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打ち合わせで頭がパキーン

 昨日は、夜から江東区スポーツ会館にて金山剣術稽古会をおこなう。

 12月からは新宿スポーツセンターが空調設備にともなう改修工事に入ったため、来年の3月いっぱいまで江東区スポーツ会館での開催が主な稽古場となる。

 そんななか昨夜は渡部氏と後藤氏が参加され、この会場で三人は随分久しぶりだった。この会場はアクセスを調べると「結構歩くなぁ」と思われるが、実際に来られた方にはそれを感じない小名木川のほとりを歩く心地良さがある。潮の香りも漂う川沿いを、スカイツリーが迫る距離に感じながら歩く往復の道中は、他の会場アクセスには無い風情がある。そしてそういう会場だからこそ、利用者も穏やかな地元の方々が多く、武道武術以外の利用者はほぼ皆無である。

 私もこの会場を利用するようになって三年が過ぎた。あまり自ら他人に挨拶をする方ではないが、次第に挨拶を交わす常連の方も居て、そうした互いの距離感も居心地良く感じている。

 稽古では、中丹田から頭の使い方をさまざまに検証した。頭の使い方には、構えによって、動きの特性によって使い分ける必要がある事も分った。今後の課題は、この頭の使い方を見かけ上の動きは無くとも、心理的手続きを踏むことでどのような違いがあるのかを検証したい。

 稽古前におこなった杖整体操で私の不調だった首が「コキッ」っと音がして治った。とにかく無理をしないで気持ち良く留まることが、この杖整体操特有の効果を得られるものなので、今後も私の身体を実験台に効果的な内容を講習会などでお伝えして行きたいと思う。

 12/23(日)12時00分~13時30分 品川区総合体育館の柔道場でおこないます。2018年最後の講習会となる方もいらっしゃるかと思いますのでご参加お待ちしております。初めての方や、しばらく講習に参加されていなかった方でも気持ち良くおこなえるものですので、酷使した身体を労う意味でもゆったりとした空間で音楽をかけておこなう杖整体操は気持ちの良いものです。


 そして本日は夜から新宿でNさんと打ち合わせ。来年1月14日におこなう「立廻り特別講習会」の撮影方法や編集について、私のインスピレーションがパキーン!と湧き上がり、全てのカットをNさんと相談しながら猛スピードで決定。

 「かざあな。剣術編」もそうであるが、映像の編集に私の意見は細かい部分までかなりの割り合いで入っている。それは役者時代の経験から、どういう映像になるのか具体的なイメージが予測できるので、そこに向かってあとは技術的な作業をお願いするのである。私がそうした技術と機材を手に入れれば一番いいのであるが、そうなると、一番大事な稽古時間が疎かになってしまうので、そこは私のイメージを曲げることなく引き受けてくださる方々のご協力があるから形になっている。

 とくに、Gold Castle の生徒でありミュージシャンでHEY!WAO!という芸術鑑賞会・音楽鑑賞会・学校公演を全国各地で主催されている主宰者のMariさんとは、私など遥かに及ばない経歴の方で、ミュージシャンだけでなく、役者さんとしても有名な演出家の方々の舞台を経験され、それなのに私とのメールのやりとりはとてもフランクで元気をいただけるものであり、自分よりも相手を想う心情に、身体の負担が心配になるほど実践されている方ですので心が洗われる思いがいたします。ですから、Mariさんと「お仕事」と言っていいのか分りませんが、かざあな。プロジェクトでご一緒させて頂けたことは、とても有り難いことでもあります。セッションを楽しめて、そこから良いものを作り上げることが出来ることを初めて経験させていただきました。

 今日のNさんとの打ち合わせでは、撮影と編集をお願いして頂くのですが、私の強引にも近いお願いを聞いて下さり、こうした自分も居るからこれまでに色々なことをやって来れたようにも感じます。ですが日が経つと、本当に自分がやったのかが信じられなくなることも多く、どこか他人事のような気がしています。役者をやっていた頃はこうした色々な自分を周囲の環境を気にすることなく出せることに自由な開放感というか、それが「正」とされていたことに生きている実感を感じていたのですが、今は武術というカテゴリーの中で微妙に自分という人間の変化を場に応じて自然と切り替わっているように感じます。

 今日の打ち合わせは、具体的に進みました。あとは時間配分の問題と撮影順序の決定。撮影と編集には相当な労力をお掛けする事になりますが、Nさんも楽しんで付き合って下さいますので私としましても良いものが出来る予感がしております。現在参加メンバーは八名ですので、この辺りで締め切りをさせて頂きたいと考えておりますが、どうしても参加したい方はお早めにご連絡頂くことをお伝えしておきます。そして、時間的な問題により第一部からの撮影開始とさせていただきます。テスト撮影も含めて当日までにもう少し詰めていきます。

 明日は久しぶりにスクエア荏原での開催です。時間は9時30分からですので、私も今夜はこの辺で終わりにしたいと思います。小太刀をお持ちの方は忘れずに持ってきて下さい。


2018年12月15日(土)「抜刀術 特別講習会」(お申し込み受付中)

2018年12月23日(日)「杖整体操」の開催(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会HP

2018年12月 稽古日程

2019年1月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-12-07(Fri)
 

頭という重要な発見

 昨日の金山剣術稽古会は午後から新宿スポーツセンターで渡部氏と稽古。その前一時間と少しほど一人稽古をおこなった。

 身体が集中した一人稽古をやりたがっていたので、その時間に遅れることなく準備を進めるのは容易であった。まだ誰もいない武道場内、自然光で十分のため電気を点けず抜刀術を中心に稽古した。

 このところ新たに生まれてきた、柄を噛む右手の使い方や、中丹田の具体的意識からなる初動の手続き、そうしたものを検討しながら順番に動きの確認をおこなう。

 そうした中、突然大事なことに気が付いたのである。

 先日、中丹田の意識に芽生えたのは、下丹田がある程度無意識化されたことで繋がったと実感したのであるが、この日はその中丹田の意識から、頭の重要性を知ることに繋がったのである。

 これには久々に座り込んでしまうほどの実感を得られたが、これまでの動きの手続きとして、脚部の操作(腿の引き上げなど)が始めだと思っていたが、先日の中丹田から始まることになり、さらにこの日の稽古で頭から始まることなんだというこれまでと全く異なる身体操作手順に驚かされたのであった。

 腿の引き上げにより床を蹴らずに重心移動をおこなうというのがこれまでの意識であったが、それより以前にまだおこなわなければならない手続きがあったということを知った。足指の抜きにともなう頭の落下からそのエネルギーを胸郭により前方へと変換し、その中丹田から出るのではなく、中丹田が引っ張られる感覚で足が伸ばされるという一つの手順をとってみても、これまでとは随分異なるものである。

 実際に抜刀術では大いに進展があった。とくに「飛燕」「隅返し」などでは笑いが出てしまうほど身体が経験したことの無い体の抜けと速さであった。「鷲眼一閃」では二尺七寸の居合刀だとはとても思えないほど軽く切っ先が飛んだ。この頭の操作には首の抜けと爪先との関係が関わっているので、意識的に落とすものではなく、落ちてゆくものである。それをより意識しやすくするには眉間の奥に小さな玉を意識してそれが落ちていくようにすれば少しは容易になってくる。このことが上丹田なのかは不明であるが、今はそこを深く研究するより、この頭から始まる操作技術と利きの実感を大事に稽古を進めていきたい。

 渡部氏が到着し、さっそく先ほど発見した頭の重さを初動に使うことの重要性を説明し、始まりの礼も忘れてしまうほど熱中して話し込んだ。開始時刻を八分ほど過ぎたところで思い出したように挨拶をし、この上から下に手続きを変更した身体の使い方を体術で渡部氏にいろいろと受けていただいた。

 先日の関西特別講習会でもおこなった、両肩を押さえてもらって相手を押し込んでいく動きの初動に頭の落下を使うと互いに驚くほど強さが増した。頭の落下と言ってもほんの僅かであり、そこから中丹田が引かれ脚部はとくに意識せずに任せている。なかでも一番驚いたのは、横向きになった渡部氏の肩を押してどれほど飛ばせるかを試みたときに、これまでは、飛ばされた距離で威力というのを測っていたが今回は距離も無く転倒させてしまった。その前にも危ない!と瞬間的に力を弱めたが、これまでこの形式の稽古を何度も受けて貰っている渡部氏が湿度かなにか滑りにくくてしょうがない昨日の床の状態で転倒したのには驚いた。

 そうしたこともあり、昨日の稽古は頭からの発力手順をこれまでの技など動きの中で組み替えていくことに没頭した。次に驚いたのは、剣術による「斬割り」であった。一人での素振り「正面斬り」でも、「えっ!」っと思うほど初動の抜けがあり心地良さが訪れる。そして渡部氏を打太刀に斬割りをおこなったところ、手を抜くようなことをしない渡部氏がゆっくりやっているように見えて、「もっと速くやってください!」とこれまで言ったことのないお願いをしたのである。渡部氏のこの打太刀もなかなか厳しいものなので、これまでにもフライングギリギリ位の状態で定まっていないタイミングの打太刀に斬り割っていったのであるが、この日は、ひと手間入れてある筈なのに、速さも見え方もこれまでと異なっていることに驚き、「どういうことなのか…?」と渡部氏と打太刀、仕太刀を交代。

 打太刀をやってみて感じたことは、動きから感じる間合いの見切りが無意識の内に整う前に入られるので、怖さがあるということ。そこで、「以前の手順でやってみてください。」とお願いしたところ、同じ間合いでも全く余裕をもって受けることが出来る。これは、次なる動きを受けたからよく分ったのであるが、ギリギリまで来られても既に動きの合間に身体が無意識の計算力で把握しているので安心してギリギリの稽古が出来るのであるが、頭から始まる手順では私も最後まで受けきるのは止めたくなるほど予測がまだ出来ていない。渡部氏に「よく受けていましたね、怖くありませんでしたか?」と訊いたところ「もう打たれると思って覚悟しています。」とさすがの一言。これに背中の乗せが入ると受け手はかなり嫌なものであるが、胆力は養われるだろう。今後はそこも含めてこの斬割り稽古をさらに進展させたい。

 頭の重さは大体5㎏(体重の多い人はもっと重い)と言われているが、その重たい部位が身体の一番高いところにある。その5㎏は到底首だけでは支えきれず、背骨を通じ体幹部からの支えも受けている筈である。ということは、てっぺんにある5㎏の球を、どう使うかにより、身体が運ばれるのか、逆にブレーキになるのか、すこしイメージしただけでも分りやすいものである。急がば回れとは、これにも通じるものであり、先に足が出て行ってしまうと、5㎏の重りが体幹を通じて動きに滞りを生み、重心が遅れて動くことになってしまう。だから落下させやすい頭という重心移動に使わなければ勿体無さ過ぎる重さと高所にある物体を使い、体幹が引かれ、その引かれ方を中丹田の意識で整え、脚部は無意識化した蹴らない操作がおこなわれている。

 首を抜き、僅かな操作で頭を落とせるかが大きな鍵である。昨日の発見なので、まだまだ完成度や操作手順には検討が必要になってくるが、その作業はこれまでにない実感が訪れるものばかりだと思われるので楽しみでしかない。だが、こうした現状突破(ブレークスルー)が訪れるのを当たり前だと思わずに、感謝すべき存在に対して頭を下げることを忘れてはならない。

 12/15(土)におこなう「抜刀術特別講習会」では、かなりの事を伝えられると思う。右手の噛み方、中丹田の意識、頭の落とし方とそれをおこなう各部の意識と僅かな操作。これは体術にも繋がる操作手順なので、抜刀術稽古で練られた感覚はそのまま体術での精度も高まってくるものと思われる。とにかく、どうして、頭というのをこれまで使っていなかったのかが不思議である。だが下から上がってくる気付きは、順当なものであると感じている。


2018年12月15日(土)「抜刀術 特別講習会」(お申し込み受付中)

2018年12月23日(日)「杖整体操」の開催(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会HP

2018年11月 稽古日程

2018年12月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-11-30(Fri)
 

現代武術の真理

 一昨日の夜、川原田喬生氏と電話で交わした言葉のなかに「金山先生がおこなっている武術は現代武術だと思うのです。」という言葉が、瞬間的にストンと腑に落ち、古武術でも無く、古武道でも無く、現代武道でも無く、現代武術という言葉の端的さと分りやすさに「なるほど。」と感じるものがあった。

 金山剣術稽古会や、こちらのブログのプロフィール欄にも以前から、「現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。」と明記してあるように、私がおこなっている武術やそれを通じての活動とはまさに「現代武術」という言葉に置き換えられるだろう。

 古武術のように、当時の現代武術であったものを現代に再現する稽古でも無く、現代武道のように、スポーツ競技化したものや精神的なことを名目に気合いと根性で乗り切る稽古でもない。

 現代武術とは、現状突破(ブレークスルー)を主題に身体感を養うことである。それはつまり自分自身をなんのためらいも無く否定できるか。今日の進展を明日には過去のものに出来るか。そうした現状突破で得られた身体感は、現時点における普遍性を持った発見であり、当然ながら現代における日常に活きてくるものとなる。

 武術稽古と日常がどうして繋がっているのかを説明すると、武術稽古には、さまざまな状況を想定した課題があり、その課題に対し技を通すための術理が求められる。術理のレベルによって技の利きが変わり、術理の発見には身体感が大きく関係している。

 その身体感とは、感覚の調和でもあり、全身を通じた感覚をどのような手順と手続きでおこない、それに障害となる心理的不安や思い込みをコントロールするかが技の利きに影響してくる。

 武術における技というのは、力をスムーズに通すものでもあり、腕力で強引におこなうものは力技となり、それは技をスムーズに通すための身体感とは対極にあるものである。

 そうした技を通すための身体感を養う武術稽古は、武術稽古だけに留まらず、身体に宿った感覚や心の働き、そうしたものは自らの意識に内在するものとなりそれが日常の対応力に通じるようになってくる。

 そうしたスムーズに技を通すことで得られる「身体感的内在心理」は、人との御縁を導きやすくなり円滑に広がって行くものである。これは道場での思考が常にそうした問題に対する解答を技の中で自らの身体に問い続けながらおこなうものなので自然といえば自然なことなのである。

 だから、力技であったり、気合いと根性で身体と心を苛めるようなやり方であったり、技に疑問を持ちながらも変えられない組織の縛りがあったり、という稽古で身に染まった内在心理は日常にどう作用しているかは現代のさまざまな社会問題としても通じているものである。

 そうした日常の問題とどう立ち合っていくかが現代における武術稽古の意味であると私は考えている。そしてそれは、限られた人だけでなく、どのような人に対しても共有していく対応力で無ければならず、そうした分け隔ての無い共有空間でともに励むことに現代武術の大事な真理があるのだと思う。


2018-11-28(Wed)
 

中丹田からの展開

 昨日の金山剣術稽古会は、夜から新宿スポーツセンターにて後藤健太氏とともにおこなった。

 後藤氏は夕方頃から早めに稽古をされていたので、いつもの鍛練稽古を省きすぐさま今日の内容に入った。しかしながら今日の内容と言っても具体的には何も決めていない。敢えてそうしているのであるが、とくに個人稽古に近い形での稽古はその時その瞬間に感じたものが稽古になるので、始まるまで私自身も何が起こるのか皆目検討が付かないのであるが、これまでに何も起こらなかった試しは無い。

 その中でも昨夜は記念日と言っても良い発見が開始10分で訪れた。まさに、「もう今日はこれで十分だ!」と言える実感が礼をして僅か10分で感じられたのだからその言語化出来た内容は感動的なものであった。

 その事について触れてみると、先週の木曜日に渡部氏との稽古の中で検討した、初動時における脚足の運用について前重心にならず後ろ足で蹴らずに歩を進めるには、前足の指の引き上げとともに腿の引き上げをおこなうことで、胴体は前に引っ張られるのであるが、この際に胴体そのものの移動に重心を使ってしまうと、構えの段階で前重心をとらなければならず、それでは動きが悟られてしまうことや水平軸に移動出来ず、下方向へ軸がずれてしまうことで前足に圧が掛かり過ぎ脚足の伸びが止まり、かつ後ろ足が浮き上がり腰が抜けてしまうことが前重心からの移動における問題点の一つであった。

 そうしたことから、これまでにも重心を真ん中に置いた状態や、後ろ重心からでも、後ろ足で地面を蹴らずに前脚の腿の引き上げで前進できる強い力が起こることは、杖などを相手に両手でしっかりと持ってもらい、それを片足立ちの後ろ重心から引っ張ることで片足を上げた状態からでもその上げている腿の引き上げの力で相手を引っ張ることが出来ることはこれまでに何度かおこなってきた。文面だと分りづらいが、端的に言えば杖を使っての綱引きを一人は両手持ち、もう一人は片手持ち片足立ちで相手に少し身体を寄せた不利な状態からおこなうものである。

 そうした脚足の移動法にともなう、上体そのものの移動法を考えた際に「中丹田から動く」という閃きが湧き起こり、それを先週の木曜日に渡部氏に試したところ好結果につながったのであった。

 それを昨日の後藤氏との稽古始にさっそく試してみようと、90㎏前後の後藤氏に私の両肩を両手で押さえてもらい、その両腕を伸ばして足を前後に広く踏みとどまっている後藤氏を押し返すことが出来るかというもの。

 私の体重が60㎏なので、私だけ足袋を脱ぎ初めて試みたところ、渡部氏の時のようには通用せず(渡部氏の時は私が足袋を履き、渡部氏には脱いでいただいた)一歩目からこれは厳しいなと感じた。しかしながら、僅かにでも中丹田の意識で違いは互いに感じられたので、その後、肩甲骨の位置や骨盤の角度など色々と検証してみたところ、「そうか!そういうことだったのか!」という事が次から次に言語化出来るように脳内を流れ始め、体術から剣術抜刀術、杖術も含め全てに当て嵌まる重要な身体の作りが秘められてあることが解ったのであった。

 数回試したのち、先程まで後藤氏を押すのに苦労していたのが嘘のように、中丹田を出させる懐の作り方と、さらにこれが面白かったのは、次への懐を作るための、肩の押し込みである。これは肩を押し込むために両手首が引っ張っていってくれているような感じでおこなった。その力も驚くもので、肩の押し込みで懐が生まれその空間を中丹田が突き進んでいくという繰り返しにより、後藤氏がズンズンと後退して行った時には後藤氏も驚きの表情であったが、私も嘘のようであった。

 そうした発見にともない、中丹田の意識から次第に中丹田を動かすための「胸郭の使い方」にこの日の稽古は終始した。

 これまでは、脚足の使い方や浮きなど下丹田に関わる身体の使い方をおこなっていたが、どうやら中丹田に移れる身体からのサインなのかもしれないと思い始め、そう思えばどうしてこれまで股関節や仙骨、踵、爪先、膝、骨盤角度や腰、など考えに考えていたのに、胸郭のことはこれっぽっちも興味を示さなかったのだろうと不思議でしょうがない。おそらくには、背中の存在がそこに大きな影響を及ぼしていたのであるが、すかさず木刀を手にし、胸郭の使い方を検証してみたところ、「これは無意識にやっていたんだ!」ということも分った。しかしその意味合いは違うもので、背中の働きを強くするための肩甲骨の開き、つまりは背中に弓を引かせるような張りを持たせることで体幹の強さを剣に乗せようとしていたのであったが、どうやらそれは間違った解釈であったことに気が付いた。

 もちろん、背中の張りや肩甲骨の開きは向かえ身に近い構えから寄せ足でおこなう剣術流儀では必須の構えと言えるが、その初動の瞬間に、意識しないでおこなえる程度の中丹田の移動がおこなわれているのであった。それを知ったことで、これまでの構えが私自身より納得出来るものとなり、説得力を持って説明できるものとなった。そうした胸郭の働きが動きに関わっていることをこれまでのさまざまな動きで検証したのである。

 一日経って、あらためて昨日の稽古内容を記事にしているが自分自身でも興奮が蘇って来る。胸郭…どうしていままで蔑ろにしていたのだろうか。しかし、それは下がある程度決まらなければ、胸郭の働きについて知る由も無かったことだったに違いない。中丹田を意識したこともこれまでにはあったが、このような発見には結びつかなかった。上丹田ともなれば、一体どのような働きがあるのであろうか今では想像もつかない。だが今は、身体が自然に順序として選んだ中丹田、胸郭の働きについてこれから深めていかなければならないと感じている。

 そして最後は抜刀術をおこなった。

 これも全て胸郭を使うための構えに既になっていたのである。これをあらためて意識しながらより精度を高め無駄な部分を手順の中で減らしおこなったところ、二尺七寸の居合刀が軽くなったと思えるほど楽に、速く精度も向上した。峰返し納刀も無意識の内に胸郭を使って切っ先を鯉口に飛ばしていた。背中を使うとは、言葉を鵜呑みにしてしまうと背面の意識に捉われがちであるが、中丹田を意識した胸郭の使い方は、まだまだ私自身未開の地であるため、今後の稽古で何が起こるか予測不能である。

 そうした稽古が出来た後藤健太氏にただただ感謝である。


2018年11月22日(木)23日(金) 「関西特別講習会」(お申し込み受付中)

2018年12月15日(土)「抜刀術 特別講習会」(お申し込み受付中)

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2018年11月 稽古日程

2018年12月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-11-20(Tue)
 

中丹田の意識

 本日の金山剣術稽古会は新宿スポーツセンターで渡部氏と稽古。

 杖術では、次回の杖術特別講習会や関西特別講習会でおこなう「抜き技」とそれに対する「払い突き」を稽古した。この稽古では如何に相手に誘いを悟られずに技に入ることが出来るか、それを抜いた直後に相手がどういった対応に出るかで技の成否が証明される。そして誘いを誘いたるものにするには、脚足の入り方や肩の動作に大きく影響してくるが、心理的にも抜かずに打ち合う感触を身体が待ち受けるつもりで実際には抜いているということが心と身体を切り離して出来るかということ。これは甲野先生の影観法に近いものがあるのかも知れないと思うが、自然とそのような稽古法が今の私の杖術稽古の中で重要視している課題である。咄嗟の動きに脚部が居着かずに連動して動けるか、心と身体が別々の状態でもそのように動いてくれるか、この稽古ではそうしたことが練られると思われるので、私の稽古会の中でも現在重要な内容と位置づけている。

 剣術では、居合刀による刃筋を左右からの袈裟斬り、正面斬り、右から左への胴斬りで確認。その四種の斬りを1セットとし10セット連続で刃音を確認。続いて、今日の稽古で是非とも検討したかった「中丹田の意識による力の伝達」をおこなった。

 これは想像していた通り、いや想像以上に得られるものがあった。肩との関係も含め、身体を整えて動くということに一つ大きな手掛かりを得ることが出来た。峰返し潰しではこれまでにない通りの良さと威力で、渡部氏が勢いよく潰れているにも関わらず、「気持ち良いです。」と、首に掛かる衝撃がほとんど無く、力が身体の中を通ってフッと潰れてしまうので、その瞬間の抜けている状態にエネルギーが通った際に感じる身体が楽になったようなような気持ち良さが訪れるのは不思議なものである。

 これまではしばらく仙骨を意識して質量を高める姿勢を研究していたが、今後はそれも合わせながら中丹田の意識による身体の整い方と操作手順に着目しながら稽古を進めて行きたい。


2018年11月17日(土) 「杖術 特別講習会」のお知らせ(お申し込み受付中)

2018年11月22日(木)23日(金) 「関西特別講習会」(お申し込み受付中)

2018年12月15日(土)「抜刀術 特別講習会」(お申し込み受付中)

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2018年11月 稽古日程

2018年12月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2018-11-16(Fri)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなう。

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

2018年
『 関西特別講習会 』として人との繋がりを大事に遠方での講習会もおこなっている。

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