさまお体大事になさってください。


2017-03-28(Tue)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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