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子供たちの成長、大人たちの成長

 本日は品川区総合体育館にてGold Castleの講習をおこないました。殺陣クラスでは、「万乃型」「払い五斬」など基礎的な動きをおこない、休憩後は立廻りタイプMの序盤から絡みBの終わりまでをおこないました。

 日曜日のメンバーも安定してきましたので立廻りに関しては現在のタイプMを進めて行く事が出来ております、しばらくは序盤の七歩から絡みBを斬り、絡みCとの斬り結びまでをおこないますので、基礎と立廻りの完成を目指して進めております。女性陣も動きが良くなってきましたので楽しみにしております。

 続く杖術クラスでは、基礎的な打ち込みや突きをおこない、それらをつないだ動きをおこないました。相手を受けておこないますので、受け方や払い方などの体捌きも重要になってきます。

 今日生徒になられたFさんとノートにメモを取っておられるNさんはもう一つの立廻り「一対四瞬殺」をおこないました。この一対四瞬殺では、講習後に役者のKさんとしばらくお話をいたしましたが、オーディションなどでカメラの前で一人でおこなう際には短時間で場所を取らずにおこなえるものとして身につけておかれると大きな武器になるものと思われます。毎週真摯に取り組まれておりますので、良い結果に繋がるように私もお伝えしております。

 「万乃型」では以前子役のS君がプロデューサーの目に留まって『神ノ牙 –JINGA-』で主人公の弟役を射止めました。ほぼ毎回出演され殺陣も沢山あり、監督やファンの方からの評判も良く、S君も殺陣はずっと続けて行きたいと仰っているようですので、私といたしましても嬉しく思います。中学一年生のお子さんですが、毎回熱心に集中して取り組んでおります。同じ子役の中学三年生のT君の存在も大きいと思います。T君は8/15~8/27に掛けてシアタークリエにて岡田将生さん主演の舞台に出演されます。そうした仲間でもありライバルでもある存在というのも成長して行くにはプラスになっているものと思われます。子役と言えば、中学三年生にになったR君が一年以上休講されておりますが、時折お父様からご連絡を頂きますので、気持ちの面でも繋がっているという事は講師といたしましては嬉しいものであります。トランポリンで怪我をし高校二年生となったT君も殺陣は上手でしたので、R君とともに学業とお仕事が落ち着いたらまた成長した姿を見たいものです。

 今日も中学二年生のK君が一番乗りで剣道場に訪れ、共に二人でモップ掛けをいたしました。学校のお話など色々と会話をしながら彼の成長を感じております。身長も伸びており、そろそろ抜かされそうな気配です。さいきんは姿勢が良くなり、講習では見違える程動きが良くなりました。身体と心は通じていると言われますが、姿勢と動きと内面の変化が大きく見て取れますので、子供のすばらしさというものをその都度感じております。

 子供たちのお話ばかりになってしまいましたが、大人たちも成長を続けております。粘り強く続けるということも一つの能力ですので、そのなかで自分なりの成長が確認できましたらその瞬間は嬉しいものですし、自分を褒めていいものと思われます。上手下手は人それぞれにありますし、人と比べずに自分と比べることで前に進める実感ができます。学びの姿勢ができていれば私は気持ちを込めてお伝えするでしょう。もちろんその逆もあります。時間をどのように使わなければならないのかを常に自らに問いながら講習をおこなっておりますので、心を見て判断させていただいております。


 さあ、明日は三連休の三日目。品川区総合体育館柔道場にて15時00分~17時00分『抜刀術 特別講習会』をおこないます。まだお申し込みは受け付けておりますので、お時間が空いた方は明日の朝までにはご連絡ください。

 それでは明日もみなさま、よろしくお願い申し上げます!


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2019年7月15日(月/海の日)『抜刀術 特別講習会』(お申し込み受付中)

2019年8月12日(月/祝日)『杖整体操』(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

2019年8月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-14(Sun)
 

「杖乗解し」はおすすめです

 本日は戸越体育館にてGold Castleの講習をおこないました。杖術クラスでは「旋打」「上段扇抜き」「流転落とし打ち」「三十連円打」をおこないました。「旋打」では、手首の巻き返しによる杖の操法を身につけ、続く「上段扇抜き」でそれを用います。「流転落とし打ち」では上段扇抜きの逆となる下からの抜きとなりますが、手首の巻きと返しが合わせて五回おこなわれますので、足運びと調和を持って動くことが求められます。

 「三十連円打」では、小学六年生のK君が一応最後まで流れは覚えたもののまだまだ稽古が必要です。そして小校三年生のYちゃんは今日で杖は二回目だと思いますが八番目まで出来るようになりました。大人も子供も混じって、ときに笑顔ときに真剣にそれぞれに礼を交わしながら稽古しております。

 それにしましても、子供たちの表情はいいものです。

 表情から何を思っているのかが手に取るように分かるからです。子供はこどもですから上手く立ち回れない時もあります、しかし、そこを見守っていかなければなりません。私の教室に参加されているということは既にその時点で、何を学ぼうとされているのかがある程度分かります。ですので、指導者はその姿でもって示していかなくてはなりません。私にそれが出来ているのかは分かりませんが、子供たちの成長は私の対応一つに委ねられているところであります。

 そうした経験で私を大きく成長させてくださったのは、小学五年生の終わりごろから中学に入るまで、ほぼ毎週一回私とマンツーマンで二時間稽古をおこなっていた郁己君のお陰でもあります。正確に言いますと親御様のご理解と信頼でありました。現在はバドミントン部で活躍され中学二年生となった今は私の身長を超えて行ってしまいましたが、そういった時期を二人で過ごせたことは私にとりましても大変大きな勉強でした。

 今日は一旦14時に講習を終え、その後時間に余裕のある方は14時30分まで「杖整体操」にお付き合い頂きました。

 今日はとくに「杖乗解し」をお伝えしたくて、肩乗せ、正座、などおこないそれぞれ家でも出来る内容をお伝えいたしました。そのほか「揺らぎ」では、前回のクラーチ剣術教室で上々の成果があったことから、「よし!ここでも心地良い反応が見られるぞ!」と期待していたものの、「・・・・・・」反応があまりに無い!ことにショックを隠しきれませんでした(笑)。

 とまあ、今日は30分延長で講習後の時間でしたので、私としても今度の8/12(月)におこなう『杖整体操』本番に向けてのリサーチでもありましたので、今日はやって良かったと思います。おそらく参加人数はいつもと同じぐらいだと思いますので、気取ることも無く、今日おこなった「杖乗解し」を長めにおこない、揺らぎはせずにいつもの流れでおこなう予定です。こうした身体とジックリ向き合う内容は意外と経験の無い方にとってはどのように感じるのかが難しいのかもしれません。これまでの経験からいたしますと、合気道を学ばれている方々はこの杖整体操の捉え方がすんなりと身体に入っていくように感じます。またヨガを経験されていた方も上手に気持ちよさを捉えることが出来ております。身体のことは簡単なようで意外と難しいものですね。分からないようで分かったり、分かったようで分からなかったり…だから興味が続くのでしょう。

 
 講習後は金山剣術稽古会土曜日稽古会をおこないました。まだまだこの土曜日は参加者が訪れないため、今後は平日のみに戻すことも考えておりますが、今日は渡部氏と二時間おこないました。

 袈裟斬りにおける転ばぬ先の一歩の感覚、ひさしぶりに鹿威しをおこない真芯で捉える感覚を稽古。やはり左手の締め込みが重要である。

 続いて、「連続切り返し」を四回までおこなう。まだ私以外に正確に四回おこなった人は居ないので、壁に1~4まで目印を貼り付けて、そこに切っ先をピタリと合わせて切り返すことをおこなう。私自身出来ているか途中で撮影してもらい確認することが出来た。予想以上に精確に剣先が印の位置を捉えていた。

 次に杖術をおこなう。上下持ち替え無しの打ち合いから新たな払い技が生まれた。ただ、軸足に掛かる時間が長いため技として認定するのはどうかと思ったが、実戦的な受けからの払いに体捌きが伴われておりかつスムースな動きなので、手元の動きは技としてアリだと思えるが脚足の動きは、改善の余地が見当たらないため、今後稽古をおこなう上で身体が喜ぶような動きに変わることを期待する。

 最後は抜刀術。「柄を噛む手」は、その勢いが手之内の張り付きにつながるため、「懐月」における小指の押さえが抜ける確率が下がることが分かった。だから存分に噛める。

 「津波返し」では、床に鐺(こじり)を打ち付けないため、一瞬の間に鞘引きした鞘を戻しているが、鞘を引いた左手が柄に掛かるまでの間にその動線上にある鞘を戻すことで成り立っている。意外に出来るものなので、明後日15日(月)におこなう『抜刀術 特別講習会』でお伝えしたいと思っている。他にもこの日は、鞘引きからの落としも一寸~二寸の距離を稼ぐものとして重要であるためお伝えする予定である。柔道場なので、沈み系の技を多めにおこなう予定。

 お申し込みは明日の夜まで受け付けておりますので、三連休の最終日ですが、有意義な最終日になるかと思います。初めての方でも貸し出し用の鞘付木刀がありますので出来る内容をお伝えいたします。


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2019-07-13(Sat)
 

七夕の鬼ごっこ

 昨日は七夕。子供の頃は実家の裏山にある竹を小学校の先生や生徒達が伐採に来てそれを引きずって学校に持って帰っていた記憶がある。一本一本がかなり大きな竹であった。ついでに思い出したが、門司港みなと祭りというのがあって、ミス門司港か何かのタスキを掛けて何人かの若い女性がドレスで着飾り、それぞれ一人ずつ数台もの拡声器を付けて飾りを施した軽トラの後ろに座っていたか立っていたか忘れたが町を走っていた。実家がある山の上にまで走ってきた記憶が微かに残っており、あらためて時代の変化と田舎ののどかさがそこに在ったことを知る。

 祭りは好きだが参加したことは無い。生まれてからずっと地元で育ち、そうした地域での昔から続いている祭りやイベントなど、私がこれまで住んできた土地土地で見てきたが、そうした地元の一体感というのを見て「ああ、自分にはこうした生き方とは外れたところにいるのか…」と、祭りを見るたびにそう思ってしまう。

 やはり、地元で生まれ地元で育ち、その土地の顔になっていくのはそれなりの苦労を重ね続けてきたからこそである。私のように、福岡で生まれ、広島、大阪、埼玉、東京と移り住んで来た者は、常に見物者なのである。

 そうした地元に留まり盛り上げて行こうと別の顔を持っている人には、その人の生き方の決断があるので男として尊敬している部分ではある。生憎そうした方とのご縁はないが、これからもさまざまに尊敬出来る人が生きていることを思いながら、自分の周囲だけで判断せぬように気をつけて行かなければならない。


 それでは講習記事へ。
 
 昨日も生憎の雨でしたが、ひさしぶりの深川スポーツセンターに向かう途中行きつけのお店で食事。昼時ということもあって混雑しているかと思いましたが、雨のせいか空いており角の四人掛けの席へ案内して頂く。そうしているうちに、途切れなくお客さんが入ってきて気がつけば満席。広めの席で食べていたので「これは、相席になるかなぁ」と思いましたがギリギリ大丈夫でした。会計時に「いやぁ、雨だから今日は空いていると思ってましたが、あっという間に満席になりましたね。」と思わず声を掛けたところ、「きっと、お客様が連れてきてくださったんですよ。」と冷静にお言葉を頂戴しましたので、「結構あるんですよ。」とニッコリ。でも、本当に入ったお店が混雑するのは良くあることですので、それだけお店を選べるようになったという事なのかもしれませんね。

 殺陣クラスの講習では、賑わう人数の中危なくないように気をつけながら見て回りました。今回は立廻りも最後におこないましたが、「万乃型」「払い五斬」「三歩拍合」「連続寸止め斬り返し」などに時間を割いておこないました。

 日曜日は男性比率が高かったのですが昨日は半々でした。今は新しい生徒が増え、同時期に近い入会者が増えております。こうした時期の入会タイミングはずっと続くものではありませんので、今後の主要メンバーを想定いたしましたときにここ数ヶ月間の入会者の成長が重要になってくるものと感じております。

 もちろん、Gold Castleはチームではなく教室ですので、集中的に取り組んでいただき、それをそれぞれの活動するステージで活かせる段階にまでなったらそちらの方に時間を費やして行かれることがこの教室の存在意義でもあります。そうした中でも、長く生徒として通い続けて頂いている方も多くいらっしゃいます。とくに剣術や杖術といった武術におきましては、自己との向き合いが他者との向き合い方を育てるものですので、技という教材の中でどう学び得ていくかが長きにわたる講習の意義でもあります。しかしながら、それだけではなく、生徒同士の交流も発展が進んでおりますので、そうした場としての重要性も認識しながら責任をもって開催しております。

 
 剣術クラスでは、最後にひさしぶりとなる「鬼ごっこ」をおこないました。おそらく一年以上はやっていなかったかと思いますが、ひさしぶりに涙が出そうなほど笑わせていただきました。

 とくに体験初参加の男性お二人と、生徒になられてまだ間もないKさんの、男性三縦列による誘導と対応は大変であったかと思います。ですが、いやでも周囲を観なければならないこの鬼ごっこは、笑い溢れる内容でもありますが、誘導者の動きと、それに順ずる自らの動き、そしてぶつからずに鬼から逃げる周囲の動き、その三つを同時に把握しながら動かなければなりませんので、同時にいろいろな眼を養う稽古法の一つです。

 あらてめて思うことは、決まりを作ることで生まれてくる、育ってくるものがあり、その決まりを成長に応じて変え続けていくことが大事であるという事。とうぜん、決まりとは何かを生み出すため、育てるためのものであり、それが間逆に作用してしまう決まりでは本末転倒になってしまう。何が大事なのか、何のための決まりごとなのか、そこが何かを得ていくためには非常に重要な部分であり、ただ闇雲に決まっているからということだけで、そのことに時間を費やしてしまっては、頂上に通じない道をひたすらに歩き続けているだけである。決まりごとというのは、その言葉に騙されないように、決まり続ける必要のあるものと、決まりを変えていく必要のあるものがあるということです。


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2019-07-08(Mon)
 

温か味のある世の中に

 毎日同じような天気。久しく太陽を見ていないような気がするが、そろそろ青空がなつかしく思えてきた。日曜日は気温も低めなのでよけいに太陽が恋しくなるかもしれない。昨日観に行った舞台『のうみん』とは間逆のシチュエーションだ。


 さて、本日のGold Castleは戸越体育館で剣術クラスの講習をおこないました。

 去年の10月から今年の3月末まで、約五ヶ月間に渡る耐震化工事が終わり会場は綺麗になりました。武道場は地下一階にあり、上の階でおこなわれているバスケットボールなどの振動がほとんど気にならないレベルまでになりました。以前は、響くような音と振動があり、天井からネジでも落ちてくるのではないかと感じたほどでした。

 こちらの会場は昔から清掃スタッフの方が綺麗に掃除を手掛けて下さるので、掃除は全てお任せしております。その代わり、時間厳守で入室退出の時間には猶予が無く、会場設営準備の時間や、いつものように押してしまった際の退出時刻に慌てながら出ておりました。

 それが今年の4月になってから館長が交代し、若干これまでとシステムが異なる部分も出てきました。それは構いませんが、清掃スタッフの方が三名いらっしゃったのがお一人となり、かなりのお歳の方と見受けられますが館内全ての清掃を一人でやられております。

 このご年齢の方が一人でおこなわれているという事を、今日たまたまお話する機会がありましたのでその方から聞いたのでした。こちらを六年間利用させていただいておりますが、とても丁寧な方で気持ちよく使わせていただくことが出来ております。今はスタッフの募集をしていると伺い少し安堵いたしましたが、それでも耐震化工事が終わってからもう三ヶ月間経っておりますので、職場の状態を統括されている方はどのような感覚なのかと疑問に思ってしまいます。こうした区の施設というのは、区民を始め、人々の生活にやさしく寄り添う場所として存在してこその価値だと思います。決まりごとだけの中だけで人を縛り付けてしまいますと、そこに喜びや笑いが失われ、緊張感の中でビクビクしながらストレスを溜め込み、そのはけ口を求めて日々を過ごしていかなくてはなりません。そんな中でも、心のこもった笑顔で丁寧にご挨拶してくださるこちらの清掃スタッフの女性の方には、気持ちよく会場を使わせていただき、お陰さまで生徒の皆様にも講習を通じて笑顔で帰って頂くことが出来ております。少しでも、その方の精神的負担が少なくなるように、ご挨拶とお話をこれからもさせていただきたいと思っております。(みなさんも笑顔でご挨拶されると喜ばれると思いますよ)

 
 それでは講習内容に入ります。

 今日の脚部鍛練稽古ではひさしぶりに「蛙」をおこないました。軽くおこなっても筋肉痛になる方がいらっしゃいますので、余りやり過ぎないように気をつけておこないました。そう考えますと、数年前はやりすぎていた感がありますね。

 剣術では「十文字斬り」「陰陽之太刀」「陰陽之祓い」「陰陽之型」をおこない最後に「峰返し潰し」をおこないました。

 私が発した言葉に、「肩甲骨と腕が一体となるように斬る」と言いましたが、これは小太刀から気が付いたことですが、この位置を保つために姿勢を作らなければなりません。もちろん全ての動きがそのような位置ではありませんが、動きの特性上必要になってくるものであります。

 また「陰陽之型」では、相手の斬撃を貰って円に斬り込んで参りますが、この時の周回軌道が最終的な身体が整う形になっていることです。つまり、身体が整う周回軌道に剣を振ること。

 最後におこなった「峰返し潰し」では、先に述べたものと同様に身体を整えるために、自らを観察する稽古でもあります。そうしてエネルギーの伝達ロスを抑えた身体各部の構造を保ち、相手の反応よりも先に通すための右前脚の腿の引き上げが重要になります。雑にならず、ジワリとならず、構造が崩れずにおこなわなければなりませんので集中を要します。

 これは力を通す稽古とも言っておりますが、先に述べましたように自らを観察する稽古としても重要なものです。こうしたものは繊細で僅かなことで利きが異なりますので、人間の身体の不思議さ面白さに興味を持っていただきながら、そうしたものへの追求が結果として把握力を磨き新たな視野が拓けてくることになると思われます。

 今日は切が良かったので私としては珍しく定刻に終りました。少し狭いですが戸越体育館の雰囲気は嫌いではありませんので、これからもっと好きになれる場所として温か味のある区の施設としてこの場所に見合った人とのふれあいを願っております。


 明日は、ひさしぶりに深川スポーツセンターでの開催となります。明日もあいにくの空模様となりそうですが、久しぶりの生徒も参加されますので、新しい生徒達と共に賑わう講習となるでしょう。

 殺陣クラスは、基礎的な内容から、タイプMと一対四瞬殺をおこないます。タイプMに関しましてはその日のメンバーを見て、その組に関しては立廻りだけの講習を不定期でおこなうことも検討しております。もう少し全体的に動きが入ってきましたらそのように進めたいと思っております。かつては、「月末恒例立廻り講習」と題して、毎月月末の日曜日は体験参加の受付をせずに基礎鍛練稽古もおこなわずすぐに立廻りをおこなっておりましたが、今後は日程を決めずに、その日の参加者の進み具合によって月に一回ほどはおこないたいと思っております。

 剣術クラスは、剣の振り方(斬り方)を身につけるために欠かせない内容として「正面斬り」や「斬割り」をおこないます。これは同時に間合いや左右の力の使い方、相手の起こりを読む稽古にもなります。

 続いて「柄奪り反し斬り」をおこないます。これは一つ一つの動きが出来不出来に大きく関わってきますので、一つ一つ精確におこなうようにいたします。

 そして最後は一年以上はやっていなかったかもしれない「鬼ごっこ」をおこなう予定です。準備に時間が掛かりますので、そこまでの仕込が時間配分の中で重要になります。これは相手を観ながら周囲を観察する眼を養うためのものです。もちろん自らの動きも正確におこなわれていなければなりません。いろいろな眼を養う稽古です。

 さあ、今夜もこの辺りにいたします。明日もみなさま楽しみにお待ちしております!


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2019-07-07(Sun)
 

眼は目にあらず

 六月最後となるGold Castleの講習が終わりホッと一息ついているところ。Gold Castle 殺陣&剣術スクールという、この土曜日と日曜日の講習は参加人数も多く、生徒それぞれの年数も積み重なり、新たに生徒になった方や体験参加の方などクラス分けをせず、私一人で全てを観て行くというのは私にとっても毎週が真剣勝負です。

 講習では、毎回おこなうものと新しくおこなうものを織り交ぜ、継続的に育てて行く内容と新鮮さの中で興味を失わずに取り組み続けることが生徒の成長には必要であると考えております。

 この教室に来られる方は、単純に運動不足解消が目的の方もいらっしゃれば、そうした目的から身体の使い方に興味が芽生えてきた方も少なくありません。近年では私が配信している動画や、五月に発売されたDVDの内容などから動きに興味を持って参加されている方もいらっしゃるかと思います。

 こうしたさまざまな目的の方々に、毎週どのようにお伝えしていくかという事が私にとっても貴重な場となっております。もちろん、一瞬の間や表情から私なりに次回への反省点としてきたことも多々あります。教室を運営して行くという事は、技能技術だけでもなりませんし、宣伝だけでも上手くは行きません、さまざまに関わる事の全てのバランスと把握が常に薄まる事無く思考の中に留まっているかが重要です。

 武術稽古では自己と向き合い、その中で感覚を知り把握力が高まります。そうした把握力はとうぜん心理面における把握力にも通じております。そして、指導者の立場といたしましても、観察と対応が求められますので把握力が実践され、そこで経験した出来事から自省し観察と対応を学ぶのだと思います。つまり、武術とは、自己と他者における身体的実践観察から多くのものを学び、それが技や人間形成に結果として繋がっていくものだと思うのです。逆を言えば「観察無くして学び無し」ということが言えるかと思います。

 
 さて、昨日土曜日の講習から

 昨日は戸越体育館にて昼からGold Castleの講習をおこないました。土曜日にしてはめずらしく普段の半分程の参加人数でしたが、戸越体育館の広さを考えますと、杖術クラスの昨日のテーマである「暗闇焦点法」が集中的におこなうことができました。Gold Castle向きではない内容でしたが、たまにはこうした「静の稽古」も、まさに視点を変えておこなうものとしてお伝えしなければと感じておりました。

 講習中にフト感じたことは、「講習で私がしゃべればしゃべるほど、生徒にとって身体に目を向ける集中を奪っているのではないか」とドキリといたしました。しかしながら、Gold Castleはホームページの雰囲気からも、そうした求めるものが高い環境では苦しくなってしまう人もいるものでしょうから、その辺の采配を鮮度が落ちないようにバランスよくおこなって参りたいと思います。

 この日は、会場を二コマ続けて押さえていたので、退出時刻に追われないことからも三十分延長して最後に「杖整体操」をおこないました。ひさしぶりにおこないましたが、身体の調子を整えるのは「やるかやらないか」が大きく左右しておりますので、私自身このところやっていませんでしたので、動きが硬くなっておりました。この杖整体操をおこなう目的は、柔らかくなる為や気持ちよくリラックスするためではなく、怪我のリスクを下げるべく身体を解す必要性を年齢と共に感じたことが大きな理由です。寝て身体が元に戻るのはある程度年齢を重ねてしまいますと、一晩ではどうにもなりません。ですので身体を使い続ける私のような者にとっては、どうしても身体を使い続けられる状態にしておかなければなりません。昔は、稽古頻度も今のように多くはありませんでしたので、時々身体を痛めつけるような稽古をやっておりました(連続三十分四方斬りや飛石1㎞、蛙の真っ向や雀の真っ向など)が、今の稽古日程では回復させる時間がなかなか取りづらいため、そのような激しい事は久しくやっておりません。そういう意味では示現流の「立木打ち」も何度かやりましたが、全て全力で丸木に打ち込むというのはかなり強烈な心身への鍛練となりました。五分で手の皮が大きく破れ血が出ます。慣れないうちは声も枯れます。それを一時間はおこないます。

 今でも、そうした激しい稽古への欲求があります。ですので日々淡々とした稽古や鍛練の中で、怪我無く相当なことが出来るように継続した身体作りへの憧れは持ち続けております。そのための調整法の一貫として、鍛練した身体を解すものとして杖整体操を私の調整法に取り入れております。


 Gold Castleの講習を終え、続く夕方からは金山剣術稽古会土曜日稽古会を開催いたしました。今回は渡部氏と鎌倉からT氏がお越しになられました。稽古では、その時お伝えしていた会話の流れから杖をおこなったり体術をおこなったりさまざまに検証していきますが、そうした流れの決まっていない稽古だからこそ発見の匂いというものが感じられます。ここでの稽古は発掘作業のようなものですので、さまざまに思い至ったものを試すことはよくあります。そうした失敗の中から発見できたものを講習会や特別講習会などでお伝えしております。ですので金山剣術稽古会は私にとって最も大事な源泉の場であり、とくに平日おこなっている少人数での稽古は、何よりも泉の源となる空気を大事にしております。このあたりは色々とおこなっている講習会などと比べましてもかなり雰囲気は異なるものと思いますが、そうした中でも一人稽古はさらに雰囲気の違うものとなりますので、やはりそこは特別であると思います。

 稽古では基礎鍛練稽古に体術、杖術、剣術、抜刀術に納刀法などをおこないました。稽古後にT氏から連絡をいただき、「情熱を持った真剣な時間を過ごせることが小生にとって最大の恩恵でございます。」というありがたいお言葉をいただきました。年齢は存じ上げませんがかなり上の方だと思われますので、私といたしましても学ぶべき事は幾つもございます。

 戸越体育館で併せて四時間半稽古をおこない、帰りの山手線で猛烈な睡魔に襲われ何度もガクンガクンと頭が揺れてしまった。そのため昨夜は無理をせずに「かざあな。抜刀術編」の映像編集をチェックし修正箇所をお伝えして床についた。かざあな。については昨年の春か夏には全て配信する予定で企画書を作成したので、もはや語ることも気が引けてしまうが、最後の抜刀術編は、これまでと異なり、映像編集を先に終らせて後で音楽を作っていただくことになっております。これまでは、映像が完成する前に音楽を作ってくださっていたので、イメージで作っていただいたものでした。いざ、二本作品が完成すると、映像ととても合っておりますので、音楽の凄さ、TAMTAMのMariさんやTakaさんのセンスの素晴らしさに驚かされます。ですので、これまでは映像が仕上がる前に音楽についてはほぼ出来上がっておりましたので何度も何度も聴いていたのでした。それはもう昨年の春ごろには原型が二つとも出来ていたものと思います。(実際には3バージョン作って頂いておりました)最後の抜刀術編では、私の希望をMariさんにお伝えし、それなら音は後付けにいたしましょうということで私としても大変楽しみにしております。


 長くなりますが、続いて本日日曜日の講習も書きます。

 これまでGold Castleは全般的に女性率が高かったのですが、ここ最近は男性が増え始め、全体的な割合では半々となっております。曜日で言いますと土曜日は女性率が高く、日曜日は男性率が高くなってきました。日曜日の女性参加者がもう少し増えていただきたいところですが、刀剣乱舞の影響が少し落ち着き、今度はるろうに剣心の影響がまた訪れるでしょうから、それまでに今の生徒達のレベルを上げて、付きっ切りでなくても動きが身につく状況に持って行きたいところです。(感じる能力を高められるように)

 体験参加から生徒になられる確率も増えて参りました。それはおそらく最初から入会を目的で訪れる方が増えたという事であり、そうした方々の目に留まりやすくなったという事でしょう。この辺りは教室を運営している者として非常にありがたいことだと思っております。もちろんいつまでも体験参加の募集を続けられるか分かりませんが、一コマ十五名を平均として安定してきましたら、昔のようにコマ数を増やす事無く、体験参加のお申し込みに今よりも制限を掛けて講習が滞りなくおこなえるようにと考えております。ですがまだまだトータル的には横ばいの状況ですので、しばらくは今のような状況を維持していくものと思われます。

 今日は嬉しい事がありました。

 それは、体験参加に来られた十代の若い役者さんがGold Castleが開講してまだ数ヶ月の頃の生徒であったYさんという俳優さんの御紹介でお越しになられたことでした。

 Yさんは、以前私が役者活動していた頃、よく雑誌などで事務所の所属タレントとしてお顔と名前は拝見しておりましたので、体験参加に訪れたときには、まだ教室自体産声を上げたばかりでしたのでかなり殺陣は経験されている雰囲気があり、Yさん曰く「剣術に興味があります。」と仰られ、雰囲気的にもサムライが似合う方でしたので、そうした方があれから五年程経っても「教室に行くならあそこがいいよ!」と紹介してくださったことに感じ入るものがありました。

 「数字に見えないものを大事にしなければならない。」このことは、私が現在よく思うことであり、編集者の方と対談でお話していることでもあります。現代は数字に見えるものに捉われ喜び苦しんでいる人が多いのではないでしょうか。数字に捉われてしまいますと、判断がそちらにズレてしまい、数字の価値観に同調してしまう傾向が強まるでしょう。そうなりますと、歳相応に身につけて行かなければならないはずの精神性からなる状況判断にも、第三者の情報や数字的価値観への同調が尊敬すべき年長者の思想に至っていない場合も考えられます。

 利用しているつもりが利用されている。そこに依存と世の中の同調性が己の意思を失わせてしまっている。弱肉強食は現代でもそうである。金銭が発生すれば、そこに本当の姿は見えにくくなってしまうもの。そうしたものを見抜くには、自分の肌で直接感じた自己観察と他者の観察である。そうした見えにくいサバイバルの中で、観察眼を養い真理を観る目を持つことでかなりのことは自由になれる。「眼は目にあらず、感覚であり、直感であり、予感でもある。それも目なのだ。」


 日記のタイトルに困るほど話が飛びすぎてしまった。(昔はタイトルを先に書いていたが、今は何を書き出すのか分からないため後付けとしている)

 殺陣クラスの講習では、タイプMの序盤の七歩からBの終わりまでおこなった組と、七歩目からBの終わりまでおこなった組とに分かれました。

 これまで二人一組や三人一組でおこなっていたものと比べて五人一組となりますので、動きのタイミングなど順に全てを役どころをおこなっていただいておりますので、大変であったかと思われます。ですが当分はこの序盤からBの終わりまでを稽古いたしますので、焦らずに絡みA~Dと芯の動きを覚えて頂きたいと思います。

 しかしながら、全体的にようやく動きが入ってきた感じを受けましたので今日は進んだように感じます。もちろん各人それぞれに出来ていないとことが沢山あると思いますが、今日のような稽古でなければ身につかないものがあるのも事実です。以前の立廻りタイプⅠ(映像記録に掲載している動画です)でも、当初は動きを身に付けるまでが大変で、かなり時間を掛けて稽古してきました。(一年以上は掛けておりますので、殺陣クラスの講習内容を追いかけていただくといつからおこなっていたかが分かるかと思います。)

 杖術クラスでは、今日の参加者を見て、基礎的な持ち替えかたや打ち突きなどをおこない単体技を幾つか全体でおこないました。最後は「左右払い突き」をおこない、それぞれに良く集中しておりましたので、予定していた「三十連円打」をおこなわずに、そのまま最後まで左右払い突きをおこないました。女性のHさんが普段殺陣クラスや剣術クラスを受講されており、杖術クラスが初めてだったこともあり、終った後に「気持ちよかったです!」と仰っていたのが印象に残りました。普段のお仕事でデスクワークの方には、考える前に身体がもう気持ちいいと感じているものだと思います。とくにパソコン作業となりますと、肘が固定されてしまいますので背中が動かされず緊張の中で固まってしまいます。ある種これも生活習慣病といえますので、長く動ける身体を維持するためにも軽くて滑りのいい杖はうってつけです。これに杖整体操が合わさればかなり自衛できるものと思われます。

 このところ、剣術クラスや杖術クラスは内容が難しくなっているかもしれませんので、もっと易しい内容も取り入れていこうと思います。

 さあ、今夜はこれ以上書けなくなりましたのでここまでにいたします。今年の夏は殺陣クラス、剣術(杖術)クラスともに熱い講習風景が予想されます。動きが少しずつ入ってくるに従いこれまでとまた違った雰囲気になるでしょう。楽しみにしております!

 本日も、そして今月もみなさま、ありがとうございました!


  金山孝之 指導・監修 DVD
『古武術は速い~“型の手続き”を追求した剣・杖の実践的な体使い~』

(2019年5月20日より発売中)

2019年7月15日(月/海の日) 『抜刀術 特別講習会』
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会ホームページ
(お問い合わせ受付中)

2019年7月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2019-07-01(Mon)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンよりDVD『古武術は速い』刊行

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