ひさしぶりの鬼ごっこに涙する

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習は、夕方の部を品川区総合体育館柔道場でおこないました。毎週体験参加の方がお越しになり生徒になる方も増えてきております。一ヶ月ほど休まれたNさんは、知らない方が増えていて驚いていました。

 とくにこのところは、毎週のように生徒さんの紹介で体験参加に来られる方が増えてきております。笑顔で気持ちよく帰られる姿を見送ることは講師として幸せな瞬間です。こうした気持ちをいつまでも大切に、皆さんと共に発展的で気持ちのいい教室として反省しながらより良くしていきたいものと考えております。

 殺陣クラスの講習では、かなりの方が「万乃型」を覚えてきたように思いますので、そろそろ動きの拍子を上げて連動性と間の使い方などを揃えられるようにおこないたいと考えております。

 立廻り稽古では、絡みAそしてBに繋がる「撥ね返し回転斬り結び」をおこないました。この内容は今後も丁寧におこなっていきたいと思います。そのため、序盤の芯の体捌きは生徒になられた皆さんは覚えるようにして下さい。
 
 次に剣術クラスでは、昨日に次いで久しぶりに「誘対稽古」と「鬼ごっこ」をおこないました。やはり皆さん汗をかいて疲れていたようですが、本日二回目となる体験参加のAさんが「楽しいです!」と仰っていたように運動不足解消の方にとって今日の内容は、かなり喜ばしいものだったのではないでしょうか。

 夕方の部でこの鬼ごっこを見ておりまして、鬼となった高校生のKくんとドクターNさんペアに、大の大人たちが真剣になってテトリスのような動きで逃げている様を見て思わず涙を流して笑ってしまいました。講師がこれではいけませんが、ここまで下拵えをしましたらあとはもう見守るだけですので、ちゃんと学んだことを守りながら周囲を観ながら正確な足運びや間合いを維持し、同時におこなうさまざまな状況の対応をおこなえるように脳を訓練いたします。

 「誘対稽古」では、重ねた剣を如何に外さずに、または外すようにおこなうことが出来るかを稽古いたしました。幾つかポイントがありますが、やはり足が居着かずに瞬時にさまざまな方向へ移動することが出来るかが大事であり、考えなくとも自然と足が反応出来るようにおこなえるとかなり余裕をもって対応出来ます。今日私が対応した際の動きを皆さんに見ていただいてお分かりになったと思いますが、足が自在に動かせるには重心が真ん中にあること、体の軸が傾きすぎないこと、そして剣の接点ばかりに目が向かないように、相手の全体を把握すること。そうしたことが出来るようになってきますと、対応者が誘導者を追い詰めるということが出来るようになってきます。それは視野の情報から足運びにより先回りする位置取りが重要であり、そのためには身体が自然に反応出来る様な状態を維持しておくことです。この「誘対稽古」と「鬼ごっこ」は私が考案したものですが、基礎的な部分を取り入れ同時におこなうさまざまな事を把握できるようになることで、組太刀稽古などで二人一組に慣れた相手との稽古で狭くなった視野を拡げることも意図して作っております。

 とくにこうした多情報の把握と処理をスムーズにおこなうには杖の稽古が有効です。丁寧に身体の使い方などを考えながらおこなう稽古法と、杖に身を任せ、身体がそれに自然に反応していく自由な稽古法などをおこなうことで、自在に動きやすくなる身体に近づいていけるものと思います。

 夜の講習では隣の剣道場に場所を移し、初めての方がお二人お越しになられ終了後の掃除まで率先して手伝って頂くほど楽しんで帰られました。生徒の実力を上げることが私にとっての信頼に繋がるものと思っておりますので、教室の体裁ではなく、一人ひとりに向き合ってどのように対応していくことが望ましいかを、そこにどれほど力を注ぐことが出来るかが、結果として生徒の良い面を引き出すことに繋がっていると思うのです。

 これからもそうした教室運営をおこない、新しい方や長く付いて来て下さっている方、そうした方々とともに笑いながらも真剣に、明日への力となるような講習をおこないたいものと考えております。今日もお越しくださった皆様ありがとうございました!お休みだった方もまた元気な姿でお会いすることを楽しみにお待ちしております。


2017年9月23日 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2017年8月 稽古日程

2017年9月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-08-21(Mon)
 

花火に代わって雷鳴轟く

 本日のGold Castle 殺陣&剣術スクールは、まず昼間の部(剣術クラス)を品川区総合体育館剣道場でおこないました。新しい生徒も増えてきましたので、今日は久しぶりに「誘対稽古」と「鬼ごっこ」をおこないました。

 「誘対稽古」では、手之内や肘の柔らかさ、自在に反応できる重心位置、相手の心理を読みそこを突いていけるか、同時に周囲も見ながら空いているスペースへと対応者を動かしていきます。

 「鬼ごっこ」では、誘導者は相手のリードと周囲の状況を把握し対応者がぶつからないようにおこないながらも自らの足運びを乱さないように把握しておこないます。対応者は誘導者との間合いや正中線を重ねながら全体を視野に収め同時に足運びを乱さないようにおこないます。

 この稽古の目的は、鬼ごっこという遊び稽古とも言える楽しいものですが、鬼が迫ってくる、または逃げる相手を捕まえるといった心理状態の中で、これまで学んだ足運びや、目の前の相手との間合い等が乱れずにおこなえるかというものであり、自分の身体操作と相手との間合いや呼吸、そして周囲を観るという意識を強く習慣づけるための訓練法のひとつです。

 周囲を観るというのは、稽古をしているとなかなかそこまで意識が回りにくいものです。周囲に気が散っているようでは集中していないのではないかと思われがちですがそうではありません。

 気が付かないということは、学ぶべきものの可能性、得られるものの可能性を減らしていることになります。同じ時間内で得られるものを増やしていくには、状況を把握することです。状況を把握するということは、自らの状況、稽古の目的、回りでおこなわれている状況やそれに対し私が伝えている言葉、そうしたものを集中して取り入れることで、自分のものに出来る学びはまだまだある筈です。ですから、目と耳は周囲に敏感になるようにし、身体そのものは感覚で自らの姿勢やおこなった動きの余韻から精査し、自ら気が付けるようになっていくことが大事なことと言えるでしょう。上達が早い人程周囲への目の向け方と、耳から入る情報を自らの身体に取り入れ直ぐに実行に移しています。周りを観て自らがおこなうべき行動に素早く取り入れるということは、日常におきましても危機を回避し安定した状態の維持には欠かせないものであると思います。

 昼間の部では、脚部鍛錬稽古で、蟹、雀、蛙をおこない、誘対稽古、鬼ごっこと、皆さんかなりお疲れのようでした。Yさんの汗がまるで高田馬場で稽古をおこなった時のようになっており、髪の長いIさんは「毛先まで汗で濡れました。」と仰っていました。Wさんも、「今まででこんなに疲れたことはありませんでした。」と言っていたほど、私は周りを観て笑っていただけでしたが(そんなことはありませんが…)八割方女性だった昼間の部ではかなりの運動になったようです。

 続く夜間の部(殺陣クラス)では、会場に向かう途中ゴロゴロと雷の音が響きっぱなしで、今にも雨が降って来そうなため大急ぎで磨り減って高下駄では無くなった下駄でカンカンと響かせながら(いつもは稽古のため音が小さくなるように歩いているが)急いで会場に到着いたしました。幸いなことに雨に遭わずに済みましたが、会場に着いて間もなく地下二階の剣道場内でも大雨の音が聞こえてきました。

 今日もダブルヘッダーのIさんが熱心に受講されていました。上達具合により講習内容や、組む相手というのを決めておりますので、(そのほか抜群の相性というのもありますが)熱心な方というのは一週間で大きく伸びていきます。

 多摩川では落雷による負傷者も出たそうで、電車の遅延により欠席された方もいました。もしかすると、何人かの方が来られなくなったかもしれません。

 明日は、今日と同じ品川区総合体育館で15時から20時30分まで地下に篭っております。お休みされていた方や集中的におこないたい方にはダブルヘッダーでの受講をお勧めいたします。なお、明日も体験参加の方が多くなると思いますが、貸し出し用の武道具及び帯は、体験参加の方を先に優先いたしますのでご了承下さい。

 それでは明日もみなさまお待ちしております。


2017年9月23日 「抜刀術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

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2017年8月 稽古日程

2017年9月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-08-20(Sun)
 

出会いと共に自分の姿を見つめ直す

 昨夜の退出から12時間後の9時10分に同じく品川区総合体育館剣道場にてGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。午前の殺陣クラスは比較的少ない人数で始まり、次の杖術クラスの講習からOさんとYさんご夫妻の3人が入らして丁度よい人数となりました。今回でYさんご夫妻も体験参加を終え正規受講生となり、ひさしぶりにOさんと同年代に近い方が生徒になられて嬉しく思います。明るくて一生懸命なご夫妻ですので、この教室の雰囲気が一層良くなるものと思われます。

 殺陣クラスでは新たな展開「撥ね返しからの回転斬り結び」をおこないました。※(斬り返し改め、撥ね返しといたしました)
 少しずつ進めていくことで、それぞれのペアを見ても初めてにしては動けるようになっていました。この動きをさらによく見せられるように工夫していくことが今月のテーマの一つです。

 「払い~胴斬り~袈裟斬り」の一連の流れは、かなりの生徒が斬られ側のリアクションも含めて動けるようになってきました。互いの間合いやキッカケなど約束事のなかで安全におこなうことで、殺陣というものの雰囲気が掴めてきたのではないでしょうか。こうした立廻りになったときに、動きの中で「構え」や「斬り方」そして「斬心」などが意図的に見せられるかが大事になってきます。

 ですのでこうした立廻り系の稽古をおこなった際に、どの部分がなかなか上手くいかなかったかを記録しておくといいでしょう。毎回おこなっている「万乃型」(よろずのかた)では、立ち方、構え方、斬り方、斬り終えた後の形など一連の動きの中に取り入れておりますので、立廻り系の稽古での記録や記憶から、意識しなければならない部分を身に付けられるように取り組んでいただきたいと思います。

 杖術クラスの講習では、始めに「クロール」をおこないましたが、このクロールでの足運びというのは、杖の単体技での移動法にも通じますので、動き始めと動き終わりを揃えるための足運びとなるための股関節の使い方を姿勢から練っていくことが大事です。

 夕方の部では生徒と体験参加の方で賑わい、講習の止め時が難しい状況の中退出時間の10分前までおこないました。残り5分となったところで、皆が一斉にモップ掛けをおこない、あっという間に掃除が終わりました。なんといいますか、これまでは私が一人でおこなっていた事もあったのですが、やはり皆で一斉におこなうことでより気持ちの良い終り方が出来ますので、今後は品川区総合体育館での講習後はそうしたいと思います。

 日々稽古や講習が続いておりますが、生徒の皆さんとお会いすることでエネルギーを貰っております。お休みされている生徒の方もさまざまに気に掛けておりますので、また元気にお会いする日が来るのを心待ちにしております。そのためにも、私自身カラダを悪くする訳には参りませんので、心身ともに健康な状態で相手を見ていける自分というものを育てていきたいと思っていますし、当然稽古では技の向上を欲しております。世の中にあらゆるさまざまな生き方の人がいる中で、稽古を通じて関わりあっていく事が出来るというのは、今の私の状況を考えますと信じられない思いがいたしますが、私にとりましては一番の学びとなっております。人と出会い考えさせられるということは、無視できない事柄ですので、そこで刺激となり対応させられるということは、失敗も含め後に繋がっていくものです。焦り、不安、恥ずかしさ、色々な事がなかなか心身を落ち着かせてくれませんが、そうしたことも含め望んでいたことですので、楽しんでいきたいものです。

 この一週間は刺激の多い日々でした。あしたは何が起こるかわかりませんが、緊張と緩和を意識して過ごしたいと思います。

 本日もみなさま、ありがとうございました!


金山剣術稽古会  

2017年8月 稽古日程

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2017-08-14(Mon)
 

心地良さという共通認識

 今週もあっという間に日曜日が終わった様な気がしている。一週間が早く感じるのは、その時の記憶がまだ鮮明に最近の感覚として残っているからであり、日々いろいろなことを無意識の内にも意識的にも考えているなら、一週間というのはやはり相当な時間であろう。

 このところ客観的に見て何かが少し変わってきたように感じる。それは私自身によるものなのか、何かの流れに合流したのか判らないが、そうしたことが時の流れとともに今感じられるようになってきた。今はまだハッキリと見えてこないが、そこに向かって私がどう進展していけるのか、目に見えないものに置いて行かれない様に、まだまだ自分自身成長していくには貪欲にならなければならない。

 さて、本日は15時から17時まで戸越体育館剣道場にてGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。今日も生徒Mさんのご紹介で体験参加に来られた方と、海外在住の女性の方も体験参加にお越しになられました。

 会場が戸越体育館だったせいか、日曜日の夕方の部にしては少な目の人数でしたので、それぞれジックリと進めることが出来たように思います。殺陣クラスではこのところ払いやそれからの胴斬り、袈裟斬りなど先を急がずにおこなっております。そのため、かなりの方が袈裟斬りに繋がる一連の動作において良くなって来ました。それに合わせて斬られる側の体捌きリアクションも良くなって来ました。昔に比べると格段の成長といえるでしょう。

 剣術クラスでは久しぶりに抜刀術をおこないました。まず始めに、各種納刀稽古をおこない、それぞれに合わせておこなっていただきました。この納刀稽古は気分的には集中力が失われ易いもので、それは手順の一つ一つをクリアしなければなりませんが、その手順にある体捌きであったり手之内の操作法などが慣れないものなので、上手くいかないことを繰り返すと次第にテンションが下がってしまう傾向があります。これを無理に推し進めてしまうと表情から魂が抜けてしまいますので、程良いところで抜刀術に入りました。

 いつもの後方突きから、今日は「飛燕」をおこないました。海外在住の方の目の色が一気に変わったのを感じながら、皆さんには段階的にはまだ難しい技でしたが、この場の集中を高めるにはこの技が良いと判断しお伝えいたしました。

 人それぞれに何かの目的の為に稽古をするのですが、ここでは昨日も記しましたが「心地良さ」を実感出来るために取り組んでいただいているものと思われます。心地良さには、その人それぞれの目的は違えど共通するものであり、心地良い動きには観ている側も共感できます。稽古の一体感というのは、そうした身体で感じ、求める「心地良さ」の追求が結果として技の習得に繋がり、それぞれの目的に近づいていっているのではないかと思うのです。そういう意味ではお芝居の世界も、歌の世界も同じなのかもしれませんね。

 17時過ぎに講習を終え、続く18時30分から品川区総合体育館剣道場でおこなう講習に向かうために、タクシーを呼んで稽古着姿のまま移動しました。車内でおにぎりを頬張り、あっという間に総合体育館に到着いたしました。いつもは徒歩で移動していましたが、時間に余裕を持ったほうが講習にもプラスに働くと思い、随分楽に次の会場準備が整いました。

 その夜間の部では四ヶ月ぶりにTさんが参加され、腰を痛めていたこともあり色々と心配しておりましたが、元気そうな姿に安心いたしました。これから身体の為にも少しずつ継続的に調子を整えていっていただきたいと思います。夜間の部でも生徒のNさんのご紹介でSさんが体験参加に来られました。このところは生徒さんからのご紹介も多くなってきております。

 日曜夜間の部と言えば上達著しいYさんがいつも大汗をかきながら精力的に稽古をされております。そして同じく成長著しいSさんとともに、俳優二人大汗をかきながら新しい流れへの間と間合いのとり方と切り返しからの回転斬り結びを重点的に稽古いたしました。ここまで間を開けずに一気に足が止まることなく動きますので慣れない内は大変ですが、この動きが身体に入りますと観ている側といたしましては心地良く感じられます。

 そのほかの生徒の皆様も、芯の動きや絡みCの動きなどを重点的におこなっていただきました。殺陣は集団で心地良いリズムと間を構成して作られますので、それに則って斬ったり払ったり鍔競になったり切り返したり、その一つ一つの体捌きと刀の操作、感情表現が、魅せるものとして成り立っていきます。このことは、私が殺陣を指導するにあたって気が付いたもっとも大きなそしてもっとも重要な点であり、今後も構成を一番にそれに合致する体捌きや剣の操作を、剣術や武術的要素から導き出し、剣術や武術に関心を持ってもらえる「説得力のある剣捌き」を殺陣の中で見せていきたいと考えております。

 12日(土曜日)におこなう「立廻り 特別講習会」のお申し込みが少しずつですが増えてきました。現在第一部(基礎編)が五名、第二部(立廻り)が六名となっております。各部ともに定員十二名とさせていただきますので、おそらく大丈夫かと思いますが、前日の11日までお申し込みを受け付けておりますので、ご連絡お待ちしております。この記事の下にリンクしているところへ残りの受け付け人数を掲載いたします。

 八月はイベントなどが多い時期でもあり、お休みされている方も少なくありませんので、また皆様とお会いするのを楽しみにお待ちしております。本日もご参加いただいた皆様、ありがとうございました!


2017年8月12日(土)「立廻り 特別講習会」
(お申し込み受付中)
第一部 残り受付人数七名
第二部 残り受付人数六名

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2017年8月 稽古日程

2017年9月 稽古日程

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2017-08-07(Mon)
 

発掘稽古のための「心地良さ」という感覚を養うこと

 八月に入って今日まで休養を取り、これまでの連日の稽古の疲労などをジックリと炙り出しながら調子を整えてきた。体にとって必要な事はその時々によって異なってくるので、やはり身体に目を向けてあげることを疎かにしてはいけない。これからはもっと心と身体を解してあげることが、身体からのサインであると感じている。そういうことも含めて稽古であり、そうした部分から気がつく事もこれからは見えてくるように思う。

 さて、本日は品川区総合体育館剣道場で9時30分~11時00分まで殺陣クラスの講習をおこない、12時30分~14時00分まで剣術クラスの講習をおこないました。

 殺陣クラスでは生徒のSさんHさんCさんに、新たに一対四の序盤の流れから、絡みAとの場面、さらにBに対する場面の途中までおこなっていただきました。私といたしましては、この先の手を全て知っておりますので(私が考えたので当然ですが…)どのように皆さんが動いていくのかが楽しみでありますが、そこを早く見たいという欲求もありますが、ここは大事に全体の細かい部分も含めて完成度を上げつつ進めていきたいと考えております。芯が動けばそれだけ絡みのタイミングが難しくなってきます。今後は序盤で難しかったCとDのタイミングも完成度を上げていきながら、新たに次の流れになる、Aの後のBとのタイミングが難しくなってくるでしょう。間のとり方が決めてとなりますので、自然に見える間のとり方と、間を調整できる動き方を知っておくと、動き出しを間違えても途中で修正できる場合があります。こうした稽古は一人では出来ませんので、立廻りとなったときにその場面の結果を記憶して、次に修正していくことを繰り返して身につけていくことが大切です。

 もう一つのグループでは久しぶりに「掛かり稽古(胴斬り)」をおこないました。これは芯の足運びや刀を水平に振ることが連続しておこなえるようにするためのものでもありますが、同時に掛かって行く絡みの間合いの取り方、斬らせやすく胴を空けつつも斬りにいくという矛盾をどのように表現できるか。そうした部分も大変重要な稽古になってきます。

 今日はほとんどの方が初めてこれをおこなったと思われますが、想像していた以上に難しかったかと思われます。何が足りていなかったのかを今日の結果から考えますと、例えば刀を水平に斬ることが出来ているか、相手を見て間合いを調整出来ているか、考えなければならないのは、自分の動きだけでなく、芯の動きや前の人、さらにその前の人、そして後ろの人、そうしたことを把握して初めて自分の動き方などが分かってきます。

 分かり易く言えば、車の運転と似ています。

 自分の好きなスピードで周囲を見なければ即事故に繋がってしまうのと同じように、全体の車の流れに合わせ、前の車との車間距離やミラーなどで後方の車がどの位にいて、自分が動けばどういう影響が出るかの把握、そうしたことが集団で一つの決まり事を合わせておこなうには欠かせません。つまりは、観る事が出来るようになるためには、自分の確認は視覚に頼ってはいけないと言うことです。もちろん初めの内は、感覚が育っておりませんから、自分で思っている姿勢や形を鏡や目視で確認して結構ですが、それが癖になってしまうと、そこが拠り所になってしまい、目視で確認することを止める様に確認しなければならないというなんとももどかしい状況に陥ってしまいます。ですので、立ち方や構え方、剣の振り方などで、自分がどのような姿になっているのかを、感覚的にいついかなる瞬間でも把握しておくことが大事です。これは万乃型でもそうですが、動きの中でどういう構えになっているか、どういう雰囲気が作り出せているか、間に何を感じさせるか、そうしたものがパパパっと動いていても全て把握出来るように意識しながら稽古をしていくことが大切です。

 自分を確認するには感覚を養うことが大事です。感覚と心の状態は密接に関わりあっておりますので、今の今を大事に全体と同時に細かい一部分にまで神経を尖らせておく必要があるかもしれません。そのためには自分の今の今を忘れないように向き合っていくことが大事なことであると私は思っております。

 昼からの剣術クラスでは、正面斬りや胴斬りに思いのほか皆さん興味を持って取り組んでいただきましたので、突き返しまで行けませんでしたが、相手に誘われない剣の操作や、重心移動を速やかにおこなわせ、それに剣を乗せて移動する身体操作など、少しずつですが足運びのスムーズさが見受けられた方もいらっしゃいました。何度も例えに出していますが、味覚と同じように、身体の調和といいますか新しい動きの感覚が初めてある動きとなったときに、心地良さとして身体が感じるものです。もちろんそれはいつまでも心地良いものではなくなってしまうのですが、質の高いものであればその期間は長いのかもしれません。

 私がおこなう稽古は、私が学んだものを私なりに心地良く感じられるものとして実感出来たものを人にお伝えしております。ですので、私個人がおこなっている稽古では、心地良さが消えたものに対し「発掘稽古」をしているような感じです。ですので、出来たものを、出来たと思い込んでいたものを続けていても楽しくありませんし、身体がもうそれでは納得してくれませんので、発掘出来ないうちは頑張るほど無駄骨を折ってしまいますので取り掛からないようにしております。心地良さを感じられるための「何か」を発掘するような心理状態のなかで取り組みながら、ある時に気づきや発見といったものに出会うこととなります。また自分にとって発掘しやすいポイントから探し始めることも重要なことかもしれません。

 今日もお陰様で充実した一日となりました。明日は、夕方の部が15時から17時まで戸越体育館剣道場でおこないます。講習後はそのまま着替えずに夜間の部開催の総合体育館まで移動いたしますので、申し訳ありませんが明日の夕方の部は定刻どおりに終わらせたいと思います。夜間の部が比較的空いておりますので、明日は会場の広い夜間の部をお勧めいたします。

 それでは明日もみなさま、お待ちしております。


2017年8月12日(土)「立廻り 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2017年8月 稽古日程

2017年9月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-08-06(Sun)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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