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それぞれに得るものがあった杖術特別講習会

 本日は品川区総合体育館剣道場にて『杖術 特別講習会』を開催いたしました。世間では四連休の三日目ですが、私の場合三日連続での講習となります。連日色々な方々とお会い出来ることに感謝しております。

 講習では、足裏の説明と杖を使った足運び「一突一足」と「クロール」「杖を使った抜刀」を序盤三十分程時間を掛けておこないました。
 続いて、「下段受払い突き」と「上段受け持ち替え打ち」をお伝えいたしました。説明していく中で私自身も気が付くことがあり、身体に近いところで捌くことにより、滞りの無い連続した動きが可能になるということ。そのためには中心を外す体捌きが必要であり、身体が作った技でありますが、あらためてどのようになっているのかを知ることが出来ました。

 ここまででかなり考えて動いて頂きましたので、脳の目先を変えるためにも次に「差し換え奪り」をお伝えいたしました。これは、最近私自身の理解も進んだことがあり、以前に増して相手と合致しない動きの間であったり、歩の連鎖的な運ばせ方であったり、最後の切り方であったり、流れがより具体的にお伝えできるものとなりましたので、皆さんの興味をそそられる技になったと思います。

 さいきんは、自らの身体がやったことに「おっ、今のはどうやったんだ?」と、身体に訪ねて教えて貰うことが多くなりました。以前から生徒達に質問されて答える際に、動いてみてからお答えすることは多々ありますが、自分で動いて自分で質問して教えて貰うというのは数年前には無かったことだと思います。当時はおそらく、身体が動けないので感ずるものが無かったのでしょう。身体が勝手に何かをしてくれるというのは、普段の稽古が無ければ起こりませんし、「質の高い技を受ける」という経験の積み重ねも大きいのだと思います。ですから、技になるべく身体遣いを知ったとき、その瞬間、さまざまに感謝するということは当然の気持ちであります。

 最後の三十分はそれぞれに自由にやっていただきました。今日の内容を復習される方、相手を変えて試してみる方、基礎的な杖の使い方を学ばれる方、三十連円打の課題の番号を質問される方、この時間というのは私にとって貴重な経験でした。おそらく今後は、最後にそれぞれやりたいことをやって頂く時間を設けることは、脳の整理の仕方として効果的だと思いますので、時間的にそれが出来る講習で雰囲気に応じて可能であればそのようにしたいと思います。

 講習後は、以前杖整体操で初めてお越しになられたダンサーのAさんが、講習後すぐに杖を買われたそうで、杖に興味を持ち今回の講習にもお越し下さいました。好奇心の強い方で、動きの覚えも早く、今日はさらに楽しんで行かれたと思います。折角ですので、体術の「独楽落とし」をかけて驚いて頂きました。この独楽落としは、特に女性の方が技を受けますと、かなりの確率でジェットコースターに乗ったときのような悲鳴と高揚感に包まれる感じになります。まあ悲鳴はそこまで大きな声ではありませんが、倒されて嫌な感じがしないどころか心地良いというのはこの技の特徴と言えるでしょう。

 それを目にされた鍼灸師のYさんが「私にもかけて下さい!」と仰いましたので、見たところガッチリした筋肉質で70kg台後半はありそうなYさんにはさすがに無理だろうなぁと思いましたが、最初にストンと落ち、もう一度「今度はシッカリ立っても良いですか?」と、94kgのKさんに抵抗されると無理だったので、厳しいだろうなぁ…と思いながら独楽落としを掛けてみると若干抵抗は感じたものの、ああ倒れてしまったと、私の方がビックリしてしまいました。この時の納得されたようなYさんの表情が私にとって更なる意欲に繋がるものとなりました。

 合気道を学ばれているご年配のMさんは、基礎的な足運びも含めた杖の操法に「このような基礎的な足運びを含めた杖の使い方を学ぶ機会がありません。今日はとても良かったです!」と仰るように、私と稽古される方に合気道を学ばれている方が徐々にですが増えて参りました。あれだけの組織の大きさでありながら得物の稽古があまり出来ないというのも可哀想ですが、さいきんは私の動画を見て、杖の動き剣の動き、そして蠢動についても実際に体験して驚かれるようになりました。私のところでは、段位や肩書きはありませんが、集中的に動ける身体遣いの稽古は皆さんと共に充実したものが出来ております。とくに金山剣術稽古会では、平日の午後や月曜日の夜という一般的な会社員の方や学生さんにとっては難しいものであり、それゆえに少人数での集中稽古となっております。もちろん私自身、ここで共に稽古をおこなう方というのは技量よりもその方の取り組み方を見ておりますので、ご遠慮いただいた方も少なくありません。おそらく今後は、少しずつ情報が広がりやすくなると思いますので、ここでの稽古を望まれる方とのご縁も繋がってくる事でしょう。実際に関西方面から日帰りでお越しいただいた方もいらっしゃいますし、本気で取り組まれる方というのは優先順位が何よりも上に位置しております。

 海外に目を向けましても、三十連円打を覚えながら、私に動画などで指示を仰がれる方が、タイとアメリカにいらっしゃいますし、それは純粋な姿で稽古に励まれております。その他にも、Emailで連日親交を深めている方がいらっしゃいます。一つ言える事は、想いは伝わるということであり、それが伝わるかどうかで、その想いが同じ方々と良好な関係が築けるということです。表面的なものばかりで目先の利益を求めては駄目になってしまいます。内面にあるものを感じながら、その先にあるものに多くの幸せが訪れるように人々の能力が役目を果たしていかなければなりません。

 これからの展開を運命に任せながら、生きて行くことをより深めていける人生であるように前に進んで行こうと思います。


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2020年9月 武術稽古日程

2020年10月 武術稽古日程

甲野善紀先生からの紹介文

2020-09-22(Tue)
 

身体と感覚と見立て

 四連休の中日である本日は品川区総合体育館で講習をおこないました。今日は昼間の部と夕方の部の二部制でおこないましたが、前回同様ほとんどの方が昼間の部となり、夕方の部は少人数での講習となりました。

 そのため予定を大幅に変更して、脚部鍛練稽古ののち「立廻りタイプJ」を集中的におこないました。前半、中盤、後半と三場面に分けておりますが、この日は前半と中盤までを相手を付けて稽古いたしました。私も相手を付けての中盤の部分の動きは初めて観るものですから、今日の感じからして仕上がった時のイメージが明確に浮んできました。夕方の部ではかなり進めることが出来たと思います。次回再びこの会場で昼間の部と夕方の部で開催される場合は、夕方の部の方が空いている可能性がありますので、そちらをお勧めいたします。

 逆になりましたが昼間の部では、久し振りに倒れ方の稽古をおこないました。何度も倒れますとかなりの運動量になりますので、剣を振りたい方にはあまり好まれない内容です。しかし、殺陣は斬られた後に倒れなければなりませんので、倒れ方を知らなければ勢いに任せて怪我をしてしまいます。今日の様子を見てしばらく倒れる稽古は控えて起きますが、立廻りが進むにつれ必要性を感じますので、その辺りで再び必要になる技術をお伝えいたします。まだ興味持っていただくには早かったようですね。

 続いて「万乃型」を全員通しでおこないました。最後まで通しておこなえる方が増えて来ましたので、一斉に合わせて普通の速度でおこなえるように流れを正確に出来るように会場で稽古前など時間がある時は自主稽古されるとよろしいでしょう。

 次に立廻りタイプJをおこない、芯の動きだけを全員最後の所までをお伝えいたしました。これは非公開で私が説明しながら動いている映像をホームページから観られるようにしておりますので、自主稽古で覚えて来られる方が増えているものと思われます。ある程度覚えた方が出てきましたら、その人達で三人一組となって、実際に相手を付けての動きが出来るようになります。それが進んで行きますと撮影が出来る段階となります。撮影は、現段階での動きを確認するものとしておこなうものですので、最終的な仕上げを撮影するのは来年春か夏あたりになるかと思います。

 杖術クラスでは、この日は柔道場ということもあり体術をおこないました。
 円を使う稽古、中心を使う稽古、背中を使う稽古、浮きを使う稽古、蠢動を使う稽古、それぞれから幾つかの技や検証法をお伝えいたしました。

 初めて体術をおこなった九歳のYちゃんは、驚くべきことに、円の使い方、中心の取り方、背中の使い方、それぞれが出来ておりました。受けを務めていた中学三年生のK君の驚いた表情が印象的でした。その他にも大学生のK君と社会人のSさんが、取り(技を掛ける側)がおこなう背中の使い方に対し、受け(技を受ける側)が円に対処するという工夫で、背中の発力による崩しが出来なくなり、独自に考えた方法に夢中になっておりました。私もお伝えしたとおり「円、中心、背中、浮き、蠢動、それぞれをどのように組み合わせたり、またはなんらなかの感覚を用いたりしながら、同じ条件で違いを検証すると色々な発見がありますよ。」と皆さんにお伝えいたしましたので、早速いろいろと試しながら稽古されておりました。その終始夢中になっている様子に、「ああ、私の教室でも、多少なりとも松聲館の雰囲気に近い、独自に工夫して感覚に気が付く雰囲気が見られたなぁ。」と感じたのでした。講習後にその工夫した崩れなくなった受けをK君に実践していただき、いざ私が対峙して背中の働きで崩そうとしたところ、「お、止まったな。」と「直線に対して丸で受けてきたか。」と、先にお伝えしたことを逆の立場で実践されたのには嬉しいものでした。
 そこで私も、じゃあどうしようかと身体に確認してみると、「方向を変えれば円の先回りに対処できるだろう。」と感じたので、そのようにおこなったところK君が後ろに勢い良く転がっていきました。これを見ていたK君と共に工夫されていたSさんにどうやったのかを説明すると、目を見開いて納得しながら「楽しい!」という感想が何度も何度も聞こえてきました。あらためて、技が技たるものになっていくには、そうした「受け」と「取り」の工夫により、「出来るか」「止められるか」を繰り返し積み上げていくことにあると思います。「術理」というものがそれらを可能にしておりますので、術理無き工夫は力技や、相手の協力により崩れてしまうものであり、それでは先に進むことが出来ません。術理は訪れるものだと信じ、それが実現するための心持ちで稽古することが大事なのでは無いかと私は思っております。

 夕方の部でも体術はそれぞれに進展がありました。昼間の部で出来なかった蠢動の使い方をお伝えし、全員「独楽落とし」を掛ける事が出来ました。これは私自身、技を掛けられて転倒させて貰えたことで「術理として通用するものだ」と確信出来る瞬間であり感動的な瞬間であります。もちろん抵抗が強ければ簡単に掛けることは出来ませんが、明らかに普通の力ではないものが感じられた瞬間と言うのは術理の可能性から技への展開が拓けて来ます。稽古が楽しいというのは、不思議なことが出来るようになるための種を探すことなのかもしれません。

 人間の身体に興味を持てる瞬間になりますし、自分の身体と相手の身体を探り、決して誤魔化せない問題解決のための感覚を養っていくことが重要です。感覚とは≪センス≫とも言いますし、物事の道理や筋道を探る稽古にもなっているのかもしれません。職人さんの物事の見立てというのは、身体から得た実践感覚追求の証でもあるように感じます。合理的で便利になった現代は、その辺りの実践感覚の追求が失われたことで、センスが育たない、物事の見立てが目先までしか見えてこないような現象になっているのかもしれません。本当に利益を考えるのであれば、やはりそれは自然の恵みであったり、人類の生存バランスを保つ自然環境や他の生物との共生を重んじ、人々が求めるものを「果たして、これは価値のあることなのか…」と、改めて見直さなければならないと思います。「行き過ぎたものを元に戻すこと。」それが出来る見立てを持った人が、これからの世の中で力を合わせていく必要があるのではないでしょうか。そうなれば自ずと仕事のジャンルが大幅に変わっていくものと思われます。

 明日は、品川区総合体育館 剣道場にて12時00分~14時00分『杖術 特別講習会』を開催いたします。今回は久し振りに少ない人数となりそうですので、一人ひとりを集中的に見ていくことが出来るかと思います。初めて杖術を体験される方もお越しになられますので、明日の参加者に合った内容を纏めてながら臨機応変に進めていこうと思います。


2020年9月21日(月/敬老の日)『杖術 特別講習会』(お申し込み受付中)

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甲野善紀先生からの紹介文

2020-09-21(Mon)
 

何処かで見てくれている人はいるということ

 それにしても、私にとってCOVID19による新たな展開の連鎖は、この出来事が無ければ色々な条件が繋がっていかなかったと思われる。最近は連日海外の方と親しくメールで連絡を交わしている。こんなことは翻訳機が無ければ皆無であったが、世界と繋がるということは、それだけ私と通じる方との出会いの確率が高まるということでもある。私は私の身の丈を弁えながら、出会いを大切に、私の感覚を信じて、今だからこそ人々が考える事を共有し私に出来るやり方で何かのためになればと思う。この出来事は本当に有り難いことです。

 昨夜は青木賢治さんとご飯を食べながら積もる話を語り合った。

 昨年の暮れに新宿スポーツセンターで稽古して以来の再会なので十ヶ月ぶり位だと思う。青木さんは、武蔵円明流判官派を学ばれたり、ペルシャ楽器TOMBAK奏者でもあり、ライターのお仕事をされております。その他にも幾つか活動をされておりますが、多彩な方で一言で何者なのか表現するのに困ってしまいます(笑)。

 その青木さんと、最近の武術稽古のお話や、色々な裏話、そしてCOVID19の考えについてなど意見を交わしました。青木さんも私と殆ど同じ考えであり、すぐ後ろのテーブル席で会社員の男女4~5人が、酔っ払った勢いで張り叫ぶような大声で話していたのを尻目に、マスクやソーシャルディスタンスなど、ただのアピールにしか過ぎないものと、皆分っているはずなのに同調圧力でそれが出来ない。本当に徹底している人は、この数ヶ月間でかなり精神的に危ないところに来ている可能性が考えられます。もうそのSOSすら出せない状況に追い込まれて(追い込ませて)しまっている世の中の風潮に憤りを覚えます。

 帰りは青梅街道の交差点で体術の「独楽落とし」を受けて頂き、大勢の人がいるところで倒してはいけないと支えましたが、青木さんから「危なく倒れそうになりました。」と驚いた表情が印象的でした。今は再び杖を稽古されていると仰ってましたので、いつか近いうちに交流稽古をと考えております。そう、青木さんと言えば「かざあな抜刀術編」など、かざあな三部作の受けを務めて下さいました。あの作品は、私が企画書を書いて念入りに会場の確認と使用許可をとったり、備品の手配など、レンタカーを運転しながら一人何役もおこない、そんな中一日で撮り終えた作品です。「かざあな。」というタイトルはすぐに決まりました。風穴を空けるという意味から、新たな風とともに淀んだ空気を新鮮なものにしたいと考えての使用です。受けを務めて下さった青木さんに、撮影編集をしてくださった尾崎さん、そしてスーパーバイザー的な存在で、私との遣り取りを心地よく円滑に素晴らしく見事に対応してくださったTAMTAMのMariさん、そして見事なオリジナル音楽を作って下さり、私のワガママナ要望にもお忙しい中(超有名な日本を代表するグループのサポートなどもされております)予想以上のパターンの提案と完璧な作業でかざあなの質を高めてくださったTakaさん。さらに影のスーパーバイザーであるUmiちゃん。そうした方々に支えられて私が頭の中で描いていた世界観が実現できました。

 配信を終えて一年以上になりますが、その広がりには驚いております。まだまだ私の知らないところでのサポートもあると思っておりますので、今後もどういう影響があるのかを考えながら、私らしく振舞って行かなければならないと考えております。

 さて、本日土曜日は戸越体育館でGold Castle 殺陣&剣術スクールの講習をおこないました。
 杖術クラスでは、技をおこなわず、さまざまな足運びや脚部を練る稽古をおこないました。特に最初におこなった足運びの、杖の突き戻しと摺り足による始終一致の動作が、動きを導きやすくする働きがあり、今日はこの始終一致の足運びについて皆さんの理解が進んだのではないかと思われます。

 最後におこなった「三十連円打」で、この足運びを意識しながら稽古していただくことで、三十連円打が求める動きに近付いたものと思われます。この型稽古に速さは必要ありませんし、速くおこなう体系ではありません。始終一致の足運びで、身体各部の全てを点検する意識を育てることが重要です。

 続く殺陣基礎クラスでは、四連休の初日という事でかなり少なめの人数でしたが、それぞれに経験されておりますので、今日は最後に「繋之型」を全て覚えて頂きました。三十連円打同様、覚えてからがようやく身体を観る稽古が出来ますので、身体各部を感じながら丁寧に感覚を育て向上させていただきたいと思います。

 さあ、明日は品川区総合体育館柔道場で二コマ開催いたします。12時~14時の部と15時~17時の部です。前回は殆どの方が昼間の部に参加されましたので、明日も夕方の部の方が空いている可能性があります。ダブル受講も受け付けておりますので、上手く分散すればより集中的に生徒を観ることが出来ると思います。現時点では珍しく体験参加のお申し込みがありませんので、杖を使っての立廻りなど、進められる方は進めさせたいと思います。

 それでは明日もみなさまお待ちしております!


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甲野善紀先生からの紹介文

2020-09-20(Sun)
 

杖整体操も感覚が必要

 本日は新宿スポーツセンターで渡部氏と稽古。

 腰の沈ませ方、体の開き方など、基礎的な部分を丁寧におこなう。何年ぶりかに杖を使った抜刀もおこなったが、身体の可動域など、普段の動きでは引き出されないものがあり、逆に差しておこなえば調整法にもなるので、9/21(月/祝)の「杖術 特別講習会」でお伝えしようと思う。

 体術稽古では「案山子落とし」に進展があった。横方向に対して思い込みの部分があり、それに気づいたことで一つ前進できた。そのほかにも様々に歩幅などの点検をしてみたが、技によって歩幅と言うのは異なるものであると感じた。当然と言えば当然かもしれないが、思い込みの歩幅というものもあるので、そこを点検して行く事は大事である。

 次にひさしぶりに袋竹刀で剣術稽古をおこなう。鍔迫り合いからの対応や、相手の籠手や面を寸止めで狙う稽古。そのほかにも幾つか条件を付けて対応を試みる。あらためて木刀と袋竹刀の稽古の違いを感じる。やはり袋竹刀は得物による体術稽古という部分が強い。

 最後に各種納刀法を稽古。納刀は自らの身体を観る感覚が必要であり、全てにおいて感覚でおこなえるようにならなければならない。当然目を使っておこなうものではない。抜刀の身体感覚と同様に、納刀についても同様のシビアな身体感覚でおこなう必要があるだろう。

 最後は十五分程、杖整体操をおこなった。昨日に続き身体に沁みた。連日の稽古にはこの調整法が無くてはならない。しばらくこの調整法は講習会でおこなわないため、この感覚を伝えられないのは勿体無いが、当初誰にでも簡単に実感出来る心地よさと思っていたが、身体を観る経験が無い方や、ストレッチのようにやろうと頑張る方には、本人がどこに焦点を合わせていいのか分り辛い場合がある。また緊張している方やリラックス出来ていない方、雑談しながらおこなわれる方にも効きが不十分である。そのため、元々私の調整法として始まったこの杖整体操は、本来の目的に戻して、私の連日の稽古が淡々と出来るものとして、私の稽古会などで私がおこなう場合に共におこなって頂くものとする。

 明日は日中は家での作業と身体を休ませる時間がある。夜からは久し振りに知人と合う予定。積もる話で時間はあっという間に過ぎてしまうだろう。


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甲野善紀先生からの紹介文

2020-09-17(Thu)
 

時の流れと道の選定

 昨夜は松聲館で甲野善紀先生との稽古でした。お忙しい合間を割いて下さりいつもより遅い時刻からの開始でしたが、開始早々に先生の「浪の下」が強力になり、これまで蠢動を用いて対応しておりましたが、昨夜は一度も止められず引っ掛かる感じも無いまま沈められました。掴んでいる感じが薄まる先生の腕というのは、受けの持ち方に応じて感じ方も変わってくるのですが、昨夜は蠢動を用いた状態でも掴んでいる感じが薄まり、これは先生の状態が明らかに今までと違うものになったと感じました。

 今までに無い初動の通りに全く歯が立たず、これでは先生の稽古にならなくなるなぁ…と、何とか工夫していかなければならないと、次回に備え、その工夫のしどころが浮ばないまま帰りの終電内でも考えておりました。

 そのほかにも、鍔迫り合いからの崩しにも右足が浮くほどに沈められてしまい、これにも工夫が必要だなぁ…と近年は袋竹刀での稽古が少ないため、袋竹刀での稽古も必要に感じております。新たな剣術の組太刀につきましても、やはり脚足が止まってしまうと、術中にはまってしまうためどうにもなりません。さらに間合いにつきましても、待ちでいますとどうにもなりません。それは既に取られてしまっているということであり、その前提が術中にはまっているということだと思いますが、それを凌ぐ脚足の使い方が間合いであったり、体の差し換えや浮き身であったり、打太刀には求められるのかもしれません。特に近接での刀使いというのは通常の稽古では想定も少なくバリエーションも少ないものです。しかし、実戦的な間合いの攻防から考えて行きますと、近接での工夫は展開して行かなければなりません。そういう意味でも私自身の袋竹刀での稽古は重要なところにあります。

 
 そして本日は戸越体育館にて渡部氏と柳澤氏と稽古。
 脚部鍛練稽古をおこなったのち、今日は体術からおこなった。様子を見て、二人に浮き身や切り落としの体使いを稽古していただき、私はそこに全く関与せず三十分程、身体に任せて動きを探る稽古をしていた。自然に任せていたところ何やら中国武術のような動きになり、そこに身体を導くような心地よさがあり、身体の繋がりやそれに伴う反応など大まかにではあるが、感じ取りながらユッタリと動いていた。

 そんなときに突然、歩幅と歩の使い方と体軸について浮んできたものがあり、二人の所へ近付き「浪の下」をおこなっていただき、私はそれを止める検証を試みた。お二人は「浪の下」をやったことが無いため、威力に対する点では検証が難しかったが、私の身体の整え方の違いがどれ程あるのかを確かめるには十分な検証が出来た。

 昨夜の終電内では工夫のしどころが浮ばなかったが、歩幅や歩の使い方と軸の振れ、さらには背中の整え方でも違いを確認できた。まったく、稽古はやってみないと分らないものである。

 その他には杖術、剣術、抜刀術を稽古し最後は杖整体操で終える。今日は杖整体操が深部に沁みた。いつも感じるが身体の継続的な働きのためには私にとって欠かせない調整法である。

 時の流れと共に、身体におこなうこと、心に思うこと、行動すること、それぞれ今に見合ったものを選定して行かなければならない。ずっと同じではいられないし、外れたものでもならない。それが自分の道ということなのだろう。


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2020-09-17(Thu)
 
プロフィール

金山孝之


     金山 孝之
  Takayuki Kanayama


1975年生まれ
福岡県北九州市出身
東京都世田谷区在住

松聲館技法研究員

金山剣術稽古会主宰

Gold Castle
殺陣&剣術スクール主宰

高齢者のための剣術教室
クラーチ剣術教室講師


1999年
映画監督中田秀夫氏との出会いにより映画に出演。そのほかマンダムのモデルや舞台のプロデュース公演などをおこなう

2006年
小林照子先生とのご縁から
「からだ化粧」のモデルを務める

2009年
武術の道を志しそれまでの活動を一新し武術稽古と研究に励む

2011年
武術研究家甲野善紀先生に師事し「抜刀術」「剣術」「杖術」「体術」などの稽古と研究に取り組んでいる。また、先生の書籍、番組撮影、記録映像、その他演武等における打太刀や受けを務めている

2013年
刀と身体操作の技術向上を目指し裾野を広げるべく「Gold Castle 殺陣&剣術スクール」を発足

2014年
甲野善紀先生より
「松聲館技法研究員」を拝命
自身の経験を活かした指導法を各道場等でおこなっている
 
シニア住宅にて
「高齢者のための剣術教室」をおこなっている

日信工業株式会社の製品
「SAMURAI BRAKE」のプロモーション活動に携わる

2015年
「金山剣術稽古会」を発足
現代における武術稽古の必要性を身体と心で学べる場として活動している

2018年
「関西特別講習会」として定期的に関西地域での講習会を開催

2019年
BABジャパンDVD
『古武術は速い』指導・監修

2020年
BABジャパンDVD
『古武術は美しい』指導・監修

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