愉しむことのレベルアップ

 今日の「高齢者のための剣術教室」は、新しくMさんが仲間に加わり、この教室も総勢11名となりました。得物を使う講習ですので、12名位までが限度かと思っております。以前は、人数が増えてきたら半分ずつ休憩をとりながらおこなおうかと考えたりもいたしましたが、今のメンバーの多くは、講習が始まる30分以上前から自主練習をおこなっていますので、休憩時間を増やす訳にはいかなくなりました。私が会場に到着してロビーでフロントスタッフの方と挨拶を交わすと、「もう練習されていますよ!」とスタッフの女性Mさんも驚いた様子で私にお伝えして下さり、「いやぁ、回を追う毎に皆さん元気になってますね!」と私も驚きを隠せずにお話して稽古場に向かうのでした。

 早出のメンバーと挨拶を交わし、初めて参加されるMさんを紹介され、いろいろ身体の事やこれまでの経緯などをお伺いし、以前Oさんがこの教室の事を熱心にお勧めして下さったことをずっと覚えていらしたようで、体調が軽くなったことをキッカケに参加されることになったそうです。

 やはり皆さんもそうでしたが、初めは相当な不安を持たれています。それは、長年の身体の不調や、それにともなう気持ちの低下が、「諦めることに慣れてきた」からなのかもしれません。ですから、キッカケやタイミングというものが、その方にとってのこれからをどのように過ごされていくのかと考えたときに、重要なものとして考えなくてはならないと思っております。

 そのため、なるべくキッカケやタイミングの確率を上げて行けるように、私に出来ることはそうした受け皿といいますか、教室の雰囲気というものを、皆とともに育てていかなければなりません。統制と自由さ、笑いと集中、運動と休憩、そうしたものが皆さんにとって丁度良く安心できるものであることが大事だと思います。

 そういう意味では今日の講習はこれまでにない変化を感じました。それは、皆さんの目が変わってきたということです。

 つまり、運動の一環として楽しく参加されていた方々が、身体の使い方や手順の覚え方に面白さを感じ始め、これまでと違った質の楽しさを掴み始めてきたように思われます。OさんやWさんは以前からそうした部分を求められておりましたが、近頃は半数以上の方々がそうした伝える側と伝えられる側のやりとりに面白さを感じてきております。

 今は私から見て殆どの方が、運動することという意識よりも「この動きを覚えたい!出来るようになりたい!」ということへの意識が勝っており、結果として身体にとって優れた運動効果が発揮されているのではないかと思うのです。その証拠に、80代半ばを過ぎたKさんが、先日計測したコレステロール値が30下がったと喜んでおられ、他に下がった要因が見当たらないということで、運動もさることながら、皆と笑って無理せずにおこなっていらっしゃることが数値にも表れたのではないかと思います。

 身体にいいとされることはさまざまにあるとは思いますが、ストレス無く、笑いと安心感のなかで少しずつ前に進めることが出来る喜びは重要な要素であります。私が嬉しく思うことは、そうしたことを私が居なくとも、自分で見つけることが出来るようになってきたことです。これはとくにTさんを見ておりますと、活き活きと目が輝き、真剣な姿とともに非常に良い表情となられました。幾つから始めても人は輝くことが出来るのだと、私自身知ることが出来ました。

 そして剣の振り方が一番上手になったNさんは、上腕部の筋肉が発達しておりました。姿勢に関しましても相当変わりました。80が近いとは思えないほど表情も活き活きとされ、Nさんもこのところ大きく変わられた方の一人です。

 今後仲間に加わる方が増えてきそうでしたら、その時は可能であれば、同じ日にもう一コマおこなえれば危なくないようにスペースを確保して出来ますので、その辺は今後相談したいところでもあります。

 この火曜日の「クラーチ剣術教室」は、ここでしか感じることのないエネルギーを頂く事ができます。それは玄関先で毎回皆さんに送られて帰るときに痛感いたします。そうした実地の感動が染み入る学びとなり、未熟な私を少しずつ満たしてくれています。あらためてこの場を過ごさせていただいていることに感謝し、この場のご縁を繋いで下さった方々にお礼申し上げます。


2017年7月22日 「杖術 特別講習会」
(お申し込み受付中)

金山剣術稽古会  

2017年6月 稽古日程

2017年7月 稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文


2017-06-27(Tue)
 

崩しの見栄え

 今日は6月最後のGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習となりました。ここ最近、袴を購入される方が増えてきており、より充実感を持って取り組まれている感じがいたします。武道具に関しましても、最近の生徒になられた方は徐々に揃えるようになり、貸し出し用の武道具の不安が少なくなってきております。ですが、10月中旬から来月の3月一杯位まで、江東区の会場を使うこともあり、その際は貸し出し用の武道具が諸事情により今よりも少なくなってしまいます。おそらく私が持ち運びますので、木刀、杖、それぞれ3本ずつ位になるかもしれません。体験参加の方に優先してお貸しいたしておりますので、数が足りなくなってしまった場合は、それに応じた内容をおこないます。

 昨日は剣術クラスでひさしぶりに「蛙」をおこないましたが、今日辺り筋肉痛になった方もいらっしゃったのではないかと思われます。やはり、私もひさしぶりにおこなってみて、短時間で身体に効いてきますので、これは土曜日の講習で毎回ではないかもしれませんがおこなおうと思います。

 そして本日の講習は殺陣クラスでは「月末恒例立廻り講習」ということで、昼間の部、夕方の部ともに程よい人数の中集中的におこなうことが出来ました。構成など立廻りの動き考えますが、実際に人数が揃って動くのを見るのは、講習で初めてとなりますので、そのあたりで細かい修正が必要となります。

 今日はそうした中で、最後の最後でおこなった、絡み四人のジリジリとした間詰めが、場の起こりを予想させるものとして効果的になりました。そして三番目の絡みの間のとり方、ここがこの場面での難しい部分でもあります。芯に対してそれ以上近寄ってはいけない距離感を知ること。そうした中で払いやすい角度とタイミングを身につけていただくことがこの日の集中的におこなう内容としての重要なポイントです。あまりにも払いやすくするための剣の出し方は、私は好きではありませんので、そのあたりの振り方と止め方というものを、通常の稽古で相手を意識しておこなうことです。

 芯の決めの瞬間の形は、剣を少し斜めに変更いたしましたが、この場合真っ直ぐでも構いません。体の向きと肘の角度が見栄えと言う点ではポイントになります。

 絡み役の立ち方、構え方、というのも芯を引き立てるものとして重要になってきます。つまり、芯を引き立たせるには、微妙な崩しが立ち方、構え方に求められます。通常の稽古ではこうした崩した構えをおこなっていませんので、通常の構えからどのように崩していけばいいのかと言う点では、身体面と心理面の両方から「崩しの見栄え」というものを作っていかなくてはなりません。

 今日は受講五回目のKさんが初めてこの立廻り講習を体験され、今後慣れてくればかなり動けるようになる気がいたしました。ダブル受講の方も、やはり二回目は良くなってきておりますので、全体としてもこの序盤シーンを丁寧におこなっていきたいと思います。

 剣術クラスの前半は、正面斬り、斬割、胴斬りをおこないました。立廻りに比べますと地味な稽古と言えますが、こうした技術の習得のための感覚を探し求める集中した時間というものが、殺陣にも大きく関係してくることが受講されている生徒の皆さんにも伝わっているものと思われます。

 後半は、鹿威しと抜刀からの鹿威しをおこないました。鹿威しでは、剣の振り方というものを、対象物の前でも崩れないようにおこなうことが重要です。当てることに捉われて自分の動きが見えなくなってしまってはなりません。地面を打つ方も結構いらっしゃいますので、当てることだけが目的ではありませんので、姿勢、剣の軌道、そういったものを崩さぬようにおこないます。

 抜刀からの鹿威しでは、三歩進みながらの斬りですので、ブレない足運びと正中線の合わせ方、そして背中が前に引っ張られない剣の振り方、そういったものを身につけるための稽古としておこなっております。成果が分かりやすく、真芯で捉えたときの驚きと快感がこの稽古の特徴でもあります。

 次回は7月になりますが、しばらくお休みされていた方々も復帰されるかと思われます。7月はどのような一ヶ月のなるのか分かりませんが、また楽しみなひと月となりそうです。気温もまだまだ上がってくるでしょうが、良い夏となるように過ごしたいと思います。

 7月22日(土)の「杖術 特別講習会」もお申し込みを受け付けておりますので、初めての方もご参加お待ちしております。ひさしぶりに懇親会もおこないますので、また盛り上がる一日となればと思っております。


2017年7月22日 「杖術 特別講習会」
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2017年6月 稽古日程

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2017-06-26(Mon)
 

愛あるひとに

 梅雨らしからぬ梅雨。そんな今日は午前中にパンを2個食べてから先ほど深夜0時まで何も食べないまま過ごしていた。落ち着いて食べられるまでの時間の使い方がどうにも下手なのである。

 瞬く間に一週間が経過していくが、嫌とか不安とかそんな気持ちではなく、この一週間でどのぐらい進めたのだろうかということに意識が向かう。人生何を学ぶのかそれぞれであるが、私が思うことは直ぐに活かせるものを学び実践したい。それは生きていくための手段であり、私にとって必要なことは、もちろん身体のことやそれに関した知識もそうであるが、やはり日々の人との出会いの中から何を感じどういう時間を生きたかが即実践になる学びとして振り返ることが多い。

 まだまだ自分自身の知らない私という人間について、これから知っていかなければならないし、知った上で見えてくる次なるテーマが訪れるのだろう。気がつけば、そうしたことと私がおこなっている講習会や稽古会が徐々に結びついてきているように感じる。なんというか、例えば「こういう方法があって人と接し結果を知る。」というよりも、「人と出会いどのように接したかで結果から学ばせられる。」ということだと思う。

 人とのやりとりというのは、生ものであり、その時その瞬間に感じるものが自然と発せられるからこそ、温かみや感情が伝わるものであり、その時その瞬間というものは、準備しておこなうべきものではないと思っている。その時その瞬間にどうあるべきか、ということが武術稽古から学んだ教訓でもあり、自然と人との間についてもそうした答えを求めていくことになる。

 こういうことは、これまで武術稽古をやっていなかったら気が付きもしないし、きっと言われても理解できなかった筈である。こうした経験の積み重ねが、今後の私にどういう生き方を求めるものとなるのか今は未だ分からないが、気づかぬうちにそうしたことの下地が無意識の内に作られているようにも思えるのである。


 さて、本日土曜日の講習は、2013年に開講してから最も体験初参加の方が多くお越しになられました。そのため、いつもは空いている土曜日の殺陣クラスが定員となり、そのあとの剣術クラスに移っていただいた方もいらっしゃいました。明日の月末恒例立廻り講習が体験初参加の方は外していただくようにお願いしていたことも要因として挙げられるでしょう。

 このところは俳優さんの参加が増えてきました。世界は狭いもので、この教室で偶然バッタリ再会することも何度か見てきました。今日もそうした事例が起こりましたが、この教室の空間がまた新たな出会いや再会の場として、「知る人ぞ知る教室」となっていくことを楽しみに皆と共に学び育てて行きたいものと思います。

 この教室には、いろんな年齢層の方がいらっしゃいますし、いろいろな個性の方もいらっしゃいます。土曜日日曜日と4コマ開催しておりますと、そうしたいろいろな方とお会いでき、笑ったり心配になったりいろいろですが、生徒の皆さんでこの教室の空間をよりよいバランスにしてくださっていることを感じております。技術を身につけるためには、自然とそういった空間になっていくものと思いますし、そこには純粋に自分が出来るようになったかそうでないかということしかありませんので、余計な心理状態に持っていかれることも無く、そうしたことが私と皆さんとの繋がりにおいて「学ぶ」、「伝える」といった、ただそれだけのことに深く追求できるのだと思うのです。だからこそ私も、変わることなく飽きることなく、気持ちを込めてそれが当たり前のこととして取り組めているのだと思います。

 そうした循環作用が今の教室には働いているものと思われます。

 ただ純粋に、そのことに向き合える心理状態というのは健全なものです。そうした状態になんら疑う余地も無く取り組んでいけることが当たり前に思えているということは凄く幸せなことなんじゃないかと思います。

 人生いつ何が起こるか分かりません。その時まで今を活き活きと生きて行ける時間が掛け替えの無いものであると、愛という言葉を使うのは恥ずかしいですが、愛を無くした生き方というのはやはり、寂しいものです。愛せる日々を生きて行けるように、そのために自分を見つめ、自分を愛せる状態で人を愛せるように、そのなかに強さと覚悟を秘め、新たな明日へと向かっていきたいものです。

 明日もみなさま、お待ちしております。


2017年7月22日 「杖術 特別講習会」
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2017年6月 稽古日程

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2017-06-25(Sun)
 

都会の音、自然の音

 明日21日は夏至であるが、あいにくの雨となりそうだ。今日も快晴となったが、一日の明るさを最も長く感じられたのはもしかすると今日が最後だったかもしれない。

 そんな今日はいつものように早朝から電車に乗り継ぎ「高齢者のための剣術教室」へと向かった。先週に続き今日も紫陽花とウグイスの鳴き声を堪能しながら、この火曜日以外ではまず聴くことの無いウグイスの鳴き声に、体が緩むというか無意識の緊張状態が解けるような感覚になる。これは海辺での波音もそうであるが、とくに音に関しては私の場合癒されるものである。

 新宿駅構内は、私の地元の年に一度の「門司港港祭り」の人出の数倍であり、当たり前のような日常の風景であるがやはりこれは異常な数である。そうした人混みの雑踏を歩くのは避けたり避けなかったり視覚的に疲れるものであるが、聴覚に意識を持ってくると、この地響きにかなり神経が緊張状態に持っていかれていることに気がつく。とくに階段の昇降時にはかなりの音が響いてくる。目の不自由な人はこうした場所を一体どのように感じられているのであろうかとつい思ってしまう。

 駅によってはいつもマイクで大音響で宣伝活動をおこなっているが、視覚であれば目を背けば問題ないが、聴覚に関してはその場から離れなければ、否応なしに体に緊張状態を押し付けられてしまう。

 そうしたことからも、都会における音、騒音、振動、というものは無意識の内にも神経を疲弊させているのであろう。そんなときに、自然の恵みと言える野鳥の鳴き声であったり、波音であったり、川面のせせらぎであったり、そうした自然が自然らしくあるための音が、自然の一部であるはずの人間にも必要であるのだろう。SNSも、これからは個人の楽しみのためでなく、その場周囲の人々にとって良い影響力を与えるものとして開発していただければ、精神的に自然の恩恵を受けにくい都会で暮らす人々にとって、多少は救いになるようにも思える。こう感じるのは、私の実家が山の中にありそこで育ったことが深く関係しているのだろう。


 さて講習内容に話を戻そう。今日も早出稽古をされていた方々がいらっしゃり、いつもだいたい開始時刻ギリギリになって来られていた方々が、今日は30分前から自主稽古のために来られており、私は何も知らなくてみなさん自主的におこなっていることなのでこのところ毎度驚かされております。

 やはり自主的におこなっていると、自分で決めて自分で見つけ自分で直すことになりますので、心身ともに活き活きとされており、私はもう、それが出来ていても出来ていなくてもどちらでもいいと、今この瞬間がこれ以上無い成果となっていることに、私は黙ってニコニコと見つめるだけなのです。

 そうしているうちに、質問攻めになってきますので、みなさんの情熱を削がないように楽しみながらお答えしております。ほとんどの方が早くお越しになられるようになり、あらためてこの教室に関わる事が出来て本当に有り難い事だと思います。先日のGold Castleもそうですが、私の個人稽古会も気持ちを込めておこなえる方々です。こうした日々のみなさんとの稽古が私にとっては心身ともに救われております。バチが当たらないためにも、その空間と異なる稽古を自身に課していかなければなりません。甘えや油断は、心の隙間に忍び寄って来ます。そうした隙間を作らないためにも、私自身の時間の過ごし方がこれからはとくに重要な気がしています。

 このクラーチ剣術教室でおこなっている内容は数ヶ月間でかなり整理が付いて来ました。私も高齢のみなさんにとってどのような内容とパターンが良いのか試行錯誤の中で感じとってきました。そうしたことから、手順を覚える系統の内容(二十連円打)身体の姿勢とバランスに関わる筋力を養うもの(杖の寸止め打ち/鹿威し/抜刀からの鹿威し)などは今後の主な内容とし、それ以外は、その日そのときに感じたものをお伝えしていこうと考えております。

 とくに私自身見直し重要に感じたことは、杖も剣も寸止めでおこなうことです。素振りですと目的が失われ易くただの運動になりがちですし、打ち込んでしまうと体の姿勢が崩れ、当てることや威力を出すことのみに意識が向かってしまいます。このことは人間の本能的な部分が関わっていると思いますのでなかなか変える事は出来ません。ですが、寸止めに止めることで、対象物に対しての集中度と、打ち込むことよりも力みを押さえやすいため、姿勢も意識的に整いやすくなります。何より安定的に寸止めにするには、姿勢が整ってブレないことが必須ですので、上達を目指せば目指すほどこの稽古の場合、姿勢が向上するものと思われます。なにより一番成果が表れているのは、そのむかし素振りが芋掘りだと自身で仰っていたNさんです。姿勢の良さが杖にしても剣にしても良くなっており、それに関連して後方突きまで良くなっています。今の調子ですと今後ますます良くなっていくものと思われます。

 稽古内容として、自分で振った杖や木刀をピタリと止めるには姿勢にともなう筋力が必要となります。身体が流れてしまえば、筋力への負担は軽減されますが、この稽古の目的の場合は、ピタリととめることですので、否応なしに身体に効いてくるでしょう。寸止めはミリ単位でとめられると気持ちのいいものですし、鹿威しも、真芯で捉えれば自分でもビックリしてしまうほどの衝撃に快感が残ります。年齢を重ねていきますと運動不足による筋力低下が骨を弱くし、転倒骨折やあまり人との触れ合いがなくなってしまうと、認知症などさまざまな病魔が迫ってきます。身体を動かすことが健康にいいのは誰もが分かっている事ですが、それを継続的におこなうには、やはり自分で「やりたい!」と思えるものに巡り合うことが大事なことだと思うのです。

 これからの時代、もうすでに突入していますが、認知症を予防する運動がもっといろいろと出てくるかと思われますが、本当にその人の気持ちになって考えられたものであるかどうかが、理論的や化学的な検証結果より大事なことのように思えます。

 日々感じることは身になるものです。そうしていられる状態が当たり前かと言えば決してそうではありません。だからこそ、自分の心と感覚がリンクしていられる環境に身をおくことが重要であると私は思っています。そこに何らかの道標があり、その道行く先を照らしてくれているものと思います。


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2017-06-21(Wed)
 

追求すべきもの

 本日は高田馬場でI君といつものようにマンツーマンで稽古をおこなった。今日は天気もよく気分的にも少々鍛錬系の稽古をおこなおうと、脚部鍛錬稽古の後、私が昔よく一人稽古でおこなっていた雀をもっと低く姿勢をとり、木刀の末端を柄寄せで持ち、大きく振りかぶった状態から床面スレスレにピタリと止めながら浮き上がらずに前に進んで行くというもの。I君とともに私も久しぶりにおこなってみたが、やはりキツいものであるが同時に気持ちよさもある。

 次に武道場の窓側から師範席側までの空間が空いていたので、武道場の横面を横断するように杖の「馬突き」を十往復おこなった。半分で一息立ち止まったが、I君も全く根を上げずについて来た。これからは彼も身体の成長とともに鍛錬系の稽古を交えて鍛えていこうと思う。彼もこういった自分に厳しい稽古が嫌いではないようだ。そして私自身も体力面などまだまだ向上したい。

 杖術稽古では、この一年と一ヶ月でほぼ全ての内容をおこなってきたように思う。もちろん成長過程において出来る部分でおこなってはいるが、私の想像していたよりも早く進んでいる。だが私も含め、〔今の時点での事〕なので、それらを全て上回る動きというものにしていくために、「もう出来た」ということは過去のものであり、進化していかなければならない。

 剣術では、私にとって今後の方向性というものをフト感じることが出来た。おそらくこれまでの試行錯誤の稽古でおこなってきていたことが、その方向性における言葉により具体的な整理がつき、今後の稽古方法でより追求していくことになるだろう。腑に落ちたということである。

 胴斬りが先週の水曜日の稽古でこれまでの脚部の手順と変わったことで、これまでに比べフライングになりにくく、かつ身体の詰まりが抜け、よりこの胴斬りがスムーズにおこなえるようになった。私もどうして胴斬りにこだわっているのかわからないが、身体がこの稽古を必要としていることを感じている。今となっては剣術稽古では外せない内容の一つとなっている。

 次に歩を進めながらの斬割稽古であるが、今日は打太刀が相手の間を盗んでおこなうことで、仕太刀側の集中と、身体の状態が動けるための静止状態とならなければならず、この状態というのは感覚的に身につけることが出来れば他の稽古にも役に立つと思われる。仕太刀側とすれば、居着かないための心理面の状態と、止まって見えるが止まっていない状態を感覚的に養うことが求められる。打太刀側とすれば、相手の心の状態、観る目を養い、相手の動けない瞬間をついて太刀を振る。今日は互いに引き出せるこの稽古の在り方に気がつけたことが大きい。

 今日の稽古は、私にとってこれからの剣術における自分なりの方向性に気がつけるものとなった。これまでおこなっていたものが、「じゃあそれらはなんなのだ。」と自ら問うた際に、自らの人間性と心の在り方が技に通じるものでなければならないものであり、手っ取り早い手段を選ばず、愚直といえる方向性から愚ではないものを証明していかなければならない。

 今日は武術稽古と、生き方というものの関係性にほんの少しだけ触れることが出来たような気がした。


2017年7月22日 「杖術 特別講習会」
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2017-06-20(Tue)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


松聲館 剣術技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


――――――――――――――

1975年生まれ
福岡県 北九州市出身
東京都 世田谷区在住

1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより俳優デビュー。他分野では、マンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などの活動をおこなってきた。

2006年
小林照子先生とのご縁から  『 からだ化粧 』のモデルを務める。

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む。

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し身体の使い方を研究しながら、『 抜刀術 』『 剣術 』『 杖術 』『 体術 』などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている。

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく
『 Gold Castle 殺陣&剣術スクール 』を立ち上げる。

2014年
甲野善紀先生より
『 松聲館 剣術技法研究員 』という名称を頂き、自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている。
 
高齢者向け住宅にて
『 高齢者のための剣術教室 』をおこなっている。

日信工業株式会社の製品『 SAMURAI BRAKE 』のプロモーション活動をおこなっている

2015年
『 金山剣術稽古会 』を立ち上げ、現代における武術稽古の必要性を、身体と心で学べる場として活動している。

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