追求すべきもの

 本日は高田馬場でI君といつものようにマンツーマンで稽古をおこなった。今日は天気もよく気分的にも少々鍛錬系の稽古をおこなおうと、脚部鍛錬稽古の後、私が昔よく一人稽古でおこなっていた雀をもっと低く姿勢をとり、木刀の末端を柄寄せで持ち、大きく振りかぶった状態から床面スレスレにピタリと止めながら浮き上がらずに前に進んで行くというもの。I君とともに私も久しぶりにおこなってみたが、やはりキツいものであるが同時に気持ちよさもある。

 次に武道場の窓側から師範席側までの空間が空いていたので、武道場の横面を横断するように杖の「馬突き」を十往復おこなった。半分で一息立ち止まったが、I君も全く根を上げずについて来た。これからは彼も身体の成長とともに鍛錬系の稽古を交えて鍛えていこうと思う。彼もこういった自分に厳しい稽古が嫌いではないようだ。そして私自身も体力面などまだまだ向上したい。

 杖術稽古では、この一年と一ヶ月でほぼ全ての内容をおこなってきたように思う。もちろん成長過程において出来る部分でおこなってはいるが、私の想像していたよりも早く進んでいる。だが私も含め、〔今の時点での事〕なので、それらを全て上回る動きというものにしていくために、「もう出来た」ということは過去のものであり、進化していかなければならない。

 剣術では、私にとって今後の方向性というものをフト感じることが出来た。おそらくこれまでの試行錯誤の稽古でおこなってきていたことが、その方向性における言葉により具体的な整理がつき、今後の稽古方法でより追求していくことになるだろう。腑に落ちたということである。

 胴斬りが先週の水曜日の稽古でこれまでの脚部の手順と変わったことで、これまでに比べフライングになりにくく、かつ身体の詰まりが抜け、よりこの胴斬りがスムーズにおこなえるようになった。私もどうして胴斬りにこだわっているのかわからないが、身体がこの稽古を必要としていることを感じている。今となっては剣術稽古では外せない内容の一つとなっている。

 次に歩を進めながらの斬割稽古であるが、今日は打太刀が相手の間を盗んでおこなうことで、仕太刀側の集中と、身体の状態が動けるための静止状態とならなければならず、この状態というのは感覚的に身につけることが出来れば他の稽古にも役に立つと思われる。仕太刀側とすれば、居着かないための心理面の状態と、止まって見えるが止まっていない状態を感覚的に養うことが求められる。打太刀側とすれば、相手の心の状態、観る目を養い、相手の動けない瞬間をついて太刀を振る。今日は互いに引き出せるこの稽古の在り方に気がつけたことが大きい。

 今日の稽古は、私にとってこれからの剣術における自分なりの方向性に気がつけるものとなった。これまでおこなっていたものが、「じゃあそれらはなんなのだ。」と自ら問うた際に、自らの人間性と心の在り方が技に通じるものでなければならないものであり、手っ取り早い手段を選ばず、愚直といえる方向性から愚ではないものを証明していかなければならない。

 今日は武術稽古と、生き方というものの関係性にほんの少しだけ触れることが出来たような気がした。


2017年7月22日 「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2017年6月 稽古日程

2017年7月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-06-20(Tue)
 

成長のさなか

 本日は高田馬場でI君と稽古をおこなった。だいたい週に一回顔を合わせているが、このところ身長がさらに伸びてきたのを感じる。私も毎回会うごとに、「背が伸びましたね。」と言っているが、半年前と比べても身体のバランスが変わってきた。それに合わせて、からだのフラつきも減少している。聞いたところ、どうやらお母様の身長を追い越したようである。

 春休みに「高齢者のための剣術教室」に一緒に行った時よりも大きくなっているので、夏休みにまた一緒に行ける機会があれば、皆さんもI君の成長を感じるだろう。その日を今から楽しみにしている。

 さて稽古では、久しぶりに杖術「反転打ち~引き手追い打ち突き」とそれに繋がる「後方受け払い突き」をおこなった。以前は、馬突きの足運びがまだ段階的に難しかったため、この稽古を途中で止めていたが、今ではすぐに動けるようになっているので、あらためて成長と、身に備わったものの蓄積量にこれからの稽古が楽しみとなった。

 子供の成長は本当に早い。数ヶ月後には別人のようになることもある。身体が成長し、顔が精悍になり、考えることが大人びてくる。嬉しい事であるが、同時に寂しくもある。だからこそ、一回毎の稽古というのはある意味この日が最後と思って接するつもりでいたい。

 I君の稽古姿や成長というのは、私だけでなくこの高田馬場の武道場にいつも稽古にいらっしゃる各師範の先生方も離れたところで見守ってくださっている。そう感じさせるI君の人柄もあるのだろう。そうした方々の眼がI君にとってもプラスとなっているので、そうした多くの生徒さんを受け持つ師範の先生方からも気にかけて頂いていることを私も有り難く思いながら、I君との時間を私としても勉強させてもらっている。

 休憩時間にいろいろとお話をすることも、信頼関係の中さまざまに話す内容にも成長を感じた。私の稽古会では、「現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。」と謡っているが、同時に感じる心を養っていく場としても育んでいくものとしている。私には学も無いし知識などたかが知れているが、生き方には後悔していないので、どの場所でも貫いてきたものは今に繋がっていると思う。そのために苦しんだ日々というものが、今ひとと出会い言葉を交わしていく中で、自分の言葉になっているのかもしれない。何度もゼロからのスタートになったとしても、信念や積み重ねてきた心持ちというものが変わらなければ、ゼロではないし、そうした環境に自然と導かれていくものだと思う。

 人生長いスパンで考えると色々なことが起こるだろう。天災もあれば事件に巻き込まれることもあるかもしれない。事故や病気、考えればきりが無いが、そうした未来の不安を考えるよりも、今どうであるかの方が生きていく中では大事である。それに備えた保険や予防なども必要だとは思うが、死ぬことを恐れ過ぎては今が生き辛くなるし、輝けるものが輝けなくなってしまう。

 長い歴史から死生観を鑑みると、今の時代というのは一般的に若い人達の中で死というものが日常の中でほぼ意識することなく暮らしていけるのではないだろうか。もっともそうでない人も多くいらっしゃることは承知しているが。

 それが良いのか悪いのかは私には分からないが、ただ、こうした時代だからこそ、つまらない事に必死になるより、当たり前のように生きていられることのありがたさや、自らの生き様というものを、誰かの記憶に残せるような、そうした生き方というのがこれからの情報均一化時代、きっとそこに気が付いて救われる人が出るものと思う。

いろいろな競争や闘いとは違った角度で、生き方を考え実践していくことで、結果があとから付いてくるのかもしれないし付いてこなくとも、納得は得られるように思える。心がどうであるかが、これからの時代は益々問われてくるだろう。


金山剣術稽古会  

2017年6月 稽古日程

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2017-06-13(Tue)
 

日常の過不足を把握し心身のバランスを整えられるか

 昨日はこちら関東でも梅雨入りとなったが、今日の日中は清々しい快晴となった。紫陽花も綺麗に咲いている。私も年々季節のものには関心が湧いてくる。

 さて、本日は高田馬場でW氏とK氏とともに稽古をおこなった。木曜日の午後からの稽古であるが、このところ会場が混んでいる。昼過ぎから夕方にかけての時間帯は空いているのが魅力であったのだが、個人開放なのでそれは致し方ない。

 今日は久しぶりに鹿島神流の木刀を使ってW氏と袈裟斬りをおこなった。相手に両手で斜めに構えた木刀を遠慮なく強く打ち込む稽古である。あまりやり過ぎると指関節などの節々に痛みが残るが、身体の内側に効いてくるので、故障しない範囲で継続したい。

 同様に相手に受けてもらいながら胴斬りをおこなった。相手が怪我をしないように徐々に強くしていったが、木刀が飛んでいってしまったので、胴斬りの受けの持ち手には課題が残る。

 しかし、抑えながらとはいえ強く木刀を斬る様に打ち抜くのは芯に響いて気持ちがいい。だが袈裟斬りもそうであるが、威力にこだわって、形がそのためのものになってしまわないように気をつける必要がある。今日の稽古で私の木刀の物打ち辺りがかなりささくれてしまい、これまでにも何本か鹿島神流の太い木刀でも折ってしまった事がある。自分の武道具には愛着があるが、稽古のためには致し方がない。

 W氏も今月で二年となったが、この稽古会でこれまでに比べ体の芯が練られてきた。身体が変わって出来ることや感覚的に感じやすくなるものもあるので、これからの稽古がよりいっそう楽しみでもある。そうしたことが稽古でも伝えやすくなってきた。

 K氏もジックリ取り組まれる方なので、自得できるまで突き詰めながら自身の世界を作っている感じを受ける。こうした方々と集中して、何かを探し求めながら稽古をおこなうことが私の望んでいる稽古環境でもある。もちろんまだまだ空間として出来ていない部分や共通の発掘作業としての循環周期に至っていないが、いずれその流れに入っていくものと思う。

 最後におこなった抜刀術では「隼抜き」をおこなったが、こうした〔落下系〕のものは力みを抜くことが重要であると、当たり前なのであるが、動きを通じてそのように感じることが出来た。

 明日は久しぶりに井上欣也さんとの研究稽古。怒涛のように色々出てきそうであるが、その瞬間まであまり考えないように務めたい。明日は満月。良い一日となりますように!


2017年6月10日(土曜日)『 抜刀術 特別講習会 』 
お申し込み受付中

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2017年6月 稽古日程

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2017-06-09(Fri)
 

飽きない尽きないもののために

 6月に突入したが、今年に入りすでにいろいろな方とご縁が出来た。月日の早さに焦りを感じるが、出会えた人を思えば、その焦りは消え大きなエネルギーとなっている。

 昨日今日と杖術稽古で幾つか得たものがある。それは体術との関係もあり非常に興味深いものとなった。相手の身体を観ながらどこに誘導していくと効果的であるか、いま杖術稽古で興味があるのはそのところである。今週の土曜日におこなう剣術クラスの講習会でおこなう予定。

 水曜日は、頭で相手を崩すという自分でも不思議な現象がおこったが、そのことよりも崩すということについて少しだけ理解が深まったように思う。相手に反射的に反応されない加減、力の方向と変化への対応。力がぶつからない方法とテンションを掛けるタイミング、そうしたことをどのようにして身体の捌き方でおこなうかが非常に難しいところであるが、私自身としては杖術での自由に居着かずに好きなように調和をもって動く稽古が、こうした予定調和に無い対応への足掛かりとして探りやすいように思う。私としては、浮きや体幹の働きとは違った面での体術稽古として今後も研究していきたい。

 剣術では、これまでよりも間合を意識し剣先をギリギリで突きつけるようにおこなった。これにより互いに精度も向上し心理面における変化も表れるだろう。相手の打ち込んで来る籠手を崩す稽古もおこなった。中心の取り方とそこからの剣の落とし方が大事であるが、この稽古も体術稽古に関連しているものなので、今後も精妙におこなえるように取り組んでいきたい。

 抜刀術では巴抜きという技で、右足の使い方を意識することで軸足となってしまう居着きの感覚が改善された。やはり居着いてしまうとそれは剣の操作に違和感となって表れる。

 毎回少しずつであるが、得られるものがあるから稽古は飽きないし尽きないのだろう。そうした事が続いていくための日々の選択を、より感度が増すような方向で進んでいきたいものである。


2017年6月10日(土曜日)『 抜刀術 特別講習会 』 
お申し込み受付中

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2017年6月 稽古日程

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2017-06-02(Fri)
 

本筋を外さないこと

 本日は高田馬場でK氏とI君と稽古をおこなった。30分以上前に来られていたので、K氏とは早めに稽古を開始した。正面への礼と互いの礼が終わると突然私の口から言葉が出てしまい、そのまましばらく10分ほど深い話となった。

 K氏とは今年の2月に電話で連絡が入り、メールからではなく電話での申し込みに珍しい方だと思いながら、2月11日(土)に戸越体育館で初めてお会いした。その日はたしか、会場に向かう際に着信があり、何度かけても互いに電車内で電話が繋がらなくて、何度か互いに掛け直して連絡を取り合った記憶がある。

 俳優さんであり5年間滞在していたニューヨークから戻って間もない事もあり、私としても印象深い方であった。向こうでは合気道をを学ばれ、帰国したらどういうわけだか私のところで学びたいと仰られ、気恥ずかしさと共にこういうご縁があるから人生は面白いのだと思える。

 海外で日本人として流行最先端の都市で大きな経験を積まれたK氏が、俳優活動と共に武術に惹かれて行く何かが、これからの彼の俳優人生に大きなものとして感じてもらえるものであればと思う。

 しばらくしてI君も訪れ、今日の稽古でK氏とI君との剣術稽古から私自身見えてきたものがあった。それは、空間が変わる瞬間があり、現実にそうした周囲も感じる空気の違いがそれぞれの心理面の持ちようによって起こりうるということである。現代において剣術稽古をおこなっている者同士としての自覚、木刀であるが、相手を殺傷せしめることを前提としておこなっていることを忘れてはならない。形をなぞるのではなく、その形が何を意味しているのか、そこに気持ちの理解をもって取り組まなければ剣術稽古とは言えない。仮に、なにかの間違いで顔や腕に木刀が打ち当たったとしても、その時の心構えが出来ているかいないかが試される。そうした、仮に何かがおこっても後悔しない気持ちでおこなうことが、一つ一つの動きには求められ、そこに追い込んでいかなければ、いずれ後悔することになってくる。

 時代に合わせ、武術は多くの方に受け入れられるように多様に応じられるものとなってきているが、本筋は決して外してはならない。私がいうのもおこがましいが、これからはK氏の加入により、そうした現代における武術(剣術)稽古の在り方を考えながら、心理面を観ていきたいと思う。


2017年6月10日(土曜日)『 抜刀術 特別講習会 』 
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2017年5月稽古日程

2017年6月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-05-30(Tue)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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